JPH08235042A - 複数ジャーナル一括取得方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 高トラフィック時も低トラフィック時もジャ
ーナル書込み要求の増減に応じ、迅速に受け付け処理す
ることができる複数ジャーナル一括取得方式の提供。 【構成】 トランザクション処理装置１、３が、それぞ
れの処理において、ジャーナル情報をジャーナルバッフ
ァ９に書込み、その書込み要求を待ち行列１１にエンキ
ューする。書込み要求カウンタ１９が、待ち行列１１内
の書込み要求をカウントする。ジャーナル処理装置５
が、書込み要求カウンタ１９内の個数を作業域２１にコ
ピーし、この作業域２１内の個数と同数の書込み要求を
待ち行列１１からデキューし、デキューした書込み要求
に係るジャーナル情報を全てジャーナルバッファ９から
キャッシュバッファ１３へ読み込み、その後、キャッシ
ュバッファ１５内の全てのジャーナル情報を一括してデ
ィスク１７に書込む。ジャーナル処理装置５は、カウン
タ１９の値が０でない限り、上記の一連の処理を連続的
に繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トランザクション処理
システムにおいて複数個のジャーナル情報を一括して取
得するための方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来方式として、例えば特開昭
６２−２６６４３号及び特開平４−１３３１５８号のも
のが知られている。

【０００３】特開昭６２−２６６４３号の方式は、ジャ
ーナル取得時に、キューイングされているジャーナル書
込み要求を全て取り出し、その後に、それらの要求にか
かるジャーナル情報を一括してストレージに書込むもの
である。しかし、この方式では、高トラフィック時など
にジャーナル書込み要求が連続して到着しエンキューさ
れていく場合には、キューからジャーナル書込み要求を
幾ら取り出しても切りがないため、いつまでたってもジ
ャーナル書込みが開始できないという事態が発生する。

【０００４】特開平４−１３３１５８号の方式は、ジャ
ーナル情報をまずメモリに蓄積しておき、(1)規定の個
数のジャーナル情報がメモリに蓄積されたこと、(2)規
定の時間が経過したこと、又は(3)特定のジャーナル情
報が発生したこと、のいずれかの条件が満たされた時、
メモリ上のジャーナル情報をストレージに一括して転送
するようにしている。この方式は、上記の条件(1)、
(2)、(3)のいずれかが満たされるまで、ジャーナル情報
はメモリ上に置かれたままになるため、低トラフィック
時などに条件の満たされる時間間隔が長くなると、ジャ
ーナル情報がメモリ上で無駄に長く待機させられ、いつ
までもストレージに取得されないため、特に信頼性を重
んじるジャーナル情報を複数一括して取得するケースに
は適しないという問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高トラフィック時に大量のジャーナル書込み要求が
連続して到来する場合でも、それらのジャーナル書込み
要求を着実に処理していくことができ、一方、低トラフ
ィック時にジャーナル書込み要求の到来が減った場合に
は、その要求を無駄に長く待たせることなく直ちに処理
することのできる複数ジャーナル取得方式を提供するこ
とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の複数ジャーナル
一括取得方式は、ジャーナル情報の書込み要求がエンキ
ューされる待ち行列と、待ち行列に存在する書込み要求
の個数を間欠的に認識する要求個数認識手段と、認識さ
れた個数だけの書込み要求を待ち行列からデキューし
て、デキューした書込み要求に係るジャーナル情報を一
括して不揮発性記憶媒体に書込むジャーナル書込み手段
とを備える。そして、待ち行列に１個以上の書込み要求
が存在する限り、要求個数認識手段とジャーナル書込み
手段とが連続的に繰り返し作動する。

【０００７】また、本発明は、この方式によって実行さ
れる新規な複数ジャーナル一括取得方法も提供する。

【０００８】

【作用】トランザクション処理で発生したジャーナル情
報の書込み要求は、待ち行列にエンキューされていく。
本発明の方式では、待ち行列中の書込み要求の個数が間
欠的な機会で認識され、各機会毎に、認識された個数だ
けの書込み要求が待ち行列からデキューされ、デキュー
された要求に係るジャーナル情報が一括して不揮発性記
憶媒体に書込まれる。そして、待ち行列内の書込み要求
が完全に無くなるまで、上記一連の処理が連続的に（つ
まり、余計な待ち時間を間に入れることなく）繰り返し
実行される。

【０００９】高トラフィック時などにジャーナル書込み
要求が際限なく連続的にエンキューされて来る場合で
も、本発明の方式によれば、間欠的な機会毎に、その時
点で待ち行列に存在する個数の書込み要求だけをデキュ
ーして処理し、その間にエンキューされて来る後続の書
込み要求は次の機会で処理するようにしているため、特
開昭６２−２６６４３号の方式ようにデキュー処理が終
わらないという問題はなく、着実にジャーナル書込み処
理を実行できる。

【００１０】また、本方式では、待ち行列内に１個以上
の書込み要求が存在する限り、上記一連の処理が連続的
に繰り返されるため、待ち行列内の書込み要求は長く待
つことなく次々と効率的に処理されていく。特に、低ト
ラフィック時などでジャーナル書込み要求が少ない場合
には、その要求がエンキューされると即座にデキューさ
れ処理されるので、特開平４−１３３１５８号の方式の
ような条件満足までの無駄な待ち時間は生じない。従っ
て、本方式は従来技術に比較して複数ジャーナル取得処
理のスループットが高い。

【００１１】好適な実施例では、ジャーナル書込み手段
は、デキューされた書込み要求に係る複数個のジャーナ
ル情報を揮発性記憶媒体に一旦蓄積した後に、この揮発
性記憶媒体に蓄積された複数個のジャーナル情報を一括
して不揮発性記憶媒体に書込むようにしている。一般
に、メモリと呼ばれる揮発性記憶媒体は、半導体メモリ
が使用されるためアクセス速度が高いが、ストレージと
呼ばれる不揮発性記憶媒体は、ディスク記憶装置などが
使用されるため、アクセス速度が遅い。そこで、複数の
ジャーナル情報を高速のメモリに一旦蓄積した後、一括
して低速のストレージに書込むことにより、ストレージ
へのアクセス回数が減るためスループットが向上する。

【００１２】また、好適な実施例では、要求個数認識手
段は、書込み要求のエンキューによって増加され、デキ
ューによって減少させられる要求個数カウンタと、この
要求個数カウンタの値が間欠的にコピーされる作業域と
から構成され、作業域にコピーされた値が、その機会で
の書込み要求個数を示している。このような極めて簡単
な構成によって、個々の機会における待ち行列内の書込
み要求の個数を正確に認識することが可能である。

【００１３】

【実施例】図１は、本発明に係る複数ジャーナル一括取
得方式を適用したトランザクション処理システムの一実
施例を示す。

【００１４】図１において、１個以上のトランザクショ
ン処理装置１、３と、ジャーナル処理装置５とが通信可
能に結合されている。これら装置１、３、５は、典型的
には、通信ネットワーク等で接続された別個のハードウ
ェア装置であるが、必ずしもそうである必要はなく、例
えば、単一のハードウェア装置内で実行される別個のプ
ログラムであってもよい。

【００１５】トランザクション処理装置１及び３の各々
は、トランザクション処理部７及びジャーナルバッファ
９を備える。ジャーナル処理装置５は、ジャーナル書込
み要求待ち行列１１、キャッシュバッファ１３、ジャー
ナル処理部１５、ジャーナル取得部１７、書込み要求カ
ウンタ１９及び作業域２１を備える。このジャーナル処
理装置５は、複数のトランザクション処理装置１、３に
よって共有される。

【００１６】各部の概略機能は以下の通りである。

【００１７】トランザクション処理部７は、トランザク
ションを処理するものであり、各トランザクション処理
毎に、その処理で発生したジャーナル情報（データベー
スやファイルなどに加えた変更の情報）をジャーナルバ
ッファ９に書込み、そのジャーナル情報の書込み要求を
待ち行列１１に入力し、且つ、書込み要求カウンタ２９
を１つ増加させる。ジャーナルバッファ９は、トランザ
クション処理部７からのジャーナル情報が書込まれるメ
モリ（＝ＲＡＭ等の揮発性記憶媒体）領域である。

【００１８】待ち行列１１は、トランザクション処理装
置１、３からのジャーナル書込要求が入力され待機する
メモリ領域である。書込み要求カウンタ１９は、待ち行
列１１内のジャーナル書込み要求の個数を記録したメモ
リ領域である。尚、待ち行列１１には、ジャーナル書込
み要求以外の各種ログやメッセージの書込み要求や各種
読出し要求等も入力される。そのため、書込み要求カウ
ンタ１９には、待ち行列１１内にある要求の個数と共
に、各要求の種別情報も記録される。但し、以下の説明
では、ジャーナル書込み要求のみに着目して説明する。

【００１９】キャッシュバッファ１３は、ジャーナルバ
ッファ９内のジャーナル情報がコピーされるメモリ領域
である。作業域２１は、書込み要求カウンタ１９の値が
コピーされるメモリ領域である。

【００２０】ジャーナル処理部１５は、複数ジャーナル
情報の一括書込み処理を行うもので、この処理では、ま
ず、書込み要求カウンタ１９の値を作業域２１にコピー
し、次いで、この作業域２１にコピーされた値に等しい
個数のジャーナル情報を、（カウンタ１９と作業域２１
の値を１づつ減らしながら）ジャーナルバッファ９から
キャッシュバッファ１３へ順番にコピーし、そして、コ
ピーしたジャーナル情報を一括してジャーナル取得部１
７に書込む。この一連の処理は、カウンタ１９の値が０
になるまで、休みなく連続的に繰り返される。

【００２１】ジャーナル取得部１７は、ジャーナル情報
が最終的に書込まれるストレージ（＝ディスク等の不揮
発性記憶媒体）である。

【００２２】図２は、以上の構成をもつ本実施例の各装
置の動作流れを示す。

【００２３】図２に示すように、トランザクション処理
装置１及び３の各々では、トランザクション処理部７
が、各トランザクション処理毎にその所定段階を契機に
して、ジャーナル書込み処理を開始する（Ｓ１）。する
と、トランザクション処理部７は、先ず、ジャーナルバ
ッファ９にジャーナル情報を書込み（Ｓ２）、待ち行列
１１にジャーナル書込み要求をエンキューし（Ｓ３）、
そして、書込み要求カウンタ１９の値を１つだけ増加さ
せる（Ｓ４）。その後、トランザクション処理部７は、
ジャーナル書込み結果がジャーナル処理装置５から出力
されるまで待ち、ジャーナル書込み結果が出力される
と、これを受信し（Ｓ５）、当該ジャーナル書込み処理
を終了する（Ｓ６）。

【００２４】以上の処理がトランザクション処理装置
１、３で行われることにより、待ち行列１１には、トラ
ンザクション処理装置１、３が発行したジャーナル書込
み要求が発行順にエンキューされ、また、この待ち行列
１１内に存在するジャーナル書込み要求の個数が書込み
要求カウンタ１９に記録される。

【００２５】ジャーナル処理装置５では、ジャーナル処
理部１５が、書込み要求カウンタ１９の書込み要求個数
をチェックし（Ｓ１１）、その値が１以上であるとその
書込み要求個数を作業域２１にコピーする（Ｓ１２）。

【００２６】次に、ジャーナル処理部１５は、書込み要
求カウンタ１９の書込み要求個数を１だけ減らし（Ｓ１
３）、待ち行列１１から先頭のジャーナル書込み要求を
デキューし（Ｓ１４）、そのデキューした書込み要求か
ら当該要求を発したトランザクション処理装置１又は３
を特定して、その特定したトランザクション処理装置の
ジャーナルバッファ９内の当該要求に係るジャーナル情
報をキャッシュバッファ１３に転送し（Ｓ１５）、そし
て、作業域２１の書込み要求個数を１だけ減らす（Ｓ１
６）。以上のステップＳ１３からＳ１６までの処理を、
作業域２１の書込み要求個数が０になるまで繰り返す
（Ｓ１７）。これにより、作業域２１内の書込み要求個
数に相当する個数のジャーナル情報が、トランザクショ
ン処理装置１、３のジャーナルバッファ９からジャーナ
ル処理装置５のキャッシュバッファ１３へ転送されるこ
とになる。

【００２７】この後、ジャーナル処理装置５のジャーナ
ル処理部１５は、キャッシュバッファ１３に蓄積された
全てのジャーナル情報を一括してジャーナル取得部１７
へ書込み（Ｓ１８）、この一括書込みが成功すれば、ジ
ャーナル書込み結果をトランザクション処理装置１、３
に返送してジャーナル書込み処理を終了する（Ｓ１
９）。

【００２８】こうしてジャーナル書込み処理が終了する
と、ジャーナル処理部１５は、直ちにステップＳ１１に
戻り、書込み要求カウンタ１９の値が１以上である限り
（つまり、待ち行列１１内に書込み要求が存在する限
り）、再びステップＳ１１〜Ｓ１９の処理を繰り返す。
このようにして、ジャーナル処理装置５は、待ち行列１
１内のジャーナル書込み要求を連続的に処理し続けるこ
とになる。従って、低トラフィック時などにジャーナル
書込み要求の到来が少なくなった場合には、その要求を
殆ど待たせることなく、即座にそのジャーナル書込み処
理を実行することができる。

【００２９】また、ジャーナル処理装置５は、ステップ
Ｓ１１の時点での書込み要求カウンタ１９の値に相当す
る個数のジャーナル情報だけを一括処理するようにして
いるため、高トラフィック時などに大量のジャーナル書
込み要求が跡切れなく連続的に到来する場合でも、全く
問題なく着実にジャーナル書込み処理を実行することが
できる。

【００３０】更に、ジャーナル処理装置５は、待ち行列
１１から書込み要求を一つづつ取り出して、各要求に係
るジャーナル情報をジャーナルバッファ９からキャッシ
ュバッファ１３に転送し、キャッシュバッファ１３に複
数個のジャーナル情報を蓄積した後に、キャッシュバッ
ファ１３内の全てのジャーナル情報を一括してジャーナ
ル取得部１７に転送しており、これによって、ジャーナ
ル取得部１７への入出力回数を極力削減している。一般
に、ジャーナルバッファ９からキャッシュバッファ１３
へのデータ転送のようにメモリからメモリへのデータ転
送の時間は極めて短いのに対し、ジャーナル取得部１７
へのデータ書込みのようにストレージへのデータ転送の
時間は長い。そこで、上記のように時間のかかるジャー
ナル取得部１７へのデータ転送回数を削減することによ
り、複数ジャーナル書込みのスループットが向上するこ
とになる。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、高トラフィック時に大
量のジャーナル書込み要求が連続して到来する場合で
も、それらジャーナル書込み要求を着実に受け付け処理
していくことができ、一方、低トラフィック時にジャー
ナル書込み要求の到来が減った場合には、その要求を無
駄に長く待たせることなく直ちに受け付け処理すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る複数ジャーナル一括取得方式を
適用したトランザクション処理システムの一実施例を示
すブロック図。

【図２】 同実施例の動作を示すフローチャート。

【符号の説明】

１、３ トランザクション処理装置 ５ ジャーナル処理装置 ７ トランザクション処理部 ９ ジャーナルバッファ １１ 待ち行列 １３ キャッシュバッファ １５ ジャーナル処理部 １７ ジャーナル取得部 １９ 書込要求カウンタ ２１ 作業域

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ジャーナル情報の書込み要求がエンキュ
   ーされる待ち行列と、 前記待ち行列に存在する書込み要求の個数を間欠的に認
   識する要求個数認識手段と、 前記認識された個数だけの書込み要求を前記待ち行列か
   らデキューし、デキューされた書込み要求に係るジャー
   ナル情報を一括して不揮発性記憶媒体に書込むジャーナ
   ル書込み手段とを備え、 前記待ち行列に１個以上の書込み要求が存在する限り、
   前記要求個数認識手段と前記ジャーナル書込み手段とが
   連続的に繰り返し作動することを特徴とする複数ジャー
   ナル一括取得方式。
2. 【請求項２】 請求項１記載の方式において、 前記ジャーナル書込み手段が、前記デキューした書込み
   要求に係る複数個のジャーナル情報を揮発性記憶媒体に
   一旦蓄積した後、前記揮発性記憶媒体に蓄積された複数
   個のジャーナル情報を一括して前記不揮発性記憶媒体に
   書込むことを特徴とする複数ジャーナル一括取得方式。
3. 【請求項３】 請求項１記載の方式において、 前記要求個数認識手段が、 前記書込み要求のエンキューによって増加され、デキュ
   ーによって減少させられるカウント値をもつ要求個数カ
   ウンタと、 この要求個数カウンタのカウント値が間欠的にコピーさ
   れて、このコピーされたカウント値が前記書込み要求の
   個数を示す作業域とを有することを特徴とする複数ジャ
   ーナル一括取得方式。
4. 【請求項４】 ジャーナル情報の書込み要求を待ち行列
   にエンキューする要求エンキュー過程と、 前記待ち行列に存在する書込み要求の個数を間欠的に認
   識する要求個数認識過程と、 前記認識された個数だけの書込み要求を前記待ち行列か
   らデキューし、デキューした書込み要求に係るジャーナ
   ル情報を一括して不揮発性記憶媒体に書込むジャーナル
   書込み過程と前記待ち行列に１個以上の書込み要求が存
   在する限り、前記要求個数認識過程と前記ジャーナル書
   込み過程とを連続的に繰り返させる繰り返し過程とを備
   えたことを特徴とする複数ジャーナル一括取得方法。