JPH08216452A - 電子写真式プリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】画像素子アレイが発する光をレンズを介して感
光体膜に正確に照射させ、感光体膜に画像品質の高い潜
像を形成することができる電子写真式プリンタを提供す
ることにある。 【構成】外表面に感光体膜ｂを被着させた透明筒状体Ｂ
と、該透明筒状体Ｂの内部に配置された画像形成装置Ａ
とから成り、画像形成装置Ａの発した光を透明筒状体Ｂ
の内部より感光体膜ｂに照射させ、感光体膜ｂに潜像を
形成するようになした電子写真式プリンタであって、前
記画像形成装置Ａは複数個のレンズ３ａと多数の画像素
子アレイ２とが各レンズ３ａと各画像素子アレイ２を１
対１に対応するように併設させて形成されており、且つ
前記透明筒状体Ｂの内面で画像形成装置Ａの各レンズ３
ａが対向する領域に焦点距離補正部材Ｓが取着されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子写真式プリンタに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】近時、情報処理装置並びに通信技術の進
展に伴い普通紙に任意の漢字や図形を高速度、高品質で
大量に出力することができる小型で、且つ安価な電子写
真式プリンタが要求されている。そのためこの要求に対
処すべくプリンタの光源として電気絶縁性基板の一主面
に画像素子としての発光ダイオード素子を複数個、直線
状に配列実装して成る画像形成装置を使用した電子写真
式プリンタが小型、高解像度のものとして提案されてい
る。

【０００３】この従来の電子写真式プリンタに使用され
ている画像形成装置は通常、スペーサに、複数個のレン
ズを所定の間隔で直線状に配列支持したポリカーボネー
ト等の樹脂から成るレンズプレートと、多数の発光ダイ
オード素子アレイが直線状に配列実装された酸化アルミ
ニウム質焼結体やガラス等から成るベースプレートとを
各レンズと各発光ダイオード素子アレイとが１対１に対
応するように併設させた構造を有しており、外表面に感
光体膜を被着させた透明筒状体の内部に配置し、各発光
ダイオード素子アレイの各発光ダイオード素子を外部電
気信号に対応させて個々に選択的に発光させるととも
に、該各発光ダイオード素子が発光した光をレンズを介
して透明筒状体の外表面に被着させた感光体膜に照射結
像させ、感光体膜に潜像を形成させることによって電子
写真式プリンタとして機能する。

【０００４】尚、前記画像形成装置のベースプレート上
に直線状に配列実装される発光ダイオード素子アレイは
一般にその内部に６４個の発光ダイオード素子が直線状
に配列されて構成されており、Ｂ４サイズの電子写真式
プリンタの光源として使用する場合には前記発光ダイオ
ード素子アレイはその３２個が各々を各レンズに１対１
に対応するようにしてベースプレート上に実装されるこ
ととなる。

【０００５】また前記レンズプレートに支持された各レ
ンズとベースプレートに実装された各発光ダイオード素
子アレイはその両者の位置にズレが発生すると感光体面
に結像される像ににじみや白すじ、黒すじ等を発生して
鮮明で、正確な潜像を形成すことが不可となることから
各レンズと各発光ダイオード素子アレイとは極めて高精
度に位置合わせする必要がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の電子写真式プリンタにおいては画像形成装置に使用
されるレンズの中央部と外周部とで焦点距離に0.2mm 程
度の差を有しており、そのため発光ダイオード素子の発
する光をレンズを介して感光体膜に照射し、感光体に潜
像を形成すると、レンズの外周部を通過する光はレンズ
の中心部を通過する光に対して太く乱れ、その結果、感
光体膜に照射される光の量にバラツキが発生し、感光体
にむらのない鮮明な潜像を形成することができないとい
う欠点を有していた。

【０００７】

【発明の目的】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は画像素子アレイが発する光をレンズを介
して感光体膜に正確に照射させ、感光体に画像品質の高
い潜像を形成することができる電子写真式プリンタを提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は外表面に感光体
膜を被着させた透明筒状体と、該透明筒状体の内部に配
置された画像形成装置とから成り、画像形成装置の発し
た光を透明筒状体の内部より感光体膜に照射させ、感光
体膜に潜像を形成するようになした電子写真式プリンタ
であって、前記画像形成装置は複数個のレンズと多数の
画像素子アレイとが各レンズと各画像素子アレイを１対
１に対応するように併設させて形成されており、且つ前
記透明筒状体の内面で画像形成装置の各レンズが対向す
る領域に焦点距離補正部材が取着されていることを特徴
とするものである。

【０００９】また本発明は前記焦点距離補正部材を透明
筒状体の内面に屈折率が高い材料を各レンズの中央部と
対向する領域は薄く、外周部と対向する領域は厚く被着
させることによって形成したことを特徴とするものであ
る。

【００１０】

【作用】本発明の電子写真式プリンタによれば、透明筒
状体の内面に焦点距離補正部材を取着させたことから画
像形成装置のレンズの外周部における焦点距離は前記焦
点距離補正部材により補正されてレンズ中央部の焦点距
離と同一となり、その結果、画像形成装置の各発光ダイ
オード素子が発光した光をレンズを介して透明筒状体の
外表面に被着させた感光体膜に照射結像させ、感光体膜
に潜像を形成させた場合、感光体膜への光の照射は均一
となって感光体に極めて画像品質の高い潜像を形成する
ことが可能となる。

【００１１】

【実施例】次に本発明を添付図面に基づき詳細に説明す
る。図１乃至図２は本発明の電子写真式プリンタの一実
施例を示し、Ａは画像形成装置、Ｂは外表面に感光体膜
ｂが被着された透明筒状体である。

【００１２】前記画像形成装置Ａはベースプレート1 と
画像素子アレイとしての発光ダイオード素子アレイ2
と、レンズプレート3 と、スペーサ4 で構成されてい
る。

【００１３】前記ベースプレート1 はガラスエポキシ樹
脂や酸化アルミニウム質焼結体、結晶化ガラス、石英等
の電気絶縁材料から成り、その上面に複数個の発光ダイ
オード素子アレイ2 が直線状に配列実装されている。

【００１４】前記ベースプレート1 は発光ダイオード素
子アレイ2 を支持する支持部材として作用し、例えばガ
ラスエポキシ樹脂から成る場合、ガラス繊維中にゾル状
としたエポキシ樹脂を流し込み、しかる後、前記エポキ
シ樹脂を熱硬化させることによって製作されている。

【００１５】また前記ベースプレート1 上に配列実装さ
れている発光ダイオード素子アレイ2 は複数個の発光ダ
イオード素子2aから成り、該発光ダイオード素子2aは外
部電気信号に対応して個々に選択的に発光し、発光した
光を透明筒状体Ｂの外表面に被着させた感光体膜ｂに照
射することによって感光体膜ｂに画像を形成するための
潜像を形成する。

【００１６】前記発光ダイオード素子2aはGaAsP 系、Ga
P 系の発光ダイオードが使用され、例えば、GaAsP 系の
発光ダイオードの場合には、まずGaAsの基板を炉中にて
高温に加熱するとともにAsH ₃ ( アルシン) とPH₃ ( ホ
スヒン) とGa( ガリウム) を適量に含むガスを接触させ
て基板表面にn 型半導体のGaAsP(ガリウムー砒素ーリ
ン) の単結晶を成長させ、次にGaAsP 単結晶表面にSi₃
N ₄ ( 窒化シリコン) の窓付膜を被着させるとともに該
窓部にZn( 亜鉛) のガスをさらし、n 型半導体のGaAsP
単結晶の一部にZnを拡散させてp 型半導体を形成し、pn
接合をもたすことによって形成される。

【００１７】尚、前記発光ダイオード素子2aはＢ４サイ
ズの光プリンタヘッドの場合、2048個(1mm当たり8 個)
が直線状に配列されており、具体的には64個の発光ダイ
オード素子2aを一単位とした発光ダイオード素子アレイ
2 を32個、直線状に配列することによって2048個の発光
ダイオード素子2aがベースプレート1 上に配列実装され
ている。

【００１８】また前記発光ダイオード素子アレイ2 が配
列実装されたベースプレート1 はその上部に一定距離を
隔ててレンズプレート3 が併設されており、該レンズプ
レート3 には複数個の穴が直線状に配列形成されている
とともに穴を塞ぐようにしてレンズ3aが取着されてい
る。

【００１９】前記レンズプレート3 は複数個のレンズ3a
を所定の間隔で支持する支持部材として作用し、また穴
は発光ダイオード素子アレイ2 の各発光ダイオード素子
2aが発する光をレンズ3aへ透過させる作用を為す。

【００２０】更に前記レンズプレート3 に支持された各
レンズ3aは各発ダイオード素子2aが発する光を感光体膜
ｂに照射させる作用を為し、アクリル樹脂やポリカーボ
ネート樹脂等の透明樹脂、或いはガラス等の透明無機物
で形成されたレンズが好適に使用される。

【００２１】また更に前記発光ダイオード素子アレイ2
が実装されたベースプレート1 及び複数個のレンズ3aが
支持されているレンズプレート3 はその各々をスペーサ
4 に接合させることによって各発光ダイオード素子アレ
イ2 と各レンズ3aとが所定距離を隔てて1 対1 に対応す
るように併設されており、スペーサ4 に発光ダイオード
素子アレイ2 が実装されたベースプレート1 と複数個の
レンズ3aが支持されているレンズプレート3 を接合させ
ることによって画像形成装置Ａが完成する。

【００２２】前記一対のスペーサ4 、4 はその上部に第
１位置合わせ規準面4aを、下部に第２位置合わせ規準面
4bを有しており、スペーサ4 、4 の第１位置合わせ規準
面4aにレンズプレート3 の下面を、第２位置合わせ規準
面4bにベースプレート1 の上面外周部を当接固定させる
ことによって各発光ダイオード素子アレイ2 と各レンズ
3aとは間に所定距離を隔てて1 対1 に正確に対応するよ
うになっている。尚、前記一対のスペーサ4 、4 は例え
ば、ガラスエポキシ樹脂等で形成されている。

【００２３】また前記一対のスペーサ4 、4 にベースプ
レート1 とレンズプレート3 を接合させて形成される画
像形成装置Ａは外表面に感光体膜ｂを被着させた透明筒
状体Ｂの内部に配置され、画像形成装置Ａの各発光ダイ
オード素子2aが発する光をレンズ3a及び透明筒状体Ｂを
介し感光体膜ｂに照射することによって感光体膜ｂに画
像を形成するための潜像が形成される。

【００２４】更に前記外表面に感光体膜ｂを被着させた
透明筒状体Ｂはその内面で画像形成装置Ａの各レンズ3a
が対向する領域に焦点距離補正部材Ｓが取着されてい
る。

【００２５】前記焦点距離補正部材Ｓはレンズ3aの中央
部の焦点距離と外周部の焦点距離を同一とする作用を為
し、レンズ3aの中央部と外周部の焦点距離が焦点距離補
正部材Ｓによって同一になっていることから発光ダイオ
ード素子2aの発する光をレンズ3aを介して感光体膜ｂに
照射させ、感光体膜ｂに潜像を形成させれば感光体膜ｂ
への光の照射が均一となって感光体膜ｂに極めて画像品
質の高い潜像を形成することが可能となる。前記焦点距
離補正部材Ｓは例えば、SiO ₂ 、SiN 、シリコン、エポ
キシ、ポリイミド等の屈折率が空気より高い材料から成
り、該屈折率が空気より高い材料を透明筒状体Ｂの内面
に各レンズ3aの中央部と対向する領域は厚みを薄く、外
周部と対向する領域は厚みを厚くなようにスパッタリン
グ法や印刷法、或いは箔を貼着することにより被着させ
ることによって透明筒状体Ｂの内面所定位置に所定形状
に取着される。

【００２６】また前記焦点距離補正部材Ｓはそれを、例
えば紫外線硬化型のエポキシに炭酸カルシウムと少量の
感光剤を添加した感光性レジストで形成するようになす
と焦点距離補正部材Ｓを従来周知のフォトリソグラフィ
ー技術を採用することによって透明筒状体Ｂの内面所定
位置に極めて正確、且つ高精度に形成することができ
る。従って、前記焦点距離補正部材Ｓはそれを感光性レ
ジストで形成するようになすことが好ましい。

【００２７】かくして、本発明の電子写真式プリンタに
よれば画像形成装置Ａのベースプレート1 に配列実装さ
れている発光ダイオード素子アレイ2 の各発光ダイオー
ド素子2aに所定の電力を印加させ、各発光ダイオード素
子2aを個別に選択的に発光させるとともに、該各発光ダ
イオード素子2aが発光した光をレンズ3aを介して透明筒
状体Ｂの外表面に被着されている感光体膜ｂに照射結像
させることによって感光体膜ｂに画像を形成するための
潜像が形成される。

【００２８】尚、本発明は上述の実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種
々の変更は可能である。

【００２９】

【発明の効果】本発明の電子写真式プリンタによれば、
透明筒状体の内面に焦点距離補正部材を取着させたこと
から画像形成装置のレンズの外周部における焦点距離は
前記焦点距離補正部材により補正されてレンズ中央部の
焦点距離と同一となり、その結果、画像形成装置の各発
光ダイオード素子が発光した光をレンズを介して透明筒
状体の外表面に被着させた感光体膜に照射結像させ、感
光体膜に潜像を形成させた場合、感光体膜への光の照射
は均一となって感光体に極めて画像品質の高い潜像を形
成することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電子写真式プリンタの一実施例を示す
断面図である。

【図２】図１のＸーＸ線断面図である。

【符号の説明】

１・・・・・・ベースプレート ２・・・・・・発光ダイオード素子アレイ ２ａ・・・・・発光ダイオード素子 ３・・・・・・レンズプレート ３ａ・・・・・レンズ ４・・・・・・スペーサ Ａ・・・・・・画像形成装置 Ｂ・・・・・・透明筒状体 ｂ・・・・・・感光体膜 Ｓ・・・・・・焦点距離補正部材

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０４Ｎ 1/036

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外表面に感光体膜を被着させた透明筒状体
   と、該透明筒状体の内部に配置された画像形成装置とか
   ら成り、画像形成装置の発した光を透明筒状体の内部よ
   り感光体膜に照射させ、感光体膜に潜像を形成するよう
   になした電子写真式プリンタであって、前記画像形成装
   置は複数個のレンズと多数の画像素子アレイとが各レン
   ズと各画像素子アレイを１対１に対応するように併設さ
   せて形成されており、且つ前記透明筒状体の内面で画像
   形成装置の各レンズが対向する領域に焦点距離補正部材
   が取着されていることを特徴とする電子写真式プリン
   タ。
2. 【請求項２】前記焦点距離補正部材は屈折率が空気より
   高い材料から成り、且つ各レンズの中央部と対向する領
   域の厚みが薄く、外周部と対向する領域の厚みが厚くな
   っていることを特徴とする請求項１に記載の電子写真式
   プリンタ。