JPH08201680A - オートフォーカス装置 - Google Patents

オートフォーカス装置

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JPH08201680A
JPH08201680A JP7032972A JP3297295A JPH08201680A JP H08201680 A JPH08201680 A JP H08201680A JP 7032972 A JP7032972 A JP 7032972A JP 3297295 A JP3297295 A JP 3297295A JP H08201680 A JPH08201680 A JP H08201680A
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JP
Japan
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image
index
light
light receiving
object plane
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JP7032972A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kotaki
健一 小瀧
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学調整の簡易化を図るとともに、物体面上
の幾何学的パターンの影響による焦点位置の誤検出を防
止する。 【構成】 イメージ・ローテータ18では、指標板を介
して出射される指標光束に回転を与え、物体面42に形
成される指標像を物体面上で所定の回転数で回転させて
いる。この指標像の回転中、指標像の照射により物体面
42で反射された光束が再び反対方向から入射すると、
イメージ・ローテータ18ではこの反射光束に逆回転を
与え、受光素子48の受光面に対して再結像される指標
像の向きが常に一定の向きとなるように、再結像された
指標像と受光面とを相対回転させている。従って、指標
像の回転中、受光素子の受光面上には、物体面の異なる
領域で反射された光束が入射し、常に、同じ向きの指標
像が再結像する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オートフォーカス装置
に係り、更に詳しくは、物体面を照明光で照射する照明
手段と、照明された物体を対物レンズにより物体投影面
に結像させる観察手段とを有する光学装置、例えば顕微
鏡等に使用されるオートフォーカス装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のオートフォーカス装置と
しては、特開平1−202708号公報に記載されたも
のが知られている。この公報に記載されたような装置で
は、受光手段として二分割の受光素子やCCDリニアセ
ンサやCCDエリアセンサが用いられている。それらの
受光素子上には、指標像を物体面に投影することによっ
て物体面の所定領域での反射光束が、その光束によって
瞳が形成される位置に置かれた、瞳分割プリズムによっ
て二分割された後、受光素子の受光面上に入射し、2つ
の指標像として再結像される。これらの物体面で反射し
た光束によって受光面上に再結像された指標像(以下、
適宜「反射指標像」という)の中には物体面に形成され
ている幾何学的なパターンも存在する。
【0003】これらの反射指標像は物体面と対物レンズ
の焦点面との間隔に略比例して受光素子上での結像位置
が移動するので、二つの反射指標像の各々の光量分布に
よる光量重心の位置を求め、それらの相対的距離を求め
ることによって物体面を対物レンズの焦点面に移動させ
るオートフォーカスが可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のオートフォーカス装置にあっては、指標像が照
射された物体面の所定領域での反射光束によって形成さ
れる瞳面の位置に正確に瞳分割プリズムを配置しなけれ
ば、分割後の光束により受光素子上に再結像される2つ
の反射指標像は互いに等しい光量分布にならないばかり
か、反射指標像の中に存在する物体面上の幾何学的パタ
ーンに歪みが生じ、2つの指標像の形状やパターンの位
置関係に微妙な違いが発生して、2つの反射指標像の位
置を、それらの光量分布から求められる光量重心の位置
で正確に測定することが困難になるという不都合があっ
た。また、この影響を可能な限り抑さえるために、高精
度の光学部品を用い、非常に手間のかかる光学調整を必
要とした。
【0005】本発明は、かかる従来技術の有する不都合
に鑑みてなされたもので、その目的は、光学調整の簡易
化を図ることができるとともに、物体面上の幾何学的パ
ターンの影響による焦点位置の誤検出を防止することが
きるオートフォーカス装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
物体面を照明光で照射する第1の照明手段と、照明され
た物体の像を対物レンズにより物体投影面に結像させる
観察手段とを有する光学装置に用いられ、前記物体投影
面に合焦状態で物体像が結像されるように前記対物レン
ズの焦点面と物体面とを合致させるオートフォーカス装
置であって、光源からの光で指標を照明し、指標像を前
記対物レンズを介して前記物体面上に形成する第2の照
明手段と;前記指標像の照射によって前記物体面で反射
された光束を二分割する光束分割部材と;前記光束分割
部材により分割された2つの光束をそれぞれ入射して、
前記物体面とほぼ共役な面上に再結像させた2つの指標
像を独立に光電検出する受光する受光手段と;前記物体
面上で当該物体面に形成される前記指標像を所定の回転
数で回転させる第1の回転手段と;前記指標像の回転
中、前記受光手段の受光面に対して前記再結像される指
標像の向きが常に一定の向きとなるように、前記再結像
された指標像と前記受光面とを相対回転させる第2の回
転手段と;前記受光手段から出力される光電信号に基づ
いて前記対物レンズの焦点面と前記物体面との相対移動
を制御する制御手段とを有する。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載のオ
ートフォーカス装置において、前記第1の回転手段と前
記第2の回転手段とが、同一の手段により構成されてい
ることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載のオ
ートフォーカス装置において、前記第1の回転手段と前
記第2の回転手段とが、前記光束分割部材及び受光手段
と一体的に回転する前記第2の照明手段の一部により構
成されていることを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1記載のオ
ートフォーカス装置において、前記受光手段が、光電変
換した電荷を一定時間積分する電荷蓄積型の受光素子で
あることを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項1記載のオ
ートフォーカス装置において、前記制御手段は、前記受
光手段から得られる画像信号の二値化信号に基づき、前
記再結像された2つの指標像の距離を演算することによ
り前記対物レンズの焦点面と物体面との相対移動を制御
する手段であることを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、第2の照明手段
では、光源からの光により指標を照明し、指標像を対物
レンズを介して物体面上に形成する。一方、この指標像
の照射によって照明された物体面の領域で反射された光
束が光束分割部材によって二分割され、この分割された
2つの光束がそれぞれ入射して、物体面とほぼ共役な面
上に再結像した2つの指標像が、受光手段によって独立
に光電検出される。
【0012】ここで、第1の回転手段では、物体面に形
成される前記指標像を物体面上で所定の回転数で回転さ
せており、指標像が照射される物体面の領域は、指標像
の回転角度に応じて異なることになる。この一方、指標
像の回転中、第2の回転手段では、受光手段の受光面に
対して再結像される指標像の向きが常に一定の向きとな
るように、再結像された指標像と受光面とを相対回転さ
せている。
【0013】従って、受光手段の受光面上には、指標像
の回転中、物体面の異なる領域で反射された光束が入射
し、常に同じ向きの2つの指標像(各指標像中には、回
転方向に応じた物体面に形成された幾何学的パターンが
存在する)が再結像する。このため、指標像が物体面上
で1回転する間に受光手段の受光面上に再結像した指標
像の光電変換信号の積分値(又は平均値)をとれば、物
体面に形成された幾何学的パターンの影響は結果的にキ
ャンセルされる。
【0014】そこで、制御手段では、指標像が物体面上
で1回転する間に、受光手段から出力されるそれぞれの
像の光電信号に基づいて、対物レンズの焦点面と物体面
との相対移動を制御する。これにより、対物レンズの焦
点面と物体面とが合致し、物体投影面に合焦状態で物体
像が結像されるようになる。
【0015】請求項2記載の発明によれば、第1の回転
手段と第2の回転手段とが、同一の手段により構成され
ていることから、装置構成が簡略化される。
【0016】請求項3記載の発明によれば、第1の回転
手段と第2の回転手段とが、光束分割部材及び受光手段
と一体的に回転する第2の照明手段の一部により構成さ
れていることから、これら各構成部分をユニット化する
ことができると共に、第1の回転手段と第2の回転手段
を別に設ける必要がなくなる。
【0017】請求項4記載の発明によれば、受光手段
が、光電変換した電荷を一定時間積分する電荷蓄積型の
受光素子であることから、この受光手段から出力される
信号は既に物体面に形成されたパターンの影響がキャン
セルされた信号となっている。
【0018】請求項5記載の発明によれば、制御手段
は、受光手段から得られる画像信号の二値化信号に基づ
き、再結像された2つの指標像の距離を演算することに
より前記対物レンズの焦点面と物体面との相対移動を制
御する。このため、求めた指標像の位置に計測誤差等が
含まれていても、平均化効果によりその影響を小さくす
ることができる。
【0019】
【実施例】
《第1実施例》以下、本発明の第1実施例を図1ないし
図13に基づいて説明する。
【0020】図1には、本発明に係るオートフォーカス
装置が適用された第1実施例の光学装置10が示されて
いる。
【0021】この光学装置10は、大別すると焦点位置
検出用光学系と、観察用光学系と、電気信号処理系と、
制御系とを有している。
【0022】この内、焦点位置検出用光学系は、指標光
束出射系12と、この指標光束出射系12から後述の如
くして出射される指標光束の進行方向先に順次配置され
た赤外透過フィルタ14、ハーフミラー16、イメージ
・ローテータ18、可視カットフィルタ20及びダイク
ロイック・ミラー22と、焦点検出系24と、を含んで
いる。ここで、ハーフミラー16、ダイクロイック・ミ
ラー22は、指標光束が進行する指標光路Pに対し略4
5度で斜設されている。また、ダイクロイック・ミラー
22で反射され90度方向変換された指標光束の進行方
向先には、対物レンズ26が配置されている。本実施例
では、これら指標光束出射系12、赤外透過フィルタ1
4、ハーフミラー16、可視カットフィルタ20及びダ
イクロイック・ミラー22と、対物レンズ26とによっ
て第2の照明手段が構成されている。
【0023】ここで、上記焦点位置検出用光学系の構成
各部についてその作用と共に説明する。指標光束出射系
12は、第1の光源28、コンデンサレンズ30、指標
板32、レンズ34とから構成されている。これを更に
詳述すると、第1の光源28は、所定の波長の光束を発
する光源であり、本実施例では近赤外の波長を発する光
源を用いている。この第1の光源28の出射光は、コン
デンサレンズ30で集光された後、指標板32を照明す
る。この指標板32は、図3に示されるように、その表
面の中央部の所定形状(ここでは、細長い五角形状)の
指標36の部分を除く全面に、クロム等で蒸着が施され
たガラス板から構成されており、クロム等で蒸着が施さ
れなった指標36の部分(ガラスのみの部分)だけ光が
透過するようになっている。この指標36部分を透過し
た出射光はレンズ34を介して指標光束として出射され
るようになっている。
【0024】このようにして指標光束出射系12から出
射された指標光束は、指標光路Pで示される通り、赤外
透過フィルタ14、ハーフミラー16を透過し、イメー
ジ・ローテータ18、可視カットフィルタ20を順次透
過し、ダイクロイック・ミラー22で反射され、90度
方向を変換されて対物レンズ26に向かって進行する。
これにより、当該対物レンズ26によって指標板32と
ほぼ共役な位置にある物体面42に指標32が投影さ
れ、指標像が結像する。
【0025】以上がイメージ・ローテータ18が停止状
態を保持した場合の各部の作用であるが、本実施例で
は、イメージ・ローテータ18は、回転機構38を介し
てモータ40によって、指標光束の光軸中心を回転軸と
して定常的に所定回転数で回転駆動されるようになって
いる。本実施例では、このイメージ・ローテータ18は
自身の回転角度の2倍の回転角度の後述する物体面42
に対する相対的回転を指標光束出射系12側(図1にお
ける左側)から入射した光束に付与し、指標光束出射系
12と反対側(図1における右側)から入射した光束に
は、これと逆回りの同一回転角度の回転を付与するよう
になっている。即ち、このイメージ・ローテータ18を
図1における左側から右側に通過した指標光束は、常に
イメージ.ローテータ18内で指標36とイメージ・ロ
ーテータ18の回転位置との関係で一意的に決定される
角度(本実施例ではイメージ・ローテータ18の回転角
度の2倍の角度)だけ、光軸を中心に例えば時計周りに
回転している。従って、本実施例では、物体面42上で
指標像がイメージ・ローテータ18の回転に応じて回転
することになる。
【0026】ここで、イメージ・ローテータ18の構成
例について説明する。このイメージ・ローテータ18
は、例えば、図5に示されるようないわゆるDoveプリズ
ム(以下、適宜「プリズム」という)18Aで構成する
ことができる。図5中、白い矢印は停止状態にあるプリ
ズム18Aを通過する光路を示し、それに直交する矢印
等はプリズム18A通過前後の像の向きの関係を示して
いる。光束とプリズム18Aとがこの図に示されるよう
な配置関係にあれば、像の向きはプリズム18Aを通過
することにより上下が逆になるが、左右方向は元の状態
のままとなっている。このことから上下方向の像、即ち
プリズム18Aの斜面と交差する像は、プリズム18A
の斜面による屈折の影響を受けて上下方向の位置が変動
するが、左右方向の像、即ち斜面に対して平行な像は屈
折によって位置関係を変えないことがわかる。従って、
このDoveプリズム18Aを入射光軸と出射光軸とを結ぶ
軸を中心として回転させれば、像を回転させることがで
きる。
【0027】図6(A)〜(C)には、図5のプリズム
18Aを回転させることによって、像を回転させる原理
を説明するための図が示されている。これらの図におい
て、プリズム18Aに入射する前の像が符号Eで示さ
れ、プリズム18Aを通過した後の像が符号E1 、E2
、E3 で示されている。図6(A)において、プリズ
ム18Aは回転角0度の停止位置にあり、像Eの点bを
光源とする光線は、光路P1 (プリズム18Aの底面に
平行な光路である)に沿って進み斜面Aに入射角θ1
入射し、次式(1)で示すスネルの法則に従って屈折角
θ2 で屈折し、プリズム18Aの底面Bで全反射して他
方の斜面Cで再びスネルの法則に従って屈折して元の光
路P1 と同軸の光路P2 に沿ってプリズム18Aから射
出される。 sinθ1 =nsinθ2 ………(1) ここで、nはプリズム18Aの屈折率である。また、像
Eの点aを光源とする光線は、同様にスネルの法則に従
って斜面Aで屈折し、底面Bで全反射して再び斜面Cで
スネルの法則に従って屈折した後、プリズム18Aから
出射される。この結果、プリズム18Aを通過した後の
像は図6(A)に示すような倒立した像E1 となる。
【0028】図6(B)には、プリズム18Aを光軸P
1 とP2 とを結ぶ軸を中心として矢印Rで示す方向に9
0度回転した状態が示されている。この場合、点aはプ
リズム18Aを通過する際に屈折によって上下方向の位
置に変化がないので、プリズム18Aに入射する前の像
Eと通過後の像E2 とは同じ方向を向いている。即ち、
像E2 はプリズム18Aの90度の回転によって像E1
を2×90度=180度回転した像となっている。
【0029】図6(C)には、プリズム18Aを光軸P
1 とP2 とを結ぶ軸を中心として矢印Rで示す方向に1
80度回転した状態が示されている。この場合、点aは
プリズム18Aを通過する際に屈折によって上下方向の
位置変化を受けるので、プリズム18Aに入射する前の
像Eと通過後の像E3 とは逆方向を向いている。即ち、
像E3 はプリズム18Aの180度回転によって像E1
を2×180度=360度回転した像となっている。
【0030】図6(A)〜(C)より、プリズム18A
を入射光軸P1 と出射光軸P2 とを結ぶ軸を中心軸とし
て1回転させると、入射された光束は2回転して出射さ
れることがわかる。従って、図5に示すようなDoveプリ
ズム18Aを用い、このDoveプリズム18Aを図1の回
転機構38により回転する枠体内にその回転軸が前述し
た指標光束の光軸中心と一致した状態で組み込むことに
より、先に説明した機能を有するイメージ・ローテータ
18を簡単な構成で実現することが可能である。
【0031】ここで、再び図1の説明に戻る。指標像の
照射によって物体面42で反射された光束(以下、適宜
「反射光束」という)は、対物レンズ26を前と逆向き
に透過し、ダイクロイック・ミラー22で反射され90
度方向変換して元の光路Pを逆向きに進み、前と反対方
向から可視カットフィルタ20を透過してイメージ・ロ
ーテータ18に入射する。イメージ・ローテータ18内
では、指標光束が入射したときと反対の経路で反射光束
が入射されるので、当該反射光束には、前述した如く前
と逆向きの同一回転角の回転が付与され、結果的にイメ
ージ・ローテータ18を通過した反射光束は、物体面4
2に対し相対的な回転を停止された状態、即ち、イメー
ジ・ローテータ18に入射される前の指標光束と同じ位
置関係に戻った状態となる。
【0032】ここまでの説明で明らかなように、本第1
実施例では、イメージ・ローテータ18によって第1の
回転手段と第2の回転手段が構成されている。
【0033】このようにしてイメージ・ローテータ18
から出射された反射光束は、ハーフミラー16で反射さ
れ、90度方向を変換して焦点検出系24に入射する。
【0034】ここで、焦点検出系24について説明する
と、この焦点検出系24は、レンズ44と、光束分割部
材としての二分割プリズム46と、受光手段としての受
光素子48とを含んで構成されている。受光素子48
は、物体面42とほぼ共役な位置に配置されており、そ
の受光面はフォト・ダイオード・アレー48aによって
形成されている(図4参照)。なお、本実施例では、こ
の受光素子48として、電荷蓄積型で積分効果のある受
光素子が使用されている。
【0035】焦点検出系24に入射した反射光束は、レ
ンズ44を透過して、二分割プリズム46へ到達し、当
該二分割プリズム46で二分割され、受光素子48上
に、左反射指標像36j と右反射指標像36k の2つの
像として再結像される(図4参照)。
【0036】次いで、受光素子48の受光面上に形成さ
れたフォト・ダイオード・アレー48aにより、受光面
に結像した左反射指標像36j と右反射指標像36k の
光量が電気信号に変換されて、一定時間積分された後に
シリアル画像出力信号として出力され、コントロール・
バス50を経由してその他の制御信号群と共に後述する
電気信号処理系に送られる。
【0037】前記観察用光学系は、対物レンズ26の光
軸に沿う観察光路Q上に、図1における下方から上方に
向かって順次配置された第2の光源52、レンズ54、
開口絞り56、レンズ58、視野絞り60、赤外カット
フィルタ62、コンデンサレンズ64、対物レンズ2
6、レンズ66、及び撮像素子68を含んで構成されて
いる。各部の作用について簡単に説明する。
【0038】第2の光源52から出射される光の波長
は、観察対象物に応じて任意に選ぶことが可能である
が、本実施例では、この第2の光源52として可視光を
発する光源が使用されているものとする。この光源52
の出射光は観察光路Qで示される通り照明光として、レ
ンズ54、開口絞り56、レンズ58、視野絞り60、
赤外カットフィルタ62を通り、コンデンサレンズ64
により集光されて物体面42を照明する。即ち、これら
のレンズ54、開口絞り56、レンズ58、視野絞り6
0、赤外カットフィルタ62、及びコンデンサレンズ6
4によって第1の照明手段としての透過照明系が構成さ
れている。
【0039】物体面42を透過した照明光は、対物レン
ズ26、ダイクロイック・ミラー22、レンズ66を通
って撮像素子68上に物体面42上の幾何学的パターン
を結像する構成になっている。撮像素子68からは画像
信号を取り出すことにより、物体面42上の微細な幾何
学的パターンを観察することができるようになってい
る。
【0040】図2には、受光素子48から出力される光
電信号に基づいて対物レンズ26の焦点面と物体面42
との相対移動を制御する制御手段150を構成する電気
信号処理系及び制御系の構成が示されている。
【0041】電気信号処理系は、インターフェース7
0、サンプルホールド72、ローパスフィルタ74、二
値化回路76、ゲート回路78、パルス発生器80、及
びバイナリ・カウンタ82を含んで構成されている。こ
こで、電気信号処理系による信号処理の流れについて、
各部の作用と共に説明する。
【0042】電気信号処理系では、まず、インターフェ
ース70によって前述したように受光素子48からコン
トロール・バス50を経由して送られて来た信号群の中
からシリアル画像出力信号のみが取り出され、画像信号
S1 としてサンプル・アンド・ホールド72に対して出
力される。このサンプル・アンド・ホールド72では、
この入力した画像信号S1 を第1のアナログ画像信号S
2 に変換して出力する。このアナログ画像信号S2 がロ
ーパスフィルタ74により高周波成分を取り除かれ、第
2のアナログ画像信号S3 として二値化回路76に入力
される。二値化回路76では、所定の閾値を用いてアナ
ログ画像信号S3 を二値化信号D1 に変換する。この二
値化信号D1 はゲート回路78に入力され、ゲート回路
78ではバイナリ・カウンタ82の動作を制御するため
のタイミング・パルスを作り出す。
【0043】一方、バイナリ・カウンタ82には、パル
ス発生器80からクロック・パルスCKが入力されてい
る。このため、このバイナリ・カウンタ82は、ゲート
回路78からのタイミング・パルスを制御信号として動
作し、クロック・パルスCKのパルス数をカウントし、
このカウント値をデータ・バス84を介して後述する制
御系を構成するCPU(中央処理装置)86へ出力す
る。
【0044】制御系は、CPU86、D/Aコンバータ
88、モータ駆動回路90、このモータ駆動回路90に
より駆動されるDCモータ92に直結されたDCタコ・
ジェネレータ94、及びA/Dコンバータ96を含んで
構成されている。ここで、この制御系による物体面の高
さを制御するためのDCモータ92(物体面42の対物
レンズ26の焦点面からの位置ずれ量を制御するための
モータ)の制御について説明する。
【0045】CPU86では、バイナリ・カウンタ82
からカウント値が送られて来ると、所定の演算を行なっ
て物体投影面としての撮像素子68に合焦状態で物体像
が結像されるようにDCモータ92を制御するための制
御信号をデータ・バス98を介してD/Aコンバータ8
8へ送る。D/Aコンバータ88では、ディジタル入力
信号をアナログ信号に変換してモータ駆動信号S4 とし
てモータ駆動回路90へ送る。このモータ駆動回路90
では、所定の電力増幅を行ない、モータ駆動電圧信号V
1 をDCモータ92へ印加する。これにより、DCモー
タ92が駆動し、DCモータ92に直結されたDCタコ
・ジェネレータ94は、DCモータ92の回転に比例し
たDC電圧信号であるタコ・ジェネレータ電圧信号V2
を発生する。このタコ・ジェネレータ電圧信号V2 がA
/Dコンバータ96でアナログ−ディジタル変換されて
CPU86へ帰還されている。このようにして、閉ルー
プのサーボ回路が構成されており、CPU86によって
DCモータ92のサーボ制御が行なわれるようになって
いる。
【0046】次に、上述のようにして構成された本第1
実施例の装置10によるオートフォーカスのポイントと
なる主要部の動作について更に詳述する。
【0047】この装置10では、簡単に言えば、指標板
32上の指標36の像(光束)を物体面に投影し、そこ
からの反射光束を二分割プリズム46で二分割して受光
素子上に結像された、左反射指標像36j と右反射指標
像36k (図4参照)の各々の左側のエッジ間の距離を
計測して、その距離を基にして物体面42の対物レンズ
26の焦点面からの位置ずれ量を求めることにより物体
面42を焦点面に移動制御するという手法を採用してい
る。
【0048】指標光束出射系12から出射された指標光
束は、前述した如く、指標光路Pで示される通り、赤外
透過フィルタ14、ハーフミラー16、イメージ・ロー
テータ18、可視カットフィルタ20を透過し、ダイク
ロイック・ミラー22で反射され、90度方向を変換さ
れて対物レンズ26に向かって進行する。これにより、
当該対物レンズ26によって物体面42に指標光束が投
影され、その像が結像する。
【0049】この際、指標光束は、イメージ・ローテー
タ18を図1の左から右へ通過しているので、物体面4
2上に投影された指標光束の像はイメージ・ローテータ
18の回転に応じて回転する。ここで、指標光束出射系
12から出射された指標光束と、物体面42上に投影さ
れる指標像との関係について図7に基づいて説明する。
【0050】図3に示される指標板32を通過した指標
光束が図7(A)に示される位置関係で物体面42に投
影される関係にあるときのイメージ・ローテータ18の
基準点からの回転角を0°と定義すると、イメージ・ロ
ーテータ18が基準点から180°回転した場合には、
物体面42上に投影される指標像は図7(E)に示され
るように、物体面上で360°回転するようになってい
る。図7の(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、
(G)、(H)には、イメージ・ローテータ18が1回
転する途中の角度における物体面42上に投影された指
標像の回転状態が示されている。この図7からわかるよ
うに、イメージ・ローテータ18が180度回転(半回
転)する間に、物体面42に投影された指標像は1回転
する。即ち、イメージ・ローテータ18がモータ40に
よって、例えば毎秒N回転する場合、指標像は毎秒2×
N回転する。この回転動作によって、物体面42上で指
標像が照射される領域は、イメージ・ローテータ18の
回転に伴って変化する。
【0051】一方、指標像の照射によって物体面42で
反射された反射光束は、前述した如く、対物レンズ26
を前と逆向きに透過し、ダイクロイック・ミラー22で
反射され90度方向変換して元の光路Pを逆向きに進
み、前と反対方向から可視カットフィルタ20、イメー
ジ・ローテータ18を順次透過し、ハーフミラー16で
反射され、90度方向を変換して、レンズ44を透過し
て、二分割プリズム46へ到達し、当該二分割プリズム
46で二分割され、受光素子48上に、左反射指標像3
6j と右反射指標像36k の二つの像として結像される
(図4参照)。
【0052】ここで、物体面42上に微細な幾何学的パ
ターン、例えば、水平のラインアンドスペースのパター
ンが形成されている場合について考えてみる。上述の如
く、指標像が照射される物体面42上の領域は、図8
(A)〜(E)に示されるように、イメージ・ローテー
タ18の回転に伴って変化している。これらの領域中に
は、水平のラインアンドスペースのパターンが存在す
る。
【0053】しかしながら、本実施例では、物体面42
で反射された反射光束は、再びイメージ・ローテータ1
8に前と反対方向から入射するので、正反対の回転を与
えられ、イメージ・ローテータ18から出射される反射
光束は、指標光束出射系12から出力された指標光束と
同じ位置関係に戻る。即ち、図8(A)から(E)で示
されるように、イメージ・ローテータ18で指標像にど
れだけ回転を与えたとしても、物体面42で反射され、
再びイメージ・ローテータ18に反対方向から入射した
後、受光素子48上に投影される反射光束は、図8の
(F)〜(J)に示されるように、受光素子48上で
は、常に同じ向きで投影され、再結像する。
【0054】この場合において、各左反射指標像36j
と右反射指標像36k の中に存在する幾何学的パターン
は、元々物体面42の異なる領域に存在していたもので
あるから、指標像の回転角度毎に、当該指標像が照射さ
れた領域中に存在していたパターンが各反射指標像中に
そのまま存在することになる。即ち、各反射指標像の中
に存在するライン・アンド・スペースのパターンは、図
8(F)〜(J)で示されるように、イメージ・ローテ
ータ18の回転角度に応じて向きが異なる。
【0055】従って、物体面での指標像の1回転分、即
ち、イメージ・ローテータ18の半回転分の反射指標像
36j 、36k の光電変換信号の積分値(又は平均値)
を用いれば、物体面42上に形成された微細な幾何学的
パターン像の影響をキャンセルした画像を得ることが可
能になる。
【0056】そこで、本実施例では、受光素子48とし
て、前述した如く、ある一定時間、例えばTi(se
c)の間、光電変換した電荷を積分する機能を持った電
荷蓄積型のものを用い、イメージ・ローテータ18が、
2×Ti(sec)で1回転するように制御することに
より、投影された指標像が物体面上で1回転する間に、
その指標像によって順次照明された異なる領域(微細な
幾何学的パターンが形成されている)によって反射され
た光をすべて積分した画像データを得るようにしてい
る。
【0057】次に、焦点位置の検出の原理についての詳
細説明を行う。図9に実線で示されるように、物体面4
2が焦点面42aにあるときは、図10に示されるよう
に、左反射指標像36j と右反射指標像36k は指標板
32に形成された指標36の像として、完全な状態(指
標36と同一の形状)で結像する。また、図9に二点鎖
線で示されるように、物体面42が非焦点面(前ピン)
42bにあるときは、図11に示されるように、左反射
指標像36j'と右反射指標像36k'はピンボケ状態であ
り、図10の状態と比べ、左反射指標像36j'と右反射
指標像36k'がそれぞれ外側に移動する。また、図9に
点線で示されるように、物体面42が非焦点面(後ピ
ン)42cにあるときは、図12に示されるように、左
反射指標像36j"と右反射指標像36k"はピンボケ状態
であり、図10の状態と比べ、左反射指標像36j"と右
反射指標像36k"がそれぞれ内側に移動する。この様
に、物体面42の高さが変化すると、それに略比例し
て、左反射指標像36k と右反射指標像36j は、受光
素子48上をピンボケを伴って左右に移動する。従っ
て、左反射指標像36j と右反射指標像36k の距離と
物体面42の対物レンズ26の焦点面からの位置ずれ量
(正と負がある)とが1:1で対応することになり、左
反射指標像36j と右反射指標像36k の距離を測定す
ることにより物体面42の対物レンズ26の焦点面から
の位置ずれ量を測定することができる。このため、左反
射指標像36j と右反射指標像36k の距離の測定情報
に基づいて物体面42を焦点面42aへ位置させる制御
が可能になる。
【0058】次に、上述したオートフォーカスに際して
の電気処理系及び制御系の動作について詳細に説明す
る。
【0059】図10、11、12の状態で受光素子48
から出力されたシリアル画像信号は、波形処理を施され
た後、第2のアナログ画像信号S3 として、二値化回路
76に入力される。この時の指標像の波形は焦点状態、
前ピン状態そして後ピン状態の3種類があり、それらの
波形は図13(A)に示される通りである。この図にお
いては、左反射指標像と右反射指標像の波形は、図1
0、11、12の各結像状態に対応するものが同一の記
号で示されている。これらの波形にはイメージ・ローテ
ータ18を回転させたことと、電荷蓄積型で積分効果の
ある受光素子48を用いたことで、物体面42上の微細
な幾何学的パターンの像に含まれる高周波成分の影響は
存在しない。
【0060】二値化回路76では、図13(B)に示さ
れるように、これらの波形が最適な閾値、例えば閾値L
をスライスレベルとして図13(C)、(D)、(E)
に示されるような二値化信号D1 に変換される。
【0061】これらの二値化信号D1 が、ゲート回路7
8に入力され、ゲート信号(制御信号)としてバイナリ
・カウンタ82に入力される。バイナリ・カウンタ82
では、二値化信号上に存在する、左二値化パルス36j
b、36jb' 、36jb" の立ち上がりから右二値化パル
ス36kb、36kb' 、36kb" の立ち上がりまでのクロ
ック・パルスCKのパルス数をカウントする。
【0062】図13(C),(D),(E)に示される
ように、物体面18が焦点面18aにあるときは、パル
ス数=Pn、前ピンの時はPn+Pf、後ピンの時はP
n−Prと表すことができる。
【0063】これらのカウント値がバイナリ・カウンタ
82からCPU86に与えられ、CPU86では、この
カウント値(パルス数)からその時点の物体面42の対
物レンズ26の焦点面からの位置ずれ量を認識し、物体
面42を焦点面42aへ移動させるためのモータ92の
最適動作量を演算し、その結果に基づいて前述した如く
して、モータ92をサーボ制御する。これにより、物体
面42が上下動して移動目標位置である焦点面42aへ
移動され、オートフォーカスが行われる。
【0064】以上説明したように、本第1実施例による
と、指標光束をイメージ・ローテータ18を指標光束出
射系12側から対物レンズ26側へ通過させることによ
り物体面42上に形成される指標像を所定回転数で回転
させ、この指標像の回転中に指標像により照明された物
体面の領域で反射した光束をイメージ・ローテータ18
を再度反対向きから通過させることにより、常に受光素
子48の受光面48a上の同じ位置に同じ向きで指標像
を再結像させることができるので、指標像の1回転分、
即ち、イメージ・ローテータ18の半回転分の再結像さ
れた指標像の光電変換信号を用いれば、物体面42上に
形成された微細な幾何学的パターンの影響を排除するこ
とができ、光学調整の微妙なずれを起因とする微細な幾
何学的パターンの受光素子48上での結像の歪みや光量
分布の不均一性の影響による焦点位置検出の誤動作を防
ぐことができる。
【0065】また、幾何学的パターンの影響による焦点
位置の誤検出が発生することがないことから、正確に瞳
の位置において物体面上で反射された光束を二分割する
必要はなく、瞳に近い位置で二分割すればよいので瞳の
位置に光束を二分割するための二分割プリズムを高度な
調整技術をもって設置する光学調整なしで精度のよいオ
ートフォーカスが可能となる。
【0066】さらに、上記第1実施例においては、受光
素子48からは受光面48a上に再結像された指標像の
光電変換信号の指標像1回転分の積分信号が出力される
ので、この受光素子48からの出力信号は既に物体面に
形成されたパターンの影響が排除された信号となってお
り、これに基づいて物体面の対物レンズの焦点面からの
位置ずれ量、換言すれば物体面の位置(高さ)を検出す
れば、物体面の凹凸が激しい場合でもその平均された高
さを検出することになり、物体面の表面状態によらず容
易に最適なオートフォーカス動作を実現することが可能
である。
【0067】また、受光素子上に再結像した左反射指標
像と右反射指標像間の距離を測定することにより、物体
面の対物レンズの焦点面からの位置ずれ量を検出すると
いう手法を採用していることから、求めた指標像の位置
に計測誤差等が含まれていても平均化効果によりその影
響を小さくすることができる。
【0068】なお、上記実施例では、イメージ・ローテ
ータ18が1回転する間に、指標像が物体面上で2回転
するようなイメージ・ローテータ18について例示した
が、イメージ・ローテータ18の回転数と指標像の物体
面42上での回転数との割合は、これに限定されるもの
でないことは言うまでもない。
【0069】また、受光素子48としては、光電信号を
一定時間積分して出力するものを例示したが、必ずしも
このような受光素子を用いる必要はなく、信号処理系側
に積分機能、平均化機能等を持たせても良く、要は物体
面上での指標像の整数回転分の光電信号の積分値又は平
均値を用いて左反射指標像と右反射指標像間の距離を測
定すればよい。
【0070】《第2実施例》次に、本発明の第2実施例
を図14に基づいて説明する。ここで、前述した第1実
施例と同一又は同等の構成部分については、同一の符号
を付すと共にその説明を簡略し又は省略するものとす
る。
【0071】この第2実施例は、前述した第1実施例に
おいて、イメージ・ローテータ18が除去されると共
に、第2の照明手段を構成する指標光束出射系12、赤
外透過フィルタ14、ハーフミラー16及び焦点検出系
24がユニット化されて、一体的に指標光束の光軸の中
心を回転軸として回転可能に構成されている点に特徴を
有するものである。
【0072】即ち、ユニット化された上記構成各部によ
り、モータ100によって指標光束の光軸の中心を回転
軸として所定回転数で回転駆動される焦点検出回転機構
102が構成され、この焦点検出回転機構102によっ
て第1の回転手段と第2の回転手段とが構成されてい
る。
【0073】その他の焦点位置検出系の残りの部分、観
察用光学系、信号処理系、制御系等の構成は、第1実施
例と同様である。
【0074】ここで、この第2実施例の動作について説
明する。
【0075】焦点検出回転機構102がモータ100に
より所定回転数で回転駆動されているので、当該焦点検
出回転機構102を構成する指標光束出射系12から出
射される指標光束は、可視カットフィルタ20を透過す
るときには、常にその光軸の中心を回転軸として回転し
ている。この指標光束はダイクロイック・ミラー22で
反射され対物レンズ26によって、物体面42に投影さ
れ結像するが、指標光束の回転のため、物体面42上で
指標像が所定回転数で回転する。このため、指標像が照
射される物体面の領域が前述した第1実施例と同様に焦
点検出回転機構102の回転角度に応じて異なることに
なる。この場合、焦点検出回転機構102が1秒間にN
回転すれば、指標像も物体面42上で1秒間でN回転す
る。
【0076】一方、指標像が照射された物体面42の領
域で反射された光束は、光路Qを逆向きに進んで対物レ
ンズ26を透過し、ダイクロイック・ミラー22で反射
され、90度向きを変換して光路Pを逆向きに進行し、
可視カットフィルタ20を前と反対側から透過して焦点
検出回転機構102に前と反対側から入射する。次に、
この光束は、焦点検出回転機構102を構成するハーフ
ミラー16で反射され、90度方向が変換されて焦点検
出系24内に入射する。焦点検出系24内に入射したこ
の光束は、レンズ44を透過し、二分割プリズム46で
二分割され、分割された2つの光束が物体面42とほぼ
共役な位置にその受光面48aが配置された受光素子4
8にそれぞれ入射する。
【0077】この場合において、指標像で照明された物
体面42の領域で反射された光束は所定回転数で回転し
ているが、当該焦点検出回転機構102、より具体的に
はこれを構成するハーフミラー16が、この光束の回転
と同期して光軸の中心を回転軸として回転している。こ
のため、このハーフミラー16の反射面の向きが指標像
の向きの変化に対応して変化しており、結果的に、指標
像が照射された物体面の領域で反射された光束は、ハー
フミラー16で反射された後の状態では、相対的な回転
が停止している。
【0078】従って、ハーフミラー16で反射され、レ
ンズ44を透過し、二分割プリズム46で分割された2
つの光束は、第1実施例と同様に、受光面48a上で常
に同一の向きの2つの指標像、即ち左反射指標像36j
と右反射指標像36k として再結像される。
【0079】ここで、物体面42上に、微細な幾何学的
パターン、例えば水平のラインアンドスペースのパター
ンが形成されている場合について考えてみる。
【0080】この第2実施例においても第1実施例と同
様に、指標像が照射される物体面の領域には、指標像の
回転角度によらず、水平のラインアンドスペースが存在
する(図8(A)〜(E)参照)。
【0081】しかしながら、この指標像が照射された物
体面42の領域により反射された光束は、焦点検出回転
機構102自体の回転と同期して回転しているため、再
び焦点検出回転機構102に入射され、ハーフミラー1
6で反射された後の状態では、前述したように相対的回
転が停止しており、指標36が光源によって照明された
状態と同様の位置関係でいることになる。
【0082】即ち、モータ100で焦点検出回転機構1
02にどのような回転を与えたとしても、物体面42で
反射された指標像は、第1実施例と同様に、受光素子4
8の受光面48a上には同じ向きで投影される(図8の
(F)〜(J)参照)。
【0083】この場合において、各左反射指標像36j
と右反射指標像36k の中に存在する幾何学的パターン
は、元々物体面42の異なる領域中に存在していたもの
であるから、回転を与えられた指標光束によって照射さ
れた領域中に存在していたパターンが各反射指標像中に
そのまま存在することになる。即ち、各反射指標像の中
に存在するライン・アンド・スペースのパターンは、図
8(F)〜(J)で示されるように、焦点検出回転機構
102の回転角度に応じて向きが異なる。
【0084】従って、指標像の1回転分、即ち、焦点検
出回転機構102の1回転分の反射指標像36j 、36
k の光電変換信号の積分値(又は平均値)を用いれば、
物体面42上に形成された微細な幾何学的パターンの影
響をキャンセルした画像を得ることが可能になる。
【0085】そこで、本実施例では、受光素子48とし
て、前述した如く、ある一定時間、例えばTi(se
c)の間、光電変換した電荷を積分する機能を持った電
荷蓄積型のものを用い、焦点検出回転機構102が、T
i(sec)で、1回転するように制御することによ
り、投影された指標像が物体面で1回転する間に、その
指標像が照射された領域(微細な幾何学的パターンが存
在する)によって反射された光をすべて積分した画像デ
ータを得るようにしている。
【0086】これにより、第1実施例と同様に、微細な
幾何学的パターン像の特徴的な形状は一切含まれない画
像を得ることが可能になる。
【0087】以後、第1実施例と同一の焦点位置検出原
理の下、第1実施例と同様に電気信号処理系、制御系で
同一の処理が行なわれ、左反射指標像j と右反射指標像
k の距離を計測して物体面の対物レンズの焦点面からの
位置ずれ量を求めることにより物体面を対物レンズの焦
点面に合致させるオートフォーカスが行なわれる。
【0088】以上説明したように、本第2実施例による
と、第1実施例と同様の効果を得ることができる他、第
2の照明手段を構成する指標光束出射系12、赤外透過
フィルタ14、ハーフミラー16及び焦点検出系24が
ユニット化されて焦点検出回転機構102を構成してい
ることから、イメージ・ローテータを別に設ける必要が
ないので、第1実施例に比較して装置構成が簡単になる
と共に、メンテナンスの容易化、コストの低減を図るこ
とができる。
【0089】なお、上記第1、第2実施例では、第1の
回転手段及び第2の回転手段を同一の手段(イメージ・
ローテータ18又は焦点検出回転機構102)により構
成する場合を例示したが、これは装置の構成を簡単にす
るためにこのようにしたものであって、本発明がこれに
限定されるものではない。従って、第1の回転手段及び
第2の回転手段を別々の手段によって構成してもよい。
【0090】また、上記第1、第2実施例では、透過照
明の観察系を用いる光学装置に本発明に係るオートフォ
ーカス装置を適用する場合を例示したが、本発明の適用
範囲はこれに限定されるものではなく、落射照明の観察
系を用いた光学装置にも本発明を適用することができ、
同様のオートフォーカスが可能である。
【0091】さらに、例えば物体面が、X−Yスキャン
・ステージ上にあり、それが駆動され、物体面上の観察
される位置が時間と共に変化するような系を用いても焦
点検出動作には何も影響はなく、本発明によれば、良好
なオートフォーカス動作が可能である。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、幾
何学的パターンの影響による焦点位置の誤検出が発生す
ることがないことから、光学調整の微妙なずれを起因と
する微細な幾何学的パターンの受光素子上での結像の歪
みや光量分布の不均一性の影響による焦点位置検出の誤
動作を防ぐことができ、しかも、瞳位置以外での光束の
二分割を行うことが可能になり、瞳に近い位置で二分割
すればよいので光学調整が非常に簡単になるという従来
にない優れた効果がある。
【0093】特に、請求項2、請求項3記載の発明によ
れば、装置構成が簡略化されるという効果がある。
【0094】また、請求項4記載の発明によれば、受光
手段から出力される信号は既に物体面に形成されたパタ
ーンの影響がキャンセルされた信号となっていることか
ら、後の信号処理、演算処理が容易になる。
【0095】さらに、請求項5記載の発明によれば、求
めた指標像の位置に計測誤差等が含まれていても、平均
化効果によりその影響を小さくすることができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る光学装置の光学系の構成を概
略的に示す図である。
【図2】図1の装置の電気信号処理系及び制御系の構成
を示すブロック図である。
【図3】図1の指標板を第1の光源側から見た状態を示
す正面図である。
【図4】図1の二分割プリズムの方向から見た、受光素
子の受光面上に物体面で反射した指標像が再結像した状
態を示す図である。
【図5】図1のイメージ・ローテータの構成例を説明す
るための図であって、Doveプリズムを通過する光路及び
通過前後の像の向きを示す図である。
【図6】図5のプリズムを回転させることによって像を
回転させる原理を説明するための図である。
【図7】図1のイメージ・ローテータの回転に伴って物
体面上に結像される指標像が回転する状態を説明するた
めの図である。
【図8】物体面に微細な幾何学的パターンが存在する場
合に、指標像の回転に応じて当該指標像によって照明さ
れる物体面の領域及び受光素子の受光面上に再結像した
指標像が変化する様子を示す図である。
【図9】焦点位置検出の原理を説明するための簡略化し
た光学系の配置図であって、実線は合焦状態の、一点鎖
腺は前ピン状態の、点線は後ピン状態の、物体面及び物
体面で反射した光束の光路等をそれぞれ示す。
【図10】物体面が図9に実線で示される合焦状態にあ
るときに、受光素子上に再結像された指標像の状態(位
置、形状)を、二分割プリズムの方向から見て示す図で
ある。
【図11】物体面が図9に一点鎖線で示される前ピン状
態にあるときに、受光素子上に再結像された指標像の状
態(位置、形状)を、二分割プリズムの方向から見て示
す図である。
【図12】物体面が図9に点線で示される後ピン状態に
あるときに、受光素子上に再結像された指標像の状態
(位置、形状)を、二分割プリズムの方向から見て示す
図である。
【図13】信号処理系による信号処理について説明する
図であって、(A)は図10、11、12の状態で受光
素子から出力され波系処理が施された後LPFから出力
されるシリアル画像信号の一例を示す図、(B)は二値
化回路内の処理を示す図、(C),(D),(E)は図
10、11、12の状態に対応する二値化回路の出力で
ある二値化信号を示す図、(F)はパルス発生器から出
力されるクロック・パルスを示す図である。
【図14】第2実施例に係る光学装置の光学系の構成を
概略的に示す図である。
【符号の説明】
10 光学装置 18 イメージ・ローテータ(第1の回転手段、第2の
回転手段) 26 対物レンズ 28 第1の光源(光源) 32 指標が形成された指標板 42 物体面 46 二分割プリズム(光束分割部材) 48 受光素子(受光手段) 68 撮像素子(物体投影面) 102 焦点検出回転機構(第1の回転手段、第2の回
転手段) 150 制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体面を照明光で照射する第1の照明手
    段と、照明された物体の像を対物レンズにより物体投影
    面に結像させる観察手段とを有する光学装置に用いら
    れ、前記物体投影面に合焦状態で物体像が結像されるよ
    うに前記対物レンズの焦点面と物体面とを合致させるオ
    ートフォーカス装置であって、 光源からの光で指標を照明し、指標像を前記対物レンズ
    を介して前記物体面上に形成する第2の照明手段と;前
    記指標像の照射によって前記物体面で反射された光束を
    二分割する光束分割部材と;前記光束分割部材により分
    割された2つの光束をそれぞれ入射して、前記物体面と
    ほぼ共役な面上に再結像した2つの指標像を独立に光電
    検出する受光手段と;前記物体面上で当該物体面に形成
    される前記指標像を所定の回転数で回転させる第1の回
    転手段と;前記指標像の回転中、前記受光手段の受光面
    に対して前記再結像される指標像の向きが常に一定の向
    きとなるように、前記再結像された指標像と前記受光面
    とを相対回転させる第2の回転手段と;前記受光手段か
    ら出力される光電信号に基づいて前記対物レンズの焦点
    面と前記物体面との相対移動を制御する制御手段とを有
    するオートフォーカス装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の回転手段と前記第2の回転手
    段とが、同一の手段により構成されていることを特徴と
    する請求項1記載のオートフォーカス装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の回転手段と前記第2の回転手
    段とが、前記光束分割部材及び受光手段と一体的に回転
    する前記第2の照明手段の一部により構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のオートフォーカス装置。
  4. 【請求項4】 前記受光手段が、光電変換した電荷を一
    定時間積分する電荷蓄積型の受光素子であることを特徴
    とする請求項1記載のオートフォーカス装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記受光手段から得ら
    れる画像信号の二値化画像信号に基づき、前記再結像さ
    れた2つの指標像の距離を演算することにより前記対物
    レンズの焦点面と物体面との相対移動を制御する手段で
    あることを特徴とする請求項1記載のオートフォーカス
    装置。
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