JPH08224144A - マットレス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック屑成形体とポケットコイルスプ
リングの組み合わせにより湿気のこもりにくい構造とす
るとともに、身体の重量分布に応じてたわみが生ずるク
ッション体とし、身体にフィットした支持を行い寝姿勢
を良好に保つこと。 【構成】 矩形なプラスチック屑成形体（１）の上下
面を貫通する多数個の孔（２）（２’）・・・・を有
し、該孔（２）（２’）・・・・間を結ぶ切断線（３）
（３’）・・・・を複数列有し、該プラスチック屑成形
体（１）の両サイド面に孔（２）（２’）・・・・に連
通する空気孔（４）（４’）・・・・を有するととも
に、複数個の袋（５）（５’）・・・・内にコイルスプ
リング（６）（６’）・・・・を収容したポケットスプ
リング帯状体（７）（７’）・・・・を、切断線（３）
（３’）・・・・で結ばれた孔（２）（２’）・・・・
の各列に埋設し、全体を外装体（８）で被覆してなるマ
ットレス。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ポケットコイルとプラ
スチック屑成形体とを組み合わせたマットレスに関する
ものである。

【０００２】

【従来技術】従来よりポケットスプリングマットレスの
スプリングシート部分は、多数個の袋を有した帯状体の
それぞれの袋内に樽型スプリングを収容し、該帯状体を
蛇行させて矩形のシート状とし、隣接する帯状体を糸に
より結束することで矩形のシートを形成していた。

【０００３】このように、ポケットスプリングシートは
コイルスプリングを袋内に収容し、コイルスプリング間
は剛性のあるもので連結されていないため、圧力がかか
った場合に、連結部材の張力等により他のコイルスプリ
ングに力が伝わることが少なく、それぞれのコイルスプ
リングが圧力に対して単独にたわみやすい特徴を有した
ものであるが、糸により結束されたものである点で、糸
自体の伸びや、切断によりスプリングシートが型くずれ
を起こしたり、バラバラになったりし、マットレスの不
良の原因となっていた。

【０００４】また、コイルスプリングとプラスチック屑
成形体を組み合わせたマットレスクッション体として
は、実公昭５５−１４２７７号の複数のコイルスプリン
グを平板状に連結し構成されたスプリング構体の上下面
に、スプリング構体と同程度の大きさのバネ受け材を配
置し、該スプリング構体内と外周部と上下バネ受け材面
上にプラスチック屑成形体を有するとともに、表面全体
を生地で被覆したものはあった。

【０００５】上記のマットレスの場合、プラスチック屑
成形体を成形する際、湿気硬化型樹脂により成形するた
め蒸気を吹き付けるものであるから、成形されたプラス
チック屑成形体が空間部が無い構造のため、湿気が抜け
にくく、乾燥までに長時間を要し、カビの発生原因とも
なっていた。

【０００６】また、複数のコイルスプリングを平板状に
連結したスプリング構体の外周部、上下面、及び、内部
の空間部にプラスチック屑を詰め、該プラスチック屑を
湿気硬化性樹脂で固めることにより成形したものである
から、プラスチック屑とコイルスプリングの弾性が相乗
し、非常に硬いクッション体となり、寝た場合身体の接
触部分に局部的な圧力がかかり、寝苦しいという欠点が
あった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の欠点
を除去し、湿気のこもりにくい構造とするとともに、身
体の重量分布に応じてたわみが生ずるクッション体と
し、身体にフィットした支持を行い、寝姿勢を良好に保
つことを目的として発明したものである。

【０００８】

【発明を解決するための手段】矩形なプラスチック屑成
形体（１）の上下面を貫通する多数個の孔（２）
（２’）・・・・を有し、該孔（２）（２’）・・・・
間を結ぶ切断線（３）（３’）・・・・を複数列有し、
該プラスチック屑成形体（１）の両サイド面に孔（２）
（２’）・・・・に連通する空気孔（４）（４’）・・
・・を有するとともに、複数個の袋（５）（５’）・・
・・内にコイルスプリング（６）（６’）・・・・を収
容したポケットスプリング帯状体（７）（７’）・・・
・を、切断線（３）（３’）・・・・で結ばれた孔
（２）（２’）・・・・の各列に埋設し、全体を外装体
（８）で被覆してなるマットレス。

【０００９】

【作用】本発明のものの場合、コイルスプリング（６）
（６’）・・・・を収容した袋（５）（５’）・・・・
内に空間部が形成されており、各孔（２）（２’）・・
・・間が切断線（３）（３’）・・・・で結ばれてお
り、切断線（３）（３’）・・・・で結ばれた孔（２）
（２’）・・・・の両端の孔（２）（２’）・・・・
は、プラスチック屑成形体（１）の両サイド面の空気孔
（４）（４’）・・・・と連通していることにより、プ
ラスチック屑成形体（１）のポケットスプリング帯状体
（７）（７’）・・・・が埋設している列ごとに、空気
の流通が可能であり、湿気硬化型樹脂により成形された
湿気を帯びたプラスチック屑成形体（１）の湿気は短時
間で乾燥する。

【００１０】ポケットスプリング帯状体（７）（７’）
・・・・間を糸により結束するものではなく、ポケット
スプリング帯状体（７）（７’）・・・・をプラスチッ
ク屑成形体（１）内に埋設するものであるため、クッシ
ョン性のあるプラスチック屑成形体（１）によりポケッ
トスプリング帯状体（７）（７’）・・・・を保持し、
分離したり、マットレス全体としての型くずれを起こさ
ない。

【００１１】

【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明する
と、図１に示すように、矩形なプラスチック屑成形体
（１）は、ウレタンフォーム屑を湿気硬化型樹脂により
成形したもので、成形型内にウレタンフォーム屑を詰め
湿気硬化型樹脂を注入後、熱蒸気を吹き付けることによ
り固めている。実施例にはウレタンフォーム屑を成形し
たものを示しているが別の発泡樹脂の屑でもかまわな
い。

【００１２】プラスチック屑成形体（１）内の孔（２）
（２’）・・・・は縦横に多数有しており、埋設するコ
イルスプリング（６）（６’）・・・・の個数に対応し
ている。孔（２）（２’）・・・・間を結ぶ切断線
（３）（３’）は、連続するポケットスプリング帯状体
（７）（７’）・・・・を挿入嵌着するためのもので、
実施例では、マットレスの幅方向に平行に複数列配して
いるが、これに限定するものではなく、マットレスの長
手方向でも良いし、一本の連続するポケットスプリング
帯状体（７）を蛇行させて挿入嵌着できるように設けた
ものでもかまわない。

【００１３】外装体（８）は表地（９）と裏地（１０）
の間に詰物（１１）として綿を入れて一体にキルティン
グ加工したものである。

【００１４】図２は、本発明のもののプラスチック屑成
形体（１）にポケットスプリング帯状体（７）の挿入埋
設状態を示した部分拡大図で、孔（２）（２’）・・・
・内にコイルスプリング（６）を収容した袋（５）の部
分が挿入され、袋（５）（５’）・・・・間の連結部分
が切断線（３）（３’）・・・・に挿入されている。

【００１５】図３に示すように、ポケットスプリング帯
状体（７）が埋設されている部分は、空気が流通可能な
空間部が確保されており、外部との空気の流通はプラス
チック屑成形体（１）の両サイド面に設けてある空気孔
（４）（４’）・・・・により行えるようになってい
る。

【００１６】このため、マットレス使用中においても、
荷重の架かり具合によりコイルスプリング（６）
（６’）・・・・部分が伸縮し、ポンプ作用により空気
の流通がはかられることでマットレス内部に湿気がこも
ることがない。

【００１７】

【発明の効果】本発明を実施することにより、プラスチ
ック屑成形体（１）の成型時における蒸気の吹き付けに
よる湿気は、空間部の無い実公昭５５−１４２７７号の
ものと比較して、孔（２）（２’）・・・・と切断線
（３）（３’）・・・・及び空気孔（４）（４’）・・
・・により空気の流通が可能であり、早く乾燥さすこと
ができ製造に要する時間を短縮する事ができ、マットレ
スの使用時においても、寝た際の身体の移動による圧力
変化に対応しコイルスプリング（６）（６’）・・・・
が伸縮しプラスチック屑成形体（１）内の空気が流動
し、内部の湿気を放出でき、湿気がこもりにくいため、
カビの発生も無く衛生的なマットレスを提供できる。

【００１８】ポケットスプリング帯状体（７）（７’）
・・・・をプラスチック屑成形体（１）内に埋設固定す
るものであるから、従来のポケットコイルマットレスの
糸で結束固定するものと比較してマットレスの型くずれ
を起こさない。

【００１９】プラスチック屑成形体（１）内にポケット
スプリング帯状体（７）（７’）・・・・を埋設したも
のであるため、ポケットスプリングの特徴である、独立
サスペンション効果があり、身体によりフィットした支
持をする事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のものの一実施例を示す一部分を切り欠
いた全体斜視図。

【図２】図１のプラスチック屑成形体（１）へのポケッ
トスプリング帯状体（７）（７’）・・・・の挿入嵌着
を示す部分拡大斜視図。

【図３】図１のものの中央横断面図。

【符号の説明】

１ プラスチック屑成形体 ２、２’ 孔 ３、３’ 切断線 ４、４’ 空気孔 ５、５’ 袋 ６、６’ コイルスプリング ７、７’ ポケットスプリング帯状体 ８ 外装体 ９ 表地 １０ 裏地 １１ 詰物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形なプラスチック屑成形体（１）の上下
   面を貫通する多数個の孔（２）（２’）・・・・を有
   し、該孔（２）（２’）・・・・間を結ぶ切断線（３）
   （３’）・・・・を複数列有し、該プラスチック屑成形
   体（１）の両サイド面に孔（２）（２’）・・・・に連
   通する空気孔（４）（４’）・・・・を有するととも
   に、複数個の袋（５）（５’）・・・・内にコイルスプ
   リング（６）（６’）・・・・を収容したポケットスプ
   リング帯状体（７）（７’）・・・・を、切断線（３）
   （３’）・・・・で結ばれた孔（２）（２’）・・・・
   の各列に埋設し、全体を外装体（８）で被覆してなるマ
   ットレス。