JPH08186903A - 磁気浮上列車用誘導集電装置 - Google Patents

磁気浮上列車用誘導集電装置

Info

Publication number
JPH08186903A
JPH08186903A JP6328024A JP32802494A JPH08186903A JP H08186903 A JPH08186903 A JP H08186903A JP 6328024 A JP6328024 A JP 6328024A JP 32802494 A JP32802494 A JP 32802494A JP H08186903 A JPH08186903 A JP H08186903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
current
current collecting
coils
collecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6328024A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3335787B2 (ja
Inventor
Eiji Sawano
英二 澤野
Satoru Inetama
哲 稲玉
Koji Ikeshita
浩司 池下
Hidenari Akagi
秀成 赤木
Sadao Ogawa
貞男 小河
Yoshihiro Jizo
吉洋 地蔵
Yoshio Hirayama
良雄 平山
Atsuo Hibino
敦夫 日比野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Central Japan Railway Co
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Central Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp, Central Japan Railway Co filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP32802494A priority Critical patent/JP3335787B2/ja
Publication of JPH08186903A publication Critical patent/JPH08186903A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3335787B2 publication Critical patent/JP3335787B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 集電コイルの異常を検出したときに集電コイ
ルを含む誘導集電装置を保護することのできる磁気浮上
列車用誘導集電装置を得る。 【構成】 集電コイル11に流れる電流Iの作る磁束の
変化分に対応した検出信号Vqを出力するセンサコイル
31と、検出信号に基づいて集電コイルの少なくとも短
絡を含む異常を検出するとともに、異常が検出された集
電コイルを無効にして保護するための保護回路32とを
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は超電導コイルを利用し
た磁気浮上列車用誘導集電装置に関し、特に集電コイル
の異常発生時に誘導集電装置を保護することのできる磁
気浮上列車用誘導集電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10〜図13はたとえば特開平4−2
6302号公報に記載された従来の磁気浮上列車用誘導
集電装置を示し、図10は従来装置全体の概略構成を示
すブロック図、図11は軌道側壁に浮上コイルが設置さ
れた従来装置を列車走行方向に対して垂直に切った場合
の断面図、図12は図11内の列車側の各コイルの位置
関係を側壁側からA−A線により見た場合の側面図、図
13は図11内の列車側の集電用超電導コイルの位置関
係を軌道真上側からB−B線により見た場合の断面図で
ある。
【0003】図11において、1は磁気浮上列車の車
体、2は車体1を支える台車、3は車体1と台車2を一
体に結合する空気バネ、4は空気バネ3を介して一体化
された車体1および台車2からなる車両が走行する軌
道、5は軌道4の両側に立設された側壁、6は各側壁5
の内面の上下に配置された上側浮上コイル6aおよび下
側浮上コイル6bからなる浮上コイル、8は浮上コイル
6と同様に軌道4の両側壁5に沿って設けられた推進コ
イルである。
【0004】各浮上コイル6は、軌道4を隔てて各側壁
5に設置され、ヌルフラックス結線されている。また、
上側浮上コイル6aおよび下側浮上コイル6bは、中央
で接続された互いに逆巻のコイルからなり、側壁5から
見たときに「8」の字状に電流が流れるように接続され
ている。
【0005】また、図11〜図13において、9は上側
浮上コイル6aに対向するように台車2の左右側面に配
置された集電用超電導コイルであり、列車進行方向に沿
って配列された複数の集電用超電導コイル9a〜9d
(図12および図13参照)からなる。また、9a′〜
9d′(図13参照)は各集電用超電導コイル9a〜9
dに対向して台車2の反対の側面に配置された集電用超
電導コイルである。10は推進コイル8に対向するよう
に台車2に配置された浮上推進用超電導コイルであり、
集電用超電導コイル9を進行方向の前後から挟むように
配置されている。
【0006】11は下側浮上コイル6bに対向するよう
に台車2に配置された集電コイルであり、図12のよう
に、各集電用超電導コイル9a〜9dの下側に対応して
配置された各三相(U相、V相およびW相)3個で一組
のコイル11ua〜11waと、11ub〜11wb
と、11uc〜11wcと、11ud〜11wdとから
なる。12は集電用超電導コイル9および浮上推進用超
電導コイル10を収納するクライオスタット(低温維持
容器)である。
【0007】また、図10において、6、9および11
は前述と同様のものであり、13は集電コイル11に接
続されたPWM(パルス幅変調)コンバータ、14はP
WMコンバータ13に接続された蓄電池、15はPWM
コンバータ13に接続されたインバータ、16はインバ
ータ15に接続された負荷である。集電コイル11から
生成される誘起電圧Vpおよび電流Iの積からなる交流
電力Vp・Iは、PWMコンバータ13を介して直流変
換された後、蓄電池14に供給されるとともに、インバ
ータ15を介して再度交流変換された後、負荷16に供
給される。
【0008】次に、図10〜図13に示した従来の磁気
浮上列車用誘導集電装置の動作について説明する。あら
かじめ、台車2の左右に設けられた集電用超電導コイル
9および浮上推進用超電導コイル10は、超電導状態を
継続するようにクライオスタット12(図12参照)に
収納され、液体ヘリウムのような極低温冷媒に浸されて
いるものとする。
【0009】ここで、推進コイル8に三相交流電流が通
電されると、推進コイル8に対向した浮上推進用超電導
コイル10と推進コイル8との間の吸引力および反発力
により、浮上推進用超電導コイル10に推進力が発生
し、磁気浮上列車の車両が走行する。
【0010】このとき、台車2側の集電用超電導コイル
9から発生する磁束は、軌道4側の上側浮上コイル6a
に鎖交し、この鎖交磁束は台車2の移動に伴って変化す
る。これにより、上側浮上コイル6aに交流電流が誘起
されまた、下側浮上コイル6bに上側浮上コイル6aと
は逆向きの交流電流が誘起され、下側浮上コイル6bか
ら交流磁界が発生する。
【0011】この交流磁界により下側浮上コイル6bか
ら発生する磁束は、下側浮上コイル6bに対向配置され
た集電コイル11に鎖交し、この鎖交磁束が変化するこ
とにより、集電コイル11に誘起電圧Vpが発生して電
流Iが流れる。このとき、誘起電圧Vpおよび電流I
は、集電コイル11内の各相毎に発生する。集電コイル
11の誘起電力Vp・IはPWMコンバータ13に入力
され、これにより、PWMコンバータ13は、力率が
「1」となるように制御された電流Iを集電コイル11
に流し、交流を直流に変換した電力を得る。
【0012】こうして得られた直流電力は、蓄電池14
に充電されるとともに、蓄電池14を介して、さらにイ
ンバータ15により、再び交流に変換されて負荷16に
供給される。
【0013】しかしながら、上記のような集電コイル1
1を介した集電動作中に、集電コイル11間の層間短絡
や口出し部短絡等の異常または断線等の異常が発生する
と、たとえば集電コイル11の短絡部に大電流が流れて
誘導集電装置の構成要素が破壊され、重大な事故を招く
おそれがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁気浮上列車用
誘導集電装置は以上のように集電コイル11の異常に対
応する保護回路が設けられていないので、集電コイル1
1の層間短絡や口出し部短絡または断線等の異常が発生
しても、これを検出して誘導集電装置を保護することが
できないという問題点があった。
【0015】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、集電コイルの異常を検出して誘
導集電装置を保護することのできる磁気浮上列車用誘導
集電装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る磁気浮上列車用誘導集電装置は、推進コイルが設けら
れた軌道と、推進コイルに対向配置された浮上推進用超
電導コイルが設けられて軌道に沿って走行する磁気浮上
列車と、軌道に沿って設けられた浮上コイルと、浮上コ
イルに対向するように磁気浮上列車に設けられた集電用
超電導コイルおよび集電コイルとを備え、磁気浮上列車
が走行することによって生じる集電用超電導コイルから
浮上コイルを介した集電コイルへの電磁誘導現象を用い
て磁気浮上列車内に電力を供給する磁気浮上列車用誘導
集電装置において、浮上コイルから集電コイルに誘起さ
れる誘起電圧によって前記集電コイルに流れる電流の作
る磁束を検出し、前記磁束の変化分に対応した検出信号
を出力するセンサコイルと、検出信号に基づいて集電コ
イルの少なくとも短絡を含む異常を検出するとともに、
異常が検出された集電コイルを無効にして保護するため
の保護回路とを設けたものである。
【0017】また、この発明の請求項2に係る磁気浮上
列車用誘導集電装置は、請求項1において、センサコイ
ルは、集電コイルの内側に設置されたものである。
【0018】また、この発明の請求項3に係る磁気浮上
列車用誘導集電装置は、請求項1において、センサコイ
ルは、集電コイルの巻線方向に対して垂直な面内に設置
されたものである。
【0019】また、この発明の請求項4に係る磁気浮上
列車用誘導集電装置は、請求項1から請求項3までのい
ずれかにおいて、集電コイルは、1つの集電用超電導コ
イルに対応して互いに隣接して設置された三相3個のコ
イルからなり、保護回路は、センサコイルの検出信号の
各相の和が一定時間にわたって一定値以上を示すとき
に、集電コイルの異常を検出するものである。
【0020】また、この発明の請求項5に係る磁気浮上
列車用誘導集電装置は、請求項1から請求項4までのい
ずれかにおいて、保護回路は、異常が検出された集電コ
イルに対応した集電用超電導コイルを消磁するものであ
る。
【0021】また、この発明の請求項6に係る磁気浮上
列車用誘導集電装置は、請求項5において、保護回路
は、異常が検出された集電コイルに対応した集電用超電
導コイルに対向配置されたもう1つの集電用超電導コイ
ルを消磁するものである。
【0022】また、この発明の請求項7に係る磁気浮上
列車用誘導集電装置は、請求項1から請求項6までのい
ずれかにおいて、集電コイルは、1つの集電用超電導コ
イルに対応して互いに隣接して設置された三相3個のコ
イルからなり、三相3個のコイルは、各々の両端子間に
接続された短絡用スイッチを有し、保護回路は、短絡用
スイッチをオンさせるための制御信号を出力することに
より、異常が検出された集電コイルの三相3個のコイル
の各端子間を短絡するものである。
【0023】また、この発明の請求項8に係る磁気浮上
列車用誘導集電装置は、請求項7において、集電コイル
は、三相3個のコイルの各々に直列に挿入された切り離
し用スイッチを有し、制御信号は、切り離し用スイッチ
をオフさせることにより、異常が検出された集電コイル
の三相3個のコイルを切り離すものである。
【0024】また、この発明の請求項9に係る磁気浮上
列車用誘導集電装置は、請求項1から請求項3までのい
ずれかにおいて、集電用超電導コイルは、磁気浮上列車
の走行方向に沿って配置された複数のコイルからなり、
集電コイルは、集電用超電導コイルのそれぞれに個別に
対応して互いに隣接して設置された三相3個のコイルか
らなり、保護回路は、各三相3個のコイルに対応したセ
ンサコイルの検出信号の全ての和が一定時間にわたって
一定値以上を示すときに、集電コイルの異常を検出する
ものである。
【0025】
【作用】この発明の請求項1においては、集電コイルに
流れる電流の作る磁束の変化分をセンサコイルで検出
し、検出信号に基づいて集電コイルの層間短絡や口出し
部短絡または断線等の異常の発生を検出し、異常検出さ
れた集電コイルを無効にして集電コイルを含む誘導集電
装置全体を保護する。
【0026】また、この発明の請求項2においては、集
電コイルの内側にセンサコイルを設置して、誘起電圧に
よって集電コイルに流れる電流の作る磁束を確実に検出
する。
【0027】また、この発明の請求項3においては、集
電コイルの巻線方向に対して垂直な面内にセンサコイル
を設置して、誘起電圧によって集電コイルに流れる電流
の作る磁束を確実に検出する。
【0028】また、この発明の請求項4においては、三
相3個のコイルからなる集電コイルに対応したセンサコ
イルの検出信号の各相の和が一定時間にわたって一定値
以上を示すときに、三相のコイルのうちのいずれかの位
相の誘起電流に短絡等の不平衡が発生したものと見な
し、集電コイルの異常を検出する。
【0029】また、この発明の請求項5においては、異
常検出された集電コイルに対応した集電用超電導コイル
を消磁し、異常検出された集電コイルの誘起電圧を零に
してその集電コイルを無効にする。
【0030】また、この発明の請求項6においては、異
常が検出された集電コイルに対応した集電用超電導コイ
ルに対向配置されたもう1つの集電用超電導コイルを消
磁し、異常検出された集電コイルが搭載された台車の案
内力不平衡を防止する。
【0031】また、この発明の請求項7においては、異
常検出された集電コイルの端子間を電気的または機械的
に接続して短絡し、他の正常な集電コイルのみを用いて
集電を継続することにより、負荷に電力を供給し続け
る。
【0032】また、この発明の請求項8においては、異
常検出された集電コイルの両端子間を短絡するとともに
他の正常な集電コイルから切り離し、他の正常な集電コ
イルのみを用いて集電を継続する。
【0033】また、この発明の請求項9においては、磁
気浮上列車の走行方向に沿って配置された複数のコイル
からなる集電用超電導コイルに対し、それぞれに個別に
対応し且つ互いに隣接して設置された三相3個のコイル
により集電コイルを構成し、各三相3個のコイルに対応
したセンサコイルの検出信号の全ての和が一定時間にわ
たって一定値以上を示すときに、集電コイル内のいずれ
かのコイルの異常を検出し、全ての集電コイルを無効に
して集電コイルを含む誘導集電装置全体を確実に保護す
る。
【0034】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図について説明
する。図1はこの発明の実施例1の概略構成を示すブロ
ック図である。図において、6、9、11、13〜1
6、VpおよびIは前述と同様のものであり、各部の具
体的な構成および配置関係等は図11〜図13に示した
通りである。
【0035】31は集電コイル11に取り付けられたセ
ンサコイルであり、集電コイル11に流れる電流Iの作
る磁束を検出し、この磁束の変化分に対応した検出信号
Vqを出力する。32はセンサコイル31からの検出信
号Vqを入力信号とする保護回路であり、検出信号Vq
に基づいて集電コイル11の少なくとも短絡を含む異常
を検出する。保護回路32は、集電コイル11の異常検
出時に、制御信号Fを出力して集電用超電導コイル9を
消磁することにより、集電コイル11を含む誘導集電装
置全体を保護するようになっている。
【0036】図2は集電コイル11とセンサコイル31
との具体的な位置関係を示し、図2(a)は集電コイル
11およびセンサコイル31の組み立て状態を示す側面
図、図2(b)は図2(a)内のC−C線による断面図
である。ここでは、代表的に1つの集電コイル11のみ
に対するセンサコイル31を示している。
【0037】センサコイル31は、電気伝導体を複数回
巻回してなる空心コイルからなり、集電コイル11の内
側に密着するように配置されて、集電コイル11に流れ
る電流Iの作る磁束の変化分により空心コイルに誘起さ
れて発生する電圧を検出信号Vqとして出力する。
【0038】図3は保護回路32内の具体的構成を示す
回路図であり、33は保護回路32内に設けられた加算
器、Vuq、VvqおよびVwqは検出信号Vqに含ま
れる三相の誘起電圧信号、VTは検出信号Vqの各相毎
の電圧信号Vuq、VvqおよびVwqの総和電圧であ
る。加算器33は、三相の電圧信号Vuq、Vvqおよ
びVwqを加算し、集電コイル11の異常を判別するた
めの総和電圧VTを出力する。
【0039】三相3個のコイルからなる集電コイル11
を個々に異常判別する場合、加算器33は、各集電コイ
ル11に対応した各センサコイル31に誘起される三相
の検出信号Vuq、VvqおよびVwqを加算する。一
方、複数の集電用超電導コイル9に対応した全ての集電
コイル11からの検出信号Vqを総和する場合、各相の
検出信号Vuq、VvqおよびVwqは、加算器33の
入力側において、既に各相毎に総和された電圧信号を示
すことになる。
【0040】図4(a)および(b)は総和電圧VTの
変動例を示す波形図であり、(a)は集電コイル11に
層間短絡、口出し部短絡または断線等の異常が発生した
場合の波形、(b)は集電コイル11に異常がない場合
の波形をそれぞれ示す。図4において、Vrおよび−V
rはしきい値、tは総和電圧VTの絶対値がしきい値V
rを超えた時点からの一定時間、Tは一定時間tの経過
後からの一定時間である。
【0041】次に、図2〜図4とともに図11〜図13
を参照しながら、図1に示したこの発明の実施例1によ
る集電コイル11の層間短絡、口出し部短絡または断線
等の異常検出および異常検出時の保護動作について説明
する。浮上推進用超電導コイル10が搭載された磁気浮
上列車の車体1は、軌道4の側壁5に配設された推進コ
イル8と関連して推進力を受け、軌道4に沿って走行す
る。
【0042】また、集電用超電導コイル9および集電コ
イル11を含む誘導集電装置が搭載された車体1は、集
電用超電導コイル9の励磁により、側壁5に配設された
浮上コイル6を介して、集電コイル11からの誘起電圧
Vpおよび電流Iにより電力Vp・Iの供給を受け、蓄
電池14および負荷16に対する給電が行われる。
【0043】ここで、集電コイル11の層間短絡、口出
し部短絡または断線等の異常が発生したとする。このと
き、集電コイル11の内側に配置されたセンサコイル3
1は、集電コイル11に流れる電流Iの作る磁束を検出
し、この磁束の変化分に対応した検出信号Vqを出力し
て保護回路32に入力する。
【0044】保護回路32は、検出信号Vqに基づいて
集電コイル11の異常の有無を検出し、もし検出信号V
qが集電コイル11の異常を示せば、集電コイル11の
異常(層間短絡、口出し部短絡または断線等)が発生し
たものと判断する。したがって、異常検出された集電コ
イル11に対応する集電用超電導コイル9に消磁用の制
御信号Fを出力し、励磁状態にある集電用超電導コイル
9を消磁する。
【0045】これにより、異常検出された集電コイル1
1は、誘起電圧Vpが零となることによって無効とな
る。したがって、集電コイル11内の短絡回路に電磁誘
導による大電流が流れることが防止され、集電コイル1
1および誘導集電装置全体は保護される。以下、検出信
号Vqに基づく保護回路32内の異常検出動作につい
て、さらに詳細に説明する。
【0046】図3に示すように、検出信号Vqは、実際
には集電コイル11に対応した三相信号からなる。すな
わち、三相3個の集電コイル11に対して、U相の内側
に取り付けられたセンサコイル31に発生する検出信号
Vuq、V相の内側に取り付けられたセンサコイル31
に発生する検出信号Vvq、およびW相の内側に取り付
けられたセンサコイル31に発生する検出信号Vwq
は、それぞれ検出信号Vqとして保護回路32に入力さ
れる。
【0047】集電コイル11に流れる電流Iの作る磁束
の変化分に対応した各相の検出信号Vuq、Vvqおよ
びVwqは、図3のように、保護回路32内の加算器3
3により加算されて、検出信号Vqの絶対値に相当する
総和電圧VT(=Vuq+Vvq+Vwq)となる。
【0048】このとき、図4(a)のように、総和電圧
VTがしきい値Vrを超えてから一定時間tだけ経過し
た後、さらに一定時間Tにわたってしきい値Vrを超え
れば、三相の検出信号Vuq、VvqおよびVwq間に
不均衡が発生しているので、保護回路32は集電コイル
11に異常が発生したことを検出する。すなわち、総和
電圧VTが一定時間(t+T)にわたってしきい値を超
えた場合に、集電コイル11の異常が検出されることに
なる。
【0049】したがって、前述のように、保護回路32
は制御信号Fを出力し、集電用超電導コイル9を消磁す
る。たとえば、図12のように4個の集電用超電導コイ
ル9a〜9dのうち、集電用超電導コイル9aに対応し
た集電コイル11ua〜11waに異常が発生した場合
は、集電用超電導コイル9aを消磁する。このとき、台
車2の案内力の左右平衡の維持を考慮して、集電用超電
導コイル9aに対向配置された集電用超電導コイル9
a′(図13参照)をも同時に消磁することが望まし
い。
【0050】一方、異常発生とは無関係に一時的に検出
信号Vuq、VvqおよびVwq間に不均衡が発生する
例として、車体1が軌道4上の浮上コイル6のパネル端
部を通過する場合が考えられる。このとき、走行中の車
体1に対し、パネル端部において浮上コイル6のピッチ
が変化するため、一時的に集電コイル11の誘起電圧V
pが低下し、誘起電圧Vpが三相不平衡となり、集電コ
イル11に流れる電流Iも不平衡になる。
【0051】したがって、図4(b)のように、総和電
圧VT(検出信号Vqの絶対値)がしきい値Vrを超え
てから一定時間tだけ経過した後の一定時間T内におい
て、総和電圧VTがしきい値Vrを超えない場合、保護
回路32は、集電コイル11に異常は発生していないと
判断する。このとき、保護回路32は制御信号Fを出力
せず、集電用超電導コイル9は消磁されない。
【0052】実施例2.なお、上記実施例1では、図2
のように、センサコイル31を集電コイル11の内側に
同心的に設置したが、集電コイル11に対して他の位置
に設置してもよい。以下、センサコイルを集電コイル1
1の巻線方向に対して垂直な面内に設置したこの発明の
実施例2を図について説明する。
【0053】図5はこの発明の実施例2によるセンサコ
イル31Aを示し、図5(a)は集電コイル11に対す
るセンサコイル31Aの位置関係を示す側面図、図5
(b)は図5(a)内のD−D線による断面図である。
この場合、センサコイル31Aは、図5(a)のよう
に、集電コイル11の巻線方向に対して垂直な面内に巻
き付くように設置され、図5(b)のように、けい素鋼
板またはパーマロイ等からなる鉄心34と、鉄心34に
巻回された電流検出用の2次巻線35とから構成されて
いる。
【0054】鉄心34は、製造上の理由から、たとえば
2個のコの字状の鉄心を突き合わせることにより形成さ
れ得る。また、2次巻線35は、あらかじめコの字状の
各鉄心に巻回され、各鉄心が突き合わせられて図5の鉄
心34が形成された後で電気的に接続され得る。
【0055】図5のセンサコイル31Aにおいて、誘起
電圧Vpにより集電コイル11に流れる電流Iによって
発生する磁束は、センサコイル31Aの鉄心34を通
る。これにより、鉄心34に巻回された2次巻線35に
集電コイル11に流れる電流Iに対応した2次電圧が発
生し、2次巻線35は、前述と同様の検出信号Vqを出
力する。
【0056】したがって、図5のように、集電コイル1
1の巻線方向に垂直な面内にセンサコイル31Aを設置
した場合も、集電コイル11に流れる電流Iに対応した
検出信号Vqが電流検出用の2次巻線35から得られ、
上記実施例1と同様の効果を奏する。
【0057】実施例3.また、上記実施例1では、保護
回路32が、異常検出された集電コイル11に対応する
集電用超電導コイル9を消磁するようにしたが、たとえ
ば各集電コイル11の両端子間に短絡用スイッチを接続
し、異常検出時の集電用超電導コイル9の消磁制御と同
時に、異常検出された集電コイル11の短絡用スイッチ
をオンさせてもよい。この場合、異常検出された集電コ
イル11を短絡することにより誘導集電装置の回路から
切り離し、残りの健全な集電コイル11のみで集電を継
続することができる。
【0058】以下、異常検出された集電コイル11の三
相3個のコイルの各端子間を短絡するようにしたこの発
明の実施例3を図について説明する。図6〜図8はこの
発明の実施例3を示し、図6はこの発明の実施例3によ
る磁気浮上列車用誘導集電装置の構成を示すブロック
図、図7は図5内の集電コイル11A、センサコイル3
1および保護回路32Aを具体的に示すブロック図、図
8は保護回路32Aと集電コイル11Aとの具体的関係
を示す回路構成図である。
【0059】各図において、11Aおよび32Aは、そ
れぞれ、集電コイル11および保護回路32に対応して
おり、6、9、13〜16、31およびFは前述と同様
のものである。また、各部の具体的な構成および配置等
は、図2および図11〜図13に示した通りである。
【0060】図7において、センサコイル31は、各集
電コイル11ua〜11wdに個々に設置されたセンサ
コイル31ua〜31wdからなり、検出信号Vqは、
各センサコイル31ua〜31wdからの検出信号Vu
a〜Vwdからなる。同様に、各検出信号Vqを三相3
個毎に加算する加算器33は、各集電用超電導コイル9
a〜9dに対応した4個の加算器33a〜33dからな
り、総和電圧VTは、各加算器33a〜33dにより個
々に加算された総和電圧Va〜Vdからなる。
【0061】各総和電圧Va、Vb、VcおよびVd
は、各集電用超電導コイル9a〜9dの下側に配置され
た各3個の集電コイル11ua〜11wd(図12参
照)に対応したセンサコイル31に発生する検出信号V
qの和である。
【0062】この場合、集電コイル11Aは、図8のよ
うに、異常検出時にオンされる電気的または機械的な短
絡用スイッチSが両端間に設けられている。短絡用スイ
ッチSは、集電用超電導コイル9a〜9dに対し各三相
3個(合計12個)のコイル11ua〜11wd(図8
参照)にそれぞれ並列接続された常開スイッチSua〜
Swdからなる。
【0063】保護回路32Aは、各集電用超電導コイル
9a〜9dに対応した三相3個の集電コイル11の異常
を個別に検出する異常検出部39(図7参照)を有し、
各センサコイル31ua〜31wdからの検出信号Vu
a〜Vwdを入力している。また、保護回路32Aは、
異常検出時に、異常検出された集電コイル11に対応し
た集電用超電導コイル9に対する消磁用の制御信号Fa
〜Fdのみならず、集電コイル11内の各短絡用スイッ
チSua〜Swdに対する短絡用の制御信号G(Ga〜
Gd)を出力する。
【0064】次に、図2および図4とともに図11〜図
13を参照しながら、図6〜図8に示したこの発明の実
施例3の動作について説明する。図7のように、各集電
コイル11A(11ua〜11wd)に設置されたセン
サコイル31に誘起される検出信号Vq(Vua〜Vw
d)は、保護回路32Aに入力され、各加算器33a〜
33dにより三相3個の検出信号毎に加算される。
【0065】すなわち、各加算器33a〜33dは、各
集電用超電導コイル9a〜9dの下側に位置する各3個
の集電コイル11Aに取り付けられたセンサコイル31
の検出信号Vq毎に加算する。
【0066】保護回路32A内の異常検出部39は、図
4(a)に示すように、検出信号Vqの総和の絶対値
(総和電圧VaまたはVT)が、しきい値Vrを超えて
から一定時間tだけ経過した後、さらに一定時間Tにわ
たって、しきい値Vrを超えれば、集電用超電導コイル
9aの下側に位置する集電コイル11ua〜11waに
異常が発生したと判断する。
【0067】このように集電コイル11ua〜11wa
に層間短絡、口出し部短絡または断線等の異常が発生し
た場合、保護回路32Aは、集電用超電導コイル9aに
対して制御信号Faを出力し、集電用超電導コイル9a
を消磁する。また、これと同時に、集電用超電導コイル
9aに対向配置されているもう1つの集電用超電導コイ
ル9a′(図13参照)を消磁し、車体1の左右平衡状
態を維持する。
【0068】続いて、保護回路32Aは、三相3個の集
電コイル11ua〜11waの各端子間の短絡用スイッ
チSua〜Swaに対して制御信号Gaを出力し、集電
コイル11Aよりも低インピーダンスの短絡用スイッチ
Sua〜Swaをオンにする。また、これと同時に、集
電コイル11ua〜11waに対向して配置された三相
3個の集電コイル(集電用超電導コイル9a′に対応す
る図示しないコイル)に取り付けられた短絡用スイッチ
もオンとする。
【0069】こうして、異常検出された集電コイル11
ua〜11waは、短絡されることによって無効とな
り、誘導集電装置から切り離される。このように、集電
コイル11Aのいずれかに層間短絡、口出し部短絡また
は断線等の異常が発生したとき、異常な集電コイルを他
の正常な集電コイルから切り離すことにより、残りの正
常な集電コイルのみを用いて集電を継続し、負荷16に
電力を供給し続けることができる。
【0070】ここでは、集電用超電導コイル9aに対応
した集電コイル11ua〜11waが異常となった場合
を例にとって説明したが、他の集電用超電導コイル9b
〜9dに対応した集電コイル11ub〜11wdが異常
となった場合においても、同様に集電用超電導コイル9
の消磁動作および集電コイル11Aの切り離し動作が行
われる。
【0071】また、フェールセーフを優先し、短絡異常
発生時の大電流防止を考慮して集電コイル11Aを無効
にしたが、断線異常であったとしても何ら支障は生じな
い。また、短絡用スイッチSのオンにより、異常検出さ
れた集電コイル11Aを切り離すことにより、たとえば
断線異常の場合であっても、同様に、他の正常な集電コ
イル11Aを用いて集電を継続することができる。
【0072】実施例4.上記実施例3では、集電コイル
11Aの各三相3個のコイルに並列接続された短絡用ス
イッチSを短絡することにより、異常検出された集電コ
イル11Aを切り離すようにしたが、さらに、各三相3
個のコイルに直列に切り離し用スイッチを挿入し、これ
を制御信号Gによりオフさせてもよい。この場合、異常
検出された集電コイル11Aを誘導集電装置の回路から
確実に切り離すことができる。
【0073】以下、集電コイルの異常発生時に三相3個
のコイルの両端子間を短絡するとともに確実に切り離す
ようにしたこの発明の実施例4を図について説明する。
図9はこの発明の実施例4を示す構成図であり、11B
は集電コイル11Aに対応しており、9、13〜16、
31、32A、F、GおよびSは前述と同様のものであ
る。また、各部の具体的な構成および配置等は、図2、
図6、図7および図11〜図13に示した通りである。
【0074】S1は各集電コイル11Bに設けられた切
り離し用スイッチであり、各三相3個のコイル11ua
〜11wdに直列に挿入された常閉スイッチS1ua〜
S1wdからなる。この場合、異常検出時に保護回路3
2Aから出力される制御信号Gは、常開の短絡用スイッ
チSをオンさせるとともに、常閉の切り離し用スイッチ
S1をオフさせるようになっている。
【0075】次に、図9に示したこの発明の実施例4に
動作について説明する。前述と同様に、たとえば三相3
個のコイル11ua、11vaまたは11waのいずれ
かに層間短絡、口出し部短絡または断線等の異常が発生
すると、保護回路32Aは、集電用超電導コイル9a
(図12参照)に対して消磁用の制御信号Fを出力する
とともに、短絡用スイッチSua〜Swaに対して短絡
用の制御信号Gを出力する。
【0076】このとき、制御信号Gは、異常検出された
三相3個のコイル11ua〜waの切り離し用スイッチ
S1ua〜S1waに対しても印加され、短絡用スイッ
チSua〜Swaをオンさせると同時に、切り離し用ス
イッチS1ua〜S1waをオフさせる。
【0077】これにより、異常検出された集電コイル1
1Bは、集電用超電導コイル9aの消磁によって無効に
されるとともに、短絡され且つ切り離されて、誘導集電
装置の回路から確実に切り離される。したがって、残り
の正常な集電コイル11Bにより、高い信頼性で安定に
集電動作を継続することができる。
【0078】また、前述と同様に、車体1(図11参
照)の左右平衡状態の維持のために、集電用超電導コイ
ル9aに対向配置された集電用超電導コイル9a′(図
13参照)も消磁し、同時に、集電用超電導コイル9
a′に対応した集電コイルの三相3個のコイルを短絡さ
せ且つ切り離すことが望ましい。
【0079】このように、短絡用スイッチSのみなら
ず、切り離し用スイッチS1を備えた集電コイル11B
を用いることにより、少なくとも短絡を含む異常が発生
した集電コイル11Bを確実に切り離すことができる。
したがって、集電継続動作の信頼性を向上させることが
できる。
【0080】実施例5.なお、上記各実施例では、正常
な集電コイルで集電動作を継続させることを考慮して、
異常検出された集電コイルのみを無効にするようにした
が、異常検出時に全ての集電コイルを無効にして誘導集
電装置を停止させ、フェールセールを最優先としてもよ
い。
【0081】この場合、たとえば図1において、保護回
路32は、センサコイル31から得られる全ての検出信
号Vqを同時に加算し、集電コイル11内のいずれかの
コイルに異常が発生したことを検出する。そして、検出
信号Vqの全ての和(VT)が一定時間にわたって一定
値以上を示すときに異常を検出し、制御信号Fにより全
ての集電用超電導コイル9を消磁することになる。これ
により、全ての集電コイル11が無効となり、集電コイ
ル11を含む誘導集電装置を大電流による損傷から確実
に保護することができる。
【0082】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、推進コイルが設けられた軌道と、推進コイルに対向
配置された浮上推進用超電導コイルが設けられて軌道に
沿って走行する磁気浮上列車と、軌道に沿って設けられ
た浮上コイルと、浮上コイルに対向するように磁気浮上
列車に設けられた集電用超電導コイルおよび集電コイル
とを備え、磁気浮上列車が走行することによって生じる
集電用超電導コイルから浮上コイルを介した集電コイル
への電磁誘導現象を用いて磁気浮上列車内に電力を供給
する磁気浮上列車用誘導集電装置において、浮上コイル
から集電コイルに誘起される誘起電圧によって流れる電
流の作る磁束を検出し、磁束の変化分に対応した検出信
号を出力するセンサコイルと、検出信号に基づいて集電
コイルの少なくとも短絡を含む異常を検出するととも
に、異常が検出された集電コイルを無効にして保護する
ための保護回路とを設けたので、集電コイルの異常を検
出したときに誘導集電装置を保護することのできる磁気
浮上列車用誘導集電装置が得られる効果がある。
【0083】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、センサコイルを集電コイルの内側に設置
したので、集電コイルに流れる電流が作る磁束の変化分
すなわちセンサコイルの検出信号を確実に取得すること
のできる磁気浮上列車用誘導集電装置が得られる効果が
ある。
【0084】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1において、センサコイルを集電コイルの巻線方向に
対して垂直な面内に設置したので、集電コイルに流れる
電流が作る磁束の変化分すなわちセンサコイルの検出信
号を確実に取得することのできる磁気浮上列車用誘導集
電装置が得られる効果がある。
【0085】また、この発明の請求項4によれば、請求
項1から請求項3までのいずれかにおいて、集電コイル
は、1つの集電用超電導コイルに対応して互いに隣接し
て設置された三相3個のコイルからなり、保護回路は、
センサコイルの検出信号の各相の和が一定時間にわたっ
て一定値以上を示すときに、集電コイルの異常を検出す
るようにしたので、集電コイルの異常を確実に検出する
ことのできる磁気浮上列車用誘導集電装置が得られる効
果がある。
【0086】また、この発明の請求項5によれば、請求
項1から請求項4までのいずれかにおいて、保護回路
は、異常が検出された集電コイルに対応した集電用超電
導コイルを消磁して集電コイルの誘起電圧を零にするよ
うにしたので、異常検出された集電コイルを確実に無効
にすることのできる磁気浮上列車用誘導集電装置が得ら
れる効果がある。
【0087】また、この発明の請求項6によれば、請求
項5において、保護回路は、異常が検出された集電コイ
ルに対応した集電用超電導コイルに対向配置されたもう
1つの集電用超電導コイルを消磁するようにしたので、
車両の左右両側間の案内力不平衡を防止した磁気浮上列
車用誘導集電装置が得られる効果がある。
【0088】また、この発明の請求項7によれば、請求
項1から請求項6までのいずれかにおいて、集電コイル
は、1つの集電用超電導コイルに対応して互いに隣接し
て設置された三相3個のコイルからなり、三相3個のコ
イルは、各々の両端子間に接続された短絡用スイッチを
有し、保護回路は、短絡用スイッチをオンさせるための
制御信号を出力することにより、異常が検出された集電
コイルの三相3個のコイルの各端子間を短絡するように
したので、他の正常な集電コイルのみを用いて集電を継
続し、負荷に電力を供給し続けることのできる磁気浮上
列車用誘導集電装置が得られる効果がある。
【0089】また、この発明の請求項8によれば、請求
項7において、集電コイルは、三相3個のコイルの各々
に直列に挿入された切り離し用スイッチを有し、制御信
号は、切り離し用スイッチをオフさせることにより、異
常が検出された集電コイルの三相3個のコイルを確実に
切り離すようにしたので、他の正常な集電コイルのみを
用いてさらに安定に集電を継続することのできる磁気浮
上列車用誘導集電装置が得られる効果がある。
【0090】また、この発明の請求項9によれば、請求
項1から請求項3までのいずれかにおいて、集電用超電
導コイルは、磁気浮上列車の走行方向に沿って配置され
た複数のコイルからなり、集電コイルは、集電用超電導
コイルのそれぞれに個別に対応して互いに隣接して設置
された三相3個のコイルからなり、保護回路は、各三相
3個のコイルに対応したセンサコイルの検出信号の全て
の和が一定時間にわたって一定値以上を示すときに集電
コイルの異常を検出し、集電コイルのいずれかに異常が
発生したときに全ての集電コイルを無効にするようにし
たので、集電コイルを確実に保護することのできる磁気
浮上列車用誘導集電装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1を示すブロック図であ
る。
【図2】 図1内のセンサコイルの設置位置を示す図で
あり、図2(a)は側面図、図2(b)は図2(a)内
のC−C線による断面図である。
【図3】 図1内の保護回路に含まれる加算器を示す回
路図である。
【図4】 この発明の実施例1の動作を説明するための
波形図であり、図4(a)は異常発生時の波形、図4
(b)は正常時の波形をそれぞれ示す。
【図5】 この発明の実施例2によるセンサコイルの設
置位置を示す図であり、図5(a)は側面図、図5
(b)は図5(a)内のD−D線による断面図である。
【図6】 この発明の実施例3を示すブロック図であ
る。
【図7】 図6内の集電コイルおよびセンサコイルと保
護回路との関係を具体的に示す回路構成図である。
【図8】 図7内の集電コイルを具体的に示す回路構成
図である。
【図9】 この発明の実施例4による集電コイルを具体
的に示す回路構成図である。
【図10】 従来の磁気浮上列車用誘導集電装置を示す
ブロック図である。
【図11】 一般的な軌道の側壁に浮上コイルを設置す
る方式による磁気浮上列車用誘導集電装置を進行方向に
垂直に切断して示す断面図である。
【図12】 図11内の車体側のコイル部をA−A線で
切断して示す断面図である。
【図13】 図12内の車体側のコイル部の位置関係を
B−B線で切断して示す断面図である。
【符号の説明】
1 車体、4 軌道、5 側壁、6、6a、6b 浮上
コイル、8 推進コイル、9、9a〜9d、9a′〜9
d′ 集電用超電導コイル、10 浮上推進用超電導コ
イル、11、11A、11B 集電コイル、11ua〜
11wd 三相3個のコイル、12 クライオスタッ
ト、13 PWMコンバータ、14 蓄電池、15 イ
ンバータ、16 負荷、31 センサコイル、32 保
護回路、31、31A、31ua〜31wd センサコ
イル、32、32A 保護回路、33、33a〜33d
加算器、39 異常検出部、F、Fa〜Fd 消磁用
の制御信号、G、Ga〜Gd 短絡用の制御信号、I
電流、S、Sua〜Swd短絡用スイッチ、S1、S1
ua〜S1wd 切り離し用スイッチ、t、T一定時
間、Vp 誘起電圧、Vq、Vua〜Vwd、Vuq〜
Vwq 検出信号、Vr しきい値(一定値)、VT、
Va〜Vd 総和電圧。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02J 17/00 X (72)発明者 池下 浩司 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 赤木 秀成 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 小河 貞男 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 地蔵 吉洋 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 平山 良雄 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 日比野 敦夫 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社伊丹製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 推進コイルが設けられた軌道と、 前記推進コイルに対向配置された浮上推進用超電導コイ
    ルが設けられて前記軌道に沿って走行する磁気浮上列車
    と、 前記軌道に沿って設けられた浮上コイルと、 前記浮上コイルに対向するように前記磁気浮上列車に設
    けられた集電用超電導コイルおよび集電コイルとを備
    え、 前記磁気浮上列車が走行することによって生じる前記集
    電用超電導コイルから前記浮上コイルを介した前記集電
    コイルへの電磁誘導現象を用いて前記磁気浮上列車内に
    電力を供給する磁気浮上列車用誘導集電装置において、 前記浮上コイルから前記集電コイルに誘起される誘起電
    圧によって前記集電コイルに流れる電流の作る磁束を検
    出し、前記磁束の変化分に対応した検出信号を出力する
    センサコイルと、 前記検出信号に基づいて前記集電コイルの少なくとも短
    絡を含む異常を検出するとともに、異常が検出された集
    電コイルを無効にして保護するための保護回路とを設け
    たことを特徴とする磁気浮上列車用誘導集電装置。
  2. 【請求項2】 前記センサコイルは、前記集電コイルの
    内側に設置されたことを特徴とする請求項1の磁気浮上
    列車用誘導集電装置。
  3. 【請求項3】 前記センサコイルは、前記集電コイルの
    巻線方向に対して垂直な面内に設置されたことを特徴と
    する請求項1の磁気浮上列車用誘導集電装置。
  4. 【請求項4】 前記集電コイルは、1つの集電用超電導
    コイルに対応して互いに隣接して設置された三相3個の
    コイルからなり、 前記保護回路は、前記センサコイルの検出信号の各相の
    和が一定時間にわたって一定値以上を示すときに、前記
    集電コイルの異常を検出することを特徴とする請求項1
    から請求項3までのいずれかの磁気浮上列車用誘導集電
    装置。
  5. 【請求項5】 前記保護回路は、異常が検出された集電
    コイルに対応した集電用超電導コイルを消磁することを
    特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの磁気
    浮上列車用誘導集電装置。
  6. 【請求項6】 前記保護回路は、異常が検出された集電
    コイルに対応した前記集電用超電導コイルに対向配置さ
    れたもう1つの集電用超電導コイルを消磁することを特
    徴とする請求項5の磁気浮上列車用誘導集電装置。
  7. 【請求項7】 前記集電コイルは、1つの集電用超電導
    コイルに対応して互いに隣接して設置された三相3個の
    コイルからなり、 前記三相3個のコイルは、各々の両端子間に接続された
    短絡用スイッチを有し、 前記保護回路は、前記短絡用スイッチをオンさせるため
    の制御信号を出力することにより、異常が検出された集
    電コイルの三相3個のコイルの各端子間を短絡すること
    を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの磁
    気浮上列車用誘導集電装置。
  8. 【請求項8】 前記集電コイルは、前記三相3個のコイ
    ルの各々に直列に挿入された切り離し用スイッチを有
    し、 前記制御信号は、前記切り離し用スイッチをオフさせる
    ことにより、異常が検出された集電コイルの三相3個の
    コイルを切り離すことを特徴とする請求項7の磁気浮上
    列車用誘導集電装置。
  9. 【請求項9】 前記集電用超電導コイルは、前記磁気浮
    上列車の走行方向に沿って配置された複数のコイルから
    なり、 前記集電コイルは、前記集電用超電導コイルのそれぞれ
    に個別に対応して互いに隣接して設置された三相3個の
    コイルからなり、 前記保護回路は、前記各三相3個のコイルに対応したセ
    ンサコイルの検出信号の全ての和が一定時間にわたって
    一定値以上を示すときに、前記集電コイルの異常を検出
    することを特徴とする請求項1から請求項3までのいず
    れかの磁気浮上列車用誘導集電装置。
JP32802494A 1994-12-28 1994-12-28 磁気浮上列車用誘導集電装置 Expired - Fee Related JP3335787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32802494A JP3335787B2 (ja) 1994-12-28 1994-12-28 磁気浮上列車用誘導集電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32802494A JP3335787B2 (ja) 1994-12-28 1994-12-28 磁気浮上列車用誘導集電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08186903A true JPH08186903A (ja) 1996-07-16
JP3335787B2 JP3335787B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=18205674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32802494A Expired - Fee Related JP3335787B2 (ja) 1994-12-28 1994-12-28 磁気浮上列車用誘導集電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3335787B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102753381A (zh) * 2009-12-23 2012-10-24 庞巴迪运输有限公司 用以将电能传送到车辆的系统与方法
CN108284770A (zh) * 2018-03-02 2018-07-17 西南交通大学 一种永磁同步直线电机驱动的高温超导磁悬浮车
JP2018191430A (ja) * 2017-05-02 2018-11-29 キヤノン株式会社 送電装置、無線電力伝送システム、判定方法及びプログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102753381A (zh) * 2009-12-23 2012-10-24 庞巴迪运输有限公司 用以将电能传送到车辆的系统与方法
JP2018191430A (ja) * 2017-05-02 2018-11-29 キヤノン株式会社 送電装置、無線電力伝送システム、判定方法及びプログラム
CN108284770A (zh) * 2018-03-02 2018-07-17 西南交通大学 一种永磁同步直线电机驱动的高温超导磁悬浮车
CN108284770B (zh) * 2018-03-02 2023-07-18 西南交通大学 一种永磁同步直线电机驱动的高温超导磁悬浮车

Also Published As

Publication number Publication date
JP3335787B2 (ja) 2002-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5341280A (en) Contactless coaxial winding transformer power transfer system
US5628252A (en) Method and apparatus for combined levitation and guidance along guideway curvature in electrodynamic magnetically levitated high speed vehicle
EP0929926B1 (en) Method and apparatus for supplying contactless power
Klontz et al. Contactless power delivery system for mining applications
US5301096A (en) Submersible contactless power delivery system
JP3729787B2 (ja) 複数の電動車両に誘導電力を分配してこれら車両を共通の軌道に沿って個別に走行させる誘導電力分配システム、電動車両
US5642249A (en) Method and apparatus for limiting high current electrical faults in distribution networks by use of superconducting excitation in transverse flux magnetic circuit
Bohn et al. The electromagnetic levitation and guidance technology of the'transrapid'test facility Emsland
US6286434B1 (en) Propulsion system for a magnetic levitation vehicle
JPH0965502A (ja) 誘導式給電・集電装置
Zhang et al. Smart electric neutral section executer embedded with automatic pantograph location technique based on voltage and current signals
CN113815426A (zh) 智能抱轨高温超导磁悬浮列车系统
JP3335787B2 (ja) 磁気浮上列車用誘導集電装置
JP3629598B2 (ja) 鉄道き電系統におけるアーク抑制装置
JPH02162706A (ja) 超電導マグネット装置、その冷却システム及びこれらを備えた磁気浮上走行装置
JPH07312823A (ja) 直流漏電検出保護装置
JP2005119519A (ja) 電気車の位置・電流検出装置
CN210958110U (zh) 一种超导磁通切换直线电机驱动的轨道交通列车系统
JP2002159102A (ja) 電気車制御装置
CA1307822C (en) Floating negative automatic grounding switch
JPH09175236A (ja) 切替開閉装置
JP3248246B2 (ja) 交流電鉄の給電方法
EP4177621A1 (en) Electric circuitry for fault current detection in an electric vehicle charging station
JP2678763B2 (ja) 自走車輌検出装置
JP3875651B2 (ja) 磁気浮上式鉄道用地絡点標定方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070802

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080802

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080802

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090802

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090802

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100802

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110802

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110802

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120802

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees