JPH08228468A - 3相電力調整器 - Google Patents

3相電力調整器

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JPH08228468A
JPH08228468A JP5375595A JP5375595A JPH08228468A JP H08228468 A JPH08228468 A JP H08228468A JP 5375595 A JP5375595 A JP 5375595A JP 5375595 A JP5375595 A JP 5375595A JP H08228468 A JPH08228468 A JP H08228468A
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Nobutomo Matsunaga
信智 松永
Kazunobu Fujise
和信 藤瀬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 点弧角指令値の制御範囲を0〜120+α度
とするトライアック付きの3相電力調整器を提供するこ
と 【構成】 3相の電源ラインにトライアック10a〜1
0cを挿入し、そのトライアックを介して3相負荷11
に電力供給をしている。3相のうち任意の2相の相間電
圧を電源装置12により抽出し、それに基づいてアナロ
グ式の単相コントローラ20を装着し、そこにおいてト
ライアックに対する点弧信号を発生するための基準とな
る基準信号(パルス)を生成し、次段の点弧信号生成部
30に送りそこで基準信号に基づいて各相に挿入された
トライアックに対するそれぞれの点弧信号を生成する。
単相コントローラ内には、パルス補正回路を設け、点弧
角指令値が90度を越えるときには、基準信号の立ち下
がりを一定時間遅らせ、同時に複数のトライアックがオ
ンとなる角度範囲を120度以上に延ばす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3相電力調整器に関す
るものである。
【0002】
【発明の背景】よく知られているように、電力調整器
は、電源ライン上にスイッチング素子を挿入し、スイッ
チング素子のオン時間を変化させることにより、負荷に
対する供給電力量を調整するもので、そのスイッチング
素子の点弧制御は、電源信号に基づいて三角波(のこぎ
り波)を発生させ、その三角波と指令信号(DC)との
比較を行い、指令信号に応じたデューティ比のパルスを
用いて行うようにしている。すなわち、例えばパルスの
立上がりに基づいてスイッチング素子を点弧するように
すると、その点弧タイミングは(交流信号のゼロクロス
からの経過時間)、すなわち指令値に応じて変化する。
よって、スイッチング素子がオンしている期間が変動
し、単位時間あたりの電力供給量が変化する。
【0003】本発明が対象とする3相電力調整器の場合
は、UVWの各相の電源ラインに上記したスイッチング
素子を挿入するとともに、指令値に基づいて各スイッチ
ング素子を適宜のタイミングで点弧するようにしてい
る。そして、電力の安定供給のためには、これら3つの
スイッチング素子は、点弧タイミングが120度ずつず
れており、しかもオン時間は等しくなっているのが理想
である。
【0004】そして、上記スイッチング素子としては、
一般に単相電力調整器の場合にはトライアックが用いら
れ、また、3相電力調整器の場合には、サイリスタとダ
イオードを互いに順方向を逆にして並列接続した混合ア
ームブリッジを用いている。
【0005】部品の共通化を図るために、トライアック
を用いた単相電力調整器を用いて3相電力の調整を行お
うとすると、係る単相電力調整器を3個設けるととも
に、一度U,V,W相から中性点に対する信号を例えば
Y−Y結線したトランスから取り出し、その取り出した
信号(電源信号)を各単相の電力調整器に与え、上記し
た三角波の生成以降の制御処理を行うようにすることが
考えられる。
【0006】しかしながら、トライアックを用いると制
御が簡単になるものの、電流を流すためには少なくとも
同時に2つトライアックがオンになっている必要があ
る。一方、点弧パルスは電源信号がゼロクロスすると0
になる。従って、各電源信号は位相が120度ずつずれ
ているので、点弧角指令値が120度を越えると、同時
に2つのトライアックをオンさせることができず、その
結果、位相角の制御範囲が0〜120度となってしま
う。しかも、120度を越えた時に出力が急激に0にな
るため特性が悪く、低電圧での制御ができなくなる。
【0007】その結果、単相電力調整器をそのまま3相
電力調整器に使用することは困難であり、従来のように
異なるスイッチング素子を使用して構成しなければなら
ず、保管・管理が煩雑等の問題を有する。また使用者側
にとっても、例えば単相電力調整器を使用していた場合
に、その後の環境の変化などにより単相電力調整器を廃
止するとともに3相電力調整器に切り替える必要が生じ
た場合には、従前の単相電力調整器は無駄になる。そこ
で、トライアックを使用しつつ制御可能範囲を120度
以上にするとともに低電圧での制御を容易に行えること
のできる調整機の開発が臨まれている。
【0008】一方、上記した従来の3相電力調整器は、
大別するとアナログ方式とデジタル方式がある。前者の
アナログ方式は、電源ラインに対してY−Y結線した3
つのトランスを挿入し、そのトランスを経由して、中性
点に対する電圧U,V,Wを得る。各電源信号(UV
W)に対してそれぞれ三角波発生回路及び比較器を直列
接続し、各比較器には同一の指令値が与えられる。そし
て、三角波発生回路の出力(三角波)が、比較器に与え
られ、その値が指令値を越えたときに、スイッチング素
子を点弧(オン)にする。
【0009】三角波発生回路は、係る3つの電圧信号
(正弦波)をコンパレータを経由して矩形波を作り、そ
の信号を充放電回路に通すことにより三角波を発生させ
る。従って三角波は、各相の電源信号のゼロクロス点か
ら正確に上昇するため、各相の三角波の傾きが等しい
と、点弧タイミングも各電源信号の位相遅れに応じて正
確に120度ずつずれて行われる。
【0010】また、後者のデジタル方式は、特開昭59
−106879号公報,同61−15565号公報等に
示されるように、1個のCPUにより3相分の点弧信号
を作り出すもので、アナログ方式における三角波発生回
路に替えてゼロクロスを検出後、所定数カウントするこ
とにより位相角を算出する手段を設ける。そして、係る
指令値に対応する位相角になったなら対応する各スイッ
チング素子を点弧する。そして、上記ゼロクロス点を検
出するために、電源ラインに対してトランスを設置し、
そのトランスの各相の出力電圧をA/D変換し、変換さ
れたデジタル値に基づいて各処理を行う。
【0011】アナログ方式の場合は、3相分のトランス
を必要とするとともに、各相に対して三角波発生回路及
び比較器が必要となり、部品点数増加にともなう大型
化、コスト高を招く。さらに、三角波を形成する際の充
放電回路を構成する各素子の特性にばらつきを生じ、各
相での三角波の傾きが異なり、ゼロクロスから点弧する
までの時間(点弧タイミング)が各相でずれてしまい、
120度間隔で点弧できなくなり、安定駆動が困難とな
る。
【0012】一方、デジタル方式の場合には、データ読
み込みに100μsec以上の時間がかかる(8bi
t,20MHz)ので、例えば50Hzの電源周波数を用い
る場合には、半周期で100分割しかできない。その結
果、分解能の向上も限度があり、ゼロクロスの検出並び
に各相の点弧タイミングの制御も上記範囲内での精度し
か得られない。このように、アナログ式とデジタル式で
は共に一長一短があった。
【0013】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、スイッチング素子としてトライアックを用いつつ点
弧角指令が120度以上での制御を可能にし、低電圧で
の安定した制御を行える3相電力調整器を提供すること
にある。さらに上記した目的を達成しつつ、高分解能
で、正確にゼロクロスを検出でき、各相の点弧タイミン
グが120度ずつずれ、安定した駆動が行なえ、小型で
発熱量も少なく、かつ、指令値と出力が比例するように
し、コスト安の3相電力調整器を提供することも別の目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る3相電力調整器では、3相電源か
ら負荷への電源ライン上に実装されたトライアックの点
弧角を制御する3相電力調整器において、前記電源ライ
ンを流れる電源信号に基づいて点弧角指令値に応じたパ
ルス幅からなる基準パルスを生成する手段と、前記点弧
角指令値が所定の値の時に、前記生成された基準パルス
の立ち下がりを遅延させるパルス補正手段と、前記パル
ス補正手段の出力に基づいて前記トライアックを点弧さ
せる手段とから構成した。
【0015】また、3相の電源ラインのうちの任意の2
相の相間電圧に基づいて各相の点弧信号の基準となる基
準パルス信号を生成するアナログ式の単相コントローラ
と、その単相コントローラの出力に対して、デジタル処
理により所定の位相角だけ遅らせて各相に対する点弧信
号を生成する点弧信号生成手段と、その点弧信号生成手
段から受ける点弧信号に基づいて前記各電源ライン上に
実装されたトライアックを点弧する駆動手段とを備え、
かつ、前記単相コントローラが、前記点弧角指令値が所
定の値の時に、前記生成された基準パルスの立ち下がり
を遅延させるパルス補正手段をさらに備えるようにして
もよい。
【0016】そして好ましくは、前記点弧信号生成手段
が、前記基準信号のL/Hの状態を記憶するとともに所
定のタイミングで記憶情報をシフトするシフトレジスタ
を備え、そのシフトレジスタの所望の出力端子からの出
力に基づいて点弧信号を生成するようにし、かつ、前記
パルス補正手段にて遅延処理をするか否かの制御信号と
して、前記シフトレジスタの出力を用いるようにすると
よい。
【0017】さらに前記パルス補正手段が、CR充放電
回路を備え、ゼロクロスから所定の位相角が経過した時
に与えられる制御信号に基づいて、前記CR充放電回路
の時定数を切り換え、前記基準パルスの立ち下がりを遅
延させるようにするとなおよい。
【0018】なお、パルス補正手段により基準パルスの
立ち下がりを遅らせる遅延処理をするか否かの点弧角
は、好ましくは90度よりも大きくまた、120度より
も小さい所定の角度範囲のときに行われる。ことであ
る。すなわち、90度未満で動作するようになると、点
弧角指令値が小さい場合に、次のパルスの立上がりと重
複し3つのトライアックが同時にオンになるおそれがあ
り、動作が不安定となるからである。また120度より
も大きいと、補正処理をしない場合にはすでに120度
で同時に2つのトライアックがオンになることがなくな
るため、遅延処理をしても無駄となるからである。そし
て、遅延(補正)処理が安定し、しかも確実に行われる
ためには、できるだけ早い角度から開始するのが良い。
【0019】
【作用】点弧角指令値が所定角度以下の場合には、パル
ス補正手段は動作しない(遅延・延長処理をしない)の
で、基準パルスのオンに基づいて所定のトライアックが
オンされ、立ち下がり(ゼロクロスにより電圧の瞬時値
がゼロ)の時に自動的に消弧される。よって、点弧時間
を制御するだけという簡単な制御系でもって3相電力調
整器が稼働する。そして、複数のトライアックが同時に
オンしている必要があるので、その儘では0〜120度
の点弧角指令値に対して制御される。
【0020】さらに、点弧角指令値が所定かくどい状に
なると、パルス補正手段が動作し、基準パルスの立ち下
がりが延長される。よって、ゼロクロスしてもトライア
ックはオン状態が維持され、負荷への電力供給が可能と
なる。従って、点弧角指令が120度以上での電力制御
も可能となる。
【0021】また、請求項2の発明では、単相コントロ
ーラで、任意の相間電圧に基づいて点弧信号の元となる
基準パルス信号を生成する。この時、アナログにより処
理されるので、その相間電圧のゼロクロスは正確に検出
される。そのゼロクロス後、相間電圧信号に基づいて上
昇する基準波と指令値とを比較し、基準波が指令値を越
えた時にオン信号を出力する。これが、基準パルスとな
る。
【0022】この基準パルスに基づいて、或いは必要に
応じてパルス補正手段による立ち下がりの遅延処理を経
た信号に基づいて、点弧信号生成手段で、各相に設置さ
れたトライアックに対する点弧信号を生成する。すなわ
ち、相間電圧のゼロクロスよりもある相の電源信号は3
0度遅れ、その電源信号に対して残りの2つの相の電源
信号は±120度ずつずれる。従って、基準信号がオン
になったときから所定の位相角度ずつずれた時に点弧信
号が出力されるようにする。そして、各相の点弧信号
は、同一の基準信号に基づいてデジタル処理されて所定
位相角度ずつ遅れて出力されるので、各相の点弧タイミ
ングは正確に120度ずつずれる。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る3相電力調整器の好適な
実施例を添付図面を参照にして詳述する。図1は本発明
の一実施例を示している。同図に示すように、3相(U
VW)の電源ラインにトライアック10a〜10cを挿
入し、そのトライアック10a〜10cを介して3相負
荷11に電力供給をしている。
【0024】3相のうち任意の2相(本例ではU相,V
相)の相間電圧(電源装置12により抽出される)に対
して単相コントローラ20を装着し、そこにおいてトラ
イアック10a〜10cに対する点弧信号を発生するた
めの基準となる基準信号(基準パルス(補正有り/補正
無し))を生成し、次段の点弧信号生成部30に送る。
【0025】点弧信号生成部30では、与えられた基準
信号に基づいて各相に挿入されたトライアック10a〜
10cに対するそれぞれの点弧信号を生成する。これに
より生成された各点弧信号は、120度ずつ位相がずれ
ることになる。
【0026】この点弧信号生成部30の出力は、点弧信
号出力部40に与えられ、点弧信号生成部30から与え
られる点弧信号(トリガパルス)を受け、実際のトライ
アック10a〜10cのゲートにオン信号を与えるよう
になっている。そして、上記点弧信号生成部30並びに
点弧信号出力部40が、本発明における「パルス補正手
段の出力に基づいて前記トライアックを点弧させる手
段」を構成することになる。
【0027】次に各部について詳述する。まず、相間電
圧を抽出する電源装置12は、図2に示すように電源ラ
インの2相間に接続されたトランス12aと、そのトラ
ンス12aの二次側に接続された全波整流器(ダイオー
ドブリッジ)12bと、その全波整流器12bの2端子
に接続されたスイッチングレギュレータ12cとから構
成される。これにより、トランス12aの一次側に図示
のように正弦波が入力されると、そのトランス12aに
てロジックレベルまで落とされるとともに、入力波形に
同期(ゼロクロスするタイミングが一致)したその大き
さに対応する全波整流波形(図3中参照)が、全波整
流器12bの他の2端子より出力される。
【0028】単相コントローラ20は、入力側に配置さ
れたゼロクロス検出回路21と、その検出回路21の出
力を受け略三角波状の基準波形を生成する基準波生成部
22と、その基準波生成部22の出力電圧と、外部から
与えられる指令値とを比較し、基準パルスを生成するコ
ンパレータ23と、そのコンパレータ23の出力(基準
パルス)を補正するパルス補正回路24とを備える。
【0029】ゼロクロス検出回路21は、図2に示すよ
うに、チェナーダイオード21aとコンパレータ21b
とを備え、上記全波整流波形(図3中)をチェナーダ
イオード21aにて下方にシフトさせ(図3中参
照)、係る波形をコンパレータ21bの反転入力端子に
与える。コンパレータ21bでは、非反転入力端子がア
ースに落とされているので、上記シフトされた電圧が負
になる時にコンパレータ21bの出力がHになる。した
がって、UVの相間電圧がゼロクロスする付近で矩形波
(パルス)が出力される(図3中参照)。
【0030】基準波生成部22は、図4に示すように、
入力側にトランジスタからなるスイッチ22aを設け、
コンパレータ22bの反転入力端子とアースとの間に係
るスイッチ22bを挿入する。コンパレータ22bの非
反転入力端子には、電源電圧Vccを2つの直列抵抗から
なる分圧手段により分圧されて得られた所定の電圧V1
が基準電圧として与えられる。そして、コンパレータ2
2bの出力が充電回路22cに与えられ、その充電回路
22cの出力が、所定の帰還ループを介して上記コンパ
レータ22bの反転入力端子にフィードバックされる。
【0031】充電回路22cは、2つのコンデンサC
1,C2と3つの抵抗R1〜R3を適宜に直並列接続す
るとともに、直列接続された2つのコンデンサC1,C
2のうちアース側のコンデンサC2の両端を短絡可能と
するトランジスタTr1を備えることにより構成され
る。
【0032】従って、ゼロクロス検出回路21から出力
されるゼロクロス信号がHからLに変わると、入力側の
トランジスタ22aがOFF(スイッチが開)になり、
コンパレータ22bの反転入力端子の電圧(Lに切り変
わった当初は0)と、基準電圧V1とが比較される。従
って、コンパレータ22bの出力はHとなるので、充電
回路22cのトランジスタTr1がONになりコンデン
サC2が短絡される。よって、充電回路22cは、図5
(A)に示すような回路構成となり、電源電圧Vccが、
RCで決定される時定数によりコンデンサC1を充電す
る。これにより、その充電回路22cの出力電圧は徐々
に上昇する。
【0033】この出力電圧の増加にともないコンパレー
タ22bの反転入力端子の電圧も上昇する(図6中t0
〜t1までの電圧変動特性)。この上昇カーブは充電回
路22cの出力電圧の変化にほぼ比例する。そして、ゼ
ロクロスから一定時間経過すると、コンパレータ22b
の反転入力端子に与えられる電圧(充電回路22cから
フィードバックされる電圧)が基準電圧V1を越える。
すると、コンパレータ22bの出力はLになるので充電
回路22cのトランジスタTr1はOFFになり、コン
デンサC2の両端子間は開放される。
【0034】これにより、充電回路22cは、図5
(B)に示すような等価回路となり、時定数が変化する
ので、その充電回路22cの出力電圧の変化(増加)率
も変わる(高くなる)。従って、図6(A)に示すよう
に、コンパレータ22bの反転入力端子の電圧(t1以
降)は、急激に上昇する。
【0035】そして、電源信号がゼロクロスすると、ス
イッチ22aを構成するトランジスタのゲートにパルス
信号が入力され、一旦スイッチ22aがオンになり、コ
ンパレータ22bの反転入力もアースに落ちるため、ゼ
ロになる。以後、上記した処理を繰り返すことにより、
図6(A)に示すようなsin波に近い基準波が、電源
信号のゼロクロスの都度出力される。そして、係る波形
が、そのまま基準波生成回路22の出力となり、コンパ
レータ23に与えられる。
【0036】コンパレータ23では上記したように、点
弧角指令値に応じた指令値(4〜20mAを電圧変換し
たもの)と比較され、基準波の電圧が指令値以上になっ
ている間コンパレータ23の出力はHとなる。従って、
基準波は相間電圧の電源信号がゼロクロスになった後上
昇し、次のゼロクロスになった時にゼロに落ちる略三角
波状となるので、指令値が高いほどパルスがオン(H)
になる時間(ゼロクロスからの経過時間)が遅いととも
に、パルスがオフ(L)になるのは次のゼロクロスで共
通するので、結局指令値が高いほど短いパルス(基準パ
ルス)が出力されることになる(図6(B)参照)。
【0037】そして、本例ではこのように充電特性(基
準波の形状)を非線形にし、しかも略sinカーブに近
付けるようにしたため、指令値に対する出力電圧の関係
は、図7(A)に示すように、ほぼリニアになる。
【0038】なお、従来から一般に行われている三角波
を基準波として用いた場合には、同図(B)に示すよう
に、指令値と出力の関係はcosカーブとなり、また、
単純にCRによる充電回路(上記した実施例のように途
中での切り変えがない)の場合には同図(C)に示すよ
うに、指令値と出力の関係はS字カーブとなる。いずれ
も出力電圧は非線形となり、直線性の点では本実施例に
比べ低くなる。そして、三角波を用いた場合が最も直線
性が悪い。しかし、回路構成を考えると、三角波を用い
る場合が最も簡単で、本実施例が最も煩雑となる。従っ
て、本発明では基準波として上記3つのどれを採択する
かは、要求される精度などを考慮して所望のものを使用
することができる。そして本例ではゼロクロス検出回路
21,基準波形生成回路22,並びにコンパレータ23
により基準パルスを生成する手段を構成する。
【0039】パルス補正回路24は、点弧角指令が12
0度以上でも点弧可能(同時にオンするトライアックを
複数発生させる)とするためのもので、通常であれば、
電源信号がゼロクロスすると基準パルスが立ち下がる
が、その立ち下がるのを一定時間遅らせるようにしてい
る。但し、点弧角指令が90度より小さい場合にも上記
のようにパルスの立ち下がりを遅らせると次の点弧信号
に基づく基準パルス立ち上がりと重なるなどの問題があ
るため、点弧角指令が90度以下の時には係る遅らせる
処理をしないようにしている。
【0040】そして、具体的な構成としては図8に示す
ようになっている。同図に示すようにRC充放電回路2
4aからなるタイマを備え、上記コンパレータ23の出
力が互いに順方向を逆向きに直列接続されたダイオード
D1,D2を介して上記RC充放電回路24aに接続さ
れている。そして、両ダイオードD1,D2の接点に
は、電源電圧Vccに導通されている。RC充放電回路2
4aの出力はコンパレータ24bに接続され、そのコン
パレータ24bにて電源電圧Vccを分圧して得られる所
定の基準電圧Vc と比較され、基準電圧Vc 以上の時に
H(パルスオン)が出力され、それ以外はLが出力され
る。
【0041】さらに、上記接点は、トランジスタTr
2を介してアースに接続され、このトランジスタTr2
のゲートには、ゼロクロス検出回路21の出力が接続さ
れ、ゼロクロス検出信号がオンの時にトランジスタTr
2もオンになり、接点がアースと導通する。
【0042】さらに、RC充放電回路24aの出力は、
抵抗R3,トランジスタTr3を介してアースに接続さ
れており、このトランジスタTr3はゼロクロス後位相
が90度遅れた時にオンとなるように設定されている。
【0043】次に、このパルス補正回路24の動作原理
について説明する。コンパレータ23の出力(パルス補
正回路(RC充放電回路24a)24への入力)は、上
記したごとく指令値と基準波の大小関係からオン/オフ
(H/L)の2種類がある。また、RC充放電回路24
aの出力(接点)は、トランジスタTr3のオン/オ
フに基づき、抵抗R5を介してアースに接続/アースに
対して開放の2種類がある。
【0044】従って、上記各条件の組み合わせから4通
りのパターンに分類でき、その時のRC充放電回路24
a及びその周囲の回路の等価回路は、図9(A)〜
(D)に示すようになる。すなわち、まず同図(A)
は、入力(コンパレータ23の出力)がHでトランジス
タTr3がオフの場合を示している。同図に示すよう
に、ダイオードD1の両端がともにHであるので接点
もHとなり電源電圧Vccから供給される電流は、ある時
定数でコンデンサC3を充電する(「充電1」)。
【0045】また、この状態で入力(コンパレータ23
の出力)がLになると、電源電圧Vccからの電流は、ダ
イオードD1を介して流れるので接点もLとなる。そ
の時の等価回路は同図(B)に示すようになり、コンデ
ンサCに充電された電荷は図中矢印で示すようにRC充
放電回路24a内で自己放電する(「放電1」)。そし
て、上記2つの動作は、ゼロクロス後90度まで適用さ
れる。
【0046】一方、トランジスタTr3がオンになると
接点は抵抗R3を介してアースと導通状態になるの
で、入力(コンパレータ23の出力)がHの場合には図
9(C)に示すようになり(「充電2」)、Lに落ちる
と同図(D)のようになる(「放電2」)。そして、こ
の時の動作は上記した同図(A),(B)の場合と同様
であるが、抵抗R3が並列接続されることから時定数が
変わるので、充電並びに放電に要する時間が変わる。そ
して、上記2つの動作は、ゼロクロス後90度以上、後
述する所定角度(120+α度)まで適用される。
【0047】そして、点弧指令角が90度未満の時のタ
イムチャートは図10に示すように、入力(コンパレー
タ23の出力)が、90度以前にオンになるので(同図
(A))、充電1(図9(A)の等価回路に基づく充
電)にしたがって動作する。よって、図10(C)に示
すように、RC充放電回路24aの出力(接点)は、
所定の時定数にしたがって遅れて立ち上がり、後段のコ
ンパレータ24bの基準電圧(接点の電圧値)以上に
なると、そのコンパレター24bの出力、すなわちパル
ス補正回路24の出力もHとなる。そして、図示のよう
に時定数を適宜設定することにより、入力(同図
(A))の立ち上がりに対し、ほとんど遅れることなく
立ち上がる。その後90度を経過すると、充電2(図9
(C)の等価回路に基づく充電)に従って動作するが、
すでにコンデンサCは満充電となっているので、結果と
しては変わりない。
【0048】また同様の理由から、立ち下がりに対して
も、放電1にしたがって動作し、入力(基準パルス)の
立ち下がりとほぼ同時に立ち下がる。従って、コンパレ
ータ23の出力とほぼ同一のパルス信号(若干遅れる)
が、パルス補正回路24、すなわち単相コントローラ2
0の出力信号として出力される。
【0049】一方、点弧指令角が90度以上の時には、
図11に示すようなタイムチャートとなる。すなわち、
入力(コンパレータ23の出力)が、ゼロクロスから9
0度経過すると図9(C)または(D)の等価回路にな
るため、その後に入力がオンになると充電2にしたがっ
て動作し、ほぼ同時に立ち上がる。一方、入力がオフに
なると放電2にしたがって徐々にコンデンサCに蓄えら
れた電荷が放電されるので、RC充放電回路24aの出
力(接点)の電圧値も徐々に低下し、上記入力(基準
パルス)の立ち下がりから一定時間経過後に基準電圧
(接点)以下になり、コンパレータ24bの出力オフ
になる。したがって、図示のように一定時間だけ基準パ
ルスに比べてパルス幅が延長され、ゼロクロスから18
0度経過後であっても、単相コントローラ20の出力は
一定時間オンのままとなる。
【0050】そして、点弧角指令値をパラメータとした
時の、入力信号(コンパレータ23の出力)に対するR
C充放電回路24aの出力(破線)並びに最終的なパル
ス補正回路24の出力(実線)は、それぞれ図12中の
各図に示すようになり、90度を超えると、一定時間遅
延されて出力がオン状態を維持する。
【0051】ところで、このパルス延長処理を繰り返し
行なうと、180度経過後であってもRC充放電回路2
4aは瞬時に放電されないため、コンデンサCの端子間
電圧は一定時間Hを保つ。ダイオードD1,D2間の接
点もHのままとなり、本来的には放電2であるとこ
ろ、充電2の状態となってしまい、最終的には常時オン
状態となるおそれがある。
【0052】そこで本実施例では、ゼロクロス(前回の
ゼロクロスから180度経過時)の時に確実に接点を
Lに落とすために、上記したようにゼロクロス検出回路
21の検出信号を受けて、接点に接続されたトランジ
スタTr2はオンするようにしている。これにより、上
記延長(遅延)処理中は、放電2の状態となり正常に動
作する。
【0053】点弧信号生成部30は、図1に示すように
記憶素子たるシフトレジスタ31と、そのシフトレジス
タ31を動作させるためのクロック信号を生成するクロ
ック発生回路32と、シフトレジスタ31の所定の出力
端子のオン/オフ状態に応じて、1つのトライアックの
みがオンになることを抑制(オンする場合には所定の2
つまたはすべてのトライアックがオン)するように、所
定のトリガ信号を生成し出力する出力ロジック回路33
と、その出力ロジック回路33の出力を受けて、点弧信
号を発生する波形成形回路34とから構成される。
【0054】シフトレジスタ31は、16ビット(8ビ
ット×2)のものを用い、クロック発生回路32からク
ロック信号が1パルスずつ入る毎に、単相コントローラ
20から与えられる基準信号(基準パルスに対し、パル
ス幅延長の補正をしたパルス信号または補正しない信号
の両者)の状態(H/L)を順次取り込むとともに、従
前に取り込んだ情報を1つずつシフトする。ここで、基
準信号がオンの時がHとなる。
【0055】なお、シフトレジスタ31のシフトタイミ
ング、すなわち、クロック周波数は、位相が10度変わ
るタイミングと上記シフトタイミングが同期するように
調整されている。具体的には、周波数が50Hzとする
と、 (1/50)×(10/360)=0.55 となり、0.55msecずつクロックを発生させれば
よい。なお、係るクロックを発生するクロック発生回路
32は、図示省略するが、水晶発振器とカウンタとを基
本構成とし、水晶の発振周波数をカウンタで分周し、所
望の周波数からなるパルスを出力するようになってい
る。
【0056】そして、シフトレジスタ31の3ビット
目,9ビット目及び15ビット目の出力をそれぞれ、U
相,W相,V相に対する制御用矩形波信号u,w,vと
した。
【0057】従って、シフトレジスタ31の各出力u,
w,vは、単相基準信号がONになった後、30度遅れ
て制御用矩形波信号uがオンし、90度遅れて制御用矩
形波信号wがオンし、150度遅れて制御用矩形波信号
vがオンする。そして、オンしている期間は、単相基準
信号のパルス幅と同じである。この結果、各出力端子か
らは、単相基準信号を30度,90度,120度シフト
した矩形波が得られる。
【0058】このようにしたのは、以下の理由による。
まず図13に示すように、uを30度としたのは、電源
回路に入るUV相がU相に対し30度進んでいるためで
ある。換言すれば、UV相に基づいて生成された基準波
が指令値を越えた時から30度遅れた時がU相の電源信
号が実際に指令値を越える時に相当する。また、V相は
U相に対して120度ずれているので、「30+12
0」より150度遅れた時がV相の電源信号が実際に指
令値を越える時に相当する。W相は、さらに120度ず
れているので、上記V相を算出した式に基づけば、27
0度(30+240)の点となるが、そのようにすると
シフトレジスタとして少なくとも27ビット以上のもの
が必要となり、メモリ容量が増大する。そこで本実施例
では、270度の反転位相である90度(=270−1
80)を用いて制御を行うようにし、メモリの削減を図
っている。
【0059】そして、上記シフトレジスタ31の動作の
一例を示すと、図14(A)に示すように、あるタイミ
ングの状態(便宜上初期値とする)が、シフトレジスタ
31の出力端子の1〜10ビット目までがHとなってい
るとし、この10ビット分が基準信号がオンしている時
(パルス幅)である。すると、クロックが入る都度1ビ
ット分ずつシフトする。すると、クロック1〜8まで入
力された時の各出力端子(制御用矩形波信号u,w,
v)の状態は、同図(B)に示すようになる。
【0060】また、上記のように、シフトレジスタ31
は、30,90,150度の出力端子を出力ロジック回
路33に接続するため、もともと90度の端子ピンは使
用状態にある。そこで本実施例では、上記シフトレジス
タ31の90度の出力端子を上記したパルス補正回路2
4内のトランジスタTr3のベースにも接続するように
して、そのシフトレジスタを90度を知らせる制御信号
源として利用するようにした。これにより、部品点数の
削減とともに、正確に90度でトランジスタTr3をオ
ン/オフ制御することができ、精度が向上する。なお、
本発明では、シフトレジスタ以外に別途90度を知らせ
るためのタイマ等の制御信号発生源を実装してももちろ
ん良い。
【0061】出力ロジック回路33は、シフトレジスタ
31から出力される上記各制御用矩形波信号の状態(H
/L)に基づいて、実際にトライアック10a〜10c
をオンするための点弧信号の発生タイミングとなるゲー
ト信号を生成させる。すなわち、図15に示すように、
Y結線の3相負荷11に電力を供給するためには、少な
くとも2つ以上の素子をONにする必要がある。ところ
で、図14を見ると、クロック(1,2)の時はu,w
がHであるので、対応するトライアック10a,10c
をオンにすると、図15に示すように、UW間に電流が
流れる。しかし、クロック(3,4)の時はwのみがH
であるので、そのまま対応するトライアック10cのみ
をオンにしても電流は流れない(この状態で動作として
は正しい)。但し、ノイズなどにより他のトライアック
10aまたは10bが点弧されてオンすると、電流が流
れてしまうおそれがあり、しかも一度流れると電圧が0
になるまで流れ続けるので、必要以上に電力供給される
ことになり位相制御が正しく行えない。従って、この出
力ロジック回路33では、2つ以上の制御用矩形波信号
がHになっている時のみにトライアックがオンになるよ
うにし、安定した駆動が確保されるようになっている。
【0062】具体的には図16に示すような論理回路に
より実施される。これにより、例えば制御用矩形波信号
u,v,wが図17のようになっているとすると、1つ
のみがHとなっている1,5番目のときの各ゲートU,
V,WはすべてLとなり、それ以外は対応する制御用矩
形波信号がHになっているゲートがHとなる。そして、
各ゲートU,V,WがLからHに切り変わる時が対応す
るトライアック10a〜10cに対する点弧タイミング
となる。
【0063】波形成形回路34は、上記各ゲートがLか
らHに切り変わった時にパルス幅の短いトリガパルスが
出力され、その後はLの状態が保持されるようにした回
路で、これにより所望のタイミング(ゲートがLからH
に切り変わる時)でのみ確実に点弧信号が発生するよう
にしている。
【0064】具体的には、図18に示すように、微分回
路34aと、シュミットトリガ回路34bとを備え、ゲ
ート信号の反転信号を微分回路34aに与え、この微分
回路34aにより、ゲート信号がLからHに変わる時を
検出し、トリガパルスを発生させる。このように微分回
路34aを設けたことにより、LからHに変わるように
急な変化があった時のみトリガパルスを出力するように
し、ノイズによりHレベルで微小変動しているような場
合に誤って点弧信号が出力されないようにしている。そ
して、シュミットトリガ回路34bにより、上記トリガ
パルスをパルス幅の短い単発の矩形波を出力させる。こ
の矩形波が点弧信号となる(図19参照)。
【0065】このように、本例では、少なくとも2つ以
上のゲートがオンになっていることが条件のため、指令
値(位相角)は、0度〜120+α度の範囲(αはパル
ス補正回路24における遅延時間に対応)で制御可能と
なる。すなわち、120+α度を超えると、u,v,w
のゲート信号(トリガパルス)が同時に複数がオンにな
る箇所がなくなるからである。そして理想的には150
度までの制御が可能となる。
【0066】ドライブ回路40は、点弧信号を受け、ト
ライアック10a〜10cを駆動するもので、図20に
示すように、入力側にスイッチ41となるトランジスタ
を備え、電源電圧Vccとアース間には、直列接続され
た上記スイッチ41とフォトトライアックカプラ42が
配置される。また、フォトトライアックカプラ42の受
光側には制御対象のトライアック10a〜10cが接続
される。これにより、点弧信号を受けると、スイッチ4
1を構成するトランジスタがオンになるので、スイッチ
が閉じフォトトライアックカプラ42に電流が流れ、発
光する。その発光を受けて受光側もオンになり、フォト
トライアックカプラ42を介して電源と負荷とが導通さ
れ電力供給され、それにともないトライアック10aが
点弧される。
【0067】なお、図中符合43は、RC直列回路から
なるスナバ回路であり、同44は、バリスタである。そ
して、係るドライブ回路40の構成は、従来のものと同
様のものを用いることができるので、詳細な説明を省略
する。さらに上記構成のドライブ回路40は、各トライ
アック10a〜10cに対してそれぞれ接続され、所定
のタイミング(120度ずつずれる)で点弧させる。
【0068】そして、上記のようにドライブ回路40
は、波形成形回路34より出力される点弧信号にしたが
って所定のトライアック10a〜10cをオンにし、し
かも係る点弧信号は、パルス補正回路24によって点弧
角指令値が90度を越えた場合には、オフになる時間が
180度以上になるので、複数のトライアックがオンで
きる区間が0〜120+α度(補正しない場合には12
0度)となり、制御可能な区間が伸び、しかも低電圧で
も制御可能とる。
【0069】さらに本実施例では、電源信号のゼロクロ
スをゼロクロス検出回路21を用いてアナログ方式によ
り検出しているため、デジタル方式の欠点であるサンプ
リングタイムに基づく誤差がなく正確に検出できる。ま
た、1つの相間電圧(本例ではUV間)に基づいて、シ
フトレジスタ31等のデジタル回路にて各電源ラインに
挿入されたトライアックに対する点弧タイミングを生成
しているため、各トライアック10a〜10cの点弧タ
イミングは120度ずつ正確にずらせることができる。
【0070】次に、上記した実施例を用い、点弧タイミ
ング(点弧角指令値)が0度(ゼロクスからの遅れ位相
(以下同じ))、30度,60度,90度,120度,
130度,140度の時の、各相U,V,Wの波形と、
UV間の相間電圧及び出力電圧RSの関係を図21〜図
27にそれぞれ示す。なお、各図中下方に示したトリガ
パルスは、上記したシフトレジスタ31からの出力(制
御用矩形波信号u,v,w)である。
【0071】図21から明らかなように、点弧角指令値
が0度の時は、すべてのゲート信号が常時ONになって
いるので、U,V,W相が常時3相負荷に供給される
(各電源信号のゼロクロス通過と同時に対応するトライ
アックが点弧される)ため、UVの相間電圧と同期し、
綺麗な正弦波が出力される。そして、点弧各指令値が増
加するにつれて、ゼロクロスから点弧されるまでの時間
が長くなり、その間の負荷への電力供給はないため、出
力電圧RSは図示のように二点鎖線で示す正弦波(U
V)に対して歪んだ波形となり、その電力供給量も減少
する(図22〜図24)。
【0072】そして、点弧角指令値が120度になる
と、90度を越えているのでパルス補正回路24による
遅延処理が作動する。よって、図25に示すように18
0度になってもオフにならずトリガがオンとなっている
期間が約20度程度延長される。従って、その延長され
た期間で2つのトリガがオンとなるため、2つのトライ
アックがオン状態となり、僅かな期間であるが出力電圧
RSが発生する。そしてこれは点弧角指令値が130度
のときもオン時間がさらに短くなるが同様の動作原理に
より僅かに電力供給が可能となる(図26参照)。
【0073】そして、点弧角指令値が140度になる
と、複数のトリガが同時にオンすることがなくなるの
で、各ゲートは常時オフとなるため、出力電圧RSもゼ
ロとなる。この点弧角指令値に対する出力電圧の関係
は、図28のように、ほぼリニアに減少していき、14
0度でゼロとなる。なお、理論的には150度までの制
御が可能であるが、確実に2つのトライアックが同時に
オン、すなわち、各相用のトリガがオンとなっている区
間が重複するためには、若干のマージンを取り、上記の
ように140度程度までが安定した制御が行えた。
【0074】なお、上記した実施例では、アナログ方式
とデジタル方式を融合して構成した新規な構成からなる
3相電力調整器に適用した例について示したが、本発明
はこれに限ることなく、他の3相電力調整器(スイッチ
ング素子としてトライアックを使用するもの)にも適用
することができる。
【0075】一例を示すと図29のようになる。すなわ
ち、同図はアナログタイプに適用した例で、アナログタ
イプの場合は、図示のように一度3相電源ラインのU,
V,W相から中性点に対する信号を例えばY−Y結線し
たトランス50から取り出し、その取り出した信号(電
源信号)を、各単相のトライアックを用いた3つの単相
電力調整器51にそれぞれ与える。3つの単相電力調整
器51には、それぞれ同一の点弧角指令値が設定され、
所定の点弧角で内蔵するトライアック51aを点弧し、
所定角度分だけ負荷に電力供給をする。
【0076】そして各単相電力調整器51は、同図
(B)に示すように、電源信号に基づいてゼロクロス検
出回51b,基準波生成回路51cを用いて三角波(の
こぎり波)を発生させ、コンパレータ51dにてその三
角波と指令信号(DC)との比較を行い、指令信号に応
じたデューティ比のパルスを生成する。係る構成は従来
の通常の単相電力調整器と同様である。そして、本発明
では係るコンパレータ51dの出力をパルス補正回路5
1e,ゲートパルスアンプ51fを介してトライアック
51aへ与えるようにしている。
【0077】そして、パルス補正回路51eは、点弧角
指令値90度よりも大きい場合に、基準パルスの立ち下
がりを延長して遅らせるもので、具体的な回路構成は、
例えば図30に示すようになっている。図から明らかな
ように、このパルス補正回路51eは、上記した実施例
におけるパルス補正回路24と基本的に同一構成を採
る。そして、パルスの延長の有無を制御決定するトラン
ジスタTr3は、遅延素子51gの出力によりオン/オ
フされる。この遅延素子51gは、例えばタイマを用い
ることができ、90度出力指令でパルス補正回路が駆動
し、遅延を開始するようになっている。なお、本回路の
具体的な動作原理は、上記した実施例と同様であるの
で、その詳細な説明を省略する。なおまた、ゲートパル
スアンプ51fは、上記した実施例におけるドライブ回
路40に相当する。
【0078】係る構成にすることにより、各単相電力調
整器51により動作制御されるトライアック51aは、
180度を超えてもオン状態を維持できるので、結局複
数のトライアックが同時にオンになっている状態が、0
〜120+α度となり、上記遅延分に相当するα度分だ
け制御可能な角度範囲が広がる。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る3相電力調
整器では、パルス補正手段により、基準パルスの立ち下
がりを延長することができるので、スイッチング素子と
してトライアックを用いつつ点弧角指令が120度以上
で同時に複数のとトライアックをオンにすることができ
る。このように、120度以上の点弧角制御を可能にす
ることから、低電圧での安定した制御を行うことができ
る。そして、単相電力調整器として一般に用いられてい
るトライアックを用いて3相電力調整器を構成すること
ができるので、装置の共通化が図れ、コスト安となる。
【0080】さらに請求項2のように構成した場合に
は、高分解能で、正確にゼロクロスを検出でき、各相の
点弧タイミングが120度ずつずれ、安定した駆動が行
なえ、小型で発熱量も少なくすることができる。
【0081】すなわち、任意の2相の相間電圧に基づい
て基準信号を生成するため、トランス等は1つで済み、
発熱量を抑制できる。そして、ゼロクロス検出から基準
波成形並びに指令値との比較までの基準信号を出力する
単相コントロールをアナログ回路で構成したため、ゼロ
クロスを正確に検出すことができる。
【0082】また、実際にトライアックを点弧する点弧
信号は、アナログ方式により生成された1つの基準信号
に対してデジタル処理をして所定角度だけずらすことに
より形成されるので、各相の点弧タイミングは正確に1
20度ずつずれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る3相電力調整器の一実施例を示す
図である。
【図2】電源装置並びにゼロクロス検出器の内部構成を
示す図である。
【図3】ゼロ検出回路の動作原理を示す図である。
【図4】基準波生成部の回路構成を示す図である。
【図5】基準波生成部内の充電回路の動作原理を示す図
である。
【図6】基準波生成部の出力特性を示す図である。
【図7】基準波生成部の変形例の動作を説明する図であ
る。
【図8】パルス補正回路の回路構成を示す図である。
【図9】パルス補正回路内のRC充放電回路の動作原理
を示す図である。
【図10】パルス補正回路の動作を説明するタイムチャ
ートである。
【図11】パルス補正回路の動作を説明するタイムチャ
ートである。
【図12】パルス補正回路の作用を説明する波形図であ
る。
【図13】各電源信号の位相差の相関関係を示す図であ
る。
【図14】シフトレジスタの動作原理を示すタイミング
チャートである。
【図15】3相負荷に対する電力供給の状態を説明する
図である。
【図16】出力ロジック回路の内部構成を示す図であ
る。
【図17】出力ロジック回路の動作の一例を示すタイミ
ングチャートである。
【図18】波形成形回路の内部構成を示す図である。
【図19】波形成形回路の動作を説明するタイミングチ
ャートである。
【図20】ドライブ回路の内部構成を示す図である。
【図21】点弧角指令が0度の時の各波形の状態を示す
図である。
【図22】点弧角指令が30度の時の各波形の状態を示
す図である。
【図23】点弧角指令が60度の時の各波形の状態を示
す図である。
【図24】点弧角指令が90度の時の各波形の状態を示
す図である。
【図25】点弧角指令が120度の時の各波形の状態を
示す図である。
【図26】点弧角指令が130度の時の各波形の状態を
示す図である。
【図27】点弧角指令が140度の時の各波形の状態を
示す図である。
【図28】本実施例の点弧各指令に対する出力電圧の関
係を示す図である。
【図29】本発明に係る3相電力調整器の他の実施例を
示す図である。
【図30】そのパルス補正回路の内部構成を示す回路図
である。
【符号の説明】
10a〜10c トライアック 11 3相負荷 20 単相コントローラ 21 ゼロクロス検出回路 22 基準波成形回路 23 コンパレータ 24 パルス補正回路 30 点弧信号生成回路 31 シフトレジスタ(記憶素子) 40 ドライブ回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3相電源から負荷への電源ライン上に実
    装されたトライアックの点弧角を制御する3相電力調整
    器において、 前記電源ラインを流れる電源信号に基づいて、与えられ
    た点弧角指令値に応じたパルス幅からなる基準パルスを
    生成する手段と、 前記点弧角指令値が所定の値の時に、前記生成された基
    準パルスの立ち下がりを遅延させるパルス補正手段と、 前記パルス補正手段の出力に基づいて前記トライアック
    を点弧させる手段とを備えた3相電力調整器。
  2. 【請求項2】 3相の電源ラインのうちの任意の2相の
    相間電圧に基づいて各相の点弧信号の基準となる基準パ
    ルスを生成するアナログ式の単相コントローラと、 その単相コントローラの出力に対して、デジタル処理に
    より所定の位相角だけ遅らせて各相に対する点弧信号を
    生成する点弧信号生成手段と、 その点弧信号生成手段から受ける点弧信号に基づいて前
    記各電源ライン上に実装されたトライアックを点弧する
    駆動手段とを備え、 かつ、前記単相コントローラが、前記点弧角指令値が所
    定の値の時に、前記生成された基準パルスの立ち下がり
    を遅延させるパルス補正手段をさらに備えた3相電力調
    整器。
  3. 【請求項3】 前記点弧信号生成手段が、前記パルス補
    正手段にからの出力信号のL/Hの状態を記憶するとと
    もに所定のタイミングで記憶情報をシフトするシフトレ
    ジスタを備え、 そのシフトレジスタの所望の出力端子からの出力に基づ
    いて点弧信号を生成するようにし、 かつ、前記パルス補正手段にて遅延処理をするか否かの
    制御信号として、前記シフトレジスタの出力を用いるよ
    うにした請求項2に記載の3相電力調整器。
  4. 【請求項4】 前記パルス補正手段は、時定数を切替可
    能なCR充放電回路を備え、ゼロクロスから所定の位相
    角が経過した時に与えられる制御信号に基づいて、前記
    CR充放電回路の時定数を切り換え、前記基準パルスの
    立ち下がりを遅延させるようにした請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の3相電力調整器。
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JP2015089260A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 株式会社デンソー 負荷駆動装置
JPWO2022070241A1 (ja) * 2020-09-29 2022-04-07
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