JPH08193984A - 素材の異方性評価方法及びその装置 - Google Patents
素材の異方性評価方法及びその装置Info
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- JPH08193984A JPH08193984A JP7005844A JP584495A JPH08193984A JP H08193984 A JPH08193984 A JP H08193984A JP 7005844 A JP7005844 A JP 7005844A JP 584495 A JP584495 A JP 584495A JP H08193984 A JPH08193984 A JP H08193984A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】素材に超音波を照射して異方性の方向の分布状
態が判定できるようにした。 【構成】照射される超音波の進行軸Uに対し目標とした
異方性の方向がほぼ直交するように素材の試料1を被検
台3に設置し、試料1中で生じる超音波の横波成分の振
動方向が異方性の方向と合致した状態と同振動方向が異
方性の方向とほぼ直交した状態との二つの伝播速度
VX ,Vy を速度測定手段6で計測し、得られた両伝播
速度の差を速度差算出手段7で求め、該速度差算出手段
7で得られた速度差に基づいて素材の異方性を評価す
る。異方性の方向の分布状態とヤング率との間に密接な
関係があること及び超音波の横波成分の伝播速度とヤン
グ率との間に密接な関係があることにより、異方性の方
向に振動方向がほぼ合致した横波と異方性の方向と直交
する方向に振動方向がほぼ合致した横波との伝播速度の
差が異方性の方向分布に関係する数値となる。
態が判定できるようにした。 【構成】照射される超音波の進行軸Uに対し目標とした
異方性の方向がほぼ直交するように素材の試料1を被検
台3に設置し、試料1中で生じる超音波の横波成分の振
動方向が異方性の方向と合致した状態と同振動方向が異
方性の方向とほぼ直交した状態との二つの伝播速度
VX ,Vy を速度測定手段6で計測し、得られた両伝播
速度の差を速度差算出手段7で求め、該速度差算出手段
7で得られた速度差に基づいて素材の異方性を評価す
る。異方性の方向の分布状態とヤング率との間に密接な
関係があること及び超音波の横波成分の伝播速度とヤン
グ率との間に密接な関係があることにより、異方性の方
向に振動方向がほぼ合致した横波と異方性の方向と直交
する方向に振動方向がほぼ合致した横波との伝播速度の
差が異方性の方向分布に関係する数値となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を照射して素材
の異方性を評価するための方法及び装置、詳細には、異
方性主軸と他の主軸方向へ横波を伝播させ、それらの伝
播速度差より評価するようにした素材の異方性評価方法
及びその装置に関する。
の異方性を評価するための方法及び装置、詳細には、異
方性主軸と他の主軸方向へ横波を伝播させ、それらの伝
播速度差より評価するようにした素材の異方性評価方法
及びその装置に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、繊維複合材料、結晶材料、圧延金
属材料又は引っ張りを加えたゴム等の素材では、これら
の繊維若しくは結晶(分子)の配向、圧延若しくは引っ
張りによって生じる物理的性質の異方性が、使用された
際の機能の良否や構造の強度を左右するため、この種の
素材の異方性を評価することが重要となる。
属材料又は引っ張りを加えたゴム等の素材では、これら
の繊維若しくは結晶(分子)の配向、圧延若しくは引っ
張りによって生じる物理的性質の異方性が、使用された
際の機能の良否や構造の強度を左右するため、この種の
素材の異方性を評価することが重要となる。
【0003】ところで、文献「材料」(J.Soc.M
at.Sci.Japan),Vol.43,No48
4,pp1−11,Jan.1994)には、固体中を
伝播する超音波が弾性波となるため、その伝播速度が繊
維複合材、結晶材料等の異方性を有する素材の弾性定数
や密度によって変化することを利用して、繊維含有率や
配向した繊維又は結晶粒の分布状態を評価する方法が成
果を上げていることが説明されている。
at.Sci.Japan),Vol.43,No48
4,pp1−11,Jan.1994)には、固体中を
伝播する超音波が弾性波となるため、その伝播速度が繊
維複合材、結晶材料等の異方性を有する素材の弾性定数
や密度によって変化することを利用して、繊維含有率や
配向した繊維又は結晶粒の分布状態を評価する方法が成
果を上げていることが説明されている。
【0004】上記文献に基づく異方性の評価方法は、例
えば図7に示すような一軸方向に繊維方向が揃えられた
繊維複合材において、例えば図8又は図9に示すよう
に、超音波の例えば縦波を試料の繊維方向(主軸X1 の
方向)又は繊維方向と直交する方向(主軸X3 の方向)
に伝播させ、その反射波が帰還するまでの時間(透過波
の通過時間でもよい)と伝播距離(伝播方向厚)とから
算出される一方向の伝播速度だけで評価する考えであ
る。
えば図7に示すような一軸方向に繊維方向が揃えられた
繊維複合材において、例えば図8又は図9に示すよう
に、超音波の例えば縦波を試料の繊維方向(主軸X1 の
方向)又は繊維方向と直交する方向(主軸X3 の方向)
に伝播させ、その反射波が帰還するまでの時間(透過波
の通過時間でもよい)と伝播距離(伝播方向厚)とから
算出される一方向の伝播速度だけで評価する考えであ
る。
【0005】この考えによる評価方法では、単に繊維や
結晶粒の分布状態(繊維や結晶粒がどれだけの割合で密
か)を評価できるだけである。従って、一軸方向性の繊
維複合材のような素材における繊維の配向方向の分布、
すなわち後述する異方性主軸X1 を含む平面上での繊維
の配向角の分布状態、換言すれば異方性をとらえた評価
を行うことはできない。
結晶粒の分布状態(繊維や結晶粒がどれだけの割合で密
か)を評価できるだけである。従って、一軸方向性の繊
維複合材のような素材における繊維の配向方向の分布、
すなわち後述する異方性主軸X1 を含む平面上での繊維
の配向角の分布状態、換言すれば異方性をとらえた評価
を行うことはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、一般には、例
えば図7に示すような繊維複合材の異方性を評価する場
合は、図10に示すように、異方性主軸X1 にほぼ平行
な試料表面Saを研磨し、顕微鏡でその試料表面Saを
観察して、目標とした繊維方向(異方性主軸X1の方
向)と繊維の実際の方向Aとのなす配向角θを繊維毎に
調べる方法が採られている。
えば図7に示すような繊維複合材の異方性を評価する場
合は、図10に示すように、異方性主軸X1 にほぼ平行
な試料表面Saを研磨し、顕微鏡でその試料表面Saを
観察して、目標とした繊維方向(異方性主軸X1の方
向)と繊維の実際の方向Aとのなす配向角θを繊維毎に
調べる方法が採られている。
【0007】すなわち、配向角θを所定本数の繊維につ
いて観測し、図11に示すように、配向角θをヒストグ
ラム化する。そして、この検出ヒストグラムを正常なも
のの基準ヒストグラムと対照し、その繊維複合材におけ
る配向角分布状態を評価するのである。この場合、ヒス
トグラム同士を比較して人為的に判断してもよいが、個
人差をなくすため、基準ヒストグラムと検出ヒストグラ
ムとをパソコン等の計算機で判定している。
いて観測し、図11に示すように、配向角θをヒストグ
ラム化する。そして、この検出ヒストグラムを正常なも
のの基準ヒストグラムと対照し、その繊維複合材におけ
る配向角分布状態を評価するのである。この場合、ヒス
トグラム同士を比較して人為的に判断してもよいが、個
人差をなくすため、基準ヒストグラムと検出ヒストグラ
ムとをパソコン等の計算機で判定している。
【0008】しかし、この顕微鏡観察による方法でも、
繊維複合材の比較的表面の配向角分布、つまり、繊維の
試料表面への写像情報だけを観察するものであり、試料
全体の配向角の分布特性を把握することはできない。す
なわち、繊維複合材のような異方性を有する素材の場
合、異方性主軸X1 以外の他の主軸X2 ,X3 方向へも
繊維は配向しており、このように三次元的に配向する繊
維の異方性主軸に平行な各平面を総合した配向角の分布
状態を把握することには困難がある。
繊維複合材の比較的表面の配向角分布、つまり、繊維の
試料表面への写像情報だけを観察するものであり、試料
全体の配向角の分布特性を把握することはできない。す
なわち、繊維複合材のような異方性を有する素材の場
合、異方性主軸X1 以外の他の主軸X2 ,X3 方向へも
繊維は配向しており、このように三次元的に配向する繊
維の異方性主軸に平行な各平面を総合した配向角の分布
状態を把握することには困難がある。
【0009】また、上記顕微鏡観察による方法は、試料
表面を研磨する破壊検査であり、実用性に乏しいという
欠点がある。本発明は、上記課題を解決し、異方性を有
する素材における全体の異方性を簡単に非破壊で評価す
る技術を提供することを目的とする。
表面を研磨する破壊検査であり、実用性に乏しいという
欠点がある。本発明は、上記課題を解決し、異方性を有
する素材における全体の異方性を簡単に非破壊で評価す
る技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の完成以前におい
て、超音波の縦波により異方性を有する素材における試
料全体の異方性を評価することを検討した。しかし、超
音波の縦波は、繊維や結晶粒の分布状態によって変化し
ても、繊維や結晶粒の配向角の分布状態によって変化す
ることはないことが分かった。
て、超音波の縦波により異方性を有する素材における試
料全体の異方性を評価することを検討した。しかし、超
音波の縦波は、繊維や結晶粒の分布状態によって変化し
ても、繊維や結晶粒の配向角の分布状態によって変化す
ることはないことが分かった。
【0011】一方、異方性を有する素材では、異方性の
方向に極めて高いヤング率を呈し、目標とした異方性の
方向とずれた繊維又は結晶粒の割合が多いほど、ヤング
率が小さくなる。このような異方性の方向配分と関係す
るヤング率は、超音波の横波成分の伝播速度とも密接に
関係することが分かっている。そこで、本発明は、超音
波の横波に着目し、以下のような構成を創案した。
方向に極めて高いヤング率を呈し、目標とした異方性の
方向とずれた繊維又は結晶粒の割合が多いほど、ヤング
率が小さくなる。このような異方性の方向配分と関係す
るヤング率は、超音波の横波成分の伝播速度とも密接に
関係することが分かっている。そこで、本発明は、超音
波の横波に着目し、以下のような構成を創案した。
【0012】すなわち、上記課題を解決した請求項1に
係る素材の異方性評価装置は、異方性を有する素材の上
記異方性を超音波を用いて評価するための素材の異方性
評価装置であって、照射される超音波の進行軸に対し目
標とした上記異方性の方向がほぼ直交するように上記素
材の試料が被検台に設置される超音波送受信機と、上記
試料中で生じる超音波の横波成分の振動方向が上記異方
性の方向と合致した状態と上記超音波の横波成分の振動
方向が上記異方性の方向とほぼ直交した状態との二つの
伝播速度を計測する速度測定手段とを備え、更に該速度
測定手段で検出された両伝播速度の差を求める速度差算
出手段と、該速度差算出手段で得られた速度差に基づい
て上記素材の異方性を評価する判定手段とを具備する。
係る素材の異方性評価装置は、異方性を有する素材の上
記異方性を超音波を用いて評価するための素材の異方性
評価装置であって、照射される超音波の進行軸に対し目
標とした上記異方性の方向がほぼ直交するように上記素
材の試料が被検台に設置される超音波送受信機と、上記
試料中で生じる超音波の横波成分の振動方向が上記異方
性の方向と合致した状態と上記超音波の横波成分の振動
方向が上記異方性の方向とほぼ直交した状態との二つの
伝播速度を計測する速度測定手段とを備え、更に該速度
測定手段で検出された両伝播速度の差を求める速度差算
出手段と、該速度差算出手段で得られた速度差に基づい
て上記素材の異方性を評価する判定手段とを具備する。
【0013】ここで、異方性の方向とは、異方性主軸の
方向を意味し、例えば一軸方向に繊維方向が揃えられた
繊維複合材においては、その繊維方向をいい、2軸方向
に繊維方向が定められた素材では、二つの繊維方向によ
って意図された素材の強化方向をいう。また、超音波の
横波成分とは、超音波が固体中を伝播するときに必然的
に生じる横波と、横波専用に作製された超音波探触子か
ら発させる横波とをいう。
方向を意味し、例えば一軸方向に繊維方向が揃えられた
繊維複合材においては、その繊維方向をいい、2軸方向
に繊維方向が定められた素材では、二つの繊維方向によ
って意図された素材の強化方向をいう。また、超音波の
横波成分とは、超音波が固体中を伝播するときに必然的
に生じる横波と、横波専用に作製された超音波探触子か
ら発させる横波とをいう。
【0014】請求項2の発明は、上記判定手段が、上記
速度差ごとに素材の異方性の状態を表す複数の状態特性
が予め書き込まれたメモリを有し、上記速度差算出手段
で得られた速度差に対応した状態特性を該メモリより選
出することにより素材の異方性を評価するものである。
請求項3の発明は、請求項1の装置において、更に、上
記速度測定手段で得られた二つの伝播速度の平均値を求
める平均値算出手段を備え、上記速度差算出手段で得ら
れた速度差を上記平均値算出手段で求めた平均値により
補正するものである。
速度差ごとに素材の異方性の状態を表す複数の状態特性
が予め書き込まれたメモリを有し、上記速度差算出手段
で得られた速度差に対応した状態特性を該メモリより選
出することにより素材の異方性を評価するものである。
請求項3の発明は、請求項1の装置において、更に、上
記速度測定手段で得られた二つの伝播速度の平均値を求
める平均値算出手段を備え、上記速度差算出手段で得ら
れた速度差を上記平均値算出手段で求めた平均値により
補正するものである。
【0015】請求項4の発明は、上記素材が、母材中に
繊維が分散された繊維複合材であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の装置において、その判定
手段が、メモリに加え、上記平均値算出手段で求めた平
均値から上記繊維複合材の上記繊維体積率を求め、この
繊維体積率で上記速度差算出手段で得られた速度差を補
正するようにしたことを特徴とする。
繊維が分散された繊維複合材であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の装置において、その判定
手段が、メモリに加え、上記平均値算出手段で求めた平
均値から上記繊維複合材の上記繊維体積率を求め、この
繊維体積率で上記速度差算出手段で得られた速度差を補
正するようにしたことを特徴とする。
【0016】請求項6の発明は、異方性を有する素材の
上記異方性を超音波を用いて評価するための素材の異方
性評価方法であって、照射される超音波の進行軸に対し
目標とした上記異方性の方向がほぼ直交するように上記
素材の試料を超音波送受信機の被検台に設置し、上記試
料中で生じる超音波の横波成分の振動方向と上記異方性
の方向とが合致した状態で上記試料に超音波を照射しそ
の伝播速度を測定する工程と、進行軸と異方性の方向と
の直交関係は維持したまま上記超音波の横波成分の振動
方向を上記異方性の方向とほぼ直交した状態として上記
試料に超音波を照射しその伝播速度を測定する工程とを
行い、次に測定された両伝播速度の差を求め、該両伝播
速度の差に基づいて上記素材の異方性を評価するもので
ある。
上記異方性を超音波を用いて評価するための素材の異方
性評価方法であって、照射される超音波の進行軸に対し
目標とした上記異方性の方向がほぼ直交するように上記
素材の試料を超音波送受信機の被検台に設置し、上記試
料中で生じる超音波の横波成分の振動方向と上記異方性
の方向とが合致した状態で上記試料に超音波を照射しそ
の伝播速度を測定する工程と、進行軸と異方性の方向と
の直交関係は維持したまま上記超音波の横波成分の振動
方向を上記異方性の方向とほぼ直交した状態として上記
試料に超音波を照射しその伝播速度を測定する工程とを
行い、次に測定された両伝播速度の差を求め、該両伝播
速度の差に基づいて上記素材の異方性を評価するもので
ある。
【0017】
【作用】請求項1の発明において、素材の異方性の方向
に振動方向がほぼ合致した横波と異方性の方向と直交す
る方向に振動方向がほぼ合致した横波との伝播速度を比
較すると、異方性の方向分布と密接に関係して変化する
ヤング率より、前者は後者より早くなる。従って、超音
波の進行軸に対し目標とした上記異方性の方向がほぼ直
交するように素材の試料を被検台に設置し、超音波を照
射すると、異方性の方向に振動方向がほぼ合致した横波
の伝播速度と異方性の方向と直交する方向に振動方向が
ほぼ合致した横波の伝播速度との速度差は、異方性の方
向分布の状態に応じて大小変化する。つまり、良好に異
方性の方向が揃っているほど速度差は大きくなり、異方
性の方向が不揃いであるほど速度差は小さくなる。
に振動方向がほぼ合致した横波と異方性の方向と直交す
る方向に振動方向がほぼ合致した横波との伝播速度を比
較すると、異方性の方向分布と密接に関係して変化する
ヤング率より、前者は後者より早くなる。従って、超音
波の進行軸に対し目標とした上記異方性の方向がほぼ直
交するように素材の試料を被検台に設置し、超音波を照
射すると、異方性の方向に振動方向がほぼ合致した横波
の伝播速度と異方性の方向と直交する方向に振動方向が
ほぼ合致した横波の伝播速度との速度差は、異方性の方
向分布の状態に応じて大小変化する。つまり、良好に異
方性の方向が揃っているほど速度差は大きくなり、異方
性の方向が不揃いであるほど速度差は小さくなる。
【0018】従って、試料中で生じる超音波の横波成分
の振動方向が異方性の方向と合致した状態と同振動方向
が異方性の方向とほぼ直交した状態との二つの伝播速度
を速度測定手段で計測し、得られた両伝播速度の差を速
度差算出手段で求め、該速度差算出手段で得られた速度
差に基づけば上記素材の異方性を評価することができ
る。
の振動方向が異方性の方向と合致した状態と同振動方向
が異方性の方向とほぼ直交した状態との二つの伝播速度
を速度測定手段で計測し、得られた両伝播速度の差を速
度差算出手段で求め、該速度差算出手段で得られた速度
差に基づけば上記素材の異方性を評価することができ
る。
【0019】請求項2の発明において、判別手段に設け
られるメモリには、上記速度差ごとに素材の異方性の状
態を表す複数の状態特性、例えば異方性の方向分布を段
階的に表すヒストグラムを実測し、その各データを速度
差で読み出せるようにメモリに書き込んでおく。これに
より、上記速度算出手段で得られた速度差により、ある
状態特性がメモリより選出でき、この選出した状態特性
より素材の異方性を評価する。
られるメモリには、上記速度差ごとに素材の異方性の状
態を表す複数の状態特性、例えば異方性の方向分布を段
階的に表すヒストグラムを実測し、その各データを速度
差で読み出せるようにメモリに書き込んでおく。これに
より、上記速度算出手段で得られた速度差により、ある
状態特性がメモリより選出でき、この選出した状態特性
より素材の異方性を評価する。
【0020】請求項3の発明において、平均値算出手段
は、速度測定手段で得られた二つの伝播速度の平均値を
求める。この平均値は、超音波が伝播した試料の厚みに
比例するので、該平均値で速度差を除算することによ
り、速度差演算手段で得られる速度差を試料の厚みにか
かわらず規格化することができる。請求項4の発明にお
いて、異方性が評価される素材がウィスカ(結晶繊
維)、短繊維、長繊維が媒体中に分散されてなる繊維複
合材であり、請求項1の発明と同様の原理により、その
繊維の配向角の分布状態を評価することができる。
は、速度測定手段で得られた二つの伝播速度の平均値を
求める。この平均値は、超音波が伝播した試料の厚みに
比例するので、該平均値で速度差を除算することによ
り、速度差演算手段で得られる速度差を試料の厚みにか
かわらず規格化することができる。請求項4の発明にお
いて、異方性が評価される素材がウィスカ(結晶繊
維)、短繊維、長繊維が媒体中に分散されてなる繊維複
合材であり、請求項1の発明と同様の原理により、その
繊維の配向角の分布状態を評価することができる。
【0021】請求項5の発明において、請求項4の発明
に用いた判定手段は、上記平均値算出手段で求めた平均
値から上記繊維複合材の上記繊維体積率を求め、求めた
繊維体積率で速度差算出手段で得られた速度差を補正す
る。そして、この補正された速度差に対応した状態特性
をメモリより選出する。繊維体積率で補正された速度差
により状態特性を選出すれば、繊維体積率にかかわらず
異方性の評価が可能となる。
に用いた判定手段は、上記平均値算出手段で求めた平均
値から上記繊維複合材の上記繊維体積率を求め、求めた
繊維体積率で速度差算出手段で得られた速度差を補正す
る。そして、この補正された速度差に対応した状態特性
をメモリより選出する。繊維体積率で補正された速度差
により状態特性を選出すれば、繊維体積率にかかわらず
異方性の評価が可能となる。
【0022】請求項6の発明によれば、先ず、超音波の
進行軸に対し目標とした上記異方性の方向がほぼ直交す
るように素材の試料を被検台に設置し、続いて上記試料
中で生じる超音波の横波成分の振動方向と上記異方性の
方向とが合致した状態と、進行軸と異方性の方向との直
交関係は維持したまま上記超音波の横波成分の振動方向
を上記異方性の方向とほぼ直交した状態となるように、
上記試料の異方性の方向と超音波の進行軸の関係を該進
行軸回りに相対的に旋回調整してそれぞれの状態におけ
る両伝播速度を求める。その後、両伝播速度の差を求め
れば、試料の異方性を評価することができる。
進行軸に対し目標とした上記異方性の方向がほぼ直交す
るように素材の試料を被検台に設置し、続いて上記試料
中で生じる超音波の横波成分の振動方向と上記異方性の
方向とが合致した状態と、進行軸と異方性の方向との直
交関係は維持したまま上記超音波の横波成分の振動方向
を上記異方性の方向とほぼ直交した状態となるように、
上記試料の異方性の方向と超音波の進行軸の関係を該進
行軸回りに相対的に旋回調整してそれぞれの状態におけ
る両伝播速度を求める。その後、両伝播速度の差を求め
れば、試料の異方性を評価することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る素材の異方性評価装置を
具体的に説明する。 第1実施例 図1〜図4は請求項1〜3の発明を含む素材の異方性評
価装置を説明するものである。図1は本装置の基本構成
図であり、試料1は、ウィスカ(結晶繊維)、短繊維、
長繊維が媒体中に分散されてなる繊維複合材である。こ
の試料1は繊維方向と一致した異方性主軸X1 が送受型
超音波探触子2から照射される超音波の進行軸Uと直交
するように反射機能材で構成された被検台3に設置され
る。
具体的に説明する。 第1実施例 図1〜図4は請求項1〜3の発明を含む素材の異方性評
価装置を説明するものである。図1は本装置の基本構成
図であり、試料1は、ウィスカ(結晶繊維)、短繊維、
長繊維が媒体中に分散されてなる繊維複合材である。こ
の試料1は繊維方向と一致した異方性主軸X1 が送受型
超音波探触子2から照射される超音波の進行軸Uと直交
するように反射機能材で構成された被検台3に設置され
る。
【0024】送受型超音波探触子2は、超音波送受信機
4からの指令により超音波を発振停止されるとともに、
受信した反射波の電気パルス信号を超音波送受信機4に
伝送するとともに、モータ等の駆動手段により上記進行
軸Uの回りに90°旋回可能に構成されている。送受型
超音波探触子2の旋回動作を詳述すると、送受型超音波
探触子2は、図2(A)に示すように、試料1の異方性
主軸X1 に対し超音波が試料中を伝播するときに生じる
横波成分の振動方向Bがほぼ合致した状態と、進行軸U
と異方性主軸X1 との直交関係を維持したまま同振動方
向Bが図2(B)に示すように、異方性主軸X1 とほぼ
直交する方向(主軸X2 の方向)に合致した状態とに旋
回する。
4からの指令により超音波を発振停止されるとともに、
受信した反射波の電気パルス信号を超音波送受信機4に
伝送するとともに、モータ等の駆動手段により上記進行
軸Uの回りに90°旋回可能に構成されている。送受型
超音波探触子2の旋回動作を詳述すると、送受型超音波
探触子2は、図2(A)に示すように、試料1の異方性
主軸X1 に対し超音波が試料中を伝播するときに生じる
横波成分の振動方向Bがほぼ合致した状態と、進行軸U
と異方性主軸X1 との直交関係を維持したまま同振動方
向Bが図2(B)に示すように、異方性主軸X1 とほぼ
直交する方向(主軸X2 の方向)に合致した状態とに旋
回する。
【0025】なお、超音波送受信機4が送受型超音波探
触子2に対して行う超音波の発振停止指令及び駆動手段
への旋回指令は、後述する例えばパソコンシステムによ
って旋回指令することができるが、手動操作により行う
ようにしてもよい。超音波送受信機4は、受信した上記
電気パルス信号を整形し、整形後の計測パルス4aをパ
ソコンシステム5に送出している。パソコンシステム5
は、一般的な演算部、データ記憶部及びプログラムメモ
リ部により、以下のような速度測定手段6と速度差算出
手段7と判定手段8と平均値算出手段10を構成する。
触子2に対して行う超音波の発振停止指令及び駆動手段
への旋回指令は、後述する例えばパソコンシステムによ
って旋回指令することができるが、手動操作により行う
ようにしてもよい。超音波送受信機4は、受信した上記
電気パルス信号を整形し、整形後の計測パルス4aをパ
ソコンシステム5に送出している。パソコンシステム5
は、一般的な演算部、データ記憶部及びプログラムメモ
リ部により、以下のような速度測定手段6と速度差算出
手段7と判定手段8と平均値算出手段10を構成する。
【0026】速度測定手段6は、振動方向Bが図2
(A)の状態の時と図2(B)の状態の時に入力する各
計測パルス4aの間隔T(時間)と伝播距離2hとより
両伝播速度Vx ,Vy を算出する。上記速度測定手段6
より得られた両伝播速度Vx ,Vy の信号は、速度差算
出手段7と平均値算出手段10にそれぞれ送出される。
速度差算出手段7では速度差Vx −Vy が演算され、平
均値算出手段10では平均値(Vx +Vy )/2が演算
される。平均値はこれに類するものであればいずれでも
よい。
(A)の状態の時と図2(B)の状態の時に入力する各
計測パルス4aの間隔T(時間)と伝播距離2hとより
両伝播速度Vx ,Vy を算出する。上記速度測定手段6
より得られた両伝播速度Vx ,Vy の信号は、速度差算
出手段7と平均値算出手段10にそれぞれ送出される。
速度差算出手段7では速度差Vx −Vy が演算され、平
均値算出手段10では平均値(Vx +Vy )/2が演算
される。平均値はこれに類するものであればいずれでも
よい。
【0027】上記速度差Vx −Vy を示す信号と平均値
(Vx +Vy )/2を示す信号は判定手段8に送出され
る。判定手段8は、本実施例の場合、上記速度差ごとに
試料の異方性の状態を表す複数の状態特性が予め書き込
まれたメモリ9aを有している。この状態特性とは、予
め所定の速度差ごと、ここでは4ランク(I〜IV)の
異なる速度差ごとに、例えば異方性の方向角の分布、す
なわち繊維複合材の場合は、繊維の配向角を実測して分
布特性で表した四つのヒストグラム(図3(A)〜図3
(D))である。図3(A)のヒストグラムは、速度差
が最も大きいランクIのもので、分布特性が最も急峻と
なり、配向角の分布が最良であるこを示す。図3(B)
のヒストグラムは、次に配向角の分布が良好なものであ
る。以下、ランクが上がるごとに、ヒストグラムの急峻
性が減衰して、配向角の分布が悪いことを示す。
(Vx +Vy )/2を示す信号は判定手段8に送出され
る。判定手段8は、本実施例の場合、上記速度差ごとに
試料の異方性の状態を表す複数の状態特性が予め書き込
まれたメモリ9aを有している。この状態特性とは、予
め所定の速度差ごと、ここでは4ランク(I〜IV)の
異なる速度差ごとに、例えば異方性の方向角の分布、す
なわち繊維複合材の場合は、繊維の配向角を実測して分
布特性で表した四つのヒストグラム(図3(A)〜図3
(D))である。図3(A)のヒストグラムは、速度差
が最も大きいランクIのもので、分布特性が最も急峻と
なり、配向角の分布が最良であるこを示す。図3(B)
のヒストグラムは、次に配向角の分布が良好なものであ
る。以下、ランクが上がるごとに、ヒストグラムの急峻
性が減衰して、配向角の分布が悪いことを示す。
【0028】これらヒストグラムは上記メモリ9aに書
き込まれる。これにより、判定手段8は、速度差算出手
段で速度差Vx −Vy が演算されると、その演算された
速度差Vx −Vy がいずれのランクに相当するかを判断
し、そのランクに対応したアドレスでメモリ9aを読み
出し制御する。読み出されたヒストグラムは、表示手段
又は印刷手段によりグラフとして入手することができ
る。もし、メモリ9aの容量が許せば、速度差のランク
を多くすることにより、より現実的なヒストグラムが入
手できることになる。
き込まれる。これにより、判定手段8は、速度差算出手
段で速度差Vx −Vy が演算されると、その演算された
速度差Vx −Vy がいずれのランクに相当するかを判断
し、そのランクに対応したアドレスでメモリ9aを読み
出し制御する。読み出されたヒストグラムは、表示手段
又は印刷手段によりグラフとして入手することができ
る。もし、メモリ9aの容量が許せば、速度差のランク
を多くすることにより、より現実的なヒストグラムが入
手できることになる。
【0029】上記のような素材の異方性評価装置は、図
4に示すフローチャートのように動作する。先ず、準備
工程として、試料1を、図1に示すように、繊維による
異方性主軸X1 と送受型超音波探触子2から照射される
超音波の進行軸Uと直交するように被検台3に設置す
る。具体的には、超音波を伝播させる厚み方向と異方性
主軸X1 が直交するような試料1を用意し、この試料1
の異方性主軸X1 の方向を指示する例えば基準線を照合
し、試料1の向きを定めて設置する。
4に示すフローチャートのように動作する。先ず、準備
工程として、試料1を、図1に示すように、繊維による
異方性主軸X1 と送受型超音波探触子2から照射される
超音波の進行軸Uと直交するように被検台3に設置す
る。具体的には、超音波を伝播させる厚み方向と異方性
主軸X1 が直交するような試料1を用意し、この試料1
の異方性主軸X1 の方向を指示する例えば基準線を照合
し、試料1の向きを定めて設置する。
【0030】次に、パソコンシステム5を稼働して、図
4のフローチャートを実行する。スタートにより、ステ
ップS1 が実行されると、パソコンシステム5は、横波
成分の振動方向Bが試料1の異方性主軸X1 (繊維方
向)とほぼ合致した状態で超音波が照射されるように、
送受型超音波探触子2を進行軸U回りに旋回するように
指示し、図2(A)に示すように、試料1の表面に送受
型超音波探触子2を押し当てる。
4のフローチャートを実行する。スタートにより、ステ
ップS1 が実行されると、パソコンシステム5は、横波
成分の振動方向Bが試料1の異方性主軸X1 (繊維方
向)とほぼ合致した状態で超音波が照射されるように、
送受型超音波探触子2を進行軸U回りに旋回するように
指示し、図2(A)に示すように、試料1の表面に送受
型超音波探触子2を押し当てる。
【0031】この後、ステップS2 により超音波を照射
し、その時の送受型超音波探触子2から出力される電気
パルス信号に基づく計測パルス4aを速度測定手段6に
取り込んでその計測パルス4aの間隔より横波伝播速度
VX を測定する。次にステップS3 を実行し、ステップ
S1 に準じた指示、すなわち、進行軸Uと異方性主軸X
1 の直交関係を維持したまま、横波成分の振動方向Bが
試料1の異方性主軸X1 (繊維方向)とほぼ直交した状
態で超音波が照射されるように、送受型超音波探触子2
を進行軸U回りに90°旋回するように指示し、図2
(B)に示すように、試料1の表面に送受型超音波探触
子2を押し当てる。
し、その時の送受型超音波探触子2から出力される電気
パルス信号に基づく計測パルス4aを速度測定手段6に
取り込んでその計測パルス4aの間隔より横波伝播速度
VX を測定する。次にステップS3 を実行し、ステップ
S1 に準じた指示、すなわち、進行軸Uと異方性主軸X
1 の直交関係を維持したまま、横波成分の振動方向Bが
試料1の異方性主軸X1 (繊維方向)とほぼ直交した状
態で超音波が照射されるように、送受型超音波探触子2
を進行軸U回りに90°旋回するように指示し、図2
(B)に示すように、試料1の表面に送受型超音波探触
子2を押し当てる。
【0032】この後、ステップS2 と準じたステップS
4 により超音波を照射し、送受型超音波探触子2の電気
パルス信号に基づく計測パルス4aを速度測定手段6に
取り込んでその間隔より横波伝播速度Vy を測定する。
次に、伝播速度Vx とVy とを速度差算出手段7に取り
込み、ステップS5 により速度差Vx −Vy を求める。
この速度差だけで異方性の状態を判定してもよい(請求
項1の発明に相当)が、ここでは、厚みが異なる素材で
も同一のシステムで対応できるように、ステップS6 を
実行する。
4 により超音波を照射し、送受型超音波探触子2の電気
パルス信号に基づく計測パルス4aを速度測定手段6に
取り込んでその間隔より横波伝播速度Vy を測定する。
次に、伝播速度Vx とVy とを速度差算出手段7に取り
込み、ステップS5 により速度差Vx −Vy を求める。
この速度差だけで異方性の状態を判定してもよい(請求
項1の発明に相当)が、ここでは、厚みが異なる素材で
も同一のシステムで対応できるように、ステップS6 を
実行する。
【0033】ステップS6 は、平均値算出手段10に伝
播速度Vx とVy の算術平均を行わせるもので、平均値
(Vx +Vy )/2は、超音波の伝播距離、すなわち超
音波が伝播した二つの主軸方向についての試料の厚みに
比例するので、続くステップS7 において平均値で速度
差を除算することにより、速度差演算手段10で得られ
る速度差を試料の厚み(サイズ)に関して規格化するこ
とができる。ステップS7 は、ここで判定手段8で行う
のであるが、構成的には特別にステップS7 を行う演算
手段を付加してもよい。
播速度Vx とVy の算術平均を行わせるもので、平均値
(Vx +Vy )/2は、超音波の伝播距離、すなわち超
音波が伝播した二つの主軸方向についての試料の厚みに
比例するので、続くステップS7 において平均値で速度
差を除算することにより、速度差演算手段10で得られ
る速度差を試料の厚み(サイズ)に関して規格化するこ
とができる。ステップS7 は、ここで判定手段8で行う
のであるが、構成的には特別にステップS7 を行う演算
手段を付加してもよい。
【0034】この規格化された速度差DV (以下、規格
化速度差DV という)は、判定手段8におけるメモリ9
aへのアドレスデータに変換される。この変換の際に規
格化速度差DV のランクを認識し、得られるアドレスデ
ータで図3(A)〜(D)のうち対応するヒストグラム
を選出する(ステップS8 )。このように第1実施例で
は、繊維の配向角の分布状態とヤング率との間に密接な
関係があること及び超音波の横波成分の伝播速度とヤン
グ率との間に密接な関係があることにより、繊維方向に
振動方向がほぼ合致した横波と繊維方向と直交する方向
に振動方向がほぼ合致した横波との伝播速度の差が繊維
方向の配向分布に関係する数値となることを見い出し、
繊維複合材の配向角の分布を非破壊で評価している。
化速度差DV という)は、判定手段8におけるメモリ9
aへのアドレスデータに変換される。この変換の際に規
格化速度差DV のランクを認識し、得られるアドレスデ
ータで図3(A)〜(D)のうち対応するヒストグラム
を選出する(ステップS8 )。このように第1実施例で
は、繊維の配向角の分布状態とヤング率との間に密接な
関係があること及び超音波の横波成分の伝播速度とヤン
グ率との間に密接な関係があることにより、繊維方向に
振動方向がほぼ合致した横波と繊維方向と直交する方向
に振動方向がほぼ合致した横波との伝播速度の差が繊維
方向の配向分布に関係する数値となることを見い出し、
繊維複合材の配向角の分布を非破壊で評価している。
【0035】第2実施例 繊維複合材では、用途によって異なる繊維体積率が要求
される。この場合、繊維体積率が大きい素材では伝播速
度は早くなり、逆に繊維体積率が小さいと伝播速度は遅
くなる。この関係は、繊維方向(異方性主軸X1 の方
向)の伝播速度VX と繊維方向と直交する方向(主軸X
2 又はX3 の方向)の伝播速度Vy とで同じ割合で増減
すればよいが、両者は異なった割合で変化すると考えら
れる。
される。この場合、繊維体積率が大きい素材では伝播速
度は早くなり、逆に繊維体積率が小さいと伝播速度は遅
くなる。この関係は、繊維方向(異方性主軸X1 の方
向)の伝播速度VX と繊維方向と直交する方向(主軸X
2 又はX3 の方向)の伝播速度Vy とで同じ割合で増減
すればよいが、両者は異なった割合で変化すると考えら
れる。
【0036】そこで、第2実施例では、図5に示すよう
に、繊維体積率と平均値(Vx +Vy )/2との関係が
一次関数となることに着目し、判定手段8に図5に示す
一次関数を書き込んだRAM9bを追加し、速度差Vx
−Vy を繊維体積率Qによって補正するようにしてい
る。この一次関数の係数a,bは、母材と繊維によつて
決まる定数である。
に、繊維体積率と平均値(Vx +Vy )/2との関係が
一次関数となることに着目し、判定手段8に図5に示す
一次関数を書き込んだRAM9bを追加し、速度差Vx
−Vy を繊維体積率Qによって補正するようにしてい
る。この一次関数の係数a,bは、母材と繊維によつて
決まる定数である。
【0037】このように繊維体積率によって補正する場
合のフローチャートは、図6に示される。図6におい
て、ステップS9 は図4のステップS7 の後に行われ、
平均値(Vx +Vy )/2に対応した繊維体積率QをR
AM9bより読み出す処理である。読み出された繊維体
積率Qは、ステップS10によりステップS7 で求めた規
格化速度差DV を補正する。すなわち、規格化速度差D
V は繊維体積率Qに比例するので、上記読み出された繊
維体積率Qの基準となる繊維体積率に対する比によって
DV を補正し、補正後の規格速度差DV ′とする。続く
ステップS11では、規格化速度差DV ′をアドレスに変
換してメモリ9aより対応するヒストグラムを選出す
る。これにより、繊維方向の配向角の分布状態が評価さ
れる。
合のフローチャートは、図6に示される。図6におい
て、ステップS9 は図4のステップS7 の後に行われ、
平均値(Vx +Vy )/2に対応した繊維体積率QをR
AM9bより読み出す処理である。読み出された繊維体
積率Qは、ステップS10によりステップS7 で求めた規
格化速度差DV を補正する。すなわち、規格化速度差D
V は繊維体積率Qに比例するので、上記読み出された繊
維体積率Qの基準となる繊維体積率に対する比によって
DV を補正し、補正後の規格速度差DV ′とする。続く
ステップS11では、規格化速度差DV ′をアドレスに変
換してメモリ9aより対応するヒストグラムを選出す
る。これにより、繊維方向の配向角の分布状態が評価さ
れる。
【0038】なお、平均値に対応した繊維体積率Qは、
一次関数の係数a,bを予め判定手段8に入力してお
き、平均値を一次関数に代入する計算によって求めても
よい。このように繊維体積率で補正された規格化速度差
によりヒストグラムを選出すれば、繊維体積率にかかわ
らず異方性の評価が可能となり、繊維体積率の異なる素
材でもデータ等を変更することなく同一のシステムで対
応できることになり、システムを簡略化することができ
る。
一次関数の係数a,bを予め判定手段8に入力してお
き、平均値を一次関数に代入する計算によって求めても
よい。このように繊維体積率で補正された規格化速度差
によりヒストグラムを選出すれば、繊維体積率にかかわ
らず異方性の評価が可能となり、繊維体積率の異なる素
材でもデータ等を変更することなく同一のシステムで対
応できることになり、システムを簡略化することができ
る。
【0039】なお、各実施例では、超音波を試料の厚み
方向に往復させたが、送信と受信が別体の超音波探触子
を用いれば、往路だけの伝播速度で演算することもでき
る。また、超音波探触子は横波だけを照射できるものを
使用してもよい。更に、速度差は、異方性主軸X1 と主
軸X3 の方向に関する両伝播速度の差として求めてもよ
い。
方向に往復させたが、送信と受信が別体の超音波探触子
を用いれば、往路だけの伝播速度で演算することもでき
る。また、超音波探触子は横波だけを照射できるものを
使用してもよい。更に、速度差は、異方性主軸X1 と主
軸X3 の方向に関する両伝播速度の差として求めてもよ
い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、素材の異方性の方向に振動方向がほぼ合致した
横波と異方性の方向と直交する方向に振動方向がほぼ合
致した横波との両伝播速度との差が、異方性の方向分布
の良好性に関係することを見い出したことにより、超音
波の伝播速度測定と若干の演算を行う簡単な構成で、素
材を破壊することなく、素材の異方性を評価することが
できる。
よれば、素材の異方性の方向に振動方向がほぼ合致した
横波と異方性の方向と直交する方向に振動方向がほぼ合
致した横波との両伝播速度との差が、異方性の方向分布
の良好性に関係することを見い出したことにより、超音
波の伝播速度測定と若干の演算を行う簡単な構成で、素
材を破壊することなく、素材の異方性を評価することが
できる。
【0041】請求項1に従属する請求項2の発明によれ
ば、上記両伝播速度の差で方向分布の状態を表すヒスト
グラム等の状態特性を選出するようにしたので、異方性
の方向分布を数値で表した比較値と速度差との単純な数
値比較でなく、グラフで評価することができる。請求項
1に従属する請求項3の発明によれば、上記両伝播速度
の差を平均値算出手段で求めた平均値により補正するよ
うにしたので、超音波が伝播される厚みが異なる素材ご
とにデータ等を変更することなく同一のシステムで対応
できる。
ば、上記両伝播速度の差で方向分布の状態を表すヒスト
グラム等の状態特性を選出するようにしたので、異方性
の方向分布を数値で表した比較値と速度差との単純な数
値比較でなく、グラフで評価することができる。請求項
1に従属する請求項3の発明によれば、上記両伝播速度
の差を平均値算出手段で求めた平均値により補正するよ
うにしたので、超音波が伝播される厚みが異なる素材ご
とにデータ等を変更することなく同一のシステムで対応
できる。
【0042】請求項4の発明によれば、請求項1の発明
をウィスカ(結晶繊維)、短繊維、長繊維が媒体中に分
散されてなる繊維複合材に適用して、請求項1〜請求項
3と同様の作用効果を達成し、繊維複合材の強度評価を
正確に行うことができる。請求項4に従属する請求項5
の発明によれば、異方性の方向分布に関係する速度差算
出手段の速度差を繊維体積率で補正するようにしたの
で、繊維体積率の異なる素材でもデータ等を変更するこ
となく同一のシステムで対応できる。
をウィスカ(結晶繊維)、短繊維、長繊維が媒体中に分
散されてなる繊維複合材に適用して、請求項1〜請求項
3と同様の作用効果を達成し、繊維複合材の強度評価を
正確に行うことができる。請求項4に従属する請求項5
の発明によれば、異方性の方向分布に関係する速度差算
出手段の速度差を繊維体積率で補正するようにしたの
で、繊維体積率の異なる素材でもデータ等を変更するこ
となく同一のシステムで対応できる。
【0043】請求項6の発明によれば、超音波の進行軸
に対し目標とした上記異方性の方向がほぼ直交するよう
に素材の試料を被検台に設置し、試料の2軸について横
波成分の伝播速度の差を算出するだけの簡単な手順で試
料の異方性を評価することができる。
に対し目標とした上記異方性の方向がほぼ直交するよう
に素材の試料を被検台に設置し、試料の2軸について横
波成分の伝播速度の差を算出するだけの簡単な手順で試
料の異方性を評価することができる。
【図1】 請求項1〜3の発明を具現した第1実施例に
かかる素材の異方性装置の構成図である。
かかる素材の異方性装置の構成図である。
【図2】 第1実施例における試料の異方性主軸と超音
波の進行軸と横波の振動方向との関係を示し、(A)は
試料の異方性主軸と横波の振動方向とがほぼ合致した状
態の説明図、(B)は試料の異方性主軸と横波の振動方
向とがほぼ直交した状態の説明図である。
波の進行軸と横波の振動方向との関係を示し、(A)は
試料の異方性主軸と横波の振動方向とがほぼ合致した状
態の説明図、(B)は試料の異方性主軸と横波の振動方
向とがほぼ直交した状態の説明図である。
【図3】 請求項1〜5の判定手段に含まれるメモリの
内容を示す状態特性であって、繊維複合材の場合の配向
角の分布状態を示し、(A)は最良のヒストグラム、
(B)は次に良好なヒストグラム、(C)はその次に良
好なヒストグラム、(D)は最低ランクのヒストグラム
である。また、各ヒストグラムの縦軸は繊維本数、横軸
は配向角を表す。
内容を示す状態特性であって、繊維複合材の場合の配向
角の分布状態を示し、(A)は最良のヒストグラム、
(B)は次に良好なヒストグラム、(C)はその次に良
好なヒストグラム、(D)は最低ランクのヒストグラム
である。また、各ヒストグラムの縦軸は繊維本数、横軸
は配向角を表す。
【図4】 請求項3の発明の動作を示すフローチャート
である。
である。
【図5】 請求項4,5の発明の判定手段に含まれるR
AMの内容を示すグラフであり、縦軸は繊維体積率、横
軸は平均値を表す。
AMの内容を示すグラフであり、縦軸は繊維体積率、横
軸は平均値を表す。
【図6】 請求項4,5の発明の動作の一部を示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図7】 本発明で評価される繊維複合材の説明図であ
り、X1 ,X2 ,X3 は繊維複合材のもつ三つの主軸を
示す。
り、X1 ,X2 ,X3 は繊維複合材のもつ三つの主軸を
示す。
【図8】 従来の超音波を用いた素材の繊維含有率や配
向した繊維又は結晶粒の分布状態を評価する方法を示す
説明図である。
向した繊維又は結晶粒の分布状態を評価する方法を示す
説明図である。
【図9】 同じく従来の超音波を用いた素材の繊維含有
率や配向した繊維又は結晶粒の分布状態を評価する方法
を示す説明図である。
率や配向した繊維又は結晶粒の分布状態を評価する方法
を示す説明図である。
【図10】 従来の顕微鏡を用いた配向分布の評価方法
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図11】 図10の方法で分析した配向分布のヒスト
グラムである。
グラムである。
1は試料、2は送受型超音波探触子、3は被検台、4は
超音波送受信機、5はパソコンシステム、6は速度測定
手段、7は速度差算出手段、8は判定手段、9aはメモ
リ、9bはRAM、10は平均値算出手段であり、各図
において同一の要素には共通の符号を付す。
超音波送受信機、5はパソコンシステム、6は速度測定
手段、7は速度差算出手段、8は判定手段、9aはメモ
リ、9bはRAM、10は平均値算出手段であり、各図
において同一の要素には共通の符号を付す。
Claims (6)
- 【請求項1】 異方性を有する素材に超音波を照射して
上記異方性を評価する素材の異方性評価装置であって、 照射される超音波の進行軸に対し目標とした上記異方性
の方向がほぼ直交するように上記素材の試料が被検台に
設置される超音波送受信機と、 上記試料中で生じる超音波の横波成分の振動方向が上記
異方性の方向と合致した状態と同振動方向が上記異方性
の方向とほぼ直交した状態との二つの伝播速度を計測す
る速度測定手段と、 該速度測定手段で検出された両伝播速度の差を求める速
度差算出手段と、 該速度差算出手段で得られた速度差に基づいて上記素材
の異方性を評価する判定手段とを具備したことを特徴と
する素材の異方性評価装置。 - 【請求項2】 上記判定手段は、上記速度差ごとに予め
実測した素材の異方性の状態を表す複数の状態特性が書
き込まれたメモリを有し、上記速度差算出手段で得られ
た速度差に対応した状態特性を該メモリより選出し、該
選出した状態特性より素材の異方性を評価することを特
徴とする請求項1記載の素材の異方性評価装置。 - 【請求項3】 上記速度測定手段で得られた二つの伝播
速度の平均値を求める平均値算出手段を有し、上記速度
差算出手段で得られた速度差を上記平均値算出手段で求
めた平均値により補正することを特徴とする請求項1記
載の素材の異方性評価装置。 - 【請求項4】 上記素材は、母材中に繊維が分散された
繊維複合材であることを特徴とする請求項1記載の素材
の異方性評価装置。 - 【請求項5】 請求項4の判定手段は、上記平均値算出
手段で求めた平均値から上記繊維複合材の上記繊維体積
率を求め、該繊維体積率で上記速度差算出手段で得られ
た速度差を補正し、該補正した速度差に対応した上記状
態特性を上記メモリより選出するようにしたことを特徴
とする請求項4記載の素材の異方性評価装置。 - 【請求項6】 異方性を有する素材に超音波を照射して
上記異方性を評価する素材の異方性評価方法であって、 照射される超音波の進行軸に対し目標とした上記異方性
の方向がほぼ直交するように上記素材の試料を超音波送
受信機の被検台に設置し、 上記試料中で生じる超音波の横波成分の振動方向と上記
異方性の方向とが合致した状態で上記試料に超音波を照
射しその伝播速度を測定する工程と、進行軸と異方性の
方向との直交関係は維持したまま上記超音波の横波成分
の振動方向を上記異方性の方向とほぼ直交した状態とし
て上記試料に超音波を照射しその伝播速度を測定する工
程とを行い、 測定された両伝播速度の差を求め、 該両伝播速度の差に基づいて上記素材の異方性を評価し
たことを特徴とする素材の異方性評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7005844A JP3018936B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 繊維複合材の異方性評価方法及びその装置 |
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ID=11622331
Family Applications (1)
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JP7005844A Expired - Lifetime JP3018936B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 繊維複合材の異方性評価方法及びその装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4686648B1 (ja) * | 2010-09-02 | 2011-05-25 | 株式会社日立製作所 | 超音波検査方法 |
JP2012053026A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-03-15 | Hitachi Ltd | 超音波検査方法 |
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JP2016176884A (ja) * | 2015-03-23 | 2016-10-06 | 株式会社日立製作所 | 超音波厚さ測定方法及び装置並びに欠陥位置検出方法 |
CN114428119A (zh) * | 2022-01-20 | 2022-05-03 | 重庆大学 | 一种用于反演各向异性特征的复合材料弹性常数的方法 |
-
1995
- 1995-01-18 JP JP7005844A patent/JP3018936B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4686648B1 (ja) * | 2010-09-02 | 2011-05-25 | 株式会社日立製作所 | 超音波検査方法 |
JP2012052963A (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-15 | Hitachi Ltd | 超音波検査方法 |
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JP2016176884A (ja) * | 2015-03-23 | 2016-10-06 | 株式会社日立製作所 | 超音波厚さ測定方法及び装置並びに欠陥位置検出方法 |
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JP3018936B2 (ja) | 2000-03-13 |
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