JPH08217046A - 包装用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用中は強固だが、使用後は容易に押し潰す
ことのできる包装用容器を実現する。 【構成】 包装用容器１の周側に螺旋状又は蛇腹状の襞
部１０を設けると共に、周側を収縮包装材２０により収
縮包装し、更にこの収縮包装材には包装材の離脱手段２
１を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばアルミ缶等の
包装用容器に関し、より詳細には使用後に容易に所定形
状に潰すことのできる包装用容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】内容物によって変形されないか、又は内
容物の形態をとらない剛性又は準剛性の包装用容器は、
例えば各種飲料に使用されるアルミ缶等を筆頭として夥
しい数量が流通している。これらの容器は、例えば紙パ
ック等の柔軟性包装用容器と異なり、剛性又は準剛性で
あることをその本質としているので、外力により容易に
変形を来さない長所を有する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
ゴミの減量化、及びリサイクルの要請の前ではこの種の
容器の長所が逆に短所となる問題を生じている。即ち、
ゴミの減量、及びリサイクルの観点からは使用済みの包
装用容器は回収の手間より極力小型化することが望まし
いが、この種の容器は人力によってそれを押し潰すこと
が困難であった。

【０００４】このため、従来技術において、アルミ缶を
代表とするこの種の容器を押し潰す装置が提案されてい
たが、大がかりな装置であるために各戸で備えるという
わけには行かず、使用済み容器をわざわざこの装置を設
置してある場所まで運ばなければならない不便さがあっ
た。

【０００５】一方、この種の容器を人力によって押し潰
すことを可能とするために、その周側に螺旋状、又は蛇
腹状の襞部を設けることは当業者であれば容易に想到し
得るところであるが（例えば、公知例としては特開平６
−９２３４０号公報。）、この場合には外力により容易
に変形を来さないというこの種の容器の長所を放棄する
こととなり、実用性を著しく阻害する問題点を生じた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は以上の従来技
術の問題点を解消した包装用容器を提供することを目的
として創作されたものであり、剛性又は準剛性の容器の
周側に襞部を螺旋状又は蛇腹状に設けると共に、周側を
収縮包装材により収縮包装し、更にこの収縮包装材には
包装材の離脱手段を設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】よって、この発明によれば、容器の周側には襞
部を螺旋状又は蛇腹状に設けてあるので、容器に縦方向
の押圧力を加えた場合には、その力は襞を押し潰そうと
いう力として加わり、襞の押し潰しにより容器は縦方向
に押し潰される作用を生じる。そして、この場合、襞は
襞を構成する山部と谷部の折り畳みにより押し潰される
のだから、それに要する力はわずかで済み、人力により
容易に押し潰すことが可能となる。

【０００８】又、容器の周側に設けた螺旋状又は蛇腹状
の襞部の角度を容器の水平方向よりむしろ垂直方向に近
くなるような急角度に設けた場合は、容器に捩じり方向
の押圧力を加えた場合には、その力は襞を押し潰そうと
いう力として加わり、襞の押し潰しにより容器は捩じり
方向に押し潰される作用を生じる。そして、この場合、
襞は襞を構成する山部と谷部の折り畳みにより押し潰さ
れるのだから、それに要する力はわずかで済み、人力に
より容易に押し潰すことが可能となる。

【０００９】一方、上記の容器の周側を収縮包装材によ
り収縮包装した場合には、この包装材により容器はその
外周方向より中心方向に強圧力をもって圧迫されること
となる。そして、この場合、収縮包装材は容器の周側の
襞面に密着しているのだから、上記の圧迫力は襞を構成
する山部と谷部の形状を維持する方向に働き、容器に縦
方向又は捩じり方向の押圧力が加えられた場合には、襞
を構成する山部と谷部を折り畳もうとする力に抗する力
として作用し、外力による容器の変形を防止する作用を
生じる。

【００１０】他方、上記の収縮包装材には包装材の離脱
手段が設けられるので、この手段により収縮包装材を容
器より取り去れば、容器は外力により容易に変形する状
態となる作用を生じることとなる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図中符号１は包装用容器であり、この実施
例ではアルミ缶を想定している。この包装用容器１の周
側には螺旋状の襞部１０が形成される（図１参照）。

【００１２】尚、襞部１０は螺旋状に限られず、例えば
図７に示すように蛇腹状に構成されてもよいことは勿論
である。

【００１３】又、襞部１０の角度は図１の実施例の場合
は容器の水平方向よりやや傾斜した角度に設定している
が、例えば図８に示すように水平方向よりむしろ垂直方
向に近くなるような急角度に設けてもよいことは勿論で
ある。

【００１４】次いで、この包装用容器１の周側は収縮包
装材により収縮包装されるが、この実施例では収縮包装
の手段として熱収縮性フィルムを採用している。即ち、
先ず円筒状の収縮包装材（熱収縮性フィルム）２０によ
り、包装用容器１をラフに包み（図２参照）、次いでこ
れを加熱することにより収縮包装材２０を収縮させて包
装用容器１の周側に密着させる（図３参照）。この場
合、図６に示すように収縮包装材２０は容器の周側の襞
面１０の形状に沿ってそれに密着することとなる。

【００１５】以上の工程により包装用容器１の周側に設
けられた収縮包装材（熱収縮性フィルム）２０には縦方
向に２条のミシン目２１が設けられる（図３参照）。よ
って、収縮包装材２０のミシン目２１に挟まれる箇所２
２を引きちぎれば、円筒状態でなくなった収縮包装材２
０は包装用容器１より離脱することとなる（図４参
照）。尚、以上は収縮包装材の離脱手段の一例である
が、離脱手段はこれに限られないことはいうまでもな
い。

【００１６】以上の包装用容器は収縮包装材を取り去る
ことにより、外力により容易に変形可能な状態となり、
縦方向に力を加えれば図５のような状態に押し潰すこと
が可能となる。又、特に図示しないが図８に示す襞部２
０が急角度の包装用容器の場合は、捩じり方向に力を加
えれば捩じり潰すことが可能となる。

【００１７】

【発明の効果】以上の構成よりなるこの発明は次の特有
の効果を奏する。 周側に設けた襞により容器は人力により容易に縦方向
或いは捩じり方向に押し潰すことできるので、特別の押
し潰し装置を要せずとも使用済みの包装用容器を使用者
において押し潰すことができ、ゴミの減量化、及びリサ
イクルに寄与する。

【００１８】上記の押し潰しは襞に沿って行われるの
で、押し潰しは規則的に実現され、回収されるべき押し
潰し空き容器の形状、大きさを揃えることが可能とな
り、効率的な回収が実現される。

【００１９】通常の使用状態においては、収縮包装材
によって容器は強固な状態に保たれているので、強度面
において通常の容器と何ら違いはなく、流通及び使用に
際して支障を来すおそれがない。

【００２０】容器に周側に予め特定の表示（例えば、
当たり籤等）を施し、これを収縮包装材によって隠す構
成とすれば、使用者において収縮包装材を自発的に取り
去り、缶を潰す作用が期待でき、より効果的なゴミの減
量化、及びリサイクルが期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の包装用容器の収縮包装材を施す前の
状態の斜視図。

【図２】同上、収縮包装材を施しつつある状態の斜視
図。

【図３】同上、収縮包装材を施した状態の斜視図。

【図４】同上、収縮包装材を取り去りつつある状態の斜
視図。

【図５】同上、押し潰した状態の斜視図。

【図６】同上、収縮包装材を施した状態の要部の断面
図。

【図７】この発明の包装用容器の異なる実施例の収縮包
装材を施す前の状態の斜視図。

【図８】この発明の包装用容器の異なる実施例の収縮包
装材を施しつつある状態の斜視図。

【符号の説明】

１ 包装用容器 １０ 襞部 ２０ 収縮包装材 ２１ ミシン目（収縮包装材の離脱手段）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 剛性又は準剛性の容器の周側に襞部を螺
   旋状に設けると共に、周側を収縮包装材により収縮包装
   し、更にこの収縮包装材には包装材の離脱手段を設けた
   ことを特徴とする包装用容器。
2. 【請求項２】 剛性又は準剛性の容器の周側に襞部を蛇
   腹状に設けると共に、周側を収縮包装材により収縮包装
   し、更にこの収縮包装材には包装材の離脱手段を設けた
   ことを特徴とする包装用容器。
3. 【請求項３】 剛性又は準剛性の容器はアルミ缶であ
   り、収縮包装材は熱収縮性フィルムであり、包装材の離
   脱手段は熱収縮性フィルムに設けたミシン目である請求
   項１又は２記載の包装用容器。