JPH08192126A - シートクリーニング装置 - Google Patents

シートクリーニング装置

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JPH08192126A
JPH08192126A JP711795A JP711795A JPH08192126A JP H08192126 A JPH08192126 A JP H08192126A JP 711795 A JP711795 A JP 711795A JP 711795 A JP711795 A JP 711795A JP H08192126 A JPH08192126 A JP H08192126A
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JP
Japan
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sheet
roller
acid
cleaning liquid
cleaning
Prior art date
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Pending
Application number
JP711795A
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English (en)
Inventor
Masahiro Yoshida
雅弘 吉田
Keizo Nishiguchi
圭三 西口
Takuji Yamamoto
卓司 山本
Haruhiko Shinko
治彦 新子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 画像が印刷されたシートSから印刷材料を除
去するシートクリーニング装置1は、クリーニング液8
を収容した処理槽7と、上記処理槽7内に設けられ、ク
リーニング液8に上記シートSを侵入させて浸漬したの
ち、スイッチバックして侵入経路と同じ経路をたどって
クリーニング液8からシートSを排出する搬送手段15
とを備えている。 【効果】 クリーニング液にシートを侵入させる経路
と、浸漬されたシートをクリーニング液から排出する経
路とを同じにすることで、搬送経路の簡略化と処理槽の
幅を小さくすることができ、装置の小型化が可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機やプリンタなど
の画像形成装置で画像印刷された紙、OHPシートなど
にクリーニング液を適用して印刷材料を除去するシート
クリーニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記クリーニング装置として、図
15に示すものが特開平6−206358号公報に開示
されている。このクリーニング装置70では、給紙トレ
イ71から給紙ローラ72によって装置本体73内に送
り込まれた、トナー等の印刷材料Tで画像形成されてい
るシートSは、送りローラ73〜80に巻回された搬送
ベルト81の移動にしたがって、処理槽82に満たされ
たクリーニング液83に浸漬され、ここでクリーニング
液83の適用により膨潤した印字材料Tが回転ブラシ等
の除去手段84でシートから除去される。印字材料Tが
除去されて上記搬送ベルト81の移動に基づきクリーニ
ング液から取り出されたシートSは、乾燥部85で乾燥
された後にカレンダローラ対86を介してカッタ部87
に送られ、ここでパンチ穴などの欠損がある縁部がカッ
トされて本体73外部の排紙トレイ88に排出される構
成となっている。
【0003】また、特開平4−91298号公報では、
図16に示すように、洗浄装置91内において、上方よ
り吊り下げられた印刷済みのシートSは、洗浄槽92に
収容された溶液93に浸漬された状態で搬送装置94に
よって矢印x方向に搬送され、その間に膨潤した印刷材
料が超音波洗浄によりシートSから除去され、その後シ
ートSは、上記搬送装置94により吊り下げられたまま
乾燥装置95に送られ、ここで乾燥されて装置外に排出
されるクリーニング装置90が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ク
リーニング装置70では、シートSが搬送ベルト81の
移動にしたがって処理槽82の一端側からクリーニング
液83内に侵入し、クリーニング液83中を液面とほぼ
平行に搬送された後、処理槽82の他端側から液外に取
り出される構成となっている。このため、処理槽82の
幅は、シートS全体がクリーニング液83浸漬されるよ
うに、少なくともシートSの搬送方向の長さ程度は必要
である。したがって、上記クリーニング装置70では、
装置の小型化を図ろうとしても限界があり、省スペース
化に対応できないという問題がある。又、液面は広くな
り、クリーニング液の蒸発が無視できない。
【0005】また、上記クリーニング装置90について
も同様で、吊り下げられてクリーニング液93に浸漬さ
れたシートSが、搬送装置94によって処理槽92内を
矢印x方向に搬送されるため、処理槽92の幅を小さく
することによる装置の小型化は困難である。
【0006】そこで、本発明は上記問題点を解決するた
めになされもので、クリーニング液へのシートの侵入経
路と排出経路とを同じにすることで、シート搬送経路の
簡略化と処理槽の幅を小さくすることができ、これによ
り装置全体の小型化が可能なシートクリーニング装置を
提供することを目的とする。又、侵入経路と排出経路が
同じである為にシートの侵入口、排出口は共有されるこ
ととなり、これによってクリーニング液の蒸発面が小さ
くなり、蒸発によるクリーニング液の消費が抑えられる
クリーニング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、画像が印刷されたシートから印刷材料を除
去するクリーニング装置において、クリーニング液が収
容された処理槽と、この処理槽内に設けられ、シートを
クリーニング液に侵入させて浸漬したのちスイッチバッ
クして侵入経路と同じ経路をたどってシートをクリーニ
ング液から排出する搬送手段とを備えたものである。
【0008】上記発明によるシートクリーニング装置で
は、クリーニング液面の面積をより小さくすることによ
り、クリーニング液の蒸発による減少を抑えて液面管理
を容易にするために、上記処理槽を縦型に形成してもよ
いし、更にクリーニング液のこぼれや蒸発による無駄を
無くために、上記処理槽の開口部をシートの搬送に支障
のない程度に狭く形成してもよい。
【0009】また、上記搬送装置の末端に配置された搬
送ローラ対からクリーニング液中にシートを一旦解放し
た後、シートの端部を搬送ローラ対で確実にニップして
シートの排出を行うために、上記搬送ローラ対の挾持部
に対向して開口する収納部を設け、上記挾持部から収納
部底面までの長さをシート長より若干短く設定し、シー
トが有する弾性に基づき上記収納部に収納されて部分的
に湾曲したシートの端部が上記搬送ローラ対の挾持部近
傍に付勢されて当接するように収納部の形状を形成して
もよい。具体的には、収納部のシート面に対向する側壁
の間隔を、下部において上部よりも広く形成するか、ま
たは、上記側壁の間隔を所定幅で一定として底面を傾斜
させて形成する。この場合、上記搬送ローラ対の挾持部
をシート端部が通過した時から1/4回転以内で上記搬
送ローラ対の回転を停止するのが好ましい。
【0010】また同様に、上記搬送ローラ対によるシー
トの排出を確実に行うため、上記搬送ローラ対の一方の
ローラを他方のローラに対して接離させてもよいし、解
放されたシートを上記搬送ローラ対に向かって押し上げ
る再給紙機構を設けてもよい。
【0011】加えて、複数のシートをクリーニング液中
に同時に浸漬することにより装置の処理能力を向上させ
るために、上記収納部に複数のシート収納室を形成して
もよい。
【0012】
【作用】上記シートクリーニング装置では、シートは搬
送手段によって処理槽に収容されたクリーニング液に侵
入し、所定時間浸漬された後、クリーニング液への浸入
経路と同じ経路をスイッチバックして搬送されてクリー
ニング液から取り出される。その搬送過程でクリーニン
グ液によって膨潤した印刷材料がシートから除去され
る。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。本発明にかかる第1実施例のシートク
リーニング装置は、図1に示すように、縦長の箱体から
なる本体2の側面に開口部Iが形成され、表面にトナー
で画像印刷されたシートSが積載される給紙トレイ3が
上記開口部Iから突出して設けられている。なお、図中
シートSは2点鎖線で示してある。
【0014】上記給紙トレイ3に積載された最上のシー
トSの先端部近傍には、上記本体2内部に位置する送り
ローラ4が当接させてある。この送りローラ4の側方に
は給紙ローラ対5が配置されている。上記送りローラ4
が矢印a方向に回転駆動されることにより給紙トレイ3
から1枚づつ送り出されたシートSは、上記給紙ローラ
対5の挾持部を介して給紙経路6に送られるようになっ
ている。
【0015】上記本体2の下部には処理槽7が配設され
ている。この処理槽7は、水平方向の幅Wに対して高さ
が大きい縦型の容器に形成されており、その内部にクリ
ーニング液8(後に詳述する。)が収容されている。こ
のように、処理槽7を縦型に形成して液面8aの面積を
小さくすれば、クリーニング液8の蒸発による減少を少
なくすることができ、液面管理が容易になる利点があ
る。
【0016】上記処理槽7に収容されたクリーニング液
8の液体中には、浸漬されたシートSを収納する収納部
9が設けてある。この収納部9の下部9aは一方の側壁
を膨出させて上部に比べて側壁間の間隔を広くしてあ
り、シートSの下方領域が湾曲して収容されるようにし
ている。
【0017】上記収納部9の上端開口部9bとクリーニ
ング液8の液面8aとの間には、それぞれ一対のオフセ
ットローラ10、ブラシローラ11、搬送ローラ12が
順次配置されると共に、各ローラ10、11、12は処
理槽7の奥行き方向(図1において表裏方向、以下に同
じ。)に沿ってそれぞれ平行に配置されており、各ロー
ラの両端は処理槽7の内壁に回動自在に支持されてい
る。
【0018】上記オフセットローラ10の外周部は、シ
リコンゴム、EPゴム、ステンレス鋼、ポリアセタール
系樹脂などのクリーニング液8で膨潤したトナーをシー
トから効率よく剥離させることができ、クリーニング液
で膨潤、変質することのない材料で形成するのが好まし
い。上記ブラシローラ11はその回転によってブラシ先
端でシートSを摺擦して残留するトナーを除去するもの
で、クリーニング液で膨潤、変質することなくシートS
の表面を傷つけないナイロン、ポリエステルなどの高分
子繊維でブラシ部を形成するのが好ましい。 上記搬送
ローラ12はシートSの搬送を確実に行うために、少な
くとも一方のローラ外周部をゴムなどの弾性材料で形成
するのが好ましい。
【0019】上記オフセットローラ10の外周面には、
シートSから付着した膨潤トナーを掻き落とすための、
樹脂、金属またはゴムなどの薄板からなるスクレーパ1
3がそれぞれ圧接されている。クリーニング液8の液面
8aの上方であって処理槽7の上縁部近傍には、一対の
絞りローラ14が奥行き方向に沿って配設されている。
【0020】上記オフセットローラ10、ブラシローラ
11、搬送ローラ12及び絞りローラ14は、正転また
は反転することによって、シートSをクリーニング液8
に浸入させ、クリーニング液8からシートSを排出させ
る搬送手段15を構成している。これらローラ対の挾持
部を結んだ直線上に、上記給紙経路6と合流する搬送経
路16が形成されている。
【0021】上記搬送経路16はまた、給紙経路6との
合流位置17から分岐して形成される排紙経路18にも
通じている。この排紙経路18は、本体2の上部に配置
された、ヒータを内蔵した乾燥ローラ19および排紙ロ
ーラ20の各ローラ対の挾持部を経て、排紙ローラ20
近傍の本体2に形成された開口部Dに通じている。この
開口部Dから排出される再生シートSを受けるために、
本体2の上部外側に排紙トレイ21が設けられている。
【0022】なお、上記給紙経路6、搬送経路16およ
び排紙経路18には、これらの経路に沿ってシートSを
搬送するためのガイド(図示せず)が配置されている。
また、各経路の合流位置17には、搬送経路16を給紙
経路6または排紙経路18のいずれかの経路に選択的に
接続する切換爪等からなる切換装置を設けるのが好まし
い。
【0023】続いて、上記処理槽7内に設けられた搬送
手段15の駆動系について、図2〜4を参照して説明す
る。図2は、上記搬送手段15を構成するオフセットロ
ーラ10、ブラシローラ11、搬送ローラ12および絞
りローラ14の各ローラの回転軸に固定されたギヤ対1
0a,10b、11a,11b、12a,12bおよび
14a,14bの連結例を示したものである。なお、図
2は各ローラの回転方向のみを概略的に説明するための
もので、各ローラの回転数等を限定するものではない。
【0024】この駆動系では、図2に示すように、図示
しないモータによって駆動される出力ギヤ24が搬送ロ
ーラギヤ12aに連結され、この搬送ローラギヤ12a
がアイドルギヤI1を介してブラシローラギヤ11aに
連結されている。また、ブラシローラギヤ11aがアイ
ドルギヤI2を介してオフセットローラギヤ10aに連
結されている。上記出力ギヤ24はまた、2つのアイド
ルギヤI3、I4を介して、上方に位置する絞りローラ
ギヤ14aにも連結されている。
【0025】上記構成からなる駆動系では、シートSを
クリーニング液8に浸入させる際には、出力ギヤ24が
正転(反時計回り方向)することにより、各ローラが図
2(a)に示す矢印方向に回転駆動され、シートSが搬
送経路16を下方に搬送される。一方、シートSをクリ
ーニング液8から取り出す際には、出力ギヤ24が反転
(時計回り方向)して、各ローラが図2(b)に示す矢
印方向に回転駆動され、シートSが搬送経路16を上方
に搬送される。このように、上記搬送手段15では、ク
リーニング液8にシートSを侵入させて浸漬したのち、
スイッチバックして侵入経路と同じ経路をたどってクリ
ーニング液8からシートSを取り出すようになってい
る。
【0026】なお、上記搬送手段15の駆動系としてギ
ヤによる連結を用いたが、これに限らず、ベルトやリン
クなど各ローラに回転を伝達できるすべての連結手段が
適用可能である。
【0027】上記搬送手段15の駆動系における出力ギ
ヤ24の正転または反転の切り換えは、駆動モータの回
転方向を変えることなく、図3,4に示すように、第1
のクラッチ26と第2のクラッチ27とを備えたクラッ
チ機構25で行なってもよい。なお、図3,4中、一点
鎖線は回転の伝達経路を示している。
【0028】上記第1のクラッチ26は、クラッチ本体
28と、クラッチ本体28に固定されたクラッチ軸29
と、このクラッチ軸29の一端側に空回り可能な状態で
軸支されたクラッチギヤ30と、クラッチ本体28とク
ラッチギヤ30の対向面にそれぞれ固着されたクラッチ
盤31とから構成されている。上記クラッチ軸29の他
端側にはフライス面29aが形成され、ここにクラッチ
本体28側から伝達ギヤ32、入力ギヤ33の順に固定
されており、入力ギヤ33が図示しないモータ軸に固定
した駆動ギヤ34に連結されている。
【0029】第2のクラッチ27も同様に、クラッチ本
体35、クラッチ軸36、クラッチギヤ37およびクラ
ッチ盤38から構成される。上記クラッチ軸36には、
クラッチギヤ37側の端部に形成したフライス面36a
に上記出力ギヤ24が固定され、他方の端部に形成した
フライス面36bに伝達ギヤ39が固定されている。こ
の伝達ギヤ39は上記第1のクラッチ26のクラッチギ
ヤ30に連結されており、上記クラッチギヤ37はアイ
ドルギヤ40を介して上記第1のクラッチ26の伝達ギ
ヤ32に連結されている。
【0030】上記構成からなるクラッチ機構25で出力
ギヤ24を正転(反時計回り方向)させる場合、図3に
示すように、第2のクラッチ27をオンし、第1のクラ
ッチ26をオフする。モータにより回転駆動される駆動
ギヤ34の時計回り方向の回転は、入力ギヤ33、クラ
ッチ軸29、伝達ギヤ32およびアイドルギヤ40を順
に介してクラッチギヤ37に反時計回り方向の回転とし
て伝達される。クラッチギヤ37はクラッチ軸36に対
して回動自在となっているため、クラッチギヤ37の回
転はクラッチ盤37、クラッチ本体35およびクラッチ
軸36を順に介して出力ギヤ24に伝達され、反時計回
り方向に回転する。なお、この場合、伝達ギヤ39を介
して回転する第1のクラッチ26のクラッチギヤ30
と、その中心軸であるクラッチ軸29とは、互いに逆方
向に回転する。
【0031】一方、出力ギヤ24を反転(時計回り方
向)させる場合には、図4に示すように、第1のクラッ
チ26をオンし、第2のクラッチ27をオフする。モー
タにより回転駆動される駆動ギヤ34の時計回り方向の
回転は、入力ギヤ33を介してクラッチ軸29に伝達さ
れる。クラッチ軸29の反時計回り方向の回転は、クラ
ッチ本体28、クラッチ盤31、クラッチギヤ30を順
に介して伝達ギヤ39に時計回り方向の回転として伝達
され、これにより第2のクラッチ27のクラッチ軸36
と共に出力ギヤ24が時計回り方向に回転する。なお、
この場合も第2のクラッチ27のクラッチ軸36とクラ
ッチギヤ37とは互いに逆方向に回転する。
【0032】なお、本実施例では、出力ギヤ24の正
転、反転をクラッチ機構25で切り換えるようにした
が、出力ギヤ24をモータに直結してモータ自体を正転
または反転するように制御してもよい。
【0033】次に、以上に説明した構成からなるシート
クリーニング装置1の動作について図1,2,5、6を
参照して説明する。なお、図5は各ローラの駆動と停止
のタイミイグを示し、図6はオフセットローラ10近傍
の拡大図である。トナー等の印刷材料で印刷されたシー
トSは、図1に示すように、送りローラ4および給紙ロ
ーラ対5の回転に基づき1枚づつ給紙トレイ3から給紙
経路6に送り出される。送りローラ4および給紙ローラ
5の回転は、図5に示すように、1枚のシートを給紙経
路6に送り出すのに要する所定時間の経過後、より具体
的にはシートの先端部がローラ14の挾持部を通過後に
停止する。以後、ローラ4、5には、ワンウェークラッ
チが取り付けられている為、シートにより空転する。た
だし、後述する他の実施例のように、複数のシートSを
クリーニング液中に同時に浸漬できる場合には、送りロ
ーラ4等を連続的または間欠的に回転させてシートSを
続けて送り出すことになる。
【0034】給紙ローラ5から送り出されたシートS
は、給紙経路6から搬送経路16に沿って矢印b方向に
搬送され、その先端が絞りローラ14でニップされる。
このとき、絞りローラ14を含む搬送手段15の各ロー
ラは、図2(a)に示す方向に正転しているが、ブラシ
ローラ11を除く他のローラの送り速度はシートSのル
ープ(湾曲)、皺、破れを防止するため同速にする必要
がある。
【0035】絞りローラ14でニップされたシートS
は、引き続き搬送経路16を下方に搬送されてクリーニ
ング液8に浸入し、搬送ローラ12、ブラシローラ11
およびオフセットローラ10の各ローラ対の挾持部を経
て収納部9に収納される。この際、オフセットローラ1
0の挾持部から収納部9の底面までの長さは、シートS
の長さより若干短く設定してあるため、上記挾持部から
押し出されたシートSの下方領域は、図1に示すように
湾曲する。シートSの後端部がオフセットローラ10の
挾持部を通過した後に、図5に示すように、搬送手段1
5の各ローラの回転を停止する。
【0036】収納部9に収納されたシートSは、クリー
ニング液8に所定時間浸漬される。その間に、シート表
面のトナーが膨潤して可塑性を有するようになる。その
後、図2(b)に示すように、搬送手段15の各ローラ
が反転を開始する。シートSは下方領域が湾曲した状態
で収納されていることから、シートSが有する弾性によ
り、その上端部はオフセットローラ10の挾持部を通過
した後も、図6において斜線で示す略三角領域22のロ
ーラ表面に付勢されて当接している。このため、オフセ
ットローラ10を反転させるとシートSの上端部が挾持
部に誘導されて確実にニップされる。
【0037】シートSが搬送手段15の各ローラによっ
て侵入経路を逆方向に搬送される間に、膨潤したトナー
がオフセットローラ10の剥離作用によりシート表面か
ら離脱する共に、残ったトナーがブラシローラ11で掻
き落とされる。オフセットローラ10の外周面に付着し
たトナーはスクレーパ13で掻き落とされ、ブラシロー
ラ11によってシートSから掻き落とされたトナーと共
に、処理槽7の底部に沈殿する。
【0038】トナーを除去されてクリーニング液8から
取り出されたシートSは、絞りローラ14の挾持部を通
過する間に、含まれているクリーニング液8を絞られ
る。引き続き矢印c方向に搬送経路16から排紙経路1
8へと搬送されたシートSは、乾燥ローラ19で乾燥さ
れた後、排紙ローラ20の挾持部を経て開口部Dから排
紙トレイ21に排出される。なお、乾燥ローラ19と排
紙ローラ20は、図5に示すように、搬送手段15の各
ローラの反転と同時にその回転を開始する。
【0039】以上に説明したように、本実施例のシート
クリーニング装置1によれば、処理槽7に収容されたク
リーニング液8にシートSを侵入させる経路と、クリー
ニング液8からシートSを取り出す経路とが同じである
搬送手段15を処理槽9内に設けているので、シート搬
送経路とその経路に沿って通常配置されるローラ、ベル
ト、ガイド等の搬送装置を簡略化できると共に、処理槽
7の幅Wを小さくできることによって、装置全体の小型
化も可能になる。
【0040】また、上記処理槽7を縦型に形成してクリ
ーニング液面8aの面積を小さくしてあるので、クリー
ニング液8の蒸発による減少を従来に比べて抑えること
ができ、クリーニング液8の無駄が少なくなると共に、
クリーニング液8の補充回数が減ることによって液面管
理が容易になる。さらに、図7に示すように、処理槽7
の上縁部7aを内方に曲げこんで開口部7bをシートS
の搬送に支障がない程度に狭く形成するようにすれば、
クリーニング液8のこぼれ、蒸発による減少をさらに少
なくできる。なお、上記開口部7bは、図7に示すよう
に処理槽7と一体に形成してもよいし、処理槽7との継
ぎ目をシールした蓋状の別部材としてもよい。
【0041】本実施例では、収納部9の下部を拡幅して
形成したが、図8に示す収納部45のように、搬送経路
16の延長線を挟んで対向する側壁45a,45bの間
隔wを一定に形成すると共に、側壁45aの下端部を折
り曲げて傾斜した底面45cを形成してもよい。この収
納部45に、例えばA4サイズのシートSが縦長方向に
収納される場合には、上記側壁45a,45bの間隔w
を2〜10mmに、また、オフセットローラ10の挾持
部から底面45cの折り曲げ部45dまでの長さhをA
4サイズの長辺より2〜5mm短く設定するのが好まし
い。このようにすれば、収納部45にシートSを収納し
た場合、第1実施例と同様に、シートSの下方領域が湾
曲するので、オフセットローラ10の挾持部から解放さ
れた後も、シートSが有する弾性によってその上端部は
図6に斜線で示す略三角領域22のローラ表面に当接し
ており、オフセットローラ10が反転したときに挾持部
10cに誘導されて確実にニップされる。この場合、オ
フセットローラ10の回転は、シートSの上端部が挾持
部を通過した時から1/4回転以内で停止するのが好ま
しい。それは、オフセットローラ10の回転によって、
図6に斜線で示す略三角領域22からシートSの上端部
が2点鎖線23で示す状態に押し出されるのを防止し
て、排出時のシート上端部のニップをより確実なものに
するためである。なお、収納部の形状および寸法は、上
記収納部9,45のものに限られず、シートSの弾性を
利用して一旦解放されたシートSの上端部をオフセット
ローラ10の挾持部に再給紙できる形状等であればよ
い。
【0042】次に、本発明にかかる他の実施例について
説明するが、特記する構成以外は上記第1実施例と同じ
であるため、図面において同一部材には同一符号を付し
て説明を省略する。
【0043】図9〜11は、搬送手段15からクリーニ
ング液8中にシートSを一旦解放した後、シートSの上
端部を搬送手段15末端に配置されたオフセットローラ
10の挾持部で確実にニップしてシートSを排出できる
ようにするための再給紙機構を備えたシートクリーニン
グ装置を示している。まず、図9に示すシートクリーニ
ング装置では、収納部46の底部を開放し、その下方に
上下動可能な押し上げ部材47を設け、収納部46に収
納されシートSの下端部が押し上げ部材47に当接する
ようにしてある。この押し上げ部材47でシートSを押
し上げることによって、反転するオフセットローラ10
の挾持部に再給紙する。
【0044】また、図10に示すシートクリーニング装
置では、底部までの深さがシートSの長さにほぼ等しい
収納部48に、搬送経路16の延長線を挟んで円柱状の
押さえローラ49と、要50aを中心として矢印e方向
に回転可能な扇状断面を有する再給紙ローラ50とを設
けている。シートSが収納部48に収納されてクリーニ
ング液8中に浸漬されている間は、図10に示すよう
に、押さえローラ49と再給紙ローラ50とは離れてお
り、これらローラの間でシートSは解放状態にある。こ
のため、シートS表面のトナーはクリーニング液8によ
って十分に膨潤され、クリーニング不良を生ずることも
ない。一方、シートSを排出する際には、再給紙ローラ
50を矢印e方向に1回転させ、押さえローラ49との
間でシートSを挾持して上方に押し上げ、反転するオフ
セットローラ10の挾持部に再給紙する。なお、上記押
さえローラ49および再給紙ローラ50の形状は上記の
ものに限定されず、また、浸漬時にはシートSを解放状
態とし、再給紙時にシートSを両側から挟みこんで持ち
上げる構成であればすべてのものが適用可能である。
【0045】さらに、図11に示すシートクリーニング
装置では、オフセットローラ10の挾持部から収納部5
1の底部までの長さをシートSの長さにほぼ等しいか若
干短くなるように収納部51を形成すると共に、オフセ
ットローラ10を構成する一方のローラ10cを他方の
ローラ10dに対して矢印f方向に接離可能に設けてあ
る。シートSを収納部51に収納するときには、ローラ
10cはローラ10dから離れており、シートSの排出
時にはローラ10cをローラ10dに圧接してシートS
の上端部を挾持する。
【0046】なお、シートSの排出をより確実なものに
するため、図9〜11に示す再給紙機構を適宜組み合わ
せて用いてもよい。
【0047】次に、複数のシートをクリーニング液に同
時に浸漬可能な収納部を処理槽内に備えたシートクリー
ニング装置について図12〜14を参照して説明する。
図12に示すシートクリーニング装置の収納部55は、
搬送経路16に対して垂直方向(矢印g方向)に移動可
能に設けてあり、その内部は搬送経路16と平行に配置
された分割壁56によって複数の収納室57に分割され
ている。上記収納部55を移動させながら、複数の収納
室57にシートSを順次収納したのち、所定時間の浸漬
が完了したシートSから順に、即ち収納した順にシート
Sを取り出す。シートSを各収納室57から取り出す際
に、シートSの上端部をオフセットローラ10に再給紙
する方法は、上記で説明したシートSの弾性を利用した
方法または再給紙機構による方法のいずれかを用いる
(以下の実施例についても同様)。なお、上記収納部5
5の移動は、ラック&ピニオンを用いてモータ駆動す
る、ソレノイドで駆動する等で行うが、その方法は限定
されない。
【0048】図13に示すシートクリーニング装置の収
納部58は円筒形をなし、円筒状の処理槽7内に矢印i
方向に回転可能に設けてあり、収納部58の内部にはそ
の中心から放射状に配置された各一対の分割壁59によ
って複数の収納室60が形成されている。収納部58が
回転して収納室60がオフセットローラ10の挾持部
(図示せず)の対向位置にきたときに、シートSを各収
納室60に順次収納してクリーニング液8に所定時間浸
漬したのち、収納順にシートSを取り出す。また、図1
4に示すシートクリーニング装置の収納部61は、円筒
側面に形成した切欠開口部をオフセットローラ10に対
向配置され、その内部には放射状に形成された複数の収
納室62が矢印j方向に回転可能に設けてある。各収納
室62が矢印j方向の回転によってオフセットローラ1
0の挾持部に対向する位置にきたときにシートSが収納
または排出されることは、図13に示す収納部58の場
合と同様である。
【0049】以上に説明した図12〜14に示すシート
クリーニング装置によれば、複数のシートSをクリーニ
ング液8中に同時に浸漬できるので、シートSを1枚づ
つクリーニングする場合に比べて格段に処理能力をアッ
プすることができる。なお、上記収納部55,58,6
1における収納室57,60,62の数は適宜設定でき
る。
【0050】上記クリーニング液8について説明する。
複写シート等の記録媒体上に、少なくとも樹脂を含む印
字材料によって可視化された印字面をクリーニングする
クリーニング液は、上記印字材料の樹脂を溶解或いは
膨潤する成分、クリーニングした印字材料が再度紙へ
付着するのを防止するためにクリーニング後の印字材料
を凝集させる作用のある成分、記録材料の一つである
紙を繊維を膨潤させ、印字材料が紙繊維から離脱を起こ
し易い状態にする成分、クリーニング液の印字材料及
び紙への浸透性を高め、クリーニング時間の短縮に寄与
する成分などを必要に応じて配合し製造する。 印字材
料の樹脂を溶解或いは膨潤する成分としては、例えば二
価有機酸モノエステル、グリコールエーテル、その他の
有機溶剤が挙げられる。
【0051】二価有機酸モノエステルについて具体的に
説明すると、二価有機酸のモノエステルの二価有機酸と
しては、飽和あるいは不飽和脂肪酸、例えば、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、マゼライン酸、セバシン酸、マ
レイン酸あるいはフマル酸、または芳香族脂肪酸、例え
ばフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸等を使用
可能である。これらの中でもシュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸およびセバシン酸等の飽和脂肪酸が好
ましい。
【0052】二価有機酸のモノエステルのアルコール成
分としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、ペンタノール等の一価アルコール類
(直鎖あるいは分岐鎖であってもよい)、エチレングリ
コール、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソル
ビトール等の多価アルコール類、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレンングリコールおよびポリエチレングリ
コール等のグリコール類またはエチルセロソルブおよび
ブチルセロソルブ等のセロソルブ類が使用可能である。
これらのアルコールは単独であるいは2種以上混合して
使用することができる。
【0053】二価有機酸のモノエステルは上記二価有機
酸とアルコールとのエステル化反応によって、もしくは
二価有機酸ジエステルの加水分解反応によって与えられ
る。好ましい二価有機酸のモノエステルは下記一般式:
【0054】
【化1】HOOC−(CH2n−COOR1 (式中、R1は炭素酸1〜5のアルキル基を表し、nは
0〜8の整数を表す)で表されるものである。
【0055】具体的には、シュウ酸モノエステル(HO
OC−COOR1)、マロン酸モノエステル(HOOC
−CH2−COOR1)、コハク酸モノエステル(HOO
C−(CH22−COOR1)、グルタル酸モノエステ
ル(HOOC−(CH23−COOR1)、アジピン酸
モノエステル(HOOC−(CH24−COOR1)、
ピメリン酸モノエステル(HOOC−(CH25−CO
OR1)、スベリン酸モノエステル(HOOC−(C
26−COOR1)、アゼライン酸モノエステル(H
OOC−(CH27−COOR1)、セバシン酸モノエ
ステル(HOOC−(CH28−COOR1)等を挙げ
ることができる。もちろん二価有機酸モノエステルとし
ては単独であるいは2種以上混合して使用してもよい。
【0056】二価有機酸モノエステルは、カルボン酸基
の存在により、記録材料である紙の繊維を膨潤させ、印
字材料が紙繊維から容易に離脱を起こし易い状態にさせ
る材料である水と相溶するとともに、印字材料への浸透
力に優れ、エステル基の存在により、トナーへの膨潤、
溶解力が確保されていると考えられる。
【0057】クリーニング液全体における添加量は5〜
60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で使用
する。5重量%未満であると印字材料への膨潤性、溶解
性が劣り、クリーニング効果が無く、60重量%より多
いと、印字材料への溶解力が高まりすぎ、紙へ再付着し
やすくなる。
【0058】次に、グリコールエーテルについて具体的
に説明すると、例えばエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレング
リコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ
イソアミルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
エチルエーテル、トリプロピレンモノメチルエーテル等
が挙げられ、一種類あるいは二種類以上混合して使用し
ても良い。
【0059】グリコールエーテルは紙への浸透性も有す
る。クリーニング液全体における添加量は5〜95重量
%、好ましくは10〜80重量%の範囲で使用する。5
重量%未満であると印字材料への膨潤性、溶解性が劣
り、クリーニング効果が無く、95重量%より多いと、
印字材料への溶解力が高まりすぎ、紙へ再付着しやすく
なる。
【0060】その他の有機溶剤について具体的に説明す
ると、水と混合せず、かつトナーを溶解もしくは膨潤さ
せるものが挙げられる。例えばベンゼン、トルエン、キ
シレン、ジクロルメタン、メチルエチルケトン、酢酸メ
チル、酢酸エチル、エチルエーテル、プロピルエーテ
ル、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、酢酸ブチ
ル、エチルブチルアセタート、プロピオン酸メチル、プ
ロピオン酸エチル等が好適に用いられる。これらの有機
溶剤は単独でも2種以上混合しても用いられる。クリー
ニング液全体における添加量は10〜70重量%、好ま
しくは20〜60重量%の範囲で使用する。10重量%
未満であると印字材料への膨潤性、溶解性が劣り、クリ
ーニング効果が無く、70重量%より多いと、印字材料
への溶解力が高まりすぎ、紙へ再付着しやすくなる。
【0061】クリーニングした印字材料が再度紙へ付着
するのを防止するために、クリーニング後のトナー等の
印字材料を凝集させる作用のある成分としては、例えば
界面活性剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステルが挙げら
れる。
【0062】界面活性剤について具体的に説明すると、
陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオ
ン性界面活性剤および両性界面活性剤等が使用できる。
従来より、パルプ化した古紙のクリーニング剤として界
面活性剤が用いられているが、印字材料が樹脂である場
合、界面活性剤を単独で記録媒体に直接作用させてもク
リーニング作用は非常に弱いので本発明では上記したよ
うな樹脂を溶解あるいは膨潤する成分を含むことが好ま
しい。
【0063】陰イオン界面活性剤としては脂肪酸塩類、
アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルフォ
ン酸塩類、アルキルナフタレンスルフォン酸塩類、アル
キルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテル
ジスルフォン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、ナ
フタリンスルフォン酸ホルマリン縮合物、ポリカルボン
酸高分子界面活性剤等が好適に用いられ得る。
【0064】非イオン性界面活性剤としてはポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレン
コポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルアミン等が好適に用いられ得る。
【0065】陽イオン性界面活性剤あるいは両性界面活
性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム
塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等が好まし
い。上記各界面活性剤は、単独または2種以上混合して
使用できる。特に好ましい界面活性剤は、化学式;RO
(CH2CH2O)nH(式中、RはC21〜C22のア
ルキル基またはアルキルフェニル基、nは1〜10の整
数を表す)で示されるエチレンオキサイド付加型の非イ
オン界面活性剤である。
【0066】界面活性剤はクリーニングされた印字材料
を囲み込み、記録媒体に再付着しない効果をもたせる。
さらに、記録媒体が普通紙等の紙である場合、紙の編目
構造に内に入り込んで印字材料を囲み込み、繊維の奥深
く侵入した印字材料のクリーニングを容易にする作用も
ある。さらにまた、印字材料を溶解或いは膨潤する液が
水に不溶であり、かつ水をクリーニング液に使用する場
合は、安定なO/W型エマルジョンのクリーニング液を
つくる作用もある。
【0067】クリーニング液全体における添加量は0.
1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で
使用する。0.1重量%未満であると上記効果が得られ
にくく、10重量部より多いと泡などが多くなり、取扱
いが困難である。
【0068】高級脂肪酸について具体的に説明すると、
例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシ
ノール酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン
酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘニン酸、エルカ
酸、アビエチン酸、ロジン酸、ヤシ油、アマニ油、牛
油、トール脂肪酸、フィチン酸などが例示される。
【0069】高級脂肪酸エステルは、上記高級脂肪酸と
ヒドロキシ化合物、例えばメチルアルコール、エチルア
ルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の
アルコール類、エチレンングリコール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類と
のエステル化合物が好ましい。
【0070】高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸エステル
はクリーニング後の印字材料を凝集させて記録媒体に再
付着させない作用がある。クリーニング液全体における
添加量は5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%
の範囲で使用する。5重量%未満であると凝集効果が低
くなり、95重量%より多いと印字材料を溶解或いは膨
潤する液の効果を低下させる。
【0071】記録材料の一つである紙の繊維を膨潤さ
せ、印字材料が紙繊維から離脱を起こし易い状態にさせ
る成分としては、水が挙げられる。水のクリーニング液
全体における添加量はクリーニング液全体の1〜90重
量%、好ましくは30〜80重量%含有させる。水の使
用量が90重量%を越えると紙の繊維を破壊してしま
い、また、クリーニング後の乾燥に労力がかかりすぎる
ため好ましくない。水の使用量が1重量%より少ない場
合には、紙の繊維を広げる効果が得られず、クリーニン
グ液の紙内部への浸透が適当に行われない。樹脂を溶解
或いは膨潤する液の種類によって適当な量の設定をおこ
なう。
【0072】クリーニング液の印字材料及び紙への浸透
性を高め、クリーニング時間の短縮に寄与する成分とし
ては、例えば有機酸が挙げられる。具体的には、飽和脂
肪族カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、ピミル酸、カプロン酸、カプリル酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およ
びステアリン酸等、不飽和脂肪族カルボン酸、例えばア
クリル酸、プロピオール酸、メタクリル酸、クロトン
酸、オレイン酸、レノール酸、エルカ酸、リシノール
酸、アビエチン酸、ロジン酸、あるいは芳香族カルボン
酸、例えば安息香酸、トルイル酸、ナフトエ酸、ケイ皮
酸、2−フル酸、ニコチン酸およびイソニコチン酸等が
使用可能である。これらの有機酸は単独であるいは2種
以上混合して使用可能である。これらの中でもラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、リノール酸、エルカ酸、リシノール酸、アビエ
チン酸およびロジン酸等の高級脂肪酸が好ましい。それ
らの高級脂肪酸を含有してなるヤシ油、アマニ油、牛脂
および鯨油等も使用可能である。
【0073】有機酸はクリーニング液全体の1〜10重
量%含有させることが望ましい。本発明で使用する有機
酸のクリーニング作用における働きは、必ずしも明らか
でないが、本発明のクリーニング液のトナーおよび紙等
への浸透性をよくし、クリーニングの時間を短くし、効
率良くクリーニングする作用があると考えられる。
【0074】本発明のクリーニング液には本発明の効果
を損なわない範囲で、例えばメタノール、エタノール、
n−ブタノール、イソプロパノール、エトキシエタノー
ル等を加えてもよい。
【0075】クリーニングを容易にかつ効率的に行うた
めのそれぞれの成分の配合形態として、(二価有機酸モ
ノエステル、有機酸、界面活性剤、水)、(グリコール
エーテル系溶剤、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸エス
エル、界面活性剤、水)、(有機溶剤、界面活性剤、
水)などが例示できるが、装置との組み合わせにより、
これらに限定されないことはいうまでもない。
【0076】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかるシートクリーニング装置のよれば、処理槽に収
容されたクリーニング液にシートを侵入させたのちスイ
ッチバックして侵入経路と同じ経路をたどってクリーニ
ング液からシートを排出する搬送手段を処理槽内に設け
ているので、搬送経路の簡略化と処理槽の幅を小さくす
ることができ、よって装置の小型化及びクリーニング液
の蒸発の最小化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シートクリーニング装置の全体の概略構成を
示す図である。
【図2】 搬送手段を構成する各ローラの回転方向を説
明する図である。
【図3】 搬送手段の各ローラを正転させる場合の駆動
系を示す図である。
【図4】 搬送手段の各ローラを反転させる場合の駆動
系を示す図である。
【図5】 シートクリーニング装置の各ローラの駆動・
停止のタイミングチャートである。
【図6】 オフセットローラ近傍の拡大図である。
【図7】 処理槽の形状の変形例を示す図である。
【図8】 収納部の形状の変形例を示す図である。
【図9】 クリーニング液内に一旦解放されたシートを
搬送手段に再給紙する機構を備えたシートクリーニング
装置を示す図である。
【図10】 図8とは別の再給紙機構を備えたシートク
リーニング装置を示す図である。
【図11】 図8,9とはさらに別の再給紙機構を備え
たシートクリーニング装置を示す図である。
【図12】 複数の収納室を有する収納部を備えたシー
トクリーニング装置を示す図である。
【図13】 図11とは別の、複数の収納室を有する収
納部を備えたシートクリーニング装置を示す図である。
【図14】 図11,12とはさらに別の、複数の収納
室を有する収納部を備えたシートクリーニング装置を示
す図である。
【図15】 従来のシートクリーニング装置の一例を示
す概略図である。
【図16】 従来のシートクリーニング装置の他の例を
示す概略図である。
【符号の説明】
1…シートクリーニング装置、7…処理槽、8…クリー
ニング液、9…収納部、10…オフセットローラ、11
…ブラシローラ、12…搬送ローラ、14…絞りロー
ラ、15…搬送手段、S…シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 卓司 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 新子 治彦 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像が印刷されたシートから印刷材料を
    除去するクリーニング装置において、 クリーニング液が収容された処理槽と、この処理槽内に
    設けられ、シートをクリーニング液に侵入させて浸漬し
    たのち、スイッチバックして侵入経路と同じ経路をたど
    ってシートをクリーニング液から排出する搬送手段とを
    備えたことを特徴とするシートクリーニング装置。
JP711795A 1995-01-20 1995-01-20 シートクリーニング装置 Pending JPH08192126A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP711795A JPH08192126A (ja) 1995-01-20 1995-01-20 シートクリーニング装置
DE1996101704 DE19601704C2 (de) 1995-01-20 1996-01-18 Blattreinigungsgerät

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP711795A JPH08192126A (ja) 1995-01-20 1995-01-20 シートクリーニング装置

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JP (1) JPH08192126A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014214007A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 株式会社東芝 分別装置、検知方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014214007A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 株式会社東芝 分別装置、検知方法

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