JPH08218079A - 石炭の液化方法 - Google Patents

石炭の液化方法

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JPH08218079A
JPH08218079A JP2208895A JP2208895A JPH08218079A JP H08218079 A JPH08218079 A JP H08218079A JP 2208895 A JP2208895 A JP 2208895A JP 2208895 A JP2208895 A JP 2208895A JP H08218079 A JPH08218079 A JP H08218079A
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coal
liquefied oil
liquefaction
oil yield
liquefied
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JP2208895A
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English (en)
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Michiharu Mochizuki
通晴 望月
Kenji Iguchi
憲二 井口
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MITSUI SEKITAN EKIKA KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
MITSUI SEKITAN EKIKA KK
Nippon Steel Corp
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、石炭液化プロセスで石炭液化反応
を行うに当たり、事前に石炭組成中の活性成分(トータ
ルリアクティブ)値を測定し、活性成分値と液化油収率
との関係を把握することによって1種類もしくは2種類
以上の石炭の運転条件を考慮した配合方法を提供する。
さらに液化油収率と運転コスト、および各石炭の液化条
件と液化油留分との関係を把握することによって、低コ
ストの運転条件で高い液化油収率と所望の留分構成の液
化油を得る点にある。 【構成】 石炭、石炭液化用溶剤、石炭液化用触媒を混
合したスラリーを水素の存在下で加圧、加熱し、得られ
た液化油を蒸留し、製品油の1部を水素化して循環する
石炭液化プロセスにおいて、液化用石炭組織中の活性成
分値が87%以上となるように1種類もしくは2種類以
上の石炭の配合調製を行う。さらに運転目的に対応して
活性成分値の調製を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温、高圧の水素の存
在下で石炭の液化反応を進行させる石炭液化プロセスに
おいて、石炭組織中の活性成分(トータルリアクティ
ブ)に着目し、低コストで石炭の液化反応を進行せし
め、高い液化油収率を得るための石炭の液化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、石油資源の枯渇および石油価格の
高騰に伴って代替エネルギーの必要性が認識されるよう
になり、そのエネルギーを得る一つの方法として石炭の
液化についても数多くの研究がなされている。
【0003】こうした石炭液化プロセスに関しては、次
のようなプロセスが良く知られている。
【0004】すなわち、原料石炭、石炭液化用溶剤、お
よび石炭液化用触媒を混合して調製したスラリーを高
温、高圧下で、水素添加により液化反応させる。その
後、得られた液化油を軽質油、中質油、および重質油に
分離精製する。
【0005】具体的には、分離精製された液化油のう
ち、軽質油、中質油については製品とし、また、残りの
液化油については減圧蒸留により重質油と残渣成分とに
分離する。
【0006】このうち、重質油については、水素化反応
塔で水素化反応を行い、得られた石炭系溶剤を再び石炭
液化用溶剤として、循環使用するものである。
【0007】しかしながら、こうした石炭液化プロセス
において使用される原料石炭は、瀝青炭から褐炭までの
幅広い石炭種が対象となる。したがって、高温、高圧下
での石炭の液化反応特性は石炭の炭化度、灰分の含有
量、灰分組成、その他石炭固有の諸物性などによって大
きく異なっている。
【0008】したがって多くの石炭について、石炭液化
反応を行う際の反応条件、例えば、液化反応温度、液化
反応圧力、触媒添加量、ガス/スラリー比などを変化さ
せて検討すると共に、これらの条件を組み合わせた液化
反応条件下で石炭液化プロセスの運転を行うことによっ
て、最大液化油収率を得るための研究を数多く行う必要
がある。
【0009】ところが、数多くの石炭種について数多く
の液化条件を変化させて研究を行うには長時間を必要と
し、また、それに関わる研究コストも多額とならざるを
得ない。
【0010】一方、石炭の液化油収率を上げるために
は、極力、高温、高圧の液化反応条件下で石炭に対する
水素ガス使用量を増加させ、かつ、石炭液化用触媒の添
加量を増加させる運転方法が効果的である。しかしなが
ら、この運転方法では高価な水素ガスや触媒を多量に使
用し、かつ石炭液化プロセスの運転に必要なユーティリ
ティ使用量が増加し、液化油の製造コストも増加する。
【0011】したがって、比較的穏やかな液化反応条件
下において、少量の触媒添加により安価でかつ液化反応
が進行しやすい石炭を使用し、液化油収率を向上させる
ことが液化油の製造コストを低下させる上で重要な課題
となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】石炭液化プロセスにお
ける石炭の液化反応特性を事前に推定する方法は現在ま
でほとんど確立されていないため、オートクレーブテス
トなどの回分式の方法によって予備試験を行うのが一般
的な方法である。しかしながら、この方法においても数
多くの反応条件を変えた試験が必要であり、かなりの研
究コストを必要としている。
【0013】さらに、前述のオートクレーブテストによ
る事前調査結果を参考とし、実際の石炭液化プロセスに
おいても各種石炭について数多くの反応条件を変えた運
転を実施して、高い液化油収率を得るための運転条件の
検索や得られた液化油の性状調査、運転コストの把握な
どを行っている。
【0014】そのためには、石炭液化プロセスを長期間
にわたって連続して運転する必要があり、多額の運転費
用を必要としている。
【0015】したがって、石炭の液化特性、とりわけ液
化油収率を各石炭種の物性値を基準にして事前に推定
し、さらには得られる液化油の性状、例えば液化油中の
留分構成を推定すると共に、石炭液化に係わる運転コス
トまでをも予測して、目的とする運転指針によって石炭
種の選定、および石炭の配合調製を行うことが可能な技
術を開発し、石炭液化プロセスによる運転研究を効率的
にかつ、低コストで実施することが急がれている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは幅広い石炭
種について前述の石炭液化プロセスを用い、石炭の組織
ならびに液化反応条件と液化油収率との関係について研
究を重ねた結果、石炭組織中の活性成分であるトータル
リアクティブと液化油収率とが密接な関係にあることを
究明し、トータルリアクティブの値の高い石炭種を選定
することによって高い液化油収率が得られることを見い
出した。
【0017】さらに本発明者らは石炭液化プロセスにお
いて標準的な運転条件下で石炭の液化反応を行う際に、
石炭の種類に関係なく、トータルリアクティブの値が8
7%以上の石炭種を選定すれば、目標とする液化油収率
が50%以上の液化油が得られることを究明した。
【0018】この結果をさらに応用し、2種類以上の石
炭を配合した混合炭によって石炭の液化反応を行う際に
は、混合炭のトータルリアクティブの値が87%以上と
なるように原料炭配合を行うことによって、標準的な運
転条件下における石炭液化プロセスの目標液化油収率5
0%以上の液化油収率が得られることも究明して、目標
とする液化油収率を得るための石炭の配合調製方法を確
立するに至った。
【0019】すなわち、本発明は、第1工程として、原
料となる石炭を粉砕した粉炭、石炭液化用溶剤、および
石炭液化用触媒を混合してスラリー化するスラリー調製
工程、第2工程として、第1工程で得られた石炭スラリ
ーを水素の存在下で加圧、加熱し、水素化分解反応によ
り液化油を生成させる石炭液化工程、第3工程として、
第2工程で得られた液化油を常圧および減圧条件下で蒸
留し、各種製品油と液化残渣とに分離する液化油蒸留工
程、並びに、第4工程として、第3工程の液化油蒸留工
程で得られた重質油を溶剤水素化用触媒の存在下で加
圧、加熱し、水素を添加して石炭液化用溶剤を生成させ
る溶剤水素化工程からなり、第4工程の溶剤水素化工程
で得られた石炭液化用溶剤を第1工程のスラリー調製工
程で循環使用する石炭液化プロセスにより石炭を液化す
る方法において、石炭の組織分析から事前に活性成分
(トータルリアクティブ)と液化油収率を各炭種毎に推
定すると共に、2種類以上の石炭を配合調製して石炭の
液化反応を行う際に、目標とする液化油収率を得るため
の原料炭の配合方法を提供するものである。
【0020】その方法は、液化油収率50%以上を目標
とするに当たり、第1工程でスラリー調製を行う際に使
用する石炭の活性成分(トータルリアクティブ)を炭種
毎に事前に把握し、トータルリアクティブ値が87%以
上となるように、1種類の石炭、もしくは2種類以上の
石炭の配合調製を行って得られた混合炭を第1工程で用
いることを特徴とする。配合を行うケースについて具体
的な例を挙げてみると、まず、液化油収率50%を目標
として設定した標準的な運転条件下および最大の液化油
収率を得る運転条件下における石炭の活性成分(トータ
ルリアクティブ)と液化油収率および液化油留分構成比
率との関係、並びに液化油収率と運転コストとの関係を
事前に把握する。液化油収率の向上を最優先する運転を
実施する場合には、活性成分(トータルリアクティブ)
の高い石炭の配合率が最大となるように、また、運転コ
ストの削減または得られた液化油中の留分構成比率を最
優先する場合には、目標とする運転コストまたは目標と
する液化油の留分構成比率となるように、2種類以上の
石炭の配合調製を行って得られる混合炭の活性成分(ト
ータルリアクティブ)の目標値を87%以上の範囲で定
め、それに基づいて石炭の配合調製を行う。
【0021】
【作用】以下に本発明をさらに詳しく説明する。
【0022】まず、本発明を成すに至った石炭液化プロ
セスを具体的に説明し、作用とともに本発明の内容を述
べる。図1は、本発明に関する石炭液化プロセスのフロ
ー例を示すものである。
【0023】原料となる石炭は、貯槽1に貯蔵した後、
フィーダー2によって粉砕機3に供給し、通常粒度15
0μm以下の収率が80%以上になるように粉砕する。
【0024】粉砕した石炭は、スラリー調製槽4で溶剤
水素化反応塔15から送られてきた石炭液化用の循環溶
剤と混合し、スラリー化する。その際、スラリーの調製
は、調製槽4に設置された撹拌機5およびスラリー循環
ポンプ6を用いて循環撹拌混合することにより行う。ス
ラリー濃度は通常、溶剤/石炭の比率が1.0〜3.0
程度の範囲となるようにして調製する。
【0025】また、液化油収率を上げるため、鉄系の使
い捨て触媒(合成硫化鉄触媒、天然鉄鉱石触媒など)を
同時にスラリー中に混合し、その添加量は、無水、無灰
ベースの原料石炭に対して1〜5%である。
【0026】こうして得られた石炭スラリーは、高圧ス
ラリーポンプ7で150〜190kg/cm2 の圧力に
昇圧した後、スラリー加熱器(またはスラリー予熱器)
8で加熱し、高温、高圧下に保持された液化反応塔9で
所定時間水素ガスと反応させることにより水素化分解す
る。なお、この工程で石炭中の灰分、および添加された
鉄系の使い捨て触媒の一部は反応塔固形物となって液化
反応塔9内に蓄積されるため、反応塔下部に設置した高
圧バルブ10、11を使用して系外に排出する。水素化
分解は、温度が430〜470℃、圧力が前述の150
〜190kg/cm2 で行われ、かかる分解反応によっ
て原料石炭の液化が進行する。
【0027】反応後の生成物は、分離器12によってガ
ス、水、油(液化油)に分離する。
【0028】こうして分離した液化油は、さらに蒸留設
備13において軽質油および中質油に分離され、それぞ
れ所定の製品油として回収する。
【0029】残りの液化油は、減圧蒸留塔14で真空蒸
留され、重質油と、未反応の石炭、石炭中の灰分、およ
び鉄系の使い捨て触媒の一部を含んだ538℃以上の沸
点留分の液化残渣となって系外に排出される。
【0030】一方、538℃未満の沸点留分である重質
油は、高温、高圧に保持され、かつ触媒を充填した固定
床の溶剤水素化反応塔15で溶剤水素化反応を行うこと
により水素供与性を高め、循環溶剤としてスラリー調製
槽4へ戻して再使用する。
【0031】このような石炭液化プロセスで通常使用さ
れる石炭は、亜瀝青炭、瀝青炭などの幅広い石炭が対象
となるため、使用する石炭の石炭化度、石炭組織、灰分
含有量などの諸特性によって石炭の液化特性が異なる。
【0032】しかしながら、各種類の石炭の液化特性を
事前に把握、推定する方法、ならびにそれに基づいた2
種類以上の原料石炭の配合調製方法についてはほとんど
開発されていない。したがって、各々の石炭種について
液化反応条件である液化反応温度、反応圧力、ガス/ス
ラリーの比率、触媒添加量などを幅広く変更した実験を
数多く行った上で、高い液化油収率を得るための液化反
応条件を把握する必要があった。
【0033】このように、従来は石炭液化プラントを使
用して数多くの運転研究を実行することが必要不可欠で
あり、そのために多額の費用を必要としていたのであ
る。
【0034】本発明者らは、以上述べてきた問題点に着
目し、石炭種や運転条件を変更した運転研究を推進して
行く中で数多くの技術データを解析した。その結果、第
1に、石炭の組織と液化油収率とが密接な関係にあるこ
とを見い出し、石炭組織中の活性成分(トータルリアク
ティブ)を事前に把握することによって石炭液化プラン
トの標準運転条件下での各石炭種の液化油収率を推定す
ることが可能であることを究明した。
【0035】さらに本発明者らは、第2に、この各石炭
種についてその液化油収率を事前に推定する技術を応用
し、2種類以上の石炭を混合して使用する際に混合石炭
中のトータルリアクティブを一定値以上とするような石
炭の混合基準を確立することによって石炭液化プラント
の標準運転条件下で目標とする50%以上の液化油収率
を達成可能とした。また、第3に、これらの手法を多く
の石炭種に適用することによって、運転コストを極力低
減可能な運転条件下で高い液化油収率、および所望とす
る液化油の留分構成を得るための石炭の配合調製技術を
確立するまでに至った。
【0036】以下にその詳細について説明する。
【0037】最初に前記第1点目の内容について説明す
る。
【0038】石炭組織に関連した諸物性を工業的に有効
活用する例としては、コークス工業、あるいは、選炭時
などにおいて石炭組織の含有割合、反射率分布などとの
関連性に基づいて数多くの研究がなされ、また実用化さ
れている。しかしながら、石炭液化プロセスにおける石
炭の液化特性と石炭の組織との関連性についてはほとん
ど解明されておらず、したがって、従来は、石炭化度を
示す石炭中のH/CおよびO/Cなどの化学分析値を指
標として石炭液化反応が進行しやすいか否かを推定し、
それを石炭液化プロセスの運転研究で確認していかなけ
ればならなかった。
【0039】本発明者らは、石炭液化プロセスの運転研
究を進めて行く中で、従来の化学分析値に代わり、石炭
の液化反応を事前に推定可能な新しい技術指標について
検討した。その結果、石炭組織中の活性成分(トータル
リアクティブ)と液化油収率とに関連性があることを見
い出し、これを新しい技術指標として石炭の液化油収率
を推定していく方法を確立した。
【0040】表1は、石炭液化プロセスの運転研究に用
いられた代表的な石炭について、化学成分値ならびに石
炭組織の分析を行った結果である。
【0041】
【表1】
【0042】石炭の熱分解などを研究する際には、JI
Sによって微細石炭組織成分(マセラル)を分類する方
法が一般的に採用されており、例えば、軟化溶融しやす
い組織としてビトリニット、ディクラデニット、エクジ
ニット、セミフジニットなどが挙げられる。このうち、
ビトリニット+ディクラデニット+エクジニット+1/
3(セミフジニット)の合計値を活性成分(トータルリ
アクティブ)と称している。
【0043】表1に示した3種類の石炭種のうち、トー
タルリアクティブの値が最も大きい石炭種は石炭種Aで
あり、また、トータルリアクティブの値が最も小さい石
炭種は石炭種Cである。
【0044】本発明者らは、このようなトータルリアク
ティブの数値に着目し、液化油収率50%を目標として
設定した石炭液化プロセスの標準運転条件下における各
石炭種の液化油収率とトータルリアクティブとの関連性
について、表1に示した石炭種以外の数多くの石炭種に
ついても液化反応試験を行った。得られたデータを解析
した結果、図2に示すように、石炭種に関係なく液化油
収率とトータルリアクティブに良好な相関性があること
を究明した。
【0045】ここで、石炭液化プロセスの標準運転条件
とは液化反応温度450℃、反応圧力170kg/cm
2 、触媒添加量3重量%、ガス/スラリー比率700N
l/kgの反応条件であり、この反応条件下において
は、トータルリアクティブが87%以上の石炭種で石炭
液化プロセスが目標とする液化油収率50%を達成可能
である。
【0046】このことより、石炭液化プロセスにおい
て、まだ液化油収率を求めていない新しい石炭種を用い
て標準運転条件下で液化反応性を調査する場合、石炭組
織中のトータルリアクティブが87%以上の石炭種を事
前に選定して運転を行うと、目標とする50%以上の液
化油収率が得られることがわかる。
【0047】さらにこの関係を応用し、2種類以上の石
炭種を混合して石炭液化プロセスの運転を実施すると、
2種類以上の石炭種を配合した混合炭のトータルリアク
ティブの荷重平均値が87%以上となるように配合する
ことによっても目標とする50%以上の液化油収率が得
られる。
【0048】こうして、石炭組織中のトータルリアクテ
ィブを新しい技術指標として石炭の配合比率を設定する
ことにより、標準的な運転条件下において2種類以上の
石炭種を混合した際の液化油収率を事前に推定すること
が可能となった。
【0049】次に前記第2点目の内容について説明す
る。
【0050】表2は、本発明者らが石炭液化プロセスの
運転条件において使用した代表的な石炭について標準運
転条件下において得られた液化油収率、および液化油中
の各留分の構成比率を示したものである。
【0051】
【表2】
【0052】石炭種Aは、他の石炭種に比べて標準運転
条件下における液化油収率が高いという特徴があるが、
一方では液化油中の低沸点留分が少なく、高沸点留分が
多いという特徴がある。
【0053】液化油収率の向上のみを志向する場合は石
炭種Aのみを使用し、さらに液化反応温度アップ、反応
圧力アップ、触媒添加量増など運転条件をさらに厳しく
することによってより一層の収率アップを達成可能と考
える。しかし、低沸点留分の多い液化油を得るためには
得策ではない。
【0054】石炭種Bは、他の石炭種に比べて液化油収
率がほぼ中間の値となっている。しかし、液化油中の中
沸点留分の比率が他の石炭に比べて高いという特徴があ
る。
【0055】石炭種Cは他の石炭種に比べて標準運転条
件下における液化油収率は低いが、一方、液化油中の低
沸点留分が多く、また、中沸点留分が少ないという特徴
がある。
【0056】したがって、低沸点留分の多い液化油を多
く得ることを志向する場合は、石炭種Cのみを使用し、
さらに低沸点留分の液化油が多く得られる最適運転条件
下で運転を実施すればよい。しかし、液化油収率の面か
らは得策ではない。
【0057】したがって、液化油収率を石炭液化プロセ
スの目標値である50%以上に維持しつつ、ガソリンの
原料となる低沸点留分を多く得ることが必要な場合は、
石炭種Aと石炭種Cを適量に配合した混合炭による石炭
液化プロセスの運転が必要となる。
【0058】しかしながら、従来の技術においては、2
種類以上の石炭を配合する場合、その基準となる石炭の
配合基準が確立されていない。
【0059】本発明者らは、第1点目の内容に基づき石
炭組織中のトータルリアクティブと液化油収率との関係
をさらに応用して、2種類以上の石炭種のトータルリア
クティブの荷重平均値が87%以上となるような石炭配
合とし、さらに液化油中の目標とする留分の構成比率を
調整することによって、標準運転条件下で目標とする5
0%以上の液化油収率を確保しながら、かつ得られた液
化油中の留分構成比率も目標値とすることを可能とする
石炭の配合方法を確立するに至った。
【0060】すなわち、本発明の第2点目のポイント
は、目標とした液化油収率および液化油中の留分構成比
率を達成するための石炭配合方法を提供するものであ
る。
【0061】次に前記第3点目の内容について説明す
る。
【0062】第3点目は、第1点目および第2点目の内
容をさらに応用して、石炭のトータルリアクティブと標
準運転条件下における液化油収率、および最高の液化油
収率を得る運転条件下における液化油収率との関係、並
びに、各運転条件下における各石炭種の石炭液化プロセ
ス運転コストと液化油収率との関係を比較することによ
って、目標とする液化油収率、液化油の留分構成、運転
コストで石炭液化プロセスを運転するための石炭の配合
方法を提供するものである。
【0063】図3は、各運転条件下で代表的な石炭種の
液化反応を行った際の石炭のトータルリアクティブと液
化油収率との関係を示す図である。
【0064】液化油収率の向上のみを志向する場合は、
石炭種Aのみを用いて最高液化油収率を得る運転条件下
で運転を実行すれば高い液化油収率を得ることが可能で
ある。ここで最高液化油収率を得るための運転条件と
は、液化反応温度465℃、液化反応圧力190kg/
cm2 、触媒添加量4重量%、ガス/スラリー比900
Nl/kgの運転条件を示す。
【0065】また、図4は各石炭種を前記2通りの運転
条件下において液化反応させた場合の運転コストと液化
油収率との関係を示したものである。
【0066】最高液化油収率を得るための運転条件下に
おいては、標準運転条件下に比較して高い液化油収率が
得られるが、一方では反応温度、反応圧力の増加によ
り、石炭液化プラントの運転に必要なユーティリティの
増加、高価な液化触媒の添加量や水素ガスの使用量が増
加することによって運転コストは増加する。
【0067】しかしながら、石炭種Aは、他の石炭種に
比べて液化油収率が高いものの、運転コストは安い。
【0068】表3は、最大液化油収率を得る運転条件下
における液化油収率と液化油の留分構成比率を示したも
のである。
【0069】
【表3】
【0070】石炭種Aは、表2に示した標準運転条件下
においては他の石炭種に比べて液化油中の低沸点留分の
比率が少なく、高沸点留分の比率が多いという特徴があ
ったが、最大液化油収率を得る運転条件下においては、
液化油の軽質化が進行し、液化油中の低沸点留分の構成
比率は標準運転条件下における石炭Bの液化油中の低沸
点留分の構成比率に比べて高い。
【0071】したがって、液化油収率、得られた液化油
の留分構成、さらには運転コストをも考慮して、混合炭
のトータルリアクティブの値の設定並びにそれに基づい
た石炭の配合比率を決める必要がある。
【0072】すなわち、第3点目は、液化油収率、液化
油の留分構成、運転コストを総合的に考慮し、目的とす
る運転志向に基づいて、石炭の配合を行う際の石炭配合
方法を提供するものである。
【0073】
【実施例】次に実施例によって本発明をより詳細に説明
する。
【0074】実施例1 図5にフローを示すような石炭の粉砕乾燥工程により、
表2に示した石炭種AおよびCの石炭について事前処理
を行った。
【0075】石炭種AおよびCは4槽に区切られた貯槽
16のうちの2槽にそれぞれ貯えられフィーダー17に
よって各々所定の割合で切り出しを行った。その際、こ
の実施例1では、標準運転条件下において50%の液化
油収率を確保しながら、液化油中の低沸点留分(C5
220℃)の比率を多くし、かつ運転コストを極力低く
押さえることを基本方針として石炭の配合を決め、切り
出しを行った。
【0076】表2より、標準運転条件下で低沸点留分の
多い液化油を得るためには、石炭種Cの配合比率を多く
することが望ましい。一方、図3および図4より、液化
油収率として50%を確保し、運転コストを低く設定し
た運転を実施するためには、石炭種Aの配合比率を多く
することが必要である。
【0077】本発明に基づき、石炭種Aと石炭種Cの配
合比を設定するに当たって、混合炭のトータルリアクテ
ィブの荷重平均値が87%以上となるように配合比を設
定した。すなわち、石炭種Aの配合比をXとすると、目
標とするトータルリアクティブ87%以上の配合を行う
ためには次式が成立する。
【0078】X×(石炭種Aのトータルリアクティブ)
+(1−X)×(石炭種Cのトータルリアクティブ)≧
87% ここで、表1より石炭種Aのトータルリアクティブは9
2.0%であり、また、石炭種Cのトータルリアクティ
ブは82.3%である。したがって、この関係式よりX
を求め、石炭種Aの配合比を48%、石炭種Cの配合比
を52%として配合した。
【0079】このような割合で図5の貯槽16よりフィ
ーダー17によって切り出しを行った石炭種Aと石炭種
Cの石炭は、粗粉砕機18に供給されて粗粉砕され、粉
砕乾燥機19で熱風発生炉20から送り出されてくる高
温に加熱されたホットエアーによって水分約2%にまで
乾燥されながら同時に粉砕される。こうして乾燥粉砕さ
れた石炭粒子は、さらにホットエアーによって分級器2
1に供給され、分級器21の内部に固定された分散板に
衝突して分級され、粒径が150μmを越える粒子は粉
砕乾燥機19にリサイクルされて再度、乾燥されながら
粉砕される。一方、150μm以下の粒子は、サイクロ
ン22およびバクフィルター23によって捕集されたの
ち、石炭秤量槽24に供給され、図1に示した石炭液化
プロセスにより液化反応を行った。
【0080】なお、粉砕乾燥機19で粉砕された石炭の
粒度は、150μm以下の収率が80%以上になるよう
に粉砕した。
【0081】液化反応は、標準運転条件である液化反応
温度450℃、反応圧力170kg/cm2 、ガス/ス
ラリー比700Nl/kg、触媒添加量3重量%で行っ
た。
【0082】その結果、図6および表4に示すように、
液化油収率が50%、また、液化油中の留分構成比率の
うち、低沸点留分の比率が60.1%の液化油を得るこ
とができた。また、運転コストについては、石炭種A単
独で運転した場合の運転コストと石炭種C単独で運転し
た場合の運転コストのほぼ中間の運転コストで運転を行
うことができた。
【0083】実施例2 図5にフローを示すような石炭の粉砕乾燥工程により、
表2に示した石炭種Aのみの石炭について事前処理を行
った。
【0084】石炭種Aは、貯槽16に貯えられ、フィー
ダー17によって所定の割合で切り出しを行った。その
際、この実施例2では、運転コストを考慮せずに、極力
高い液化油収率で、かつ得られた液化油中の低沸点留分
の構成比率を60%以上とすることを基本方針として運
転を行うこととした。
【0085】そのため、図3に示した石炭のトータルリ
アクティブと液化油収率との関係に基づきトータルリア
クティブの最も大きい石炭種Aを単一銘柄で選択し、か
つ、運転条件は、最高液化油収率を得る条件で運転を実
施した。すなわち、液化反応温度465℃、反応圧力1
90kg/cm2 、ガス/スラリー比900Nl/k
g、触媒添加量4重量%で行った。
【0086】その結果、図6および表4に示すように、
運転コストは増加したものの、液化油収率として56%
を越える値を得ることができ、また、液化油中の低沸点
留分の構成比率が61.0%の液化油を得ることができ
た。
【0087】実施例3 図5にフローを示すような石炭の粉砕乾燥工程により、
表2に示した石炭種Aおよび石炭種Bの石炭について事
前処理を行った。
【0088】石炭種AおよびBは、貯槽16に貯えら
れ、フィーダー17によって各々所定の割合で切り出し
を行った。その際、この実施例3では、液化油収率50
%以上を目標とし、液化油中の中沸点留分の比率を20
%以上とし、かつ、運転コストを極力低く押さえること
を基本方針として石炭の配合比率を決め、切り出しを行
った。
【0089】表2および図4より、液化油収率を上げて
運転コストを下げるためには石炭種Aの配合割合を増加
させることが望ましい。一方、中沸点留分を極力多く得
るためには石炭種Bの配合割合を増加させることが必要
である。
【0090】表2より、標準運転条件下において石炭種
Aの液化反応によって得られる液化油中の中沸点留分の
構成比率は15.7%であり、また、石炭種Bの液化反
応によって得られる液化油中の中沸点留分の構成比率は
24.1%である。したがって、石炭種Aと石炭種Bと
を配合した混合炭の液化反応によって得られる液化油中
の中沸点留分の構成比率を20%以上とするためには石
炭種Aの配合比率をYとすると次の関係が成立する。
【0091】 Y×0.157+(1−Y)×0.241≧0.20 この式より、Y≦0.5、すなわち、石炭種Aの配合比
率を50%以下にする必要がある。
【0092】一方、石炭種Aおよび石炭種Bのトータル
リアクティブの値はいずれも87%以上であるため、石
炭種Aおよび石炭種Bをどのように配合しても標準運転
条件下において液化油収率を50%以上とすることが可
能である。
【0093】さらに運転コストを考慮すると、標準運転
条件下において石炭種Aの配合比率を極力多くすること
が望ましい。したがって、この実施例3においては石炭
種Aと石炭種Bとの配合比率を50%/50%とした。
【0094】このとき、石炭種Aのトータルリアクティ
ブは92.0%であり、また石炭種Bのトータルリアク
ティブは89.6%であるため、混合炭のトータルリア
クティブの値は91%となった。
【0095】また運転条件としては、運転コストを極力
低く押さえる目的から標準運転条件下で運転を行った。
【0096】その結果、図6および表4に示すように液
化油収率で50.5%の収率が得られ、また運転コスト
を下げながら液化油中の中沸点留分の構成比率を目標の
20%とすることができた。
【0097】
【表4】
【0098】
【発明の効果】前述した実施例のように、本発明に基づ
いて各石炭種のトータルリアクティブを事前に把握する
ことによって、各石炭種の液化油収率を事前に推定する
ことが可能となり、また各石炭種毎の液化油収率と運転
コストとの関係、ならびに各石炭種の液化油中の留分構
成との関係を把握し、それらを総合的に評価しながら、
石炭の液化を行う際に目的とする運転方針に基づいて、
1種類の石炭の単一配合により石炭を液化する方法の確
立および2種類以上の石炭を混合して行う石炭の配合方
法を確立することが可能となった。
【0099】その結果、従来は、石炭液化プロセスの運
転研究において、各石炭種について運転条件を多数変更
させながら実験を実施する必要があったが、本発明によ
って実験数を削減し、効率的な実験を推進することが可
能となり、研究コストを削減することが可能となった。
【0100】また目的とする運転方針に基づいて、所望
の液化油収率、液化油の留分構成、および運転コストを
総合的に考慮した最適条件下で経済的な石炭液化プロセ
スの運転を実施することが可能となり、従来に比べて運
転コストも大幅に削減できた。
【0101】本発明に基づいた石炭液化プロセスによる
石炭の液化方法は、石炭液化プロセス以外に石炭を取り
扱う化学プロセス、工業プロセスにも幅広く適用可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関わる石炭液化プロセスの石炭液化
装置全体のフローの構成を模式的に表す概略図を示す。
【図2】 標準運転条件下で、石炭組織の活性成分(ト
ータルリアクティブ)と液化油収率との関係を示す図で
ある。
【図3】 代表的な石炭種を使用して標準運転条件下と
最大液化油収率を得る運転条件下で石炭の液化を行った
際のトータルリアクティブと液化油収率の関係を示す図
である。
【図4】 各運転条件下における石炭液化プロセスの運
転コストと液化油収率の関係を示す図である。
【図5】 石炭の事前処理工程の概略を示すフロー図で
ある。
【図6】 各実施例における運転コストと液化油収率の
関係を示す図である。
【符号の説明】
1…貯槽、 2…フィーダー、
3…粉砕機、 4…スラリー調製
槽、5…撹拌機、 6…スラリー
循環ポンプ、7…高圧スラリーポンプ、 8…
スラリー予熱器、9…液化反応塔、 1
0、11…高圧バルブ、12…分離器、
13…蒸留設備、14…減圧蒸留塔、
15…溶剤水素化反応塔、16…貯槽、
17…フィーダー、18…粗粉砕機、
19…粉砕乾燥機、20…熱風発生
炉、 21…分級器、22…サイクロ
ン、 23…バクフィルター、24…石
炭秤量槽。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1工程として、石炭、石炭液化用溶
    剤、および石炭液化用触媒を混合してスラリー化するス
    ラリー調製工程、第2工程として、第1工程で得られた
    石炭スラリーを水素の存在下で加圧、加熱し、水素化分
    解反応により液化油を生成させる石炭液化工程、第3工
    程として、第2工程で得られた液化油を常圧および減圧
    条件下で蒸留し、各種製品油と液化残渣とに分離する液
    化油蒸留工程、並びに、第4工程として、第3工程の液
    化油蒸留工程で得られた重質油を溶剤水素化用触媒の存
    在下で加圧、加熱し、水素を添加して石炭液化用溶剤を
    生成させる溶剤水素化工程からなり、第4工程の溶剤水
    素化工程で得られた石炭液化用溶剤を第1工程のスラリ
    ー調製工程で循環使用する石炭液化プロセスにより石炭
    を液化する方法において、液化油収率50%以上を目標
    とするに当たり、第1工程でスラリー調製を行う際に使
    用する石炭の活性成分(トータルリアクティブ)を炭種
    毎に事前に把握し、トータルリアクティブ値が87%以
    上となるように1種類の石炭、もしくは2種類以上の石
    炭の配合調製を行って得られた混合炭を第1工程で用い
    ることを特徴とする石炭の液化方法。
  2. 【請求項2】 液化油収率50%を目標として設定した
    標準的な運転条件下および最大の液化油収率を得る運転
    条件下における石炭の活性成分(トータルリアクティ
    ブ)と液化油収率および液化油の留分構成比率との関
    係、並びに液化油収率と運転コストとの関係を事前に把
    握し、液化油収率の向上を最優先する運転を実施する場
    合は、活性成分(トータルリアクティブ)の高い石炭の
    配合率が最大となるように、また運転コストの削減また
    は得られた液化油中の留分構成比率を最優先する場合
    は、目標とする運転コストまたは目標とする液化油の留
    分構成比率となるように2種類以上の石炭の配合調製を
    行って得られる混合炭の活性成分(トータルリアクティ
    ブ)の目標値を87%以上の範囲で定め、それに基づい
    て石炭の配合調製を行うことを特徴とする請求項1に記
    載の石炭の液化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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