JPH0818432B2 - 液体噴射記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は本発明は液体噴射記録装置に関する。に関す
る。

〔従来の技術〕

現在知られている各種の記録法のなかでも、記録時に
騒音の発生が殆んどないノンインパクト記録方式であっ
て且つ高速記録が可能であり更に普通紙に特別に定着処
理なしで記録が可能であるという利点の故に液体噴射記
録法いわゆるインクジェット記録法は極めて有用な記録
法であると認められている。インクジェット記録法は、
インクと称される記録液の液滴を記録ヘッドから種々の
作用原理で吐出・飛翔させ、該液滴を紙等の被記録部材
に付着させて記録を行なうものである。即ち、記録ヘッ
ドには１つ以上のインク吐出口と該インク吐出口に連通
せるインク通路とが設けられており、該インク通路には
各インク吐出口からのインク滴吐出のためのエネルギー
をインクに付与するためのエネルギー発生手段が各吐出
口に対応して付設されており、該エネルギー発生手段に
対し駆動信号を印加することにより所望のインク吐出口
から適時インク滴が吐出せしめられ、被記録部材にドッ
ト状にら付着する。そして、被記録部材に対し平行に記
録ヘッドを相対移動させることにより被記録部材の所望
の領域に複数のドット状付着インクの集合として文字、
記号及び図形等を記録することができる。

以上の様なインクジェット記録において用いられるイ
ンクは一般に揮発性を有する溶媒中にカーボンブラック
その他の着色用の色素等の不揮発性の溶質を含有してな
るものである。

第６図は以上の様なインクジェット記録法による記録
装置を具備した電子式卓上計算機の概略構成を示す斜視
図である。

図において、50は外装ケースであり、該ケースは上部
ケース50aと下部ケース50bとで構成されている。上部ケ
ース50aには、数値や演算子を入力するためのキーボー
ド部52と、入力データ及び演算結果を出力するための表
示部54と、入力データや演算結果を記録用紙56に出力記
録するための記録部58とが設けられている。尚、60は記
録用紙56を任意の位置で切断するためのペーパーカッタ
である。

第６図における記録部58はインクジェット記録装置を
含むものであり、第７図にその記録ヘッドの概略断面図
を示す。

図において、62は記録ヘッドであり、64はそのケース
である。該ケース内にはインク66を収容するためのゴム
等からなる変形可能な袋体68が収納されている。該袋体
の開口縁部が接合されているケース64の壁面70には小開
口72及びこれに連なるインク貯留部74が形成されてい
る。更に、該壁面70の外面側にはガラス基板76が固設さ
れており、該基板には小開口78が形成されている。該ガ
ラス基板76の外面側にはアルミニウムあるいは金等の薄
板で形成されたヘッドプレート80が固設されており、該
プレートと上記ガラス基板76との間にインク通路82が形
成されている。ヘッドプレート80には上下方向に１列に
複数個のインク吐出口84が形成されている。尚、図示は
しないが、ガラス基板76の外面側には上記各インク吐出
口84に対応する位置にエネルギー発生手段たとえば発熱
抵抗体が複数個配設されており、更に該発熱抵抗体に通
電するための配線も配設されている。以上の記録ヘッド
62は第６図における記録用紙56の幅方向に往復移動せし
められ、更に該記録用紙56は該記録ヘッド62の移動方向
と直交する向きに移動せしめられ、その際に適時各エネ
ルギー発生手段に通電することにより記録が行われる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかるに、近年においては記録の高細密化が求められ
ており、インクジェット記録装置の記録ヘッドのインク
吐出口もたとえば直径数十ミクロン〜数百ミクロン程度
と次第に微細化する傾向にある。

ところで、記録ヘッドのインク通路中には常時インク
が存在せしめられており、インク吐出口近傍のインクに
対し吐出エネルギーが付与されると直ちにインク吐出口
からインクが吐出せしめられる様になっている。このた
め、インクが実際に吐出していない場合であっても吐出
口からはインク溶媒が常時蒸発している。

かくして、長時間にわたって記録を行なわない場合に
は、記録ヘッド内のインク通路のインク吐出口近傍にて
インク溶質が凝集してインク吐出口が目詰りをおこすこ
とがある。一旦この様な目詰りが生ずると、当該吐出口
については記録時にインク吐出が不能となり、記録はド
ット欠けを有するものとなり記録品位は著しく低下す
る。

そこで、従来は記録装置本体に対し記録ヘッドを着脱
自在に構成しておき、非記録時には記録ヘッドを取外し
て別途用意された密閉容器に収納することによりインク
溶媒の蒸発を防止することが行なわれていた。しかしな
がら、この様な手段では記録の開始前及び終了後にその
都度記録ヘッドの着脱操作を行なうことが必要となり、
操作が面倒であるという難点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明によれば、以上の如き従来技術の問題点を解決
するものとして、 液体を吐出して飛翔的液滴を形成するための吐出口を
有して往復移動する記録ヘッドの往復移動可能範囲内で
あって前記飛翔的液滴により記録媒体に記録が行われる
記録領域の外に前記吐出口に対向して接触可能に設けら
れた吐出口遮蔽手段を有する液体噴射記録装置におい
て、 前記吐出口遮蔽手段は、前記記録ヘッドの移動方向に
沿って回転可能な非通気弾性の楕円形状部を有するロー
ラ部材であって、 前記記録ヘッドの吐出口を覆う前記楕円形状部の長軸
方向外周部と、 前記記録ヘッドの移動により前記吐出口が前記ローラ
部材と対向せしめられる際の動きと連動して前記長軸方
向外周部が前記記録ヘッドの吐出口を覆う位置に回動移
動するように前記ローラ部材を前記記録ヘッドの移動方
向と同方向に回転させる前記楕円形状部の短軸方向外周
部と、 を有し、前記楕円形状部には、前記短軸方向外周部か
ら前記長軸方向外周部へ連続する外周部が複数備えられ
ていることを特徴とする液体噴射記録装置、 が提供される。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながら本発明の具体的実施例を説
明する。

第１図は本発明記録装置の一実施例を示す斜視図であ
る。

図において、２は記録操作本体を示し、４は記録ヘッ
ドを示す。記録装置本体２のフレーム６には被記録部材
である記録用紙を記録位置に送給するための機構８が付
設されており、該記録用紙は挿入口10から下方へと挿入
され、不図示の送り手段によりプラテン部12を通って上
方へと送給される。フレーム６にはＸ方向に平行に配列
された２本のガイド軸13,14が固設されており、該ガイ
ド軸に対しＸ方向に沿って摺動可能な様にキャリッジ16
が取付けられている。該キャリッジには係止部材18,20
が付設されており、該係止部材により記録ヘッド４が係
止されて装着されている。該係止部材18,20は可とう性
を有し、従って記録ヘッド４はキャリッジ16に対し着脱
可能となっている。一方、フレーム６にはパルスモータ
22が固定されており、その駆動回転軸にはプーリ24が付
設されている。また、フレーム６にはプーリ26,28が取
付けられており、該プーリを通ってワイヤ30がかけられ
ている。該ワイヤの一端はキャリッジ16に接続されてお
り、他端はプーリ24に接続されている。更に、フレーム
６にはプーリ32及びピン34が取付けられており、該プー
リを通って引張バネ36がかけられている。該バネの一端
はキャリッジ16に接続されており、他端はピン34に接続
されている。フレーム６には、また、ソレノイド38が取
付けられており、該ソレノイドを貫通してＹ方向に鉄製
プランジャ40が配置されている。該プランジャはバネ42
によりＹ方向に関し適宜の位置を保つ様に接続されてい
る。尚、44は記録ヘッド４のエネルギー発生手段に電力
を供給するためのフレキシブルケーブルであり、キャリ
ッジ16においてその端子が所定の位置に配置されてい
る。そして、該キャリッジ16に記録ヘッド４が装着され
ると記録ヘッド側配線の端子と正しく接続される様にな
っている。

尚、記録ヘッド４のインク吐出口はプラテン部12に対
面する位置に設けられている。そして、フレーム６には
該インク吐出口をふさぐための手段たるローラ46が取付
けられている。該ローラはプラテン部12のＸ方向延長上
に位置し、Ｚ方向の軸のまわりに回転可能である。該ロ
ーラ46はネオプレンゴム等の非通気性の弾性体からな
り、楕円柱形状をなしている。

次に、上記記録装置の動作を説明する。

第２図及び第３図は上記記録装置のキャリッジの移動
動作を説明するための概略図である。

第２図は記録時の状態を示すものであり、本図におい
ては記録ヘッド４は第１のホームポジションにある。こ
の状態において、キャリッジは引張バネ36により矢印Ｂ
の向きに引張られており、且つプランジャ40に突当てら
れて静止している。即ち、この状態においてはプランジ
ャ40はソレノイド38への通電によりバネ42による引張力
に抗して矢印Ｃの向きに突出せしめられ、かくしてキャ
リッジの往復移動経路を遮るのである。次に、パルスモ
ータ22を駆動してプーリ24によりワイヤ30を巻取ること
によりキャリッジを矢印Ａの向きに移動させながら、プ
ラテン部12に送給せしめられた記録用紙48に対し記録ヘ
ッド４のインク吐出口５からインクを吐出せしめ、かく
して記録が行なわれる。キャリッジがＡ方向に移動し、
記録ヘッド４が図中点線で示される位置４′に到達し１
行分の記録が終了すると、パルスモータ22への通電が解
除されてキャリッジはバネ36の引張力により矢印Ｂの向
きに移動せしめられ、かくしてプラテンがプランジャ40
に突当たって第１のホームポジションに停止する。更に
記録が続けられる場合には、図中紙面に垂直の方向へ記
録用紙48が所定のピッチだけ送られ、以下上記と同様の
動作が繰り返される。

第３図は非記録時の状態を示すものであり、本図にお
いては記録ヘッド４は第２のホームポジションにある。
即ち、上記第２図に関し説明した様な記録が終了した後
に一定時間（予め設定しておく）が経過した時や、ある
いは装置の電源が切られた時など比較的長い時間にわた
って記録が行なわれない場合には、ソレノイド38への通
電が停止せしめられてプランジャ40はバネ36の引張力に
より矢印Ｄの向きに後退し、かくしてキャリッジはバネ
36の引張力により矢印Ｂの向きに移動し、不図示の係止
部材に突当たって停止する。これにより、記録ヘッド４
は上記第１のホームポジションから第２のホームポジシ
ョンへと移動するのである。

第３図に示される状態から記録を開始するには、先ず
パルスモータ22を駆動してプーリ24によりワイヤ30を巻
上げることによりキャリッジを矢印Ａの向きに移動させ
記録ヘッド４を上記第１のホームポジションに位置させ
ると同時にソレノイド38に通電してプランジャ40をバネ
42の引張力に抗して矢印Ｃの向きに突出させ、かくして
第２図に示される状態とする。続いて、上記第２図に関
し説明した様な記録動作を行なう。

第４図及び第５図は上記記録装置のローラ46の動作を
説明するための概略図である。尚、第４図は記録時の状
態を示し、第２図に対応するものである。また、第５図
は非記録時の状態を示し、第３図に対応するものであ
る。

第４図に示される様に、記録時においては、記録ヘッ
ド４が第１のホームポジションにある時でもローラ46は
記録ヘッド４のインク吐出口５に対向することはなく、
かくしてローラ46が記録の支障とはならない。また、ロ
ーラ形状の楕円の長軸は記録ヘッド移動方向を向いてお
り即ちローラの楕円形状の長軸上の外周面（長軸方向外
周部）は双方とも記録ヘッド移動方向の同一直線上に存
在するとともに、第４図に点線で示すように記録ヘッド
４のインク吐出口５が配される面のＸ方向延長上にロー
ラの楕円形状の短軸上の外周面（短軸方向外周部）のう
ちの一方が位置している。一方、第５図に示される様
に、非記録時においては記録ヘッド４は第２のホームポ
ジションにあり、この位置において記録ヘッド４のイン
ク吐出口５はローラ46と接触している。また、ローラ形
状の楕円の長軸は記録ヘッド移動方向と直角の方向を向
いている。これは、記録ヘッド４が第１のホームポジシ
ョンから第２のホームポジションへと移動する時の動き
と連動して矢印Ｅの向きに回転せしめられるからであ
り、従って第２のホームポジションにおいてはローラ46
は十分な押圧力にてインク吐出口５をふさぐことができ
る。かくして、インク吐出口５からのインク溶媒の蒸発
が防止される。

ローラ46は着脱可能としておくことにより適宜交換す
ることができる。

上記実施例においては記録ヘッド４がカートリッジ式
であり記録装置本体２に対し着脱可能である場合が示さ
れているが、本発明は記録ヘッドが装置本体に対し固設
されている場合をも包含するものである。

〔発明の効果〕

以上の如き本発明によれば、非記録時には自動的に記
録ヘッドのインク吐出口を外気から遮断することができ
るので、インク吐出口からのインク溶媒の蒸発は最小限
とすることができ、かくして記録用インクの損失を低減
することができるとともに、インク吐出口の目詰りを防
止することができ、常に良好な状態で記録を行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の斜視図であり、第２〜５図はその
動作説明のための概略図である。 第６図は記録装置を具備した電子式卓上計算機の斜視図
であり、第７図はその記録装置に用いられるインクジェ
ット記録ヘッドの断面図である。 2:記録装置本体、4:記録ヘッド 5:インク吐出口、12:プラテン部 16:キャリッジ、22:パルスモータ 30:ワイヤ、36,42:バネ 38:ソレノイド、40:プランジャ 46:ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体を吐出して飛翔的液滴を形成するため
   の吐出口を有して往復移動する記録ヘッドの往復移動可
   能範囲内であって前記飛翔的液滴により記録媒体に記録
   が行われる記録領域の外に前記吐出口に対向して接触可
   能に設けられた吐出口遮蔽手段を有する液体噴射記録装
   置において、 前記吐出口遮蔽手段は、前記記録ヘッドの移動方向に沿
   って回転可能な非通気弾性の楕円形状部を有するローラ
   部材であって、 前記記録ヘッドの吐出口を覆う前記楕円形状部の長軸方
   向外周部と、 前記記録ヘッドの移動により前記吐出口が前記ローラ部
   材と対向せしめられる際の動きと連動して前記長軸方向
   外周部が前記記録ヘッドの吐出口を覆う位置に回動移動
   するように前記ローラ部材を前記記録ヘッドの移動方向
   と同方向に回転させる前記楕円形状部の短軸方向外周部
   と、 を有し、前記楕円形状部には、前記短軸方向外周部から
   前記長軸方向外周部へ連続する外周部が複数備えられて
   いることを特徴とする液体噴射記録装置。