JPH08206753A - プレス加工用フライングプレスユニット - Google Patents

プレス加工用フライングプレスユニット

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JPH08206753A
JPH08206753A JP4136595A JP4136595A JPH08206753A JP H08206753 A JPH08206753 A JP H08206753A JP 4136595 A JP4136595 A JP 4136595A JP 4136595 A JP4136595 A JP 4136595A JP H08206753 A JPH08206753 A JP H08206753A
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JP
Japan
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hydraulic cylinder
slide
fixing base
base
press
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JP4136595A
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English (en)
Inventor
Akihiko Shiratori
昭彦 白鳥
Ikuo Fukazawa
郁夫 深澤
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BUHINKO KK
Original Assignee
BUHINKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】構造が簡単かつ小型で、金型の下型に与えるス
ペースの影響がほとんどなくメンテナスフリーなプレス
加工用吊り式プレスユニットを提供する。 【構成】プレス機のスライドまたは上型には後部にバッ
クアップスライド面42を有する固定用ベース4を設
け、これにピストンロッド先端に工具Tを有する油圧シ
リンダ3を上面が前記支え面41と平行な関係を保ちか
つ後部が常時前記バックアップスライド面42と摺接す
るように緩衝材7を介して吊持させ、前記スライド下降
時に前記固定用ベース4とで油圧シリンダ3をボルスタ
または下型上所定位置に固持するとともに加工位置決め
を行い、かつ油圧シリンダ3に油圧を供給してピストン
を作動させるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレス加工用フライング
プレスユニット、さらに詳細にはプレス機の可動部に装
備して穴明けなどの加工を行うのに好適な吊り式プレス
ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】プレス機械は周知のように上下の運動を
繰り返し行うため上下方向での絞り、曲げ、打抜き(せ
ん断)、成形などの加工は自在であるが、水平方向ある
いは傾斜方向の加工は行うことができない。このような
プレスの上下運動では加工できない横ないし傾斜方向の
加工を可能にする手段としてカム型(カムスライドユニ
ット)が汎用されている。かかるカム型は、プレス機の
加工方向とは異なった方向への運動を行うことから、ド
ライバ部はプレス機の非可動部であるボルスタ上か又は
ボルスタ上に設置された下型上のワークに近接した部位
に固定されるのが通例である。
【0003】しかし、プレス加工は自動化による生産量
の拡大やコスト低減、精度向上などの目的から、加工各
工程を1つの金型内にステーションとして設定し、ステ
ーション間をフィードバーとワークグリップ爪などによ
りワークを搬送していく順送型が主流になっている。こ
れに伴い、ステーションのスペースの縮小や搬送用ワー
クグリップの動きの点から、カム型をボルスタや下型に
設置することが問題となることが多くなってきた。ま
た、自動車ボディにみられるようにワークはますます曲
線を多用した複雑な3次元形状になってきている。これ
に伴い、例えば、円錐状に下に広がったワークや下部に
フランジが突き出ているワークの中間部や上方部に穴明
け等の加工を行う場合、カム型を下型に取り付けて行う
には、装置の取付け位置を高くし、ストロークもかなり
長くなる。このため装置は大型化し、現実的にはワーク
を上下逆転させる等の工程をとらなければ加工は不可能
となってしまう。
【0004】このような問題を解決するには、カム型を
プレス機の可動部であるスライド面やスライド面に設置
された金型の上型に取付け、加工時にのみ製品に近接さ
せるようにすればよいと考えられる。しかし、前述のよ
うにプレス機の上下運動とは異なる方向への運動(加工)
を行うことから、カム型をスライド面や金型の上型に固
定することは不可能である。その理由は、通常のカム型
は、プレス機のスライドが静止状態(上死点位置)から
下方向へ動きはじめ、スライド面又は金型の上型に取付
けられた押圧部材がカム型のアッパー部を押すことで、
ドライバ部が任意方向へ前進を開始し、スライドが下死
点に達する直前までに加工を完了し、スライドが下死点
に達した位置で前進を停止し、その後、スライドが上方
向へ動き、押圧部材の上昇によりカム型のアッパー部に
加えられていた押圧力が減少することにより、ドライバ
部に取付けられた戻し用スプリングにより後退を開始
し、スライドが上死点に達する直前までに元位置への復
帰を完了するからである。すなわち、スライド面や金型
の上型に加工装置を固定した場合、加工位置は下死点に
設定しなければならないが、前述のように、プレス機の
スライドは定点で停止することなく常に可動しており、
仮に穴明け加工でピアスパンチがタイミングよく下死点
で穴明けを完了しても、ピアスパンチの先端部がまだ製
品や下型に設けたパンチと対をなすダイの穴に入った状
態で、装置が上昇をはじめてしまう。このため、スライ
ドの移動方向とは異なる方向と角度で固定され運動して
いるピアスパンチは、当然のことながら折れてしまうか
もしくは製品や金型を破損してしまうことになる。
【0005】この対策として、カム機構を追加すること
で装置主要部をスライド面や金型の上型に設置するよう
にした吊りカムもしくはフライングカムと称される装置
が知られている。この吊りカムは、一般に、スライドカ
ムを吊下げる役目をするアッパーカムをスライド面や金
型の上型に固定し、スライドカムをカムアッパープレー
トによりアッパーカムの摺動面に加工方向に関係した角
度(スライドカム底面が加工方向と同角度となる)で密
着した状態で吊り上げるとともに、このスライドカムを
戻し用スプリングにより常態においてアッパーカムの後
半部まで押し下げている。そして、加工方向と同角度の
傾斜摺動面を持ったロアーカムをボルスタ上や金型の下
型に固定している。なお、このロアーカムにはスライド
カムに装着された鍵爪を持ったリターンブロックがかか
る溝が設けられている。
【0006】この吊りカムにおいては、プレス機が動い
てスライドが下降を開始すると、スライド面もしくは金
型の上型に固定されたアッパーカム及びスライドカムも
下降する。そして、スライドカムの底面がロアームカム
に接触し、スライドが更に下降すると、スライドカムは
アッパーカムとロアームカムに挟まれ、押し出される形
で戻し用スプリングに抗して前進し、スライドカムに装
着されたピアスパンチがワークに向かって突出し、加工
を行う。加工終了後、プレス機のスライドが下死点に達
して上昇動に転じると、アッパーカムも上昇し、スライ
ドカムは加工進行方向と180°逆の方向に後退を開始
し、パンチがワークから離れる。そして、アッパーカム
とロアームカムの間隔が増大し、戻り用スプリングによ
りスライドカムが後退し終わった時点で、アッパーカム
と共に上昇する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この吊りカム
は次のような問題点があった。 機械による力の伝達(面圧によるスライド)であり、プ
レス機の圧力は強大であるため、カム型装置には加工力
に対する強度以上にプレス機下降圧力にも耐えうる耐久
性と持久力が要求され、したがって装置の大型化を避け
られない。 機械的な力の伝達であり、プレス機スライド側からの
力の伝達を受けるカムアッパとカムドライブとは切り離
すことができず、一体型として製品に隣接して設置しな
ければならない。このため、設置に制約がともなうとと
もに、大きな設置スペースが必要となる。 力の伝達がカムにより行われ、面圧によりスライドさ
れる関係から摺動部が多く、摺動接触部位に高度な耐久
性が要求され、摩耗や焼き付けを避けるための対策とし
て、スライド面の焼き入れ、窒化処理、給油対策は勿
論、焼き付け後の強制引き戻し機構の設置が必要とな
る。このため、非常に高価となる。しかも、面圧により
スライドさせる摺動部がカム型よりも更に多くなるため
一層の耐久性,給油対策が必要となり、給油方法もカム
型で採用されているカムアッパー内に油槽を設け、潤滑
油を油口より自然放出させる方式は、下型上の製品を汚
すこととなり、潤滑経路も複雑となることから、オイル
レスプレート材を使用することが必要となる。したがっ
てこの面でも装置が高価なものとなる。 面圧によりスライドさせる摺動部が多いため焼付きが
生じやすく、加工中にスライド面が焼付きにより固着し
てしまいスライドカムが突出したままの状態でスライド
が可動すれば、製品や金型、ひいてはプレス機自体を破
損させてしまう危険がある。そのため、吊りカムではス
ライドカムのスライド面が焼き付き固着してしまった場
合でも、プレス機の上昇力で強引に引き剥がし、スライ
ドカムを元位置に戻してしまう強制戻し機構の付加が必
要不可欠となる。そこで、スライドカムはカムアッパー
プレートを介してアッパーカムに吊り下げられており、
このカムアッパープレートが強制戻しも行う。そして、
ロアーカムには前述のスライドカムに装着されたリター
ンブロックがかかる溝が設けられている。しかし、その
ためにロアーカムはボルスター上若しくは金型の下型に
固定されることが必要となる。このことは吊りカム使用
の本来の目的とは相反することになりかねず、吊りカム
使用上の大きな問題点となっている。更に、加工方向や
角度、または金型構造上、ロアーカムがかなりの大きさ
になる場合があり、通常のカム型をボルスター又は金型
の下型に装着する場合と比べてスペース占有率のメリッ
トが小さく、コスト的デメリットをカバーできない事態
も出てくる。 ロアーカムを金型の下型に取付ける際の位置決め作業
は、例えば穴明け(剪断)加工の場合、スライドカムに取
り付けたピアスパンチと下型に装着されたダイとの刃合
わせ作業を行って正確な位置出しを行うが、スライドカ
ムは常態でロアーカムと分離されている。したがって、
ロアーカムの上にスライドカムとアッパーカムを載せて
なんらかの方法で圧力を加え、スライドカムを突出させ
るか、スライドカムとアッパーカムの締結箇所及び戻り
用バネ等を分解してスライドカムのみをロアーカムと面
接触させて行わなければならない。このため手間と時間
がかかり、また精度上からも問題がある。
【0008】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その第1の目的は、構造が簡単
かつ小型で、金型の下型に与えるスペースの影響がほと
んどなく、また工具刃合わせによる位置決め作業も容易
でメンテナスフリーな安価なプレス加工用フライングプ
レスユニットを提供することにある。また第2の目的
は、第1の目的に加え、加工方向すなわち水平に対する
傾斜角度が大きい場合にも、安定確実に加工を行うこと
かできるプレス加工用フライングプレスユニットを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の第1発明は、プレス機のスライドの上下ストロ
ーク中に下型に位置するワークに対し水平方向ないし傾
斜方向の加工を行う装置において、スライドまたは上型
に固定され下部に水平上ないし傾斜状の支え面を持ち後
部にバックアップスライド面を有する固定用ベースと、
ピストンロッド先端に工具を有する油圧シリンダと、前
記油圧シリンダの上面が前記支え面と平行な関係を保ち
かつ後部が常時前記バックアップスライド面と摺接する
ように油圧シリンダを前記固定用ベースに上下動可能に
吊持する手段と、前記油圧シリンダの上面と固定用ベー
スの支え面の間に介在された緩衝材と、前記スライド下
降時に前記固定用ベースと協働して油圧シリンダをボル
スタまたは下型上所定位置に固持するとともに加工位置
決めを行う手段と、前記手段の作動中に油圧シリンダに
油圧を供給してピストンを作動させる油圧供給手段とを
備えている構成としたものである。
【0010】また、本発明の第2発明は、下部にバック
アップスライド面を設けた上型またはスライドと、ピス
トンロッド先端に工具を有する油圧シリンダを下部に傾
斜状に固定した固定用ベースと、前記固定用ベースをそ
の後部をバックアップスライド面に摺接させた状態で上
下移動可能に吊持する手段と、スライドまたは上型と固
定用ベースの上面の間に配された緩衝材と、前記スライ
ド下降時に前記上型またはスライドと協働して固定用ベ
ースおよび油圧シリンダをボルスタまたは下型上所定位
置に固持するとともに加工位置決めを行う手段と、前記
手段の作動中に油圧シリンダに油圧を供給してピストン
を作動させる油圧供給手段とを備えている構成としたも
のである。
【0011】第1発明のスライド下降時に前記固定用ベ
ースと協働して油圧シリンダをボルスタまたは下型上所
定位置に固持するとともに加工位置決めを行う手段、ま
たは第2発明のスライド下降時にスライドまたは上型と
協働して固定用ベースおよび油圧シリンダをボルスタま
たは下型上所定位置に固持するとともに加工位置決めを
行う手段の態様としては次のものが挙げられる。 a.パイロットピンを有し油圧シリンダの下部に固定さ
れるハイトベースと、ボルスタまたは下型に配されパイ
ロットピン挿入穴を有するハイトベース受けとの組合せ
が挙げられる。ハイトベースとハイトベース受けは互い
に嵌まり合う凹部(または凸部)と凸部(または凹部)を有
していてもよい。 b.ハイトベースをボルスタまたは下型に固定し、油圧
シリンダの下部をハイトベースに受支させる。油圧シリ
ンダ下部とハイトベース上部は互いに嵌まり合う凹部
(または凸部)と凸部(または凹部)を有していてもよい。
【0012】油圧シリンダは単動式でも復動式でもよ
く、また、単動式の場合、ピストン戻し手段としての戻
しばねは内装形式でも外装形式でもよい。油圧供給手段
は油圧シリンダを用いこれをプレス下降力を利用して作
動させる形式としてもよいが、これに限らず油圧ポンプ
であってもよい。なお、本発明は厳密なストローク制御
が必要な加工以外のすべての加工に適用できる。すなわ
ち、穴明けで代表されるせん断加工のほか、シリンダに
取り付ける加工工具を選択することにより曲げ加工、成
形加工などを自由に行える。
【0013】
【作用】第1発明においては、スライドを下降させる
と、油圧シリンダは重力で固定用ベースに吊られた状態
でプレス固定側に接触して加工位置に位置決めされ、さ
らにスライドが下降することにより固定用ベースとプレ
ス固定側との間で上下から挟持されかつ固定用ベースの
バックアップスライド面によって後方への力が受け止め
られる。この状態でスライドの下降により油圧供給手段
が作動して油圧シリンダに圧油が供給され、工具が前進
してワークを加工する。このときの反動力は緩衝材を介
しての前記固定用ベースとプレス固定側との挟持とバッ
クアップスライド面の支持作用で安定的に受け止められ
る。スライドが下死点から上昇すると、固定用ベースだ
けがバックアップスライド面をガイドとしてまず上昇
し、油圧シリンダは吊持手段が働くまで加工位置に止ま
っている。この間にスライドの上昇により油圧供給手段
に油圧シリンダから圧油が戻されるため工具は後退し、
ワークから抜き出される。そして、所定位置まで固定ベ
ースが上昇すると吊持手段が働いて油圧シリンダは引き
上げられる。従って、簡単な構造で摺動部がすくなくて
も正確、確実にプレスの上下運動を水平方向または斜め
方向に変換して加工を行うことができる。
【0014】第2発明においては、油圧シリンダは所望
の傾斜角度で固定用ベースに固定されてユニットを構成
し、固定用ベースは上型またはスライドから吊持手段で
水平に吊り下げられている。スライドを下降させると前
記ユニットの下部にある油圧シリンダはプレス固定側に
当接して位置決めされ、続いてユニットはバックアップ
スライド面をカイドとして上型またはスライドとプレス
固定側との間で緩衝材を介して挟持固定される。この状
態で油圧供給手段が作動して油圧シリンダに圧油が供給
され、工具が前進してワークを加工する。スライドが下
死点から上昇すると、ユニットは吊持手段が働くまで加
工位置に止まっている。この間にスライドの上昇により
油圧供給手段に油圧シリンダから圧油が戻されるため工
具は後退し、ワークから抜き出される。そして、所定位
置までスライドが上昇すると吊持手段が働いてユニット
は吊り上げられる。この第2発明はユニットの上部であ
る固定用ベースが水平のまま上下動するため、バックア
ップスライド面への加工反動力を軽減することができ
る。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。図1ないし図5は第1発明の一実施例を示してい
る。図面において、1はプレス機のスライドであり、主
ラム等により昇降自在となっている。1’はスライド1
の下面に固定された金型の上型である。2はプレスのベ
ッドに配されたボルスタ、2’はボルスタ2に固定され
た金型の下型であり、中央領域にワークWが装着され、
この実施例では所要位置に穴明けパンチと対をなすダイ
200が設けられている。Aは本発明によるプレス加工
用フライングプレスユニットであり、工具Tを装備した
油圧シリンダ3と、これを吊持手段5を介して上下動可
能に吊持する固定用ベース4と、油圧シリンダ3に圧油
を供給する手段8と、固定用ベース4と協働して油圧シ
リンダ3を所定位置に固持するとともに加工位置に位置
決めするための手段6とを備えており、油圧シリンダ3
と固定用ベース4および油圧シリンダ3を所定位置に固
持するとともに加工位置に位置決めするための手段6は
前記した加工部に近い領域に配されている。
【0016】以下各部の機構を詳細に説明する。油圧シ
リンダ3はこの実施例では単動式のものが用いられてお
り、図4のようにチューブ3aの前後にロッドケース3
b,ヘッドケース3cを油密に固定しており、これらロ
ッドケース3bとヘッドケース3cとチューブ3aで画
成された筒室にピストンロッド30と結合したピストン
3dを摺動可能に配し、ピストンロッド30の先端にヘ
ッドプレート3eを介して加工工具(この例では穴明け
パンチ)Tを取り付けている。ヘッドケース3cには作
動油ポート31が設けられここにに耐圧ホースなどから
なる導管32を接続しており、かつ、この実施例では、
前記ピストン3dを後方に戻すための圧縮バネからなる
戻しバネ3fがチューブ両側に沿って外装されている。
詳しくは、図2と図3のように、ヘツドプレート3eの
両側部に通孔を有する第1ボス33が設けられ、チュー
ブ3aの両側には前記通孔と同心状の通孔を有する第2
ボス34が設けられ、それら第1、第2ボス33,34
に後端にばね受け座37を介してボルトなどからなるガ
イドロッド35を挿通し、ばね受け座37と第2ボス3
4の間のガイドロッド外周に戻しばね3fを配し、ガイ
ドロッド端部にナットを螺合することで戻しバネ3fに
所定の戻し力をセットしている。勿論、戻しバネ3fは
内装式でもよい。図4(b)はこの例を示しており、ロ
ッドケース3bとピストン3dとの間のピストンロッド
外周に戻しバネ3fを配している。
【0017】固定用ベース4は前記上型1’に位置決め
ピン又はキー材により正確に位置決めされ、上部両側の
フランジ40,40をもつて上型1’にボルトなどによ
って固定されている。固定用ベース4は前記油圧シリン
ダ3を吊下げ、加工時に反動に抗して油圧シリンダ3を
加工位置に押さえ付ける。この機能を発揮させるため、
固定用ベース4は下面先端より一定の距離にわたって加
工方向(角度)と同角度で傾斜した支え面41が設けら
れている。また、固定用ベース4の後部には支え面41
の端から水平面に対し垂直に下るバックアップスライド
面42を備えたガイド部43が設けられており、前記油
圧シリンダ3の後部ヘッドケース3cには前記バックア
ップスライド面42と面接触しつつ摺動するように所定
角度の斜面36が設けられている。前記バックアップス
ライド面42とヘッドケース後面は少なくともいずれか
が無給油プレートなどの潤滑面で構成されることが望ま
しい。
【0018】前記油圧シリンダ3を所定の角度を保たせ
つつ固定用ベース4に上下動可能に吊下げるための吊持
手段5は、この実施例では油圧シリンダ3の両側面にボ
ルト5bによって固定されたプレート5a,5aと、そ
れらプレート5a,5aに設けた複数本の縦長孔(溝孔)
50,50に嵌まるように固定用ベース4に突設した吊
りピン5c,5cとからなっており、こうした吊持手段
5により油圧シリンダ3は固定用ベース4の支え面41
から一定の距離をあけて加工方向と同角度に吊られてい
る。スライド下降時に前記固定用ベース4と協働して油
圧シリンダ3を固持すると共に下降位置に位置決めする
ための手段6(以下単に固持位置決め手段と称す)は、
この実施例では、油圧シリンダ3のチューブ底面に固定
されたブロック状のハイトベース6aと、該ハイトベー
ス6aの下部に垂直状に取り付けたパイロットピン6b
と、下型1’に設けられたハイトベース受け6cと、該
ハイトベース受け6cに設けたピン穴(ブッシュを含
む。以下同じ)6dから構成されている。前記ハイトベ
ース6aは加工時のシリンダ位置を決定するもので、上
面は加工方向と同じ角度の傾斜面となっており、下面は
油圧シリンダ3に固定した状態でボルスタ面ないし下型
面と平行になるように水平状となっている。そしてハイ
トベース受け6cと前記ハイトベース6a間には加工時
に必要なスペースが設けられている。
【0019】前記油圧シリンダ3の上部すなわちチュー
ブ3aの上面と固定用ベース4の支え面41間には緩衝
材7が介装されている。前記緩衝材7の圧縮荷重は、シ
リンダ先端に取付けた加工工具Tが前進してワークWに
接触し加工を開始してから終了するまでに必要な前進ス
トロークと同一のストローク分だけ圧縮させた時の発生
荷重が加工時に油圧シリンダ3にかかる上方への加工反
動力よりも大きいことが必要である。緩衝材7はウレタ
ンパッド、ゴム、スプリングなどから適宜選択される。
緩衝材7はこの実施例ではチューブ3aに接着等により
固定されている。
【0020】前記油圧シリンダ3に対し油圧を供給する
ための油圧供給手段(油圧力源)8は、この実施例では油
を充填封入した油圧シリンダが用いられている。該油圧
供給手段8は図4(a)のようにチューブ8aの上下に
ヘッドケース8b,ロッドケース8cを油密に固定し、
それらで画成された筒状の油室にピストン8dを摺動可
能に配し、ピストンロッド80をロッドケース8cを貫
いて延出させたもので、この実施例ではスライド下降力
を利用して作動させるべく、ヘッドケース8bをスライ
ド1(上型1でもよい)に固定し、ピストンロッド80を
下方に突出させ、これをボルスタ2または受け2"(下
型でもよい)で押圧させるようになっている。しかし、
油圧供給手段8はこれに限定されるものでなく、本体を
ボルスタ2または下型2’に固定し、ピストンロツド8
0をスライド1に固定した受け2"または上型1’に対
峙させてもよい。あるいは、スライド1にプレスルーム
の外側に突出するブラケットを設けて油圧供給手段8を
固定したり、プレスルームの外側に突出するブラケット
を設けてピストンロツド80を押圧するようにしてもよ
い。油圧供給手段8はヘッドケース8bの作動油ポート
81に前記導管32の端部を接続しており、そして導管
32を油圧シリンダ3の昇降移動に追従させるため、固
定用ベース4のガイド部43には導管32を挿通するU
字溝420が設けられている。
【0021】図6は第1発明と後述する第2発明に適用
される固持位置決め手段6の別の態様を示している。こ
の態様はより精度が要求される加工に適しており、ハイ
トベース6aの下面に凹部(または凸部)61を形成
し、ハイトベース6aの鉛直線上の下型2’に前記凹部
(または凸部)61に対応する凸部(または凹部)62
を有するハイトベース受け6cを設けたもので、パイロ
ットピン6bは凹部(または凸部)61から突出し、ベ
ース受け6cの凸部(または凹部)62にピン穴6dが
設けられている。
【0022】図7は第1発明と後述する第2発明に適用
される固持位置決め手段6の別の態様を示している。こ
の態様においては、ハイトベース6aに相当するものを
プレス固定側に設けている。すなわち、下型下型2’の
上に、上面に油圧シリンダ3の傾斜角度(加工角度)に対
応する角度の傾斜面を有し、下面は固定状態でボルスタ
面ないし下型面と平行な水平面を持つブロック状の受け
ベース6a’を位置決め固定し、この受けベース6a’
で直接的に油圧シリンダ3の傾斜状の下面(チューブ下
面)を受支するようにしたものである。そして、好まし
くは受けベース6a’の上面には傾斜状の凹部(または
凸部)61’を設け、油圧シリンダ3の下面には対応す
る凸部(または凹部)62’を設け、かつ、油圧シリン
ダ3の下面にパイロットピン6bを突設させ、受けベー
ス6a’には前記パイロットピン6bが挿脱するピン穴
6dを設けたものである。 この態様は、加工位置の関
係でハイトベースが高くなってしまうと加工時の衝撃に
よる偏荷重の発生に対しての倒れや位置ずれといった強
度的、精度的問題が懸念される場合に効果的な構造であ
り、高さ方向に対するスペースをとることができる場合
に適用できる。
【0023】図8と図9は本発明の第2発明の実施例を
示している。この第2発明のプレス加工用フライングプ
レスユニットAは、油圧シリンダ3を加工角度に則した
所望角度で傾斜状に固定用ベース4に固定し、その固定
用ベース4をバックアップスライド面13を有する上型
1’に垂直方向に移動可能に吊持させる方式としたもの
である。詳しくは、固定用ベース4の下面に傾斜状の支
え面とこれから立ち上がる背壁面を備えたホルダー部4
4を設け、このホルダー部44に油圧シリンダ3を装着
し、チューブ両側のフランジ38,38をボルトやノッ
クピンなどの結合手段でホルダー部44に固結すること
によりアッセンブリを構成している。そして、固定用ベ
ース4を上型1’から吊持手段5によって昇降可能に吊
持させ、緩衝材7を上型1’と固定用ベース4により圧
縮されるように配している。
【0024】図8の実施例においては、バックアップス
ライド面13は上型1’の下面領域に固定用ベース4が
ピッタリ嵌まり得る形状寸法の凹部12を形成すること
によって構成されている。したがって固定用ベース4は
上型1’内に半埋め込み式となっている。そして、吊持
手段5にはブッシュ付きの吊りボルト5dが用いられて
おり、上型1’に凹部12に達する貫通穴140を有す
る袋穴14,14が間隔をおいて配設され、それら貫通
穴140を通して前記吊りボルト5dが伸び、固定用ベ
ース4にねじ込み固定されている。また、この例では緩
衝材7としてコイルスプリングが用いられており、該緩
衝材7はブッシュのフランジ部と袋穴14に捩じ込まれ
た蓋用プラグ5eにより圧縮させられている。図9の実
施例は吊持手段5としての吊りボルト5d,5dによっ
て固定用ベース4を昇降可能に吊持させている点は図8
と同様であるが、緩衝材7としてたとえば筒状のウレタ
ンを上型1’と固定用ベース4間の吊りボルト外周に配
して圧縮させるように配している。この実施例では固定
用ベース4は露出型であり、バックアップスライド面1
3は上型1’の下面から突出するブラケットないしブロ
ック15,15を設けることで形成している。
【0025】この第2発明は、油圧シリンダ3の傾斜角
度が大きくなった加工方向の場合に適している。すなわ
ち、油圧シリンダ3の傾斜角度が垂直方向に近づくほど
加工時に油圧シリンダ3にかかる加工反動力はシリンダ
後端(ヘッドケース3c)とそれに接するバックアップス
ライド面13に集中し、これにより負荷が大きくなる。
一方、油圧シリンダ3を加工位置に押さえ保持するため
の緩衝材7は急角度により固定用ベース4と油圧シリン
ダ3間で挟み込むことが困難となり、緩衝効果が乏しく
なる。これに対して第2発明では油圧シリンダ3は傾斜
状に固定用ベース4に固定され、その固定用ベース4は
水平面のまま上下する。したがって、緩衝材7は常に平
行に圧縮され、バックアップスライド面13にかかる加
工反動力を大幅に軽減させることが可能となる。第2発
明における固持位置決め手段6や油圧供給手段8は第1
発明と同じであるから、対応する部分に同じ符号を付
し、説明は省略する。図8は固持位置決め手段6として
図6の態様のものを用い、図9は図7の態様のものを用
いているが、これらに限定されるものでないことはいう
までもない。
【0026】なお、第1発明と第2発明のいずれにおい
ても、油圧シリンダ3と油圧供給手段8は単動式だけで
なく復動式であってもよい。図10は第1発明を例にと
って復動式とした例を示しており、ロッドケース3b,
ヘッドケース3cにそれぞれ油圧ポート31’,31を
設けて導管32’,32と接続し、それら導管32’,
32をそれぞれ油圧供給手段8の上下のヘッドケース8
b,ロッドケース8cにそれぞれ接続し、ピストンロッ
ド80の先端にばね受け座82を固定しこれとヘッドプ
レート8c間に戻しバネ8eを介装したものである。も
とより戻しバネ8eはピストン室に内装されていてもよ
い。なお、図10は油圧シリンダ3と油圧供給手段8を
復動式とした点に特徴があり、固持位置決め手段6は前
述したいずれの態様でもよい。
【0027】また、第1発明における吊持手段5は、固
定用ベース4の支え面41と油圧シリンダ3の上面とが
平行関係を保ちつつ相対移動し得るように連結させる機
能を有していればよい。したがって、前記実施例のよう
にプレート5a,5aとそれらプレート5a,5aの縦
長孔50,50に嵌まるように固定用ベース4に突設し
た吊りピン5c,5cの構造に限定されるものではな
い。図11は吊持手段5の他の態様を示しており、固定
用ベース4の両側面にガイド面53と吊持用面54を有
するL型ブロック5fを固定し、油圧シリンダ3の両側
面には前記吊持用面54に対する係合部55を上端に有
するL型プレート5gの下部をボルト57などで固定し
ている。この構造に代えてストリッパーボルト類を使用
してもよい。
【0028】さらに、第1発明において、固定用ベース
4は上型1’でなくスライド1に固定されてもよく、ま
た、ハイトベース受け6aや受けベース6a’も下型
2’でなくボルスタ2に配置固定されてもよい。第2発
明において、ユニット吊持領域に上型1’がない場合、
バックアップスライド面42や凹部はスライド1に設け
てもよい。第1発明と第2発明において、油圧供給手段
8の油圧シリンダは上型1’でなくスライド1に固定さ
れてもよく、あるいは下型2’でなくボルスタ2に配置
固定されてもよい。ピストンロッド80に対する受けな
いし押圧部材も上型1’や下型2’でなく、スライド1
またはボルスタ2に設けられてもよい。また、第1発明
においては水平に対して所要角度の加工を行うべく支え
面41を傾斜状とし、これに対応して油圧シリンダ3も
傾斜させているが、これに限らず水平方向での加工を行
う場合にも適用できる。この場合には支え面41を水平
とし、ヘッドプレート3cの後面も水平に対して直角と
し、油圧シリンダ3を水平状態で昇降させるようにすれ
ばよい。また、工具Tは実施例では穴明けパンチである
が、これに限られるものではなく、曲げ加工用パンチ、
絞りなどの成形用パンチなど任意である。また、第1発
明と第2発明の実施例では、油圧供給手段8として油圧
シリンダを用い、これをプレス下降力を利用して直接油
圧を発生させ油圧シリンダ3を作動させるようにしてい
るがこれに限定されない。すなわち、油圧シリンダでな
く油圧ポンプを用い、これの吐出側と油圧シリンダ3と
を管路で接続すると共に管路中に制御弁を設け、これを
プレス作動に連動させて油圧シリンダ3への油圧の導出
入を行うようにしてもよい。
【0029】
【実施例の作用】次に、実施例の作用を説明する。図1
2は第1発明を適用したプレス機を示しており、上型
1’には下型2’に対応する凹部を有する押えパッド1
aが可動的に装備されており、パンチ側壁部にはワーク
Wを下型2’とで挟持したときに下型2’のダイ穴20
0と同軸に整合可能なガイド穴100が設けられてい
る。第1発明において、本発明ユニットAは加工前は図
1と図2の状態にある。すなわち、油圧シリンダ3は後
面36がバックアップスライド面42に接触した状態で
吊持手段5により下限位置に吊持され、油圧シリンダ3
の上面と固定用ベース4の傾斜した支え面41との間に
は空隙が形成されている。また、加工工具Tは油圧供給
手段8が非作動のため、後退限位置にある。ワークWは
下型2’上にセットされており、そして、プレス機が作
動してスライド2が下降すると、油圧シリンダ3と固定
用ベース4からなるユニットも下降を始め、また、油圧
供給手段8も降下を始める。
【0030】スライド1が下降を続けると、図5(a)の
ように、まず油圧シリンダ3の底部に固定されているハ
イトベース6aから延びるパイロットピン6bが下型
2’に設けたパイロット穴6dに挿入され、油圧シリン
ダ3の前後左右方向の正確な位置決めが行われる。この
ときに油圧供給手段8のピストンロッド80もピストン
受け2”に近接する。続いて、ハイトベース6aが下型
2’のベース受け6cに接触して受支され、この時点で
油圧シリンダ3は正確な高さレベルの加工位置に設置さ
れる。それと同時に油圧供給手段8のピストンロッド8
0はピストン受け2”に接して押圧される。このため、
ピストン室内に封入されている油は高圧化して導管32
を介して油圧シリンダ3のピストン室に圧入され始ま
る。この段階までの間に図12のように押えパッド1a
がワークWを下型2”との間で挟持する。
【0031】スライド1は更に下降を続けるが、油圧シ
リンダ3はハイトベース6aとベース受け6cとの接触
によりによりそれ以上は下降せず、固定用ベース4のみ
がバックアップスライド面42を油圧シリンダ3のヘッ
ドケース後面3と摺接させながら下降する。この間の固
定用ベース4と油圧シリンダ3の相対移動は、吊持手段
5のプレート5aの縦長孔50にそって吊りピン5cが
移動することにより正確にガイドされる。一方、油圧供
給手段8内に封入されている油はピストンロッド80の
進入によりますます高圧化し、導管32を介して油圧シ
リンダ3のピストン室に圧入され、これによりピストン
3dとピストンロッド30が押圧移動されるため加工工
具Tは前進を開始する。こうして固定用ベース4が下降
することにより、緩衝材7は油圧シリンダ3の上面に完
全に挟み込まれ、引き続き前進している加工工具Tがワ
ークWに接触し、さらに前進して加圧している際、油圧
シリンダ3が上方へ逃げようとする力を抑える。これが
図5(b)の状態であり、加工工具TがワークWに喰い込
んでいくのに従い、緩衝材7は更に固定用ベース4によ
り圧縮され、油圧シリンダ3を下方に押さえ付けて最大
荷重となるが、加工工具TがワークWを打ち抜く時点
で、油圧シリンダ3は固定用ベース4のバックアップス
ライド面42及び緩衝材7により完全に固定され、反動
を抑えられる。したがって、正確に加工を行うことがで
きる。
【0032】上記のような加工後、スライド1が下死点
に達するまでの間、固定用ベース4はなおも下降し、緩
衝材7は圧縮される。その後スライド1は上昇を開始
し、固定用ベース4も上昇を開始するが、油圧シリンダ
3は自重および緩衝材7の圧縮荷重により加工位置に留
まっている。その間、油圧供給手段8の上昇によりピス
トンロッド80に対する押圧が弱められるため、油圧シ
リンダ3では戻しスプリング3fが作動して油を油圧供
給手段8側へと送り始め、ピストン3dを後退させるた
め、加工工具Tは下型2’に設けたダイ穴200及びワ
ークWから抜き出される。そして、固定用ベース4の上
昇により緩衝材7の圧縮がなくなった時点では加工工具
Tの先端はワークWから抜き出されている。これが図5
(c)の状態である。
【0033】そして、スライド1の上昇により固定用ベ
ース4が上昇を続けると、吊持手段5のプレート5aの
縦長孔50の上端に吊りピン5cがかかるため、油圧シ
リンダ3は吊り上げられて上昇を開始する。このときに
も加工工具Tは後退を続け、油圧供給手段8のピストン
ロッド80がピストン受け2”から離間することにより
加工工具Tは原位置に復帰し、図1の状態に戻る。これ
で加工の1サイクルが終了する。
【0034】図6の態様においては、油圧シリンダ3の
下降時にハイトベース6aの下面とベース受け6cの上
面に設けた凹凸61,62が嵌まり合うため確実かつ正
確に位置決めされる。また、図7の態様の場合には、ス
ライド上限位置では(a)の状態にあり、スライド1が下
降すると、(b)のように油圧シリンダ3の下面のパイ
ロットピン6bが下型上の受けベース6a’の穴6cに
進入すると共に、油圧シリンダ3の下面と受けベース6
a’の上面の凹凸61’、62’が互いに嵌まり合うた
め、確実かつ正確に位置決めされる。(c)は加工状態
を示しており、固定用ベース4が吊持手段5によって垂
直状に降下し、緩衝材7を圧縮しつつ固定用ベース4と
受けベース6a’で油圧シリンダ3を挟み込み握持し、
完全にバックアップされた状態で加工工具Tにより加工
されている。(d)はスライド1が上昇して上限位置に
復帰した状態を示しており、(c)の状態から油圧シリン
ダ3は吊持手段5の縦長孔50の長さ分加工位置で停止
され、その間に油圧供給手段8のピスントロッド80に
対する押圧が弱化して戻しスプリング3fにより油が油
圧供給手段8に戻されてピストン3dが後退するため、
加工工具TがワークWに当らない程度まで後退され、吊
りピン5cがプレート5aを吊り上げる間にも加工工具
Tは後退を続ける。
【0035】第2発明の第8図の実施例においては、油
圧シリンダ3は固定用ベース4に所定の傾斜角度で固定
されており、スライド1が下降してハイトベース6aが
ベース受けに位置決めされると緩衝材7は圧縮され、固
定用ベース4は水平状態のまま上型1’のバックアップ
スライド面13に沿って垂直ガイドされ、緩衝材7が圧
縮されることにより油圧シリンダ3と固定用ベース4か
らなるアッセンブリは固持される。それとともに油圧供
給手段8から油圧シリンダ3への油圧の供給で加工工具
Tは前進し、ワークWに対して加工が行われる。スライ
ド1の上昇により上型1’が上昇すると、緩衝材7の圧
縮が解除され、吊りボルト5dにより固定用ベース4が
吊り上げられまでの間、油圧シリンダ3と固定用ベース
4は加工位置で停止しており、その間、油圧供給手段8
の上昇により、油圧シリンダ3にかかっていた油圧力は
急速に減退し、シリンダ3に装着されている戻しバネの
反力で油圧は油圧供給手段8に戻され、ピストン後退に
より加工工具Tが後退を持続する。この第2発明は、緩
衝材7が常に平行に圧縮されるため、加工角度が急角度
の場合でも十分に保持押さえ込み機能を発揮することが
可能となり、バックアップスライド面13にかかる加工
反力を大幅に軽減させることができる。
【0036】なお、前記いずれの例においても、加工工
具Tは原則として固持位置決め手段6が作動する寸前ま
たは作動後に前進を開始させられるが、ストロークの関
係で必要であれば、ワークWや金型各部品に接触等の影
響が出ない範囲で固持位置決め手段6が作動する以前の
段階で前進を開始させてもよい。これは、これは油圧供
給手段8のピストンロッド80の長さの設定や、油圧供
給手段8の取付け高さ調整あるいはピストン受け2”の
厚さ調整などによって自在かつ簡単に実現することがで
きる。
【0037】本発明1,2においては、ピアスパンチ等
の加工工具を取付けて加工を行う手段として油圧シリン
ダ3を用いており、力の伝達を油圧により行うため、カ
ム機構のような機械強度は必要なく、装置の小型化を図
ることができる。また、油圧シリンダ3に対する油圧源
も分離配置が可能なため、この点でも小型化を図ること
ができる。これは上型吊り式の使用条件、すなわち落下
の危険性から強固な締結が必要で、重量が増せばそれだ
け締結部も大きく高耐久性が要求され、装置取付けの作
業性も悪くなる条件から大きなメリットである。また、
油圧シリンダ3はカム機構と異なって面圧による摺動部
がなく、また全体から見ても、第1発明では摺動部は油
圧シリンダ3の後面と固定用ベース4のバックアップス
ライド面42、第2発明では固定用ベース4の後端と上
型1”(またはスライド1)に形成したバックアップスラ
イド面13の1ヶ所のみであり、しかもかかる面圧はカ
ム機構のカム摺動面と異なり、加工時のみに加工反動に
より油圧シリンダ3にかかる後退方向への力のみであ
る。したがって、給油対策は基本的に不要であり、加工
荷重の大きさにより給油対策が必要となっても、バック
アップスライド面42を無給油プレートや砲金等の合金
プレートで形成する事で足り、無給プレートを多用する
吊りカムと比べて安価となる。
【0038】さらに、面圧による摺動面が無いか又はあ
ってもカム機構と比べてはるかに面圧は弱いため、焼付
きの対策である強制戻しが不要である。従って吊りカム
のロアーカムのように下型に装置の一部を常時固定させ
る必要がなく、ユニット全体を一体化させ、プレス可動
側すなわち上型1’やスライド1に装着することが可能
となる。プレス固定側すなわち下型2”またはボルスタ
2側についても、加工時にのみハイトベース6aまたは
油圧シリンダの底面が接触し得るスペースがあればよ
く、またハイトベース6aはロアーカムと異なり、固定
用ベース4と油圧シリンダ3若しくは上型1’と固定用
ベース4間の緩衝材7の圧縮荷重に耐える得るだけの機
械強度があればよく、はるかに小型化できる。したがっ
て、構造も簡単小型で、設置スペースも少なくてすむ。
これらにより、金型の順送り型の設計が容易となり、型
サイズやステーションサイズの小型化が可能で、型費や
加工費のコストダウンを図ることができ、また製品の精
度維持にもつながる。また、ワークの加工位置に対して
の対応性が増すことにより、工程数の削減が図れ、製品
のコストダウンが図れる。吊りカムの場合には、前述の
ように装置の位置決めのための刃合わせ作業がきわめて
面倒であった。しかし、本発明においては、吊持手段5
のプレート5a,5gを外すか、固定用ベース4を上型
から外し、油圧シリンダ3を下型上に置き、油圧供給手
段8によりシリンダロッド80を突出させればよいため
極めて簡単であり、また吊りカムと比べ作業性や精度維
持の点からも優れている。
【0039】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によれ
ば、プレスの上下動を変換伝達して水平方向または傾斜
方向での加工を可能にする手段として、ピストンに工具
Tを取り付けた油圧シリンダ3とこれに圧油を供給して
工具Tを前進させるための油圧供給手段8を用い、油圧
シリンダ3をバックアップスライド面42を有する固定
用ベース4を固定し、これに吊持手段5を介して油圧シ
リンダ3を相対的に上下移動可能に装備させるととも
に、固持位置決め手段6により固定用ベース4とで前記
油圧シリンダ3を位置決め固定できるようにし、プレス
機の下降時には下降→加工方向に前進の動きを,またプ
レス機の上昇時には加工方向と180°逆方向に後退→
上昇の動きが与えられるようにし、かつ緩衝材7により
加工時に油圧シリンダ3を破損させずこれと固定用ベー
スとのユニットを確実に固定させるようにしているた
め、小型かつ簡単な構造で取付けスペースを小さなもの
とすることができる。また油圧シリンダ3を用るため、
面圧によりスライドさせる摺動面がなく、高度な、耐久
性や給油が不要となり、また面圧によりスライドする摺
動面がなくなることから、焼き付け対策用の強制戻し機
構も不要となる。従って、安価な装置とすることがで
き、更には、刃合わせによる位置決め作業も容易に行う
ことが可能となるなどのすぐれた効果が得られる。
【0040】請求項2によれば、上記効果に加えてピス
トンに工具Tを取り付けた油圧シリンダ3を傾斜状に固
定した固定用ベース4をプレス機のスライドまたは上型
に吊持手段5を介して上下移動可能に装備させているた
め、加工角度が急な場合にも、バックアップスライド面
42にかかる加工反動力を軽減することが可能になると
いうすぐれた効果が得られる。請求項3,4によればコ
ンパクトな構造により確実に油圧シリンダ3の固定と加
工位置決めを行うことができるというすぐれた効果が得
られる。請求項5によれば、位置決め精度を高くするこ
とができるというすぐれた効果が得られる。請求項6に
よれば、油圧供給手段8をプレスの下降力を利用して作
動させるため、構造が簡単になるというすぐれた効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1発明を上限位置に停止した状態で
示す側面図である。
【図2】同じくその正面図である。
【図3】本発明ユニットをプレス機から分離した状態で
示す斜視図である。
【図4】(a)は本発明における油圧シリンダと油圧供給
手段の関係を示す縦断側面図であり、(b)は戻しバネわ
内蔵式とした場合の部分切欠側面図である。
【図5】第1発明の作動を段階的に示す側面図である。
【図6】本発明における固持位置決め手段の他の例を示
す斜視図である。
【図7】本発明における固持位置決め手段の他の例を示
す斜視図である。
【図8】本発明の第2発明を示す部分切欠斜視図であ
る。
【図9】本発明の第2発明の他の例を示す部分切欠側面
図である。
【図10】(a)は本発明の油圧シリンダを復動式とし
た場合の斜視図、(b)は同じくその縦断側面図であ
る。
【図11】(a)は本発明の吊持手段の別の実施例を示
す斜視図である。(b)は同じくその部分的断面図であ
る。
【図12】第1発明を適用したプレス機の一例を示す縦
断側面図である。
【符号の説明】
1 スライド 1’ 上型 2 ボルスタ 2” 下型 3 油圧シリンダ 4 固定用ベース 5 吊持手段 6 固持位置決め手段 6a ハイトベース 6b パイロットピン 6c ハイトベース受け 6c’受けベース 7 緩衝材 8 油圧供給手段 13,42バックアップスライド面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プレス機のスライドの上下ストローク中に
    下型に位置するワークに対し水平方向ないし傾斜方向の
    加工を行う装置において、スライドまたは上型に固定さ
    れ下部に水平ないし傾斜状の支え面41を持ち後部にバ
    ックアップスライド面42を有する固定用ベース4と、
    ピストンロッド先端に工具Tを有する油圧シリンダ3
    と、前記油圧シリンダ3の上面が前記支え面41と平行
    な関係を保ちかつ後部が常時前記バックアップスライド
    面42と摺接するように油圧シリンダ3を前記固定用ベ
    ース4に上下動可能に吊持する手段5と、油圧シリンダ
    3の上面と固定用ベース4の支え面41の間に介在され
    た緩衝材7と、前記スライド下降時に前記固定用ベース
    4と協働して油圧シリンダ3をボルスタまたは下型上所
    定位置に固持するとともに加工位置決めを行う手段6
    と、前記手段の作動中に油圧シリンダ3に油圧を供給し
    てピストンを作動させる油圧供給手段8とを備えている
    ことを特徴とするプレス加工用フライングプレスユニッ
    ト。
  2. 【請求項2】下部にバックアップスライド面13を設け
    た上型1’またはスライド1と、ピストンロッド先端に
    工具Tを有する油圧シリンダ3を下部に傾斜状に固定し
    た固定用ベース4と、前記固定用ベース4をその後部を
    バックアップスライド面13に摺接させた状態で上下移
    動可能に吊持する手段5と、上型またはスライドと固定
    用ベース4間に配され固定用ベース4の上面に作用する
    緩衝材7と、前記スライド下降時に前記上型またはスラ
    イドと協働して固定用ベース4および油圧シリンダ3を
    ボルスタまたは下型上所定位置に固持するとともに加工
    位置決めを行う手段6と、前記手段の作動中に油圧シリ
    ンダ3に油圧を供給してピストンを作動させる油圧供給
    手段8とを備えていることを特徴とするプレス加工用フ
    ライングプレスユニット。
  3. 【請求項3】スライド下降時に前記固定用ベース4と協
    働して油圧シリンダ3をボルスタまたは下型上所定位置
    に固持するとともに加工位置決めを行う手段6またはス
    ライド下降時に前記上型またはスライドと協働して固定
    用ベース4および油圧シリンダ3をボルスタまたは下型
    上所定位置に固持するとともに加工位置決めを行う手段
    6が、パイロットピン6bを有し油圧シリンダ3の下部
    に固定されるハイトベース6aと、ボルスタまたは下型
    に配されパイロットピン挿入穴6dを有するハイトベー
    ス受け6cとを備えている請求項1または請求項2のい
    ずれかに記載のプレス加工用フライングプレスユニッ
    ト。
  4. 【請求項4】スライド下降時に前記固定用ベース4と協
    働して油圧シリンダ3をボルスタまたは下型上所定位置
    に固持するとともに加工位置決めを行う手段6またはス
    ライド下降時に前記上型またはスライドと協働して固定
    用ベース4および油圧シリンダ3をボルスタまたは下型
    上所定位置に固持するとともに加工位置決めを行う手段
    6が、油圧シリンダ3の下面を受支すべくボルスタまた
    は下型に固定された受けベース6a’である請求項1ま
    たは請求項2のいずれかに記載のプレス加工用フライン
    グプレスユニット。
  5. 【請求項5】ハイトベース6aとハイトベース受け6
    c、または油圧シリンダ3の下面と受けベース6a’が
    互いに嵌まり合う凹部(または凸部)と凸部(または凹部)
    を有しているものを含む請求項3または請求項4に記載
    のプレス加工用フライングプレスユニット。
  6. 【請求項6】油圧供給手段8が油圧シリンダであり、ピ
    ストンがプレス下降力によって押圧されるようになって
    いる請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のプレス
    加工用フライングプレスユニット。
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