JPH08233928A - 電圧測定装置および電圧測定方法 - Google Patents

電圧測定装置および電圧測定方法

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JPH08233928A
JPH08233928A JP7276338A JP27633895A JPH08233928A JP H08233928 A JPH08233928 A JP H08233928A JP 7276338 A JP7276338 A JP 7276338A JP 27633895 A JP27633895 A JP 27633895A JP H08233928 A JPH08233928 A JP H08233928A
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JP7276338A
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Ramesh G Mani
ゲー マニ ラメシユ
Klitzing Klaus Von
フオン クリツツインク クラウス
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Max Planck Gesellschaft zur Foerderung der Wissenschaften eV
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    • G01R33/06Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using galvano-magnetic devices
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/0023Electronic aspects, e.g. circuits for stimulation, evaluation, control; Treating the measured signals; calibration
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホール効果装置およびピエゾ抵抗装置におけ
る不平衡電圧を減じ、ホール電圧とピエゾ抵抗電圧とを
分離する。 【解決手段】 シリコン等の半導体を用いた類似したホ
ール効果装置とピエゾ抵抗装置におけるホール電圧とピ
エゾ抵抗電圧とを分離するために、ホール素子中のオフ
セット低減に用いる多電流技法を拡張して用いる。実施
態様では、単純な剪断応力を加えたときにホール電圧接
続部間に発生する対角外れピエゾ抵抗電圧の除去を行う
ために、オフセット補償方法として、4つの別々の電流
源から注入された2軸4重注入電流を用いて方向の平均
化を行う。この技法を用いると、[110]方向に電流
が注入される(001)面シリコン型装置においてもオ
フセットが1mTより充分弱い磁界と等価な値に抑えら
れたSi型ホール素子が実現できる。光発電作用を用い
た複数電流源を実現する簡単な方法も検討した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ホール電圧、剪断
力(shear)磁気抵抗電圧またはその他の対角外れ
(off−diagonal)電圧等の測定装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ホール効果装置および或種のピエゾ抵抗
装置(piezoresistivedevice)
は、磁界および歪力(stress)をそれぞれ加える
ことによって、電流に直交する方向に電圧(対角外れ電
圧、off diagonalvoltage)が発生
することに依存している。この様な対角外れ電圧は、1
対の接続部が電流を注入しまた2番目の接続部対が装置
に発生する電圧の読出しに使用される様に構成されてい
る四端子(ホールプレート)構体に、発生し、測定され
るのが普通である。ホトリソグラフィ法を使って製造さ
れた上記のようなホール素子およびピエゾ抵抗素子にお
いては、その材料の非均質性およびマスクの不完全性が
あると、不可避的に接続部の実効的な不整列(misa
lignments)が生じ、ホールセンサでは磁界の
零(null)の所で、およびピエゾ抵抗素子では剪断
歪力が零(null)の所で、電圧用接続部間にオフセ
ット電圧が生じることになる。この不整列によるオフセ
ットはセンサの動作に影響を及ぼす。その理由は、特に
環境条件によってこのオフセットが変化する場合には、
低磁界/弱歪力限界における感度を制限するのは「信号
対オフセット」であるからである。
【0003】更に、磁界感知素子が歪力に対して感度を
示したり、歪力センサが磁界に対して感度を示すと複雑
なことになる。その様なとき、磁界センサは、丁度歪力
センサがそのオフセット電圧に付加的な磁界依存項を生
じると同様に、付加的な歪力依存性電圧オフセットを呈
するようになる。その様な状況にあるので、上記の不整
列によるオフセットを減少させ得ると共に同時に(対称
性対角外れ:symmetric off−diago
nal)ピエゾ抵抗電圧から(非対称性対角外れ:an
tisymmetric off−diagonal)
ホール電圧を分離し、或いは対象とする接続部間から上
記両成分のうちの一方を排除することを助けてセンサの
信号が所望の作用のみを表すようにすることができる技
術を見出すことが重要になって来る。
【0004】外部刺戟に応答するシリコン(Si)装置
は、チップ上で信号の調整、増幅および論理機能を行っ
てその出力が電子的なオートメーション・システムで使
用されるマイクロプロセッサをベースとした諸制御器と
直接適合するような構成を含むスマート・センサの開発
につながるので、特に魅力がある。シリコン(Si)I
C技術の、この広汎な利用面および進歩した技術は、更
に、低コストの多量生産を可能とし、広い一般応用面に
おけるその様なセンサの利用度を更に高めることになっ
ている。シリコンをベースとする新しい磁気センサは、
特に有用であると思われる。その理由は、磁気センサ
は、電気モータから清涼飲料(ソフトドリンク)販売機
に及ぶ用途や自動車用の、また、その他良好な機能が製
造公差の低減に役立つような用途における、位置検出器
や無接触スイッチとして既に利用されているからであ
る。また、地磁気の変化に対して充分な検出感度を示す
ような高性能磁気センサは、将来の自動車用の電子ナビ
ゲーション及び誘導システムの重要な要素になり得ると
も、思われる。同様に、シリコンをベースとした改良さ
れたピエゾ抵抗装置は、たとえば、サーボ駆動型自動車
ステアリングシステム、スロットルバルブ位置の検出、
加速度の検出および圧力の検出などの応用面でも大きな
役割を見出すであろうと思われる。
【0005】ホール効果を基礎とする磁気センサは、低
磁界にあってさえも簡単さという利点に直線性を加味す
ることができる。それでも、n−Siにおける移動度の
低さおよびピエゾ抵抗特性が加わり合って、代表的な位
置検出用途で遭遇する5〜100mTという磁界におい
てさえ信頼性を制限してシリコン−ホール(Si−Ha
ll)センサの優れた効果を低減させる。この低い移動
度は(対角外れの)ホール電圧(VH )に対する対角電
圧効果(VXX)を増大させることによって上記問題の一
因をなし(寄与し)、ホール電圧用接続部の不整列は、
ホール効果と同等レベルにもなり得る、対角電圧の幾ら
かの部分(フラクション)を拾い上げて上記問題を助長
し、低磁界において、「信号対オフセット」を小さくす
る。Siのピエゾ抵抗特性は、センサに比較的小さな剪
断歪力を加えると大きさがVH と同等レベルの信号をホ
ール電圧用接続部間に発生させて、上記問題に寄与す
る。或る単純な事例では、センサを外部歪力から或程度
分離することができるかも知れないが、この不整列によ
るオフセットとピエゾ抵抗性のオフセットとは、特にほ
とんどの応用面を構成する相反する環境条件下で共に圧
倒的な大きさになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近、GaAsをベー
スとする装置において零(正味)電流でホール効果を発
生させる可能性が発表され、かつホールセンサで観測さ
れる不整列オフセットを温度と無関係に補償することに
ついてのこの発表技術の有用性が指摘された。オフセッ
トの低減に関する限り、その2重(ホールバー内の反ホ
ールバー)、多重、境界線部(boundary)ホー
ル効果装置の利点は、電圧用接続部の近傍における電流
密度を零にし得ること、それによって電圧用接続部の実
効不整列に対する不感性を増大させ得ることである。こ
の技術をSiにまで拡大適用しようとする試みもあっ
た。しかし、この技術によって、不整列によるオフセッ
トは予想通り減少したが、オフセットに関与する他の要
因、すなわち磁界が存在しない場合における剪断歪力の
存在によって生じる対角外れピエゾ抵抗電圧が、結晶内
の或種の「高(high)ピエゾ」整列に対する低磁界
(B<50mT)におけるホール効果に比べて大きくな
ることが判った。この対角外れピエゾ抵抗電圧は多くの
面でホール効果として振舞うことが判り、かつホール効
果装置の不整列オフセット電圧補償用に開発された上記
の技術と構造は感度が改善されたピエゾ抵抗装置の製造
にも同様に利用できることが明らかになった。従って、
この不整列オフセットの低減と、(対称性対角外れ)ピ
エゾ抵抗電圧からの(非対称性対角外れ)ホール電圧の
分離またはこの両成分のうちの一方の消去と、の双方を
同時に行うことが有効であることも明らかになった。
【0007】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明者等は、
シリコン中に構成されたピエゾ抵抗およびホール効果装
置だけでなくその他のピエゾ抵抗およびホール導体にお
いても同様に、所望の特性を得ることを助ける一連の解
決法を提案するものである。(本発明者等がここでシリ
コンについて主として説明するのは、シリコンが広く一
般に使用されている半導体であるという事実のみによ
る)。本発明者等は、他のシステムにも同様に適用でき
るが、大きなまたは小さな(剪断力)ピエゾ抵抗応答を
得る助けとなる原理に基づいて、シリコン構造体を方向
付けするための好ましい整列状態を確認することから始
める。本発明者等は、結晶に対する2境界線部1軸電流
注入装置の整列方法を示し、かつ更に、方向平均を実現
するためにおよびホール効果および(剪断力)ピエゾ抵
抗効果の抵抗テンソルの不同対称性を利用するために、
2軸2重注入を含む幾つかの具体例を検討する。次に、
或る特殊な具体例において不整列オフセットを最小に
し、かつ同一センサ内における相異なる接続部対にピエ
ゾ抵抗成分とホール成分とを分離する作用を助ける2軸
4重電流注入構成を得るために、2軸2重電流注入技術
を組合わせる。
【0008】最後に、上記の様な構造において電流/電
圧源を多数要することに伴う複雑さは、光起電力効果
(photovoltaic effect)を利用す
る「簡単な電源」を組合わせることによって解決され
る。(電源として、文献に発表されているような他の電
子的装置も同様に利用することができる)。いま採り上
げているのは、p−n接合をベースとした光起電力装置
はシリコンIC技術と適合し得るものであり、照明され
たときに簡単な光電流発生器として働くp−n接合はシ
リコンセンサに容易に集積化できるであろう(そうする
必要はないが)ということである。更に、電流/電圧源
のアレイのホトン源としては、光放射ダイオード(LE
D)のような容易に入手可能なものとすることができ
る。その出力は、センサ信号を、オフセットに対する他
の偽似(低周波数)寄与分、たとえば熱電効果によって
生じる様な変化成分、から(周波数的に)分離するため
に、比較的高い周波数でチョップ/変調される。上記の
様な具体例の実験研究によって、〔110〕方向すなわ
ち「高ピエゾ」方向に電流を流した場合でも1ミリテス
ラ(1mT)未満の磁界(フィールド)等価オフセット
を有する((001)Si)磁界センサができる可能性
のあることが判った。
【0009】ここに示す測定用として、配向されたp形
基板上に、平坦な2重結合装置を形成した。2重結合フ
レームの形態内のn形エピタキシャル層は電気的チャン
ネルとして働き、また外側境界線部の外側または内側境
界線部の内側に設けられている小寸法のn+ 形領域は導
電層に対する電気的アクセスを形成している。そのセン
サチップは、エポキシ剤を使って市販されているデュア
ルインライン形パッケージ(DIP)上に配設し、剪断
歪力は装置をマウントに保持したままこのDIPにトル
クを加えることによってこの装置に結合した(図2
(a)参照)。この実験には図1の形による電流源を使
用し、方向依存性の検討には各装置を「高ピエゾ」方向
に沿っておよび「低ピエゾ」方向に沿って整列させた。
【0010】発明者等は、矩形環状体をベースとする1
軸2重注入構造で観測される特性を調べる(図2参照)
ことによって始めた。この場合、フレームの長軸は、S
i結晶の(001)表面の〔110〕方向に配向した。
これらのデータから、装置に剪断歪力(トルク)を与え
ると、磁界が存在しない状態でも、電圧用接続部(C,
D)と(3,4)の間に対角外れピエゾ電圧が生じるこ
とが判った。これは、ピエゾ抵抗テンソル中に剪断力を
対角外れ抵抗に結合する成分が存在することに依る。こ
こで、剪断歪力の影響はホール効果における磁界の役目
に似ているという点で、上記の観察結果はホール効果と
同様なものである。
【0011】磁界が存在しない状態で内側ホール電圧用
接続部(V3,4 )および外側ホール電圧用接続部(V
C,D )の間で測定した信号を、印加したトルクの関数と
して図2に示してある。この信号は、補償された(I
1,2 =−IA,B )構造および無補償構造の双方について
示されているが、本発明者等の従来の研究により補償さ
れた構造が不整列によるオフセットを小さくすることが
判っているので、この補償された構造の検討から始め
る。シリコンでは、(I1,2 =−IA,B )の条件下にお
けるオフセットは、ピエゾ抵抗効果について予測される
ように、試料マウントに対するトルク(剪断力)に従っ
て直線的に変化することが観察される。ここで注目すべ
き特徴は、(I1,2 =+0.1mA、IA,B =−0.1
mA)および(I1,2 =−0.1mA、IA,B =+0.
1mA)に相当する各曲線が、V3,4 とVC,D が事実上
零になる点で交差することであり、これはオフセットが
最小であることを表しており、このとき、ホール接続部
の近傍を流れる電流は無く同時に剪断歪力も消失する。
無補償構造に相当する曲線(I1,2 =0mA、IA,B
+0.1mA)または(I1,2 =+0.1mA、IA,B
=0mA)は、歪力を消失させる同じ条件下で不整列オ
フセットの原因を示す。すなわち、この結果から、1軸
2重電流注入による電流補償法が不整列オフセットを減
少させるように働くことが確認される。
【0012】しかし、図2から判るオフセット対歪力の
感度は、1軸電流補償法が必ずしもSiにおける充分な
解決法でないことを示している。その理由は、パッケー
ジ作業時に装置に導入された歪力が、制御できない形で
装置のオフセット応答を生じさせる可能性があるからで
ある。この不都合を制御するために、本発明者等は、こ
の結晶のピエゾ抵抗係数に関する研究結果に基づいて、
シリコンにおける1軸電流注入構造の最適方向を調べた
(図3参照)。簡単化のために、剪断力応答のみを最小
化(「低ピエゾ」)または最大化(「高ピエゾ」)する
方向について調べた。もち論、可能な具体例の上記最適
の方向を決定するために、方向を特定しない構造を持つ
すべての可能な具体例を作ることもできるし、ピエゾ−
ホール応答を最小化または最大化する方向、または問題
にしている半導体の物理的性質の研究を基礎とした諸理
論の組合わせまで、という様な上記以外の判断基準を使
用することもできる。
【0013】図3は、基準(normal)(001)
面{(a)と(b)}、(011)面{(c)と
(d)}、および(111)面{(e)}を有するnチ
ャンネルおよびpチャンネルシリコンの、結晶軸に対す
る装置の幾何的形状寸法(geometry)の整列状
態を示している。(a)〜(f)において(i)は高い
剪断力ピエゾ抵抗応答を示す方位を示し、その方位は例
えばピエゾ抵抗形センサを製作しようとするときに選択
される方位である。一方(ii)は、ピエゾ抵抗応答成分
を最少にしようとする(たとえばホール効果センサにお
けるように)ときに選ぶことのできるピエゾ抵抗応答の
低い方位を示している。本発明者等は、図4のフレーム
形試料に関係するものとしてこのチャートの使用法を例
示するもので、図3の(a)(ii)の形に相当する(0
01)面をもつnチャンネルシリコンの低ピエゾ抵抗の
方位を得ようとする事例について検討する。そこで、適
切な(001)シリコン結晶面上に所望の〔100〕お
よび〔010〕方向をマークし、適当な寸法比とされた
(scaled)図4の具体的な型(embodime
nt)を上記の結晶上に置き、x軸が〔100〕方向と
平行に、y軸が〔010〕方向となるように「整列マー
ク」を配向し(図4参照)、次いでこの型をその結晶上
に転写(transfer)する。この工程において、
結晶軸に対するこの型の整列状態として15度程度の誤
差が許容される。また、特に希望する場合には、配向さ
れていない結晶または多結晶或いはフィルム中に上記の
形状を作成することもできる。上記の様な、破線で示し
た軸または「整列マーク」は、この作業を通じて各図面
に描かれているが、これらは結晶軸に対する上記型の方
位決定のガイドとなるものである。
【0014】上述のように、ホール効果装置のオフセッ
トに対するピエゾ抵抗の影響は、たとえば、1軸電流注
入構造において型を「低ピエゾ」方位に沿って整列させ
ることによって減少させることができる。この単純な工
程を使用しては得ることができないような、センサの特
殊な特性を求めたい事態が起こることがある。たとえ
ば、剪断力に対しては感度があるが磁界に対しては無感
度の、或いはその逆の、装置を製作したい場合には、2
軸注入を含むより複雑な構造を調べることが有効であ
る。その様な条件下における装置の動作の理解を助ける
ために、本発明者等は、図5に、対称性および非対称性
の抵抗テンソルで特徴づけられたシステムにおける電気
的応答の振舞いを示した。ホール効果に関連するテンソ
ルに非対称性対角外れ成分を見出し剪断力ピエゾ抵抗効
果について対称性対角外れ成分を見出すことがあり得る
が、その根底にある物理的効果がそれらの事例に限定さ
れる必要はない。その様な形式で表されるその他の効果
も同様に関与し、またここに開示した技術および幾何学
的形状寸法はそのまま適用することができる。
【0015】この図によって示される要点は、I1,2
I(図5(a)(i)および図5(b)(i)参照)の
とき対称性および非対称性テンソルは共に対角外れ電圧
中で同一極性を示すが、I3,4 =I(図5(a)(ii)
および図5(b)(ii))のときは逆極性を呈するとい
うことである。従って、単一のホール素子又はピエゾ抵
抗素子或いは任意の「対角外れ電圧」をベースとする素
子に、(複数個の電源から)複数の電流を、その注入方
向相互間に或る有限の角度を付けて注入することによ
り、対称性の要因(寄与)と非対称性の要因(寄与)と
を分離する或る程度の可能性がある。2軸注入を採用し
た或る特定の具体例が、2重接続構造(図6)および多
重接続構造(図7)の形で例示されている。なお、ここ
で、この2重および多重接続された試料の寸法および形
状には多数の変更が可能であり、各境界線部には任意適
当数の接続部を設けることができ、また電流ベクトル相
互間の角度は90度(たとえば図6(b))や45度
(たとえば図6(d))という特定値から任意所望の値
におよぶ範囲内で選び得ることは、充分注目すべきこと
である。
【0016】複数の構造を組合わせ結合することによっ
て、2重注入形から更にそれ以上の形たとえば4重注入
形へと進めることができる。この原理は、環状体のよう
な回転対称構造(図8参照)を用いて例示する。この場
合、装置を90度回転させると同じ装置となる(図8
(a)と図8(c)または図8(b)と図8(d)を比
較対照されたい)。また、構造を重ね合わせると図8
(e)および図8(f)に示されるように、4重注入形
の具体例となる。この様な4重注入形構造は、不整列オ
フセットを小さくする機能を呈しつつ、ピエゾ抵抗電圧
とホール電圧とを分離する際に特に有効であるという優
れた性質を示す。次に、上記の様な具体例の動作を、単
純な理論に基づいて説明する。
【0017】図9(a)に示した様な、両対角線に沿っ
てホール電圧用接続部を設け、図2の実験におけるよう
な補償された1軸2重電流注入方式を採用した、環状装
置について検討する。フレーム形の「ホールバー内の反
ホールバー」の枝路を引伸ばし変形して(図9(a)
の)円環状にできることを知れば、図2の装置を図9
(a)の構造上にマップすることができる。図2に示す
データから、剪断歪力を加えると適切に整列させたホー
ル電圧用接続部間にピエゾ抵抗オフセットが発生するこ
とが明らかであり、これからこの装置に1対の電圧計を
図9(b)に示す如く接続してこの効果を測定すること
に想到するであろう。この場合、剪断歪力を印加した状
態で、この構造の両枝路における電流密度が零になり各
枝路が等電位になると、2つの電圧計の読みは符号が反
対で同大のピエゾ抵抗電圧となる。両電圧計が示すオフ
セット電圧のこの符号の違いは、そのサンプルに対する
測定器の交差接続によって生じる。従って、この装置に
勾配のある(ramped)磁界を印加すると、両電圧
計は、図9(c)に示されるように、ホール効果によっ
て反対方向に振れる。
【0018】次に、上記と同じ測定構造について、試料
に同じ剪断歪力を印加して、磁界零(B=0)の状態か
ら始まって、第1の方向に直交する向きに補償された2
重注入が発生する事例について検討する。この場合、2
つの電圧計は、上記の事例とは異なって大きさおよび符
号とも同じオフセットを示す(図9(d))。更に、勾
配磁界(図9(e))は2つの電圧計を、図9(c)の
左側の電圧計におけるように、同じ向き(時計回り方
向)に振らせる。
【0019】これらの実験において電気的に別々の電流
源を使用することは、2つの境界値の問題に対する解決
法(図9(c)と図9(e))をそのまま重ね合わせ得
ることを示唆している。従って、磁界が存在しない場合
の図9(b)と図9(d)を加え合わせることを検討す
る。この場合、ピエゾ抵抗オフセットを補償するため
に、この2つの構造で観測されるピエゾ抵抗電圧は、右
側の電圧計では互いに加算され左側の電圧計では相殺さ
れることが判る。図9(c)と図9(e)の構造を重ね
合わせることで勾配磁界による効果が明らかになる。こ
の場合、右側の電圧計は、図9(c)では反時計回り方
向に回転し一方図9(e)では時計回り方向に振れ、か
つこの2つの直交構造に現れる相反するホール効果はす
べてのBに対して相殺されるから、Bが増加してもその
表示(指針)は回転しない(しかし、この電圧計は、2
つの構造で観測されるピエゾ抵抗電圧の和を示してい
る)。代わりにピエゾ抵抗電圧を相殺する左側の電圧計
は、磁界が存在する図9(c)と図9(e)の双方でそ
の表示(指針)が同一方向に回転し、それを重ね合わせ
たものは、磁気応答すなわちホール電圧は2つの構造
(図9の(c)と図9の(e))で検出された効果の和
であることを示す。
【0020】こうして、驚くべきことに、電圧用接続部
間のピエゾ抵抗電圧は零になってホール効果を示し、一
方他方の接続部はピエゾ抵抗電圧とホール効果の消失を
示すことが観察できる。従って、同じセンサを、同時に
しかも別々にホール効果とピエゾ抵抗効果との双方の測
定に使用することができる。この構造の有するまた別の
利点は、それが「ホール電圧の積分作用」または何れか
の構造で個別に観測されるホール効果を2倍にする作用
を呈することである。これと同様な論議は、図10の
(b)および図10(d)に示されたように内側境界線
部に電圧用接続部が設けられている場合にも当嵌まる。
ここで、円形環状体の代わりに同じ結果を呈するものと
して8辺形の具体例を考えることができる。これは、2
重接続形装置の形状は広汎な可能な範囲内で変化させる
ことができ、かつその装置で同じ特性を得ることが可能
であることを示唆することになる。この点は、図11の
(a)、(b)、(e)および(f)に例示されてい
る。これらの4重注入構造は、勿論、この図の一番上に
示した整列マークを使用してシリコンに配向することが
できる。
【0021】このホール電圧及び剪断力ピエゾ抵抗電圧
を分離する技術を利用する場合、「高ピエゾ」又は「低
ピエゾ」配列でつくられた装置に限定して利用する必要
はない。しかし、実際は、Si系の磁界センサに対して
「低ピエゾ」配向を利用する場合には、この配列に対し
てピエゾ抵抗係数が小さくなることにより剪断力ピエゾ
抵抗電圧が小さくなるため、幾分有利になる。そのた
め、不均一な剪断歪力を受けるセンサにおいては特に、
より効果的なオフセット消去が期待される。例えば、n
形導電層において、(001)面シリコンに対する「低
ピエゾ」配向によってホールセンサの性能がより良好に
なることが期待され、また、「高ピエゾ」(001)面
シリコンは(剪断力)ピエゾ抵抗装置にとって最適なも
のとなると期待される。また、図11((a)、
(b)、(e)及び(f))に示す4重注入構造は、直
交する2重注入構造を重畳させたものであると考えられ
る。このような2重注入構造は図11((c)、
(d)、(g)及び(h))に示されている。これらが
有用であるのは、電圧を適当な接続部対間、例えば図1
1(c)の左下及び右上の接続部間で測定する場合に、
図11((c)及び(g))の実施例が均一な磁界にお
いてピエゾ抵抗効果を呈するけれどもホール効果を全く
示さないためである。(磁界勾配においてはホール効果
から生じる寄与分がある)。一方、図11((d)及び
(h))の実施例では、ホール効果を呈するが剪断力に
依存するピエゾ抵抗効果を消去する傾向がある。(この
時、不均一な剪断力下でピエゾ電圧が存在する)。4重
注入構造に対して幾つかの基本的な改変を行うことが出
来るが、それは電圧用接続部対間の接続を含む場合があ
る(図12及び図13)。このような構造は幾何学的磁
気抵抗型の使用分野において有用となろう。
【0022】上記の図に示された直交型の注入構造は、
例えば、構成体の各枝路への多重電流の注入について更
に普遍化を行うのに有用である(図14参照)。図14
(a)〜(d)の1軸8曲注入構成を重畳させて、2軸
16曲注入構成である、構成(e)(図14(a)と図
14(b)の重畳、即ち、(e)=(a)+(b))、
構成(f)(図14(c)と図14(d)の重畳、即
ち、(f)=(c)+(d))、構成(g)(図14
(b)と図14(c)の重畳、即ち、(g)=(b)+
(c))、構成(h)(図14(a)と図14(d)の
重畳、即ち、(h)=(a)+(d))を得ることがで
きる。(なお、同様に多曲型の幾何学的配列としてm軸
n曲注入構成についての結果を普遍化することが出来
る)。同種の独立変数は、1対の電圧用接続部(例え
ば、図14において対角線に沿って配列されているも
の)がピエゾ抵抗電圧を呈し、別の対がホール電圧を呈
していることを表している。ここで、多重電流は、定数
Iに対して、観察される電圧を電流源の数に比例した態
様で増加させる。また、有効な平均化によって、電圧用
接続部にわたって観察される不均一性による残留オフセ
ットが低減する。これまでは、開口を有する実施例サン
プルが電流分布を形成するのに特に有用であると考えて
このような実施例について主に検討してきた。しかし、
図15に示す実施例のような開口のないサンプルにおい
ては、対角外れ成分のうち本来の場所にある1つを分離
または消去するために方向性の平均化を行うことが有用
であることも理解できよう。このような構成体は、整列
用マークを用いてシリコンに配列してもよいし、或い
は、配向されていない構造においてあらゆるホール導電
体又はピエゾ抵抗導電体で使用してもよい。
【0023】これらの技術の有効性に対する主な限定
は、電気的に分離した電流源を生成する場合に係る困難
によって設定されるものと思われる(図1)。(勿論、
主要な特徴を変化させずに電流源を電圧源に交換しても
よい)。バッテリ−抵抗の組み合わせは最も簡単な電流
源を形成するものであるが、このような組み合わせは、
単一電流源に限定されるような使用(例えば、図1
(a))においては特に扱いにくく不十分なものであ
る。従って、交流を使用する場合、単一の一次巻線と複
数の整合した二次巻線を有する変圧器が有用となる(図
1(b))。しかし、この方法は、装置サイズによって
制約を受ける場合に不十分である可能性がある。この問
題の解決策に基づく興味ある半導体は、光結合型装置
(発行ダイオード(LED)−光発電器セルの組み合わ
せ)を想起させる。図16〜図21を参照されたい。図
16(a)には、光電流発生器がp−n接合である、光
で起動するホールセンサ又はピエゾ抵抗センサの概念が
示されている。必要な電流源が1つしかない場合にはこ
の方法の利点が必ず認められるとは限らないが、m軸n
曲の注入構成において電流源の数が増えるにつれて(図
16(b)及び(c))この方法の有効性は自明のもの
となる。この方法の利点は、原理的には、Si系ホール
センサにおいてオンチップのp−n接合を設けることが
容易であること、及び、これらのp−n接合を容易に光
電流発生器として使用できることである。この概念に基
づいて考えられるいくつかの実施例を図17〜図21に
示す。図17では、p−n接合が電気プレートの電流用
接続部の1つに組み込まれている場合を考慮している。
ここで、1つの接続部は本質的に電流チャンネルで見ら
れるのと逆のキャリヤ形にドープされる。また、電流ル
ープを閉じるドレンとソースの接続には導線が使用され
る。
【0024】図18は、ホトセルが電気プレートの下側
に設けられている実施例を示している。この実施例の長
所は、上側の目視検査によって電流用接続部を明らかに
する必要がなくなる点である。図19はプレートの下側
に2つの光電流発生器が設けられている実施例を示して
いる。なお、これらの電流発生器を上側もしくは他の適
当な位置にも配列できることは明らかである。この電流
バイアス形態は、磁界センサにおいて不整列オフセット
を最小にする電流補償に対応している。図20は、磁界
勾配検出器用の電流バイアス構造を示している。同様
に、図21に示すように、2軸4重注入構成については
付加的な光電流発生器を高性能のセンサに一体化しても
よい。この実施例サンプルは、望ましい場合(整列用マ
ークを用いて)最適のピエゾ抵抗応答を得るためにシリ
コンにおいて配向できるものであり、前述したように、
異なる対をなす電圧用接続部における対角電圧と対角外
れ電圧の分離を考慮したものである。このように、光電
流発生器は、センサに簡単に一体化できるため、分離さ
れる電流/電圧供給源の問題の解決に有用であることが
わかる。また、単一の電源で動作する単一のLEDを使
用するだけで上記のような電源を多数起動させることが
でき、目的の対角外れ電圧の読み出しに1対の接続導線
だけしか必要としない。(あるいは、必要な電流源を電
気的に実装し、それらをオンチップで一体化すると考え
てもよい)。高性能センサであってもオンチップの信号
調整及び論理を含んでいるため、その出力はオートメー
ションシステムで使用されているマイクロプロセッサを
基にした制御器に対して直接共用できる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1(a)では、電流源が、抵抗
(R)及び機械的/電子的スイッチと直列接続された電
圧源(V)となっている。図示のように、この電流源を
第2のスイッチを使用して接地することが出来る。図1
(b)では、1組の交流電流(a.c.)源(I1 〜I
4 )が、各々に切換抵抗が設けられている複数の2次巻
線を有する変圧器を用いて単一の電源から得られてい
る。図1(c)では、多重かつ電気的に分離した電流源
が光電子的手段によっても実現されている。ここで、発
光ダイオード(LED)は、抵抗(R)と直列接続され
た電圧源(V)によって駆動されており、光発電器セル
(例えばp−n接合)アレイに光を照射するものであ
る。光誘起による電子−正孔対の生成及び空乏領域の電
界による電荷分離によって、抵抗(R1 〜R5 )による
制限を受ける(閉回路)電流(I1 〜I5 )が生じう
る。光源は、例えば時間変化電流を要する使用について
は周期的に切り換えられ、また、光発電器セルが高性能
センサに一体化されていることもある。
【0026】図2(a)には、(001)面n形チャン
ネルのシリコン上に設けられた「ホールバー内の反ホー
ルバー」(フレーム形状)構造が示されている。2つの
電流源I1,2 及びIA,B はそれぞれ接続部対(1、2)
及び(A、B)の間に接続されている。このフレーム形
状サンプルの長軸は(110)方向に沿って配向してい
る。サンプルはデュアル・インライン・パッケージ(D
IP)に取り付けられ配線されており、また、図示のよ
うにレバーアームを用いてDIPのレセプタクルに差し
込んだ状態でパッケージにトルクを与えることにより剪
断歪力がこのサンプルに加えられている。このパッケー
ジ方法により、レバーアームの端部に力をかけなくても
サンプルに内部剪断歪力が生じる。図2(b)には、外
側境界のみを介して注入された電流、内側境界のみを介
して注入された電流、及び、これら2つの境界を介して
注入された等電流及び逆電流について、外側境界上の接
続部対(C、D)間で測定された電圧VC,D が示されて
いる。電流補償I1,2 =−IA,B である場合、電圧用接
続部近傍に電流は存在せず、不整列オフセットは殆ど無
いに等しいほど小さいものと思われる。しかし、観察さ
れるトルクに応じた線形変化は、剪断歪力に依存する対
角外れの(ホール効果に似た)成分があること示してい
る。トルクが90付近になると、剪断(又は、対角外れ
ピエゾ抵抗)成分が消えるため、不整列及び歪力成分の
双方から生じる全体のオフセット電圧は小さくなる。ト
ルク=90のときに、2つの注入電流の1つを切ると、
オフセット電圧の大きさが増大する。即ち、これが不整
列寄与分である。図2(c)には、内側境界上の接続部
対(3、4)間で測定された電圧V3,4 が示されてい
る。電流補償I1,2 =−IA,B である場合、V3,4 のト
ルクによる変化はVC,D で見られた変化と同様である。
トルク=90付近の矢印は、電流補償によってオフセッ
ト電圧が変化することを示している。これらのデータは
外部磁界が与えられてない場合に収集されており、トル
クの大きさの尺度は任意の単位で示されており、また、
この大きさの尺度はサンプルに加えられた歪力における
相対的変化を表すためだけに用いられている。この結晶
配向に関して剪断歪力に対する感度が比較的大きいとい
うことは全く重要ではない。従って、電圧用接続部近傍
の電流がゼロになる場合は、この装置を不整列オフセッ
ト電圧が補償された剪断力センサとして使用できる。フ
レーム形状のサンプルを45°だけ平面上で回転させて
長軸を〔100〕方向に配置すると、剪断力感度が非常
に低減するため装置をオフセット補償されたホール効果
(磁界)センサとしても利用できる。従って、所望の装
置特性に応じてサンプルに対する好ましい配向を選択す
ることが出来る。
【0027】図3は、基準(001)面{図3(a)及
び図3(b)}、(011)面{図3(c)及び図3
(d)}、及び(1(バー)11)面{図3(e)}を
有するn形及びp形チャンネルシリコンに関して、結晶
軸に対する装置の幾何学的配列を特定した図である。同
様の原理を用いて、他のシリコン面及び他のピエゾ抵抗
半導体(例えば、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウ
ム)について結晶軸に対する配列を特定することも出来
る。図3(a)〜図(e)において、(i)はピエゾ抵
抗センサ等が必要な場合に選択できる高剪断力ピエゾ抵
抗応答に対する配向を特定しており、一方、(ii)は
(例えば、ホール効果センサにおいて)この成分を出来
るだけ小さくしたい場合に選択できる低ピエゾ抵抗応答
に対する配向を示すものである。
【0028】例として、図4のフレーム形状サンプルを
参照してこの図の使用法を説明し、(001)面n形シ
リコンにおいて低剪断力ピエゾ抵抗配向を実現したい場
合について検討する。(これを行うにあたっては、図3
及び図4の透明なコピーがあれば有用である)。これに
関する配列は、図3(a)の(ii)に示されている。こ
の図は、適当な(001)面シリコン結晶において所望
の〔100〕方向と〔010〕方向がマークされてお
り、図の〔100〕方向が結晶の〔100〕方向に沿う
形で結晶のマークされた軸の上に図3(a)の(ii)が
置かれているということを意味している。図4を用い
て、この図4の「整列用マーク」と図3の同様のマーク
を合わせて(これにより結晶軸に対する実施例サンプル
の配向がなされて)から、実施例サンプルを適切に縮尺
したものを、写真製版技術等により結晶上にトレースす
る。無論、この方法では結晶軸に対して15°程度の誤
差が許容でき、また、望ましい場合は、配向されていな
い結晶又は多結晶又は薄膜にこの幾何学的配列を形成し
てもよい。この出願では、破線軸あるいは「整列用マー
ク」が幾つかの図に記載されている。
【0029】図4にはフレーム形状の「ホールバー内の
反ホールバー」の幾つかの特別な実施例が示されてい
る。図4(a)は「ホールバー内の反ホールバー」(開
口を有するホールバー)における1軸境界間(単一)電
流注入を表している。黒丸(円)は接続部であり、フレ
ームに対してその形状とサイズがかなり変動する場合が
ある。2重に接続された構造の2つの枝路の長さと幅、
端部、開口及び外側境界は、任意のパラメータである。
ホール効果及び剪断力ピエゾ抵抗(「対角外れ」)電圧
は境界内の電圧測定で観察できる。境界内の電圧測定で
は、高い磁界において磁気抵抗(コルビーノ)型電圧も
観察できる。図4(b)は電流源が境界間形態で接続さ
れた1軸2重注入を示している。図4(c)は境界内形
態の電流源を有する1軸2重注入を示している。このと
き、ホール電圧用接続部の近傍に電流が無い場合でも対
角外れ(ホール又はピエゾ抵抗)電圧が生じる可能性が
ある。図4(d)は「反ホールバー」構造として考える
こともできる開口内の電流注入を示している。全体的な
対角外れ電圧は内側境界の黒丸で示した電圧用接続部の
間に生じる。図4(e)は図4(c)と同様の図である
が、導電体を用いて対をなす接続部を相互接続している
点が異なっている。この図ではこのような接続が3つ設
けられているが、接続の数は任意である。磁界(歪力)
依存抵抗が接続間に生じ得る。単一の接続を使用せず
に、回路内に能動回路及び受動回路を設けることができ
る。図4(f)は図4(e)に類似した図であるが、導
線によって外側境界の接続部対を接続している点が異な
っている。図4(g)は図4(f)と同様であるが、接
続部が導電チャンネル内を経由して外側境界の対向する
端縁同士を接続している(太い黒線で図示)という点が
付加されている。図(h)も図4(e)と同様の図であ
るが、接続部が導電チャンネル内を経由して素子内の開
口の対向する側辺同士を接続しているという点が付加さ
れている。このような経由で接続を形成する接続部の数
は任意であってよい。これらの構造の全てが上表面に示
された整列用マークによってシリコン上で配向可能であ
る。また、これらはシリコンの配向されていない構造や
他の導電体においても形成出来る。
【0030】図5(a)は4つの接続部(1〜4)を有
する導電素子を示している。A4×4の抵抗マトリクス
は、接続部対(1、2)及び(3、4)のそれぞれの間
で測定された電圧V1,2 及びV3,4 と接続部対(1、
2)及び(3、4)の間に注入された電流I1,2 及びI
3,4 とを関連付けるために使用される。一般的に、この
マトリクスには、電流フローに直交する電圧となる対角
外れ要素R1,2;3,4 及びR3,4;1,2 が含まれている。こ
こでは(また、これから)このような電圧を「対角外れ
電圧」と呼ぶ。図5(b)は対称抵抗テンソルに対する
対角外れ電圧の挙動を示しており、(i)は接続部
(1、2)のみを介して電流が注入されている場合を示
している。対角外れ電圧V3,4 は正である。(ii)は接
続部(3、4)のみを介して電流が注入されている場合
を示している。対角外れ電圧V1,2 も正である。図5
(c)は非対称抵抗テンソルに対する対角外れ電圧の挙
動を示しており、(i)は接続部(1、2)のみを介し
て電流が注入されている場合を示している。対角外れ電
圧V3,4 は正である。(ii)は接続部(3、4)のみを
介して電流が注入されている場合を示しているが、図5
(b)の(ii)とは異なり、対角外れ電圧V1,2 は負で
ある。図5(d)を参照すると、この発明の範囲内にお
ける最も一般的な抵抗テンソルには対称成分及び非対称
成分の両方がある。対称成分は、因子f(s)に比例す
る対角外れピエゾ電圧としてセンサに現れ、一方、非対
称の対角外れ電圧は、因子g(B)に比例するホール電
圧と考えられる。センサの性能を向上させるためにこの
2つの寄与を分離することに関心が向けられることもあ
れば、このような効果の存在により動作するセンサを形
成することもよくある。ここでの関心事は、装置の幾何
学的配列の調整によりセンサ内の電流分布を制御し、結
晶軸に対してセンサを適切に配列し、更に電流間の角度
を出来るだけ限定して2以上の電流をサンプルに注入し
てセンサの性能を出来るだけ向上させることである。
【0031】図6(a)は、L字型導電体の内部にL字
型の開口が形成されたサンプルで、その開口の内部と周
囲に接続部が設けられた例を示す。第1の電流源が外側
境界線部上の1対の接続部に接続されており、第2の電
流源が内側境界線部上の接続部に接続されている。そし
て各電流源のソース(電流流入部)とドレン(電流流出
部)における各電流のベクトル間にある有限の角度、例
えば90°の角度がある。図6(b)は、フレーム型の
導電体の内側にフレーム型の開口が設けられたもので、
内外の各境界線部に幾つかの接続部が設けられた例を示
す。内外の境界線部間に互に距離を置いて1対の電流源
が接続されている。各電流源のソースとドレンにおける
電流ベクトル間の角度は多少小さいが、サンプル内を流
れる2つの電流間には有限の角度、例えば90°の角度
がある。図6(c)は、環状の導電体の内部に円形の開
口が設けられており、各境界線部の近傍に幾つかの接続
部が設けられた例を示す。各電流源の流入部と流出部に
おける各電流のベクトル間に有限の角度(0°<υ<1
80°)が存在するように各境界部に電流源がフックア
ップ(接続配置)されている。図6(d)は、各境界線
部に幾つかの接続部が設けられたn曲形(nフォール
ド:例えばn角形の各辺に接続部が設けられる構造)回
転対称構造(例えば、n=8)の例で、内外の境界線部
間に電流源が接続されており、2つの異なる電流のベク
トル間に有限の角度、例えば45°の角度がある。これ
らの全ての構成において、歪力および/または磁界が与
えられると、電圧用接続部間に対角外れ電圧が現れる。
図6(b)および(d)の例は、電圧用接続部の近傍で
電流がゼロになる形式のものである。図6(a)および
(c)の例では、主として同じ境界線部を経て注入され
る電流に依存して境界線部上でホール電圧が発生する。
これらの特別な実施例は整列用マークを使用してシリコ
ン上に配向され、またこれらは任意の導電体上に非配向
構成で使用することもできる。
【0032】図7(a)は2個のL字型開口を含む導体
を示し、各開口の端部にソース接続部とドレン接続部が
設けられており、これらの接続部に電流源が接続されて
いる。また各開口の内側に電圧を測定するための電圧用
接続部が設けられている。この装置の特徴は、電流用接
続部の近傍において、電流が主として開口間の間隙で流
れ、また電流が垂直な方向に配向されるように、その符
号および大きさが調整されている点である。この構造は
図6(a)に示す構造と類似しており、相違点は第2の
内側境界線部が図6(a)の外側境界線部の役割を果た
している点である。開口の形を調整することにより電流
の方向を任意の角度に調整することができる。図7
(b)は電流源が境界線部間に接続された2重開口装置
を示す。図7(c)は対をなす接続体が開口を横切って
電気的に接続されている点を除けば図7(b)と同じで
ある。図7(d)は、接続部が材料中を経由して接続さ
れていて、ソースとドレンを接続するラインの両端部に
設けられた接続部を接続している構造を付加した点を除
けば図7(c)と同様である。開口の各端部に設けられ
た1個の接続部だけが示されているが、接続部の数は任
意に選択できる。図7(e)は異なる開口間の接続部が
図示のようなスイッチを介して電気的に接続される点を
除けば図7(a)と同様である。図7(f)は、電流補
償の下で平行な電流ベクトルが得られるように開口端部
の電流用接続部がシフトされている相違点を除けば図7
(a)と同様である。このような構造を、任意の数の任
意の形状の開口を含ませ、各電流間に任意の角度を持た
せるように普遍化することができる。
【0033】図8は、1軸2重注入構造から2軸4重
(電流)注入装置を生成する原理を示す図である。図8
(a)の構造は、導体内に開口を含み、2重電流注入に
よりホール効果のような、2つの境界線部の特殊な対角
外れ電圧を発生させることができるものである。同図
(b)は、主として対角外れ抵抗率の勾配に対して敏感
な境界線部の特別な対角外れ電圧を打ち消すためにも使
用することができる交番接続構造を示す。同図(c)
は、同図(a)の構造を90°回転させた構造を示す。
同図(d)は、同図(b)を90°回転させた構造を示
す。同図(e)は、同図(a)と(c)を加え合わせた
構造を示す。同図(f)は、同図(b)と(d)とを加
え合わせた構造を示す。同図(e)と(f)では、導体
に接続された4個の電流源が存在する。電流が接続部の
近傍で消滅すると、任意の接続対間で対角外れ電圧を測
定することができる。
【0034】図9は、開口を含む装置中の電圧用接続部
の不整列オフセットを最小にしつつ、ピエゾ抵抗電圧お
よびホール(対角外れ)電圧を分離することに関する2
軸4重注入形装置の動作を物理的に説明した図である。
同図(a)は、開口を具えた例えば環状の回転対称装置
で、その内側境界線部内と外側境界線部の外側に接続部
が設けられている。装置に注入される電流は存在せず、
装置の左右両側間の電圧を読み取るために2個の電圧計
(1つの電圧計にそれぞれ“赤”、“黒”と記されたリ
ード線対が接続されている)が使用される。ここでは電
圧計は円で示されており、その中に矢印が示されてい
る。電位差が無いときは矢印は12時の方向を向いてい
る。同図(b)は、電流が内側境界線部および外側境界
線部を経て注入される特別な1軸2重注入構造を示す。
意図的あるいは非意図的な歪力の印加により、導体素子
は対角外れピエゾ抵抗電圧を示すと考えられる。従っ
て、電圧計は磁界が存在しない状態(B=0)で、装置
の左右の両側間の電位差を示す。2つの電圧計は反対方
向の符号を示す点に注目する必要がある。これは2個の
電圧計を反対極性で接続したことによる特徴である。
【0035】図9(c)は、磁界を加えるとホール効果
が現れて、表示された電圧が変化することを示してい
る。傾斜した磁界は双方の電圧計を時計方向に回転させ
ると考えるかも知れないが、電圧計は互に反対極性で接
続されているから、反対方向に回転する。同図(d)
は、同図(a)から同図(b)で選択された方向に対し
て直行する方向に電流を注入する他の場合を想定して発
展させたものである(同図(b)と(d)を比較すれば
明らかである)。ここでは、磁界が存在せず、前と同じ
剪断歪力が加わった場合、電圧計は同じ極性で接続され
ているから(各電圧計の赤リード線は装置の同じ側に接
続されている)、2つの電圧計は同じ極性の読みを示
す。さらに、磁界を加えると、2個の電圧計は同じ極性
で回転する(同図(e))。同図(f)は、2つの軸に
沿って電流を同時に注入したもので、本質的に(c)と
(e)を重畳したもので、電圧計は対応する結果を示
す。すなわち、左側の電圧計は(c)と(e)の相殺効
果によりピエゾ抵抗電圧が消滅した表示を示す。しかし
ながら、ホール電圧は加算されてホール効果を2倍に
し、これは右方向への回転角を増加することによって示
される。右側の電圧計に関しては、(c)および(e)
の構造からピエゾ抵抗の寄与分は加算されて磁界が存在
しないときに認められる対角外れ電圧の合計を与え、ホ
ール効果寄与分は(c)と(e)の2つの構造の相殺に
より12時で停止した時計の表示によって示されるよう
にホール効果は消滅する。この説明は、歪力および磁界
によって生ずる対角外れ電圧に対する2つの寄与分は、
この4重注入構造を使用することによって分離され、ま
た両方の寄与分は同じ装置によって別々に且つ同時に読
出すことができることを示している。この構造は、ホー
ルセンサを歪力に対して比較的無感にすることができる
という点で有効である。勿論この技術は、例えば磁界に
対して無感の歪力センサを構造するためにも有効であ
る。
【0036】先の例では、サンプルの外側境界線部に電
圧用接続部を具えたものについて実験に基づく説明を行
った。円形の環状体を図10(a)および(c)に示す
ように外部に電圧用接続部を含む8曲形の回転対称構造
と置換しても同じような結果が得られる。内側境界線部
に接続された電圧計(図10(b)および(d)参照)
も同じように動作することが判った。この結果が得られ
る理由を説明するために前に述べた説明を繰り返す。す
なわち、2軸4重注入(図10(d))において、1個
の内側電圧計はピエゾ抵抗の寄与分を示し、他の電圧計
は単にホール電圧を示し、ピエゾ電圧が2つの構造を個
々に測定したものの和になるのと全く同様に、ホール電
圧は1軸2重電流注入構造(同図)で測定したものの2
倍になる。
【0037】図11は、ホール素子あるいはピエゾ抵抗
素子内の開口を含む装置において、2軸で注入された電
流の方位を矢印で表したものである。この構造は、図9
および図10で説明したように、ホール効果による電圧
とピエゾ抵抗電圧とを分離するのに有効である。さら
に、電圧用接続部の近傍に電流が存在しないことによ
り、注入された全ての電流が同じ大きさを持っていると
きに、電圧用接続部の不整列によるオフセットを低下さ
せるのを助けることができる。ここでは、形状はフレー
ム形(a)、正方形(b)、円形(e)、対称8曲形の
ようなn曲形の回転対称形(f)でよい。同図(a)、
(b)、(e)、(f)のような4重注入構造は対角線
方向の2重注入構造を重畳したものと見ることができ
る。このような2重注入構造は同図(c)、(d)、
(g)、(h)に示されている。ここで、(c)および
(g)は均一な磁界中ではホール効果を示さないが、こ
れらは例えば(c)の左下と右上の間の対をなす適当な
接続部間で電圧が測定されると、ピエゾ抵抗効果分を示
す。一方、(d)および(h)は、ホール効果を示し、
剪断力によるピエゾ抵抗効果を消滅させることができ
る。重要なパラメータは電流バイアスの形態と結晶学的
方位であるから、これらの各種の幾何学的形状は物理的
に等価な効果を示す。従って、同じ効果を実現するため
に他の等価な2重接続構造を考えることも可能である。
これらの装置は、ピエゾ抵抗効果による対角外れ電圧を
最小または最大にするために導電性物質内で好ましい結
晶学的軸に沿って配向されている。もしこのような構造
をシリコン上に構成しようとすれば、結晶内の剪断力ピ
エゾ抵抗係数の変化を利用するために前に図3に関して
説明したように、方位配列用マークを利用することがで
きる。さらに、例えば、Si、GaSs、InAs、I
nSb、HgCdTe、Si−Ge、Au等を含む導電
体系で非方位構造を利用することもできる。
【0038】図12において、(a)は約90°の角度
だけ離れて4個の電流源が設けられた環状構造をもった
装置を示す。電流源は外側境界線部と内側境界線部との
間に接続されている。外側境界線部にも内側境界線部と
同様に幾つかの接続部が設けられている。電圧用接続部
は内側境界線部を対角線方向に横切って電気的に接続さ
れている。これは基本構造である4重注入装置の基本的
な変形である。これらの電気的接続は単純な短絡回路
(図示せず)でもよいし、抵抗性素子、誘導性素子、容
量素子あるいは能動素子を含む複雑な切換え回路であっ
てもよい。この構造は、例えば歪力とホール効果とを分
離するための方向性平均化、および“幾何学的”磁気抵
抗器における電圧積分に有効であることが明らかであ
る。同図(b)は、各電流源が唯一の境界線部に関係す
る交番接続構造を示す図である。同図(c)は、外側境
界線部に関して基本的な変形を施した点を除けば(a)
と同様である。同図(d)は、同図(c)の電流源の接
続形態を交番形態に変形したものである。さらに2つの
交番接続形態の特徴を含む合成した構造を考えることも
できる。
【0039】図13は“短絡された”対角外れ電圧抵抗
器を実現するための幾つかの特殊な4重注入構造を示す
図である。同図(a)は、ホール効果のような非対称対
角外れ電圧を短絡するが、対称成分は短絡されない注入
構造を示す。ここでは短絡は内側境界線部間で行われ
る。この構造を実現するために同図(b)に示す接続構
造を採用することができる。この構造は内側境界線部に
僅か3個の短絡回路を含んでいるが、短絡回路の数は任
意に選択することが可能である。さらに、前述のよう
に、短絡回路を能動素子および受動素子を含む電気回路
と置換することも可能である。同図(b)は、例えば、
シリコンのような半導体中の剪断力ピエゾ抵抗電圧のよ
うな対称対角外れ電圧を短絡する第2の構造を示す。同
図(c)は、導体/抵抗を使用して電気的に平衡化され
るのが外側境界線部上のホール効果のような信号である
ことを除けば同図(a)と等価である。同図(d)の外
側境界線部は同図(b)と同様である。任意の接続部対
の両端間に発生する電圧は使用に供することができる。
【0040】図14において、(a)は各電流源が一方
の境界線部に関係する1軸8曲形注入構造を示す。ここ
では、各電流源による寄与分の対角外れ電圧を積分する
ことができる。電流は不整列オフセットを打ち消すよう
に設定することができる。同図(b)は、同図(a)の
構造を90°だけ回転させたものである。同図(e)
は、同図(a)と(b)を合成して得られた2軸16曲
形注入構造であるが、図面が複雑になるのを避けるため
に単に(e)=(a)+(b)と示す。この構造によれ
ばオフセットに対してより良好な信号を得ることができ
る。同図(c)は、同図(a)の変形接続構造(コルビ
ノ(Corbino)状)を示す。同図(d)は、同図
(b)の構造を90°回転させたものである。同図
(f)は同図(b)と(d)を合成したものであるが、
図が複雑になるのを避けるために単に(f)=(b)+
(d)と示す。この構造は、電流バイアスを適当に設定
することによって同図(e)と等価にすることができ
る。同図(g)および(h)は、他の可能な組合わせ構
造を示すものであるが、図が複雑になるのを避けるため
にそれぞれ(g)=(b)+(c)、(h)=(a)+
(d)と示す。ここでは、(a)および(c)の8曲形
注入構造をn曲形注入構造に普遍化できることは注目に
値する。また、4曲形回転対称矩形フレームをm曲形回
転対称フレームに普遍化することも可能である。
【0041】図15において、(a)は、幾つかの接続
部(小黒点で示す)を含む長方形の導電性プレートに2
個の電流源が接続されており、これらの電流源は直行す
る2つの方位に電流を注入するように作用する。例え
ば、磁界あるいは歪力を加えることによって得られる対
角外れ電圧は適当な自由接続部対を使用して測定され
る。同図(b)は、直行する4重電流注入を具えた十字
形導体を示す。同図(c)は、電流用接続部と電圧用接
続部とを具えたL字形導体を示し、導体の空間的に離れ
た領域に直角方向に2つの電流が導かれる。同図(d)
は(c)の別の接続形態を示す。同図(e)は、導体の
空間的に離れた領域に2つの電流の方向の間で有限の角
度、すなわち0°<υ<90°の角度で2重に電流を注
入する構造を示す。同図(f)は(e)の別の接続形態
を示したものである。方位のマークは、もし必要があれ
ばシリコン中のセンサを整列させるために使用される。
【0042】次に図16について説明する。先の実施例
で示した装置では、時には電気的に分離された電流源を
使用してしばしばサンプル中に1以上の電流を注入する
必要があった。電流源を電気的に分離すると組合わせ構
造の実現が可能になる。図1は電流源のある特別な実施
例を示しているが、電流源の設計はその図に示されたも
のに制限されるものでないことは明らかである。事実、
出力が電流源として作用するように設計された任意の電
気回路は、実際の目的上電流源としての機能を果たすこ
とができる。また、接続部の設計に関しても、単にその
寸法、配置、構造を変更することからさらに進んだ接続
部の構造に至るまで数多くの変形が存在するが、これら
の各変形例を可視的に吟味できる形で表わす必要はな
い。実際には、接続部の数はセンサに接続されるワイヤ
ーの数に単純に関連させる必要もいない。このような複
雑な構造も、特に、例えば増幅器、トランジスタ、ダイ
オード、抵抗器、キャパシタ、インダクタを含む能動素
子および受動素子をセンサ中に一体化するときに装置中
に組み込むことができる。
【0043】図16に示す幾つかの図面では光電流発生
器(ソース)用の基礎として光発電セルを使用すること
により幾つかの興味のある特徴が得られることが判っ
た。光電流発生器の特別な実施例としてp−n接合を取
り上げたが、ホトンにより電子−ホール対が生成される
他の任意の装置も同様に使用できることが判った。この
技法の重要な点は、ホール効果およびピエゾ抵抗効果を
含むセンサの適用例ではしばしば半導体が使用され、ま
たこのような装置ではとりわけ多数キャリアの符号を選
択するためにしばしばp形あるいはn形にドープされる
ことである。p−n接合の形成はシリコンのよな完成し
た技術では特に問題はないが、一方不整列によるオフセ
ット、ピエゾ抵抗電圧およびホール効果に関する問題が
解決すべき問題として存在するので、上記のような技法
は簡単な電流源を開発するための手立てとなるので注目
に値するものと考えられる。
【0044】図16(a)に“光駆動形”ホールバーを
示す。これはホールプレートのソースおよびドレン接続
部に電気的に接続された光電流発生器(p−n接合)で
構成されている。この構成は、光発電装置に定常状態の
ホトンの流れあるいは周期的に変化するホトンの流れを
生じさせる光源が電流を変調することから磁気光学装置
と見ることができ、一方磁界は電圧用接続部(プレート
の中央部近くの小さなオーミック接続部)の両端間に、
電流と磁界の積によって変調されるホール電圧を発生さ
せる。従って、このような装置は磁気光学周波数ミキサ
として使用できることが判った。ホトンの光源は太陽を
はじめ、電球、ろうそく、発光ダイオード等広範囲にわ
たっていずれのものも使用することができる。電流を所
望の範囲に設定するために回路中に他の能動素子あるい
は受動素子を設けることもできる。この方法の有効性
は、同図(b)の2重電流源を必要とする“ホールバー
内の反ホールバー”構造を考察することによってさらに
明確になる。ここでは、1対のp−n接合を使用した同
等な光発電装置は、2重電流発生装置として動作する双
方のダイオードを単一の光源で照明することによって実
現できることを示している。電流の方向を図示のように
設定することにより不整列オフセットが最小のホール装
置を実現することができる。同図(c)は、上記の考え
方を4個のダイオード(光電流発生装置)を1個の光源
で照明する2軸4重電流構造に普遍化できることを示し
ている。ここでも電流を設定するのに必要な能動素子お
よび受動素子は図示されていない。同じ光源ですべての
光電流発生装置を照明する必要はないことは注目に値す
る。
【0045】図17は、ホール素子あるいはピエゾ抵抗
素子に単一の光電流発生器を一体化する考え方を示して
いる。同図(a)は本質的に等価な回路を示している。
同図(b)は、一体化光電流発生器−ホール装置の特別
な実施例を示している。埋込みn形チャンネルは、対角
外れ成分(ホール効果あるいはピエゾ抵抗電圧)が測定
される導電性材料を構成している。装置の右側(ソー
ス)にn+ の材料からなる標準の接触部が設けられてお
り、それに続いて頂部にワイヤーを構成する金属化部分
が形成されている。装置の左側(ドレン)における電流
用接続部は、実際にはn形チャンネルの上にp形の材料
を乗せて形成されたp−n接合である。このp−n接合
にホトンが入射すると電子(−)とホール(+)の対が
生成される。接続部はp+ 物質をもったp形材料で形成
され、金属化部分(ワイヤー)が該p形接続部に接続さ
れている。ここでの重要なアイディアはホールプレート
の1個の接続部が光発電装置になっており、金属化部分
が回路を閉じる導体になっていることである。
【0046】図17(c)は、p−n接合が装置の頂部
に比較的接近していることを示している。従って、頂部
からの照射によって図示(装置の中心に沿って一方の電
流用接続部から他の接続部に至る断面図(イ))のよう
に装置内を流れる光電流が発生し、ホール素子中の電流
の存在は、素子に磁界あるいは歪力を加えることによっ
て“対角外れ”電圧を作りだすことができる。同図
(c)の上面図(ロ)は装置内を流れる電流の透視図を
示す。ここでは、金属化部分(ワイヤー)はできるだけ
薄く、且つできるだけ広幅で作ることが望ましく、該金
属化部分はドレンからの電流を集め、これをソースに戻
すように作用することが明らかである。勿論、このよう
な装置は、同図(a)に示した原理と同じ原理で動作す
ることは容易に理解できることであるが、このような装
置ではソース−ドレン間に接続される外部リード線を考
える必要はない。
【0047】上述の装置については、次のような簡単な
変形例が数多く考えられる。(i)帰路用ワイヤーはソ
ースとドレンを接続するp形またはn形材料のストリッ
プであってもよい。(ii)埋込みn形チャンネルを表面
近くに移してもよい。(iii)装置の電気的絶縁性ならび
に装置の保護を強化するために絶縁層を設けてもよい。
(iv)p−n接合はホール素子から多少離れていてもよ
く、電流用接続部の一方に集積化されていなくてもよ
い。(v)p−n接合は、p領域とn領域とを互に積層
する代わりに互に横方向に隣接して配置することによっ
て形成されていてもよい。(vi)装置の側部あるいは底
部から光を照射してもよい。(vii) ドーピングの形態は
装置にとって適したものでよい。(viii)nチャンネルの
代わりにpチャンネルで動作するように選択することも
可能であり、また適正に設計すればよい。実際上、光発
電装置あるいは光電流発生器を含むホール素子あるいは
ピエゾ抵抗素子は本発明の範囲に含まれるものである。
シリコンでは、剪断力ピエゾ抵抗効果が最小あるいは最
大になるようにこの装置を配向することができる(図
3)。
【0048】図18(a)はホトン励起形の4端子電気
プレート、すなわち4端子電気回路プレートを示す。同
図(b)は背面側に形成されたp−n接合が設けられた
装置を概略的に示しており、該p−n接合は電気回路プ
レートの上面側にワイヤーあるいはワイヤーホールで接
続されている。この構造は、(対角外れ)ホール電圧あ
るいはピエゾ抵抗電圧が発生する導電チャンネルに光が
照射されるのを防止するのに有効である。また、この構
造によれば半導体の表面をより有効に利用することがで
き、しかも光電流発生器の領域および電流発生容量を増
加させることができる。電流制限抵抗器は図示されてい
ないが、これらは設計に当たって簡単に集積化すること
ができる。同図(c)は、電気回路プレートの上面側の
図には“電流用接続部”は存在しないが、電流はソース
から現れ、ドレンに流れ込むことは云うまでもない。
【0049】図19(a)は、フレーム形(2重接続さ
れた)ホールバー内の反ホールバーすなわち開口を具え
たホールバーを示し、これは電流用接続部内に集積化さ
れた電流発生器が設けられている。この構造は、左から
右方向に外側境界線部のソース、内側境界線部のソー
ス、内側境界線部のドレン、および外側境界線部のドレ
ンを有している。上面のフレームの部分は導電ホール・
チャンネルに対応する。ホール電圧は外側境界線部でも
内側境界線部でも測定される。同図(b)は、断面の左
側および右側に“外側から内側へ”の電流回路を形成す
る背面側p−n接合を示している。光が照射された状態
で2つの回路が同じ電流を発生する必要はなく、回路パ
ラメータは所望の電流が得られるように調整することが
できる。垂直方向の柱状部分は電流がホールプレートの
上面側に到達できるようにするための導電性オーミック
接触を形成している。同図(c)はドーピング形態の概
略構造を示す図である。ここでも2つの光電流発生器は
ホールプレートの真下あるいは背面側に存在する必要の
ないことは云うまでもない。これらは上側あるいは内側
の開口内であってもホール素子から距離を置いて配置さ
れていてもよい。この装置は、図4に示すように低ピエ
ゾ特性を得るようにも、あるいは高ピエゾ特性を得るよ
うにも配向することができる。
【0050】図20(a)に示す構造は、左から右に向
かって外側境界線部にソースが設けられ、内側境界線部
にドレンが設けられ、内側境界線部にドレンが設けら
れ、外側境界線部にソースが設けられている点を除けば
図19(a)と同じである。この電流バイアス形態は磁
気勾配を感知するのに有効である。同図(b)およ
び()は、ドーピング形態が所望の電流バイアス状態が
得られるように変更されている点を除けば図19と同じ
である。ここでも、電流ループは外側境界線部と内側境
界線部とを接続する必要のないことは云うまでもない。
同様に、各光電流発生器のソースとドレンを図4(c)
に示すように一方の境界線部に関連させてもよい。ま
た、装置を必要に応じてシリコン上に設けてもよい。
【0051】図21(a)は4個の光電流発生器を具え
た4曲形回転対称2軸4重電流注入ホール装置あるいは
ピエゾ抵抗装置を示す。ソース領域における黒点は電流
ベクトルの矢の頭を示し、ドレン接続部における×は電
流ベクトルの矢の尾側を示す。正方形の対角線に沿う位
置の内側境界線部および外側境界線部にある黒点で示す
各接続部は対角外れ電圧を測定するように作用する。上
面のフレームの部分はホール・チャンネルを示す。同図
(a)中の点線は断面の軸を表わす。この構成は、左か
ら右に向かって外側境界線部のソース、内側境界線部の
ドレン、内側境界線部のソース、および外側境界線部の
ドレンを示している。さらに、上から下に向う断面を表
わす点線に沿って外側境界線部のソース、内側境界線部
のドレン、内側境界線部のソース、および外側境界線部
のドレンが設けられていることを示している。しかしな
がら、可視的な形でこれらの接続部に接続されるワイヤ
ーを設ける必要は全くない。
【0052】図21(b)に示す断面中の電流パスは、
図20で示したものと同様でよい。同図(c)は可能な
ドーピング形態を示す。図(a)に概略的に示す断面を
表わす線に加えてこれに平行な断面を考えることがで
き、これによってこの構造の各腕部分に幾つかのソース
−ドレン間パスが存在することを示すことができる。付
加された各ソース−ドレン対に対して装置上に電流発生
器として作用するホトセルが設けられる場合がある。全
ての光電流発生器を発光ダイオードのような単一の光源
によって励起してもよい。従って、最小限所望の対角外
れ電圧を読み取るための1対のワイヤーを有し、光源に
電流を供給するための1対のリード線を有するホール素
子あるいはピエゾ抵抗素子を得ることができる。パッケ
ージが簡単であるという点から、センサ上に電流源を集
積化することは特に有利であるということは容易に理解
できることである。。最後に、電流用接続部の位置と電
圧用接続部の位置を入れ換えること、さらに進歩したホ
ールセンサあるいはピエゾ抵抗センサを実現するために
他の幾つかの適当な2重接続された形状を使用すること
は簡単できることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置で使用される電流源を示す図で、
(a)は電圧源と抵抗とスイッチとを直列接続して構成
された電流源を示し、(b)は抵抗が直列に接続された
複数の2次巻線を有する変成器を使用して単一の電源か
ら1組の交番電流を引き出すことができる電流源を示
し、(c)はオプトエレクトロニクス手段を使用して多
数の電気的に分離された電流を供給することができる電
流源を示す図である。
【図2】本発明の装置の基本的な構成を示す概略図で、
(a)はn形チャンネルシリコンの(001)面上に形
成された“ホールバー内の反ホールバー”(フレーム形
状)の構造を示す図であり、(b)は(a)に示す“ホ
ールバー内の反ホールバー”の各電流源端子にそれぞれ
ある大きさ、極性の電流を供給したときに1対の電圧源
端子C、D間で測定される電圧VC,D を示す図であり、
(c)は(a)に示す“ホールバー内の反ホールバー”
の各電流源端子にそれぞれある大きさ極性の電流を供給
したときに1対の電圧源端子3、4間で測定される電圧
3,4 を示す図である。
【図3】結晶軸に関する装置の幾何学的配列を示し、
(a)は基準の(001)平面にn形チャンネルシリコ
ンを持ったものの配列を示し、(b)は基準の(00
1)平面にp形チャンネルシリコンを持ったものの配列
を示し、(c)は基準の(011)平面にn形チャンネ
ルシリコンを持ったものの配列を示し、(d)は基準の
(011)平面にp形チャンネルシリコンを持ったもの
の配列を示し、(e)は基準の(1(バー)11)平面
にn形チャンネルシリコンを持ったものの配列を示す図
である。
【図4】フレーム形状の“ホールバー内の反ホールバ
ー”の幾つかの実施例を示す図で、(a)は1軸単一電
流注入形のものを示し、(b)は1軸2重注入形の第1
の形式のものを示し、(c)は1軸2重注入形の第2の
形式のものを示し、(d)は開口内注入形のものを示
し、(e)は(c)に示す形式のものにおいて、内側境
界線部の対をなす端子間が導体で接続されたものを示
し、(f)は(c)に示す形式のものにおいて、外側境
界線部の対をなす端子間が導体で接続されたものを示
し、(g)は導電チャンネル内を経由する接続(太線で
示す)を付加した(f)と同様な構成を示し、(h)は
導電チャンネル内を経由する接続(太線で示す)を付加
した(e)と同様な構成を示す図である。
【図5】(a)4個の電気的接続素子を具えた導電性素
子を示し、(b)は(a)の電気的接続素子の対称抵抗
テンソル(行列)を示し、(c)は(a)の電気的接続
素子の非対称抵抗テンソルを示し、(d)は(a)の電
気的接続素子における対称成分および非対称成分の双方
を含む最も一般的なテンソルを示す図である。
【図6】ホール装置またはピエゾ抵抗装置の各種の実施
例を示し、(a)はL字形導体内にL字形開口を有する
形式のものを示し、(b)はフレーム形の導体を具えた
ものを示し、(c)は環状の導体を有するものを示し、
(d)はn曲形(n個の辺を有するもの)対称構造の代
表として8曲形式のものを示す図である。
【図7】内部に2個のL字形開口を有するホール装置ま
たはピエゾ抵抗装置の各種の実施例を示し、(a)は各
開口の両端部に接続部が設けられており、これらの接続
部に電流源が接続された形式のものを示し、(b)は電
流源が境界線部間に接続された形式のものを示し、
(c)は(b)の形式のものにおいて、開口を横切って
電気的接続が設けられた形式のものを示し、(d)は
(c)の形式のものにおいて、材料内を経由する接続を
太線で示したものを示し、(e)は(a)に示す形式の
ものにおいて、異なる開口の対をなす接続部間を電気的
に接続した形式のものを示し、(f)は(a)の形式の
ものにおいて、開口内の接続部の位置を電流補償の下で
平行な電流ベクトルが得られるようにシフトさせた形式
のものを示す図である。
【図8】2個の1軸2重注入構造の装置を用いて2軸4
重注入装置を構成する原理を説明する図で、(a)乃至
(d)は2重電流注入形式の装置の各種の例を示し、
(e)および(f)は(a)乃至(d)を組み合わせる
ことにより構成される2軸4重電流注入形式の例を示す
図である。
【図9】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子を
含む2軸4重注入装置の動作原理を説明する図で、
(a)は装置に電流を注入せず且つ磁界が存在しないと
きの動作状態を示し、(b)は磁界が存在しないときの
1軸2重注入時の動作状態を示し、(c)は磁界が存在
し、1軸2重注入時の動作状態を示し、(d)は磁界が
存在しないときの他の1軸2重注入時の動作状態を示
し、(e)は磁界が存在するときの上記他の1軸2重注
入時の動作状態を示し、(f)は磁界が存在するときの
2軸4重注入時の動作状態を示す図である。
【図10】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む8曲回転対称構造の装置の動作原理を説明する図
で、(a)および(b)は装置に電流を注入せず且つ磁
界が存在しないときの2つの例の動作状態を説明し、
(c)および(d)は磁界が存在し、2軸4重注入時の
2つの例の動作状態を説明する図である。
【図11】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)、(b)、(e)お
よび(f)は4重注入構造の各種の例を示し、(c)、
(d)、(g)および(h)は2重注入構造の各種の例
を示す図である。
【図12】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)乃至(d)は約90
°の角度離れて4個の電流源が接続された2軸4重注入
形式の各種の例を説明した図である。
【図13】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)乃至(d)は対称あ
るいは非対称対角外れ電圧を短絡する短絡回路を具えた
2軸4重注入形式の各種の例を示す図である。
【図14】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)乃至(d)は1軸8
曲(8重)注入形式の各種の例を示す図であり、(e)
乃至(h)は(a)乃至(d)の例の組合わせにより構
成される2軸16曲(16重)注入形式の装置の各種の
例を説明する図である。
【図15】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)は長方形の導電性プ
レートに2つの直行する方向に電流を注入する2個の電
流源が接続された例を示し、(b)は十字形の導電性プ
レートに直行する方向に電流を4重注入するように4個
の電流源が接続された例を示し、(c)および(d)は
L字形の導電性プレートに直行する方向に電流を注入す
る2個の電流源が接続された例を示し、(e)および
(f)は導体の空間的に離れた領域に2つの電流の方向
間で有限の角度(0°<υ<90°)で電流が注入され
る2重注入形式の例を示す図である。
【図16】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)は光励起形のホール
バーの概念を示し、(b)は光励起による2重注入形の
“ホールバー内の反ホールバーの原理を示し、(c)は
光励起による4重注入形の“ホールバー内の反ホールバ
ーの原理を示す図である。
【図17】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)は光励起形装置の原
理を示す概略斜視図、(b)は集積化された光励起形装
置の実施例を示す断面図、(c)はp−n接合が装置の
上面に比較的接近して形成された断面図(イ)および上
面図(ロ)である。
【図18】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)は光励起形装置の原
理を示す概略斜視図、(b)は背面側にp−n接合が形
成された集積化された光励起形装置の実施例を示す断面
図、(c)は背面側より光で励起されたときの状態を示
す断面図(イ)および上面図(ロ)である。
【図19】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)はフレーム形のホー
ルバー内の反ホールバーすなわち開口を具えたホールバ
ーの上面図、(b)は(a)の断面図、(c)はドーピ
ングの形態を示す図である。
【図20】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)はフレーム形のホー
ルバー内の反ホールバーすなわち開口を具えたホールバ
ーの他の例の上面図、(b)は(a)の断面図、(c)
はドーピングの形態を示す図である。
【図21】本発明のホール素子あるいはピエゾ抵抗素子
を含む装置を示す概略図で、(a)は4曲回転対称2軸
4重注入形装置の上面図、(b)は(a)の断面図、
(c)はドーピングの形態を示す図である。
【符号の説明】
1 電流用接続部 2 電流用接続部 3 電圧用接続部 4 電圧用接続部 A 電流用接続部 B 電流用接続部 C 電圧用接続部 D 電圧用接続部 I1,2 電流源 IA,B 電流源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラウス フオン クリツツインク ドイツ連邦共和国 デー−70563 シユト ウツトガルト カツツエンバツハシユトラ ーセ 121

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ホール電圧、剪断力ピエゾ抵抗電圧
    およびその他の対角外れ電圧の中の少なくとも1つを測
    定する電圧測定装置であって、 1つ以上の電流が注入および/または1つ以上の電圧が
    印加される平坦な素子を具備し、 上記素子は、1つ以上の境界線部と、この境界線部に位
    置しかつ複数の第1の軸の上にあって上記の磁気ホール
    電圧、剪断力ピエゾ抵抗電圧およびその他の対角外れ電
    圧の中の少なくとも1つを測定するための第1の接続部
    の対と、上記第1の軸とは異なる複数の第2の軸の上に
    あって電流の差が注入または電圧の差が印加される第2
    の接続部の対と、を具えたものである、電圧測定装置。
  2. 【請求項2】 Nを0以上の整数としたときに、上記素
    子がN個の開口とN+1個までの境界線部とを具えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電圧測定装置(図1
    5)。
  3. 【請求項3】 上記ホール電圧とピエゾ抵抗電圧とが第
    1の接続部の各別の対に分離されて生じることを特徴と
    する請求項1または2に記載の電圧測定装置。
  4. 【請求項4】 上記素子が回転対称または線対称の構成
    になっていることを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の電圧測定装置。
  5. 【請求項5】 上記複数の第2の軸の少なくとも2つが
    互いにθ=90°を含む有限な角度θをなすことを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電圧測定装
    置。
  6. 【請求項6】 上記素子が半導体基板または絶縁体基板
    の上に形成されたホモまたはヘテロ接合の単層または多
    層の半導体構造からなり、特に、シリコン、ゲルマニウ
    ムおよびシリコン・ゲルマニウムの中の少なくとも1つ
    の1層以上の電子的導電層の半導体構造からなることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電圧測定
    装置。
  7. 【請求項7】 シリコン等の半導体構造における特定の
    ピエゾ抵抗応答を選択するために、1つ以上の電流が結
    晶の特定の方向に流れるようにすることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかに記載の電圧測定装置(図
    3)。
  8. 【請求項8】 上記素子がn形またはp形の半導体の層
    とこれとは逆のp形またはn形の基板からなることを特
    徴とする請求項6または7に記載の電圧測定装置。
  9. 【請求項9】 電流を供給する複数の電流源および/ま
    たは電圧を発生する複数の電圧源を具えることを特徴と
    する請求項1乃至8のいずれかに記載の電圧測定装置。
  10. 【請求項10】 電流発生回路または電圧発生回路にお
    ける上記電流源または電圧源はp−n接合等のフォトセ
    ルで構成されていて、このフォトセルを駆動するための
    少なくとも1つの光源を具え、上記フォトセルとセンサ
    としての上記素子とが同じ1つの基板の上に集積されて
    いることを特徴とする請求項9に記載の電圧測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    電圧測定装置を用いて、磁気ホール電圧、剪断力ピエゾ
    抵抗電圧およびその他の対角外れ電圧の中の少なくとも
    1つをそれぞれ別々に測定する電圧測定方法であって、 複数の電流を発生させて上記第2の接続部の対を介して
    上記平坦な素子に注入し、および/または複数の電圧を
    発生させて上記第2の接続部の対を介して上記平坦な素
    子に印加して、上記第1の接続部の対を用いて上記のホ
    ール電圧、ピエゾ抵抗電圧およびその他の対角外れ電圧
    の中の少なくとも1つを測定することを特徴とする電圧
    測定方法。
  12. 【請求項12】 対角外れ電圧の対称成分と非対称成分
    とを分離して第1の接続部の相異なる対に生じさせるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の電圧測定方法。
  13. 【請求項13】 磁気ホール電圧および/または剪断力
    ピエゾ抵抗電圧を分離して相異なる第1の接続部の対に
    生じさせることを特徴とする請求項11または12に記
    載の電圧測定方法。
  14. 【請求項14】 上記第1の接続部の1つ以上の対の付
    近で電流が消失して上記第1の接続部における不平衡が
    補償されるように電流および/または印加電圧を設定す
    ることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記
    載の電圧測定方法。
  15. 【請求項15】 接続部の1つ以上の各対に、加えられ
    た磁界および/または剪断応力に応じた電圧を生じ、上
    記磁界および/または剪断応力が存在しないときにはオ
    フセット電圧が生じないように、別の接続部の1つ以上
    の各対の間に1つ以上の電流または電圧を供給すること
    を特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の電
    圧測定方法。
  16. 【請求項16】 同じ1つの基板の上にセンサとしての
    上記素子と共に集積された電流源または電圧源を用いて
    上記電流および/または電圧の差を発生させることを特
    徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の電圧測
    定方法。
  17. 【請求項17】 同じ1つの絶縁体基板または半導体基
    板の上にセンサとしての上記素子と共に集積された特に
    p−n接合の光発電器セルを用いて上記電流を生じさせ
    ることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記
    載の電圧測定方法。
JP7276338A 1994-09-29 1995-09-29 電圧測定装置および電圧測定方法 Withdrawn JPH08233928A (ja)

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EP0704710A1 (en) 1996-04-03
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