JPH08208854A - 熱収縮性抗菌樹脂フィルム及びそれを用いて被覆した器具 - Google Patents

熱収縮性抗菌樹脂フィルム及びそれを用いて被覆した器具

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JPH08208854A
JPH08208854A JP7017320A JP1732095A JPH08208854A JP H08208854 A JPH08208854 A JP H08208854A JP 7017320 A JP7017320 A JP 7017320A JP 1732095 A JP1732095 A JP 1732095A JP H08208854 A JPH08208854 A JP H08208854A
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JP
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antibacterial
resin film
particles
resin
film
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JP7017320A
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English (en)
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Mitsuo Ito
充雄 伊藤
Tatsuya Saeki
達哉 佐伯
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MATSUMOTO SHIKA, University of
Matsumoto Dental University
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
MATSUMOTO SHIKA, University of
Sekisui Plastics Co Ltd
Matsumoto Dental University
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 抗菌性金属イオンを有する非晶質リン酸カル
シウムからなる抗菌性粒子6を抗菌剤として用いる熱収
縮性抗菌樹脂フィルムにおいて、抗菌性粒子6の粒径d
が樹脂フィルム5の厚さa′よりも大きいものとされて
いる。 【効果】 ほとんど全ての抗菌性粒子6が、樹脂フィル
ム5の表面から露出しているので、所定の殺菌作用を維
持するために、使用する抗菌性粒子6は最小限で済むの
でコストダウンができ、また、非晶質リン酸カルシウム
の優れた菌吸着能により、抗菌性を向上させ、かつ、抗
菌性を長期間安定に維持できるという効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性を有し、医療用
などの衛生を保つ器具に被覆させて用いる抗菌性樹脂フ
ィルム及び抗菌性樹脂フィルムによって被覆された器具
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不特定多数の人に接触する可能性のある
器具、特に、病院などのように、病原菌等に汚染される
可能性のある場所で使用される器具、例えば、医療用器
具等には、衛生上の注意を十分に払う必要がある。上記
の医療用器具が、治療に用いられる際に付着する細菌等
により汚染されるので、再使用時には消毒が行なわれる
とはいえ、上記器具を使用する側の医師や看護婦はもち
ろん、上記医療用器具を使用される側の患者にとって
も、感染の不安を感じることが多い。
【0003】従来は、上記医療用器具に対する消毒は、
殺菌剤や熱湯により行なっていたが、器具の耐性や薬品
の種類等を考慮しつつ、人体に影響の無い方法で行なう
必要があり、また、完全な消毒を行なおうとすれば、本
当に必要な治療以外のところで、医師や看護婦等に大き
な負担を強いるものとなっていた。
【0004】もちろん、感染しないために医師や看護婦
等は十分注意を払っており、また、器具も薬品や熱湯に
より消毒が十分になされていれば、入院後の二次感染や
院内感染のような問題も起こらないはずであるが、現実
的には、MRSA(メチシリン耐性ブドウ状球菌)感染
等で社会的に大きな問題が生じている。
【0005】そこで、医者や患者等の該病原菌への感染
に対する上記のような不安を取り除くために、治療に際
して、薬品や熱湯による消毒とともに、使い捨てタイプ
の医療用器具を使用したりしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、使い捨
てタイプの器具は、通常個々が無菌状態で包装されてお
り、製造時に完全な殺菌が行なわれていれば細菌などに
よる汚染の心配がなく、非常に衛生的であると言える
が、一度しか使用できないため、コストが高くなり、患
者の負担を増大させてしまう。また、容易に交換できな
いものに対して適用することは難しい。
【0007】そこで、抗菌作用を有するもので被覆して
やるという方法が考えられる。例えば、特開平5−31
858号には、ゼオライト系化合物からなる抗菌剤をポ
リエチレン樹脂に溶融混合して、フィルム状に成型した
「合成樹脂フィルムの制菌方法」が開示されている。こ
れは、制菌しようとするフィルムに対して、制菌作用を
有するフィルムにより保護することにより、制菌しよう
とするフィルムを劣化させることなく、制菌を行なうこ
とを可能とするものである。
【0008】また、上記、抗菌剤の代わりに、リン酸カ
ルシウム系の抗菌剤として、近年、使用量の多いハイド
ロキシアパタイトに抗菌性金属等を吸着担持させたもの
を使用することも考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂に
抗菌剤を混練する場合の問題点として、抗菌作用を発揮
するのはフィルムの表面に現れる一部の抗菌剤でしかな
く、樹脂中に埋没している抗菌剤は有効に作用せず、本
当に必要な抗菌作用に対して必要以上の抗菌剤を混練す
る必要があり、コストアップの一因となっていた。ま
た、ゼオライト系化合物を用いた抗菌剤は、合成樹脂等
と溶融し、混練した場合に安定した抗菌特性が得られな
いという問題を有していた。しかも、上記のようなシー
ト上のフィルムでは、立体的なものに、十分な抗菌性を
持たせることが困難であった。
【0010】一方、ハイドロキシアパタイトに抗菌性金
属等を吸着担持させたものは、水中で使用したり、水分
を多く有する物質に接触したりすると抗菌性金属が溶出
して抗菌性が劣化するとともに、太陽光などで茶色に変
色し、外見が汚れているように見え、清潔であっても、
不潔であるかのようにイメージさせてしまうという問題
点があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の熱収縮性抗菌樹脂フィルムは、抗
菌性金属イオンを有する非晶質リン酸カルシウムからな
る抗菌性粒子が、熱収縮性を有する樹脂フィルムに保持
されるとともに、該抗菌性粒子の平均粒径が該樹脂フィ
ルムの平均厚さより大きいことを特徴としている。
【0012】請求項2記載の器具は請求項1記載の熱収
縮性抗菌樹脂フィルムによって被覆されていることを特
徴としている。
【0013】上記抗菌性粒子は、非晶質リン酸カルシウ
ム(Amorphous Calcium Phosphate:以下、ACPと称
する)粒子を含むスラリー中に、50重量%以下となるよ
うに抗菌性金属粉末、抗菌性金属化合物、あるいはそれ
らの水溶液を混合し、イオン交換等によって、上記抗菌
性金属イオンをACP粒子に吸着させたものである。ま
た、上記金属イオンをスラリーに混合した混合物を噴霧
乾燥造粒法などにより造粒して抗菌性粒子を得てもよ
い。
【0014】上記スラリーは、攪拌下の水酸化カルシウ
ム懸濁液に、弱アルカリ性あるいは中性の水溶性高分子
分散剤、例えば、弱アルカリ性のトリアクリル酸アンモ
ニウム塩を 0.1〜10重量%添加し、好ましくは 0.1〜3
重量%添加して混合溶液を得た後、攪拌下の上記混合溶
液をリン酸水溶液の滴下によってpH10〜5に調整する
ことにより、粒径約0.1μm以下のACP粒子を含むも
のである。
【0015】上記ACP粒子は、粉末X線解析法によ
り、そのパターンからリン酸カルシウム〔Ca3(PO4)2
nH2O〕であり、また、そのパターンがブロードであるこ
とから、非晶質なリン酸カルシウムであることが確認さ
れる。その上、上記ACP微粒子は、結晶水を含むこと
から静電気的に活性な物質であると思われ、種々な菌体
やウイルスを吸着し易くなっていると想定される。
【0016】また、得られた抗菌性粒子が大きな比表面
積をそなえるために、スラリー中ののACP粒子は、そ
の粒径が 0.1μm以下であることが、また、加える抗菌
性金属粉末および抗菌性金属化合物粉末の粒径は20μm
以下であることが望ましい。その上、スラリーと加える
抗菌性金属粉末、抗菌性金属化合物粉末あるいは抗菌性
金属水溶液とは室温中で混合することが望ましい。
【0017】一方、スラリーにおけるACP粒子が90重
量%以上となると、スラリーの粘度が高くなるので、抗
菌性金属イオンの添加の際の混合性が劣化して不具合を
生じ、また、造粒する場合、造粒に不適となる。なお、
造粒する場合、スラリーにおけるACP粒子の含量を1
〜90重量%の範囲で変えることにより、所望の平均粒径
を有する抗菌性粒子を得ることができる。
【0018】また、造粒法としては、得られる粒子が、
多孔質、かつ、粒径 200μm以下の略球状で、かつ、比
表面積を10m2/g以上にできるものであれば、特に限定さ
れるものではないが、例えば噴霧乾燥造粒法を用いるこ
とができ、他にフリーズドライ後に粉砕してなる造粒
法、また、高速撹拌型造粒法を用いてもよい。
【0019】抗菌性金属としては、金、銀、亜鉛、銅、
錫、鉛、砒素、白金、鉄、アンチモン、ニッケル、アル
ミニウム、バリウム、カドミウム、マンガンから少なく
とも一種の金属、またはそれらの混合物、あるいはそれ
らの金属化合物、およびそれらの水溶液を用いることが
できる。
【0020】前記樹脂フィルムの素材としては、例え
ば、アイオノマー樹脂、EEA(エチレン・エチルアク
リレート共重合体)樹脂、EVA樹脂(エチレン・酢酸
ビニル共重合体)、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレ
ン樹脂、フッソ樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウ
レタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポリスルホン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリカーボネイ
ト、ブタジエン樹脂、ポリプロピレン、スチレン系特殊
透明樹脂、ポリアクリレート、強化ポリエチレンテレフ
タレート、ポリスチレン、塩化ビニリデン樹脂、伝導性
樹脂等が挙げられる。
【0021】前記抗菌性粒子を保持する樹脂フィルムの
成型方法は通常の樹脂フィルム製造方法と同様に考えて
よく、素材として、抗菌性粒子と上記樹脂とを混練させ
たものを用いる。
【0022】成型方法としては、例えばTダイ法、延伸
法等を挙げることができる。
【0023】上記樹脂フィルムの厚さは、抗菌性粒子の
平均粒径に応じて調製すれば良い。所定の強度を確保す
る必要から、上記樹脂フィルムを単独で使用する場合に
は10μm以上が望ましく、特に20μm以下の厚みの
フィルムとする場合には、上記樹脂フィルムを従来から
知られている方法で積層して使用することが好ましい。
また、樹脂フィルムのどちらか一面に抗菌性が必要とさ
れる用途に対しては、積層フィルムとして、上記に例示
した抗菌性のないフィルムを所定強度が得られるように
適宜積層して使用することができる。
【0024】
【作用】請求項1記載の構成によれば、樹脂フィルムの
厚さより抗菌性粒子の粒径のほうが大きいので、抗菌性
樹脂フィルム中に含まれる抗菌性粒子のほとんどが、樹
脂フィルムの表面から確実に露出することとなり、上記
抗菌性粒子の抗菌性金属イオンの抗菌性を有効に発揮さ
せ、必要とする抗菌作用に対して、抗菌性粒子の使用を
最小限に抑えることができる。
【0025】請求項2記載の器具は、請求項1記載の熱
収縮性抗菌樹脂フィルムにより、外観からの形状による
機能に影響を与えること無く、また、器具の材質等に関
係なく、表面に長期間安定的に抗菌作用を有する器具と
することができるので、医者や看護婦等はより安心して
治療に専念することができる。
【0026】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例について図1ないし図3
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0027】図1(a)(b)に示すように、本発明に
係る熱収縮性抗菌樹脂フィルムを用いて作成したドアノ
ブ4用の樹脂カバー1を説明する。
【0028】図1(c)に示すように、樹脂カバー1
は、略球状とされ、抗菌性金属イオンを有するACPか
らなる抗菌性粒子6を熱収縮性を有する樹脂フィルム5
中に混入させた樹脂フィルムを素材としており、該抗菌
性粒子6は樹脂フィルム5の表面から一部露出した状態
で保持されている。
【0029】上記樹脂カバー1は、図2(a)に示すよ
うに、樹脂フィルムをチューブ1bに成型したものと、
チューブ1bの一方の開口端を塞ぐように樹脂フィルム
を円形に裁断した底部1aとともに型に嵌めて、加熱融
着させて形成したものである。
【0030】そして、上記樹脂カバー1をドアノブ4に
被せて加熱させることにより、樹脂カバー1は収縮し
て、ドアノブ4の外形に沿った形状に硬化するので、ド
アノブ4としての機能に影響を与えることはない。
【0031】また、図1(a)に示すように、上記樹脂
カバー1のチューブ1bにはタブ2とそれに連なる点線
状の切り込み部3が形成されており、上記タブ2を引っ
張ることにより切り込み部3が切断され、ドアノブ4か
らの上記樹脂カバー1の取外しが容易に行なえるように
なっている。
【0032】図1(c)に示すように、抗菌性粒子6の
粒径dは樹脂カバー1のフィルム厚さa′より大きいの
で、抗菌性粒子6は、そのほとんどが樹脂カバー1の表
面に露出することとなる。すなわち、抗菌性粒子6が樹
脂内に埋没するようなことがなく、抗菌作用を効率よく
発揮するので、所定の殺菌作用を得るために樹脂原料中
に投入する抗菌性粒子6の量は、必要最小限で済み、コ
ストを安価なものとすることができる。
【0033】上記のように、抗菌性粒子6を混入させた
樹脂フィルム5を用いて樹脂カバー1を制作することに
より、ドアノブ4自体を保護するとともに、ドアノブ4
に上記殺菌作用を持たせることができる。
【0034】また、該樹脂フィルム5は抗菌性粒子6と
して、ACP粒子を用いているので長期間安定的に殺菌
作用が保持され、交換のインターバルを長くすることが
できる。しかも、上記のように、交換が非常に容易であ
るため、殺菌作用が低下しても、その状態が放置される
時間が短く、院内感染等の可能性が大幅に低下する。
【0035】なお、本実施例におけるドアノブ4の樹脂
カバー1は、厚さが60μmのポリ塩化ビニル樹脂を原
料とする樹脂フィルム5と、粒径が80μmのACPに
銀イオンを担持させた抗菌性粒子6により構成されてい
る。
【0036】樹脂カバー1の収縮率、すなわち、ドアノ
ブ4に対して、あらかじめどの程度大きめに製作してお
くかは、収縮前の樹脂フィルム5の厚さ、抗菌性粒子6
の粒径によって異なるが、収縮後の樹脂フィルム5の厚
さが抗菌性粒子6の粒径以下となるようにしておくこと
が必要である。そうしないと、収縮によって抗菌性粒子
6が樹脂フィルム5内に埋没してしまう恐れがあり、所
定の抗菌性を維持することができなくなる可能性がある
ので注意が必要である。また、抗菌性粒子6の粒径が小
さ過ぎると、樹脂フィルム5が薄くなり過ぎて強度が低
下するので、極力20μm以下とすることは避けたい
が、その場合は、後の実施例2で示すように、適宜樹脂
フィルムを積層して、所定の強度を確保すれば良い。
【0037】上記の抗菌樹脂フィルムにおける樹脂フィ
ルムの厚さと抗菌性粒子の粒径との関係について、図3
を用いて説明する。例えば、図3(a)に示すように、
厚さa、面積b×bの樹脂フィルム7中に、図示しない
粒径がdである抗菌性粒子6が混入されているとする。
そして、樹脂フィルム7を加熱したときに、図3(b)
に示すように、厚さa′、面積b′×b′の樹脂フィル
ム7に収縮するものとする。このとき抗菌性粒子6が樹
脂フィルム7内に埋没するようなことを避けるために
は、d>a′であることが必要である。熱収縮性樹脂は
収縮しても、体積が変わらないため、 a×b2 =a′×b′2 ‥‥‥(1) である。
【0038】面に平行な方向が等方的に縮むと仮定し
て、厚さ方向がx%増加し、面に平行な方向がy%縮む
とすると、 a′=a(1+x) ‥‥‥(2) b′=b(1−y) ‥‥‥(3) と書ける。そこで、式(2)、(3)を上記式(1)に
代入すると、 a×b2 =a(1+x)×b2 (1−y)2 となるので、両辺をa×b2 で割ると、
【0039】
【数1】
【0040】となる。従って、d>a′及び、式
(2)、(4)とから、収縮前の膜厚aと抗菌性粒子の
粒径d及び収縮率yとの間に、
【0041】
【数2】
【0042】が成り立ち、a、d共に正であるから、上
記式(5)を変形して、
【0043】
【数3】
【0044】となる。つまり、樹脂フィルム7におけ
る、収縮前の樹脂層の厚さaと抗菌性粒子6の粒径dと
に対して、上記式(6)を満足するように収縮率yを設
定する必要がある。
【0045】次に、上記抗菌性粒子6を露出させる樹脂
フィルムの製造法について説明する。なお、本実施例で
用いた抗菌性粒子6は、ACPに対し抗菌性金属イオン
としての銀イオンを吸着させたものであり、噴霧造粒法
等を用いて、造立化し、銀イオン含有ACP微粉体であ
る略球状としたものであり、粒子の構造は、非晶質のリ
ン酸カルシウム〔Ca3(PO4)2 ・nH2O〕と銀との複合体
で、リン酸カルシウム内に銀イオンを取り込み、両者の
固溶体状態を形成している。抗菌性粒子6の製造方法に
ついては後述する。
【0046】樹脂フィルムは、平均粒径を80μmとし
たACPを20%含む抗菌性パウダーが5%となるよう
に、粉末状のポリ塩化ビニルと混合しペレット状に形成
したものを材料として用いるが、この時点で、ACPは
樹脂フィルムの原料中において1wt%を占めるものと
なる。上記ペレットを溶融し、樹脂中の成分が均等にな
るように攪拌した後、Tダイ法等を用いて押出し加工を
行なう。このとき、スリットの幅は、抗菌性粒子6の粒
径より大きくなければならない。さらに、例えば、同時
二軸延伸法を用いて、上記のフィルムを延伸させる。そ
の際、抗菌性粒子6の粒径よりも薄くなるように引き延
ばすことにより、均一な厚さを備え、かつ、上記抗菌性
粒子6の一部が露出するように保持する薄い樹脂フィル
ム5が作製される。
【0047】すなわち、上記混合物が延伸されるに伴っ
て、抗菌性粒子6の面する樹脂フィルム5の上下面が特
に薄くなり、抗菌性粒子6の粒径より薄くなるまで上記
樹脂フィルム5が引き延ばされると、抗菌性粒子6が露
出することになる。
【0048】次に、上記抗菌性粒子6の製造法について
説明する。まず、攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に、
リン酸水溶液の滴下によってpH10に調整することによ
り、粒径約0.1μm以下のACP微粒子を含むスラリー
を得る。そして、上記スラリーをイオン交換水により希
釈して、非晶質リン酸カルシウムの濃度が20重量%とな
るように調製したACPスラリーを得る。上記で得たA
CPスラリーに、イオン交換水に溶解した無水硝酸銀粉
末をACPに対して mol%を調整して混合し、攪拌モー
タで攪拌して混合物スラリーを得る。上記 mol%を調整
することにより、ACPに担持させる銀イオンの量を調
整することができる。なお、上記 mol%を重量%に換算
するには、上記 mol%の数値に、換算係数1.07をかけれ
ばよい。続いて、上記混合物スラリーを造粒乾燥させ、
上記抗菌性粒子6が得られる。
【0049】BET法を用いて上記の抗菌性粒子6の比
表面積を測定した結果、抗菌性粒子6の比表面積はそれ
ぞれ50〜110 m2/gの範囲内であった。
【0050】次に、本実施例で用いた、ACPと銀イオ
ンによる抗菌性粒子6の抗菌作用を調べるため、銀イオ
ンの mol%が 0.1、0.5 となるようにして作成した抗菌
性粒子6の抗菌力を測定した。なお、比較例1として銀
イオンを含有した市販品の抗菌性アパタイト粒子(銀イ
オン含有量2重量%のもの)を用いている。
【0051】試験方法 1.菌液の調製 寒天培地で37℃、18時間培養した試験菌体をリン酸
緩衝液(1/15M、pH7.2)に浮遊させ108 cells/mlの
懸濁液である原液を調整し、その原液を適宜希釈して試
験に用いた。
【0052】2.抗菌性試験(シェークフラスコ法) 各抗菌性粒子7を試料として 0.1gそれぞれ秤量し、上
記リン酸緩衝液 100mlの入った 200ml三角フラスコに入
れ、これに、試験菌懸濁液を約105 cells/mlになるよう
に加えた後、この三角フラスコを25℃±5℃に保ちなが
ら振とうし、経時的に上記三角フラスコ内の菌数を測定
した。使用菌株は次の通り。
【0053】 使用菌株 Escherichia coli(大腸菌) IFO-12734 Staphylococcus aureus (黄色ブドウ球菌) IFO-12732 Psedomonas aeruginosa (緑膿菌) IFO-12689 Candida albicans(カンジダ) IFO-1060 使用培地 細菌:Mueller Hinton 2 (BBL) 真菌:ポテトデキストロース寒天培地(栄研) 上記の測定結果を表1〜4に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】このように上記実施例の抗菌性粒子6は、
従来の抗菌性粒子として市販されている前記アパタイト
複合粒子より、抗菌作用が高いことが示された。これ
は、各抗菌性粒子6が、多孔質であり、前記のように、
菌と接触する面積である比表面積が大きく、その上、基
材として用いたACPが高い菌吸着能(朝日新聞、1993
年1月16日付け夕刊、参照)を有するためと想定され
る。
【0059】また、上記のようにして得られた抗菌性ア
パタイト粒子は、高温で処理すると、抗菌性金属イオン
の溶出を抑制できるが、抗菌力が低下し、特に黄色ブド
ウ球菌等に対する抗菌力の低い銀のような抗菌性金属で
は抗菌効果に欠ける。
【0060】しかしながら、上記抗菌性粒子6では、抗
菌性金属イオンの溶出もなく、また、太陽光や蛍光灯の
光による変色も観察されなかった。
【0061】さらに、上記で得られた抗菌性粒子6の
内、 0.1、 0.5、 0.7 mol%の銀イオンを有する抗菌性
粒子6を粒径30μmに調製し、それら抗菌性粒子6を、
得られる樹脂フィルム7の1m2 当りに対し、10、20、
30、40mgとなるように低密度ポリエチレン(MI=7.
0 )にそれぞれ添加し、厚さ20μmにそれぞれ形成した
各樹脂フィルム7…について抗菌力をそれぞれ測定し
た。ここでは、比較例2として、抗菌性粒子6を添加し
ない上記低密度ポリエチレンにて同様に厚さ20μmに調
製した樹脂フィルムを用いている。
【0062】試験方法 1.菌液の調製 試験に用いた菌体の調製 15種類の無機化合物およびビタミン類、ショ糖を含む液
体培地 100mlを入れたフラスコに、奈良県にて採取し
た土壌 0.1gを入れ、25℃で48時間振とう培養した。次
に、上記フラスコを取り出して、5分間静置した後、上
澄み液を 1.0ml取り出し、新たに上記液体培地 100m
lを入れたフラスコに加えて、25℃で48時間振とう培養
した。この操作を2回行った。このようにして得られた
培養液の一部を取り出し、顕微鏡にて観察したところ、
上記培養液中の菌体は、均一な白色球状細菌であること
を確認した。
【0063】抗菌試験 上記で得られた白色球状細菌の培養液を、滅菌生理食塩
水で、10-3まで段階的に希釈し、10-2および10-3に希釈
した希釈培養液を菌液として用いた。始めに、滅菌、溶
解した生菌数測定用寒天培地を約20mlずつ滅菌シャー
レに分注し、固化させた。
【0064】このような培地上に10-2および10-3に希釈
した希釈培養液をそれぞれ0.05mlずつ、コンラージ棒
にて均一に塗布した。このような各培地上の中央に、各
樹脂フィルム7…を、1×1cmに裁断したものを載せ
た。その後、シャーレの蓋を締め、パラフィルムにてシ
ールした後、25℃にて培養した。続いて、6時間経過
後、上記各樹脂フィルム7…を各シャーレから取り除い
て、さらに上記各シャーレを培養したところ、上記各シ
ャーレには菌体のコロニーの発生が観察されなかった。
【0065】一方、同様に、比較例2としての樹脂フィ
ルムを用いた試験では、多数のコロニーが観察された。
これらの結果、本願発明の各樹脂フィルム7は、抗菌性
を有しており、各抗菌性粒子6…が樹脂フィルム7の表
面から露出していることが判る。
【0066】この結果、上記抗菌性粒子6は、菌吸着能
を有するACPを抗菌性金属イオンである銀イオンの担
体として用いることにより、抗菌性に優れ、かつ、外観
の劣化も回避できる。すなわち、上記実施例における樹
脂フィルム7では、抗菌性粒子6のほとんどを露出して
保持しているから、菌吸着能を有するACPを用いるこ
とと相まって、抗菌性を従来より向上しており、かつ長
期間の使用に渡っても変色による清潔イメージの低下な
どは生じないものとなっている。
【0067】なお、本実施例では、抗菌樹脂フィルムの
被覆対象として、ドアノブ4を例として示したが、上記
に限定されるものでなく、例えば、図4に示すような洋
式トイレの便座8に対して、カバー9を矢印方向に取り
付けて、加熱して収縮硬化させてやれば、通常の便座8
に抗菌作用を持たせることができる。その他、廊下、階
段の手摺り等に被覆させても良く、不特定多数の者が接
触する可能性のある器具に被覆させてやることにより、
物を媒介して伝染する病原菌等に対する感染の恐れなし
に、該器具を安心して使用することができる。
【0068】〔実施例2〕本発明の他の実施例を、図5
に基づいて以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記
の実施例1で示した部材と同一の機能を有する部材に
は、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0069】図5に示す本実施例の抗菌樹脂フィルム1
0では、実施例1に示したACPに銀イオンを吸着させ
た抗菌性粒子6において、平均粒径25μmのものを使
用し、樹脂フィルム11の材料としてPP樹脂を使用
し、さらに、抗菌性を有しない通常のPP樹脂からなる
樹脂フィルム12との積層構造としている。
【0070】本実施例における熱収縮性抗菌樹脂フィル
ム10の製造法を以下に示す。まず、PP樹脂に上記抗
菌性粒子6を混合するが、PP樹脂は水飴状となってい
るので、ここに樹脂フィルムの原料の重さ100に対し
て3重量部となるように抗菌性粒子6を混合し、樹脂中
の成分が均等になるように攪拌する。その後、平均フィ
ルム厚さが35μmとなるように押出すと同時に、平均
フィルム厚さが30μmとなるようにPP樹脂のみから
なる樹脂フィルム12を、共押出し加工して積層するこ
とにより、抗菌性PP樹脂フィルム/PP樹脂フィルム
の2層からなる抗菌性樹脂フィルムが形成される。これ
を更に延伸処理して、平均厚さ20μmの抗菌性PP樹
脂からなる樹脂フィルム11と平均厚さ17μmとのP
P樹脂からなる樹脂フィルム12とが積層され、片面の
みに抗菌作用を有する抗菌性樹脂フィルム10を製造す
ることができる。この抗菌性樹脂フィルム10も、作
用、用途については実施例1と同様に考えれば良く、抗
菌作用を有する面が片面のみで良い場合、例えば、実施
例1で示したドアノブ4や便座8等に用いることができ
る。
【0071】上記の二つの実施例において、抗菌性粒子
6は、小さいほど製造が容易であり、また、抗菌性粒子
6の粒径を小さいものとした場合には、抗菌樹脂フィル
ムの表面に露出する抗菌性粒子6の面積が増大するの
で、同一重量の抗菌性粒子6を用いた場合、短期的に抗
菌作用を向上させることができる。逆に言えば、短期的
な使用であれば、抗菌性粒子6の使用量を低減しても、
抗菌作用の維持が可能であり、コストの低減が可能であ
る。
【0072】しかし、粒径よりも樹脂フィルムの厚さを
薄くしなければならないこともあり、前記したように樹
脂フィルムの厚さが20μmを下回ると、樹脂フィルム
の強度が著しく低下し耐久性に問題が出てくるので、単
層のままで、抗菌性粒子6の粒径を小さくしすぎること
は好ましくない。
【0073】そこで、実施例2のように、樹脂のみのP
P樹脂フィルム12を共押出しによって積層し、抗菌性
PP樹脂フィルム11の層を強化してやることにより、
粒径の小さい抗菌性粒子6を用いることが可能となる。
また、両面に抗菌性が必要となる場合にも、3層の共押
出し加工により抗菌性PP樹脂フィルム/PP樹脂フィ
ルム/抗菌性PP樹脂フィルムの構成からなる抗菌樹脂
フィルムとしても良い。なお、共押出し加工に用いる樹
脂フィルム12は、抗菌樹脂フィルムの樹脂と同じ系統
の樹脂を用いることが望ましいが、接着層を用いて各層
を積層することにより異なる系統の樹脂を用いることも
可能である。
【0074】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の抗菌性樹脂フィ
ルムは、以上のように、抗菌性金属イオンを有する非晶
質リン酸カルシウムからなる抗菌性粒子が、熱収縮性を
有する樹脂フィルムに保持されるとともに、該抗菌性粒
子の平均粒径が該樹脂フィルムの平均厚さより大きい構
成である。
【0075】それゆえ、上記構成では、ほとんどすべて
の抗菌性粒子を樹脂フィルムの表面から露出させること
ができる一方、抗菌剤としての非晶質リン酸カルシウム
粒子の有する菌吸着能により、上記抗菌性金属イオンの
抗菌性を有効に発揮させることができる。
【0076】すなわち、抗菌性粒子の樹脂フィルムに対
する添加量を最小限とすることができるのでコストダウ
ンが可能であり、逆に、抗菌性粒子を従来と同等に添加
した場合には、抗菌性に寄与する抗菌性粒子を多くでき
るため、上記抗菌性を長期間にわたって安定的に発揮で
きる。しかも、熱収縮性を有していることから、抗菌樹
脂フィルムを立体的なものに被覆させ、被覆するものの
外形に沿って収縮硬化させてやれば、被覆するものの機
能を失うこと無く、表面に抗菌作用を持たせることがで
きるという効果を奏する。
【0077】請求項2記載の器具は、請求項1記載の熱
収縮性抗菌樹脂フィルムによって被覆されている構成で
ある。
【0078】それゆえ、これにより、上記器具は、優れ
た抗菌性を有するとともに、抗菌性が低下しても抗菌性
フィルムの交換が容易であり、長期的にも高いレベルで
抗菌性を維持することが可能となるので、器具の再使用
の際にも、病原菌等の感染の心配がなくなるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るドアノブカバーを示す
図であり、同図(a)はカバーを付けたときの概略斜視
図図であり、同図(b)は同図(a)におけるA−A断
面図であり、同図(c)は、同図(b)における円Bを
R方向から見た拡大図である。
【図2】本発明の一実施例に係るドアノブの樹脂カバー
をドアノブに装着する方法を示すものであり、同図
(a)は加熱収縮前の断面図であり、同図(b)は装
着、加熱収縮後の断面図である。
【図3】本発明の抗菌性樹脂フィルムの収縮を示す図で
あり、同図(a)は収縮前の抗菌性樹脂フィルムの斜視
図であり、同図(b)は収縮後の抗菌性樹脂フィルムを
示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係る便座カバーの取付け方
法を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂カバー 1a チューブ 1b 底部 2 タブ 3 切り込み部 4 ドアノブ 5 樹脂フィルム 6 抗菌性粒子 7 樹脂フィルム 8 便座 9 カバー 10 抗菌性樹脂フィルム 11 樹脂フィルム 12 樹脂フィルム
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 59/20 A61B 17/06 320 A61L 2/16 A A61M 5/00 373 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗菌性金属イオンを有する非晶質リン酸カ
    ルシウムからなる抗菌性粒子が、熱収縮性を有する樹脂
    フィルムに保持されるとともに、該抗菌性粒子の平均粒
    径が該樹脂フィルムの平均厚さより大きいことを特徴と
    する熱収縮性抗菌樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱収縮性抗菌樹脂フィルム
    によって被覆されていることを特徴とする器具。
JP7017320A 1995-02-03 1995-02-03 熱収縮性抗菌樹脂フィルム及びそれを用いて被覆した器具 Pending JPH08208854A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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