JPH08187842A - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置Info
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- JPH08187842A JPH08187842A JP175795A JP175795A JPH08187842A JP H08187842 A JPH08187842 A JP H08187842A JP 175795 A JP175795 A JP 175795A JP 175795 A JP175795 A JP 175795A JP H08187842 A JPH08187842 A JP H08187842A
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- ink
- particles
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- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】インク粒子の飛行軌道を安定化させ、安定した
印字品質の得られるインクジェット記録装置を提供す
る。 【構成】ノズル1と電歪素子2と励振電源3とからイン
クを粒子化する手段と、荷電電極4でインク粒子に電荷
を与える手段と、電荷を有したインク粒子6を偏向電極
5で作られた偏向電界7により偏向制御する手段とを備
え、インク粒子6を所定軌道で飛行させ所定位置に到達
させて 被印字物12上に印字ドット13を形成し印字
するインクジェット記録装置において、コロナ放電機1
8と高圧電源19とから構成される電離イオン化手段で
作られた 正負の電荷を有するイオンを、送風手段17
と管路16とエアーノズル14とから構成されるイオン
吹付手段から、被印字物12または該被印字物の周辺部
材に吹き付けて、被印字物12等に帯電した電荷を除去
する除電手段を設けたものである。
印字品質の得られるインクジェット記録装置を提供す
る。 【構成】ノズル1と電歪素子2と励振電源3とからイン
クを粒子化する手段と、荷電電極4でインク粒子に電荷
を与える手段と、電荷を有したインク粒子6を偏向電極
5で作られた偏向電界7により偏向制御する手段とを備
え、インク粒子6を所定軌道で飛行させ所定位置に到達
させて 被印字物12上に印字ドット13を形成し印字
するインクジェット記録装置において、コロナ放電機1
8と高圧電源19とから構成される電離イオン化手段で
作られた 正負の電荷を有するイオンを、送風手段17
と管路16とエアーノズル14とから構成されるイオン
吹付手段から、被印字物12または該被印字物の周辺部
材に吹き付けて、被印字物12等に帯電した電荷を除去
する除電手段を設けたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に係り、特に、安定した印字品質を得るインクジェッ
ト記録装置の構造に関する。
置に係り、特に、安定した印字品質を得るインクジェッ
ト記録装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術のインクジェット記録装置の構
成を図3に示し、これについて説明する。インクジェッ
ト記録装置の記録動作中、インク容器9からポンプ10
により送られたインクは、調圧弁11により所定の液圧
に調整される。その後インク流はノズル1に供給される
が、ここで電歪素子2に、適切な周波数と電圧が励振電
源3より印加され、インクは粒子化される。インクが粒
子化する位置に設けられた帯電電極4により、個々のイ
ンク粒子6に所定の電荷が与えられる。そして、次の偏
向電極5によって発生した偏向電界7部を通過する際
に、個々のインク粒子6の帯電量に応じた偏向力を受け
る。その後インク粒子6は直線的に飛行し、被印字物1
2の上に接触し、印字ドット13を形成する。帯電電極
4で電荷を与えられなかったインク粒子は、ガター8か
らインク容器1に回収される。
成を図3に示し、これについて説明する。インクジェッ
ト記録装置の記録動作中、インク容器9からポンプ10
により送られたインクは、調圧弁11により所定の液圧
に調整される。その後インク流はノズル1に供給される
が、ここで電歪素子2に、適切な周波数と電圧が励振電
源3より印加され、インクは粒子化される。インクが粒
子化する位置に設けられた帯電電極4により、個々のイ
ンク粒子6に所定の電荷が与えられる。そして、次の偏
向電極5によって発生した偏向電界7部を通過する際
に、個々のインク粒子6の帯電量に応じた偏向力を受け
る。その後インク粒子6は直線的に飛行し、被印字物1
2の上に接触し、印字ドット13を形成する。帯電電極
4で電荷を与えられなかったインク粒子は、ガター8か
らインク容器1に回収される。
【0003】この構成から明らかなように、偏向電極5
を通過した後の個々のインク粒子6は被印字物12に到
達するまでの間、直線運動することが正確な印字ドット
13を得るための前提となっている。すなわち、偏向電
極5を出た後、飛行中に何らかの力が作用すると、所定
の軌道で被印字物に到達しないので、印字ドット13
は、設定通りの文字や図形を描かなくなってしまうので
ある。
を通過した後の個々のインク粒子6は被印字物12に到
達するまでの間、直線運動することが正確な印字ドット
13を得るための前提となっている。すなわち、偏向電
極5を出た後、飛行中に何らかの力が作用すると、所定
の軌道で被印字物に到達しないので、印字ドット13
は、設定通りの文字や図形を描かなくなってしまうので
ある。
【0004】ここで偏向後の飛行中のインク粒子6に作
用する力には、インク粒子間の電気的な相互作用以外
に、空気の摩擦抵抗力、重力、横方向に吹く風の風圧
力、および飛行空間中の電界の乱れによるクーロン力の
四つの力が作用する。これらの力の作用を全く受けない
条件であれば、偏向電界7を通過する際の偏向制御作用
にしたがって、適正な印字ドット13が形成され、印字
品質が確保される。
用する力には、インク粒子間の電気的な相互作用以外
に、空気の摩擦抵抗力、重力、横方向に吹く風の風圧
力、および飛行空間中の電界の乱れによるクーロン力の
四つの力が作用する。これらの力の作用を全く受けない
条件であれば、偏向電界7を通過する際の偏向制御作用
にしたがって、適正な印字ドット13が形成され、印字
品質が確保される。
【0005】これらのうち摩擦抵抗力と重力は、全ての
インク粒子6に対して常にほぼ一様に作用するために、
印字品質にはそれ程影響を与えない。一方、風圧力やク
ーロン力については、これらが突発的に発生し、作用し
た場合には印字品質に大きな影響を与えるものである。
このうち、風圧力については、風をさえぎるためのスカ
ート構造を設けるなどのような比較的簡単な構成で容易
に防ぐことが可能である。そして、クーロン力が、特に
ここで対象とする荷電制御型のインクジェット記録装置
特有の作用である。インク粒子に帯電させ、個々の粒子
の帯電量の変化を利用する本構成の場合、飛行空間の電
界が経時的に変化するような環境において、各時点での
偏向量に乱れが生じ、その結果、印字ドットの形状にも
乱れが発生する。
インク粒子6に対して常にほぼ一様に作用するために、
印字品質にはそれ程影響を与えない。一方、風圧力やク
ーロン力については、これらが突発的に発生し、作用し
た場合には印字品質に大きな影響を与えるものである。
このうち、風圧力については、風をさえぎるためのスカ
ート構造を設けるなどのような比較的簡単な構成で容易
に防ぐことが可能である。そして、クーロン力が、特に
ここで対象とする荷電制御型のインクジェット記録装置
特有の作用である。インク粒子に帯電させ、個々の粒子
の帯電量の変化を利用する本構成の場合、飛行空間の電
界が経時的に変化するような環境において、各時点での
偏向量に乱れが生じ、その結果、印字ドットの形状にも
乱れが発生する。
【0006】ここで飛行空間の電界強度が経時的に変化
する環境として、様々な場合が考えられる。インクジェ
ット記録装置は搬送コンベア等を高速で流れる被印字物
のロットナンバー印字などの記録に用いられることが多
いが、例えばこの被印字物が電気不導体からなるもの
で、高速で回転しながら流れるような場合、その摩擦に
よって被印字物やその周辺部材が帯電する。この帯電現
象により、被印字物側から電界が発生し、インク粒子は
クーロン力により引き付けられたり、逆に反発されたり
して、印字ドットの形状に乱れが生じる。被印字物の帯
電強度は、その材質や表面状態、あるいは移動する速度
や湿度などの環境にも大きく影響を受けるために一定で
はなく、即ち、被印字物側からの電界強度も不定期に変
動する。従って、インクの粒子化条件をある条件で設定
しても、不定期に印字ドット形状に乱れが発生する。
する環境として、様々な場合が考えられる。インクジェ
ット記録装置は搬送コンベア等を高速で流れる被印字物
のロットナンバー印字などの記録に用いられることが多
いが、例えばこの被印字物が電気不導体からなるもの
で、高速で回転しながら流れるような場合、その摩擦に
よって被印字物やその周辺部材が帯電する。この帯電現
象により、被印字物側から電界が発生し、インク粒子は
クーロン力により引き付けられたり、逆に反発されたり
して、印字ドットの形状に乱れが生じる。被印字物の帯
電強度は、その材質や表面状態、あるいは移動する速度
や湿度などの環境にも大きく影響を受けるために一定で
はなく、即ち、被印字物側からの電界強度も不定期に変
動する。従って、インクの粒子化条件をある条件で設定
しても、不定期に印字ドット形状に乱れが発生する。
【0007】一方、インク粒子の中に、インク流を粒子
化する際の切断が完全でなく、サテライトと呼ばれる微
小なインク粒子が発生することがある。このサテライト
の重量が小さいために、慣性力が小さい上に、単位重量
当りに受ける空気抵抗力が正常な大きさのインク粒子に
比較して大きく、この結果、サテライトの直進速度は低
下し、電界の乱れに伴う偏向度合が大きくなる。サテラ
イトについては、インクの吐出圧力や励振条件等を調整
することでその発生頻度は少なくすることはできるが、
完全に無くすことは困難であり、また使用中の温度、湿
度等の環境変化や、インク自体の若干の変質等によっ
て、粒子化設定条件が初期の最適条件からずれてしま
い、発生しやすくなるというような場合もある。
化する際の切断が完全でなく、サテライトと呼ばれる微
小なインク粒子が発生することがある。このサテライト
の重量が小さいために、慣性力が小さい上に、単位重量
当りに受ける空気抵抗力が正常な大きさのインク粒子に
比較して大きく、この結果、サテライトの直進速度は低
下し、電界の乱れに伴う偏向度合が大きくなる。サテラ
イトについては、インクの吐出圧力や励振条件等を調整
することでその発生頻度は少なくすることはできるが、
完全に無くすことは困難であり、また使用中の温度、湿
度等の環境変化や、インク自体の若干の変質等によっ
て、粒子化設定条件が初期の最適条件からずれてしま
い、発生しやすくなるというような場合もある。
【0008】そしてサテライトは、正常なインク粒子に
比較して重量当たりの帯電量が大きく、偏向電極5の偏
向作用も大きく受けるために、被印字物12の印字領域
外にまではみ出したり、被印字物12やその周辺部材が
帯電し周辺電界に乱れがあった場合に反発したサテライ
トが偏向電極5にまで周回したりして、偏向電極5など
を汚染する。更に、極端な場合は、偏向電極側に引き付
けられてサテライトが周回し、偏向電極上に局部的に蓄
積したサテライトが偏向電極5の間隙を短絡し印字不能
に陥ることもある。
比較して重量当たりの帯電量が大きく、偏向電極5の偏
向作用も大きく受けるために、被印字物12の印字領域
外にまではみ出したり、被印字物12やその周辺部材が
帯電し周辺電界に乱れがあった場合に反発したサテライ
トが偏向電極5にまで周回したりして、偏向電極5など
を汚染する。更に、極端な場合は、偏向電極側に引き付
けられてサテライトが周回し、偏向電極上に局部的に蓄
積したサテライトが偏向電極5の間隙を短絡し印字不能
に陥ることもある。
【0009】このような問題の対策技術としては、特開
昭55−61478号や特開昭58−185270号公
報に開示されているように、インク粒子の飛行路にイン
ク飛行方向と直角な方向の強い空気流を設け、空気抵抗
を受け易い微小インク粒子のみを取り除くという技術が
ある。
昭55−61478号や特開昭58−185270号公
報に開示されているように、インク粒子の飛行路にイン
ク飛行方向と直角な方向の強い空気流を設け、空気抵抗
を受け易い微小インク粒子のみを取り除くという技術が
ある。
【0010】また、特開昭50−98239号公報に開
示されているように、正常インク粒子相互の静電的干渉
を防止するために、偏向電極を通過した直後にインク粒
子の帯電電荷を除電機構を用いて電気的に中和する技術
もある。
示されているように、正常インク粒子相互の静電的干渉
を防止するために、偏向電極を通過した直後にインク粒
子の帯電電荷を除電機構を用いて電気的に中和する技術
もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
特開昭55−61478号等の従来技術には、はみ出し
た微小インク粒子を回収するための装置構成が複雑なば
かりでなく、多量の空気をインク容器に巻き込みながら
回収することになり、空気中の水分や塵埃等の混入度が
高まってしまうという欠点があった。
特開昭55−61478号等の従来技術には、はみ出し
た微小インク粒子を回収するための装置構成が複雑なば
かりでなく、多量の空気をインク容器に巻き込みながら
回収することになり、空気中の水分や塵埃等の混入度が
高まってしまうという欠点があった。
【0012】また、後者の特開昭50−98239号の
従来技術には、偏向電極を通過した直後のインク粒子が
除電装置を通過する微小時間の間にインク粒子を電気的
中和させる必要があるために、強い電界を発生する必要
があり、この電界が偏向電極の偏向電界を乱すという、
さらに、これらの電界相互の干渉を起こさずに装置を構
成することが非常に困難であるという欠点があった。
従来技術には、偏向電極を通過した直後のインク粒子が
除電装置を通過する微小時間の間にインク粒子を電気的
中和させる必要があるために、強い電界を発生する必要
があり、この電界が偏向電極の偏向電界を乱すという、
さらに、これらの電界相互の干渉を起こさずに装置を構
成することが非常に困難であるという欠点があった。
【0013】すなわち、荷電制御型のインクジェット記
録装置の場合、インク粒子の直進速度と粒子のサイズお
よび、個々のインク粒子の帯電量とその飛行軌道を偏向
させる偏向電極からの電界強度がインク粒子の軌道を決
定する要素である。それ故にこれらの各要素を乱すこと
なく被印字物までインク粒子を到達させることが印字ド
ットの精度を確保するのに重要な前提となる。
録装置の場合、インク粒子の直進速度と粒子のサイズお
よび、個々のインク粒子の帯電量とその飛行軌道を偏向
させる偏向電極からの電界強度がインク粒子の軌道を決
定する要素である。それ故にこれらの各要素を乱すこと
なく被印字物までインク粒子を到達させることが印字ド
ットの精度を確保するのに重要な前提となる。
【0014】従って、本発明の解決しようとする課題
は、偏向電極から発する偏向電界によりそれぞれのイン
ク粒子が所定の偏向力を受けて所定の飛行軌道を取った
後に、被印字物に到達するまでの間、被印字物やその周
辺から発生する電界によって別の方向へクーロン力によ
って偏向させられないようにすることであり、インク粒
子の飛行軌道を安定化させることにある。特に、インク
粒子化過程で不定期に発生するサテライトについては、
電界によって受ける飛行軌道への影響が大きく、印字品
質の低下を招くのみならず、偏向電極を通過後に帯電し
た被印字物やその周辺の電界により、反発されて周回す
る軌道を描いて偏向電極自体に引き寄せられ、電極を汚
したり、延いては付着後乾燥したサテライトが積み重な
って枝状に伸び出して、偏向電極間の短絡を招き印字動
作不能に陥るといった問題を解決しようとするものであ
る。
は、偏向電極から発する偏向電界によりそれぞれのイン
ク粒子が所定の偏向力を受けて所定の飛行軌道を取った
後に、被印字物に到達するまでの間、被印字物やその周
辺から発生する電界によって別の方向へクーロン力によ
って偏向させられないようにすることであり、インク粒
子の飛行軌道を安定化させることにある。特に、インク
粒子化過程で不定期に発生するサテライトについては、
電界によって受ける飛行軌道への影響が大きく、印字品
質の低下を招くのみならず、偏向電極を通過後に帯電し
た被印字物やその周辺の電界により、反発されて周回す
る軌道を描いて偏向電極自体に引き寄せられ、電極を汚
したり、延いては付着後乾燥したサテライトが積み重な
って枝状に伸び出して、偏向電極間の短絡を招き印字動
作不能に陥るといった問題を解決しようとするものであ
る。
【0015】従って、本発明の目的は、インク粒子の飛
行軌道を安定化させ、安定した印字品質の得られるイン
クジェット記録装置を提供することにある。
行軌道を安定化させ、安定した印字品質の得られるイン
クジェット記録装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、インクを粒
子化するインク粒子化手段と、該インク粒子に電荷を与
える電荷付与手段と、電荷を有した前記インク粒子を電
界により偏向制御する電界偏向手段とを備え、前記イン
ク粒子を所定軌道で飛行させ被印字物の所定位置に到達
させて 印字するインクジェット記録装置において、前
記被印字物または該被印字物の周辺部材に帯電した電荷
を除去する除電手段を設けることにより達成される。
子化するインク粒子化手段と、該インク粒子に電荷を与
える電荷付与手段と、電荷を有した前記インク粒子を電
界により偏向制御する電界偏向手段とを備え、前記イン
ク粒子を所定軌道で飛行させ被印字物の所定位置に到達
させて 印字するインクジェット記録装置において、前
記被印字物または該被印字物の周辺部材に帯電した電荷
を除去する除電手段を設けることにより達成される。
【0017】
【作用】上記構成とすれば、被印字物およびその周辺部
材の不要なる静電気帯電が定常的に取り除かれるので、
電界安定化が為され安定した印字品質等が確保される。
材の不要なる静電気帯電が定常的に取り除かれるので、
電界安定化が為され安定した印字品質等が確保される。
【0018】すなわち、インク粒子が偏向電極を通過し
たのち、被印字物に到達するまでの空間に、被印字物や
その周辺部材から発生する電界を無くしてしまう、ある
いは非常に微弱化させることで、偏向電極で与えられた
個々のクーロン力による偏向度に従ってインク粒子は直
進し、予め予定された位置に正確な印字ドットとして到
達するすることができる。
たのち、被印字物に到達するまでの空間に、被印字物や
その周辺部材から発生する電界を無くしてしまう、ある
いは非常に微弱化させることで、偏向電極で与えられた
個々のクーロン力による偏向度に従ってインク粒子は直
進し、予め予定された位置に正確な印字ドットとして到
達するすることができる。
【0019】尚、この帯電静電気の除去原理と印字品質
の関係について、簡単に説明する。被印字物あるいはそ
の周辺部材の不要な電界を除去するには、これらが有す
る帯電静電気を取り除くことによって為される。この帯
電除去の原理は、これら対象物表面が有する電荷とは異
なる、逆極性の電荷を作り出し、逆極性の電荷を対象物
に供給することによって為される。
の関係について、簡単に説明する。被印字物あるいはそ
の周辺部材の不要な電界を除去するには、これらが有す
る帯電静電気を取り除くことによって為される。この帯
電除去の原理は、これら対象物表面が有する電荷とは異
なる、逆極性の電荷を作り出し、逆極性の電荷を対象物
に供給することによって為される。
【0020】主たる方法としては電離処理した気体、こ
こでは空気が用いられる。空気に電気エネルギーを与え
て電離すると空気、すなわち、酸素や窒素や水分や二酸
化炭素の正・負のイオン対が発生する。このうち対象物
の表面に帯電した正・負いずれかの極性に逆極性のイオ
ンは引き寄せられ、電荷を中和させる作用をする。対象
物の帯電極性は通常その物質の帯電極性に従う。つまり
ガラスやナイロン樹脂のような物質は正極に帯電しやす
く、逆にポリエチレン樹脂や塩化ビニル樹脂のような材
質は負極に帯電し易い。あらかじめ対象物の帯電極性が
充分に判っている場合には、その逆極性のイオンを供給
すれば良いが、対象物の表面電荷が場所によってまちま
ちで、電位も変動するような場合には正・負イオンの混
在した気体を供給すると、表面の帯電を均一に中和する
作用がある。仮りに被印字物が低速で運動し摩擦帯電が
発生し難い状況においても、印字量や印字密度が高い場
合には、同じ極性に帯電したインク粒子が多量に付着す
るために、被印字物が帯電し、このために電界の乱れが
生じて印字が乱れてしまうような場合もあり、このよう
な場合でも帯電静電気除去は飛行中のインク粒子や被印
字物表面を一瞬にして電気的に中和する作用がある。
こでは空気が用いられる。空気に電気エネルギーを与え
て電離すると空気、すなわち、酸素や窒素や水分や二酸
化炭素の正・負のイオン対が発生する。このうち対象物
の表面に帯電した正・負いずれかの極性に逆極性のイオ
ンは引き寄せられ、電荷を中和させる作用をする。対象
物の帯電極性は通常その物質の帯電極性に従う。つまり
ガラスやナイロン樹脂のような物質は正極に帯電しやす
く、逆にポリエチレン樹脂や塩化ビニル樹脂のような材
質は負極に帯電し易い。あらかじめ対象物の帯電極性が
充分に判っている場合には、その逆極性のイオンを供給
すれば良いが、対象物の表面電荷が場所によってまちま
ちで、電位も変動するような場合には正・負イオンの混
在した気体を供給すると、表面の帯電を均一に中和する
作用がある。仮りに被印字物が低速で運動し摩擦帯電が
発生し難い状況においても、印字量や印字密度が高い場
合には、同じ極性に帯電したインク粒子が多量に付着す
るために、被印字物が帯電し、このために電界の乱れが
生じて印字が乱れてしまうような場合もあり、このよう
な場合でも帯電静電気除去は飛行中のインク粒子や被印
字物表面を一瞬にして電気的に中和する作用がある。
【0021】
【実施例】以下、本発明による実施例について図面を用
いて説明する。図1は、本発明による一実施例のインク
ジェット記録装置の構成を示す図である。図の実施例1
のインクジェット記録装置の構成について説明する。
いて説明する。図1は、本発明による一実施例のインク
ジェット記録装置の構成を示す図である。図の実施例1
のインクジェット記録装置の構成について説明する。
【0022】図1において、インク容器9、インクを供
給するポンプ10、調圧弁11、ノズル1は直列に接続
されている。ノズル1において電歪素子2と励振電源3
とにより、ノズル中を流動するインクに、所定の電圧と
周波数が印加され、インクは粒子化される。粒子化され
た個々のインク粒子6に、荷電電極4により所定の電荷
が与えられる。電荷の付与されたインク粒子6は、偏向
電極5によって形成された偏向電界7の中を通過する際
に、偏向制御される。偏向制御されたインク粒子6は、
所定軌道を飛行し、被印字物12上の所定位置に到達し
て、該被印字物12上に印字ドット13を形成し、字や
絵を描くものである。
給するポンプ10、調圧弁11、ノズル1は直列に接続
されている。ノズル1において電歪素子2と励振電源3
とにより、ノズル中を流動するインクに、所定の電圧と
周波数が印加され、インクは粒子化される。粒子化され
た個々のインク粒子6に、荷電電極4により所定の電荷
が与えられる。電荷の付与されたインク粒子6は、偏向
電極5によって形成された偏向電界7の中を通過する際
に、偏向制御される。偏向制御されたインク粒子6は、
所定軌道を飛行し、被印字物12上の所定位置に到達し
て、該被印字物12上に印字ドット13を形成し、字や
絵を描くものである。
【0023】電荷が与えられず印字に寄与しないインク
粒子6は、ガター8によって回収される。ガター8とイ
ンク容器9も直列に接続されており、回収されたインク
はインク容器9に戻る。
粒子6は、ガター8によって回収される。ガター8とイ
ンク容器9も直列に接続されており、回収されたインク
はインク容器9に戻る。
【0024】一方、被印字物12等に向けイオン化エア
ー15が噴出するように、エアーノズル14が設置され
ている。このイオン化エアー15は、管路16を介し
て、送風手段17の吐出側に接続されている。送風手段
17は、例えば、送風ファンである。送風手段17の吸
入側に交流のコロナ放電機18が設けられている。この
コロナ放電機18に、高圧電源19が印加され、コロナ
放電をするようになっている。コロナ放電機18におい
て空気の電離により発生するイオンが、 送風手段17
によりエアーと共にエアーノズル14へ送られる。そし
て、エアーノズル14から被印字物12またはその周辺
部材へ向けてイオン化エアー15を吹き付ける手段が除
電手段である。
ー15が噴出するように、エアーノズル14が設置され
ている。このイオン化エアー15は、管路16を介し
て、送風手段17の吐出側に接続されている。送風手段
17は、例えば、送風ファンである。送風手段17の吸
入側に交流のコロナ放電機18が設けられている。この
コロナ放電機18に、高圧電源19が印加され、コロナ
放電をするようになっている。コロナ放電機18におい
て空気の電離により発生するイオンが、 送風手段17
によりエアーと共にエアーノズル14へ送られる。そし
て、エアーノズル14から被印字物12またはその周辺
部材へ向けてイオン化エアー15を吹き付ける手段が除
電手段である。
【0025】尚、本実施例では、インク粒子化手段は
ノズル1と電歪素子2と励振電源3とから構成される。
電荷付与手段は 荷電電極4である。電界偏向手段は偏
向電極5である。また、電離イオン化手段として、コロ
ナ放電現象を利用した手段の例を示したが、この例とし
て既に実用化されているものに、春日電機(株)の直流送
風除電器KD410やKD309あるいは高周波除電器HV91
7などがある。また、コロナ放電現象以外に、アーク放
電現象や紫外線照射あるいは軟X線照射による電離イオ
ン化手段であっても可である。これらの手段を用いたも
のの例として、高砂熱学工業(株)のISX221がある。
ノズル1と電歪素子2と励振電源3とから構成される。
電荷付与手段は 荷電電極4である。電界偏向手段は偏
向電極5である。また、電離イオン化手段として、コロ
ナ放電現象を利用した手段の例を示したが、この例とし
て既に実用化されているものに、春日電機(株)の直流送
風除電器KD410やKD309あるいは高周波除電器HV91
7などがある。また、コロナ放電現象以外に、アーク放
電現象や紫外線照射あるいは軟X線照射による電離イオ
ン化手段であっても可である。これらの手段を用いたも
のの例として、高砂熱学工業(株)のISX221がある。
【0026】本実施例の電離イオン化手段は、コロナ放
電機18と高圧電源19とから構成される。また、イオ
ン吹付手段は、送風手段17と管路16とエアーノズル
14とから構成される。従って、本実施例の場合、電離
イオン化手段とイオン吹付手段とから除電手段が構成さ
れるとも言える。
電機18と高圧電源19とから構成される。また、イオ
ン吹付手段は、送風手段17と管路16とエアーノズル
14とから構成される。従って、本実施例の場合、電離
イオン化手段とイオン吹付手段とから除電手段が構成さ
れるとも言える。
【0027】次に、上記実施例1の動作について説明す
る。図においてコロナ放電機18に高圧電源19より5
0Hz,15kVの交流高電圧が印加される。これによ
りコロナ放電電極18aとアース電極18bとの間でコ
ロナ放電が発生し、空気が電離されてイオン化エアー1
5が生成される。この時の高圧電源19の条件は、任意
に設定する。すなわち、荷電電極4の荷電条件や被印字
物12から発生する電界強度に応じて、電圧や周波数を
制御するものである。
る。図においてコロナ放電機18に高圧電源19より5
0Hz,15kVの交流高電圧が印加される。これによ
りコロナ放電電極18aとアース電極18bとの間でコ
ロナ放電が発生し、空気が電離されてイオン化エアー1
5が生成される。この時の高圧電源19の条件は、任意
に設定する。すなわち、荷電電極4の荷電条件や被印字
物12から発生する電界強度に応じて、電圧や周波数を
制御するものである。
【0028】コロナ放電時に発生する電界は、インク粒
子6の飛行軌道を乱す要因となるので、コロナ放電機1
8自体は、金属壁で覆うなどして電磁シールドする必要
がある。コロナ放電機18で生成されたイオン化エアー
15は、送風手段17で発生する気圧差により管路16
の中を伝わり、エアーノズル14から噴出される。
子6の飛行軌道を乱す要因となるので、コロナ放電機1
8自体は、金属壁で覆うなどして電磁シールドする必要
がある。コロナ放電機18で生成されたイオン化エアー
15は、送風手段17で発生する気圧差により管路16
の中を伝わり、エアーノズル14から噴出される。
【0029】この時のイオン化した空気を吹き付ける吹
付空気流速は、流速 2(m/秒)以下であることが望ま
しいことが判明している。空気流速が 2(m/秒)より
速くなると、発生する空気乱流によってインク粒子6の
飛行が撹乱され、逆に印字品質が低下するからである。
付空気流速は、流速 2(m/秒)以下であることが望ま
しいことが判明している。空気流速が 2(m/秒)より
速くなると、発生する空気乱流によってインク粒子6の
飛行が撹乱され、逆に印字品質が低下するからである。
【0030】このエアーノズル14は、被印字物12及
びその周辺部材に向いた方向に設置され、噴出したイオ
ン化エアー15は、被印字物12やその周辺部材におい
て何らかの原因で帯電した電荷(たとえば静電気)を、
瞬間的に中和し除電し、インク粒子6の飛行する空間の
電界を微弱化させるものである。すなわち、イオン化エ
アー15の中には正・負の電荷が混在し、被印字物12
やその周辺部材に帯電した同じく正・負の電荷と中和
し、帯電した電荷を除去する。
びその周辺部材に向いた方向に設置され、噴出したイオ
ン化エアー15は、被印字物12やその周辺部材におい
て何らかの原因で帯電した電荷(たとえば静電気)を、
瞬間的に中和し除電し、インク粒子6の飛行する空間の
電界を微弱化させるものである。すなわち、イオン化エ
アー15の中には正・負の電荷が混在し、被印字物12
やその周辺部材に帯電した同じく正・負の電荷と中和
し、帯電した電荷を除去する。
【0031】これによってインク粒子6の飛行軌道が安
定化するので、印字品質が向上し、電極等の汚染が防止
され、短絡による印字不能も回避される。特に、装置の
清掃修理の頻度が減り、取り扱いが便利となる効果があ
る。
定化するので、印字品質が向上し、電極等の汚染が防止
され、短絡による印字不能も回避される。特に、装置の
清掃修理の頻度が減り、取り扱いが便利となる効果があ
る。
【0032】図2は、本発明による他の実施例のインク
ジェット記録装置の構成を示す図である。図の実施例2
の構成について、図1と異なる部分についてのみ説明す
る。
ジェット記録装置の構成を示す図である。図の実施例2
の構成について、図1と異なる部分についてのみ説明す
る。
【0033】地面にほぼ水平方向に一定速度で搬送コン
ベア22上を移動している被印字物12に対し、上方向
から印字動作を行う構成において、被印字物12の印字
領域を覆うように、円筒形状の除電スカート20が設置
されている。除電手段としての除電スカート20は、イ
ンク粒子6が偏向電極5から出た後 被印字物12に到
達するまでの飛行空間を覆い、常に被印字物12、また
は被印字物12を搬送する搬送コンベア22等の周辺部
材に、軟接触する構造となっている。
ベア22上を移動している被印字物12に対し、上方向
から印字動作を行う構成において、被印字物12の印字
領域を覆うように、円筒形状の除電スカート20が設置
されている。除電手段としての除電スカート20は、イ
ンク粒子6が偏向電極5から出た後 被印字物12に到
達するまでの飛行空間を覆い、常に被印字物12、また
は被印字物12を搬送する搬送コンベア22等の周辺部
材に、軟接触する構造となっている。
【0034】この除電スカート20は、導電性材から作
られているものであり、電線21によりアースされてお
り、それ自体が帯電することがないものである。本実施
例では、この除電スカート20に銅鎖を用いているが、
他金属の鎖や炭素繊維などの導電性材の織物の暖簾、あ
るいは、樹脂等の非導電性材の表面に金属等の導電性材
を被覆(メッキ、貼付、蒸着など)した部材であっても、
導電性材から作られたものであれば同様の効果が得られ
る。そして、銅鎖や織物のように、被印字物12または
その周辺部材に軟く接触することのできる軟接触手段で
ある。硬い接触手段の場合、印字ドット13や被印字物
12を傷付けたり、搬送コンベア22の移動を阻害した
りするので好ましくないと言える。
られているものであり、電線21によりアースされてお
り、それ自体が帯電することがないものである。本実施
例では、この除電スカート20に銅鎖を用いているが、
他金属の鎖や炭素繊維などの導電性材の織物の暖簾、あ
るいは、樹脂等の非導電性材の表面に金属等の導電性材
を被覆(メッキ、貼付、蒸着など)した部材であっても、
導電性材から作られたものであれば同様の効果が得られ
る。そして、銅鎖や織物のように、被印字物12または
その周辺部材に軟く接触することのできる軟接触手段で
ある。硬い接触手段の場合、印字ドット13や被印字物
12を傷付けたり、搬送コンベア22の移動を阻害した
りするので好ましくないと言える。
【0035】次に、本実施例2の動作について説明す
る。図2において除電スカート20が印字領域の周辺に
垂れ下がった構成となっている。この除電スカート20
は導電体である。図にも示すように、荷電制御型のイン
クジェット記録装置は、被印字物12が移動している間
に印字動作を行なうことが多い。そこで、被印字物12
が連続あるいは間欠的に流れてきた場合、除電スカート
20は常に被印字物12あるいはその周辺部材に軟接触
するよう構成されており、被印字物12やその周辺部材
が、何らかの原因で帯電している場合に、帯電した静電
気が除電スカート20から電線21を通じて除電されら
れるので、インク粒子6の通過する空間の電界は微弱化
させられる。
る。図2において除電スカート20が印字領域の周辺に
垂れ下がった構成となっている。この除電スカート20
は導電体である。図にも示すように、荷電制御型のイン
クジェット記録装置は、被印字物12が移動している間
に印字動作を行なうことが多い。そこで、被印字物12
が連続あるいは間欠的に流れてきた場合、除電スカート
20は常に被印字物12あるいはその周辺部材に軟接触
するよう構成されており、被印字物12やその周辺部材
が、何らかの原因で帯電している場合に、帯電した静電
気が除電スカート20から電線21を通じて除電されら
れるので、インク粒子6の通過する空間の電界は微弱化
させられる。
【0036】なお、実施例2の除電スカート20は、電
線21からアースに接続したが、除電手段は、低インピ
ーダンスの電位に接続され、かつ、被印字物12または
周辺部材に軟接触させた軟接触手段でも可である。
線21からアースに接続したが、除電手段は、低インピ
ーダンスの電位に接続され、かつ、被印字物12または
周辺部材に軟接触させた軟接触手段でも可である。
【0037】これによって、飛行中のインク粒子6に不
必要な電気的な作用力が働かなくなり、常に一定の電磁
気的環境の中で印字動作を行なうことができる。尚、実
施例1と実施例2の構成を併用して、更に、この電界を
微弱化させることができる。
必要な電気的な作用力が働かなくなり、常に一定の電磁
気的環境の中で印字動作を行なうことができる。尚、実
施例1と実施例2の構成を併用して、更に、この電界を
微弱化させることができる。
【0038】一方、正規の印字動作を行うインク粒子6
以外に、サテライトと呼称される微小なインク粒子も、
本発明によってその飛行軌道が安定化される。特に、前
述したように正規な飛行軌道から外れ易いサテライトが
コントロールされるので、次のような新しい効果が生
じる。
以外に、サテライトと呼称される微小なインク粒子も、
本発明によってその飛行軌道が安定化される。特に、前
述したように正規な飛行軌道から外れ易いサテライトが
コントロールされるので、次のような新しい効果が生
じる。
【0039】一般に、インク自体に求められる特性とし
て、励振により粒子化し易いことがある。しかし、粒子
化し易いことは、サテライトの発生と密接に関連してお
り、特に、インクが糸を引き易い特性(インクに樹脂成
分が配合されたもの)である場合、粒子化してもサテラ
イトの発生が多く問題があった。すなわち、粒子化の問
題は、インクに配合される樹脂成分の配合を増すことで
解決可能であるが、その配合を増すとサテライトの発生
が増加する点がネックとなっていた。
て、励振により粒子化し易いことがある。しかし、粒子
化し易いことは、サテライトの発生と密接に関連してお
り、特に、インクが糸を引き易い特性(インクに樹脂成
分が配合されたもの)である場合、粒子化してもサテラ
イトの発生が多く問題があった。すなわち、粒子化の問
題は、インクに配合される樹脂成分の配合を増すことで
解決可能であるが、その配合を増すとサテライトの発生
が増加する点がネックとなっていた。
【0040】本発明によってそのネックが解決され、即
ち、サテライトの発生が増加しても該サテライトの飛行
軌道が安定化され、不安定の場合のサテライトの悪影響
が取り除かれるので、使うことのできなかった樹脂成分
配合インクが使用できるようになり、これによって、樹
脂成分を含むインクが有する印字物としての密着性や耐
久性その他各種様々な特殊機能において優れた特性が、
活かされるという効果がある。
ち、サテライトの発生が増加しても該サテライトの飛行
軌道が安定化され、不安定の場合のサテライトの悪影響
が取り除かれるので、使うことのできなかった樹脂成分
配合インクが使用できるようになり、これによって、樹
脂成分を含むインクが有する印字物としての密着性や耐
久性その他各種様々な特殊機能において優れた特性が、
活かされるという効果がある。
【0041】代表的な樹脂成分配合インクの樹脂成分と
しては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂などがあ
る。また、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体などもあり、
塩化ビニル系樹脂が該当する。
しては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂などがあ
る。また、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体などもあり、
塩化ビニル系樹脂が該当する。
【0042】また、上記の樹脂成分配合インクであって
も、粒子化特性が不足する場合があり、溶媒成分として
溶解度の低い溶剤を更に加え、貧溶媒化しこれを補う方
法がある。この方法により更に粒子化特性が改善できる
が、2種あるいは多種の溶剤を混合した溶媒組成である
ので、弊害が生じる。すなわち、荷電制御型インクジェ
ット記録装置のように、余剰のインクを回収するような
構成の場合には、回収を繰り返す間に、これら各溶剤の
蒸気圧の違いによって徐々に特定の溶剤のみが多く蒸発
し、経時的に溶剤の配合比(溶媒組成)が変動し、段々粒
子化特性が劣化し印字品質が低下するという不具合が発
生する。
も、粒子化特性が不足する場合があり、溶媒成分として
溶解度の低い溶剤を更に加え、貧溶媒化しこれを補う方
法がある。この方法により更に粒子化特性が改善できる
が、2種あるいは多種の溶剤を混合した溶媒組成である
ので、弊害が生じる。すなわち、荷電制御型インクジェ
ット記録装置のように、余剰のインクを回収するような
構成の場合には、回収を繰り返す間に、これら各溶剤の
蒸気圧の違いによって徐々に特定の溶剤のみが多く蒸発
し、経時的に溶剤の配合比(溶媒組成)が変動し、段々粒
子化特性が劣化し印字品質が低下するという不具合が発
生する。
【0043】従って、溶媒組成はできる限り単一組成が
良く、例えば、メチルエチルケトン単一組成の溶剤成分
が望ましいと言える。このような見地から、本発明によ
れば単一組成の溶剤成分による貧溶媒化方法の採用が可
能となり、上記のような溶剤の蒸気による印字品質の低
下が回避される。また、複数溶剤の配合が廃止され、価
格低減に結び付くという効果もある。
良く、例えば、メチルエチルケトン単一組成の溶剤成分
が望ましいと言える。このような見地から、本発明によ
れば単一組成の溶剤成分による貧溶媒化方法の採用が可
能となり、上記のような溶剤の蒸気による印字品質の低
下が回避される。また、複数溶剤の配合が廃止され、価
格低減に結び付くという効果もある。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェット記録装
置の使用環境に左右されることなく、常に一定の電磁気
的環境の中で印字動作が行われるので、印字品質を常に
一定に保つ効果がある。
置の使用環境に左右されることなく、常に一定の電磁気
的環境の中で印字動作が行われるので、印字品質を常に
一定に保つ効果がある。
【0045】また、サテライトの印字領域外飛散や周回
の影響で、印字品質が低下したり、偏向電極等が汚れた
りすることがなくなるので、印字品質ならびに取扱性が
向上する効果がある。
の影響で、印字品質が低下したり、偏向電極等が汚れた
りすることがなくなるので、印字品質ならびに取扱性が
向上する効果がある。
【0046】さらに、粒子化特性に優れた樹脂系インク
が使用できるようになり、密着性や特殊用途性または耐
久性などから印字品質が一段と向上するという効果があ
る。
が使用できるようになり、密着性や特殊用途性または耐
久性などから印字品質が一段と向上するという効果があ
る。
【0047】またさらに、インク安定化成分の配合量の
低減あるいは配合廃止によって、インクの低価格化に結
び付く効果もある。
低減あるいは配合廃止によって、インクの低価格化に結
び付く効果もある。
【図1】本発明による一実施例のインクジェット記録装
置の構成を示す図である。
置の構成を示す図である。
【図2】本発明による他の実施例のインクジェット記録
装置の構成を示す図である。
装置の構成を示す図である。
【図3】従来技術のインクジェット記録装置の構成を示
す図である。
す図である。
1…ノズル、2…電歪素子、3…励振電源、4…荷電電
極、5…偏向電極 6…インク粒子、7…偏向電界、8…ガター、9…イン
ク容器、10…ポンプ、11…調圧弁、12…被印字
物、13…印字ドット 14…エアーノズル、15…イオン化エアー、16…管
路、17…送風手段 18…コロナ放電機、18a…コロナ放電電極、18b
…アース電極 19…高圧電源、20…除電スカート、21…電線、2
2…搬送コンベア
極、5…偏向電極 6…インク粒子、7…偏向電界、8…ガター、9…イン
ク容器、10…ポンプ、11…調圧弁、12…被印字
物、13…印字ドット 14…エアーノズル、15…イオン化エアー、16…管
路、17…送風手段 18…コロナ放電機、18a…コロナ放電電極、18b
…アース電極 19…高圧電源、20…除電スカート、21…電線、2
2…搬送コンベア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中垣 光博 茨城県日立市東多賀町一丁目1番地1号 株式会社日立製作所電化機器事業部内
Claims (7)
- 【請求項1】インクを粒子化するインク粒子化手段と、
該インク粒子に電荷を与える電荷付与手段と、電荷を有
した前記インク粒子を電界により偏向制御する電界偏向
手段とを備え、前記インク粒子を所定軌道で飛行させ被
印字物の所定位置に到達させて 印字するインクジェッ
ト記録装置において、 前記被印字物または該被印字物の周辺部材に帯電した電
荷を除去する除電手段を設けたことを特徴とするインク
ジェット記録装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記除電手段は、前記
被印字物または前記周辺部材に、イオン化した空気を吹
き付けて除電する手段であることを特徴とするインクジ
ェット記録装置。 - 【請求項3】請求項1において、前記除電手段は、低イ
ンピーダンスの電位に接続され、かつ、導電性材から作
られて前記被印字物または前記周辺部材に軟接触する軟
接触手段であることを特徴とするインクジェット記録装
置。 - 【請求項4】請求項2において、前記イオン化した空気
を吹き付ける吹付空気流速は、流速2(m/秒)以下であ
ることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項5】請求項2において、前記除電手段は、前記
イオン化した空気を発生する電離イオン化手段を有し、
該電離イオン化手段は電磁シールドされていることを特
徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項6】インクを粒子化するインク粒子化手段と、
該インク粒子に電荷を与える電荷付与手段と、電荷を有
した前記インク粒子を電界により偏向制御する電界偏向
手段とを備え、前記インク粒子を所定軌道で飛行させ被
印字物の所定位置に到達させて 印字するインクジェッ
ト記録装置において、 前記被印字物または該被印字物の周辺部材に帯電した電
荷を除去する除電手段を設け、前記インクとして、該イ
ンクに配合する樹脂成分に塩化ビニル系樹脂を含むイン
クを用いたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項7】インクを粒子化するインク粒子化手段と、
該インク粒子に電荷を与える電荷付与手段と、電荷を有
した前記インク粒子を電界により偏向制御する電界偏向
手段とを備え、前記インク粒子を所定軌道で飛行させ被
印字物の所定位置に到達させて 印字するインクジェッ
ト記録装置において、 前記被印字物または該被印字物の周辺部材に帯電した電
荷を除去する除電手段を設け、前記インクとして、該イ
ンクに配合する溶媒成分にメチルエチルケトン単一組成
の溶剤成分を含むインクを用いたことを特徴とするイン
クジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP175795A JPH08187842A (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP175795A JPH08187842A (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08187842A true JPH08187842A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=11510459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP175795A Pending JPH08187842A (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08187842A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9289988B2 (en) | 2013-03-29 | 2016-03-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Liquid ejection head |
WO2019045034A1 (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-07 | サントリーホールディングス株式会社 | 印刷システム、印刷装置、及び、印刷物の製造方法 |
CN109808310A (zh) * | 2019-03-07 | 2019-05-28 | 韦怡 | 一种喷码机连续喷墨打印装置 |
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WO2021162036A1 (ja) * | 2020-02-12 | 2021-08-19 | 花王株式会社 | 化粧用ハンディインクジェットプリンタ |
-
1995
- 1995-01-10 JP JP175795A patent/JPH08187842A/ja active Pending
Cited By (19)
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JP2007301918A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Brother Ind Ltd | インクジェット記録装置 |
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