JPH08218808A - 発電プラントの起動停止装置 - Google Patents

発電プラントの起動停止装置

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JPH08218808A
JPH08218808A JP7050538A JP5053895A JPH08218808A JP H08218808 A JPH08218808 A JP H08218808A JP 7050538 A JP7050538 A JP 7050538A JP 5053895 A JP5053895 A JP 5053895A JP H08218808 A JPH08218808 A JP H08218808A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 省エネルギーの観点から、起動停止の回数が
多いコンバインドサイクル発電プラントの慣性回転エネ
ルギーを有効に活用し、起動停止ロスをより小さく抑え
るに好適な発電プラントの起動停止装置を提供すること
にある。 【構成】 蒸気タービン発電機またはガスタービン発電
機が複数軸設けられている発電プラントにおいて、ター
ビン発電機軸起動用のサイリスタ始動装置2を備え、そ
の複数軸の2つ以上の軸に対して1台のサイリスタ始動
装置を適用し、1軸101を停止させる時には、必ず他
の軸102を起動させることを条件とし、その際、停止
に向かう軸101の解列操作後の慣性回転エネルギーを
前記サイリスタ始動装置を介して起動させる軸102の
初期起動用の動力源として使用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイリスタ始動装置に
よって起動停止する発電プラントの起動停止装置に係
り、特に、蒸気またはガスタービン発電機が複数軸設け
られている発電プラントの起動停止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、国内の火力発電所において、蒸気
タービン発電機またはガスタービン発電機からなるコン
バインドサイクル発電プラントの起動方式として、サイ
リスタ始動装置(Load Commutated I
nveter)(LCI装置)によるタービン発電機の
起動が採用されている。従来では、タービン発電機軸に
サイリスタ始動装置を適用する構成において、タービン
発電機軸を起動するときには、サイリスタ始動装置から
可変周波数の交流を供給してタービン発電機軸を起動
し、この発電機に直結したタービンを起動する。そし
て、タービンが自立運転に入った後にサイリスタ始動装
置を停止する。また、タービン発電機軸を停止させると
きには、遮断器の開操作後にその軸の慣性に任せて、即
ち、軸受部における摩擦抵抗分の発熱ロスによって回転
エネルギーを減じることで次第に速度を減じ、やがてタ
ーニング速度に落ち着く。この間、そのタービン発電機
軸系の慣性エネルギーを特に有効に活用することなく放
置している。また、タービン発電機軸を停止させるに当
たって、タービンの真空破壊弁によって降速時間の低減
を図る方法も有るが、これとても復水器に空気を導入し
て摩擦ロスを発生させ、この摩擦ロスを利用して降速時
間を低減させるので、タービン発電機軸系の慣性エネル
ギーを積極的に有効に活用しているとは云えないもので
ある。また、特に、最近の高効率のコンバインドサイク
ルにおけるガスタービン発電機設備においては、同出力
の複数軸構成を採るものが殆どであり、プラントトータ
ルでみたときの出力では、単機での大型の汽力発電設備
に勝るものが多い。この場合、同一設計による発電設備
であるために、複数のサイリスタ始動装置を設備するこ
とが必要である。しかし、エネルギー変換設備としての
サイリスタ始動装置は高価であり、サイリスタ始動装置
をタービン発電機軸の起動時のみに利用するだけではコ
ストパフォーマンス上問題である。このように、従来技
術におけるサイリスタ始動装置は、あくまでプラントの
起動過程のみにおける利用であり、起動完了後は使用さ
れるものではない。そこで、このサイリスタ始動装置の
利用価値を極力あげて、コストパフォーマンスを良くす
ることが特に火力発電プラントでは必要である。また、
特開平3−195399号公報には、サイリスタ始動装
置によって発電所所内の補機としての同期電動機に効率
面で合理的に給電する運転方法が示されている。しか
し、この公報の技術は、サイリスタ始動装置を少なくと
も主軸としての他のタービン発電機の起動に使用するも
のではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
とした状況に鑑み、特に、起動停止の回数が多いコンバ
インドサイクル発電プラントにおいて、省エネルギーの
観点から起動停止ロスをより小さく抑えるに好適な発電
プラントの起動停止装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、蒸気ター
ビン発電機またはガスタービン発電機が複数軸設けられ
ている発電プラントにおいて、タービン発電機軸起動用
のサイリスタ始動装置を備え、その複数軸の2つ以上の
軸に対して1台のサイリスタ始動装置を適用し、1軸を
停止させる時には、必ず他の軸を起動させることを条件
とし、その際、停止に向かう軸の解列操作後の慣性回転
エネルギーを前記サイリスタ始動装置を介して起動させ
る軸の初期起動用の動力源として使用することによっ
て、達成される。また、その複数軸に個々に適用される
タービン発電機軸起動用のサイリスタ始動装置を備え、
1軸を停止させる時には、必ず他の軸を起動させること
を条件とし、その際、停止に向かう軸の解列操作後の慣
性回転エネルギーを前記サイリスタ始動装置を介して起
動させる軸の初期起動用の動力源として使用することに
よって、達成される。
【0005】
【作用】本発明は、タービン発電機軸のサイリスタ始動
装置の運用として、一つの軸を停止させる時に必ず他の
軸を起動させることを条件とすることにより、停止させ
る解列操作後のタービン発電機軸系の有する慣性回転エ
ネルギーを他の軸の起動に有効に活用する。また、停止
に向かう軸の解列操作後の回転慣性エネルギーをLCI
装置を介して起動させる軸の初期起動用の動力電源とし
て使用し、起動側の軸の要求する初期昇速のためのエネ
ルギーとして活用するために、軸個別に見るならば、起
動側の発電設備の補機動力電源の消費電力量を低減し、
且つ、停止側の発電設備の補機動力電源の消費電力量も
低減する。この結果、特に、省エネルギーの観点から、
起動停止の回数が多いコンバインドサイクル発電プラン
トの慣性回転エネルギーを有効に活用し、起動停止ロス
をより小さく抑えることが可能になる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は、本発明の一実施例を示す複数のタービン発
電機軸系からなる発電プラントである。図1において
は、発電機軸が2つ、サイリスタ始動装置(LCI)が
1台の例である。101,102は発電機、121,1
22はタービン、2はサイリスタ始動装置、301,3
02は変圧器、401,402は遮断器を示す。本実施
例において、まず、第1の発電機101をタービン12
1と共に起動昇速する時、所内受電回路よりLCI装置
2を介して発電機101に交流電力を供給する。この時
LCI装置は、所内受電の系統周波数から軸の起動昇速
に見合った周波数に変換し、発電機101を徐々に加速
する。この結果、規定速度に到ったところで送電系統と
の並列操作として遮断器401を閉じ、発電機101か
ら変圧器301を介して昇圧された電力を系統3相交流
へ送出する。並列完了時点においてLCI装置はその任
務を終え、従来であれば、次回の起動まで働く機会はな
い。本実施例においては、第1の発電機101が停止す
る時に、遮断器401を開き、タービン121への蒸気
エネルギーの流入も遮断し、第1の発電機101を系列
から解列操作した後のタービン発電機軸系の有する慣性
回転エネルギーを電気的に交流電力として、LCI装置
2において回生し、そこで直流に変換し、更に、起動側
の第2の発電機軸102の起動昇速に見合った周波数に
変換し、同時に起動側の第2の発電機軸102に低速か
らの起動速度に応じた所要トルクを与え、第2の発電機
軸102の初期起動用の動力源として、2軸目の起動に
供する。即ち、LCI装置2を電力回生装置として使用
し、回生電力を所内受電回路に返さず、第2の発電機1
02に与え、発電機102を電動機としてタービン12
2を駆動する。第2の発電機102は、LCI装置2か
ら回生電力を受けてある回転数まで昇速し、その後LC
I装置2は、所内受電回路から電力を受けて発電機10
2に交流電力を供給する運転に移行する。なお、本実施
例では、発電機が2軸、サイリスタ始動装置が1台の発
電プラントについて説明したが、発電機が複数軸で、こ
の複数軸の2つ以上の軸に対して1台または複数台のサ
イリスタ始動装置を適用することも可能である。
【0007】このように、本実施例では、タービン発電
機軸のLCI装置の運用として、一つの軸を停止させる
時に必ず他の軸を起動させることを条件とすることで、
停止させる解列操作後のタービン発電機軸系の有する慣
性回転エネルギーを他の軸の起動に有効に活用すること
ができる。また、停止に向かう軸の解列操作後の回転慣
性エネルギーをLCI装置を介して起動させる軸の初期
起動用の動力電源として使用し、起動側の軸の要求する
初期昇速のためのエネルギーとして活用するために、軸
個別に見るならば、起動側の発電設備の補機動力電源の
消費電力量を低減でき、且つ、停止側の発電設備の補機
動力電源の消費電力量も低減できる。また、サイリスタ
始動装置の回生電力を所内受電回路に返さないことによ
って、サイリスタ始動装置に生ずる高調波の影響を送電
系統や所内系統に与えないようにすることができる。
【0008】図2は、図1の実施例の詳細な回路構成を
示す。図2において、101,102は発電機、2は順
逆変換器、変圧器、直流リアクトル28、交流リアクト
ル29を有するサイリスタ始動装置、301,302は
系統3相交流に接続される変圧器、401,402は遮
断器、5は所内受電回路、6は始動用励磁変圧器、70
1〜709は断路器、801,802は励磁変圧器、1
61,162は整流器を示す。本実施例の動作を説明す
る。まず、発電機101を起動する時は、断路器706
を閉じ、その励磁用電源として所内受電回路5から始動
用励磁変圧器6と整流器161を介して励磁電流を発電
機101に供給し、発電機101が自前の発生電力によ
って励磁容量を賄えるようになってから、断路器705
を閉じ、断路器706を開き、励磁変圧器801を介し
ての励磁に切替える。一方、断路器701,702を閉
じ、サイリスタ始動装置2によって所内受電の系統周波
数から発電機軸101の起動昇速に見合った周波数に変
換し、発電機101を徐々に加速する。そして、規定速
度に到ったところで送電系統との並列操作として遮断器
401を閉じ、発電機101から変圧器301を介して
昇圧された電力を系統3相交流に送出する。並列完了時
点において断路器701,702を開き、LCI装置は
その任務を終える。次に、発電機101を停止する時
は、遮断器401を開き、断路器701,703,70
7を閉じ、タービン(図示せず)への蒸気エネルギーの
流入も遮断し、発電機101を系統から解列した後、タ
ービン発電機軸系の有する慣性回転エネルギーによって
発生する発電機101からの回生電力をLCI装置2に
供給し、LCI装置2を電力回生装置として使用し、こ
の回生電力を初期昇速用エネルギー源として発電機10
2に与え、発電機102をある回転数まで昇速すると同
時に、発電機102に低速からの起動速度に応じた所要
トルクを与え、発電機102を電動機としてタービン
(図示せず)を駆動する。このように、発電機101か
らの回生電力を初期昇速用エネルギー源として発電機軸
102の起動に供する。その後、断路器701,703
を開き、断路器702,704を閉じ、LCI装置2
は、所内受電回路5から電力を受けて発電機102に交
流電力を供給する運転に移行する。なお、発電機102
を起動する時は、発電機101の起動と同様に、断路器
709を閉じ、その励磁用電源として所内受電回路5か
ら始動用励磁変圧器6と整流器162を介して励磁電流
を発電機102に供給し、発電機102が自前の発生電
力によって励磁容量を賄えるようになってから、断路器
708を閉じ、断路器709を開き、励磁変圧器802
を介しての励磁に切替える。
【0009】図3は、本発明の他の実施例を示し、図1
の実施例に比べ、LCI装置を複数の発電機軸の各軸に
各々設ける場合の例である。LCI装置201におい
て、図1のように第1の発電機101から回生される電
力は、LCI装置202に導かれ、LCI装置202に
よって第2の発電機102の速度に応じた周波数に変換
され、発電機102を電動機としてタービン122を駆
動する。その後、LCI装置202は、タービン軸12
2の所要回転速度として、例えばパージ速度まで昇速さ
せたり、或いは、第1の発電機101の1軸目からLC
I装置201を通じて取り出しうるエネルギーの限界点
までの回生の任務を達成した後、LCI装置201をL
CI装置202から切り離し、LCI装置202は、所
内受電回路から電力を受けて発電機102に交流電力を
供給する運転に移行する。
【0010】図4及び図5は、LCI装置によって実施
する電力回生を示す。図4において、電力回生の一つの
方法は、発電機101からの回生電力をLCI装置2に
よって変換して発電機102に供給する。この場合のL
CI装置2を通過するパワー201の流れは、LCI2
において逆転することになる。次に、電力回生の他の方
法は、発電機101からの回生電力を所内受電回路から
受ける電力と同様にLCI装置2に入力し、変換して発
電機102に供給する。この場合のLCI装置2を通過
するパワー202の流れは、LCI2において向きを逆
転せず、所内受電回路から受ける電力と同じ向きになる
ことである。図5に具体的な回路を示す。パワー201
の流れを実現する回路に遮断器若しくは断路器403を
設け、パワー202の流れを実現する迂回路に遮断器若
しくは断路器404を設ける。電力回生の一つの方法
は、遮断器若しくは断路器403を閉じ、一方、遮断器
若しくは断路器404を開いて実施する。この電力回生
方法は、一般の電動機の電力回生制動と同種のものであ
り、もとの入力側が出力側となり、その出力側に事故時
等の過大電流発生時の限流機能をもたせる交流リアクト
ルを設けるため、その両側に限流リアクトルを設ける分
だけ装置コストの上昇に繋がるが、発電機回路の構成は
単純である。また、電力回生の他の方法は、迂回路にお
いて遮断器若しくは断路器404を閉じ、一方、遮断器
若しくは断路器403を開いて実施する。この電力回生
方法は、LCI装置2の一方の側にのみそのリアクトル
を設けることで足りるので、LCI装置2の装置自体の
設計が容易であり、また、その分装置自体を安価にでき
る。
【0011】図6は、図2で説明したサイリスタ始動の
発電機に直結するタービンとそのコンデンサ及び真空破
壊弁を示す。図6において、1は発電機、2はサイリス
タ始動装置、3は系統3相交流に接続される主要変圧
器、4は遮断器、5は所内受電回路、6は始動用励磁変
圧器、7,10,11は断路器、8は励磁変圧器、16
は整流器であり、その動作は図2と同じであるので、説
明を省略する。12はタービン、13はコンデンサ、1
4は真空破壊弁を示す。図6に示す一軸型のコンバイン
ドサイクルにおいては、ガスタービン軸を含めて一軸で
ある発電プラントが既に現在稼動している。このような
軸構成においては、出力を大きくすることに伴って、一
軸あたりの慣性回転エネルギーも大きくなる傾向にあ
り、単機容量の増大と共により慣性も大きくなる。ま
た、この発電プラントでは、蒸気タービンの排気側にコ
ンデンサ(復水器)13が設けられ、コンデンサ13に
降速を速やかに行なうための真空破壊弁14が設けられ
る。このような発電プラントの軸を停止に至らせる時、
真空破壊弁14を開いて、外気としての空気をコンデン
サ13に入り込む。それがタービンへ通じ、その結果、
タービンの羽と空気との間で摩擦による回転エネルギー
の消費が生じ、回転のエネルギーは早く小さくなる。こ
の時の熱的なロスは、何にも生産的な貢献をしていな
い。そこで、上記の如く、一軸あたりの慣性が大容量化
で大きくなる方向にあるので、この慣性エネルギーを積
極的に有効に利用する観点から、本実施例では、真空破
壊弁14を開くタイミングを従来に比し遅らせ、停止す
る一軸の慣性エネルギーを起動側の軸に供給し、その後
に真空破壊させる。これによって、本実施例によれば、
省エネルギーへの貢献として、熱的ロスを小さく抑え、
エネルギーロスを低減して、特に、今後の主流となるサ
イリスタ始動方式の単機容量が増大する発電機に対して
慣性エネルギーを有効に利用することができる。
【0012】図7は、エネルギー収支の説明図であり、
2セットの発電機軸のエネルギーのやり取りを単純化し
たプロセス量の変化チャートとして示す。上段の図は、
発電機軸の速度変化と所内負荷の相互関係を示してい
る。即ち、発電所の所内負荷は、まず冷却水系や潤滑油
系などの軸起動の前操作としての電動機類の起動操作が
必要であり、所内負荷の立上がりの後で軸の回転数が上
昇していく。この昇速の完了後は、発電機が電気出力を
増加させていくので、所内負荷は更に大きくなり、定格
点において最大となるのが一般的である。同様に、停止
過程に目を転ずれば、起動と逆の傾向となるのは明らか
である。中段の図は、第1軸の停止と第2軸の起動を併
せて示したものであり、本発明による運用としては、下
段の図に示すような速度変化領域の重なりを持つことが
条件となる。即ち、第1軸の回転数が下降すると共に、
所内負荷は低減し、一方、所内負荷の立上がりの後で第
2軸の回転数が上昇していく。図8は、同様の説明のた
めの図であり、本発明と従来例による速度変化と所内負
荷の変化を示す。一点鎖線の速度カーブは従来例によ
る第1軸の速度変化、実線のカーブは本発明による第
1軸の速度変化、実線のカーブは従来例による第2軸
の速度変化、実線のカーブは本発明による第2軸の速
度変化、破線のカーブは従来例による第1軸の所内負
荷、破線のカーブは本発明による第1軸の所内負荷、
破線のカーブは従来例による第2軸の所内負荷、破線
のカーブは本発明による第2軸の所内負荷を示す。図
8から明らかなように、第1軸からのエネルギー回生に
よって第2軸にパワーを供給することにより、第1軸の
一点鎖線の速度カーブは実線のカーブとなることを
示し、一方、第2軸の速度カーブは第2軸の速度カー
ブよりハッチング表示の部分だけ早く上昇することを
示す。また、第1軸側の所内負荷の推移は、破線のカー
ブ,のように減少傾向にあり、破線のカーブは破
線のカーブに比し、降速完了までの所要時間が△tだ
け短縮される。これは、その分だけの電力量が省エネル
ギーとなることを意味する。また、第2軸側としてみれ
ば、破線のカーブ,は上昇傾向にあり、その2本の
カーブの下に示される破線の上昇カーブが第2軸がパ
ワー受ける時のカーブであり、その差分が第1軸の発電
機軸からの回生効果と云える。この結果、第1軸におけ
る省エネルギー分と第2軸における省エネルギー分の両
者の合計と、更に第2軸が系統から得るパワーの減少分
を併せて、そのトータルがコスト面での低減につなが
る。
【0013】以上述べたエネルギー収支の実際面の効果
について、仮定を置いて試算する。いま、1軸の定格負
荷を400MWとし、その所内率を3パーセントとする
と、約12MWである。本発明による起動停止期間の所
内率を1パーセントとおけば、4000kWであり、こ
の値を第1軸、第2軸の起動停止込みでの平均値とし、
第2軸の系統受電低減分を込みで両軸合計で短縮時間を
1時間とすれば、4000kWhrの電力量の省エネ効
果となる。電力会社の売電単価を20円/kWhrとす
れば、8万円相当となる。その運用を例えば4軸を有す
るコンバインド発電プラントに適用し、1軸あたりの年
間起動停止回数を150回とすれば、プラント全体とし
て、年間4800万円が売電ベースでのメリットとな
り、その効果は、決して無視できぬ程の大きいものと云
える。なお、上記のように省エネルギーの効果を上げて
も、停止軸としての第1軸は、完全に降速完了するもの
ではないので、真空破壊弁の運用として、第2軸との電
気的連係を切った後に、この弁の開操作を行なうことで
より合理的な運用を図ることができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
タービン発電機軸のサイリスタ始動装置の運用として、
一つの軸を停止させる時に必ず他の軸を起動させること
を条件とすることにより、停止させる解列操作後のター
ビン発電機軸系の有する慣性回転エネルギーを他の軸の
起動に有効に活用することができる。また、停止に向か
う軸の解列操作後の回転慣性エネルギーをLCI装置を
介して起動させる軸の初期起動用の動力電源として使用
し、起動側の軸の要求する初期昇速のためのエネルギー
として活用するために、軸個別に見るならば、起動側の
発電設備の補機動力電源の消費電力量を低減でき、且
つ、停止側の発電設備の補機動力電源の消費電力量も低
減できる。特に、本発明では、省エネルギーの観点か
ら、起動停止の回数が多いコンバインドサイクル発電プ
ラントの慣性回転エネルギーを有効に活用し、起動停止
ロスをより小さく抑えることが可能になる。また、サイ
リスタ始動装置の回生電力を所内受電回路に返さないこ
とによって、サイリスタ始動装置に生ずる高調波の影響
を送電系統や所内系統に与えないようにすることができ
る。また、真空破壊弁を開くタイミングを従来に比し遅
らせ、停止する一軸の慣性エネルギーを起動側の軸に供
給し、その後に真空破壊することによって、熱的ロスを
小さく抑え、エネルギーロスを低減して、単機容量が大
きいコンバインドサイクル発電プラントに対して慣性エ
ネルギーを有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す複数のタービン発電機
軸系からなる発電プラント
【図2】図1の実施例の詳細な回路構成図
【図3】本発明の他の実施例
【図4】LCI装置によって実施する電力回生の説明図
【図5】LCI装置によって実施する電力回生の説明図
【図6】タービン及びコンデンサと真空破壊弁との相関
【図7】エネルギー収支の説明図
【図8】エネルギー収支の説明図
【符号の説明】
101,102 発電機 121,122 タービン 2,201,202 サイリスタ始動装置 301,302 変圧器 401,402,411,412 遮断器 6 始動用励磁変圧器 701〜709 断路器 801,802 励磁変圧器 12 タービン 13 コンデンサ 14 真空破壊弁 161,162 整流器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02P 9/08 H02P 9/08 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気タービン発電機またはガスタービン
    発電機が複数軸設けられている発電プラントにおいて、
    タービン発電機軸起動用のサイリスタ始動装置を備え、
    その複数軸の2つ以上の軸に対して1台のサイリスタ始
    動装置を適用し、1軸を停止させる時には、必ず他の軸
    を起動させることを条件とし、その際、停止に向かう軸
    の解列操作後の慣性回転エネルギーを前記サイリスタ始
    動装置を介して起動させる軸の初期起動用の動力源とし
    て使用することを特徴とする発電プラントの起動停止装
    置。
  2. 【請求項2】 蒸気タービン発電機またはガスタービン
    発電機が複数軸設けられている発電プラントにおいて、
    その複数軸に個々に適用されるタービン発電機軸起動用
    のサイリスタ始動装置を備え、1軸を停止させる時に
    は、必ず他の軸を起動させることを条件とし、その際、
    停止に向かう軸の解列操作後の慣性回転エネルギーを前
    記サイリスタ始動装置を介して起動させる軸の初期起動
    用の動力源として使用することを特徴とする発電プラン
    トの起動停止装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、サイ
    リスタ始動装置の入力側と出力側を反転して回生運転
    し、停止に向かう軸の解列操作後の回転慣性エネルギー
    を起動させる軸の初期起動用の動力源とすることを特徴
    とする発電プラントの起動停止装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、通常
    運転時のサイリスタ始動装置の入力側と出力側を維持し
    たまま、その入力側に停止に向かう軸の解列操作後の回
    転慣性エネルギーを供給し、その出力側から起動させる
    軸の初期起動用の動力源を得ることを特徴とする発電プ
    ラントの起動停止装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかにおい
    て、停止に向かう軸の送電系統からの解列及び起動させ
    る軸の初期起動時、送電系統及び所内系統からそれぞれ
    の軸を電気的に切り離し、サイリスタ始動装置に生ずる
    高調波の影響を前記両系統に与えないようにすることを
    特徴とする発電プラントの起動停止装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかにおい
    て、停止に向かう軸に蒸気タービンとその復水器の真空
    破壊弁を備え、真空破壊のタイミングを停止に向かう軸
    の解列操作後の回転慣性エネルギーを起動させる軸の初
    期起動用の動力源に変換した後とすることを特徴とする
    発電プラントの起動停止装置。
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