JPH08192368A - アングル形パワーナットランナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】工具の組立中、ロックナットで締め付ける時
に、アングルヘッドを正しい所定の角度にセットし固定
できるパワーナットランナを提供する。 【解決手段】回転モータを有するハウジング10、出力軸
13を有するアングルヘッド15、及びハウジング10にアン
グルヘッド15を固定するためのロックナット22を含むね
じ結合部21を有し、ハウジング10に円周上に整列して第
１孔群の放射状孔が設けられ、アングルヘッド15に円周
上に整列して第２孔群の放射状孔26が設けられ、かつキ
ーピン27で第１孔群及び第２孔群の孔の各一つを選択的
に係合することによってアングルヘッド15とハウジング
10との間の選択的な角度をを決定する。第１孔群の放射
状孔のピッチは第２孔群の放射状孔26のピッチと異な
り、ハウジング10に対すてアングルヘッド15の角度を細
かく調節できるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転モータを有す
るハウジング、出力軸を有するアングルヘッド、及びア
ングルヘッド及びハウジング上の係合ねじとロックナッ
トとを含むアングルヘッドをハウジングに固定するため
のねじ結合部とを有するアングル形パワーナットランナ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】このタイプのパワーナットランナは、す
でに公知であり、米国特許第４，０６４，９４８号に例
示されている。しかし、この特許明細書に開示されたア
ングルナットランナはロックナットを備えておらず、ツ
ールハウジングに対するアングルヘッドの角度調節がで
きない。このナットランナの後の改良で、アングルヘッ
ドとハウジングとの間のねじ結合部にロックナットを設
けてアングルヘッドを所望の角度にセットして固定でき
るようにした。このようなアングルヘッドの調節は、作
業者が使用し易い作業姿勢を得るのに重要である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来のナットラン
ナは、工具の組立中にそのアングルヘッドを所望の角度
に固定するのが困難であるという欠点を有する。言い換
えれば、ロックナットで締め付ける時に、アングルヘッ
ドを正しい所定の角度に維持するのが困難である。この
公知のナットランナは、ロックナットが摩擦力だけでハ
ウジングに対するアングルヘッドの回転を固定している
という他の欠点も有する。ロックナットによって成され
る摩擦ロックでは、アングルヘッドとハウジングとの間
に生ずる反動トルクにずっと耐えることはできないの
で、これは安全面の観点から満足のいくものではないと
考えられていた。これは工具の作業中にアングルヘッド
とハウジングとの間に要求されない動きを生じさせ、作
業者を危険にさらすことになる。

【０００４】米国特許第４，４５８，５６５号に開示さ
れた他の従来のアングルナットランナでは、アングルヘ
ッドを、ねじスリーブで工具ハウジング軸方向にクラン
プする一方で、アングルヘッド上の歯を工具ハウジング
上のロックピンに係合させてアングルヘッドの回転をロ
ックしていた。アングルヘッドの角度の変更はねじスリ
ーブを緩め、アングルヘッドを新しい位置に動かして、
他の歯をロックピンを係合させ、その後スリーブを再度
締めることで成される。従来のさらに別の関係する例と
しては、衝撃装置のシリンダと工具ハンドルとの間のね
じ結合部が、ハンドルにある円周上に整列された孔の一
つと、シリンダにある円周上に配列された孔の一つとを
同時に係合するロックピンを備え、ハンドルにある孔の
ピッチとシリンダにある孔のピッチとが異なる形式の空
気たがねハンマがある。このすでに公知のロック手段は
本発明に類似しているが、この公知の装置は単一のロッ
ク装置であり、ねじ結合部が完全に締め付けられた後に
係合し、ねじ結合部を完全な締め付け状態に維持するこ
とが重要である。これはスロットのあるナットをコッタ
ーピンで固定することに非常に似ており、ねじ部分を完
全に締め付けた位置以外の角度に決定することを目的と
していない。本発明の主な課題は、アングルヘッドとハ
ウジングとの間のねじ結合部を有し、ロック手段を画定
する作用位置を含んだアングル形パワーナットランナを
改良することにある。本発明の他の課題は、ハウジング
に対するアングルヘッドの角度を細かく調整できるよう
にする作用アングルヘッドロック手段を有するアングル
ナットランナを得ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した課題は、ハウジ
ングに対して選択的な角度でアングルヘッドを固定する
ロックナットと、アングルヘッド及びハウジングの何れ
か一方にある第１孔群の放射状孔の中の一つと、アング
ルヘッド及びハウジングの何れか他方にある第２孔群の
放射状孔の中の一つ同時に係合することで、そのような
選択的な角度に決定する放射状キーピンとを有し、第１
孔群の孔が一定のピッチで円周上に分割され、また第２
孔群の孔が第１孔群の孔のピッチと異なるピッチで分割
されているねじ結合部を使用することによって達成され
る。本発明のさらに他の課題及び利点は以下の説明及び
特許請求の範囲で明らかにされる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例を
添付図面を参照して詳細に説明する。図面に示したアン
グルナットランナは、空気圧で、又は電気で駆動され、
任意の形式のトルク制御手段を備えている。

【０００７】図１に示すように、リアハンドル１１が設
けられたナットランナは円筒状のハウジング１０を有す
る。ハンドル１１にはレバー１２が支持されており、レ
バー１２は動力制御手段（図示せず）を作動させる。ハ
ウジング１０の内部には、動力変速装置を介して出力軸
１３に結合される回転モータが支持されている。出力軸
１３はアングルヘッド１５にジャーナル軸受けされてお
り、標準的なナットソケットを取り付けるための矩形端
部が形成されている。

【０００８】アングルヘッド１５には、駆動スピンドル
１６を介してハウジング１０内の伝達軸１７に結合され
るベベルギヤ（図示せず）が収納されている。駆動スピ
ンドル１６の後端部はボールベアリング１８内にジャー
ナル軸受けされ、前記ボールベアリング１８はねじリン
グ１９でアングルヘッド１５の中に固定されている。

【０００９】アングルヘッド１５の後端部には、ハウジ
ング１０の首部２０内に切られた内側ねじと係合する外
側ねじが形成されており、それによって、アングルヘッ
ド１５とハウジング１０との間のねじ結合部２１が形成
されている。又、このねじ結合部２１は、ハウジング１
０の首部２０の前端面にアングルヘッド１５を堅く固定
するためのロックナット２２を含んでいる。

【００１０】ハウジング１０に対するアングルヘッド１
５の角度を選択的に決定するために、ハウジング首部２
０には第１孔群の放射状孔２５が設けられ、またアング
ルヘッド１５には第２孔群の放射状孔２６が設けられて
いる。前記第１孔群の放射状孔２５と第２孔群の放射状
孔２６とは円周上に整列して配置されており、アングル
ヘッド１５の角度を選択的に決定するためにキーピン２
７によって選択的に係合できるように配置されている。
弾性材料のバンド２８で形成されるリング要素は、キー
ピン２７が落ちるのを防止するためにハウジング首部２
０の外面に取り付けられる。バンド２８は周囲の約３／
４を取り囲み、かつ回転可能に支持されている。

【００１１】図４に示すように、第１孔群の放射状孔２
５は全部で３個あり、３０度の一定のピッチで離間され
ている。第２孔群の放射状孔２６は全部で８個あり、４
５度の一定のピッチで円周上に分割されている。従っ
て、第１孔群の放射状孔２５のピッチは第２孔群の放射
状孔２６のピッチの２／３になっている。

【００１２】これらの孔のパターンによってアングルヘ
ッド１５の角度を円周上で１５度の間隔で決定すること
が可能になる。これにより、作業者が、工具ハンドル１
１上のパワー制御レバー１２が使用し易く、また作業上
安全な位置になるアングルヘッド１５の位置を見つける
ことが可能になる。

【００１３】図３では、第２孔群の放射状孔２６の断面
が円形でないことを示している。これら孔２６のねじ結
合部２１の軸方向に対して長い範囲によってアングルヘ
ッド１５が回転している時に生ずる軸方向の移動が補償
される。

【００１４】ハウジング１０にアングルヘッド１５を固
定した時、アングルヘッド１５の後端部は、第１孔群及
び第２孔群の孔２５，２６が実質的に同じ横断面に位置
するレベルまでハウジング首部２０の中に入れられる。
アングルヘッド１５は所望の角度に回動され、アングル
ヘッド１５にある第２孔群の孔２６の中の一つに一致し
ている第１孔群の３つの孔２５にキーピン２７が挿入さ
れる。カバーバンド２８は、キーピン２７を覆い、キー
ピン２７をロック位置に維持する位置に巻かれる。これ
によりアングルヘッド１５は所望の角度に決定される。

【００１５】アングルヘッド１５をハウジング１０に最
終的に確実に固定するために、ロックナット２２がハウ
ジング首部２０の前端面に対して堅固に締められる。ア
ングルヘッド１５とハウジング１０と間が相互にロック
されているので、ロックナット２２はアングルヘッド１
５を要求されない位置に移動させることはない。これに
よりナットランナの組立体は完成する。

【００１６】上述のナットランナは単なる一例であり、
本発明の実施例を制限するものではないことは理解され
るべきである。例えば、第１孔群及び第２孔群の孔２
５，２６は、他のピッチ、また他の数による他のパター
ンに配置することができ、前記ピッチは一定である必要
はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明によるアングルタイプナットランナの
側面図である。

【図２】 ナットランナの前側部分の拡大部分断面図で
ある。

【図３】 アングルヘッドの後端部の側面図である。

【図４】 図２のIII-III線に沿った断面図である。

【符号の説明】

１０ ハウジング １１ リアハンドル １２ レバー １３ 出力軸 １５ アングルヘッド １６ 駆動スピンドル １７ 伝達軸 １８ ボールベアリング ２０ 首部 ２１ ねじ結合部 ２２ ロックナット ２５ 第１孔群の放射状孔 ２６ 第２孔群の放射状孔 ２７ キーピン ２８ ハンド

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転モータを備えた円筒状ハウジング(1
   0)と、内部に出力軸(13)がジャーナル軸受けされている
   アングルヘッド(15)とを有し、前記アングルヘッド(15)
   が、アングルヘッド(15)及び前記ハウジング(10)上の係
   合ねじ及びロックナット(22)を含むネジ結合部(21)によ
   って選択可能な角度で前記ハウジング(10)に調節可能に
   固定されるアングル形パワーナットランナにおいて、 前記ハウジング(10)及び前記アングルヘッド(15)の何れ
   か一方に、円周上に整列させて第１孔群の放射状孔(25)
   を設け、前記ハウジング(10)及び前記アングルヘッド(1
   5)の何れか他方に、円周上に整列させて第２孔群の放射
   状孔(26)を設け、 放射状に延びるキーピン(27)を、第１孔群の放射状孔(2
   5)と第２孔群の放射状孔(26)との中の各一つの孔に同時
   に係合するように配置し、それによって、前記アングル
   ヘッド(15)及びハウジング(10)間を選択的な角度の一つ
   に決定することを特徴とするアングル形パワーナットラ
   ンナ。
2. 【請求項２】 前記第１孔群の放射状孔(25)を一定のピ
   ッチで配置し、前記第２孔群の放射状孔(26)を第１孔群
   の放射状孔(25)と異なる一定のピッチで配置したことを
   特徴とする請求項１に記載のアングル形パワーナットラ
   ンナ。
3. 【請求項３】 第１孔群の放射状孔(25)のピッチを第２
   孔群の放射状孔(26)のピッチの２／３にしたことを特徴
   とする請求項２に記載のアングル形パワーナットラン
   ナ。
4. 【請求項４】 第１孔群の放射状孔(25)を前記ハウジン
   グ(10)に設け、第２孔群の放射状孔(26)を前記アングル
   ヘッド(15)に設けたことを特徴とする請求項２又は３に
   記載のアングル形パワーナットランナ。
5. 【請求項５】 前記キーピン(27)を、ハウジング(10)の
   外側に支持されたリング要素(28)で、ロック位置に維持
   することを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載
   のアングル形パワーナットランナ。
6. 【請求項６】 第１孔群及び第２孔群の少なくとも一方
   の各孔のねじ結合部(21)の軸方向の幅が前記キーピン(2
   7)の対応する幅より大きいことを特徴とする請求項１〜
   ４の何れか一項に記載のアングル形パワーナットラン
   ナ。
7. 【請求項７】 前記第１孔群の放射状孔(25)が全部で３
   つあり、それらが相互に３０度の角度で離間され、前記
   第２孔群の放射状孔(26)が全部で８つあり、それらが相
   互に４５度の角度で離間されていることを特徴とする請
   求項１〜４に記載のパワーナットランナ。