JPH0820867A - スパッタリング装置 - Google Patents
スパッタリング装置Info
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- JPH0820867A JPH0820867A JP15978394A JP15978394A JPH0820867A JP H0820867 A JPH0820867 A JP H0820867A JP 15978394 A JP15978394 A JP 15978394A JP 15978394 A JP15978394 A JP 15978394A JP H0820867 A JPH0820867 A JP H0820867A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波伝送線路間の電磁気的結合を減少させ
ることができるスパッタリング装置を提供する。 【構成】 高周波電源を含む複数個の電源1と、真空チ
ャンバ6内において電源1から高周波電力の供給を受け
ることにより基板7上に薄膜を形成する複数個のターゲ
ット電極5とを備えたスパッタリング装置において、電
源1とターゲット電極5とを接続する複数の高周波伝送
線路4を、接地電位の筐体3内であって該筐体3の内側
面に近接させて配線するものであり、その高周波伝送線
路4と筐体3の内側面との間隔を少なくとも耐電圧ギャ
ップ以上とする構成とする。
ることができるスパッタリング装置を提供する。 【構成】 高周波電源を含む複数個の電源1と、真空チ
ャンバ6内において電源1から高周波電力の供給を受け
ることにより基板7上に薄膜を形成する複数個のターゲ
ット電極5とを備えたスパッタリング装置において、電
源1とターゲット電極5とを接続する複数の高周波伝送
線路4を、接地電位の筐体3内であって該筐体3の内側
面に近接させて配線するものであり、その高周波伝送線
路4と筐体3の内側面との間隔を少なくとも耐電圧ギャ
ップ以上とする構成とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グロー放電を利用して
基板上に薄膜を形成するスパッタリング装置に関し、特
に、ターゲット電極に高周波電力を供給する高周波伝送
線路に関する。
基板上に薄膜を形成するスパッタリング装置に関し、特
に、ターゲット電極に高周波電力を供給する高周波伝送
線路に関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタリング装置において、高周波電
源からプラズマ成膜装置等における成膜手段であるプラ
ズマ発生装置に高周波電力を供給する場合、高周波電源
とプラズマ発生装置との間に整合回路を設けてインピー
ダンスの整合を行っており、この整合回路とターゲット
電極間は高周波伝送線路により接続している。そして、
この高周波伝送線路は、スパッタリング装置の一部を構
成する筐体内に配線されている。図4は、従来のスパッ
タリング装置の概略ブロック図である。図4において、
スパッタリング装置は、内部にターゲット電極5と基板
ホルダ電極8とを備えた真空チャンバ6と、内部に高周
波伝送線路4を配した筐体3とにより外形を形成してい
る。そして、真空チャンバ6内において、基板ホルダ電
極8に設置された基板7に対して、ターゲット電極5と
基板ホルダ電極8との間で形成されるプラズマ10によ
り成膜処理を行う。また、このターゲット電極5への高
周波電源1からの高周波電力の供給は、一端が整合回路
2に接続された筐体3に配線された高周波伝送線路4に
よって行われる。図に示すスパッタリング装置は、共通
の真空チャンバ6内において複数のターゲット電極を備
えるものであり、これによって基板上に複数のターゲッ
ト成分による化合物膜を形成するものである。そして、
各ターゲット成分の組成比を個々に制御するために、各
ターゲット電極5−1,5−2には独立に高周波電源1
−1,1−2から高周波電力を供給している。
源からプラズマ成膜装置等における成膜手段であるプラ
ズマ発生装置に高周波電力を供給する場合、高周波電源
とプラズマ発生装置との間に整合回路を設けてインピー
ダンスの整合を行っており、この整合回路とターゲット
電極間は高周波伝送線路により接続している。そして、
この高周波伝送線路は、スパッタリング装置の一部を構
成する筐体内に配線されている。図4は、従来のスパッ
タリング装置の概略ブロック図である。図4において、
スパッタリング装置は、内部にターゲット電極5と基板
ホルダ電極8とを備えた真空チャンバ6と、内部に高周
波伝送線路4を配した筐体3とにより外形を形成してい
る。そして、真空チャンバ6内において、基板ホルダ電
極8に設置された基板7に対して、ターゲット電極5と
基板ホルダ電極8との間で形成されるプラズマ10によ
り成膜処理を行う。また、このターゲット電極5への高
周波電源1からの高周波電力の供給は、一端が整合回路
2に接続された筐体3に配線された高周波伝送線路4に
よって行われる。図に示すスパッタリング装置は、共通
の真空チャンバ6内において複数のターゲット電極を備
えるものであり、これによって基板上に複数のターゲッ
ト成分による化合物膜を形成するものである。そして、
各ターゲット成分の組成比を個々に制御するために、各
ターゲット電極5−1,5−2には独立に高周波電源1
−1,1−2から高周波電力を供給している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スパッタリング装置では、筐体3内において、各ターゲ
ット電極5−1,5−2と高周波電源1−1,1−2及
び整合回路2−1,2−2とを高周波伝送線路4−1,
4−2によって接続しているが、該高周波伝送線路4−
1と4−2は電磁気的結合が生じるという問題点があ
る。図6は、従来のスパッタリング装置の筐体3内にお
ける電磁界の状態を説明する図である。従来のスパッタ
リング装置の高周波伝送線路4は筐体3において、ター
ゲット電極5と整合回路2とを直線的に結んで配線され
ており、筐体3の内周面から離れて設置されている。そ
のため、高周波伝送線路4に高周波電力が供給される
と、高周波伝送線路4の周囲には電磁界が発生し、該電
磁界内に隣接する高周波伝送線路4が含まれることにな
り、隣接する高周波伝送線路4は電磁的に結合されるこ
とになる。この高周波伝送線路4−1と4−2との間に
電磁気的結合が生じると、各高周波電源1−1,1−2
の電圧や電流が相互に影響して、ターゲット成分の組成
比の制御に影響を与え、組成比の正確な制御が困難とな
る。また、各高周波電源の同一の発振周波数とする場合
において、高周波電源の発振部を別個の独立した回路に
より構成するとき、発振周波数のわずかな周波数差が前
記した電磁気的結合によって、各ターゲット上に発生す
るプラズマ強度が変動し、ターゲット成分の組成比にう
なりを生じるおそれがある。
スパッタリング装置では、筐体3内において、各ターゲ
ット電極5−1,5−2と高周波電源1−1,1−2及
び整合回路2−1,2−2とを高周波伝送線路4−1,
4−2によって接続しているが、該高周波伝送線路4−
1と4−2は電磁気的結合が生じるという問題点があ
る。図6は、従来のスパッタリング装置の筐体3内にお
ける電磁界の状態を説明する図である。従来のスパッタ
リング装置の高周波伝送線路4は筐体3において、ター
ゲット電極5と整合回路2とを直線的に結んで配線され
ており、筐体3の内周面から離れて設置されている。そ
のため、高周波伝送線路4に高周波電力が供給される
と、高周波伝送線路4の周囲には電磁界が発生し、該電
磁界内に隣接する高周波伝送線路4が含まれることにな
り、隣接する高周波伝送線路4は電磁的に結合されるこ
とになる。この高周波伝送線路4−1と4−2との間に
電磁気的結合が生じると、各高周波電源1−1,1−2
の電圧や電流が相互に影響して、ターゲット成分の組成
比の制御に影響を与え、組成比の正確な制御が困難とな
る。また、各高周波電源の同一の発振周波数とする場合
において、高周波電源の発振部を別個の独立した回路に
より構成するとき、発振周波数のわずかな周波数差が前
記した電磁気的結合によって、各ターゲット上に発生す
るプラズマ強度が変動し、ターゲット成分の組成比にう
なりを生じるおそれがある。
【0004】この筐体3内における高周波伝送線路の電
磁気的結合を解消する手段とし、例えば、図5に示すよ
うに高周波伝送線路4−1,4−2間にシールド板11
を配設することも考えられる。しかしながら、このシー
ルド板による高周波伝送線路間の電磁気的結合の解決で
は、狭い筐体3内をシールド板により区切るため、高周
波伝送線路4の配線作業や、ターゲット電極5を冷却す
る冷却水配管12の配管作業が難しくなるという別の問
題点が発生する。そのため、従来のスパッタリング装置
では、ターゲット成分の組成比に生じるうなりを解決す
るために、同一の発振回路から分配した信号を増幅する
同時励起型の高周波電源を用いている。しかしながら、
この場合には、ターゲット成分の組成比に生じるうなり
は解決されるものの、各高周波伝送線路間の電磁気的結
合は依然として存在するため、ターゲット成分の組成比
の制御性についての問題は解決されていない。また、同
時励起型高周波電源は、独立電源より高価であり、複数
の増幅器の内の1台でも故障した場合には、スパッタリ
ング装置全体を再調節する必要があり、独立電源と比較
して融通性に問題がある。そこで、本発明は前記した従
来のスパッタリング装置の問題点を解決し、高周波伝送
線路間の電磁気的結合を減少させることができるスパッ
タリング装置を提供することを目的とする。
磁気的結合を解消する手段とし、例えば、図5に示すよ
うに高周波伝送線路4−1,4−2間にシールド板11
を配設することも考えられる。しかしながら、このシー
ルド板による高周波伝送線路間の電磁気的結合の解決で
は、狭い筐体3内をシールド板により区切るため、高周
波伝送線路4の配線作業や、ターゲット電極5を冷却す
る冷却水配管12の配管作業が難しくなるという別の問
題点が発生する。そのため、従来のスパッタリング装置
では、ターゲット成分の組成比に生じるうなりを解決す
るために、同一の発振回路から分配した信号を増幅する
同時励起型の高周波電源を用いている。しかしながら、
この場合には、ターゲット成分の組成比に生じるうなり
は解決されるものの、各高周波伝送線路間の電磁気的結
合は依然として存在するため、ターゲット成分の組成比
の制御性についての問題は解決されていない。また、同
時励起型高周波電源は、独立電源より高価であり、複数
の増幅器の内の1台でも故障した場合には、スパッタリ
ング装置全体を再調節する必要があり、独立電源と比較
して融通性に問題がある。そこで、本発明は前記した従
来のスパッタリング装置の問題点を解決し、高周波伝送
線路間の電磁気的結合を減少させることができるスパッ
タリング装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高周波電源を
含む複数個の電源と、真空チャンバ内において前記電源
から電力の供給を受けて基板上に薄膜を形成する複数個
のターゲット電極とを備えたスパッタリング装置におい
て、電源とターゲット電極とを接続する複数の高周波伝
送線路を、接地電位の筐体内であって該筐体の内側面に
近接させて配線するものであり、その高周波伝送線路と
筐体内側面との間隔は少なくとも耐電圧ギャップ以上と
することによって、前記目的を達成する。本発明におけ
る高周波伝送線路は、高周波電源を含む複数個の電源か
らの電力をターゲット電極に供給する伝送線路であり、
供給される電力としては高周波電力あるいは直流電力と
することができる。本発明の第1の実施態様は、本発明
のスパッタリング装置において、高周波伝送線路と筐体
との間に誘電体を挟持させるものであり、これによっ
て、高周波伝送線路と筐体との間における電磁界の集中
の度合いを高め、高周波伝送線路間の電磁気的結合をよ
り減少させることができる。
含む複数個の電源と、真空チャンバ内において前記電源
から電力の供給を受けて基板上に薄膜を形成する複数個
のターゲット電極とを備えたスパッタリング装置におい
て、電源とターゲット電極とを接続する複数の高周波伝
送線路を、接地電位の筐体内であって該筐体の内側面に
近接させて配線するものであり、その高周波伝送線路と
筐体内側面との間隔は少なくとも耐電圧ギャップ以上と
することによって、前記目的を達成する。本発明におけ
る高周波伝送線路は、高周波電源を含む複数個の電源か
らの電力をターゲット電極に供給する伝送線路であり、
供給される電力としては高周波電力あるいは直流電力と
することができる。本発明の第1の実施態様は、本発明
のスパッタリング装置において、高周波伝送線路と筐体
との間に誘電体を挟持させるものであり、これによっ
て、高周波伝送線路と筐体との間における電磁界の集中
の度合いを高め、高周波伝送線路間の電磁気的結合をよ
り減少させることができる。
【0006】
【作用】前記した構成により、本発明のスパッタリング
装置は、複数個の高周波電源から高周波伝送線路を通し
て高周波電力を複数個のターゲット電極に供給し、該タ
ーゲット電極に設けられたターゲットを成分とする膜を
基板上に堆積させて、薄膜を形成する。このとき、高周
波伝送線路を接地電位の筐体内であって該筐体の内側面
に近接させて配線することによって、高周波伝送線路に
流れる高周波電流により生じる電磁界は、そのほとんど
が筐体とのギャップに集中して形成され、筐体内の配線
される他の高周波伝送線路との間で形成される電磁界は
減少する。
装置は、複数個の高周波電源から高周波伝送線路を通し
て高周波電力を複数個のターゲット電極に供給し、該タ
ーゲット電極に設けられたターゲットを成分とする膜を
基板上に堆積させて、薄膜を形成する。このとき、高周
波伝送線路を接地電位の筐体内であって該筐体の内側面
に近接させて配線することによって、高周波伝送線路に
流れる高周波電流により生じる電磁界は、そのほとんど
が筐体とのギャップに集中して形成され、筐体内の配線
される他の高周波伝送線路との間で形成される電磁界は
減少する。
【0007】この高周波伝送線路間で形成される電磁界
を減少させることにより、相互の電磁的結合を減少させ
る。なお、この高周波伝送線路と筐体との接近間隔は、
少なくとも耐電圧ギャップ以上とすることにより高周波
伝送線路と筐体の間で発生する放電を防止し、ターゲッ
ト電極への高周波電力の供給量の減少を防止することが
できる。また、高周波伝送線路と筐体との間に誘電体を
挟持させることによって、エアギャップの場合より高周
波伝送線路と筐体との間における電磁界の集中の度合い
を高め、高周波伝送線路間の電磁気的結合をより減少さ
せる。
を減少させることにより、相互の電磁的結合を減少させ
る。なお、この高周波伝送線路と筐体との接近間隔は、
少なくとも耐電圧ギャップ以上とすることにより高周波
伝送線路と筐体の間で発生する放電を防止し、ターゲッ
ト電極への高周波電力の供給量の減少を防止することが
できる。また、高周波伝送線路と筐体との間に誘電体を
挟持させることによって、エアギャップの場合より高周
波伝送線路と筐体との間における電磁界の集中の度合い
を高め、高周波伝送線路間の電磁気的結合をより減少さ
せる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明する。 (本発明のスパッタリング装置の実施例の構成)図1は
本発明のスパッタリング装置の実施例の斜視図であり、
図2はそのブロック図である。なお、図1は一部を切断
して内部を示した図である。図1及び図2において、本
発明のスパッタリング装置は、真空チャンバ6と筐体3
の2つの箱体を有している。基板への成膜処理は真空チ
ャンバ6内において行われる。この真空チャンバ6内に
はターゲットを持つターゲット電極5と基板ホルダ電極
8と基板7が設けられ、基板ホルダ電極8は真空チャン
バ6の外部に設けられた基板ホルダ電極回転駆動系9に
よって回転駆動される。そして、基板7上には、ターゲ
ット電極5と基板ホルダ電極8の間で形成されるプラズ
マによって、ターゲットの成分が堆積して薄膜が形成さ
れる。真空チャンバ6内には複数個のターゲット電極5
が設けられており、基板ホルダ電極8を回転することに
よって、該基板ホルダ電極8上に設置された基板7が対
向するターゲット電極5を変更することができる。共通
の真空チャンバ6内に設けられる複数のターゲット電極
によって、基板上に複数のターゲット成分による化合物
膜を形成することができる。そして、各ターゲット成分
の組成比を個々に制御するために、各ターゲット電極5
−1,5−2に対して、外部に設けられた高周波電源1
中の独立電源1−1,1−2から高周波電力を供給し、
基板7に形成する薄膜の成膜条件に応じた電力制御が行
われる。
細に説明する。 (本発明のスパッタリング装置の実施例の構成)図1は
本発明のスパッタリング装置の実施例の斜視図であり、
図2はそのブロック図である。なお、図1は一部を切断
して内部を示した図である。図1及び図2において、本
発明のスパッタリング装置は、真空チャンバ6と筐体3
の2つの箱体を有している。基板への成膜処理は真空チ
ャンバ6内において行われる。この真空チャンバ6内に
はターゲットを持つターゲット電極5と基板ホルダ電極
8と基板7が設けられ、基板ホルダ電極8は真空チャン
バ6の外部に設けられた基板ホルダ電極回転駆動系9に
よって回転駆動される。そして、基板7上には、ターゲ
ット電極5と基板ホルダ電極8の間で形成されるプラズ
マによって、ターゲットの成分が堆積して薄膜が形成さ
れる。真空チャンバ6内には複数個のターゲット電極5
が設けられており、基板ホルダ電極8を回転することに
よって、該基板ホルダ電極8上に設置された基板7が対
向するターゲット電極5を変更することができる。共通
の真空チャンバ6内に設けられる複数のターゲット電極
によって、基板上に複数のターゲット成分による化合物
膜を形成することができる。そして、各ターゲット成分
の組成比を個々に制御するために、各ターゲット電極5
−1,5−2に対して、外部に設けられた高周波電源1
中の独立電源1−1,1−2から高周波電力を供給し、
基板7に形成する薄膜の成膜条件に応じた電力制御が行
われる。
【0009】また、筐体3は前記真空チャンバ6と隣接
して設けられ、ターゲット電極5に高周波電力を供給す
る高周波電源1及び整合回路2との間の機械的接続を行
っている。なお、整合回路2は、ターゲット電極5と高
周波電源1との間の電気的なインピーダンスの整合を行
うための回路である。筐体3は接地により接地電圧に保
持されている。筐体3内において、ターゲット電極5と
整合回路2とは高周波伝送線路4によって接続されてい
る。この高周波伝送線路4は、複数個のターゲット電極
5及びそのターゲット電極5に接続される独立電源に対
応した複数個の伝送線路により形成され、筐体3内に配
線される。高周波伝送線路4の筐体3内における配線
は、高周波伝送線路4を筐体3の内周面に近接して行
い、図1及び図2に示すように、筐体3の内周面に沿っ
て間隔dを保って行われる。この間隔dは、少なくとも
筐体3と高周波伝送線路4との間で放電が生じない最低
の距離である耐電圧ギャップより大きな距離とし、ター
ゲット電極5による成膜中に筐体3と高周波伝送線路4
と間で放電が生じないよう設定している。この耐電圧ギ
ャップは、高周波伝送線路4や筐体3の寸法や、供給す
る高周波電力の電圧値や電流値に応じて、あらかじめ求
めておくことができる。
して設けられ、ターゲット電極5に高周波電力を供給す
る高周波電源1及び整合回路2との間の機械的接続を行
っている。なお、整合回路2は、ターゲット電極5と高
周波電源1との間の電気的なインピーダンスの整合を行
うための回路である。筐体3は接地により接地電圧に保
持されている。筐体3内において、ターゲット電極5と
整合回路2とは高周波伝送線路4によって接続されてい
る。この高周波伝送線路4は、複数個のターゲット電極
5及びそのターゲット電極5に接続される独立電源に対
応した複数個の伝送線路により形成され、筐体3内に配
線される。高周波伝送線路4の筐体3内における配線
は、高周波伝送線路4を筐体3の内周面に近接して行
い、図1及び図2に示すように、筐体3の内周面に沿っ
て間隔dを保って行われる。この間隔dは、少なくとも
筐体3と高周波伝送線路4との間で放電が生じない最低
の距離である耐電圧ギャップより大きな距離とし、ター
ゲット電極5による成膜中に筐体3と高周波伝送線路4
と間で放電が生じないよう設定している。この耐電圧ギ
ャップは、高周波伝送線路4や筐体3の寸法や、供給す
る高周波電力の電圧値や電流値に応じて、あらかじめ求
めておくことができる。
【0010】また、筐体3と高周波伝送線路4との間に
は、テフロン等の誘電体からなるスペース材を挟むこと
ができ、これによって、筐体3と高周波伝送線路4との
間の間隔dの保持を行うとともに、筐体3と高周波伝送
線路4との間の比誘電率を高めて電磁界の集中の度合い
を高めることができる。本発明のスパッタリング装置
は、複数個の電源の全てが高周波電源である場合だけで
なく、複数個の電源に直流電源が含まれる構成の場合に
も同様に適用することができる。 (本発明のスパッタリング装置の実施例の作用)前記構
成の実施例において、高周波電源1からの高周波電力
は、筐体3内で高周波伝送線路4を通り、真空チャンバ
6内のターゲット電極5に供給される。この高周波伝送
線路4を通る高周波電力は、筐体3において電磁界を発
生する。
は、テフロン等の誘電体からなるスペース材を挟むこと
ができ、これによって、筐体3と高周波伝送線路4との
間の間隔dの保持を行うとともに、筐体3と高周波伝送
線路4との間の比誘電率を高めて電磁界の集中の度合い
を高めることができる。本発明のスパッタリング装置
は、複数個の電源の全てが高周波電源である場合だけで
なく、複数個の電源に直流電源が含まれる構成の場合に
も同様に適用することができる。 (本発明のスパッタリング装置の実施例の作用)前記構
成の実施例において、高周波電源1からの高周波電力
は、筐体3内で高周波伝送線路4を通り、真空チャンバ
6内のターゲット電極5に供給される。この高周波伝送
線路4を通る高周波電力は、筐体3において電磁界を発
生する。
【0011】図3は、本発明の実施例において高周波伝
送線路4により発生する電磁界の状態を説明する図であ
る。図3において、高周波伝送線路4は接地電圧にある
筐体3の内周面と近接して配線されているため、高周波
伝送線路4により発生する電磁界は筐体3との隙間部分
に集中して分布し、隣接する高周波伝送線路4側への電
磁界の分布密度は低下する。したがって、高周波伝送線
路4により発生する電磁界による高周波伝送線路の相互
間の電磁的結合は、従来の高周波伝送線路の配線と比較
して減少する。
送線路4により発生する電磁界の状態を説明する図であ
る。図3において、高周波伝送線路4は接地電圧にある
筐体3の内周面と近接して配線されているため、高周波
伝送線路4により発生する電磁界は筐体3との隙間部分
に集中して分布し、隣接する高周波伝送線路4側への電
磁界の分布密度は低下する。したがって、高周波伝送線
路4により発生する電磁界による高周波伝送線路の相互
間の電磁的結合は、従来の高周波伝送線路の配線と比較
して減少する。
【0012】また、筐体3と高周波伝送線路4との間に
誘電体を挟む場合には、この誘電体の厚みをdとするこ
とによって、筐体3と高周波伝送線路4との間の間隔を
dに保持するとともに、誘電体の空気より高い比誘電率
によって筐体3と高周波伝送線路4との間の比誘電率を
高め、高周波伝送線路4が発生する電磁界をこの誘電体
部分に集中させ、隣接する高周波伝送線路4側への電磁
界の分布密度を誘電体を挿入しない場合と比較してさら
に低下させ、高周波伝送線路4により発生する電磁界に
よる高周波伝送線路の相互間の電磁的結合の減少効果を
高める。なお、この筐体3と高周波伝送線路4との間に
誘電体を挟んだ場合には、この誘電体によって筐体3と
高周波伝送線路4との間で容量結合の度合いが上昇す
る。この容量結合の増大は、高周波電源1からターゲッ
ト電極5への供給電力を減少させることになるが、実際
には、ターゲット電極の接地電位に対するコンデンサ容
量は100pF程度であるのに対して、高周波伝送線路
と筐体間のコンデンサ容量は10pF程度であって小さ
く、成膜速度を低下させるほどの影響はなく、無視でき
る程度である。
誘電体を挟む場合には、この誘電体の厚みをdとするこ
とによって、筐体3と高周波伝送線路4との間の間隔を
dに保持するとともに、誘電体の空気より高い比誘電率
によって筐体3と高周波伝送線路4との間の比誘電率を
高め、高周波伝送線路4が発生する電磁界をこの誘電体
部分に集中させ、隣接する高周波伝送線路4側への電磁
界の分布密度を誘電体を挿入しない場合と比較してさら
に低下させ、高周波伝送線路4により発生する電磁界に
よる高周波伝送線路の相互間の電磁的結合の減少効果を
高める。なお、この筐体3と高周波伝送線路4との間に
誘電体を挟んだ場合には、この誘電体によって筐体3と
高周波伝送線路4との間で容量結合の度合いが上昇す
る。この容量結合の増大は、高周波電源1からターゲッ
ト電極5への供給電力を減少させることになるが、実際
には、ターゲット電極の接地電位に対するコンデンサ容
量は100pF程度であるのに対して、高周波伝送線路
と筐体間のコンデンサ容量は10pF程度であって小さ
く、成膜速度を低下させるほどの影響はなく、無視でき
る程度である。
【0013】(本発明の実施例の寸法例)本発明の実施
例の寸法例としては、例えば、縦,横が300mmで、
高さが150mmの筐体内に、幅20mm,厚さ2mm
の銅製の板状の高周波伝送線路を配線する場合には、高
周波伝送線路と筐体の内周面との間隔を5mmとするこ
とができる。この場合には、高周波伝送線路と筐体の内
周面との間のコンデンサ容量は10pF程度となる。そ
して、同様の寸法の筐体に対して高周波伝送線路を20
0mmの間隔を開けて配線する従来のスパッタリング装
置において、一方の高周波電源から500W程度の電力
を投入し、他方の高周波電源の出力を0Wとする場合に
は、電力を供給しないターゲット電極にもグロー放電が
生じるのに対して、本発明のスパッタリング装置では、
電力を供給しないターゲット電極にはグロー放電は生じ
ない。
例の寸法例としては、例えば、縦,横が300mmで、
高さが150mmの筐体内に、幅20mm,厚さ2mm
の銅製の板状の高周波伝送線路を配線する場合には、高
周波伝送線路と筐体の内周面との間隔を5mmとするこ
とができる。この場合には、高周波伝送線路と筐体の内
周面との間のコンデンサ容量は10pF程度となる。そ
して、同様の寸法の筐体に対して高周波伝送線路を20
0mmの間隔を開けて配線する従来のスパッタリング装
置において、一方の高周波電源から500W程度の電力
を投入し、他方の高周波電源の出力を0Wとする場合に
は、電力を供給しないターゲット電極にもグロー放電が
生じるのに対して、本発明のスパッタリング装置では、
電力を供給しないターゲット電極にはグロー放電は生じ
ない。
【0014】なお、前記数値は一例であって、本発明の
スパッタリング装置はこの数値に限定されるものではな
い。
スパッタリング装置はこの数値に限定されるものではな
い。
【0015】(実施例の効果)本発明の実施例において
は、高周波伝送線路を筐体に近接して配線することによ
り、筐体の内部のスペースを広くとることができ、高周
波伝送線路の配線作業及びターゲット電極を冷却する冷
却水配管の配設作業を容易に行うことができるという効
果がある。また、高周波伝送線路間の相互の電磁的結合
を小さくすることができるため、各ターゲット電極へ投
入する高周波電力を、高価な同時励起型高周波電源を用
いることなく、各高周波電源によって独立して制御する
ことができ、プラズマ強度のうなりを発生させることな
く、基板上に形成する膜の組成比の精度良い制御を行う
ことができる。
は、高周波伝送線路を筐体に近接して配線することによ
り、筐体の内部のスペースを広くとることができ、高周
波伝送線路の配線作業及びターゲット電極を冷却する冷
却水配管の配設作業を容易に行うことができるという効
果がある。また、高周波伝送線路間の相互の電磁的結合
を小さくすることができるため、各ターゲット電極へ投
入する高周波電力を、高価な同時励起型高周波電源を用
いることなく、各高周波電源によって独立して制御する
ことができ、プラズマ強度のうなりを発生させることな
く、基板上に形成する膜の組成比の精度良い制御を行う
ことができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高周波伝送線路間の電磁気的結合を減少させることがで
きるスパッタリング装置を提供ことができる。
高周波伝送線路間の電磁気的結合を減少させることがで
きるスパッタリング装置を提供ことができる。
【図1】本発明のスパッタリング装置の実施例の斜視図
である。
である。
【図2】本発明のスパッタリング装置の実施例のブロッ
ク図である。
ク図である。
【図3】本発明の実施例の高周波伝送線路により発生す
る電磁界の状態を説明する図である。
る電磁界の状態を説明する図である。
【図4】従来のスパッタリング装置の概略ブロック図で
ある。
ある。
【図5】スパッタリング装置中の電磁気的結合を解消す
る一手段を説明する図である。
る一手段を説明する図である。
【図6】従来のスパッタリング装置の筐体内の電磁界の
状態を説明する図である。
状態を説明する図である。
1…高周波電源、2…整合回路、3…筐体、4…高周波
伝送線路、5…ターゲット電極、6…真空チャンバ、7
…基板、8…基板ホルダ電極、9…基板ホルダ電極回転
駆動系、10…プラズマ、13…スペース材。
伝送線路、5…ターゲット電極、6…真空チャンバ、7
…基板、8…基板ホルダ電極、9…基板ホルダ電極回転
駆動系、10…プラズマ、13…スペース材。
Claims (1)
- 【請求項1】 高周波電源を含む複数個の電源と、真空
チャンバ内において前記電源から電力の供給を受けて基
板上に薄膜を形成する複数個のターゲット電極とを備え
たスパッタリング装置において、電源とターゲット電極
とを接続する複数の高周波伝送線路を、接地電位の筐体
内であって該筐体の内側面に近接させて配線するもので
あり、該高周波伝送線路と筐体内側面との間隔は少なく
とも耐電圧ギャップ以上であることを特徴とするスパッ
タリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15978394A JPH0820867A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | スパッタリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15978394A JPH0820867A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | スパッタリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0820867A true JPH0820867A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15701180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15978394A Withdrawn JPH0820867A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | スパッタリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0820867A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1316485C (zh) * | 2002-07-04 | 2007-05-16 | 皇家飞利浦电子股份有限公司 | 可重写光数据存储媒体及其应用 |
-
1994
- 1994-07-12 JP JP15978394A patent/JPH0820867A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1316485C (zh) * | 2002-07-04 | 2007-05-16 | 皇家飞利浦电子股份有限公司 | 可重写光数据存储媒体及其应用 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011002 |