JPH08227123A - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な機構でローコストに写真フイルムパト
ローネの遮光蓋を回動して閉鎖することができるレンズ
付きフイルムユニットを提供する。 【構成】 治具挿入領域２９から治具２８を挿入する
と、治具２８の先端はパトローネ室２２の内壁と写真フ
イルムパトローネ８との隙間に入る。そして、バネプレ
ート２６の付勢に抗して写真フイルムパトローネ８を反
時計方向に回動させる。すると、突起２４が遮光蓋１４
を時計方向に回動させる。さらに、治具２８を治具挿入
領域２９に完全に押し込むと、遮光蓋１４は突起２４に
より完全に閉鎖されると共に、バネプレート２６は断絶
して破壊される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は遮光蓋を有する写真フイ
ルムパトローネを収容したレンズ付きフイルムユニット
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】撮影レンズやシャッタ装置等の簡単な撮
影機構が組み込まれ、写真フイルムパトローネと、この
写真フイルムパトローネから引き出した未露光の写真フ
イルムをユニット本体に内蔵したレンズ付きフイルムユ
ニット（例えば、「写ルンですSuper800」（商品名））
等が本出願人より製造販売されている。このレンズ付き
フイルムユニットは、気軽に購入して撮影が楽しめるよ
うに、前記各機構等を簡略化して、その製造コストを安
価にしている。

【０００３】ところで、最近、プラスチック製のパトロ
ーネ本体に写真フイルムを先端まで全て巻き込んでお
き、使用時に写真フイルムが巻き付けられたスプールを
回転させて写真フイルムをフイルム送出口から送り出す
方式の写真フイルムパトローネが多数提案されている。
この様な写真フイルムパトローネのフイルム出入口の遮
光には、従来のテレンプに代えて、フイルム出入口に軸
着された遮光蓋が用いられている。この遮光蓋を閉鎖し
ておくことにより、フイルム出入口からパトローネ本体
内に外光が入射して、パトローネ本体内に収納した現像
処理が済んでいない写真フイルムにカブリ等が発生しな
いようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な写真フイルムパトローネを用いてレンズ付きフイルム
ユニットを構成する場合には、全ての撮影コマを撮影後
に、写真フイルムを収納したパトローネ本体をレンズ付
きフイルムユニットから取り出さなければならない。一
般に写真フイルムパトローネの取り出しは明るい場所で
行われるので、ユニット本体に写真フイルムパトローネ
が収納されている状態で遮光蓋を回動させ、フイルム出
入口を閉鎖しておく必要がある。また、レンズ付きフイ
ルムユニットでは、低価格化と小型化が要求されるの
で、コストが低くかつ省スペースで簡単な機構で遮光蓋
を閉じ位置に回動させる機構が望まれる。

【０００５】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、簡単な機構でローコストに写真フイルムパトローネ
の遮光蓋を回動して閉鎖することができるレンズ付きフ
イルムユニットを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、写真フイルムの出入口に遮光蓋を軸着した写真フイ
ルムパトローネを回動可能に収容するパトローネ室に突
起を設け、写真フイルムパトローネをパトローネ室内で
回動させたときにこの突起が遮光蓋を押して閉じ位置に
回動させるようにしたものである。

【０００７】請求項２においては、写真フイルムパトロ
ーネをパトローネ室内で回動させるために、パトローネ
室に外部から治具を挿入して回動させるものであり、請
求項３においては、パトローネ室に、写真フイルムパト
ローネの回動を制限するバネプレートを設けたものであ
る。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図２は本発明を実施したレンズ付きフイルムユニ
ットの外観斜視図であり、図３は、その分解斜視図であ
る。レンズ付きフイルムユニット１は、図２に示すよう
に、ユニット本体２と、このユニット本体２の外面を覆
う外箱３とからなっている。更に、ユニット本体２は、
図３に示すように、本体部４、撮影機構５、これらの前
後に被せられる前カバー６，後カバー７、及び写真フイ
ルムパトローネ８とから構成されている。

【０００９】本発明のレンズ付きフイルムユニット１に
装填される写真フイルムパトローネ８は、図４に示すよ
うに、プラスチックで形成されるパトローネ本体１１、
写真フイルム８ａが巻き付けられパトローネ本体１１に
軸着されるスプール１２、写真フイルム８ａをパトロー
ネ本体１１から出し入れするためのフイルム出入口１
３、及びこのフイルム出入口１３に軸着される遮光蓋１
４からなっている。

【００１０】この写真フイルムパトローネ８は、スプー
ル１２を回動させることにより、パトローネ本体１１の
フイルム出入口１３から写真フイルム８ａを自在に繰り
出したり巻き込んだりすることが可能である。そして、
写真フイルム８ａを全量パトローネ本体１１内に巻き込
んだあとは、遮光蓋１４を回動させてフイルム出入口１
３を閉鎖することにより、パトローネ本体１１内を完全
に光密にすることができる。

【００１１】このような写真フイルムパトローネ１１が
収容されるユニット本体２の本体部４中央付近には、露
光光路である露光開口１６が形成され、その前面に、撮
影レンズ１７、ファインダ１８、及び撮影枚数表示板１
９等からなる撮影機構２１が取りつけられる。また、露
光開口１６の両端付近には、パトローネ室２２、フイル
ムロール室２３が各々形成され、写真フイルムパトロー
ネ８のパトローネ本体１１と、このパトローネ本体１１
から引き出された未露光の写真フイルム８ａをロール状
にした写真フイルムロール８ｂが各々光密に収納され
る。

【００１２】図５は、パトローネ室付近を示す斜視図で
ある。パトローネ本体１１が収容されるパトローネ室２
２は、パトローネ室２２内で一定角度だけ写真フイルム
パトローネ８が回動可能なように、パトローネ本体１１
よりも大きく形成されている。また、パトローネ本体１
１のフイルム出入口１３に相対する位置に、写真フイル
ム８ａをパトローネ本体１１外に引き出すためのフイル
ム通路２２ａが形成されている。

【００１３】フイルム通路２２ａの近傍には、パトロー
ネ本体１１の遮光蓋１４と当接して、写真フイルムパト
ローネ８の反時計方向への回動により遮光蓋１４を回動
させるための突起２４が設けられている。さらに、この
突起２４の近傍には、パトローネ本体１１を時計方向に
付勢するバネプレート２６が設けられている。

【００１４】本体部４の背面を光密に覆う後カバー７に
は、パトローネ室２２の底面、及びフイルムロール室２
３の底面を各々覆うためのパトローネ室底蓋２７、及び
フイルムロール室底蓋２８が一体に形成されている。こ
の内、パトローネ室底蓋２７には、前カバー６の内面に
突設された係合部６ａと係合してパトローネ室底蓋２７
を閉状態に保持する係合爪２７ａ、及び、パトローネ室
２２の底面に設けられた遮光突起２２ｂと嵌合して、パ
トローネ室２２の底面から外光の侵入を防止する遮光溝
２７ｂが一体に設けられている。

【００１５】そして、パトローネ室底蓋２７の後カバー
７寄りには、治具挿入領域２９が設けられている。この
治具挿入領域２９は、図６に示すように、パトローネ本
体１１内で写真フイルムパトローネ８を回動させるため
の治具２８を挿入する部分である。

【００１６】このような構成により、治具挿入領域２９
から治具２８を挿入すると、図１（Ｂ）に示すように、
治具２８の先端はパトローネ室２２の内壁と写真フイル
ムパトローネ８との隙間に入る。そして、バネプレート
２６の付勢に抗して写真フイルムパトローネ８を反時計
方向に回動させる。すると、フイルム通路２２ａの近傍
に設けられている突起２４が遮光蓋１４を時計方向に回
動させる。さらに、治具２８を治具挿入領域２９に完全
に押し込むと、図１（Ｃ）に示すように、遮光蓋１４は
突起２４により完全に閉鎖されると共に、バネプレート
２６は断絶して破壊される。

【００１７】以上のような構成の作用について説明す
る。レンズ付きフイルムユニット１の使用中は、図１
（Ａ）に示すように、遮光蓋１４が開放され、フイルム
出入口１３から写真フイルム８ａが引き出されている。
そして、パトローネ本体１１はバネプレート２６により
時計方向に付勢されているので、振動等によりパトロ−
ネ室１１内でガタついたり、回動したりすることはな
い。

【００１８】レンズ付きフイルムユニットの撮影が全コ
マ終了し、プリントのため現像所に送られたレンズ付き
フイルムユニット１は、ユニット本体２の外面を覆って
いる外箱３の一部が開削され、パトローネ室底蓋２７が
露出される。そして、遮光蓋１４を閉鎖するために、露
呈したパトローネ室底蓋２７の治具挿入領域２９から治
具２８が挿入される。

【００１９】なお、治具２８の挿入に際して、治具挿入
領域２９は治具２８と密着し、パトロ−ネ室１１内は光
密に保持される。また、この治具を挿入する領域に、予
めアルミニウムコートされたビニール等を貼付してお
き、治具を挿入を容易にするとともに、パトロ−ネ室内
に外光が侵入しないような構成にしてもよい。

【００２０】治具挿入領域２９から治具２８が挿入され
ると、図１（Ｂ）に示すように、治具２８の先端はパト
ローネ室２２の内壁と写真フイルムパトローネ８との隙
間に入る。そして、治具２８を押し込んでいくと、この
パトローネ室２２の内壁と写真フイルムパトローネ８と
の隙間が広がっていく。これにより、写真フイルムパト
ローネ８はバネプレート２６の付勢に抗して反時計方向
に回動する。

【００２１】写真フイルムパトローネ８が反時計方向に
回動すると、遮光蓋１４に当接している突起２４は遮光
蓋１４を時計方向に相対的に回動させる。そして、治具
２８を治具挿入領域２９に完全に押し込むと、図１
（Ｃ）に示すように、遮光蓋１４は完全にフイルム出入
口１３を塞ぎ、パトロ−ネ室１１内は光密に保持され
る。

【００２２】このようにして、パトロ−ネ室１１内に治
具２８を挿入して写真フイルムパトローネ８を回動させ
るだけで、遮光蓋１４は完全に閉鎖される。そして、遮
光蓋１４が閉鎖され光密に保持された写真フイルムパト
ローネ８をパトロ−ネ室１１から取り出し、写真フイル
ム８ａの現像、プリントを行う。

【００２３】また、この写真フイルムパトローネ８の回
動により、写真フイルムパトローネ８を時計方向に付勢
しているバネプレート２６は断絶して破壊されるので、
ユニット本体各部の適正な品質検査を行なわず、機能保
証のないままにパトロ−ネ室１１に新たな写真フイルム
パトローネを再装填して販売する等の、不正規なユニッ
ト本体の再利用も防止できる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように、本発明のレンズ付きフイ
ルムユニットによれば、パトローネ室に突起を設け、写
真フイルムパトローネをパトローネ室内で回動させたと
きにこの突起が遮光蓋を押して閉じ位置に回動させるよ
うにしたので、簡単な機構で写真フイルムパトローネの
遮光蓋を回動して閉鎖することが可能なレンズ付きフイ
ルムユニットをローコストに提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
の遮光蓋を閉鎖する様子を示す説明図である。

【図２】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
の外観斜視図である。

【図３】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
の分解斜視図である。

【図４】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
に用いられる写真フイルムパトローネを示す説明図であ
る。

【図５】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
の、底蓋を開けた状態でのパトロ−ネ室底部周辺の斜視
図である。

【図６】図５における底蓋を閉めた状態でのパトロ−ネ
室底部周辺の斜視図である。

【符号の説明】

１ レンズ付きフイルムユニット ２ ユニット本体 ８ 写真フイルムパトローネ １１ パトローネ本体 １２ スプール １３ フイルム出入口 １４ 遮光蓋 ２２ パトローネ室 ２４ 突起 ２６ バネプレート ２８ 治具 ２９ 治具挿入領域

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 写真フイルムの出入口に遮光蓋を軸着し
   た写真フイルムパトローネを回動可能に収容するパトロ
   ーネ室を有するレンズ付きフイルムユニットにおいて、 前記パトローネ室に突起を設け、前記写真フイルムパト
   ローネをパトローネ室内で回動させたときに前記突起が
   遮光蓋を押して閉じ位置に回動させるようにしたことを
   特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
2. 【請求項２】 前記写真フイルムパトローネをパトロー
   ネ室内で回動させるために、前記パトローネ室に外部か
   ら治具を挿入して回動させることを特徴とする請求項１
   記載のレンズ付きフイルムユニット。
3. 【請求項３】 前記パトローネ室に、前記写真フイルム
   パトローネの回動を制限するバネプレートを設けたこと
   を特徴とする請求項１記載のレンズ付きフイルムユニッ
   ト。