JPH08193857A - 渦電流式電磁流量計 - Google Patents

渦電流式電磁流量計

Info

Publication number
JPH08193857A
JPH08193857A JP467495A JP467495A JPH08193857A JP H08193857 A JPH08193857 A JP H08193857A JP 467495 A JP467495 A JP 467495A JP 467495 A JP467495 A JP 467495A JP H08193857 A JPH08193857 A JP H08193857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic pole
magnetic
eddy current
flow
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP467495A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Goto
忠 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP467495A priority Critical patent/JPH08193857A/ja
Publication of JPH08193857A publication Critical patent/JPH08193857A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】表面を酸化被膜で絶縁した硅素鋼板などの磁性
鋼板を巻込んだ渦電流損失低減型磁極を円柱状に成形し
た内部磁極1を軸に励磁コイル2と二個の検出コイル3
a,3bを設けたコイルアッセンブリで構成するプロー
ブと、プローブの外周に円筒状に成形した外部磁極14
を配置して構成した渦電流式電磁流量計。 【効果】渦電流式電磁流量計は磁気回路抵抗を低減され
ているため、空間の磁束密度が増加する。さらに流れを
検出するために有効な直角成分の磁界も増加することか
ら検出感度を向上する。したがって、小型化が可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気伝導性流体用電磁
流量計に係り、特に、ナトリウム等の局所流量計として
用いるに有効な渦電流式流速計に関する。
【0002】
【従来の技術】高速増殖炉(以下、FBRと記す)の冷
却材である液体金属(ここでは液体ナトリウムを例とす
る)の流量の計測法には、ナトリウムの電気良導性を利
用した電磁流量計が最も一般的に使われている。
【0003】電磁流量計にはコンダクション型とインダ
クション型がある。コンダクション型はステンレス製配
管の流路に直角方向から磁界をかける。さらに、流れ方
向と磁界方向に直角の方向から一対の電極を取り出した
構造で、磁界内を流動する流体の流速に比例して発生す
る起電圧を電極から検出するものである。コンダクショ
ン型の電磁流量計は比較的小径の配管用として実用化さ
れているが、大口径配管の場合磁石構造が大型になり、
配管重量も過大になることからコンダクション型は大口
径配管用としては不適当である。
【0004】これに対して、インダクション型はプロー
ブ型の小型のセンサを流動しているナトリウム液中に直
接挿入して用いる渦電流式電磁流速計である。
【0005】特開昭60−78353 号公報に示されている従
来の渦電流型電磁流速計の構造は純鉄等の強磁性体から
なる棒状の内部磁極を同軸にして中央部分に励磁コイル
を設け、励磁コイルを挟んで上流側と下流側にそれぞれ
二個の検出コイルを設けてある。このように構成された
コイルアッセンブリを非磁性体のステンレス製ハウジン
グ内に納め、直接ナトリウム流体の流れ場に挿入して用
いる。
【0006】励磁コイルには信号処理系から交流電流を
供給し励磁する。図2に従来型渦電流式電磁流速計の磁
束分布図を示す。励磁コイル2で発せられた交流磁界は
棒状内部磁極1の両端部を磁極としナトリウム液中の自
由空間に磁界10を放射する。この磁界10は交流磁界
であるため磁界の及ぶ領域に電導性物質が存在すると導
電体内部に渦電流が誘発される。したがって、ナトリウ
液中に誘発される以外の渦電流は流量検出要素に無効で
あるばかりかジュール損失により磁界を減衰させる原因
になっている。
【0007】ナトリウ液中に誘発した渦電流は磁極端部
の放射方向磁界の部分で合成されループ状電流11aお
よび11bを形成する。
【0008】ナトリウムが静止状態の場合、この渦電流
11aおよび11bは同じ大きさで、且つ互いに逆方向
で平衡している。
【0009】一方、ナトリウムに流れ12がある場合、
一様な流れに対して直角成分の磁界の部分(上流側と下
流側)でそれぞれフレミングの右手の法則に従った誘動
起電力が発生し、ナトリウムの静止状態で発生していた
ループ状電流11aおよび11bはこの起電力の影響を
受け、下流側に磁束分布の歪みを発生することになる。
磁束分布に影響する歪み量はナトリウムの流速が速くな
る程大きくなる。
【0010】磁束分布の歪量に起因して、両検出コイル
に誘導する電圧は励磁信号に流速信号成分が重畳した振
幅変調信号となり、両検出コイル信号に不平衡電圧が現
われる。この両検出コイルの差信号を計測することによ
ってナトリウム流速を知ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この様な従来型の渦電
流式電磁流速計は直接流動流体内に挿入して計測するた
めに主流内の流況の乱れを抑さえる必要性からプローブ
の小型化が望まれている。しかし、小型化は検出コイル
を小さくし(コイルターン数も少ない)、さらに励磁電
流を最小限に制限する必要がある。このため起磁力が弱
くなり高い誘起電圧が得られず、検出感度低下の要因と
なっていた。
【0012】本発明の目的は、小型で検出感度を向上さ
せるため、流れ検出に無効な渦電流成分を減少させると
ともに有効な磁界成分を増加させ高感度,高精度の渦電
流式電磁流量計を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】流動ナトリウム領域以外
に発生する渦電流は流れ検出に無効であるばかりか磁界
を減衰させる原因になる。したがって、渦電流式電磁流
量計の検出感度を向上させるには、 (1)流れ検出領域の直角成分の磁界を強くすること。
【0014】(2)流れ検出領域以外への漏洩磁界を少
なくすること。
【0015】(3)流れ検出領域以外での渦電流発生量
を少なくすること。
【0016】などが有効な手段である。
【0017】本発明の手段は、励磁コイルと検出コイル
の同軸中心軸に内部磁極を設け、さらにプローブの外周
の磁界の及ぶ領域に外部磁極を配置して(1)と(2)
の効果を狙うと共に、内・外部磁極を渦電流損失の小さ
な磁気構造にして(3)の効果を狙った高感度型渦電流
式電磁流量計である。
【0018】磁界の及ぶ領域に磁性材の外部磁極を設け
ることによって、内部磁極と外部磁極とで形成する磁気
回路の総合空間距離を狭くすることができること、ま
た、流れ検出に無効な流れに平行な磁束は磁気抵抗の小
さな外部磁極体内領域を通る。さらに、磁極に電気絶縁
積層板構造の磁気構造を用いることによって、磁極内で
の渦電流損失を小さくし、磁気回路全体の抵抗を減少さ
せることができる。したがって、空間(流量検出領域)
における磁界強度の増加と直角成分の磁界を増加するこ
とができる。したがって、無効な渦電流の発生を阻止す
ることができることから励磁コイルから発せられた磁界
の全てを流量検出領域に集中することができ、流速検出
に有効に作用することから、検出感度を向上することが
できるようにした。
【0019】
【作用】上記した本発明の構成要件によれば、励磁コイ
ルに交番電流(通常数百Hz程度)を供給し励磁すると
コイル内部磁極である内部磁極が磁化される。内部磁極
の上流側の端部から発せられた磁力線は非磁性体のハウ
ジングと環状流路に存在するナトリウム流体内を径方向
に通過して外部磁極に達する。さらに磁力線は外部磁極
体内を軸方向に通って下流側の端部から再び環状流路内
の流体を径方向に通って内部磁極のもう一方の端部に達
する閉回路の磁気回路を形成する。
【0020】この内部磁極と外部磁極間に形成される磁
気回路の空間である環状流路における磁力線の方向は全
て流れ検出に有効な放射状になり、無効な成分は減少す
る。環状流路領域での磁界は磁極の強さに比例し、さら
に内外磁極間の空間距離の二乗に反比例する。したがっ
て、励磁磁界が強く磁極空間距離が狭いほど空間磁界は
強力になる。
【0021】磁界は交流磁界であるためその方向と大き
さは時々刻々正負に変化するので、交流磁界領域に導電
性構造物が存在すると磁力線を軸とする渦電流が発生す
る。渦電流の大きさは導電体の電気伝導度,電流のパス
(距離)などに比例する。
【0022】磁極も導電性構造物であるため、渦電流が
発生する要因があるが、電気絶縁積層鋼板或いは粉末焼
結の磁極構造にすることによって渦電流のパスを微細化
して無効渦電流成分を抑制することができるため磁界の
低下を阻止することができる。したがって、環状流路端
部の導電性のナトリウム液体中に発生する渦電流成分は
流速検出に有効に作用する。
【0023】ナトリウム流体中に発生した渦電流は磁極
両端部で合成され環状流路を一巡するループ電流にな
る。静止ナトリウム状態で発生する渦電流は、両磁極端
部で位相の反転した同じ大きさである。したがって、静
止ナトリウム状態では両検出コイルの起電力差は相殺さ
れゼロとなる。
【0024】ナトリウムに流動がある場合、上流側の無
磁界領域から磁界領域に流入するセンサ上流側では、磁
界方向は内部磁極側から外部磁極側への放射方向とな
り、(交流磁界の瞬時を直流磁場と仮定する)また、磁
束密度勾配は増加方向となる。これらの関係から上流側
では正方向の起電力が流体内に発生する。
【0025】一方、下流側では、上流側とは反対方向の
外部磁極側から内部磁極側への放射方向の磁界となる。
さらに、磁束密度勾配は磁界領域から無磁界領域に脱出
するため減少方向となる。したがって、流動による起電
圧は結果的に上流側と下流側には同じ方向に発生する。
流速成分の起電力の大きさは、流体に受ける磁束の時間
的変化に依存することから、磁束密度分布の勾配(dΦ
/dL)と流体流速(dL/dt)に比例する。交流励
磁で誘起された渦電流とナトリウム流動による起電力と
が作用し磁束分布を下流側に歪ませる現象が起きる。こ
の現象を電機子反作用と言う。検出コイルに誘導する電
圧は検出コイル部に作用する磁束密度の時間的変化率
(dΦ/dt)に比例するので、流速による歪み磁界は
両検出コイルへの誘起電圧の差として検出することがで
きる。
【0026】両検出コイルの差信号は、通常数百Hz程
度の励磁周波数に数Hz程度の流速ゆらぎ成分の低周波
数を含む流速信号が重畳した信号で、比較的高周波数の
励磁周波数を搬送波とし、比較的低周波数の流速信号で
変調された振幅変調信号として現われる。信号処理系の
電子回路で検出信号から励磁成分を除去することによっ
て、流体の流速成分を抽出することができる。さらに、
ナトリウム流量の値(例えばm3 /h)は検出した流速
の値(例えばm/S)を環状流路断面積から換算して求
めることができる。
【0027】本発明は磁界の及ぶ領域に外部磁極を設け
ることによって、磁極間の空間距離を狭くすることによ
る磁束密度の増加と、流れに対して有効な磁束分布成分
の増加が得られるため検出感度を著しく向上することに
加えて磁極内部での渦電流損失を低減することができ、
高感度の渦電流式電磁流量計が達成できる。
【0028】
【実施例】実施例について図1および図4〜図7を参照
しながら説明する。
【0029】図1は本発明の渦電流式電磁流量計プロー
ブの内部の説明図を示す。
【0030】プローブの内部は表面を酸化被膜で絶縁し
た硅素鋼板などの磁性鋼板を円柱状に巻込んだ構造の内
部磁極1とし、内部磁極1を同軸にして真ん中に励磁コ
イル2を設け、励磁コイル2に隣接して上流側と下流側
に検出コイル3aおよび3bを設けてある。本発明の渦
電流式電磁流量計は高温のナトリウム流体に直接挿入し
て使用されるため、コイルの線材等はセラミックコーテ
ィング電線、あるいはMIケーブル(金属シースケーブ
ル)など耐熱性のものを用いる。
【0031】各コイルの境界部にはセラミック等の耐熱
性の絶縁材で構成するスペーサ4a,4b,4c、およ
び4dを設けコイルを固定しコイルアッセンブリとす
る。
【0032】このように構成されたコイルアッセンブリ
はステンレス製等の非磁性体のハウジング5内に納めて
ある。ハウジング5内部にヘリウムガスあるいはアルゴ
ンガスなどの不活性ガスを封入して密閉することによっ
てコイルアッセンブリ部の耐熱性の向上をはかる。
【0033】各コイルからのリード線6はハウジング5
の背部から耐熱性のMIケーブル7等で外部まで延長し
て引き出し、室温仕様の外部端子8に接続されている。
【0034】ハウジング5の外周にはスペーサ15aお
よび15bを介して円筒状のフローガイド14を設け、
ハウジング5とで環状空間(環状流路)16を形成され
る。スペーサ15aおよび15bは非磁性材のステンレ
ス鋼などを用いて複数個の板状あるいは棒状にするか、
あるいは多孔板を用いて環状流路の確保と流体を整流す
る構造とする。
【0035】円筒状のフローガイド14は非磁性材の部
分と磁性材の部分とで構成されていて、磁性材の部分は
表面を酸化被膜で絶縁した硅素鋼板などの磁性鋼板を円
筒状に巻込んだ構造の外部磁極13を構成する。外部磁
極13の領域はコイルアッセンブリの励磁コイル2の位
置から両脇の検出コイル3aおよび3bの部分まで延長
するように配置する。
【0036】これらの磁極長さによる端部の位置する領
域は検出コイルをカバーする領域ならば有効であるが、
流量ゼロ時のアンバランス電圧を小さくするために、励
磁コイル2に対して上下流対称に配置することが必要で
ある。
【0037】液体ナトリウムと直接触れる外部磁極13
の部分にはステンレス鋼板などの耐ナトリウム材料で被
覆する。これは、磁性材表面の電気絶縁物をナトリウム
から保護するためである。
【0038】フローガイド14の非磁性材の部分はステ
ンレス鋼などで構成し、外部磁極13の部分を前後に延
長した同型の円筒型のフローガイド14構造とする。フ
ローガイド14の全長は、有効な整流助走区間を得るた
めにハウジング5直径の約20倍以上の長さを上下流側
に確保するようにするとよい。
【0039】フローガイド14,ハウジング5,スペー
サ15等を一体にしたプローブは直接ナトリウムの流れ
場12に挿入して用いるため先端は流線型にし、流動の
乱れを抑さえる構造にする。
【0040】励磁コイル2および二個の検出コイル3
a,3bの3系統の外部端子8は信号処理系9に接続さ
れている。
【0041】信号処理系9は図3に示すように、機能別
に励磁系と受信系で構成されていて、励磁系は発信器1
7、および緩衝器18で構成し、受信系は前段増幅器1
9および20,比較器21,同期検波器22,フィルタ
23、そして指示計24などの電子回路で構成されてい
る。
【0042】以下、本発明の渦電流式電磁流量計をFB
Rの主循環配管内のナトリウム流量計として用いた場合
の動作例について記す。主循環用配管などの大口径では
数本のプローブを同時に挿入し検出器の信頼性向上と配
管内の流速分布特性を確認するため多重性として用い
る。特に、流量計信号を安全保護系にするためには、2
/4ロッジクとすることが必要であり、プローブの設置
数は1ループ当り少なくとも12点以上必要になる。
【0043】プローブは配管の管壁から挿入し、流れに
対して平行な方向に配置する。
【0044】環状流路16のギャップは主流の流速範囲
を考慮して、流路としての流動抵抗が増加しない程度に
設計する。また、流力振動などでプローブが機械的に振
動しないように挿入部分の支持構造を固定する必要があ
る。
【0045】プローブからの信号ケーブルは信号処理系
9に接続されている。信号処理系9の励磁系を構成する
発信器17から数百Hz程度の正弦波を発信させて緩衝
器18を通して励磁コイルに供給する。励磁周波数はコ
イルのインピーダンスやナトリウム流体の温度等によっ
て最適な値を選択する。液体ナトリウムの場合、300
〜700Hzの範囲に最適値がある。
【0046】緩衝器18は負荷である励磁コイル2に必
要な電力を供給するためのもので、コイルアッセンブリ
の温度変化に伴う励磁コイル2インピーダンスの変化に
対しても一定の励磁電流を安定に供給し、磁界の安定を
図るように定電流機能を有している。
【0047】緩衝器18からの励磁電流25は外部端子
8に接続した金属シースケーブル7、そして、リード線
6を通ってプローブ内部の励磁コイル2へ供給される。
【0048】図4は本発明の渦電流式電磁流量計の軸方
向の磁束分布と渦電流の関係を示す。磁界の強さは励磁
コイル2のターン数と供給励磁電流との積(A・T)の
値で磁束が発生する。この磁束は内部磁極1を励磁す
る。内部磁極1の端部から環状空間16へ放射状に放出
され外部磁極14の端部に達するが、空間を通る磁界は
磁気回路のうち最短距離を通る性質があるため、内部磁
極1の一端から発した磁界10は図に示すように検出コ
イル3aのほぼ中央部分から環状流路16を直角に横断
し外部磁極14に達する。外部磁極14に達した磁束は
外部磁極14体内を軸方向に通ってもう一方の端部から
再び環状流路16を貫通して内部磁極1に戻る磁気回路
の閉回路を形成する。
【0049】交番磁界の回路中に電導性構造物が存在す
ると電導性構造物中に磁力線を軸とする渦電流が発生す
る。渦電流の大きさは磁速密度,電導率,渦電流回路の
長さに比例する。したがって、表面を絶縁した積層磁性
鋼板構造の磁極は渦電流回路の長さを微細化されるため
磁極内に発生する渦電流を低減することができる。
【0050】また、磁束の通路は磁気抵抗の最も小さい
磁気回路を循環する性質があるため、環状流路16の磁
界10は流れ方向12に対して直角成分の磁界が増加す
る。このように、本発明によると励磁した磁気エネルギ
を損失することなく環状空間の流量検出領域に有効に供
給させることが可能になる。一設計例によると、特開昭
60−78353 号公報に示した従来例に比べ、検出コイル近
傍における有効な磁束密度は約2〜4倍に増加すること
が確認された。
【0051】図5に図4のA〜A断面図を示す。図5に
示すように磁界10は内部磁極1を紙面に向かって垂直
に移動し、環状空間16で外部磁極環14側に向かって
放射状に発しられ、再び外部磁極環14内部を紙面に向
かって垂直に誘起されている。環状流路16内部に存在
するナトリウム中には磁界10を受けて渦電流が発生す
るが、この渦電流が合成されて環状流路16を一巡する
ループ電流11を形成する。
【0052】この合成渦電流によるループ電流の方向は
上流側11aと下流側11bとで逆方向に循環する。ま
た、流体が静止している場合、上流側ループ電流11a
と下流側ループ電流11bは同じ大きさになる。したが
って、静止流体の起電力差は上下流検出コイルで相殺さ
れゼロとなる。
【0053】主流配管内のナトリウムに流動がある場
合、主流の一部がフローガイド13内に分流し過環状流
路16内に流入する。環状流路16内の流体はフローガ
イド13とスペーサ15a部で整流され一様な流れにな
る。
【0054】流体が無磁界の領域からセンサ上流側の磁
界10領域に突入する際、内部磁極1側から外部磁極1
4側への磁界方向と磁束密度の増加方向との関係で正方
向に起電力が発生したとする(交流磁界の瞬時を直流磁
場と仮定する)。
【0055】下流側では磁界10領域から無磁界領域に
脱出するため上流側とは反対の外部磁極14側から内部
磁極1側への磁界方向となり、さらに、磁束密度の勾配
も上流側とは反対の減少方向となる。したがって、結果
的に上流側と下流側には同方向の起電力が流速に比例し
て誘起されることになる。
【0056】流速起電力の大きさは、磁束密度の絶対値
と流れ方向の磁束密度分布の勾配と、さらに流体流速に
比例する。したがって、交流励磁で誘起された渦電流は
流速信号と作用し磁束分布は渦電流の影響を受け下流側
に歪む現象(電機子反作用現象)が生じることになる。
【0057】検出コイル3a,3bに誘導する電圧は検
出コイル3a,3b部に作用する磁界10の時間的変化
率に比例するので、流速による歪み磁界は上下流側の両
検出コイル3a,3bへの誘起電圧の変化として現われ
る。
【0058】両検出コイル3a,3bの差信号は、通常
数百Hz程度の励磁周波数に数Hz程度の流速ゆらぎ成
分の流速信号が重畳した信号で、励磁周波数を搬送波と
し、流速信号で変調された振幅変調信号として検出され
る。
【0059】これらの信号を図6に示す信号処理系9の
前段増幅器20および19に取り込む。静止流体時の検
出信号は上下流側とも同レベルの電圧であるが、プロー
ブの製作誤差等により若干のアンバランス電圧を生じる
のが一般的である。そこで、前段増幅器20および19
でバランスを電気的に調整し、増幅度を調節しながら信
号のレベルを整える。
【0060】前段増幅器20および19からの出力信号
は比較器21に取り込み、両信号の差信号28として抽
出する。
【0061】差信号28の振幅変調された交流信号を同
期検波器22に取り込む。同期検波器22では励磁信号
の発信器17から分割した搬送波を参照信号29として
取り込み、差信号28を搬送波で同期検波し、搬送波成
分を取り除き流速信号を抽出した後、直流電圧の信号に
変換する。さらに残留している搬送波及び高調波成分を
取り除くため、ローパスフィルタ23を通して流速に比
例した直流電圧レベルの流速信号30を得る。次に、流
速信号30に流路断面積値を定数としてナトリウムの流
量値を算出し、メータ24などに表示する。
【0062】本発明の渦電流式電磁流量計は外部磁極部
分で磁気シールド効果を発揮することができるため、複
数個のセンサを用いるFBRの炉内計装用やアッセンブ
リ型を大口径配管用に適用した場合、隣接センサからの
磁気干渉を防止できる。また、他の電磁誘導器にから漏
洩した磁気誘導や配管サポート等の鋼材などから受ける
磁気外乱なども防止することができる。
【0063】本発明の応用変形例として、特開昭60−70
314 号公報に示しているような流れ方向に複数個の感知
部を設け、ゆらぎ信号の遅れ時間から主流の流速を求め
流速信号を校正する自己校正機能を有した温度・流速監
視装置にも適用することができる。具体的構造として、
積層鋼板型磁極をコイルアッセンブリの内外に設けるこ
とで達成でき、本発明の実施例と同じ効果が生まれる。
【0064】また、渦電流損失の少ない磁極構造の変形
例として、実施例で示した図6の様な積層磁性鋼板を巻
込んだ構造のほかに図7に示すような粉末磁性材を焼結
成形した構造でも本発明は成立する。
【0065】以上記述した本発明の渦電流式電磁流量計
で示した環状流路と放射状の磁界、そしてループ状の誘
起電流等、基本的な電磁力学関係を応用したナトリウム
用電磁流体機器の他例は、ALIP型電磁ポンプ(Annul
ar Linear Induction Pump)や環状流路型電磁フローカ
プラ等がある。
【0066】ALIP型電磁ポンプの場合は、交流誘導
電動機の一種であり、ナトリウム流体に強力な電動駆動
力を得る必要性から移動磁界を発生するための多極のス
テータを流れ方向に連続に配置した構造になっている。
【0067】電磁フローカプラの場合は、直流電動機の
一種で、電磁流量計の発電機部分と電磁ポンプの電動機
部分を合体した構造である。共通した磁界内に発電側と
ポンプ側の流路を交互に配置した環状流路の構造で、発
電側流路内を電磁流体が流動して発生する電流をポンプ
側流路に給電されるためポンプ力が誘起される。電磁フ
ローカプラは軸方向に磁石の同極側を交互に突き合わせ
た多段磁極構造にし、大きな駆動力を得るようになって
いる。
【0068】いずれも動力用電磁機器で大きな駆動力を
得るため作用点を軸方向に多段した構造であるが、基本
的には磁界,電流,流動の3要素が互いに直角に作用す
る電磁流体機器であり機能目的に適したそれぞれ異なっ
た構造になっている。
【0069】
【発明の効果】本発明の渦電流式電磁流量計は渦電流損
失の少ない磁極構造を用いて磁気回路の磁束分布を制御
しているため、検出部分の磁束密度が増加し、さらに流
れを検出するための直角成分の磁界も増加することから
検出感度を著しく向上する。したがって、小型化が可能
になる。
【0070】また外部磁極は漏洩磁束を抑制し、さらに
は外部からの磁気外乱を防止する磁気シールド効果があ
るため、検出信号のS/N比を向上する。
【0071】また外部磁極で形成された環状型流路構造
には整流効果があるため、大口径で短い配管や曲がり管
のような乱れの多い流れ場での代表流量として計測する
のに有効である。
【0072】また環状流路内の一様磁界領域と流路断面
積とが一致するため、流速値から流量値への換算精度が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の渦電流式電磁流量計プローブの内部の
説明図。
【図2】従来型の渦電流式電磁流速計の磁束分布図。
【図3】信号処理系のブロック図。
【図4】本発明の渦電流式電磁流量計の軸方向の磁束分
布と渦電流の関係図。
【図5】図4のA〜A断面視図。
【図6】本発明の実施例で採用した磁極構造の説明図。
【図7】本発明に適用できる磁極構造の変形例の説明
図。
【符号の説明】
1…内部磁極、2…励磁コイル、3a…上流側検出コイ
ル、3b…下流側検出コイル、4a,4b,4c,4d
…コイルスペーサ、5…ハウジング、6…リード線、7
…金属シースケーブル、8…外部端子、9…信号処理
系、12…流れ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】励磁コイルと,前記励磁コイルの同軸上の
    両脇に二個の検出コイルを配置して構成したコイルアッ
    センブリを非磁性材の密閉鞘内に納めて構成されたプロ
    ーブを導電性流体が流動する流れ場に挿入し、前記検出
    コイルに誘起する信号から前記導電性流体の流速を感知
    する渦電流式電磁流速計において、前記コイルアッセン
    ブリの軸中心部及び前記プローブの外周部に強磁性材で
    構成する磁極を配置したことを特徴とする渦電流式電磁
    流量計。
  2. 【請求項2】請求項1に於いて、前記コイルアッセンブ
    リの中心部に設けた内部磁極及び前記プローブの外周部
    に設けた外部磁極を構成するそれぞれの磁性材料は表面
    を電気絶縁した硅素鋼板等の磁性鋼板を用いた磁極構造
    で構成した渦電流式電磁流量計。
  3. 【請求項3】請求項1に於いて、前記コイルアッセンブ
    リの中心部に設けた内部磁極及び前記プローブの外周部
    に設けた外部磁極を構成するそれぞれの磁性材料は粉末
    状の強磁性材を焼結成形した粉末焼結磁極材を用いた磁
    極構造で構成した渦電流式電磁流量計。
  4. 【請求項4】請求項1に於ける前記コイルアッセンブリ
    の内部に設ける内部磁極は、請求項2或いは請求項3の
    前記磁極構造を円柱状に成形し、前記コイルアッセンブ
    リの中心軸に配置した渦電流式電磁流量計。
  5. 【請求項5】請求項1に於ける前記プローブの外周部に
    設ける外部磁極は、請求項2或いは請求項3の磁極構造
    を円筒状に成形し、前記コイルアッセンブリの内部磁極
    から放射された磁界の及ぶ前記プローブ外周の範囲に配
    置した渦電流式電磁流量計。
  6. 【請求項6】請求項5に於いて、前記外部磁極の磁性材
    部は外周をステンレス箔など耐ナトリウム性材料で覆い
    直接流体と接触しない構造にした渦電流式電磁流量計。
  7. 【請求項7】請求項5に於いて、前記プローブの外周部
    に設ける前記外部磁極と前記プローブとの空隙にはステ
    ンレス鋼などの非磁性材鋼板で構成する複数個のスペー
    サを放射状に配置し、前記導電性流体の流動する環状流
    路を確保した渦電流式電磁流量計。
JP467495A 1995-01-17 1995-01-17 渦電流式電磁流量計 Pending JPH08193857A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP467495A JPH08193857A (ja) 1995-01-17 1995-01-17 渦電流式電磁流量計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP467495A JPH08193857A (ja) 1995-01-17 1995-01-17 渦電流式電磁流量計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08193857A true JPH08193857A (ja) 1996-07-30

Family

ID=11590451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP467495A Pending JPH08193857A (ja) 1995-01-17 1995-01-17 渦電流式電磁流量計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08193857A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110044428A (zh) * 2019-03-20 2019-07-23 中国计量大学上虞高等研究院有限公司 插入式电磁流量计探针结构与布置的优化方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110044428A (zh) * 2019-03-20 2019-07-23 中国计量大学上虞高等研究院有限公司 插入式电磁流量计探针结构与布置的优化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2574655B2 (ja) 電磁流量計形検出器
JP4303039B2 (ja) 容量式電磁流量計
JP3842056B2 (ja) 三相一括形変流器
EP0418033A1 (en) Electromagnetic flowmeter
US7267012B2 (en) Electromagnetic flowmeter including electrodes and magnetic pole placed in proximity on one side of the outer wall
EP0069456B1 (en) Measuring device of electromagnetic flowmeter
JPH0584846B2 (ja)
US3824456A (en) Magnetometer flowmeter using permanent magnets and magnetometer elements aligned with the flow
US2771771A (en) Detector for an induction liquid flow meter
JP2006266709A (ja) 碍子漏洩電流測定装置
JPH08193857A (ja) 渦電流式電磁流量計
JPH07243886A (ja) 渦電流式電磁流量計
Poornapushpakala et al. An analysis on eddy current flowmeter—A review
EP0186429B1 (en) Radial field electromagnetic flow meter
Baker Electromagnetic flowmeters for fast reactors
JPS6011168A (ja) 渦電流型流速計
CN220137252U (zh) 电流传感器和测定装置
JPH0257867B2 (ja)
CN219142964U (zh) 一种电磁辐射分析仪
Rajalakshmi Design and Development of Non-Intrusive Eddy Current Flow Meter for High Temperature Liquid Metal Services
Poornapushpakala et al. Eddy current flowmeter–a review
JPS59184823A (ja) 渦電流式流速計
JPH09127158A (ja) 直流電流センサー
RU124386U1 (ru) Электромагнитный расходомер
JPH11304765A (ja) ボイド検出装置