JPH08215536A - 無触媒脱硝方法 - Google Patents

無触媒脱硝方法

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JPH08215536A
JPH08215536A JP7024379A JP2437995A JPH08215536A JP H08215536 A JPH08215536 A JP H08215536A JP 7024379 A JP7024379 A JP 7024379A JP 2437995 A JP2437995 A JP 2437995A JP H08215536 A JPH08215536 A JP H08215536A
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JP
Japan
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urea
exhaust gas
urea water
nox
amount
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Application number
JP7024379A
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English (en)
Inventor
Gentaro Takasuka
玄太郎 高須賀
Shinseki Itaya
真積 板谷
Mitsuhiko Hamai
満彦 浜井
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BLUE NOTSUKUSU JAPAN KK
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
BLUE NOTSUKUSU JAPAN KK
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新たな大気汚染の原因となるリークアンモニ
ア量を低減することができる無触媒脱硝方法を提供す
る。 【構成】 ごみ焼却炉1から排出される、NOxおよび
塩素含有成分(HCl)を含む排ガスGに尿素水を導入
してNOxを還元除去する無触媒脱硝方法において、排
ガスGに尿素水を導入してNOxを還元した後、100
〜250℃に冷却し、その後、消石灰または生石灰を導
入して塩素含有成分を中和し、還元および中和反応後の
排ガスGをバグフィルタ装置4に導入し、バグフィルタ
(濾布)に堆積した中和塩と未反応石灰との混合堆積層
で未反応のNH3を捕捉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無触媒脱硝方法に係
り、特に都市ごみ、産業廃棄物等を焼却処理するごみ焼
却炉から排出される排ガス中の窒素酸化物(以下、単に
NOxともいう)濃度を低減する、脱硝触媒を用いない
無触媒脱硝方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に排ガスの脱硝方法は、触媒式と無
触媒式とに大別され、無触媒脱硝法は、触媒脱硝法に較
べるとNOx濃度低減効果は劣るものの、設備が簡単で
ランニングコストが安価で、しかもダーティーガスにも
充分対応できることから、50ppm程度のNOx排出
基準が適用される都市ごみ焼却処理施設等で好適に採用
されている。
【0003】図5は、従来の無触媒脱硝方法を示す装置
系統図である。この装置は、流動床式焼却炉21と、該
焼却炉21の後流に順次設けられたガスクーラ30、空
気予熱器22、電気集じん機23、誘引ファン24およ
び煙突25と、前記流動床式焼却炉21に1次空気を供
給する送風機26、2次または3次空気を供給する送風
機27と、還元剤として尿素水を前記焼却炉21の火炉
空塔部に噴霧する尿素水噴霧ノズル29とから主として
構成されている。28は焼却炉21のごみ供給口であ
る。
【0004】ごみ供給口28から流動床式焼却炉21に
投入された、例えば都市ごみは送風機26によって供給
される1次空気と混合して流動床を形成しつつ燃焼し、
次いで2次空気または3次空気と混合して完全燃焼し、
例えば950℃の排ガスGが発生する。このとき焼却炉
21の空塔部に設けられた尿素水噴霧ノズル29から尿
素水が噴霧され、尿素が分解したアンモニア(NH3
などの還元剤と排ガス中のNOxとが反応し、NOx
が、例えばN2に還元される。脱硝反応後の排ガスは、
後流のガスクーラ30および空気予熱器22に流入し、
例えば300℃に冷却されたのち電気集じん機23に流
入して除塵され、その後、煙突25から大気に放出され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術は、集じん装置として電気集じん機を用いている
ために、排ガス中の煤塵等の固形物を除去することはで
きるが、尿素化合物を用いた脱硝反応に寄与しなかっ
た、未反応のNH3(リークアンモニアともいう)を除
去することができず、塩化アンモニウムによる白煙の原
因となっていた。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、高い脱硝率が得られるうえ、新たな大気汚染源
となるリークアンモニア量を低減することができる、排
ガスの無触媒脱硝方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)ごみ焼却炉から排出される、窒素酸化物およびそ
の他の酸性成分を含む排ガスに還元剤を導入して前記窒
素酸化物を還元除去する無触媒脱硝方法において、前記
排ガスに還元剤を導入して窒素酸化物を還元した後、1
00〜250℃に冷却し、次いでアルカリ剤を導入して
前記その他の酸性成分を中和し、還元および中和反応後
の排ガスを濾過式集じん器に導入し、該濾過式集じん器
の炉材に堆積した前記中和反応の生成物と未反応アルカ
リ剤との混合堆積層で未反応の前記還元剤を捕捉するこ
とを特徴とする無触媒脱硝方法。
【0008】(2)ごみ焼却炉から排出される、窒素酸
化物および塩素含有成分を含む排ガスに尿素水を導入し
て前記窒素酸化物を還元除去する無触媒脱硝方法におい
て、前記排ガスに尿素水を導入して尿素が分解したアン
モニアで窒素酸化物を還元した後、100〜250℃に
冷却し、次いで石灰化合物を導入して該石灰化合物で前
記塩素含有成分を中和し、還元および中和反応後の排ガ
スをバグフィルタ装置に導入し、該バグフィルタ装置の
濾布に堆積した前記中和反応の生成物と未反応石灰化合
物との混合堆積層で未反応のアンモニアを捕捉すること
を特徴とする無触媒脱硝方法。
【0009】(3)火炉空塔部に2次空気の供給口を有
するごみ焼却炉から排出される、窒素酸化物および塩素
含有成分を含む排ガスに尿素水を導入して前記窒素酸化
物を還元除去する無触媒脱硝方法において、前記排ガス
に、前記火炉空塔部の2次空気供給口の前流側と後流側
とからそれぞれ尿素水を導入し、尿素が分解したアンモ
ニアで窒素酸化物を還元した後、100〜250℃に冷
却し、次いで石灰化合物を導入して該石灰化合物で前記
塩素含有成分を中和し、還元および中和反応後の排ガス
をバグフィルタ装置に導入し、該バグフィルタ装置の濾
布に堆積した前記中和反応の生成物と未反応石灰化合物
との混合堆積層で未反応のアンモニアを捕捉することを
特徴とする無触媒脱硝方法。
【0010】(4)前記2次空気供給口の前流側におけ
る尿素水噴霧量がべースNOx量に対する尿素の当量比
で0.25〜1.0となる量で、2次空気供給口の後流
側における尿素水噴霧量がべースNOx量に対する尿素
の当量比で0.25〜1.5となる量で、しかも前記2
次空気供給口の前後における合計の尿素水噴霧量がべー
スNOx量に対する尿素の当量比で0.5〜2.5とな
るように前記尿素水を噴霧することを特徴とする(3)
記載の無触媒脱硝方法。
【0011】
【作用】ごみ焼却炉から排出される、NOxおよび塩化
水素をはじめとする酸性成分を含有する排ガスに還元剤
として尿素水を導入して前記NOxを還元した後、排ガ
スを100〜250℃に冷却し、次いでアルカリ剤とし
て石灰化合物、例えば生石灰を導入して酸性成分を中和
し、還元および中和反応後の排ガスを濾過式集じん器、
例えばバグフィルタ装置に導入することにより、前記中
和反応で生成した中和塩および未反応の石灰化合物の混
合物が前記バグフィルタの濾布表面で捕集されて堆積す
る。この中和塩と未反応石灰化合物との混合堆積層を、
中和反応および還元反応後の排ガスが通過する際に、該
排ガスに含まれる、前記尿素水が分解した未反応の、例
えばNH3が捕捉される。
【0012】本発明において、ベースNOx量とは、尿
素を噴霧しない、無対策時の焼却炉出口NOx濃度(ベ
ースNOx値)に基いて求めた排ガスに含まれるNOx
の絶対量をいう。従ってベースNOx量は下式で表され
る。 ベースNOx量=(ベースNOx値)×(排ガス流量) 本発明において、排ガス中の未反応NH3が濾過式集じ
ん器の炉材表面に堆積した中和塩と未反応石灰化合物と
の混合堆積層で捕捉されるメカニズムは必ずしも明らか
ではないが、前記混合堆積層に、未反応のまま排ガス中
に残留する酸性成分、例えばHClが流入し、該HCl
が前記混合堆積層の未反応石灰化合物と反応する前に、
同様にして混合堆積層に流入する未反応NH3と接触し
て反応し、例えば塩化アンモニウムとして固定する、か
または混合堆積層に流入した未反応のNH3またはNH3
含有成分が物理的に前記混合堆積層に付着もしくは吸着
するものと考えられる。
【0013】本発明においてごみ焼却炉は、都市ごみ、
産業廃棄物等を焼却処理するごみ焼却炉であり、例えば
流動床式焼却炉、ストーカ式焼却炉があげられるが、特
に限定されない。本発明において、尿素は水溶液として
用いられることが好ましいが、固体のまま使用すること
もできる。尿素水を用いた場合、下記式(1)のよう
に、1モルの尿素から2モルのアンモニアが生成すると
考えられる。
【0014】 H2NCONH2+H2O→2NH3+CO2 …(1) 一方、固体の尿素は下記式(2)に示すように、1モル
のNH3と1モルのHNCOとに分解すると考えられ、
NH3ともにNOxの還元剤となる。 H2NCONH2→NH3+HNCO …(2) 尿素とNOxとの実際の反応は複雑であるが、下記基礎
反応式(3)で表すことができる。
【0015】 4NO+2CO(NH22+O2→4N2+2CO2+4H2O…(3) 従って、例えばNO(一酸化窒素)1モルに対して尿素
0.5モルが還元剤としてはたらくので、NO(一酸化
窒素)1モルに対して尿素0.5モルを1当量とみな
し、あらかじめ測定した排ガス中のNOx濃度とガス量
の平均値からNOx量を求め、このNOx量に対する尿
素の当量比が決定される。NOxに対する尿素の当量比
は0.5〜3.0、好ましくは0.8〜1.5である。
【0016】本発明において、脱硝反応の最適温度は、
例えば950〜1050℃、その反応時間は、例えば
0.1〜0.6秒である。従って、NH3源としての尿
素水は最適排ガス温度である火炉空塔部に、例えば多段
に噴霧される。本発明において、排ガスに含まれる酸性
成分としては、例えば塩化水素、硫化水素等があげら
れ、またアルカリ剤としては石灰化合物である、例えば
消石灰、生石灰、炭酸カルシウム等があげられる。還元
反応後の排ガスは、例えばガス冷却塔、空気予熱器等を
経て冷却された後、アルカリ剤が導入されてその他の酸
性成分が除去され、次いで後流の濾過式集じん器に流入
する。排ガスの冷却温度は100〜250℃、好ましく
は120〜180℃である。温度が高すぎると、例えば
排ガスに含まれるダイオキシン等の有機塩素化合物量を
低減することができず、一方、温度が低すぎるとミスト
が発生して炉材が詰まる原因となる。濾過式集じん器と
しては、例えばバグフィルタ装置があげられる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。図1は、本発明の一実施例を示す無触媒脱硝方
法の装置系統図である。この装置は、流動床式焼却炉1
と、該焼却炉1の排ガス煙道に順次設けられた水噴射式
のガス冷却塔2、空気予熱器3、バグフィルタ装置4、
誘引送風機5および煙突6と、前記焼却炉1に設けられ
たごみ投入口10、尿素水噴霧ノズル11、12、13
および14と、これら尿素水噴霧ノズルに接続された、
尿素水、希釈水および空気のミキシングユニット9とか
ら主として構成されている。7および8はそれぞれ1次
空気および2次空気の送風機、17はアルカリ剤噴霧ノ
ズル、31はミキシングユニットに設けられたメインコ
ントローラである。
【0018】このような構成において、ごみ投入口10
から流動床式焼却炉1に定量的に投入される、例えば都
市ごみは1次送風機7および空気予熱器3を経てごみ焼
却炉1の底部に流入し流動床を形成する1次空気15と
混合して燃焼し、次いで空塔部16に供給される2次空
気または3次空気と混合して完全燃焼し、燃焼排ガスG
が発生する。このとき流動床式焼却炉1の火炉空塔部1
6にガス流れ方向に沿って順次設けられた尿素水噴霧ノ
ズル11、12、13および/または14から、ミキシ
ングユニット9によって混合された、例えば40%の尿
素水と水および空気の混合物が排ガス中の全NOx量に
対する尿素の当量比が、例えば1.5となる条件で火炉
内に噴霧される。火炉内に噴霧された尿素は分解してN
3となり、このNH3と燃焼排ガスGに含まれるNOx
とが反応してNOxが、例えばN2に還元される。
【0019】このようにしてNOxが還元除去された燃
焼排ガスGは、ガス冷却塔2および空気予熱器3を経
て、例えば180℃に冷却された後、アルカリ剤噴霧ノ
ズル17から噴霧されるアルカリ剤、例えば生石灰(C
aO)と混合し、燃焼排ガスGに含まれる、例えば塩化
水素(HCl)の一部が前記CaOと反応した中和塩と
して固定される。還元および中和反応後の排ガスは、次
いで後流のバグフィルタ装置4に流入し、ここでダスト
等の固形分、中和塩および中和反応に関与しなかった未
反応の生石灰がバグフィルタ(濾布)で捕集されて該濾
布面上に堆積する。濾布に堆積した中和塩および未反応
の生石灰を含む混合堆積層を、還元および中和反応後の
排ガスGが通過する際に、該排ガスGに未反応のまま存
在するHClが、前記混合堆積層の生石灰(CaO)と
反応して中和塩として固定される。このとき、排ガスG
に含まれる、脱硝反応後の未反応のNH3も前記混合堆
積層に流入し、中和反応が完了する前のHClと反応し
て、例えば塩化アンモニウムとして固定され、排ガスG
から分離されると考えられる。このようにしてNOx、
酸性成分であるHCl、未反応の中和剤であるCaOお
よび還元剤であるNH 3が除去された浄化排ガスGはバ
グフィルタ装置4から流出し、誘引送風器5を経て煙突
6から大気に放散される。
【0020】本実施例によれば、燃焼排ガス中に、NH
3生成成分として尿素水を噴霧してNOxを還元除去す
るとともに、未反応のNH3を、排ガスGに含まれる酸
性成分(HCI)と中和剤(CaO)とが反応した中和
塩(CaCl2)と未反応のアルカリ剤(CaO)との
混合堆積層を通過する間に捕捉することができるので、
脱硝反応後のリークアンモニア量を効果的に低減するこ
とができる。また未反応NH3を効果的に除去できるこ
とから、NH3源としての尿素の添加量を比較的多くす
ることができ、同一リークアンモニア量で比較すると従
来方法に較べて脱硝率を向上させることができる。
【0021】本実施例において、ミキシングユニット9
としては、空気圧力、噴霧水量、尿素量等の噴霧条件を
メインコントローラ31で設定、制御するシステムが好
適に使用される。次に本発明の具体的実施例を説明す
る。 実施例1 40ton/16hのごみ処理能力を有する、前記図1
の流動床式焼却炉1の空塔部16を通過する850〜9
50℃の燃焼排ガス中のNOx量に対し、噴霧尿素の当
量比が1.5〜3.0となるように、尿素水の噴霧量を
段階的に変化させながら後流のバグフィルタ入口におけ
るNOxの濃度変化を求めた。なお、アルカリ剤として
はCa(OH)2を用い、その添加量は排ガス中の全H
Cl量に対してモル比で1.5とした。
【0022】図2は、尿素添加当量に対するバグフィル
タ入口のNOx濃度変化をO212%換算値で示したも
のである。図2において、無対策時に約60〜80pp
mあったNOx濃度が約30〜40ppmに低減されて
いることが分かる。なお、NOx濃度の測定は、化学発
光式のNOx計で連続測定し、尿素水噴霧前後のベース
NOx値と比較して脱硝率を求めた。ここでベースNO
x値とは尿素を噴霧しない時のNOx濃度をいう。
【0023】図3は、本実施例における尿素の噴霧当量
と脱硝率との関係を示す図である。図3において、尿素
噴霧当量比を1.5以上に増やしても脱硝率はそれほど
向上していないことが分かる。これは当量比1.5付近
ですでに本無触媒脱硝方法におけるNOx低減限界に到
達したものと考えられる。従って、本実施例において、
全NOx量に対する尿素噴霧当量比は0.5〜3.0、
特に0.8〜1.5当量が好ましい。
【0024】表1は、本実施例における、NOx量に対
する噴霧尿素の当量比とバグフィルタの入口と出口にお
ける燃焼排ガス中のアンモニア濃度およびその時の脱硝
率を示したものである。
【0025】
【表1】 表1において、バグフィルタの入口よりも出口の方が明
らかにアンモニア濃度が低減されており、バグフィルタ
によるアンモニア捕捉効果が高いことが分かる。バグフ
ィルタ入口におけるNH3濃度は3〜43ppmであっ
たが、全ての尿素噴霧当量においてバグフィルタ出口N
3量、すなわちリークアンモニア量は15ppmを下
回っていた。リークアンモニア量は尿素吹込位置が火炉
空塔部の上流側になるほど低下する傾向にあった。
【0026】図4は、本発明の他の実施例に用いられる
流動床式焼却炉の要部を示す説明図である。図におい
て、流動床式焼却炉1の火炉空塔部16に設けられた2
次空気供給口20の、例えば2m前流の位置L1に第1
尿素水噴霧ノズル18が、また、例えば1m後流の位置
2に第2尿素水噴霧ノズル19がそれぞれ設けられて
いる。
【0027】このような構成の焼却炉において、焼却炉
1の流動層から発生した、2次空気と混合する前の、例
えば850〜950℃の可燃性分解ガスG2に第1尿素
水噴霧ノズル18から、また可燃性分解ガスG2が2次
空気と混合して燃焼した後の燃焼排ガスG3に第2尿素
水噴霧ノズル19からそれぞれ尿素水が噴霧され、尿素
水の2段階噴霧よる排ガス脱硝処理が行われる。なお、
脱硝反応後の排ガスの冷却、酸性成分の中和および未反
応アンモニアの捕捉等は前述した実施例と同様に行われ
る。
【0028】本実施例によれば、火炉空塔部の2次空気
供給口の前流と後流に窒素酸化物の還元剤として尿素水
を2段階で噴霧することにより、全体としての脱硝効率
が向上し、噴霧尿素当量を節約することができる。次
に、具体的実施例を説明する。 実施例2 図4の流動床式焼却炉1の流動層から発生し、例えば2
m/secで空塔部16を流通する、2次空気に接触す
る前の可燃性分解ガスG2に対し第1尿素水噴霧ノズル
18から、ベースNOx値に基いて求めた全NOx量
(以下、ベースNOx量という)に対する尿素の当量比
が0.25〜1.0となる範囲で尿素水を噴霧し、次い
で、2次空気と混合して燃焼した排ガスG3に対し同じ
くベースNOx量に対する尿素の当量比が0.25〜
1.5となる範囲で、しかもベースNOx量に対する全
尿素の当量比の合計が0.5〜2.5となる範囲で尿素
水を2段階で噴霧したところ、ベースNOx量に対する
脱硝率は50%であった。
【0029】ここで、ベースNOx値とは、尿素を噴霧
しない、無対策時の焼却炉出口NOx濃度をいい、ベー
スNOx量とは、前記ベースNOx値と排ガス流量とか
ら求めた、無対策時の排ガスに含まれるNOxの絶対量
をいう。なお、本実施例において尿素の噴霧位置を空塔
部のガス流を基準としてとらえると、流動層から発生し
た可燃性分解ガスが2次空気と接触する1秒前に1段目
の尿素水が噴霧され、2次空気と接触したのち0.5秒
後に2段目の尿素水が添加されたことになる。
【0030】実施例3 第1尿素水噴霧ノズルから尿素水を噴霧しないで、尿素
水の噴霧を第2尿素水噴霧ノズルからのみとし、ベース
NOx量に対する尿素の当量比が1.0〜1.5となる
ように尿素水を噴霧した以外は前記実施例2と同様にし
て排ガスを脱硝処理したところ、ベースNOx量に対す
る脱硝率は30%であった。
【0031】実施例2および3における脱硝率と必要尿
素当量との関係を表2に示した。
【0032】
【表2】 表2において、焼却炉出口における全体の脱硝率として
50%が要求される場合は尿素水を2段階で噴霧する必
要があるが、脱硝率30%が要求される場合は1段の尿
素噴霧で十分であることが分かる。従って、目標とする
脱硝率に応じて尿素水の噴霧条件を選択することによ
り、最適尿素噴霧当量で効率のよい脱硝処理を行うこと
ができ、尿素使用量の無駄を防止することができる。
【0033】本実施例において、第1尿素水噴霧ノズル
から噴霧される尿素のベースNOx量に対する当量比は
0.25〜1.0、好ましくは0.5〜0.75であ
る。また、第2尿素水噴霧ノズルから噴霧される尿素の
ベースNOx量に対する当量比は0.25〜1.5、好
ましくは0.75〜1.5である。いずれも尿素の当量
比が小さすぎると脱硝率が低下し、尿素の当量が大きす
ぎると尿素が無駄となり、しかも後流におけるNH3
捕捉が困難となるからである。
【0034】なお、本実施例においては、尿素水の吹込
位置が火炉空塔部の上流側になるほど、すなわち尿素が
分解したNH3と接触するNOx含有排ガスのバグフィ
ルタまでの滞留時間が長いほど脱硝率が向上する傾向が
みられた。
【0035】
【発明の効果】本願の請求項1記載の発明によれば、ご
み焼却炉出口排ガスに尿素を添加して排ガス中のNOx
を除去し、所定温度に冷却したのちアルカリ剤を添加し
てその他の酸性成分を除去し、その後、濾過集じん器に
導入し、該濾過式集じん器の炉材に堆積した中和反応生
成物および未反応アルカリ剤の混合堆積層に、還元およ
び中和反応後の排ガスを通過させることにより、前記排
ガス中の未反応還元剤である、例えばNH3を、例えば
酸性成分と反応した中和塩として捕捉することができる
ので、リークアンモニア量を著しく低減することができ
る。
【0036】本願の請求項2記載の発明によれば、還元
および中和反応後の排ガスに残留する未反応のアンモニ
アを、例えば塩化水素と生石灰とが反応した中和塩およ
び未反応の、例えば生石灰との混合堆積層で、例えば塩
化アンモニウムとして捕捉できるので、リークアンモニ
ア量を著しく低減することができる。また同一リークア
ンモニア量で比較すると従来方法に較べて脱硝率が著し
く向上する。
【0037】本願の請求項3記載の発明によれば、2次
空気供給口の前流側と後流側とで2段階に尿素水を噴霧
することにより、NH3源である尿素の均一分散性が向
上するので、上記発明の効果に加え、全体としての脱硝
効率が向上する。本願の請求項4記載の発明によれば、
2次空気供給口の前流側、後流側および全体としての尿
素水添加量をベースNOx量に対する尿素の当量比が所
定範囲となるようにしたことにより、上記発明の効果に
加え必要最小限の尿素当量で効率のよい排ガス脱硝を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である無触媒脱硝方法に適用
される装置系統図。
【図2】実施例の効果を示す図。
【図3】実施例の効果を示す図。
【図4】本発明の別の実施例に適用される装置の要部説
明図。
【図5】従来技術を示す説明図。
【符号の説明】
1…流動床式焼却炉、2…ガス冷却塔、3…空気予熱
器、4…バグフィルタ装置、5…誘引送風機、6…煙
突、7…1次送風機、8…2次送風機、9…ミキシング
ユニット、10…ごみ投入口、11、12、13、14
…尿素水噴霧ノズル、16…火炉空塔部、17…アルカ
リ剤噴霧ノズル、18…第1尿素水噴霧ノズル、19…
第2尿素水噴霧ノズル、20…2次空気供給口、21…
流動床式焼却炉、22…空気予熱機、23…電気集じん
器、24…誘引ファン、25…煙突、26…1次送風
機、27…2次送風機、28…ごみ供給口、29…尿素
水噴霧ノズル、30…ガスクーラ、31…メインコント
ローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/40 B01D 53/34 118Z 53/68 134A (72)発明者 板谷 真積 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 浜井 満彦 東京都千代田区九段北2−3−9 ブルー ノックスジャパン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ焼却炉から排出される、窒素酸化物
    およびその他の酸性成分を含む排ガスに還元剤を導入し
    て前記窒素酸化物を還元除去する無触媒脱硝方法におい
    て、前記排ガスに還元剤を導入して窒素酸化物を還元し
    た後、100〜250℃に冷却し、次いでアルカリ剤を
    導入して前記その他の酸性成分を中和し、還元および中
    和反応後の排ガスを濾過式集じん器に導入し、該濾過式
    集じん器の炉材に堆積した前記中和反応の生成物と未反
    応アルカリ剤との混合堆積層で未反応の前記還元剤を捕
    捉することを特徴とする無触媒脱硝方法。
  2. 【請求項2】 ごみ焼却炉から排出される、窒素酸化物
    および塩素含有成分を含む排ガスに尿素水を導入して前
    記窒素酸化物を還元除去する無触媒脱硝方法において、
    前記排ガスに尿素水を導入して尿素が分解したアンモニ
    アで窒素酸化物を還元した後、100〜250℃に冷却
    し、次いで石灰化合物を導入して該石灰化合物で前記塩
    素含有成分を中和し、還元および中和反応後の排ガスを
    バグフィルタ装置に導入し、該バグフィルタ装置の濾布
    に堆積した前記中和反応の生成物と未反応石灰化合物と
    の混合堆積層で未反応のアンモニアを捕捉することを特
    徴とする無触媒脱硝方法。
  3. 【請求項3】 火炉空塔部に2次空気の供給口を有する
    ごみ焼却炉から排出される、窒素酸化物および塩素含有
    成分を含む排ガスに尿素水を導入して前記窒素酸化物を
    還元除去する無触媒脱硝方法において、前記排ガスに、
    前記火炉空塔部の2次空気供給口の前流側と後流側とか
    らそれぞれ尿素水を導入し、尿素が分解したアンモニア
    で窒素酸化物を還元した後、100〜250℃に冷却
    し、次いで石灰化合物を導入して該石灰化合物で前記塩
    素含有成分を中和し、還元および中和反応後の排ガスを
    バグフィルタ装置に導入し、該バグフィルタ装置の濾布
    に堆積した前記中和反応の生成物と未反応石灰化合物と
    の混合堆積層で未反応のアンモニアを捕捉することを特
    徴とする無触媒脱硝方法。
  4. 【請求項4】 前記2次空気供給口の前流側における尿
    素水噴霧量がべースNOx量に対する尿素の当量比で
    0.25〜1.0となる量で、2次空気供給口の後流側
    における尿素水噴霧量がべースNOx量に対する尿素の
    当量比で0.25〜1.5となる量で、しかも前記2次
    空気供給口の前後における合計の尿素水噴霧量がべース
    NOx量に対する尿素の当量比で0.5〜2.5となる
    ように前記尿素水を噴霧することを特徴とする請求項3
    記載の無触媒脱硝方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6761868B2 (en) 2001-05-16 2004-07-13 The Chemithon Corporation Process for quantitatively converting urea to ammonia on demand
US6887449B2 (en) 2002-11-21 2005-05-03 The Chemithon Corporation Method of quantitatively producing ammonia from urea

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