JPH08199206A - 耐食耐摩耗部材およびその製造方法 - Google Patents
耐食耐摩耗部材およびその製造方法Info
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- JPH08199206A JPH08199206A JP7008620A JP862095A JPH08199206A JP H08199206 A JPH08199206 A JP H08199206A JP 7008620 A JP7008620 A JP 7008620A JP 862095 A JP862095 A JP 862095A JP H08199206 A JPH08199206 A JP H08199206A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】硬質粒子を含む被覆層において硬質粒子と地金
金属との接合性を改良し、耐久性の良い耐食耐摩耗性部
材およびその製造方法を提供する。 【構成】Co粉末とVCを晶出・析出する材料の粉末と
を粉末混合機によって混合し、この混合粉末を溶解し脱
酸したのち、ガスアトマイズによって複合粉末とする。
ロール1の円筒面2に溶接によって取付けた缶3に前記
粉末4を充填し、脱気密閉する。上記の組立体をHIP
装置の加熱加圧槽7に装入し、圧力1000kgf/c
m2 のアルゴンガス中で、加熱温度1150℃で2時間
HIP処理する。このようにして得られた被覆層では硬
質粒子VCが地金金属に強固に保持されているので、被
覆層は優れた耐食耐摩耗性を示す。
金属との接合性を改良し、耐久性の良い耐食耐摩耗性部
材およびその製造方法を提供する。 【構成】Co粉末とVCを晶出・析出する材料の粉末と
を粉末混合機によって混合し、この混合粉末を溶解し脱
酸したのち、ガスアトマイズによって複合粉末とする。
ロール1の円筒面2に溶接によって取付けた缶3に前記
粉末4を充填し、脱気密閉する。上記の組立体をHIP
装置の加熱加圧槽7に装入し、圧力1000kgf/c
m2 のアルゴンガス中で、加熱温度1150℃で2時間
HIP処理する。このようにして得られた被覆層では硬
質粒子VCが地金金属に強固に保持されているので、被
覆層は優れた耐食耐摩耗性を示す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面被覆によって金属
部材の耐食耐摩耗性を改良する方法に関する。
部材の耐食耐摩耗性を改良する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硬質粒子を含むプラスチックやセラミッ
クスの射出成形に用いられる射出成形機のシリンダ内
面、あるいはこのシリンダ内に設けられたスクリューの
外周面は、前記の硬質粒子やセラミックスによって著し
い摩耗が生じる。また、プラスチックの流動性を良くす
るために射出成形温度を高めることが行われるが、この
場合にはプラスチックの熱分解によって生成する腐食性
ガスに対する耐食性が要求される。その他、継目なし鋼
管製造用のプラグ、冷間圧延機用ロールなど、耐食性、
耐摩耗性を要求される用途は多い。
クスの射出成形に用いられる射出成形機のシリンダ内
面、あるいはこのシリンダ内に設けられたスクリューの
外周面は、前記の硬質粒子やセラミックスによって著し
い摩耗が生じる。また、プラスチックの流動性を良くす
るために射出成形温度を高めることが行われるが、この
場合にはプラスチックの熱分解によって生成する腐食性
ガスに対する耐食性が要求される。その他、継目なし鋼
管製造用のプラグ、冷間圧延機用ロールなど、耐食性、
耐摩耗性を要求される用途は多い。
【0003】これらの要求に対して、従来、肉盛溶接、
溶射、めっきなど各種の方法が行われている。なかでも
金属粉末を肉盛材として用いる肉盛溶接は、被肉盛部材
に肉盛層が強固に結合し、厚い肉盛層が得やすい表面被
覆方法である。さらに、金属粉末として炭化物、窒化物
などの硬質粒子を含有する粉末を用い、また、粉末の地
金金属として耐食性に優れる金属を用いることによっ
て、耐食性、耐摩耗性被覆層を得ることができる。
溶射、めっきなど各種の方法が行われている。なかでも
金属粉末を肉盛材として用いる肉盛溶接は、被肉盛部材
に肉盛層が強固に結合し、厚い肉盛層が得やすい表面被
覆方法である。さらに、金属粉末として炭化物、窒化物
などの硬質粒子を含有する粉末を用い、また、粉末の地
金金属として耐食性に優れる金属を用いることによっ
て、耐食性、耐摩耗性被覆層を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来行わ
れている硬質粒子を含有する粉末を用いる肉盛溶接の場
合において、硬質粒子は単に地金金属に分散して混入し
ているに過ぎず、肉盛溶接するときに地金金属が溶融・
拡散されても凝固後における地金金属と硬質粒子との結
合力は弱い。このような肉盛金属で被覆された部材を使
用するとき、被覆層が摩擦力を受ければ、硬質粒子は脱
落して被覆層の耐摩耗性が減じる。また、硬質粒子が脱
落した跡の陥没孔を元として腐食が生じやすくなるとい
う問題がある。そのため、従来の方法によって硬質粒子
を含む被覆層で被覆した部材は、実用上、耐久性が十分
とはいえなかった。
れている硬質粒子を含有する粉末を用いる肉盛溶接の場
合において、硬質粒子は単に地金金属に分散して混入し
ているに過ぎず、肉盛溶接するときに地金金属が溶融・
拡散されても凝固後における地金金属と硬質粒子との結
合力は弱い。このような肉盛金属で被覆された部材を使
用するとき、被覆層が摩擦力を受ければ、硬質粒子は脱
落して被覆層の耐摩耗性が減じる。また、硬質粒子が脱
落した跡の陥没孔を元として腐食が生じやすくなるとい
う問題がある。そのため、従来の方法によって硬質粒子
を含む被覆層で被覆した部材は、実用上、耐久性が十分
とはいえなかった。
【0005】そこで、本発明の目的とするところは、硬
質粒子を含む被覆層において硬質粒子と地金金属との接
合性を改良し、耐久性の良い耐食耐摩耗部材およびその
製造方法を提供することにある。
質粒子を含む被覆層において硬質粒子と地金金属との接
合性を改良し、耐久性の良い耐食耐摩耗部材およびその
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の耐食耐摩耗部材は、部材表面において粉末を
拡散接合または拡散焼結して、前記部材表面に前記粉末
組成物からなる被覆層を形成してなる耐食耐摩耗部材で
あって、前記粉末は、Ti、Zr、V、Nb、Ta、M
oおよびWのうちいずれか1種以上の元素の炭化物、窒
化物または炭窒化物よりなる硬質粒子がCo、Ni、F
eおよびCrのうちいずれか1種以上と脱酸のために添
加する元素と不可避的不純物とよりなる地金金属に均一
に分散し、かつ前記硬質粒子の周囲および内部に形成さ
れる凹部に前記地金金属が進入する粉末であり、前記部
材表面において前記粉末を拡散接合または拡散焼結して
前記部材表面に前記粉末組成物からなる被覆層が形成さ
れ、前記被覆層に含まれる前記硬質粒子中に前記地金金
属が含有されていることを特徴とする。
の本発明の耐食耐摩耗部材は、部材表面において粉末を
拡散接合または拡散焼結して、前記部材表面に前記粉末
組成物からなる被覆層を形成してなる耐食耐摩耗部材で
あって、前記粉末は、Ti、Zr、V、Nb、Ta、M
oおよびWのうちいずれか1種以上の元素の炭化物、窒
化物または炭窒化物よりなる硬質粒子がCo、Ni、F
eおよびCrのうちいずれか1種以上と脱酸のために添
加する元素と不可避的不純物とよりなる地金金属に均一
に分散し、かつ前記硬質粒子の周囲および内部に形成さ
れる凹部に前記地金金属が進入する粉末であり、前記部
材表面において前記粉末を拡散接合または拡散焼結して
前記部材表面に前記粉末組成物からなる被覆層が形成さ
れ、前記被覆層に含まれる前記硬質粒子中に前記地金金
属が含有されていることを特徴とする。
【0007】また本発明の耐食耐摩耗部材の製造方法
は、Co、Ni、FeおよびCrのうちいずれか1種以
上と脱酸のために添加する元素と不可避的不純物とT
i、Zr、V、Nb、Ta、MoおよびWのうちいずれ
か1種以上の元素の炭化物、窒化物または炭窒化物より
なる硬質粒子を晶出・析出させる材料とを溶解した後、
アトマイズし、得られた粉末の地金金属に晶出・析出し
た前記硬質粒子が均一に分散し、かつ前記硬質粒子の周
囲および内部に形成される凹部に前記地金金属が進入し
ている複合粉末を製造する工程と、被処理材の表面を前
記複合粉末で被覆してHIP処理するか、またはCIP
処理後に加熱・焼結するかのいずれか一方の工程とから
なることを特徴とする。
は、Co、Ni、FeおよびCrのうちいずれか1種以
上と脱酸のために添加する元素と不可避的不純物とT
i、Zr、V、Nb、Ta、MoおよびWのうちいずれ
か1種以上の元素の炭化物、窒化物または炭窒化物より
なる硬質粒子を晶出・析出させる材料とを溶解した後、
アトマイズし、得られた粉末の地金金属に晶出・析出し
た前記硬質粒子が均一に分散し、かつ前記硬質粒子の周
囲および内部に形成される凹部に前記地金金属が進入し
ている複合粉末を製造する工程と、被処理材の表面を前
記複合粉末で被覆してHIP処理するか、またはCIP
処理後に加熱・焼結するかのいずれか一方の工程とから
なることを特徴とする。
【0008】本発明の耐食耐摩耗部材の製造に用いる金
属粉末の地金金属としてはCo、Ni、Fe、Crの各
元素の金属単体、またはこれらの合金を用いる。これら
の金属は、単体または合金の状態で高い強度を有するう
え、硬質粒子として共存する炭化物、窒化物、炭窒化物
などとの親和性(固溶性、ぬれ性など)がよいので、こ
れらの硬質粒子を強固に保持する。さらに、これらの金
属および合金は耐食性が良好なので、部材の表面に形成
される被覆層に優れた耐食性を付与する。
属粉末の地金金属としてはCo、Ni、Fe、Crの各
元素の金属単体、またはこれらの合金を用いる。これら
の金属は、単体または合金の状態で高い強度を有するう
え、硬質粒子として共存する炭化物、窒化物、炭窒化物
などとの親和性(固溶性、ぬれ性など)がよいので、こ
れらの硬質粒子を強固に保持する。さらに、これらの金
属および合金は耐食性が良好なので、部材の表面に形成
される被覆層に優れた耐食性を付与する。
【0009】また硬質粒子としてはTi、Zr、V、N
b、Ta、MoおよびWのうちいずれか1種以上の元素
の炭化物、窒化物または炭窒化物を用いる。Ti、Z
r、V、Nb、Ta、Mo、Wなどの元素はいずれも炭
素または窒素との親和力の強い元素であって、形成する
化合物は硬さが高く、また、これらの化合物は前記の地
金金属との親和性がよいので、地金金属によって強固に
保持される。これによって部材の表面に形成される被覆
層に優れた耐摩耗性を付与する。
b、Ta、MoおよびWのうちいずれか1種以上の元素
の炭化物、窒化物または炭窒化物を用いる。Ti、Z
r、V、Nb、Ta、Mo、Wなどの元素はいずれも炭
素または窒素との親和力の強い元素であって、形成する
化合物は硬さが高く、また、これらの化合物は前記の地
金金属との親和性がよいので、地金金属によって強固に
保持される。これによって部材の表面に形成される被覆
層に優れた耐摩耗性を付与する。
【0010】前記地金金属と前記硬質粒子を晶出・析出
する材料とを、予め混合するかまたは各々を同時に溶解
し、この溶湯をガスまたは水によってアトマイズして複
合粉末を製造する。これによって粉末の地金相内に硬質
粒子が均一に分散し、かつ硬質粒子の周囲および内部に
形成される凹部に前記地金金属が進入している複合粉末
を製造することができる。
する材料とを、予め混合するかまたは各々を同時に溶解
し、この溶湯をガスまたは水によってアトマイズして複
合粉末を製造する。これによって粉末の地金相内に硬質
粒子が均一に分散し、かつ硬質粒子の周囲および内部に
形成される凹部に前記地金金属が進入している複合粉末
を製造することができる。
【0011】地金相内に分散する硬質粒子は、その周囲
には微視的には多くの凹凸を有し、また硬質粒子の内部
に入込んだ凹部を有する。硬質粒子の周囲の凹凸および
内部に形成される凹部に地金金属が進入することによっ
て、地金金属が硬質粒子を強固に固着する。部材の表面
を前記複合粉末で被覆してHIP処理するか、またはC
IP処理後加熱し焼結することによって被覆層を形成す
る。HIP処理における加熱・加圧あるいはCIP処理
後の加熱・焼結の際に前記複合粉末の一部は溶融し凝固
するが、硬質粒子の周囲の凹凸および内部に形成される
凹部に進入した地金金属は、一時的に溶融するが、凝固
時には晶出・再析出するので、地金金属が硬質粒子を固
着する効果は変らない。
には微視的には多くの凹凸を有し、また硬質粒子の内部
に入込んだ凹部を有する。硬質粒子の周囲の凹凸および
内部に形成される凹部に地金金属が進入することによっ
て、地金金属が硬質粒子を強固に固着する。部材の表面
を前記複合粉末で被覆してHIP処理するか、またはC
IP処理後加熱し焼結することによって被覆層を形成す
る。HIP処理における加熱・加圧あるいはCIP処理
後の加熱・焼結の際に前記複合粉末の一部は溶融し凝固
するが、硬質粒子の周囲の凹凸および内部に形成される
凹部に進入した地金金属は、一時的に溶融するが、凝固
時には晶出・再析出するので、地金金属が硬質粒子を固
着する効果は変らない。
【0012】以上のようにして部材の表面に形成された
被覆層はその地金金属による優れた耐食性をもつと共
に、地金金属が硬質粒子を強固に固着するので硬質粒子
による優れた耐摩耗性をもつ。
被覆層はその地金金属による優れた耐食性をもつと共
に、地金金属が硬質粒子を強固に固着するので硬質粒子
による優れた耐摩耗性をもつ。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に示す金属または合金の粉末と、硬質粒子を晶出・析
出する材料の粉末とを粉末混合機によって混合した。こ
の混合粉末を溶解し脱酸したのち、ガスアトマイズによ
って粉末とし、分級して粒径1〜500μmの複合粉末
を得た。
1に示す金属または合金の粉末と、硬質粒子を晶出・析
出する材料の粉末とを粉末混合機によって混合した。こ
の混合粉末を溶解し脱酸したのち、ガスアトマイズによ
って粉末とし、分級して粒径1〜500μmの複合粉末
を得た。
【0014】
【表1】
【0015】直径60mmのSKD11鋼製のロールの
ロール面に、上述のようにして得た複合粉末4を用い
て、HIP処理によって厚さ約2mmの被覆層を形成し
た。HIP処理は次のようにして行った。図1に示すよ
うに、ロール1の円筒部2の表面に、円筒部2を取囲ん
で缶3を取付け、円筒面2の表面と缶3とによって形成
される間隙に複合粉末4を充填し、円筒面2および缶3
の開口端に溶接によってふた5を取付けて缶3を封止す
る。次に、予めふた5の一部に設ける排気管6より排気
して缶3内を10-3Torrに減圧しつつ、排気管6を
封止して缶3内を密閉する。
ロール面に、上述のようにして得た複合粉末4を用い
て、HIP処理によって厚さ約2mmの被覆層を形成し
た。HIP処理は次のようにして行った。図1に示すよ
うに、ロール1の円筒部2の表面に、円筒部2を取囲ん
で缶3を取付け、円筒面2の表面と缶3とによって形成
される間隙に複合粉末4を充填し、円筒面2および缶3
の開口端に溶接によってふた5を取付けて缶3を封止す
る。次に、予めふた5の一部に設ける排気管6より排気
して缶3内を10-3Torrに減圧しつつ、排気管6を
封止して缶3内を密閉する。
【0016】上記の組立体をHIP装置の加熱加圧槽7
に装入し、圧力1000kgf/cm2 のアルゴンガス
中で、加熱温度1150℃で2時間HIP処理する。H
IP処理終了後、缶3およびふた5を機械加工によって
除去してロール試験体を得る。また、前記と同様の直径
60mmのSKD11鋼製のロールのロール面に、CI
P処理によって厚さ約2mmの複合粉末4の被覆層を形
成し、加熱温度1200℃で10時間加熱・焼結してロ
ール試験体を得る。
に装入し、圧力1000kgf/cm2 のアルゴンガス
中で、加熱温度1150℃で2時間HIP処理する。H
IP処理終了後、缶3およびふた5を機械加工によって
除去してロール試験体を得る。また、前記と同様の直径
60mmのSKD11鋼製のロールのロール面に、CI
P処理によって厚さ約2mmの複合粉末4の被覆層を形
成し、加熱温度1200℃で10時間加熱・焼結してロ
ール試験体を得る。
【0017】比較のため、Coを溶解し、これにVと当
量のCとを添加して得た溶湯をガスアトマイズによって
粉末とし、分級して粒径1〜1000μmの粉末を得
た。直径60mmのSKD11鋼製のロールのロール面
に、プラズマトランスファーアークを用いて前記粉末を
厚さ約2mm肉盛溶接してロール試験体を得る。実施例
1の複合粉末4について断面ミクロ組織を観察した。図
2に示す模写図のように、地金金属11の中に不整形の
硬質粒子12が分散しており、硬質粒子12の周囲の凹
部には地金金属11が進入している。また硬質粒子12
の内部にも地金金属11が進入していることが判る。
量のCとを添加して得た溶湯をガスアトマイズによって
粉末とし、分級して粒径1〜1000μmの粉末を得
た。直径60mmのSKD11鋼製のロールのロール面
に、プラズマトランスファーアークを用いて前記粉末を
厚さ約2mm肉盛溶接してロール試験体を得る。実施例
1の複合粉末4について断面ミクロ組織を観察した。図
2に示す模写図のように、地金金属11の中に不整形の
硬質粒子12が分散しており、硬質粒子12の周囲の凹
部には地金金属11が進入している。また硬質粒子12
の内部にも地金金属11が進入していることが判る。
【0018】実施例4のHIP処理後のロール試験体の
被覆層について表面ミクロ組織を観察した結果、図2と
同様に、不整形の硬質粒子12が地金金属11の中に均
等に分散しており、硬質粒子12の周囲の凹部には地金
金属11が進入し、また硬質粒子12の内部にも地金金
属11が進入していることが認められた。上述の方法に
よって製作したロール試験体の被覆層について、大越式
摩耗試験機を用い、相手材;SKD11(HRC5
8)、最終荷重20kgf、摩耗距離1000mm、摩
耗速度2m/秒、試験温度;室温の条件で摩耗試験を行
った。比較例1の摩耗減量を100としたとき、得られ
た各試験体の比摩耗量を表2に示す。
被覆層について表面ミクロ組織を観察した結果、図2と
同様に、不整形の硬質粒子12が地金金属11の中に均
等に分散しており、硬質粒子12の周囲の凹部には地金
金属11が進入し、また硬質粒子12の内部にも地金金
属11が進入していることが認められた。上述の方法に
よって製作したロール試験体の被覆層について、大越式
摩耗試験機を用い、相手材;SKD11(HRC5
8)、最終荷重20kgf、摩耗距離1000mm、摩
耗速度2m/秒、試験温度;室温の条件で摩耗試験を行
った。比較例1の摩耗減量を100としたとき、得られ
た各試験体の比摩耗量を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2より、比較例に較べて実施例の耐摩耗
性が良好なことが判る。
性が良好なことが判る。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の耐食耐摩
耗性部材およびその製造方法によれば、硬質粒子を含む
被覆層において硬質粒子と地金金属との接合性を改良
し、耐久性の良い耐食耐摩耗性部材およびその製造方法
を提供することができる。
耗性部材およびその製造方法によれば、硬質粒子を含む
被覆層において硬質粒子と地金金属との接合性を改良
し、耐久性の良い耐食耐摩耗性部材およびその製造方法
を提供することができる。
【図1】実施例におけるHIP処理状態を示す模式図で
ある。
ある。
【図2】実施例の粉末のミクロ組織を示す模写図であ
る。
る。
1 ロール 2 円筒部 3 缶 4 複合粉末 5 ふた 6 排気管 7 加熱加圧槽 11 地金金属 12 硬質粒子
Claims (2)
- 【請求項1】 部材表面において粉末を拡散接合または
拡散焼結して、前記部材表面に前記粉末組成物からなる
被覆層を形成してなる耐食耐摩耗部材であって、 前記粉末は、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Moおよび
Wのうちいずれか1種以上の元素の炭化物、窒化物また
は炭窒化物よりなる硬質粒子がCo、Ni、Feおよび
Crのうちいずれか1種以上と脱酸のために添加する元
素と不可避的不純物とよりなる地金金属に均一に分散
し、かつ前記硬質粒子の周囲および内部に形成される凹
部に前記地金金属が進入する粉末であり、 前記部材表面において前記粉末を拡散接合または拡散焼
結して前記部材表面に前記粉末組成物からなる被覆層が
形成され、前記被覆層に含まれる前記硬質粒子中に前記
地金金属が含有されていることを特徴とする耐食耐摩耗
部材。 - 【請求項2】 Co、Ni、FeおよびCrのうちいず
れか1種以上と脱酸のために添加する元素と不可避的不
純物とTi、Zr、V、Nb、Ta、MoおよびWのう
ちいずれか1種以上の元素の炭化物、窒化物または炭窒
化物よりなる硬質粒子を晶出・析出させる材料とを溶解
した後、アトマイズし、得られた粉末の地金金属に晶出
・析出した前記硬質粒子が均一に分散し、かつ前記硬質
粒子の周囲および内部に形成される凹部に前記地金金属
が進入している複合粉末を製造する工程と、 被処理材の表面を前記複合粉末で被覆してHIP処理す
るか、またはCIP処理後に加熱・焼結するかのいずれ
か一方の工程とからなることを特徴とする耐食耐摩耗部
材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7008620A JPH08199206A (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 耐食耐摩耗部材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7008620A JPH08199206A (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 耐食耐摩耗部材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08199206A true JPH08199206A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11697994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7008620A Pending JPH08199206A (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 耐食耐摩耗部材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08199206A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106424700A (zh) * | 2016-08-19 | 2017-02-22 | 东北大学 | 激光直接沉积陶瓷增强Fe60合金复合耐磨涂层及方法 |
-
1995
- 1995-01-24 JP JP7008620A patent/JPH08199206A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106424700A (zh) * | 2016-08-19 | 2017-02-22 | 东北大学 | 激光直接沉积陶瓷增强Fe60合金复合耐磨涂层及方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040331 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040720 |