JPH08188802A - 焼結コネクティングロッドの製造方法 - Google Patents

焼結コネクティングロッドの製造方法

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JPH08188802A
JPH08188802A JP7001381A JP138195A JPH08188802A JP H08188802 A JPH08188802 A JP H08188802A JP 7001381 A JP7001381 A JP 7001381A JP 138195 A JP138195 A JP 138195A JP H08188802 A JPH08188802 A JP H08188802A
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bearing
cap
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Jun Sakai
純 酒井
Hideo Urata
秀夫 浦田
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Resonac Corp
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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C7/00Connecting-rods or like links pivoted at both ends; Construction of connecting-rod heads
    • F16C7/02Constructions of connecting-rods with constant length
    • F16C7/023Constructions of connecting-rods with constant length for piston engines, pumps or the like

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Abstract

(57)【要約】 【目的】合わせ面が互いにかみ合う凹凸を有し位置決め
が容易な主体部とキャップ部に分割された、寸法精度の
よいコネクティングロッドを提供する。 【構成】コネクティングロッドの本体部1とキャップ部
2とを分割予定面で互いにずらして段差9をつけ、一体
成形して焼結した焼結体3を金型10内に挿入し、上下
パンチ21、31で段差9を零にするように剪断して、
分割予定面を対向させ、上下パンチ31、32、21で
焼結体3を圧縮して密度を上げ、外形を造形し、塑性変
形させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関、ピストン型
圧縮機、ポンプ等のコネクティングロッドを粉末冶金法
で製作する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のコネクティングロッドは、図
2に示すようにピストンピン孔1bを備えた小端部6
と、クランクシャフトに嵌合する軸受孔7aを備えた大
端部7とを棒部1aで連結した形状をしている。また、
組付けの都合上、大端部7側が分割予定面(合わせ面)
5で分割され、主体部1とキャップ部2からなってい
る。主体部1とキャップ部2とは図示していないボルト
孔にボルトを通して一体に固定される。また、使用時に
ピストンピン孔1b及びクランクシャフトの軸受孔7a
に軸受部材を装着して用いることがある。
【0003】コネクティングロッドの主体部1とキャッ
プ部2を粉末冶金法で製作する場合、主体部1とキャッ
プ部2を一体形状に圧粉成形及び焼結し、必要に応じて
鍛造を施して高密度とした後、クランクシャフトの軸受
孔7aの中心を通る分割予定面(合わせ面)5で分割す
る。この分割方法としては、例えば、実公昭57−47
453号公報、特公平2−26087号公報記載のよう
に、破断予定部に予め分割補助孔を設けておき破断する
方法、特公昭58−44890号公報記載のように、破
断予定部の両端面に切り欠き溝を設け、残りの肉部を破
断したのち切削加工する方法、破断予定部に浸炭焼き入
れにより硬さの異なる部分を設けておき、破断すること
により破面を凹凸にする方法、特開平1−272705
号公報記載のように、成形体に破断予定部となる箇所に
溝を設けて焼結と鍛造を行うことにより、溝部に酸化被
膜を形成したのち破断する方法、特開昭59−1077
05号公報記載のように、一体形状の焼結体を金型内で
主体部とキャップ部とをパンチでずらして剪断分離し、
各部分を更に圧縮し鍛造する方法等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一体に成形した焼結体
または鍛造体を切断し切削加工により寸法形状を整える
旧来の方法に比べ、前記した従来の破断分割方法によれ
ば、その破断面をそのまま合わせ面とすることができ、
合わせ面に互いに噛み合う凹凸が生じるので主体部とキ
ャップ部の位置決めができるという利点がある。
【0005】一方、分割するには大きな破壊荷重を必要
とすること、アルミニウム合金のように延性の高い材料
の場合は変形を生じるので、材料の選定に制約があるこ
と、合体整合して組み付けするときの位置決め作業性に
改善の余地がある等の課題が挙げられる。焼結体を金型
内で剪断し、それぞれを鍛造する方法においては、剪断
に大きな圧力を必要とし、鍛造装置が複雑な構造とな
り、また、分割された端面に前記のような凹凸を形成す
ることができないので、位置決め作業性が劣る等の課題
が挙げられる。
【0006】また、従来のコネクティングロッドの製造
方法では、主体部とキャップ部の要求特性或いは軸受部
の要求特性に沿うように、各部の材質を変えることが困
難であった。本発明は、上記状況に鑑み、主体部とキャ
ップ部とに分割することが容易で、整合組み付け時の位
置決め作業性及び組立て寸法精度のよい焼結コネクティ
ングロッドを提供すること、及びクランクシャフトの軸
受部分の機能を考慮したコネクティングロッドを提供す
ることを目的になされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のために、
本発明は、コネクティングロッドの主体部とキャップ部
とを分割予定面に沿って互いにずれのある一体成形体に
圧粉成形し、焼結体とし、該ずれを零にする方向に該焼
結体を金型内で圧縮して分割予定面に剪断を付与し、つ
いで分割予定面が密着するまで加圧し塑性変形させるこ
とを特徴とする焼結コネクティングロッドの製造方法を
提供する。
【0008】また、コネクティングロッドの主体部とキ
ャップ部とに分割されるいずれか一方を、分割予定面に
沿って互いにずれを付与した大端部軸受を一体に取付け
て成形し、他方を大端部軸受を除外して成形し、主体部
とキャップ部の焼結体の分割予定面を対向させて軸受の
前記ずれを零にする方向に金型内で加圧して軸受の分割
予定面に剪断を付与し、ついで、主体部とキャップ部と
の分割予定面を対向させ、各分割予定面及び軸受の外周
面とその対向部材の内周面が密着するまで加圧し塑性変
形させることを特徴とする焼結コネクティングロッドの
製造方法を提供する。この場合前記主体部とキャップ部
が異なる合金であってもよい。
【0009】これらの方法において、塑性変形による余
肉を大端部軸孔内に形成すること、コネクティングロッ
ドのキャップ部及びクランクシャフト軸受部分の密度を
低く形成するために、主体部よりもキャップ部の高さが
薄いかまたは密度が低い焼結体を用いること、主体部焼
結体とキャップ部焼結体が異なる合金とすること、及び
主体部焼結体とキャップ部焼結体をアルミニウム合金と
することができる。
【0010】
【作用】分割予定面に沿って互いにずらした一体成形の
焼結体を、その分割予定面の端面が揃う方向に上下から
圧縮すると、互いにずらして成形した部分が縦方向に剪
断され、主体部とキャップ部が分割されて分割予定面が
対向した状態になる。この剪断は、大端部厚さの全部を
剪断する場合に比べて、焼結体は分割予定面に沿ってず
らして形成しているので剪断する面積が少なく、低い加
圧力で行うことができる。
【0011】剪断された面は分割予定面であり、この面
が対向した状態になる。各部材を更に圧縮すると、部材
は塑性変形して密度が上昇しコネクティングロッドの形
に造形されると共に、分割予定面が密着する。この密着
した分割予定面は、塑性流動によってうねりと波状の凹
凸(しわ)、及び剪断面の凹凸に起因する凹凸が形成さ
れる。
【0012】この密着は適度な接合強度を有しているの
で、切削加工やねじ孔の加工を行う際に部材が分割され
たりずれ動くことがない。従って、加工能率及び加工精
度の点で好都合となる。また、この密着は脆性な結合を
しているので、接合力はそれ程強固なものではないた
め、外力を与えることにより分割することができる。一
旦分割した後、再び整合組立てするときに、うねりや凹
凸によって組立て時の位置合わせを精度よく容易に行う
ことが可能となる。
【0013】塑性加工の際に、大端部軸孔に余肉(ウエ
ブ)を形成するようにすると、余肉部は材料が比較的強
固に接合されているので、両部材を分割し難くする作用
がある。余肉の大小によって部材の結合力を調整するこ
とができ、切削加工などで除去すれば分割が容易にな
る。主体部またはキャップ部のいずれかに、大端部の軸
受を形成するように半円の軸受を分割予定面に沿ってず
らした形状に形成した焼結体を用いた場合も同様で、ず
らした部分に半円の軸受を押圧剪断して分割端面を対向
させ、しかるのちに全体を上下から圧縮して塑性流動さ
せると各対向する端面は当接して密着状態になる。ま
た、半円の軸受部の外周面と相手部材の内周面も塑性変
形しあって、互いに密着した状態になる。
【0014】この塑性変形の際に、余肉を大端部軸孔内
に形成するようにすると、軸受部の材料は余肉部に向か
って塑性流動するので、対向している相手部材も余肉の
裏側で塑性流動して接触面積が多くなり、軸受部と相手
部材は一層強固に接着された状態になる。主体部と比較
して、キャップ部側または剪断され相手部材と密着する
半円の軸受部の高さを短くするかまたは密度が低い焼結
体を用いて塑性加工すると、剪断が容易となり、密着し
た分割予定端面のうねりが大きくなると共に、キャップ
部及び大端部の軸受の密度が低いコネクティングロッド
が得られ、キャップ部材及び軸受の気孔中に含油するこ
とができ、摺動中の潤滑を助ける。また、キャップ部の
重さが軽くなり作動中の慣性を少なくする。
【0015】この製造方法によれば、キャップ部側を摺
動特性を重視した合金とし、主体部側を強度を重視した
合金にした材料組合わせにするとか、主体部側素材を強
度及び摺動特性に優れた合金を用い、キャップ部を低級
な合金にするとか、キャップ部及び軸受を多孔質で摺動
特性に優れた合金にするというように、異なる合金の組
み合わせにすることが可能で、コネクティングロッドの
特性に個性を付与することができる。
【0016】また、従来より小さい力で分割することが
できるので、特に従来法では変形し易かったアルミニウ
ム合金製の製品に適しており、延性に優れているので、
塑性加工により生じるうねりと波状の凹凸(しわ)が大
きくなり、組み付け時の位置決めを正確に精度よく容易
に行うことができる。なお、焼結体の分割予定面に油、
樹脂、離型剤、黒鉛等の被膜を設けて塑性加工すると結
合力が低下し、分割を容易にする。塑性加工は、合金の
種類、必要な密度等により冷間、温間、熱間のいずれか
が適用される。合金の性質を高めるために、必要に応じ
て熱処理や表面処理することは従来と同様である。
【0017】主体部とキャップ部の分割は、分割予定面
を境にして折り曲げたり、軸孔にテーパピンを圧入した
り、軸孔中に半割り治具を装着し、くさびで治具を拡張
する方法などにより行うことができる。
【0018】
【実施例】
〔実施例−1〕以下、図面を参照して本発明を説明す
る。図1は本発明の理解を容易にするための塑性加工方
法を説明する断面図である。金型装置は、ダイ10に下
パンチ21が嵌合され、上ラム40には上第1パンチ3
1及び上第2パンチ32を備えている。上第1パンチ3
1は油圧シリンダ41を介して進退可能となっている。
焼結体3は段差9を備えた段違い形状をしており、図1
(a)に示すようにダイキャビティに挿入される。焼結
体3は分割予定面から分割されるもので、分割予定面は
互いにずれを生ずるように生成されたもので、そのずれ
が段差9となっている。
【0019】この段差9は焼結体3の分割予定面と一致
させて設けたものである。ついで図1(b)に示すよう
に、上ラム40を下げ、上パンチ31,32を焼結体3
に当接したのち、更に上ラム40を降下させると、油圧
シリンダ41のピストンが上昇して上第1パンチ31が
焼結体3を保持した状態になり、上第2パンチ32は焼
結体3を押し下げて段差9の部分から剪断し、図1
(c)に示すように焼結体3の上端面が揃った状態にな
る。更に上ラム40を降下すると焼結体3は圧縮され、
塑性変形して外形が造形されると共に分割予定面5は密
着接合される。その後、図1(d)に示すように上ラム
40及び下パンチ21を上昇して、塑性加工体は離型さ
れる。
【0020】図2はコネクティングロッドの上面図、図
3は、図2のA−A断面図で、コネクティングロッドの
焼結体の形状を示したものである。大端部7の分割予定
面5に段差9を備えた段違い形状をしている。この焼結
体は、鉄系、アルミ系合金組成等の混合粉を圧粉成形及
び焼結したものである。焼結体は、その合金の種類及び
コネクティングロッドの要求特性に応じて、常温のまま
で、または加熱されて金型中で圧縮し塑性加工される。
【0021】図4及び図5は、図3のコネクティングロ
ッドの塑性加工の過程を表す縦断面図である。金型はダ
イ10、下パンチ21、小径コア11、大径下コア12
b、端面に突起12dを備えた大径上コア12a、大径
コアの中心線で分割され分割面33で摺接する上第1パ
ンチ31及び上第2パンチ32から構成されている。大
径コアは、上下に分割された構造であるが、小径コア1
1の構造と同様に1本のコアでも可能である。
【0022】図4に示すように、焼結体3を金型キャビ
ティ上にセットし、下パンチ21を下降すると共に、両
上パンチ31,32及び大径上コア12aを下降させ
て、両上パンチ31,32は焼結体3の上端面を押さ
え、大径上コア12aは焼結体3の軸受孔7aに進入し
て大径下コア12bに当接する。さらに両上パンチ3
1,32及び大径上コア12aを下降させると、下パン
チ21及び大径下コア12bが追従して下降し、焼結体
3は金型内に挿入される。続いて上第2パンチ32だけ
が下降し、焼結体のキャップ部2がダイ孔と上第1パン
チ31の側面及び大径コア12a,12bにガイドされ
て降下する。このとき焼結体3は、段差9に沿って剪断
され、主体部1とキャップ部2の各分割予定面が対向す
る。そして上下各パンチ31,32,21で焼結体を圧
縮すると、図5に示すように、焼結体3の密度が上昇
し、外形が造形され、塑性流動し、剪断された分割端面
が密着すると共に、上下の大径コア12a,12bが対
向する隙間12cに余肉(ウエブ)7bが形成される。
塑性加工体の離型は金型を図4の状態に復帰させること
により行われる。
【0023】コネクティングロッド塑性加工体の分割予
定面5は、うねりと塑性流動によって生じる波形の凹凸
面で密着し、余肉部を設けた場合は、その部分の塑性流
動が多いから強い接着状態になっている。余肉部の着い
た状態は分割に要する力が高く、余肉部を除去すると分
割にかかる力が少なくなる。塑性加工体の分割予定面の
接着力を低くし、分割を容易にしたい場合は、塑性変形
量を少なく、余肉を小さく、焼結体の段差9面に離型剤
を塗布して塑性加工を行う。
【0024】焼結体のキャップ部2の密度を主体部1よ
り低く形成すると、剪断が容易で、剪断された面の凹凸
が比較的大きくなり、主体部とキャップ部を組み合わせ
るときの位置決め性をよりよくすることができ、また、
塑性加工体のキャップ部重量が減少して使用中の慣性損
失を少なくすることができる。焼結体のキャップ部2の
厚さを主体部1より薄くしても前記とほぼ同様な効果を
得ることができる。
【0025】主体部1とキャップ部2の分割は、一方を
固定して他方を折り曲げるようにするか、軸受孔にテー
パピンを挿入する等により行われる。分割された分割予
定面5はうねりと波形の凹凸があり、再び組み立てると
きにうねりと凹凸を利用すれば位置決めが容易で精度を
よく整合することができる。ボルト孔加工、軸受孔加工
等は、塑性加工体に施すことが好ましいが、分割したの
ち整合して治具などで固定しても可能である。必要に応
じて熱処理することは従来と同様である。 〔実施例−2〕次に、図6及び図7は、半円の軸受部8
を備えた焼結コネクティングロッドの上視図である。図
1と異なる点は、図6ではキャップ部2と軸受部8が、
図7では主体部1と軸受部8とが同じ材料からなってい
ることである。
【0026】このように構成すると、例えば図6の場
合、主体部1は強度を重視した材料とし、キャップ部2
と軸受部8は摺動特性を重視した材料にすることがで
き、図7では、主体部1と軸受部8は強度及び摺動性の
よい材料とし、キャップ部2は低級な材料にする等の組
合わせができるので、コネクティングロッドがもつ特性
を改善することができる。
【0027】以下、図6に示した構造の場合を例に、そ
の製法を説明する。図8は、図6に示す焼結体のA−A
断面図、図9は図6の斜視図である。主体部1の外観は
実施例−1と同じで、強度を重視した材料が選択されて
いる。キャップ部2は分割予定面5に半円状の軸受部8
が段違いに着いた一体形状で、粉末成形により造形され
る。摺動耐摩耗性を重視し密度が低い材料が選択されて
いる。
【0028】例えば、キャップ部2の焼結合金は、特願
平6−37606号で提案したアルミニウム焼結合金
で、組成はAl−Si−Cu−Mg系の合金を基本とし
ており、初晶Siが分散した状態で所定量のSiを含有
するAl−Si系合金相と、比較的に軟質なAl固溶体
相との斑組織を呈しており、斑組織の面積比が20〜8
0:80〜20で、Al−Si系合金相中の初晶Siの
最大粒径が5〜60μmに特定することにより、強度と
耐摩耗性を兼ね備え、更に遷移金属を所定量含有してい
ることで粒界のCu合金相が減少し、延性も改善されて
いる合金である。この合金の製法は、Al−20%Si
合金粉と純Al粉を例えば60:40の割合で混ぜ合わ
せた粉末にCu−4%Ni合金粉とAl−50%Mg合
金粉とを混合し、全体組成でSi12%、Cu3%、M
g0.5%、Ni0.13%、残部Alとし、この混合
粉を圧粉及び焼結する。
【0029】また、主体部1の焼結合金は、例えば上記
焼結合金と同様であるが、異なる点は焼結条件を変えて
Al−Si系合金相中の初晶Siの最大粒径を5μm以
下にしたもので、溶体化及び時効処理後の引張り強さは
約420MPaであり、キャップ部の焼結合金の引張り
強さ約370MPaより高い合金である。このような焼
結体を金型内で軸受部8の半円端面を押圧すると、軸受
部8の半円部が段差9に沿って剪断され、主体部1、半
割り状の軸受部8、キャップ部2とが一列に配置された
状態になる。
【0030】そして焼結体全体を圧縮すると、実施例−
1と同様に密度が上昇すると共に造形され、剪断面5a
と段差9面、及び主体部1の半円端面と半割り状の軸受
部8の外周面とが密着接合される。 〔実施例−3〕図10は、分割されていない大径コアを
用いた金型で塑性加工を行ったコネクティングロッドの
断面図である。軸受孔7aにテーパピンを挿入すると、
分割予定面5に割れを生じ分割できる。分割面はうねり
と波状の凹凸が生じ、組み付け性が良好なことは実施例
−1、実施例−2の場合と同様である。軸受部8は、強
い衝撃を与えると主体部1から剥離するが、整合して使
用するときはキャップ部2で押さえ込まれ移動すること
はない。 〔実施例−4〕図11は、半円状の軸受部8の剪断は前
記と同様であるが、塑性加工用金型の大径コアを前記し
た図4のように上下に分割し、圧縮時に隙間12Cを形
成するようにした構造の金型を用い、軸受孔7aに余肉
7bを形成させた場合の大端部断面図である。このよう
にすると、半円状の軸受部8が軸受孔7aの内径に塑性
流動するため、主体部1の材料も追従する結果、主体部
1と半円状の軸受部8は強固に接着した状態になる。
【0031】主体部1の密度が高いから連結棒の強度が
高く、軸受部分及びキャップ部の気孔に含油され潤滑性
に優れる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
は、主体部とキャップ部とが分割予定面に沿って互いに
ずれがある段違いな形状の焼結体を金型内で各上下端面
が揃う方向すなわちずれが零になる方向に圧縮して分割
予定面から剪断し、両部材の分割予定面を対向させ、更
に全体を圧縮して分割予定面が密着するまで塑性変形す
るものであるから、本発明方法によれば製作中のワーク
の取り扱い性がよく、剪断荷重が低くてすみ、塑性加工
体の分割端面の適度な接着性により、ボルト孔加工など
の際の両部材固定手段を省略できるほか、塑性加工によ
って生じるうねりと波状の凹凸により、整合組み付けの
作業性及び組み付け精度に優れるコネクティングロッド
が得られる。
【0033】また、主体部またはキャップ部のいずれか
に大端部軸受を形成するように半円状の軸受を段違いに
付設した焼結体を用いて、金型内で半円状軸受部を前記
と同様に剪断及び塑性変形する方法によれば、前記と同
様な効果のほか、主体部と軸受部及びキャップ部の特性
を変えることができ、コネクティングロッドに個性を付
与できるから、用いられる装置の性能向上に寄与する等
の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塑性加工方法を説明する金型装置断面
図である。
【図2】コネクティングロッドの上視図である。
【図3】焼結体の縦断面図である。
【図4】塑性加工用金型構造及び塑性加工を説明する縦
断面図である。
【図5】焼結体を塑性加工した状態を説明する金型縦断
面図である。
【図6】コネクティングロッドの上視図である。
【図7】コネクティングロッドの上視図である。
【図8】焼結体の縦断面図である。
【図9】焼結体の斜視図である。
【図10】塑性加工体の縦断面図である。
【図11】余肉を形成した塑性加工体大端部の縦断面図
である。
【符号の説明】
1 主体部 2 キャップ部 3 焼結体 5 分割予定面 5a 剪断面 6 小端部 7 大端部 7a 軸受孔 7b 余肉部 8 軸受部 9 段差 10 ダイ 11 小径コア 12 大径コア 12d 突起 21 下パンチ 31 上第1パンチ 32 上第2パンチ 40 上ラム 41 油圧シリンダー 51 剪断面 91 余肉部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コネクティングロッドの主体部とキャッ
    プ部とを分割予定面に沿って互いにずれのある一体成形
    体に圧粉成形し、焼結体とし、該ずれを零にする方向に
    該焼結体を金型内で圧縮して分割予定面に剪断を付与
    し、ついで分割予定面が密着するまで加圧し塑性変形さ
    せることを特徴とする焼結コネクティングロッドの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 コネクティングロッドの主体部とキャッ
    プ部とに分割されるいずれか一方を、分割予定面に沿っ
    て互いにずれを付与した大端部軸受を一体に取付けて成
    形し、他方を大端部軸受を除外して成形し、主体部とキ
    ャップ部の焼結体の分割予定面を対向させて軸受の前記
    ずれを零にする方向に金型内で加圧して軸受の分割予定
    面に剪断を付与し、ついで、主体部とキャップ部との分
    割予定面を対向させ、各分割予定面及び軸受の外周面と
    その対向部材の内周面が密着するまで加圧し塑性変形さ
    せることを特徴とする焼結コネクティングロッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記主体部とキャップ部が異なる合金で
    あることを特徴とする請求項2に記載の焼結コネクティ
    ングロッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 塑性変形による余肉を大端部軸孔内に形
    成することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    焼結コネクティングロッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記主体部よりもキャップ部の高さが薄
    いかまたは密度が低い焼結体を用いることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の焼結コネクティングロ
    ッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記主体部とキャップ部がアルミニウム
    合金であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の焼結コネクティングロッドの製造方法。
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CN107377980A (zh) * 2017-08-22 2017-11-24 山西东睦华晟粉末冶金有限公司 新能源汽车用螺纹连接连杆体及其制备方法

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