JPH08220110A - 電気力プローブ顕微鏡走査方法 - Google Patents

電気力プローブ顕微鏡走査方法

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JPH08220110A
JPH08220110A JP2951195A JP2951195A JPH08220110A JP H08220110 A JPH08220110 A JP H08220110A JP 2951195 A JP2951195 A JP 2951195A JP 2951195 A JP2951195 A JP 2951195A JP H08220110 A JPH08220110 A JP H08220110A
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JP
Japan
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probe
sample
leaf spring
electric force
amplitude
Prior art date
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Pending
Application number
JP2951195A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yokoyama
浩 横山
Takahito Inoue
貴仁 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】走査型電気力プローブ顕微鏡の試料4−探針2
間の距離と板バネ1の2倍高調波振動振幅或は位相の関
係を予め計測し、探針2を試料4に近づけ、振幅或は位
相がある設定値になった所で表面電位、電荷、誘電率な
ど幾種類かの電気的情報を収集した後、探針2を試料4
から離し、次の測定点に移動し、再び試料4へ接近して
前記同様な電気的情報の収集を行う。 【効果】電気力プローブ顕微鏡において、表面の凹凸の
激しい試料と探針の接触や探針位置制御の不安定性など
の問題点が回避され、安定な走査が可能になると共に、
一箇所の測定点で多くの電気的情報を収集することがで
き、更に検出系の時定数を長くとることによってノイズ
の大きな試料の高分解能観察が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、非接触タイプの走査
型プローブ顕微鏡、特に電気力プローブ顕微鏡の走査方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】微小な板バネを用いて、試料と鋭利な探
針との間に働く微弱な力(10-8 〜10-12N )を検出し、表
面の構造や物性を観測する新しい顕微鏡として原子間力
顕微鏡顕微鏡(AFM)に代表される電気力プローブ顕
微鏡が知られている。
【0003】通常のAFMは、探針を試料表面に直接接
触させ、そのときの反発力を検出するものであり、適当
な条件下では、原子・分子を個別に観察する能力を持つ
ことが知られている。
【0004】これに対して、探針を試料に接触させず
に、ファンデルワールス力、電気力、磁気力などの、所
謂長距離力の測定のための電気力プローブ顕微鏡も開発
されている。
【0005】このような非接触モードの電気力プローブ
顕微鏡は探針の先端が、試料から数nmから数十nmの間隙
で隔てられているため、原子・分子レベルの分解能は必
ずしも期待できないが、結晶成長や分子凝集体の自己組
織化の初期過程をはじめ、生体膜におけるタンパクの働
き、また極微電子デバイスにおける量子現象など、メゾ
スコピック領域を舞台とする様々な現象について、その
直接的評価を可能にする技術として大きな実用的意義を
もっている。
【0006】非接触モードの電気力プローブ顕微鏡の基
本的な構成を図3に従って説明すると、1は板バネ、2
はPtコートした導電性探針、3は導電性基板、4は試
料、5は交流電圧電源、6はプリアンプ、7はロックイ
ンアンプ、8は走査型プローブ顕微鏡(SPM)コント
ローラ、9はZ−ピエゾコントローラである。
【0007】非接触モードの電気力プローブ顕微鏡は、
その基本的な構成はAFMと同様であるが、板バネ1の
先端部に設けられた導電性探針2を導電性基板3に載せ
られた試料4に接触させずに、板バネ1を介して試料4
と導電性基板3との間に交流電圧を印加し、その結果生
ずる探針2の2倍高調波振動を検出し、この検出によっ
て表面電位、電荷、誘電率等幾種類かの電気的情報を得
るものである。
【0008】そこで、従来電気力プローブ顕微鏡の走査
は試料−探針間に働くファンデル・ワールス力や探針2
と導電性基板3との容量結合に由来する電気力が常に一
定になるように、探針2の先端が、試料4から数nmから
数十nmの間隙で隔てられて連続して走査する、所謂アナ
ログ的走査方法が採用されてきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、非接触モード
の電気力プローブ顕微鏡において従来のようなアナログ
的な走査方法では表面の凹凸の激しい試料の場合、試料
と探針が容易に接触したり、或は試料の表面に吸着物が
ある場合、探針の位置制御が不安定になるなどの問題点
がある。
【0010】これに対して、本願発明者等は試料−探針
間の距離と板バネの2倍高調波振動の振幅、位相との関
係を調べたところ、大気中では探針が試料面に近づく
と、図2に示すように振幅については増大し、探針と試
料との間の空気層の粘性抵抗が増加するので、位相につ
いては減少する、即ち、試料−探針間の距離と板バネの
2倍高調波振動の振幅、位相との間には一定の関係があ
ることを見出した。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、以上の知見
に基づいて試料−探針間の距離と板バネの2倍高調波振
動振幅との関係を予め計測し、これより適当な試料−探
針間の距離となる板バネの2倍高調波振動振幅の設定値
を定め、探針を試料上の測定点に近づけてこの設定値に
なった所で、幾種類かの電気的情報を収集した後、探針
を試料から離し、次の試料上の測定点に移動し、ここで
上記同様な操作で電気的情報を収集する電気力プローブ
顕微鏡走査方法を提案するものである。
【0012】更に、この発明は試料−探針間の距離と板
バネの2倍高調波振動位相との関係を予め計測し、これ
より適当な試料−探針間の距離となる板バネの2倍高調
波振動位相の設定値を定め、探針を試料上の測定点に近
づけてこの設定値になった所で、幾種類かの電気的情報
を収集した後、探針を試料から離し、次の試料上の測定
点に移動し、ここで上記同様な操作で電気的情報を収集
する電気力プローブ顕微鏡走査方法を提案するものであ
る。
【0013】
【作用】即ち、この発明では探針を試料上の測定点に近
づけて板バネの2倍高調波振動振幅或は位相が設定値に
なった所で、幾種類かの電気的情報を収集した後、探針
を試料から離し、次の試料上の測定点に移動し、ここで
上記同様な操作で電気的情報を収集する、所謂デジタル
的な走査法のため、試料と探針との接触が回避され、し
かも一箇所の測定点で多くの電気的情報を得ることがで
きる。
【0014】
【実施例】以下、図示の実施例に基づいてこの発明を詳
細に説明すると、図1はこの発明の走査方法の模式図で
あり、1は板バネ、2は板バネ1の先端部に設けられた
導電性探針、3は導電性基板、4は導電性基板3に載せ
られた試料を示す。
【0015】試料−探針間の距離と板バネの2倍高調波
振動振幅或は位相との関係を予め計測し、これより適当
な試料−探針間の距離となる板バネの2倍高調波振動振
幅或は位相の設定値を定める。
【0016】先ず、探針1を試料3に近づける()。
振幅或は位相が設定値になった地点で、幾種類かの電気
的情報(表面電位、電荷、誘電率等)を収集した後、探
針を試料3から離し()、次に測定点に移動し
()、再び試料3への接近を行う()。このサイク
ルを繰り返すことにより、探針1が試料3と接触するこ
となく安定な走査をする。
【0017】実施例 試料としてはガラス上にスパッタ形成したPt薄膜を用
い、走査型電気力プローブ顕微鏡の試料−探針間の距離
と板バネの2倍高調波振動の振幅との関係を予め計測す
る。ここで、バネ定数0.58N/m 、共振周波数約30kHzの
探針に周波数5から10kHz、振幅1 から4Vppの交流電圧を
印加し、生ずる探針の振動振幅を検出する。
【0018】図2は、この結果得られた試料−探針間の
距離と板バネの2倍高調波振動の振幅との関係を示す図
である。この関係から走査に最適な振幅の値が決定す
る。通常、この値は数nmであるが、この実施例では2nm
を設定値とした。
【0019】実際の走査においては、探針を試料に近づ
け、振幅が上記の設定値になった地点で、幾種類かの電
気的情報(表面電位、電荷、誘電率等)を収集した後、
探針を試料から離し、次の測定点に移動し、再び試料へ
の接近を行う。このサイクルを繰り返し、この結果非接
触表面形状像が得られ、同時に表面電位像等を得ること
ができた。
【0020】
【発明の効果】以上要するに、この発明によれば従来の
アナログ的走査法を、探針を試料に近づけ、板バネの2
倍高調波振動の振幅或は位相が上記の設定値になった地
点で、幾種類かの電気的情報(表面電位、電荷、誘電率
等)を収集した後、探針を試料から離し、次の測定点に
移動し、再び試料への接近を行うというデジタル的走査
法に変えることにより、試料と探針の接触を回避して安
定な走査を可能にすると共に、一箇所の測定点で多くの
電気的情報を収集することができ、更に検出系の時定数
を長くとることによってノイズの大きな試料の高分解能
観察が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る電気力プローブ顕微鏡の走査
方法の模式図
【図2】 実施例における試料−探針間の距離と板バネ
の2倍高調波振動の振幅、位相との関係を示す図
【図3】 非接触モードの電気力プローブ顕微鏡の概略
【符号の説明】
1は板バネ 2は導電性探針 3は導電性基板 4は試料 5は交流電圧電源 6はプリアンプ 7はロックインアンプ 8は走査型プローブ顕微鏡(SPM)コントローラ 9はZ−ピエゾコントローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料−探針間の距離と板バネの2倍高調
    波振動振幅との関係を予め計測し、これより適当な試料
    −探針間の距離となる板バネの2倍高調波振動振幅の設
    定値を定め、探針を試料上の測定点に近づけてこの設定
    値になった所で、幾種類かの電気的情報を収集した後、
    探針を試料から離し、次の試料上の測定点に移動し、こ
    こで上記同様な操作で電気的情報を収集することを特徴
    とする電気力プローブ顕微鏡走査方法。
  2. 【請求項2】 試料−探針間の距離と板バネの2倍高調
    波振動位相との関係を予め計測し、これより適当な試料
    −探針間の距離となる板バネの2倍高調波振動位相の設
    定値を定め、探針を試料上の測定点に近づけてこの設定
    値になった所で、幾種類かの電気的情報を収集した後、
    探針を試料から離し、次の試料上の測定点に移動し、こ
    こで上記同様な操作で電気的情報を収集することを特徴
    とする電気力プローブ顕微鏡走査方法。
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