JPH08215533A - 気液分離室付き脱臭装置 - Google Patents

気液分離室付き脱臭装置

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JPH08215533A
JPH08215533A JP7326678A JP32667895A JPH08215533A JP H08215533 A JPH08215533 A JP H08215533A JP 7326678 A JP7326678 A JP 7326678A JP 32667895 A JP32667895 A JP 32667895A JP H08215533 A JPH08215533 A JP H08215533A
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JP
Japan
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gas
adsorbent
liquid
separation chamber
liquid separation
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Withdrawn
Application number
JP7326678A
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English (en)
Inventor
Motoya Mori
元哉 毛利
Wataru Araya
渉 荒谷
Tatsuro Takeuchi
辰郎 竹内
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
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  • Treating Waste Gases (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトでありながら、排気から分離した
多量の液体成分で吸着剤を汚損せず、吸着剤の性能を十
分に活用し、しかも適切な時期に吸着剤を交換できる、
気液分離室付き脱臭装置を提供する。 【解決手段】 気液分離室(16)に排気導入部(17)と液体
貯溜部(18)とを上下に設ける。液体貯溜部(18)に開口し
た排液口(21)を、Uトラップ(22)を介して外部に連通可
能に構成する。排気導入部(17)の上部を吸着室(25)に連
通連結する。吸着剤(27)の収容部(28)乃至それよりも下
流側に有害ガス成分の吸着により変色可能な吸着剤(27
b)を配置する。この変色可能な吸着剤(27b)を外部か
ら目視可能に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の排気設備よ
り放出される気体から、異臭ガスや悪臭ガスなどの有害
ガス成分を吸着する脱臭装置に関し、詳しくは、下水管
内に溜まる空気や、発酵槽内や反応槽内の空気など、有
害ガス成分と多量の液体成分とを含む排気を排出する際
に、気液分離するとともに有害ガス成分を吸着し、無害
化して排出するための気液分離室付き脱臭装置に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来、排気を気液分離したのち有害ガス成
分を吸着する気液分離室付き脱臭装置としては、例えば
実公昭58−37457号公報に示すように、気液分離
室とその上方に配置した吸着室とからなり、気液分離室
内に排気導入部と液体貯溜部とを上下に設け、この排気
導入部に排気導入管を連通連結して、有害ガス成分とミ
スト状の液体成分を含む排気を気液分離室内へ導入可能
に構成し、上記吸着室内に有害ガス成分を吸着する吸着
剤を収容するとともに、この吸着剤の収容部よりも上方
に排気口を開口したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、排
気に少量含まれるミスト状の液体成分を分離したのち、
有害ガス成分を吸着し、排気を無害化して外部へ排出す
ることができるが、次の問題点がある。
【0004】 液体貯溜部は排水弁で封止されて貯溜
した液体が外部に流出しないため、例えば下水管内から
の排気のように飛沫状の液体を多量に含む場合、排気か
ら分離される液体が多量になって液体貯溜部の液面が上
昇し、排気導入管の開口を閉塞してバブリングにより多
量の飛沫を発生したり、上部の吸着剤収容部に液体が侵
入したりして吸着剤を汚損し、吸着性能を著しく低下さ
せる虞れがある。これを防ぐため液体貯溜部の容積を大
きくすると、気液分離室付き脱臭装置が大形化し、例え
ばマンホール内など、狭い空間での設置が困難となるほ
か、排気中の液体含有量が多い場合には必要とされる液
体貯溜部の容積が大きくなり過ぎて現実的な設計ができ
ない。
【0005】 吸着剤は、有害ガス成分を吸着するほ
ど吸着性能が低下するが、吸着量の推移が外部から判別
できないため、吸着性能が低下しきった吸着剤の交換が
遅れて効果的に脱臭できなくなる虞れがある。これを防
ぐため、早めの時期に定期的に吸着剤を交換する場合に
は、未だ吸着性能の高い吸着剤を交換することになり、
吸着剤の性能を十分に活用することができない。
【0006】本発明は上記問題点を解消し、コンパクト
にしながら、液体成分を多量に含む排気であっても分離
した液体で吸着剤を汚損することがなく、しかも、吸着
剤の性能を十分に活用するとともに、吸着性能が低下し
きる前に吸着剤の交換が可能となる、気液分離室付き脱
臭装置を提供することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、例えば図1〜図4に示すように、気液分離
室付き脱臭装置を次のように構成したものである。即
ち、気液分離室(16)とこれに連通連結した吸着室(25)と
を備え、上記気液分離室(16)に排気導入部(17)と液体貯
溜部(18)とを上下に設け、この排気導入部(17)に排気導
入管(14)を連通連結して、有害ガス成分と多量の液体成
分とを含む排気を気液分離室(16)内へ導入可能に構成
し、上記液体貯溜部(18)に排液口(21)を開口して、この
排液口(21)をUトラップ(22)を介して気液分離室(16)の
外部に連通可能に構成し、上記吸着室(25)の下部開口(2
6)を排気導入部(17)の排気導入管(14)よりも上部に連通
連結し、この吸着室(25)内に有害ガス成分を吸着する吸
着剤(27)を収容するとともに、この吸着剤(27)の収容部
(28)よりも上方に排気口(29)を開口し、上記吸着剤(27)
の収容部(28)乃至それよりも下流側に有害ガス成分の吸
着により変色可能な吸着剤(27b)を配置し、この変色可
能な吸着剤(27b)を外部から目視可能に構成したことを
特徴とするものである。
【0008】上記吸着室に収容される吸着剤としては、
一般的に使用される吸着剤であれば何でもよく、例え
ば、活性炭や、各種化学物質を担持させた添着活性炭、
或いは微生物や酵素を担持させた活性炭などが使用でき
る。また、無機系の吸着剤としては、ゼオライト、活性
白土、シリカゲル、アルミナゲルや、酸化亜鉛、酸化
銅、酸化マグネシウム、酸化鉄などの金属酸化物(水和
酸化物でもよい)が挙げられ、有機系の吸着剤として
は、イオン交換樹脂などが使用できる。これらの吸着剤
は、吸着すべき有害ガスの種類等に応じて適宜1種また
は2種以上の混合物が用いられる。例えば、下水管から
放出される気体には硫黄系の物質が多く含まれており、
このような場合にはヨウ化カリウム添着活性炭や酸化銅
が適している。
【0009】なお、上記吸着剤の形状は球状やペレット
状などいずれの形状であってもよいが、排気の通過速度
が速い場合や、圧力損失を低く抑える必要がある場合に
は、ハニカム形状が好ましい。
【0010】また、収容部(28)乃至それよりも下流側に
有害ガス成分の吸着により変色可能な吸着剤(27b)を配
置するとは、上記吸着剤(27)のうち少なくとも収容部(2
8)の上端に配置した吸着剤(27)を変色可能な吸着剤(27
b)で構成することや、排気口(29)の内部に変色可能な
吸着剤(27b)を充填配置したり、収容部(28)から延設し
たバイパスに変色可能な吸着剤(27b)の充填層を付設し
たりすることをいう。
【0011】上記有害ガス成分の吸着により変色可能な
吸着剤とは、有害ガス成分によって種類が異なるが、例
えばアンモニア成分や硫化水素成分などと反応して変色
するものが用いられ、銅、鉄、コバルト、ニッケル、ク
ロムなどの金属の化合物が使用できる。
【0012】例えば、硫化水素系の有害ガスの場合に
は、チタン、ジルコニウム、スズなどの四価金属のリン
酸塩(特に水不溶性リン酸塩など)と、銅、鉄、コバル
ト、ニッケルなどの二価金属の水酸化物とを含有する混
合ゲル状の組成物が好適であり、チタンのリン酸塩と銅
の水酸化物を含有する混合ゲル状吸着組成物は、有害ガ
ス成分の吸着により当初の青色から茶色へ明瞭に変色す
る。なお、この混合ゲル状吸着組成物には更に二酸化ケ
イ素を配合してもよい。また、その他の変色可能な吸着
剤として、青色から緑色に変色する水酸化銅、緑色から
濃緑色に変色する水酸化コバルト、水酸化ニッケル等が
挙げられる。
【0013】上記液体貯溜部には抗菌剤を配置しておく
ことができる。この抗菌剤は、液体成分の種類により適
宜選択することができ、例えば本発明装置を下水管から
の排気に適用した場合には、銀、銅、亜鉛などを含む無
機系の抗菌剤が挙げられ、チタンやジルコニウムの水不
溶性リン酸塩と銅の水酸化物との混合物に銀を担持させ
たもの、チタンやジルコニウムの水不溶性リン酸塩と亜
鉛の水酸化物との混合物に銀を担持させたもの、水溶性
ガラスに銀を担持させたもの、ゼオライトやアパタイト
に銀を担持させたものなどがある。また、含窒素硫黄
系、イミダゾール系、安息香酸エステル系、フェノール
系などの有機系の抗菌剤も使用できる。
【0014】これらの抗菌剤は、固形状のものはペレッ
ト状にして液体貯溜部に直接投入してもよく、また、粉
末やペレット状のものを袋に詰めて投入してもよい。ま
た、液体貯溜部の容器内面にコーティングして使用する
こともできる。抗菌剤が液状のものは固体に担持して同
様に用いられる。
【0015】
【作用】排気から分離される液体が多量になると、液体
貯溜部に開口した排液口から液体成分のみが排出され、
液体貯溜部の液面が所定位置から上昇することがない。
また、上記排液口はUトラップを介して気液分離室の外
部に連通してあるので、有害ガス成分を含む排気はこの
排液口から外部へ流出することがなく、吸着室へ案内さ
れる。
【0016】収容部乃至それよりも下流側に配置した有
害ガス成分の吸着により変色可能な吸着剤は、有害ガス
成分を吸着することにより、吸着性能の低下とともに変
色が進むことになり、しかも、この吸着剤が吸着剤全体
の下流側部分に配置されていることから、この吸着剤の
変色度合いを観察することにより、吸着剤全体による有
害ガス成分の吸着量の推移が判別される。
【0017】有害ガス成分の吸着により変色可能な吸着
剤を、四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸化物とを含
有する混合ゲル吸着剤で構成した場合には、硫化水素系
の有害ガスを良好に吸着することができる。特に、チタ
ンのリン酸塩と銅の水酸化物を含有する混合ゲル吸着剤
で構成した場合には、有害ガス成分の吸着力が高く、耐
久性があり、吸着により当初の青色から茶色へ明瞭に変
色する。
【0018】有害ガス成分の吸着により変色可能な吸着
剤を、チタンのリン酸塩と、銅の水酸化物と、二酸化ケ
イ素とを含有する複合吸着剤で構成した場合には、BE
T表面積が大きく、吸着力もより大きくなる。
【0019】また、液体貯溜部に抗菌剤を配置した場合
には、液体貯溜部で微生物の繁殖を抑えることができ
る。この抗菌剤を、チタンやジルコニウムのリン酸塩と
銅又は亜鉛の水酸化物との混合物に、銀を担持させた組
成物で構成した場合には、微生物による液体貯溜部に貯
溜した液からの有害ガスの発生が抑えられる。
【0020】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1は本発明の実施の形態1を示し、下水
管の空気弁に付設した、気液分離室付き脱臭装置の縦断
面図である。
【0021】図1に示すように、下水管(1)内では、ポ
ンプ等で下水を送る際に巻き込んだ空気を排出できるよ
うに空気弁(2)を設けてあり、この空気弁(2)の排気管
(3)に気液分離室付き脱臭装置(10)の排気導入管(14)を
連通連結してある。
【0022】上記空気弁(2)は、弁箱(4)内にフロート
(5)を収容してあり、下水管(1)中の空気がこの弁箱
(4)内の空気溜まり(6)に集まると、弁箱(4)内の液面
(7)を押し下げるとともにフロート(5)が低下し、上部
の弁体が開弁作動する。この結果、弁箱(4)内の空気は
下水管(1)内の水圧で押し上げられ、上部の排気管(3)
から排気となって排出される。そして、弁箱(4)内の空
気が排出されると、フロート(5)が上昇して弁体が閉弁
作動し、空気弁(2)からの排出が停止される。
【0023】上記空気弁(2)からの排気は、下水管(1)
内の水圧が高いことから空気弁(2)から勢い良く排出さ
れ、この排気にかなりの量の下水が飛沫となって含まれ
ることになる。この排気に含まれる飛沫の量は、下水を
送る条件等により異なるが、例えば1日当たり1リット
ル程度となる。
【0024】また、下水からは微生物の作用により硫黄
系やアンモニア系の有害ガスが発生しており、従って、
上記空気弁(2)から排出される排気には上記多量の液体
成分とともに、これらの有害ガス成分も含まれる。これ
らの有害ガス成分や、飛沫となって含まれる多量の液体
成分は、前記排気管(3)に連通連結した気液分離室付き
脱臭装置(10)で排気から除去される。
【0025】即ち、この気液分離室付き脱臭装置(10)
は、上下を蓋した円筒形の本体(11)内の下部に気液分離
室(16)を、その上部に吸着室(25)をそれぞれ設けてあ
り、気液分離室(16)に排気導入部(17)とその下方に液体
貯溜部(18)とを設けてある。なお、符号(8)は気液分離
室付き脱臭装置(10)を空気弁(2)に支持するためのステ
ーを示し、本体(11)の上蓋(12)をこのステー(8)に容易
に着脱できるように係止してある。
【0026】上記排気導入部(17)には本体(11)の周壁を
貫通させて排気導入管(14)を突入させてあり、この排気
導入管(14)を上記空気弁(2)の排気管(3)に急速継手
(9)を介して連結してある。この排気導入管(14)には、
排気導入部(17)内で下壁に連通孔(15)を開口するととも
に、その先端を閉塞してある。
【0027】上記液体貯溜部(18)には底蓋部(13)にオー
バーフロー管(19)を貫通して立設するとともに、ドレン
管(20)を付設してある。このオーバーフロー管(19)の上
端は排液口(21)として開口してあり、また下端をUトラ
ップ(22)を介して気液分離室(16)の外部に連通してあ
る。このUトラップ(22)には、あらかじめ水を入れてあ
る。なお、この液体貯溜部(18)には、銀を含む無機系の
チタンやジルコニウムの水不溶性リン酸塩と銅又は亜鉛
の水酸化物に銀を担持させ、直径5mmのペレット状に形
成して袋に詰めた抗菌剤(43)を投入してある。この抗菌
剤(43)により、微生物による発酵が防止され、貯溜した
液からの有害ガスの発生が抑えられる。
【0028】一方、上記気液分離室(16)の上端には斜め
上向き通路を多数設けたウォーターセパレータ(23)を配
置してあり、このウォーターセパレータ(23)の上方に、
前記吸着室(25)の下部開口(26)を臨ませてある。
【0029】この吸着室(25)内には、排気中の有害ガス
成分を吸着する吸着剤(27)が、収容部(28)内に上下3段
にして収容してあり、この収容部(28)の上方には、前記
上蓋(12)に排気口(29)を開口してある。なお、符号(30)
は吸着剤(27)を載置するための塩ビ製多孔板を示す。
【0030】上記吸着剤(27)のうち、下段と中段の吸着
剤(27a)はヨウ化カリウムを添着した活性炭で直径5mm
のペレット状に形成してある。一方、上段の吸着剤(27
b)はチタンの水不溶性リン酸塩と銅の水酸化物および
二酸化ケイ素を含有する複合吸着剤で直径5mmの球状に
形成してあり、この上段の吸着剤(27b)は硫黄系の有害
ガス成分の吸着により青色が茶色に変色する。また、上
記収容部(28)の上端には本体(11)の周壁に観察窓(31)を
設けてあり、外部から上記上段の吸着剤(27b)の変色の
度合いを確認できるように構成してある。
【0031】なお、上記実施の形態1では観察窓(31)を
本体(11)の周壁に設けたが、上蓋(12)に形成して上方か
ら目視できるように構成してもよく、また、本体(11)の
周壁全体を透明材料で構成して変色可能な吸着剤(27b)
を外部から目視可能に構成してもよい。
【0032】また、上記変色可能な吸着剤(27b)は、排
気口(29)の内部に充填してこの充填部分を外部から目視
可能に構成してもよい。さらには、吸着剤(27)を通過し
た排気の一部をバイパスで装置外部へ案内し、このバイ
パスに変色可能な吸着剤(27b)の充填層を付設してこの
充填層を外部から目視可能に構成することも可能であ
る。
【0033】なお、上記実施の形態1では上段の吸着剤
のみを変色可能な吸着剤(27b)で構成したが、吸着剤全
体を変色可能に構成してもよい。
【0034】次にこの実施の形態1の装置の作用を説明
する。空気弁(2)から気液分離室(16)内へ導入される排
気は、排気導入管(14)に開口した連通孔(15)から下方の
液体貯溜部(18)に向けて送り出される。そして、排気の
うち、液体成分はそのまま直進して液体貯溜部(18)に受
け止められ、この液体貯溜部(18)に貯留し、この液体貯
溜部(18)の液面(24)が所定の高さに達するとオーバーフ
ロー管(19)の排液口(21)から外部へ排出される。
【0035】一方、このオーバーフロー管(19)にはUト
ラップ(22)が設けてあり、このUトラップ(22)にはあら
かじめ水を入れてあるため、排気導入部(17)に導入され
た排気は、このオーバーフロー管(19)から外部へ排出さ
れず、底蓋部(13)や液面(24)に跳ね返されて上方へ案内
され、上部のウォーターセパレータ(23)を通過してさら
に水分を除去される。
【0036】なお、このウォーターセパレータ(23)は、
気液分離室(16)で飛沫等の液体成分を分離できれば必ず
しも必要としないが、このウォーターセパレータ(23)を
配置することによりミスト状の細かな水分を十分に分離
でき、上方の収容部(28)に収容した吸着剤(27)の、本来
有する吸着能力の水分に起因する低下を防止することが
できる。
【0037】ウォーターセパレータ(23)を通過した排気
は、収容部(28)を通過する際に有害ガス成分が吸着剤(2
7)に吸着除去され、脱臭し無害化したのち排気口(29)か
ら外部へ排出される。この吸着剤(27)は、有害ガスの吸
着により3カ月から12カ月程度の使用で吸着性能が低
下し、新品に交換する必要があるが、この交換時期は下
水の条件によっても大きく異なる。このため、本発明で
は、本体の側面に設けた観察窓(31)を通して、外部から
上段の吸着剤(27b)の変色度合いを確認し、これによ
り、吸着量の推移、即ち吸着性能の低下度合いが判別さ
れ、適切な時期に交換される。
【0038】即ち、上段の吸着剤(27b)が完全に茶色に
変色すると、もはや所定の吸着性能を有しなくなってい
るので、吸着剤(27)を新品に交換する必要がある。な
お、本実施の形態1では、上蓋(12)をステー(8)に容易
に着脱できるように係止し、排気導入管(14)を空気弁
(2)の排気管(3)に急速継手(9)を介して連結してある
ので、脱臭装置(10)全体を簡単に着脱して取り替えるこ
とができ、メンテナンスを容易に行えるようにしてあ
る。
【0039】図2は、上記実施の形態1の変形例の横断
平面図を示し、排気導入管(14)を本体(11)の周壁に接線
方向に接続して排気導入部(17)に開口したものである。
上記実施の形態1では排気導入管(14)を直管で構成し排
気導入部(17)内へ突入させてあるが、本発明の排気導入
管(14)は排気を排気導入部内に導入するとともに気液を
分離できる構造であればよく、この変形例では排気導入
管(14)から流入する排気(33)が排気導入部(17)で旋回す
るように構成されている。従って、この変形例では、排
気導入部(17)に導入された排気(33)が本体(11)の周壁に
沿って旋回し、液体成分(32)がその遠心力で排気(33)か
ら分離して下方の液体貯溜部に貯留される。
【0040】図3は実施の形態2を示す縦断面図であ
り、気液分離室(16)の横側部に吸着室(25)を配置したも
のである。即ち、この実施の形態2では、気液分離室(1
6)の上壁(34)に連通管(35)の一端を接続し、この連通管
(35)の他端を吸着室(25)の下壁(36)に接続して、吸着室
(25)の下部開口(26)を排気導入部(17)の上部に連通連結
してある。他の構成は上記実施の形態1と同様であり、
上記構成によりこの実施の形態2では、脱臭装置の全高
を低く構成することができる。
【0041】図4は実施の形態3を示し、本発明装置を
活性汚泥処理槽からの排気の処理に適用した場合の説明
図である。この活性汚泥処理槽(37)は、例えば醸造作業
における洗米後の廃液を処理するもので、収容した廃液
(38)内に曝気供給管(39)が配管してある。この活性汚泥
処理槽(37)の上壁(40)には排気管(41)が接続してあり、
この排気管(41)を屋外に配置した気液分離室付き脱臭装
置(10)の排気導入管(14)に連通連結してある。
【0042】この活性汚泥処理槽(37)では、液温が例え
ば30度と比較的高く、排気が低温の屋外に配置された
排気管(41)内を通過する際に結露し、排気管(41)内に多
量の水分(42)を生じる。この結露した水分(42)は、排気
とともに脱臭装置(10)に導入されるが、気液分離室(16)
で分離されたのち、過剰の水分がUトラップ(22)を介し
て気液分離室(16)の外部に排出され、一方、排気は吸着
室(25)で脱臭され無害化されたのち排気口(29)から外部
へ排出される。
【0043】上記実施の形態1〜3では、本発明の気液
分離室付き脱臭装置を下水管の空気弁に付設した場合や
活性汚泥処理槽(37)に付設した場合について説明した
が、本発明装置は、食品工場、飲料工場、醸造所などの
発酵槽からの排気の処理など、他の用途であっても適用
でき、有害ガス成分と多量の液体成分とを含む排気を無
害化して排出できることはいうまでもない。
【0044】
【実施例】上記実施の形態1で説明した気液分離室付き
脱臭装置(10)を、図1に示すように、直径200mmの下
水管(1)に付設された空気弁(2)に取りつけて有害ガス
成分の吸着性能等を観察した。なお、吸着室(25)内に収
容した吸着剤(27)は2リットルである。
【0045】上記空気弁(2)からは1日に約1000リ
ットルの排気が排出されており、この排気中の有害ガス
成分である硫化水素の濃度は50〜500ppmであっ
た。一方、脱臭装置(10)の上記吸着剤(27)の収容部(28)
を通過して排気口(29)から排出された排気中の硫化水素
濃度を測定すると、10ppm以下であった。
【0046】上記気液分離室付き脱臭装置(10)を下水管
(1)に付設された空気弁(2)に取りつけて5カ月経過し
た後、観察窓(31)より内部を目視すると、吸着剤(27b)
が茶色に変色しているのが観察された。そこで吸着剤(2
7)を新しいものと取り替えたが、脱臭装置(10)の内部を
確認したところ、気液分離室(16)で分離された液体成分
は、吸着剤(27)を汚損することなく、オーバーフロー管
(19)から外部へ円滑に排出されているのが観察された。
【0047】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され作用する
ことから、次の効果を奏する。
【0048】(イ)排気から分離される多量の液体が液
体貯溜部に開口した排液口から排出されるので、液体貯
溜部の容積を小さく形成しても、液体貯溜部の液面は所
定位置から上昇することがない。この結果、例えば下水
管内からの排気のように飛沫状の液体を多量に含む場合
であっても、分離した液体で吸着剤を汚損して吸着性能
を著しく低下させる虞れがない。
【0049】(ロ)液体貯溜部に開口した排液口は、U
トラップを介して気液分離室の外部に連通してあるの
で、有害ガス成分を含む排気はこの排液口から外部へ流
出することがなく、吸着室を介して外部に排出されるの
で、吸着剤で有害ガス成分を確実に吸着して脱臭するこ
とができる。
【0050】(ハ)液体貯溜部の容積を小さく形成でき
るので、気液分離室付き脱臭装置全体をコンパクトにす
ることができ、例えば狭いマンホール内などでも容易に
設置することができる。
【0051】(ニ)収容部乃至それよりも下流側に、有
害ガス成分の吸着により変色可能な吸着剤を配置し、こ
の変色可能な吸着剤を外部から目視可能に構成してある
ので、吸着剤全体による有害ガス成分の吸着量の推移を
外部から容易に判別でき、未だ吸着性能の高い吸着剤を
交換することがないので、吸着剤の性能を十分に活用す
ることができる。
【0052】(ホ)吸着剤全体による有害ガス成分の吸
着量の推移を外部から容易に判別できるので、吸着剤の
吸着性能が低下しきる前に吸着剤を確実に交換でき、有
害ガス成分を含む排気を効果的に脱臭することができ
る。
【0053】(ヘ)有害ガス成分の吸着により変色可能
な吸着剤を、四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸化物
とを含有する混合ゲル吸着剤で構成した場合には、硫化
水素系の有害ガスを良好に吸着することができる。特
に、チタンのリン酸塩と銅の水酸化物を含有する混合ゲ
ル吸着剤で構成した場合には、耐久性があるうえ有害ガ
ス成分の吸着力が高く、排気を効果的に脱臭することが
できる。しかも、吸着により当初の青色から茶色へ明瞭
に変色するので識別が容易である。
【0054】(ト)有害ガス成分の吸着により変色可能
な吸着剤を、チタンのリン酸塩と、銅の水酸化物と、二
酸化ケイ素とを含有する複合吸着剤で構成した場合に
は、BET表面積が大きくなり、吸着力を高めることが
できる。
【0055】(チ)液体貯溜部に抗菌剤を配置した場合
には、液体貯溜部で微生物が繁殖することがなく、醗酵
を防ぐことができるので、この液体貯溜部から有害ガス
成分を生じることがない。
【0056】(リ)抗菌剤を、チタン又はジルコニウム
のリン酸塩と銅又は亜鉛の水酸化物との混合物に、銀を
担持させた組成物で構成した場合には、液体貯溜部に貯
溜した液からの有害ガスの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示し、下水管の空気弁
に付設した気液分離室付き脱臭装置の縦断面図である。
【図2】実施の形態1の変形例を示す、横断平面図であ
る。
【図3】実施の形態2を示す縦断面図である。
【図4】実施の形態3を示す、本発明装置を活性汚泥処
理槽からの排気の処理に適用した場合の説明図である。
【符号の説明】
14…排気導入管、 16…気液分離室、 17…排気導入部、 18…液体貯溜部、 21…排液口、 22…Uトラツプ、 25…吸着室、 26…下部開口、 27…吸着剤、 27b…有害ガス成分の吸着により変可能な吸着剤、 28…収容部、 29…排気口、 43…抗菌剤。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気液分離室(16)とこれに連通連結した吸
    着室(25)とを備え、 上記気液分離室(16)に排気導入部(17)と液体貯溜部(18)
    とを上下に設け、この排気導入部(17)に排気導入管(14)
    を連通連結して、有害ガス成分と多量の液体成分とを含
    む排気を気液分離室(16)内へ導入可能に構成し、 上記液体貯溜部(18)に排液口(21)を開口して、この排液
    口(21)をUトラップ(22)を介して気液分離室(16)の外部
    に連通可能に構成し、 上記吸着室(25)の下部開口(26)を排気導入部(17)の排気
    導入管(14)よりも上部に連通連結し、 この吸着室(25)内に有害ガス成分を吸着する吸着剤(27)
    を収容するとともに、この吸着剤(27)の収容部(28)より
    も上方に排気口(29)を開口し、 上記吸着剤(27)の収容部(28)乃至それよりも下流側に有
    害ガス成分の吸着により変色可能な吸着剤(27b)を配置
    し、 この変色可能な吸着剤(27b)を外部から目視可能に構成
    したことを特徴とする、気液分離室付き脱臭装置。
  2. 【請求項2】 有害ガス成分の吸着により変色可能な吸
    着剤(27b)を、四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸化
    物とを含有する混合ゲル吸着剤で構成した、請求項1に
    記載の気液分離室付き脱臭装置。
  3. 【請求項3】 有害ガス成分の吸着により変色可能な吸
    着剤(27b)を、チタンのリン酸塩と銅の水酸化物とを含
    有する混合ゲル吸着剤で構成した、請求項1に記載の気
    液分離室付き脱臭装置。
  4. 【請求項4】 有害ガス成分の吸着により変色可能な吸
    着剤(27b)を、チタンのリン酸塩と、銅の水酸化物と、
    二酸化ケイ素とを含有する複合吸着剤で構成した、請求
    項1に記載の気液分離室付き脱臭装置。
  5. 【請求項5】 液体貯溜部(18)に抗菌剤(43)を配置し
    た、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の気液
    分離室付き脱臭装置。
  6. 【請求項6】 抗菌剤(43)を、チタン又はジルコニウム
    のリン酸塩と銅又は亜鉛の水酸化物との混合物に、銀を
    担持させた組成物で構成した、請求項6に記載の気液分
    離室付き脱臭装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006226321A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Tlv Co Ltd 排気装置
CN114576912A (zh) * 2020-11-30 2022-06-03 合肥华凌股份有限公司 挥发装置和储物装置

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