JPH08197218A - ホットチャンバーダイカストマシンの射出機構 - Google Patents

ホットチャンバーダイカストマシンの射出機構

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JPH08197218A
JPH08197218A JP2584095A JP2584095A JPH08197218A JP H08197218 A JPH08197218 A JP H08197218A JP 2584095 A JP2584095 A JP 2584095A JP 2584095 A JP2584095 A JP 2584095A JP H08197218 A JPH08197218 A JP H08197218A
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JP
Japan
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ring
plunger
groove
molten metal
sleeve
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Application number
JP2584095A
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English (en)
Inventor
Hisao Isogai
久雄 磯貝
Kozo Tono
鋼三 東野
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 設計製作が容易で金属溶湯に対する耐食性に
優れたホットチャンバーダイカストマシン用射出機構で
のメタル漏れを的確に解消し、その耐用性を向上する。 【構成】 スリーブ10内を摺動するプランジャー21
とノズル14を有し、前記プランジャー21は外周に溝
17を環設したプランジャ本体8と該プランジャ本体8
の前記溝17に緩装されたリング9aを備え、しかも該
プランジャ本体8はその内部に前記溝17に対し加圧し
た溶湯15を導く導通孔を有し、該プランジャー21の
摺動により加圧された溶湯15を上記ノズル14から金
型4に射出成形するホットチャンバーダイカスト機にお
いて、上記したプランジャ本体8の前記溝17に緩装さ
れたリング9aが半径方向において重複して設けられた
多重リングであると共に各リングが分割構成されたもの
であって、しかも各リングの分割部分が多重リング間で
重なり合うことを防止するための廻り止め部が上記リン
グに設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホットチャンバーダイカ
ストマシンの射出機構に係り、設計製作が容易で金属溶
湯に対する耐食性に優れたホットチャンバーダイカスト
マシン用射出機構におけるメタル漏れを的確に解消し、
その耐用性を飛躍的に向上しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム系その他の溶湯金属を鋳造
するホットチャンバーダイカストマシンについては従来
から知られている。即ちこのようなアルミニウム溶湯に
よる鋳造をなすホットチャンバーダイカストマシンにつ
いての全般的な構成は図6に示す如くであって、アルミ
ニウム溶湯15を溶解すると共に一定温度に保持するよ
うにヒーター3を設けた溶解兼保持炉1は架台2に設置
され、該保持炉1に設けられたグースネック13にはノ
ズル14が設けられてダイプレート5に設けられた金型
4に圧着されている。
【0003】前記金型4とノズル14との圧着は、架台
2とダイプレート5とをクランプ(図示せず)などによ
り締付けることにより行われ、スリーブ10にはプラン
ジャー21が挿入され、カップリング7を介し油圧ピス
トン6に連結していて、該ピストン6が降下することに
よりプランジャー21がスリーブ10内を連動降下し、
該スリーブ10内の溶湯が加圧されてグースネック13
を通り、ノズル14から金型4のキャビティ内に射出さ
れて鋳造が行われる。
【0004】前記プランジャー21は特開昭56−23
358および特開昭56−23359において該プラン
ジャー21についてリング9aの装着されない直筒状と
された直筒型プランジャーが開示されている。然し、こ
のリングを装着しない直筒型プランジャーは図示上の構
造が簡易であっても、スリーブ10との間のシール効果
を安定的に得るため、そのクリヤランスは0.04mm以下
として厳密に管理することが必要であり、しかもその材
質が金属溶湯に対する耐食性からしてセラミックスであ
るからその加工精度を全面に亘って適切に維持しなけれ
ばならず、そうした加工が非常に困難であり、当然に加
工費は莫大とならざるを得ない。
【0005】更にこのものはスリーブ10と直筒状プラ
ンジャーとの組立て時における芯合わせに高度の技術を
必要とし、綿密な注意と莫大な工数が要求され、しかも
操業時においては振動や熱変形による微小な芯ずれから
かじりを発生し、プランジャーおよびスリーブの寿命を
極端に短かくする不利がある。
【0006】ところで、浸食性の少い溶湯の場合におい
ては図6に示すようにプランジャー21についてはリン
グ9aが用いられ得るもので、このリング9aとしては
ばね作用をなし、スリーブ10の内面に対し圧着するこ
とによってシール効果を得しめるようにし、このような
ばね作用が要求されることから鋼などで作ることが考え
られる。
【0007】しかしながら、アルミニウム溶湯などを射
出するプランジャーにおいてはアルミニウム溶湯が殆ん
どの金属材料を浸食することから金属製のプランジャー
は実用的には存在しないこととなる。このような不利欠
点を解決する技術として図6に示したリング9aを分割
型とし且つセラミックス製としたものが特開昭56−2
3360に開示されており、また実公昭47−1657
4号においてはダイカストマシンの複合プランジャとし
て外側リング9bの接合端部を図7に示すように段状と
してL型に段差接合29させることが発表されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記したセラミックス
製分割リングは直筒型プランジャーの場合と同様にスリ
ーブとの間にシール効果を安定的に得しめるため、スリ
ーブ10とリング9aの真円度を保ち、かつ溶湯に充分
な加圧力を付与するには経験から両者のクリアランスを
0.04mm以下にする必要があり、そのためにスリーブ内
壁の加工と同じに該分割リングの加工精度を適切に維持
しなければならないので非常に製作上困難であって、加
工費は莫大となり精密な高度の技術を必要とし、精密な
注意力が要求される欠点がある。
【0009】従ってこのセラミックスなどによる分割リ
ングはスリーブの内面あるいはプランジャー溝に対し有
効なシール状態を形成し、それを維持することが困難で
あり、このシール状態が適切に得られないならば成形部
に射出された溶湯の充填を有効に達成し難いこととなっ
て得られる鋳造品の品質を低下する。アルミニウム系溶
湯のダイカスト鋳造に当って上記したようなシール性を
示す押湯速度(充填終了後のプランジャーの前進速度)
としては実地的に40mm/sec 以下であることが知られ
ているが、セラミックスリングにおいてこのような押湯
速度を得ることは加工精度上限界があって困難であり、
必然的に鋳造品質が劣化する。一方半径方向において重
複して設けられた多重リングの分割部分が重なり合えば
その部分から加圧溶湯が洩れ、リングおよびスリーブの
加工精度を向上させたとしても、上記の押湯速度は得ら
れない。図7に示したものにおいても多重リングの分割
部分が重なり合えば、加圧溶湯が洩れることは同様であ
り、かつ加工精度に不具合があれば、図8に示すように
段差接合部29の角部に著しい溶損30が選択的に発生
することが実験過程で確かめられ、その部分から加圧溶
湯が洩れ、あるいは段差接合部29の角部が折損するな
どして好ましい押湯速度は得られない。
【0010】すなわち、上記したような従来のものにお
いては何れにしても耐用性を充分に得ることが困難であ
って、例えばアルミニウム溶湯を用いて120kg/cm2
程度の射出条件で処理する場合、スリーブとして代表的
な窒化珪素製で、リングがサーメットであると、スリー
ブ内径40mmφの場合でリングの接合端部間隙が0.3mm
を超え、押湯速度で言えば40mm/sec 以上となってメ
タルが大きく洩れて使用に耐えなくなるショット数は一
般的に1300ショットが平均であって、1500ショ
ットを超えるようなことは殆んどない。即ち耐用性が非
常に短いという重大な欠点を有している。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解決することについて検討を重
ね、上述したようなダイカストマシン射出機構の耐用性
についての技術的仔細を解明し、それらのメタル漏れ原
因を的確に制限することに成功したものであって、以下
の如くである。
【0012】(1) スリーブ内を摺動するプランジャと
ノズルを有し、前記プランジャは外周に溝を環設したプ
ランジャ本体と該プランジャ本体の前記溝に緩装された
リングを備え、しかも該プランジャ本体はその内部に前
記溝に対し加圧した溶湯を導く導通孔を有し、該プラン
ジャの摺動により加圧された溶湯を上記ノズルから金型
に射出成形するホットチャンバーダイカスト機におい
て、上記したプランジャ本体の前記溝に緩装されたリン
グが半径方向において重複して設けられた多重リングで
あると共に各リングが分割構成されたものであって、し
かも各リングの分割部分が多重リング間で重なり合うこ
とを防止するための廻り止め部が上記リングに設けられ
ていることを特徴とするホットチャンバーダイカストマ
シンの射出機構。
【0013】(2) スリーブ内を摺動するプランジャと
ノズルを有し、前記プランジャは外周に溝を環設したプ
ランジャ本体と該プランジャ本体の前記溝に緩装された
リングを備え、しかも該プランジャ本体はその内部に前
記溝に対し加圧した溶湯を導く導通孔を有し、該プラン
ジャの摺動により加圧された溶湯を上記ノズルから金型
に射出成形するホットチャンバーダイカスト機におい
て、上記したプランジャ本体の前記溝に緩装されたリン
グが半径方向において重複して設けられた多重リングで
あると共に各リングが分割構成されたものであって、し
かも前記多重リングの中、少くとも最外側のリングが上
記したプランジャ本体の軸方向において重層された多層
リングとされ、かつ上記した多重リングのうち、少なく
とも最外側の多層リングの分割部分が互いに一直線に整
合することを防止するための廻り止め部が上記最外側リ
ングに設けられていることを特徴とするホットチャンバ
ーダイカストマシンの射出機構。
【0014】(3) 緩装される各リングか下記式の関係
を満足することを特徴とする前記(1)または(2) 項に記
載のホットチャンバーダイカストマシンの射出機構。 t3 ≦4.5×102 (mm)×D2 ×P/E ここで、t:各分割リングの厚さ(mm) E:各分割リングのヤング率(kgf/mm2 ) D:スリーブの内径(mm) P:射出時溶湯に印加した圧力(kgf/mm2
【0015】
【作用】スリーブ内を摺動するプランジャとノズルを有
し、前記プランジャは外周に溝を環設したプランジャ本
体と該プランジャ本体の前記溝に緩装されたリングを備
え、しかも該プランジャ本体はその内部に前記溝に対し
加圧した溶湯を導く導通孔を有し、該プランジャの摺動
により加圧された溶湯を上記ノズルから金型に射出成形
するホットチャンバーダイカスト機において、上記した
プランジャ本体の前記溝に緩装されたリングが半径方向
において重複して設けられた多重リングであると共に各
リングが分割構成されたものであって、しかも各リング
の分割部分が多重リング間で重なり合うことを防止する
ための廻り止め部が上記リングに設けられていることに
より、各リングの分割部がプランジャ本体の円周方向に
おいてプランジャ内部の導通孔より進入した溶融メタル
の流れから充分に離れた位置に保持される。即ちメタル
の流れをリング部分で的確に抑制して金型に対する射出
圧を高めると共に高温のメタル洩れに原因したリングの
損耗を制限防止する。
【0016】上記したプランジャ本体の前記溝に緩装さ
れたリングが半径方向において重複して設けられた多重
リングであると共に各リングが分割構成されたものであ
って、しかも前記多重リングの中、少くとも最外側のリ
ングが上記したプランジャ本体の軸方向において重層さ
れた多層リングとされ、かつ上記した多重リングのう
ち、少なくとも最外側の多層リングの分割部分が互いに
一直線に整合することを防止するための廻り止め部が上
記最外側リングに設けられていることによりメタル洩れ
に原因したリング損耗の防止と金型内への有効注入とを
最高状態に達成する。
【0017】上記のように環設溝に緩装された分割リン
グにおいて、該リングの厚みt(mm)はその材質のヤン
グ率E(kgf/mm2 ) 、スリーブ内径D(mm)および溶湯
にかかる圧力P(kgf/mm2 ) が次式、即ち、 t3 ≦4.5×102 (mm)×D2 ×P/E を満足することによりスリーブ内壁の真円度などに多少
の相違があってもリングは容易に撓んでスリーブ内壁に
密着し良好なシール関係を形成する。
【0018】即ち、シール性を示す押湯速度(充填完了
後のプランジャー速度)は工業的には40mm/sec 以下
であることが好ましく、従来の1重リングまたは1段リ
ングの場合に対して本発明の如く2重リングとすると共
に廻り止めを付け、多層リングとし、更に廻り止めを付
けることによってシール性は大幅に向上し、溶湯速度は
安定的に20mm/sec 程度を示すこととなり、非常に良
好な押湯効果を得ることができ、しかもメタル洩れを的
確に制限する。つまりスリーブが窒化珪素でリングが上
述のようにサーメットであり、アルミニウム溶湯射出圧
力が40mm/sec 以下の押湯で120kgf/cm2 程度の条
件の場合において、前記した従来のものの1300ショ
ット程度から23000ショットと1桁以上の大幅な向
上を図らしめる。
【0019】
【実施例】上記したような本発明によるものの具体的な
実施例について説明すると、ホットチャンバーダイカス
トマシンの全般的構成関係については従来からの前記図
6に示したものと同様でよく、またその他の適宜の形式
のものを採用することができる。本発明においてはその
スリーブ10内を摺動するプランジャーとしてその1例
が図1と図2に示すようにセラミックスプランジャー本
体8を用い、その摺動部側面に溝17を形成し、該環設
溝17内に半径方向において複合併設された分割リング
9' 、9''を装着する。
【0020】なお前記したようなプランジャー本体8の
中心部には図3に示すように該プランジャー本体8の底
面から中央孔16を設け、該中央孔16の上端に前記溝
部17に連通させた複数本の横孔18が設けられてお
り、分割リング9' 、9''については何れも円周におい
て少くとも2つ以上に分割されたものである。
【0021】即ち分割リング9' または9''における分
割端面19はプランジャー本体8またはスリーブ10の
軸方向に平行または傾斜して形成されたものとすること
ができるが、このように分割端面19によって2部体あ
るいはそれ以上に分割してリング9' または9''が形成
されることによりセラミックスなどの高温溶湯に対する
耐食性に優れた剛体部材であってもスリーブ10の内面
方向における追従性を各分割リング9' 、9''で自由に
得ることのできる構成部体として得しめる。
【0022】図3に本発明の上記実施例による装置を用
いて溶湯を加圧したときの具体例が示されており、プラ
ンジャー21およびスリーブ10が垂直状に設けられ、
スリーブ10内は溶湯に満され且つその中をプランジャ
ー21が上下運動することは上述したところと同じであ
り、プランジャー21の半径方向内外に位置する各リン
グ9' 、9''間の接合面22' 、22''はプランジャー
21の軸に平行に形成されている。斯かる状態におい
て、プランジャー21が下降したときに溶湯15(図6
参照)はプランジャー本体8の中央における孔16およ
び横孔18を経て分割リング9' 、9''に内圧を与え外
側の分割リング9' はスリーブ10の内壁に撓んで押し
つけられると同時に、内側の分割リング9''と共にプラ
ンジャー本体8と合わされて下降し、環設溝17の上面
をシールしスリーブ10とプランジャー本体8との間の
メタル流れ及び孔16からのメタル流れを阻止し、シー
ル効果を発生させる。
【0023】また分割リング9' 、9''の接合面22'
、22''においては外側分割リングの厚さをプランジ
ャー21の溶湯加圧方向に厚く、内側分割リングの厚さ
を同方向に薄くする如く適宜に傾斜を採ることによりプ
ランジャー本体8の摺動に当って外側分割リング9' を
外周方向に押し広げると共に内側分割リング9''はプラ
ンジャー本体8の環設溝17の内面を圧接し、スリーブ
10の内面およびプランジャー本体8の環設溝17の内
面に対し有効なシール関係を形成した条件下で摺動操作
され、有効な射出成形を行わしめ、その後の復動行程に
おいてはその押し拡げ作用が解消されて円滑にスライド
させることができる。
【0024】本発明においては上記したような分割リン
グ9' 、9''の分割端面19、19(即ち分割部分)が
内外多重リング間で重なり合うことがなく、横孔18か
ら吐出されようとする溶湯が必ず分割リング9''または
9' によって吐出圧を阻止されてからスリーブ10とプ
ランジャー21との間に達するよう各リング9' 、9''
にはプランジャー本体8に対する配設角度位置を保持す
るための廻り止め部20、20、20''' が形成されて
いて、廻り止め部20、20はプランジャー本体8の係
合部20' に嵌合される。さらに、外側分割リング9'
が上下に2層にされている場合は、廻り止め部20'''
は係合部20''に嵌合される。
【0025】即ち上記のような分割リング9' 、9''は
溝17に対して緩装状態のものであるからプランジャー
21の上下作動、特に溶湯の進入条件下での上下昇降作
動により溝17内で回動する可能性が高く、それによっ
て分割端面19、19部分が変位すると分割リング9'
、9''の分割端面19、19が内外の多重リング間で
重なり、あるいは横孔18部分に直面して位置せしめら
れることがある。つまりこのような状態となると横孔1
8からの吐出メタルは分割リング9' 、9''の分割端面
のすき間からプランジャー21の背部に溶湯の洩れが発
生し、しかもリング9' 、9''の分割端面19、19の
部分的溶損を加速度的に増大し、押湯効果を損なうよう
なことを上記廻り止めの構成で的確に防止する。
【0026】図4には本発明によるプランジャー本体8
の軸方向において重層された多層リングを最外側のリン
グとして採用した例を示したものであり、重層された最
外側の上下の分割リング同士の分割された分割端面1
9、19部分が直線状に重なり合うことを防止するため
に廻り止め部20がそれぞれに設けられている。この場
合はプランジャー本体8の環設溝17の下面に廻り止め
部受入れ凹部20' (図1参照)を設けて廻り止め部2
0と嵌合するようにしておく。また上下のリング同士に
は、一方に廻り止め部20''' を設け、他方に該廻り止
め部20''' が嵌合する廻り止め部受入れ凹部20''を
設ける。
【0027】内側リング9''は上下重層の分割リングと
なっておらず一体のものであって、その構成を簡易化し
ているが、場合によっては内側リング9''も外側リング
9'、9' と同様に上下の分割リングとしてよい。この
場合にも廻り止め部20が設けられることは図2と同じ
であり、上下重層の分割リングの接触し合う部分におい
ては上述したように一方のリングに廻り止め部20'''
、他方のリングにその受け入れ凹部20''を設けるよ
うにしておくとよい。また、外側の分割リング9' と内
側の分割リング9''の同一箇所に廻り止め部20を形成
すれば、プランジャー本体8の環設溝17の下面に廻り
止め部受入れ凹部20' を一つ設けるだけで簡易且つ有
効に内外の分割リング9' 、9''の回転を防止すること
ができる。
【0028】また本発明では上記の場合において、分割
リング9' 、9''がスリーブ10へ密着するための種々
の実験結果によって、分割リング9' 、9''の材質が有
するヤング率Eとリングの厚みt、スリーブ内径Dおよ
び射出時溶湯に印加したい圧力Pの関係が次式、つま
り、 t3 ≦4.5×102 (mm)×D2 ×P/E を満足すれば、多少の真円度等の相違があっても、分割
リング9' 、9''は容易に撓んで、スリーブ10の内壁
に密着し良好なシール効果を発生させることができる。
【0029】上記実験式の具体例として例えば内径40
mmのスリーブを用いて種々測定した結果を図1に示す。
即ち分割リング9' 、9''を窒化珪素の焼結体とし、そ
のヤング率Eとリング厚さtを種々変化させた分割リン
グを作成した。一方、該分割リング9、9' と同質の材
料で焼結製造した幅8.0mmで、深さ1〜4mmの溝を環設
したプランジャー本体8に上記の分割リング9' 、9''
を緩装し、上記した内径40mmのスリーブ10に組付
け、スリーブ10内を上下摺動させて溶湯を加圧した。
【0030】リング幅に関しては、特に限定されるもの
ではないが、各種実験により得られた知見によれば、 リング幅/リング径(プランジャー内径) が、0.15〜0.35の関係にあることが本発明に前記式
においてシール性を効果的に得しめるものと言える。
【0031】得られる圧力がダイカスト製品を鋳造する
通常の圧力である120 kgf/cm2以上になる時の上記
分割リングのヤング率Eと分割リング厚さtの関係は図
5の斜線内の如きものであった。即ち、所定量(この場
合120 kgf/cm2 )以上の圧力を得るにはスリーブと
分割リングのシール関係が確実に行われる必要があり、
そのためには、その材質のヤング率が小さければ(撓み
量が大きくなる)分割リングの厚さが厚くてもシール関
係が確実になり、そのヤング率が大きければその厚さを
薄くすることによりシール関係が確実なものとなること
が判る。
【0032】前記した横孔18については図3に示すよ
うにプランジャー本体8の中心部に設けられた中央孔1
6に対し、各分割リング9' 、9''の内面に吐出するよ
うに4個以上を配設することにより分割リング9' 、
9''に対して好ましい吐出圧を作用させ、スリーブ内面
への接摺を得しめる。分割リングは2個または2個以上
に分割して対設する。その分割端面19、19部分は斯
うした横孔18、18間の中間において対向位置させる
ことが好ましいバランスした作用を得しめる所以であ
る。
【0033】プランジャーを作動してメタルを加圧した
時に、該プランジャー背部へのメタル洩れが加速度的に
増大することは実験的にも明らかで、このメタル洩れは
前述したようにリングの分割端面が重なり合うことによ
ることが主因であるのに対し、これを有効に阻止したの
が本発明であって、例えばスリーブ内径40mm、スリー
ブおよびプランジャー本体の材質を窒化珪素質セラミッ
クス、リングをホウ化モリブデン質サーメット、リング
のヤング率を35000 kgf/mm2 とし、アルミニウム
溶湯中での射出圧120 kgf/cm2 、押湯効果40mm/
sec 以下の条件で下記の構造のリングを用いて実験し、
そのショット数を計測した結果は次に示すとおりであっ
た。
【0034】すなわち、プランジャー本体8の環設溝1
7に緩装するリングを図2に示す如く二重、二つ割り分
割リングとし、それぞれの厚さを2mm、幅を8mmとして
廻り止め部20を設けた場合には5000ショットであ
ったが、これに対して同様のリングでも廻り止め部を設
けなかった場合には1300ショットに過ぎず、従って
廻り止め部20の効果が確認された。また、図4に示す
構造の如く、二重、二つ割り分割リングで、それぞれの
厚さを2mm、幅を外側の各リングは4mm、内側リングは
8mmとし、外側リングを上下二層とし、リングには廻り
止め部20''' を設けたものは23000ショットであ
り、外側リングを上下二層とし、廻り止め部を設けるこ
との効果が理解される。
【0035】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
この種ホットチャンバーダイカストマシン射出用プラン
ジャーの設計製作を容易にし、又金属溶湯に対する耐食
性に優れた射出機構におけるメタル洩れを的確に解消
し、その耐用性を飛躍的に向上し得るものであるから工
業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるプランジャー部分の側面図であ
る。
【図2】本発明による廻り止め部を設けた多重リングの
1例を示した斜面図である。
【図3】本発明によるプランジャーとスリーブの間のメ
タル洩れ阻止の状態を示した断面的説明図である。
【図4】本発明による廻り止め部を設けた多重多層リン
グの1例を示した斜面図である。
【図5】本発明におけるリングの厚みとその材質ヤング
率との関係を具体的に要約して示した図表である。
【図6】ホットチャンバーダイカストマシンについての
全般的な構成関係を断面的に示した説明図である。
【図7】従来のダイカストマシン用プランジャーの複合
リングを示した斜面図である。
【図8】図7に示したものの溶損メタル洩れ発生状態を
示した斜面図である。
【符号の説明】
4 金型 8 プランジャー本体 9a リング 9' 、9'' 分割リング 10 スリーブ 14 ノズル 15 アルミ溶湯 16 中央孔 17 溝 18 横孔 19 リングの分割端面 20 廻り止め部 20' 廻り止め部受入れ凹部 20'' 廻り止め部受入れ凹部 20''' 廻り止め部 21 プランジャー 29 従来の段差接合部 30 その溶損部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリーブ内を摺動するプランジャとノズ
    ルを有し、前記プランジャは外周に溝を環設したプラン
    ジャ本体と該プランジャ本体の前記溝に緩装されたリン
    グを備え、しかも該プランジャ本体はその内部に前記溝
    に対し加圧した溶湯を導く導通孔を有し、該プランジャ
    の摺動により加圧された溶湯を上記ノズルから金型に射
    出成形するホットチャンバーダイカスト機において、 上記したプランジャ本体の前記溝に緩装されたリングが
    半径方向において重複して設けられた多重リングである
    と共に各リングが分割構成されたものであって、 しかも各リングの分割部分が多重リング間で重なり合う
    ことを防止するための廻り止め部が上記リングに設けら
    れていることを特徴とするホットチャンバーダイカスト
    マシンの射出機構。
  2. 【請求項2】 スリーブ内を摺動するプランジャとノズ
    ルを有し、前記プランジャは外周に溝を環設したプラン
    ジャ本体と該プランジャ本体の前記溝に緩装されたリン
    グを備え、しかも該プランジャ本体はその内部に前記溝
    に対し加圧した溶湯を導く導通孔を有し、該プランジャ
    の摺動により加圧された溶湯を上記ノズルから金型に射
    出成形するホットチャンバーダイカスト機において、 上記したプランジャ本体の前記溝に緩装されたリングが
    半径方向において重複して設けられた多重リングである
    と共に各リングが分割構成されたものであって、 しかも前記多重リングの中、少くとも最外側のリングが
    上記したプランジャ本体の軸方向において重層された多
    層リングとされ、 かつ上記した多重リングのうち、少なくとも最外側の多
    層リングの分割部分が互いに一直線に整合することを防
    止するための廻り止め部が上記最外側リングに設けられ
    ていることを特徴とするホットチャンバーダイカストマ
    シンの射出機構。
  3. 【請求項3】 緩装される各リングか下記式の関係を満
    足することを特徴とする請求項1または2に記載のホッ
    トチャンバーダイカストマシンの射出機構。 t3 ≦4.5×102 (mm)×D2 ×P/E ここで、t:各分割リングの厚さ(mm) E:各分割リングのヤング率(Kgf/mm2 ) D:スリーブの内径(mm) P:射出時溶湯に印加した圧力(Kgf/mm2
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