JPH07243886A - 渦電流式電磁流量計 - Google Patents

渦電流式電磁流量計

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Publication number
JPH07243886A
JPH07243886A JP3555594A JP3555594A JPH07243886A JP H07243886 A JPH07243886 A JP H07243886A JP 3555594 A JP3555594 A JP 3555594A JP 3555594 A JP3555594 A JP 3555594A JP H07243886 A JPH07243886 A JP H07243886A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic pole
coil
flow
eddy current
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Application number
JP3555594A
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English (en)
Inventor
Tadashi Goto
忠 後藤
Takashi Ikeda
孝志 池田
Satoru Uwabe
悟 上部
Takayuki Ishida
隆之 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】コイルアッセンブリの外周に整流管を兼用した
磁性材の円筒状外部磁極14を磁界の及ぶ領域に配置
し、コイルアッセンブリとの間に環状流路16を形成
し、磁界を内部磁極と外部磁極14との間に形成するよ
うに磁気回路の磁気抵抗を小さくし、磁極端部の放射方
向の磁界は流速検出に有効な直角成分として増加する。 【効果】空間の磁束密度が増加し、検出感度を著しく向
上し、小型化が可能になる。また検出信号のS/N比を
向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気伝導性流体用電磁
流量計に係わり、特に、大口径配管用液体金属の流量計
として用いるに有効な渦電流式流速計に関する。
【0002】
【従来の技術】高速増殖炉(以下、FBRと記す)の冷
却材である液体金属(ここでは液体ナトリウムを例とす
る)の流量の計測法には、ナトリウムの電気良導性を利
用した電磁流量計が最も一般的に使われている。
【0003】電磁流量計にはコンダクション型とインダ
クション型がある。コンダクション型は流路を横断し直
角方向から磁界をかけ、さらに、流路と磁界方向に直角
の位置に流路から直接電極を取り出した構造で、磁界内
を流動する流体の流速に比例して発生する起電圧を電極
で直接検出するものである。コンダクション型ではステ
ンレス製配管表面に直接ポイント熔接した電極構造(電
気絶縁の必要はない)に、永久磁石等の磁界をステンレ
ス製配管の外部に設けた簡単な構造である。このため、
コンダクション型の電磁流量計は比較的小径の配管用と
して多く用いられる。
【0004】しかし、永久磁石を流路(配管)外周から
挟んで設けるため、大口径配管の場合磁石構造が大型に
なり、配管重量も過大になることからコンダクション型
は大口径用としては不適当である。
【0005】これに対して、インダクション型はプロー
ブ型の小型のセンサを流動しているナトリウム液中に直
接挿入して用いる渦電流式電磁流速計である。
【0006】特開昭60−78353 号公報に示されている従
来の渦電流型電磁流速計の構造は純鉄等の強磁性体から
なる棒状の鉄芯を同軸にして中央部分に励磁コイルを設
け、励磁コイルを挟んで上流側と下流側にそれぞれ二個
の検出コイルを設けてある。このように構成されたコイ
ルアッセンブリは非磁性体のステンレス製ハウジング内
に納め、直接ナトリウム流体の流れ場に挿入して用い
る。
【0007】励磁コイルには信号処理系から交流電流を
供給し励磁する。
【0008】図2に従来型渦電流式電磁流速計の磁束分
布図を示す。励磁コイル2で発せられた交流磁界は棒状
鉄芯1の両端部を磁極としナトリウム液中の空間に磁界
10を形成する。
【0009】この磁界10は交流磁界であるため電気良
導体であるナトリウム液中に渦電流を誘発する。この渦
電流は磁力線方向を軸に発生するので、磁極端部の放射
方向磁界の部分で渦電流が合成されループ状電流11a
および11bを発生する。
【0010】ナトリウムが静止状態の場合、この渦電流
11aおよび11bは同じ大きさで、且つ互いに逆方向
で平衡している。
【0011】一方、ナトリウムに流れ12がある場合、
流れに対して直角成分の磁界の部分(上流側と下流側)
でフレミングの右手の法則に従った起電力が発生する
が、上流側と下流側では磁界方向と磁束密度増加方向が
共に反対であるため結果的に流速信号による起電力は同
方向に発生する。したがって、ナトリウムの静止状態で
発生していたループ状電流11aおよび11bはこの流
速起電力の影響を受け、磁束分布に歪みを発生すること
になる。磁束分布に影響する歪み量はナトリウムの流速
が速くなる程大きくなる。
【0012】磁束分布の歪量に起因して、両検出コイル
に誘導する電圧は励磁信号に流速信号成分が重畳した振
幅変調信号となり、両検出コイル信号に不平衡電圧が現
われる。この両検出コイルの差信号を計測することによ
ってナトリウム流速を知ることが出来る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この様な従来型の渦電
流式電磁流速計は直接流体内に挿入して計測するために
主流内の流況の乱れを最小限に抑える必要性からプロー
ブの小型化が望まれている。しかし、小型化は励磁及び
検出コイルのターン数、及び、励磁電流を最小限に制限
する必要があるため強い起磁力と高い誘起電圧が得られ
ず、検出感度低下の要因となっていた。
【0014】また、従来型の渦電流式電磁流速計の磁束
分布は図2に示すように、棒状鉄芯1の端部から発した
磁力線10がナトリウム液中の無限空間を経てもう一方
の端部に達する磁極間の空間距離の長い磁気回路を形成
しているため、磁気抵抗が増加し、ナトリウム液中に作
用する磁界が弱くなる原因となり、検出感度低下の要因
となっていた。
【0015】また、従来型の渦電流式電磁流速計の磁力
線は棒状鉄芯1の端部から磁気的に無制限のナトリウム
液中に開放されるため、流体中に曲線的な磁力線が形成
される。したがって、流れに対して有効に作用する直角
成分の磁界が少ないため流速感度の低下原因になってい
た。
【0016】また、センサ部は外部からの磁気外乱や隣
接の磁気センサ等からの磁気干渉を直接受けやすい構造
になっているため計測信号のS/N比(信号/ノイズ)
を低下させる原因にもなっていた。
【0017】さらに、ナトリウム流体に作用する磁界領
域が制限されていないため流体に作用する計測範囲が不
明確となるため流路断面積が設定できないことから、局
所流速値から主流の代表流量値への換算精度も低下する
などの課題があった。
【0018】このような従来技術の問題点の一つである
流路断面積を設定できる様にした公知例として、特開昭
63−228027号と特開昭56−39418 号公報が出願されてい
る。図3に特開昭63−228027号の例を示す。本公知例で
は大口径配管内にサポートを介して整流管を配置し、整
流管内に配置される案内管(特開昭60−78353 号のハウ
ジング5に相当)内に渦電流式電磁流速計(特開昭60−
78353 号のコイルアッセンブリに相当)を挿入すること
により、整流効果と既知断面積から流量を測定すること
ができるとある。しかし、この例は計測範囲である既知
流路断面積内の磁束分布が制御されていないため流路内
の流動整流効果は達成されるが、磁束密度が均一になっ
ているとは限らない。従って、この公知例でも局所流速
値から主流の代表流量値への換算精度は低下する。
【0019】一方、図4,図5に特開昭56−39418 号公
報の例を示す。本公知例では図4に示すように、渦電流
式電磁流速計(特開昭60−78353 号公報のコイルアッセ
ンブリに相当)の励磁コイルから発せられる磁場が配管
口径が大きくなると配管まで達しなくなり、大口径配管
内の磁界の及ばない領域の流速を検出できず、配管内の
全流量を正確に計測することが出来なくなると言う問題
点を指摘している。この問題点を改善するための発明
で、図5に示すように配管の外周に磁性材パイプを取付
け、磁場を配管流路全面に広げるとある。
【0020】しかし、本来、磁場の及ばない領域に磁性
材を配置しても、磁場には物理的に何の変化も現われな
いはずである。本公知例で記述している様に磁場を配管
流路全面に広げることは出来ず、大口径配管内に一様な
磁場は得られない。
【0021】本発明の目的は、小型で検出感度を向上
し、外部磁界の干渉が受けにくく、さらに、整流された
流路の断面積と有効な一様磁界領域とを一致させ流量換
算精度の向上を図った高感度,高精度の渦電流式電磁流
量計を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は棒状鉄芯の内部
磁極に励磁コイルと2個の検出コイルを設けた従来型の
コイルアッセンブリの外周の磁界の及ぶ領域に整流管を
兼用した磁性材の円筒状外部磁極を配置し、コイルアッ
センブリとの間に環状流路を形成した渦電流式電磁流量
計である。
【0023】磁界の及ぶ領域に磁性材の外部磁極を設け
ることによって、内部磁極と外部磁極とで形成する磁気
回路の総合空間距離を狭くすることが出来ること、ま
た、流れ検出に無効な平行成分の磁束は外部磁極体内を
通るため磁気回路抵抗を減少させることが出来る。した
がって、空間における磁界強度の増加と流速検出に有効
な直角成分の磁界を増加することから、さらに検出感度
を向上することができるようにした。
【0024】また、外部磁極を設けることにより系外か
ら侵入する磁気外乱を防止する磁気シールド効果が発揮
され、検出信号のS/N比(信号/ノイズ)を向上する
ようにした。
【0025】また、環状流路部で整流された一様な流れ
は、流路断面積と有効磁界領域とを一致させることが出
来るため、流速値から流量換算値の精度を向上するよう
にした。
【0026】
【作用】上記した本発明の構成要件によれば、励磁コイ
ルに交番電流(通常数百Hz程度)を供給し励磁すると
コイル鉄芯である内部磁極が磁化される。内部磁極の上
流側の端部から発せられた磁力線は非磁性体のハウジン
グと環状流路に存在するナトリウム流体内を径方向に通
過して外部磁極に達する。さらに磁力線は外部磁極体内
を軸方向に通って下流側の端部から再び環状流路内の流
体を径方向に通って内部磁極のもう一方の端部に達する
閉回路の磁気回路を形成する。
【0027】この内部磁極と外部磁極間に形成される磁
気回路の空間である環状流路における磁力線の方向は全
て流れ検出に有効な放射状になり、流れ検出に無効な成
分と漏洩磁界成分は減少する。
【0028】環状流路領域での磁界の強さは内外磁極間
の空間距離の2乗に反比例する。したがって、磁極空間
距離が狭いほど磁界は強力になる。
【0029】環状流路部の磁界は交流磁界であるためそ
の方向と大きさは時々刻々正負に変化する。導電性のナ
トリウム液体中では時間的に変化する磁界を受けるとナ
トリウム液体内に渦電流が誘起される。渦電流の大きさ
は磁界の強さと流体の電気伝導度に比例し、磁力線を軸
とする右回転方向に発生する。
【0030】流体中に発生した渦電流は、磁極端部の放
射状方向の磁界の部分では合成され環状流路を一巡する
ループ電流になる。静止ナトリウム状態で発生する渦電
流は、両磁極端部で同じ大きさで、その方向は180度
の位相のずれた平衡状態にある。したがって、両検出コ
イルの起電力差は相殺されゼロとなる。
【0031】ナトリウムに流動がある場合、流体が無磁
界の領域から磁界領域に突入するセンサ上流側では、磁
界方向は内部磁極側から外部磁極側への放射方向とな
り、(交流磁界の瞬時を直流磁場と仮定する)また、磁
束密度勾配は増加方向となる。これらの関係から上流側
では正方向の起電力が流体内に発生する。
【0032】一方、下流側では、上流側とは反対方向の
外部磁極側から内部磁極側への放射方向の磁界となる。
さらに、磁束密度勾配は磁界領域から無磁界領域に脱出
するため減少方向となる。したがって、流動による起電
圧は結果的に上流側と下流側には同じ方向に発生する。
【0033】流速成分の起電力の大きさは、流体に受け
る磁束の時間的変化に依存することから、磁束密度分布
の勾配と流体流速に比例する。したがって、交流励磁で
誘起された渦電流は流速信号と作用し上流側で増幅され
下流側で減少するため、空間の磁界に歪みを生じる結果
になる。
【0034】検出コイルに誘導する電圧は検出コイル部
に作用する磁束密度の時間的変化率に比例するので、流
速による歪み磁界は両検出コイルへの誘起電圧の差とし
て検出することによって、流量ゼロ時の平衡成分を除去
し2倍の感度で検出することができる。
【0035】両検出コイルの差信号は、通常数百Hz程
度の励磁周波数に1Hz程度の流速ゆらぎ成分の低周波
数を含む流速信号が重畳した信号で、励磁周波数を搬送
波とし、流速信号で変調された振幅変調信号として現わ
れる。信号処理系の電子回路で検出信号から励磁成分を
除去することによって、流体の流速成分を抽出すること
ができる。さらに、流量の値は検出した流速の値を環状
流路断面積から換算して求めることが出来る。
【0036】このように、本発明は磁界の及ぶ領域に外
部磁極を設けることによって、磁極間の空間距離を狭く
することによる磁束密度の増加と、流れに対して有効な
磁束分布成分の増加が得ることから検出感度を著しく向
上することが出来る。
【0037】また、外部磁極は磁気シールド効果を発揮
することができるため、複数個のセンサをアッセンブリ
で挿入する様な場合、隣接センサ間の磁場干渉が無くな
り、さらに、外部からの磁気干渉を防ぐことができるな
ど、検出信号のS/N比を向上することが出来る。
【0038】また、フローガイドとスペーサによる整流
効果が発揮され、環状流路内の一様な流れが一様な磁束
分布と一致するため、流量換算検出精度が向上する。
【0039】
【実施例】本発明の渦電流式電磁流量計は空芯型の誘導
コイルのものや内部鉄芯型コイルを用いたもの等、両方
の例に適用できるが実施例では鉄芯型コイルを例に記述
する。以下、本発明の実施例について図1および図6な
いし図10を参照にしながら説明する。
【0040】図1は本発明の渦電流式電磁流量計プロー
ブの内部構造図を示す。
【0041】プローブの内部は純鉄,ニッケル材等の強
磁性体からなる棒状の内部磁極とした鉄芯1を同軸にし
て真ん中に励磁コイル2を設け、励磁コイル2に隣接し
て上流側と下流側に検出コイル3aおよび3bを設けて
ある。本発明の渦電流式電磁流量計は高温のナトリウム
流体に直接挿入して使用されるため、コイルの線材等は
セラミックコーティング電線、あるいはMIケーブル
(金属シースケーブル)など耐熱性のものを用いる。
【0042】各コイルの境界部にはセラミック等の耐熱
性の絶縁材で構成するスペーサ4a,4b,4c、およ
び4dを設けコイルを固定しコイルアッセンブリとす
る。空芯型コイルの場合はセラミック製のコイルボビン
にコイルを巻くようにして構成する。
【0043】このように構成されたコイルアッセンブリ
はステンレス製等の非磁性体のハウジング5内に納めて
ある。ハウジング5内部にヘリウムガスあるいはアルゴ
ンガスなどの不活性ガスを封入して密閉することによっ
てコイルの耐熱性の向上をはかる。
【0044】各コイルからのリード線6はハウジング5
の背部から耐熱性の金属シースケーブル7等で外部まで
延長して引き出し、室温仕様の外部端子8に接続されて
いる。
【0045】ハウジング5の外周にはスペーサ15aお
よび15bを介して円筒状のフローガイド14を設け、
ハウジング5とで環状空間(環状流路)16を形成され
る。スペーサ15aおよび15bは複数個の板状あるい
は棒状にするか、あるいは多孔板を用い整流機構とする
が、磁界に影響しない非磁性材のステンレス鋼などで構
成する。
【0046】円筒状のフローガイド14は非磁性材の部
分と磁性材の部分とで構成されていて、磁性材の部分は
純鉄,ニッケルなどの強磁性材で外部磁極13を構成す
る。外部磁極13の領域はコイルアッセンブリの励磁コ
イル2の位置から両脇の検出コイル3aおよび3bのほ
ぼ中央部分まで延長する領域をカバーするように配置す
る。これらの磁極長さによる端部の位置する領域は検出
コイル領域ならば有効であるが、上下流対称に配置する
ことによって流量ゼロ時のアンバランス電圧を小さくす
ることが出来る。
【0047】励磁電流は一般に数百Hzの交流電流であ
るが、さらに高い周波数で励磁する場合、磁性材部分で
の渦電流損失を低減するため薄板の表面を絶縁した磁性
材を積層にした硅素鋼鈑構造や、粉末燒結型のダストコ
アーを磁極として用いることもできる。この場合、液体
ナトリウムと直接触れる磁極の部分にはステンレス鋼板
などの耐ナトリウム材料で被覆する必要がある。
【0048】フローガイド14の非磁性材の部分はステ
ンレス鋼などで構成し、外部磁極13の部分を前後に延
長した同型の円筒型のフローガイド14構造とする。フ
ローガイド14の全長は、有効な整流助走区間を得るた
めにハウジング5直径の約20倍以上の長さを上下流側
に確保するようにするとよい。
【0049】フローガイド14,ハウジング5,スペー
サ15等を一体にしたプローブは直接ナトリウムの流れ
場12に挿入して用いるため先端は流線型にし、流動の
乱れを抑える構造にする。
【0050】励磁コイル2および2個の検出コイル3
a,3bの3系統の外部端子8は信号処理系9に接続さ
れている。
【0051】信号処理系9は図6に示すように、機能別
に励磁系と受信系で構成されていて、励磁系は発信器1
7、および緩衝器18で構成し、受信系は前段増幅器1
9および20,比較器21,同期検波器22,フイルタ
ー23、そして指示計24などの電子回路で構成されて
いる。
【0052】以下、本発明の渦電流式電磁流量計をFB
Rの主循環配管内のナトリウム流量計として用いた場合
の動作例について記す。主循環用配管などの大口径では
数本のプローブを同時に挿入し検出器の信頼性向上と配
管内の流速分布特性を確認するため多重性として用い
る。特に、流量計信号を安全保護計にするためには、2
/4ロッジクとすることが必要であり、プローブの設置
数は1ループ当り少なくとも12点以上必要になる。
【0053】プローブは配管の管壁から挿入し、流れに
対して平行な方向に配置する。したがって、水平配管部
ならば水平に挿入し、垂直配管ならば垂直に挿入する。
【0054】環状流路16のギャップは主流の流速範囲
を考慮して、流路としての流動抵抗が増加しない程度に
設計する。また、流力振動などでプローブが機械的に振
動しないように挿入部分の支持構造を固定する必要があ
る。
【0055】プローブからの信号ケーブルは信号処理系
9に接続されている。信号処理系9の励磁系を構成する
発信器17から数百Hz程度の正弦波を発信させて緩衝
器18に入力し、緩衝器18の出力から励磁コイルに供
給する。励磁周波数はコイルのインピーダンスやナトリ
ウム流体の温度等によって最適な値を選択する。液体ナ
トリウムの場合、300〜700Hzの範囲に最適値が
あるといわれている。
【0056】緩衝器18は負荷である励磁コイル2に必
要な電力を供給するためのもので、コイルアッセンブリ
の温度変化に伴う励磁コイル2インピーダンスの変化に
対しても一定の励磁電流を安定に供給し、磁界の安定を
図るように定電流機能を有している。
【0057】緩衝器18からの励磁電流25は外部端子
8に接続した金属シースケーブル7、そして、リード線
6を通ってプローブ内部の励磁コイル2へ供給される。
【0058】図7は本発明の渦電流式電磁流量計の軸方
向の磁束分布と渦電流の関係を示す。磁界の強さは励磁
コイル2のターン数と供給励磁電流との積(AT)の値
で磁束が発生する。この磁束は鉄芯1を励磁し、鉄芯1
の端部から環状空間16へ放射状に放出され外部磁極1
4の端部に達するが、空間を通る磁界は磁気回路のうち
最短距離を通る性質があるため、内部磁極1の一端から
発した磁界10は図に示すように検出コイル3aのほぼ
中央部分から環状流路16を直角に横断し外部磁極14
に達する。外部磁極14に達した磁束は外部磁極14体
内を軸方向に通ってもう一方の端部から再び環状流路1
6を貫通して内部磁極1に戻る閉回路を形成する。
【0059】このように磁束の通路は磁気抵抗の最も小
さい磁気回路を循環する性質があるため、環状流路16
の磁界10は流れ方向12に対して直角成分の磁界とな
る。また、磁極ギャップでの磁束密度は磁極間距離の二
乗に反比例して増加する性質があるため、従来の棒状磁
極型に比べ、本発明の外部磁極を設けたことによって磁
極ギャップを狭くすることができ、空間での磁束密度も
著しく増加することになる。一例設計例によると、検出
コイル近傍における有効な磁束密度は約2〜4倍に増加
することが確認された。
【0060】図8に図7のA〜A断面視図を示す。図8
に示すように環状流路16内に存在するナトリウム中に
磁界10を受けて渦電流が発生するが、この渦電流が合
成されて環状流路16を一巡するループ電流11を形成
する。
【0061】この合成渦電流によるループ電流の方向は
上流側11aと下流側11bとで逆方向に循環する。ま
た、流体が静止している場合、上流側ループ電流11a
と下流側ループ電流11bは同じ大きさになる。したが
って、両検出コイルの起電力差は相殺されゼロとなる。
【0062】主流配管内のナトリウムに流動がある場
合、主流の一部がフローガイド13内に分流し過環状流
路16内に流入する。環状流路16内の流体はフローガ
イド13とスペーサ15a部で整流され一様な流れにな
る。
【0063】流体が無磁界の領域からセンサ上流側の磁
界10領域に突入する際、内部磁極1側から外部磁極1
4側への磁界方向と磁束密度の増加方向との関係で正方
向に起電力が発生したとする(交流磁界の瞬時を直流磁
場と仮定する)。
【0064】下流側では磁界10領域から無磁界領域に
脱出するため上流側とは反対の外部磁極14側から内部
磁極1側への磁界方向となり、さらに、磁束密度の勾配
も上流側とは反対の減少方向となる。したがって、結果
的に上流側と下流側には同方向の起電力が流速に比例し
て誘起されることになる。
【0065】流速成分の起電力の大きさは、磁束密度の
絶対値と流れ方向の磁束密度分布の勾配と流体流速に比
例する。したがって、交流励磁で誘起された渦電流は流
速信号と作用し上流側11aで増幅され、下流側11b
で減少するため励磁磁界に歪みを生じることになる。
【0066】検出コイル3a,3bに誘導する電圧は検
出コイル3a,3b部に作用する磁界10の時間的変化
率に比例するので、流速による歪み磁界は上下流側の両
検出コイル3a,3bへの誘起電圧の変化として現われ
る。
【0067】両検出コイル3a,3bの差信号は、通常
数百Hz程度の励磁周波数に1Hz程度の低周波数の流
速ゆらぎ成分の流速信号が重畳した信号で、励磁周波数
を搬送波とし、流速信号で変調された振幅変調信号とし
て検出される。
【0068】これらの信号を図6に示す信号処理系9の
前段増幅器20および19に取り込む。静止流体時の検
出信号は上下流側とも同レベルの電圧であるが、プロー
ブの製作誤差等により若干のアンバランス電圧を生じる
のが一般的である。そこで、前段増幅器20および19
でバランスを電気的に調整し、増幅度を調節しながら信
号のレベルを整える。
【0069】前段増幅器20および19からの出力信号
は比較器21に取り込み、両信号の差信号28として抽
出する。
【0070】差信号28の振幅変調された交流信号を同
期検波器22に取り込む。同期検波器22では励磁信号
の発信器17から分割した搬送波を参照信号29として
取り込み、差信号28を搬送波で同期検波し、搬送波成
分を取り除き流速信号を抽出した後、直流電圧の信号に
変換する。さらに残留している搬送波及び高調波成分を
取り除くため、ローパスフィルタ23を通して流速に比
例した直流電圧レベルの流速信号30とする。次に、流
速信号30に流路断面積値を定数としてナトリウムの流
量値を算出し、メータ24などに表示する。
【0071】本発明の渦電流式電磁流量計は外部磁極部
分で磁気シールド効果を発揮することができるため、複
数個のセンサを用いるFBRの炉内計装用やアッセンブ
リ型を大口径配管用に適用した場合、隣接センサからの
磁気干渉を防止できる。また、他の電磁誘導器から洩漏
した磁気誘導や配管サポート等の鋼材などから受ける磁
気外乱なども防止することができる。
【0072】本発明の応用変形例として、特開昭60−70
314 号公報に示しているような流れ方向に複数個の感知
部を設け、ゆらぎ信号の遅れ時間から主流の流速を求め
流速信号を校正する自己校正機能を有した温度・流速監
視装置にも適用することができる。具体的構造として、
コイルアッセンブリの外周に円筒の外部磁極を備えたフ
ローガイドを設けることで達成でき、本発明の実施例と
同じ効果が生まれる。また、外部磁極形状の変形例とし
て、図1に示した実施例の他に、図9に示すように外部
磁極の長さを内部磁極と同等にした例、さらに、図10
に示すように外部磁極の長さを励磁コイルと同等にした
例でも本発明は成立する。
【0073】本発明の渦電流式電磁流量計で示した環状
流路と放射状の磁界、そしてループ状の誘起電流等、基
本的な電磁力学関係を応用したナトリウム用電磁流体機
器の他の例は、ALIP型電磁ポンプ(Annular Linear
Induction Pump)や環状流路型電磁フローカプラ等があ
る。
【0074】ALIP型電磁ポンプの場合は、交流誘導
電動機の一種であり、強力な電動力を得る必要性から移
動磁界を発生するための多極のステータを軸方向に連続
に配置した構造になっている。
【0075】電磁フローカプラの場合は、直流電動機の
一種で、電磁流量計の発電機と電磁ポンプの電動機を合
体した構造である。共通した磁界内に発電側とポンプ側
の流路を交互に配置した環状流路の構造で、発電側流路
内を電磁流体が流動して発生する電流をポンプ側流路に
給電されることからポンプ力が誘起されるものである。
電磁フローカプラは軸方向に磁石の同極側を交互に突き
合わせた多段磁極構造にし、大きな駆動力を得るように
なっている。
【0076】いずれも動力用電磁機器で大きな駆動力を
得るため作用点を軸方向に多段した構造であるが、基本
的には磁界,電流,流動の3要素が互いに直角に作用す
る電磁流体機器であり機能目的に適したそれぞれ異なっ
た構造になっている。
【0077】
【発明の効果】本発明の渦電流式電磁流量計は外部磁極
を用いて磁気回路の磁束分布を制御しているため、磁束
密度が増加し、さらに流れを検出するための直角成分の
磁界も増加することから検出感度を著しく向上する効果
がある。したがって、小型化が可能になる。
【0078】また外部磁極は漏洩磁束を抑制し、さらに
は外部からの磁気外乱を防止する磁気シールド効果があ
るため、検出信号のS/Nを向上する効果がある。
【0079】また外部磁極で形成された環状型流路構造
には整流効果があるため、大口径で短い配管や曲がり管
のような乱れの多い流れ場での代表流量として計測する
のに有効である。
【0080】また環状流路内の一様磁界領域と流路断面
積とが一致するため、流速値から流量値への換算精度が
向上する等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の渦電流式電磁流量計プローブの内部説
明図。
【図2】従来型の渦電流式電磁流速計の磁束分布図。
【図3】特開昭63−228027号の公知例の説明図。
【図4】特開昭56−39418 号の公知例の説明図。
【図5】特開昭56−39418 号の公知例の説明図。
【図6】信号処理系のブロック図。
【図7】本発明の渦電流式電磁流量計の軸方向の磁束分
布と渦電流の説明図。
【図8】図7のA〜A断面視図。
【図9】本発明の外部磁極の長さを内部磁極と同等にし
た変形例の説明図。
【図10】本発明の外部磁極の長さを励磁コイルと同等
にした変形例の説明図。
【符号の説明】
1…鉄芯、2…励磁コイル、3a…上流側検出コイル、
3b…下流側検出コイル、4a,4b,4c,4d…コ
イルスペーサ、5…ハウジング、6…リード線、7…金
属シースケーブル、8…外部端子、12…流れ、13…
フローガイド、14…外部磁極、15a,15b…流路
スペーサ、16…環状流路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 隆之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電流で励磁される励磁コイルと、前記
    励磁コイルの同軸上の両脇に検出コイルを配置して構成
    したコイルアッセンブリを非磁性材の密閉鞘内に納めて
    構成されたセンサを導電性流体が流動する流れ場に挿入
    し、前記検出コイルに誘起する信号から前記導電性流体
    の流速を感知する渦電流式電磁流速計において、プロー
    ブ外周の磁界領域に磁性材から成る円筒状の外部磁極で
    構成したフローガイドを配置し、前記プローブとの間で
    環状型の流路を形成したことを特徴とする渦電流式電磁
    流量計。
  2. 【請求項2】請求項1に於いて、前記フローガイドは一
    部に前記外部磁極を配置した構造であって、前記外部磁
    極は前記プローブと環状空間を保ちながら包含され、且
    つ、前記励磁コイルから発する磁界の及ぶ範囲内に配置
    し、さらに、前記外部磁極部分の長さ方向は前記励磁コ
    イル領域を含み、両脇の検出コイルの位置する領域まで
    延長して配置した磁気構造である渦電流式電磁流量計。
  3. 【請求項3】請求項1に於いて、前記フローガイドは、
    前記外部磁極の両端部に非磁性材で構成した同型の円筒
    型部材を流れ方向に延長した構造とし、前記プローブと
    前記フローガイドとの環状型空間は非磁性材で構成する
    複数個のスペーサを介して形成し、前記環状空間は流体
    の計測領域である流動流路とした渦電流式電磁流量計。
  4. 【請求項4】請求項3に於いて、非磁性材の構成する前
    記複数個のスペーサは多孔板や放射状に配置した板材等
    の部材で構成し、前記環状空間を確保するための支持部
    材であるとともに、前記導電性流体の乱れを整流する整
    流機能を備えた渦電流式電磁流量計。
  5. 【請求項5】請求項1に於いて、前記プローブ内の励磁
    コイルの中心軸部に磁性材で構成した棒状鉄芯等を設け
    た鉄芯型コイルであっては鉄芯部を内部磁極とし、ま
    た、空芯型コイルであってはコイルの中心軸部を内部磁
    極とし、前記内部磁極端部と前記外部磁極との間で磁気
    回路を形成ような磁極構造にした渦電流式電磁流量計。
  6. 【請求項6】請求項1に於いて、前記励磁コイル及び2
    個の検出コイルで構成するコイルアッセンブリの中心軸
    に磁性材で構成した鉄芯を有した鉄芯型コイル構造を適
    用した渦電流式電磁流量計。
  7. 【請求項7】請求項1に於いて、前記励磁コイル及び2
    個の検出コイルで構成するコイルアッセンブリの中心軸
    を空芯した空芯型コイル構造を適用した渦電流式電磁流
    量計。
  8. 【請求項8】請求項6に於いて、前記磁性材で構成した
    内部磁極あるいは前記外部磁極の長さ方向は前記励磁コ
    イル領域を含み、前記両脇の検出コイル端部までの領域
    を任意にカバーするように延長した磁極の磁気構造を適
    用した渦電流式電磁流量計。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100803733B1 (ko) * 2006-09-18 2008-02-15 주식회사 포스코 용융 몰드플럭스를 이용한 연속 주조에 사용하는 탕면 레벨측정 센서 유닛
JP2010025917A (ja) * 2008-06-19 2010-02-04 Central Res Inst Of Electric Power Ind 電磁ポンプ吐出量測定方法

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