JPH0819760A - 長もの野菜選別機の供給構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 キュウリの搬送コンベヤと、コンベヤ始端に
キュウリを所定姿勢で供給する供給ロボットと、コンベ
ヤ上のキュウリ形状を認識可能なＣＣＤ利用の画像処理
手段と、コンベヤ上のキュウリを選別して仕分ける選別
手段とを備えてキュウリ選別機を構成する。供給手段
を、キュウリ表面に吸着する９個の吸引パッド１０と、
各吸引パッド１０毎に作用する９個の吸引ポンプ１３
と、吸引パッド１０を前後左右上下に移動させる移動機
構１２Ａとから構成し、吸引ポンプ１３を、ピストン１
３ｐの往復移動によるピストンポンプに構成する。９個
のピストンポンプ１３を１個の駆動源３７で駆動する連
係伝動機構Ｅを設ける。 【効果】 労力的負担の大きい人為操作によるキュウリ
の供給工程を、レシプロ吸引ポンプの採用によって比較
的廉価に自動化でき、労力の軽減が図れるとともに能率
向上も期待できる選別機を提供できた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、キュウリ（胡瓜）、ヘ
チマ（糸瓜）、人参、あるいは大根等の長もの野菜を、
形状や大きさ等によって選別して仕分ける選別機に係
り、詳しくは、コンテナ等の野菜貯留部から長もの野菜
を搬送コンベヤ始端に運ぶ供給手段に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】収穫した長もの野菜を形状や大きさに分
類して仕分けする選別機としては、例えばキュウリ選別
機があり、それは、コンテナに貯留されたキュウリを搬
送装置の始端部に１本ずつ手で供給するという人力に頼
るものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、人
為操作でキュウリを供給するものであって労力的負担が
あるとともに、その人為供給操作は搬送コンベヤの搬送
挙動に合わせて行わねばならないという辛い面もあり、
改善の余地が残されていた。本発明の目的は、供給手段
を自動化することによって省力化の図れた選別機を提供
する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的の達成のために
本発明は、長もの野菜を搬送する搬送コンベヤと、この
搬送コンベヤの始端部に長もの野菜を供給する供給手段
と、搬送コンベヤで搬送される長もの野菜を選別して仕
分ける選別手段とを備え、供給手段を、長もの野菜表面
に吸着可能な吸引パッドと、吸引パッドの吸着作用を現
出させる吸引ポンプと、吸引パッドを駆動移動可能な移
動機構とから構成するとともに、吸引ポンプをレシプロ
型に構成してあることを特徴とする。

【０００５】又、吸引ポンプを、ピストンの往復移動に
よる負圧によって吸引力を発生させるピストンポンプに
構成するとか、蛇腹状伸縮筒の伸縮移動による負圧によ
って吸引力を発生させる蛇腹式ポンプに構成してあると
好都合である。さらに、吸引ポンプを複数の吸引パッド
毎に備え、それら複数の吸引ポンプを単一の駆動源で駆
動できるように、複数の吸引ポンプと駆動源とを連動連
結する連係伝動機構を設けてあるものでも良い。

【０００６】

【作用】請求項１の構成では、吸引パッドの吸着作用で
長もの野菜を吸着してそれから移動機構を駆使すること
により、収納箱等の貯留部にある長もの野菜を搬送コン
ベヤ始端へ運ぶことができて、供給作動を自動化するこ
とができる。そして、長もの野菜を搬送コンベヤ始端へ
運ぶに要する時間は短時間で済むもの、すなわち、吸引
パッドの吸着作用時間が短くて良いものであるから、吸
引作用と戻り作用とが繰返されるレシプロポンプが使用
可能になる。つまり、吸引作用の間に貯留部から搬送コ
ンベヤ始端への移送を終了させることができ、連続吸引
作用を出す回転型吸引ポンプに比べて廉価にポンプを構
成することができる。

【０００７】請求項２の構成では、規格品として出回っ
ていて量産性に優れたピストンポンプを使用すること
で、比較的廉価でありながら確実な吸引作用を得ること
ができるものとなる。請求項３の構成では、蛇腹状伸縮
筒の伸縮作動によって吸引作用を出すものであり、ピス
トンポンプに比べて構造簡単であってさらに廉価に吸引
ポンプを構成できるようになる。請求項４の構成では、
各吸引パッド毎に吸引作用があるから、幾つかの吸引パ
ッドに野菜が吸着されなかっても、そのために野菜の吸
着された吸引パッドでの吸引力が落ちることがなく、確
実に吸着できるようになる。加えて、それら複数の吸引
ポンプを単一の駆動源で駆動できるから、駆動源も各別
に備える場合に比べて構造簡単で廉価に構成できるとと
もに、配置スペースも少なくて済むようになる。

【０００８】

【発明の効果】その結果、請求項１〜４に記載のいずれ
の選別機でも、供給手段をレシプロ吸引ポンプの採用に
よって比較的廉価に自動化でき、労力の軽減が図れると
ともに能率向上も期待できるようになった。請求項２に
記載の選別機では、確実な吸引作用を廉価に得られる利
点があり、請求項３に記載の選別機ではさらにコスト的
に有利なものにできた。又、請求項４に記載の選別機で
は、請求項１の構成による効果を、吸引ポンプ駆動系の
簡素化によるコストダウンを図りながら得られる利点が
ある。

【０００９】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図１にキュウリ選別機が示され、Ａは収納箱１
内に貯留されたキュウリをベルトコンベヤ（搬送装置に
相当）Ｂの始端部に所定姿勢で供給する供給する供給手
段、ＣはベルトコンベヤＢで移送されるキュウリの形状
及び大きさを認識する画像処理手段、Ｄは画像処理手段
Ｃから出力される形状認識情報に基づいてベルトコンベ
ヤＢ上の搬送キュウリを選別して仕分ける選別手段であ
る。又、２は選別シュート、３〜６は回収箱、７はくず
箱である。

【００１０】このキュウリ選別機の概略作用は、先ず、
供給手段Ａが、収納箱１のキュウリを吸引による吸い付
きによって持上げるとともに、搬送ベルト８の長手方向
に直交する方向に向いた姿勢でベルトコンベヤＢの始端
部に供給する。次に、画像処理手段Ｃが、コンベヤ上で
搬送されるキュウリをＣＣＤカメラ９によってその形状
・大きさを認識し、画像処理手段Ｃから出力される形状
認識情報に基づいて、ベルトコンベヤＢ上の搬送キュウ
リをベルト側方に押出し排出し、傾斜配置された選別シ
ュート２を滑落させて回収箱３〜６に回収する。そし
て、あまりに細いとか短いといった未成熟キュウリや極
端に曲がったキュウリ等の商品とならないくずキュウリ
は、ベルトコンベヤＢ終端に配置されたくず箱７に回収
されるのである。

【００１１】次に、各装置を簡単に説明する。図１〜図
３に示すように、供給装置Ａは、複数（９個）の吸着パ
ッド１０を備えた作用体１１を前後左右、及び上下に移
動自在な３次元移動機構１２と、各吸着パッド１０毎に
独立して作用する吸引ポンプ１３とで構成されている。
吸着パッド１０は、内部に吸引経路を有した可撓性の吸
着面１４を首振り移動可能に設けて構成され、各吸着パ
ッド１０を平面視で千鳥格子状に配列してあるととも
に、それら複数の吸着パッド１０と固定配置された吸引
ポンプ１３とを、屈曲自在な吸引ホース１８群で接続連
結してある。

【００１２】３次元移動機構１２は、作用体１１を鉛直
方向に所定範囲で昇降自在な上下移動機構１２Ａと、上
下移動機構１２Ａを前後方向（ベルトコンベヤＢの搬送
方向）に所定範囲で移動自在な前後移動機構１２Ｂと、
前後移動機構１２Ｂを左右方向（ベルトコンベヤＢの搬
送方向に直交する方向）に所定範囲で移動自在な左右移
動機構１２Ｃとから構成されている。

【００１３】上下移動機構１２Ａは昇降シリンダ（油圧
シリンダや電動シリンダ）で構成され、前後移動機構１
２Ｂは、前後の移動体３９，３７に亘って架設されるネ
ジ軸１７とガイド軸２７に上下移動機構１２Ａの基体２
８を貫通支承するとともに、ネジ軸１７を駆動回転させ
るギヤードモータＧＭを設けて構成されている。左右移
動機構１２Ｃは、前後の移動体３９，３７内に装備され
た図示しない駆動部で成り、それら駆動部で駆動される
転輪２９用の固定レール３０を前後に備えて構成されて
いる。

【００１４】吸引パッド１０の支持構造を詳述すると、
図３、図４に示すように、複数の吸引パッド１０が取付
けられた板体３１を、下降付勢機構３２を介して作用体
１１に取付けてあり、昇降シリンダ１２Ａによる下降移
動によって吸引パッド１０とキュウリとの接当範囲に融
通を持たせてあるとともに、接当時のクッション効果が
でるようにしてある。下降付勢機構３２は、板体３１に
固定の挿通棒３３を作用体１１のボス部１１ａに巻きバ
ネ３４を介して内嵌合するとともに、板体３１に固定の
ガイド棒３５を作用体１１端の切欠き１１ｂに通して構
成されている。そして、搬送方向で隣合う吸引パッド１
０，１０どうしの並設ピッチＬ’は、収納箱１に整列収
容された状態のキュウリの並設ピッチＬよりも小に、す
なわち、Ｌ’＜Ｌとなるように設定してあり、９個の吸
引パッド１０のうちのどれかが必ずキュウリに吸付ける
ようにしてある。

【００１５】図３に示すように、吸引ポンプ１３は、ピ
ストン１３ｐが往復動するレシプロピストンポンプに構
成されており、各吸引パッド１０毎に計９個装備されて
いる。それら９個のピストンロッド１３ａに亘る駆動バ
ー３６を設けるとともに、その駆動バー３６を揺動アー
ム３８を備えた単一の駆動装置３７で往復駆動移動させ
る構造であり、これによって連係伝動機構Ｅが構成され
ている。揺動アーム３８の前後両揺動限界を決めるリミ
ットスイッチ４０，４１が備えられており、揺動アーム
３８が前スイッチ４０に接当すると駆動装置３７が逆転
して揺動アーム３８が後方に揺動し、後スイッチ４１に
接当すると今度は前方に向けて揺動アーム３８が揺動す
るように連係されている。従って、収納箱１とベルトコ
ンベヤＢ始端との間隔に合わせてピストンポンプ１３の
移動領域を調節設定でき、実際に必要な量以上に往復駆
動する無駄を省ける利点がある。

【００１６】ベルトコンベヤＢは、前後の輪体１５，１
６と、これらに巻回される搬送ベルト８と、電動モータ
等の駆動源２６とで成るコンベヤを前後に直列配置して
構成されている。搬送ベルト８上にキュウリを載せ付け
ての載置搬送により、キュウリ表面のイボイボを落とす
ことなく搬送できる。又、ベルト表面に、キュウリ姿勢
を整えさせるために、ベルト移動方向に直交した凸条を
適宜に形成しておけば好都合と思われる。

【００１７】画像処理手段Ｃは、ベルトコンベヤＢの搬
送方向中間位置に設けた支持塔１９のオーバーハング部
分にＣＣＤ（charge coupled device 電荷結合素子）カ
メラ９を配置して構成されており、コンベヤ上のキュウ
リを上方から撮影してその形状や大きさを認識するもの
である。

【００１８】選別手段Ｄは、４個の選別アクチュエータ
（伸縮シリンダ等）２０〜２３をベルトコンベヤＢの側
方近傍の位置でベルト長手方向に並列させて配備して構
成されている。搬送上手側のものから、直線形状で長さ
が所定以上のキュウリを押出す第１シリンダ２０、直線
形状で長さが所定以下のキュウリを押出す第２シリンダ
２１、曲線形状で長さが所定以上のキュウリを押出す第
３シリンダ２２、及び曲線形状で長さが所定以下のキュ
ウリを押出す第４シリンダ２３に構成されている。

【００１９】そして、供給装置Ａ、ベルトコンベヤＢの
駆動源２６、画像処理手段Ｃ、及び各シリンダ２０〜２
３に対する制御弁群２４の夫々が制御装置２５に電気的
に連係接続されている。これにより、選別機が駆動され
ると収納箱１内のキュウリを人手を要することなく４種
類の回収キュウリとくずキュウリとに自動選別して夫々
の回収箱３〜６、及びくず箱７に回収されるのである。

【００２０】〔別実施例〕図５（イ）、（ロ）に示すよ
うに、吸引ポンプ１３を、蛇腹状伸縮筒４２の伸縮移動
による負圧によって吸引力を発生させる蛇腹式ポンプ４
３に構成してあるものでも良い。伸縮筒４２はゴム（布
地でも良い）製であり、吸引時の潰れ変形が無いように
するため、保形リング４３を伸縮筒４２内に備えてると
ともに、後端の支持金具４４に駆動バー３６を貫通支承
してある。又、例えば、遠心ファンや吸引ファンといっ
た回転型の吸引ポンプ１３を各吸引パッド１０毎に備え
る構造でも良い。

【００２１】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】キュウリ選別機の概略構造を示す斜視図

【図２】キュウリ選別機の平面図

【図３】吸引パッドの支持構造及び吸引ポンプを示す側
面図

【図４】吸引パッドの配列状態を示す底面図

【図５】吸引ポンプの別構造を示す平面図

【符号の説明】

Ａ 供給手段 Ｂ 搬送コンベヤ Ｃ 画像処理手段 Ｄ 選別手段 Ｅ 連係伝動機構 １０ 吸引パッド １２ 移動機構 １３ 吸引ポンプ １３ｐ ピストン ３７ 駆動源 ４２ 伸縮筒 ４３ 蛇腹式ポンプ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長もの野菜を搬送する搬送コンベヤ
   （Ｂ）と、この搬送コンベヤ（Ｂ）の始端部に長もの野
   菜を供給する供給手段（Ａ）と、前記搬送コンベヤ
   （Ｂ）で搬送される長もの野菜を選別して仕分ける選別
   手段（Ｄ）とを備え、 前記供給手段（Ａ）を、長もの野菜表面に吸着可能な吸
   引パッド（１０）と、この吸引パッド（１０）の吸着作
   用を現出させる吸引ポンプ（１３）と、前記吸引パッド
   （１０）を駆動移動可能な移動機構（１２）とから構成
   するとともに、前記吸引ポンプ（１３）をレシプロ型に
   構成してある長もの野菜選別機の供給構造。
2. 【請求項２】 前記吸引ポンプ（１３）を、ピストン
   （１３ｐ）の往復移動による負圧によって吸引力を発生
   させるピストンポンプに構成してある請求項１記載の長
   もの野菜選別機の供給構造。
3. 【請求項３】 前記吸引ポンプ（１３）を、蛇腹状伸縮
   筒（４２）の伸縮移動による負圧によって吸引力を発生
   させる蛇腹式ポンプ（４３）に構成してある請求項１記
   載の長もの野菜選別機の供給構造。
4. 【請求項４】 前記吸引ポンプ（１３）を複数の前記吸
   引パッド（１０）毎に備え、それら複数の吸引ポンプ
   （１３）を単一の駆動源（３７）で駆動できるように、
   前記複数の吸引ポンプ（１３）と前記駆動源（３７）と
   を連動連結する連係伝動機構（Ｅ）を設けてある請求項
   １〜３のいずれか１つに記載の長もの野菜選別機の供給
   構造。