JPH08180383A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH08180383A
JPH08180383A JP32431694A JP32431694A JPH08180383A JP H08180383 A JPH08180383 A JP H08180383A JP 32431694 A JP32431694 A JP 32431694A JP 32431694 A JP32431694 A JP 32431694A JP H08180383 A JPH08180383 A JP H08180383A
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JP
Japan
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protective layer
recording medium
layer
magnetic recording
carbon
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Application number
JP32431694A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Kashiwakura
良晴 柏倉
Masakazu Ueno
正和 上野
Yasushi Sakai
泰志 酒井
Minoru Yamagishi
稔 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成膜雰囲気中の水素量や炭化水素量を従前通り
の値に保ちながらも、ダングリングボンド密度が低減し
たカーボン保護層を実現し、良好なCSS耐久性や表面
品質の安定した磁気記録媒体を提供する 【構成】カーボン保護層4の上に塗布された液体潤滑層
5とを備えた磁気記録媒体において、カーボン保護層4
の少なくとも表層が3at%〜15at%の酸素を含有
している。このカーボン保護層4の成膜法は、成膜ガス
として(Ar+30mol %のCH4 +30mol %のCO
2 )混合ガスを用いてスパッタリングするものである。
水素や炭化水素の含有量を変えずに、酸素がダングリン
グボンドと結合しているのでカーボン保護層4の表層の
ダングリングボンド密度が低減している。従って、耐C
SS特性を劣化させずに、ガス吸着性を無くすことがで
き、耐環境性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータ等のハー
ドディスク装置などに使用される磁気ディスク等の磁気
記録媒体の層構成に関し、特に、磁気記録媒体の磁性層
を保護するために形成されるカーボン保護層の膜質に関
する。
【0002】
【従来の技術】固定磁気ディスク装置に用いられている
一般的な磁気記録媒体の構成は、図5に示す如く、非磁
性基板11上に非磁性金属層12を形成して非磁性の基
体1とし、この基体1の上に非磁性の金属下地層2を積
層した後、この金属下地層2上に、強磁性合金体である
Co−Cr−Ta(コバルト−クロム−タンタル)、ま
たはCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)など
により磁性層3を薄膜状に積層形成し、さらに、この磁
性層上にアモルファスカーボン保護層4を形成する。そ
して、この保護層4の上に、必要に応じて液体潤滑剤か
らなる潤滑層5を塗布して磁気ディスクを形成してい
る。
【0003】非磁性の基体1としては、例えばAl−M
g合金の非磁性基板11に無電解メッキによりNi−P
メッキ層12を形成したもの、アルマイト基体、ガラス
基体、セラミック基体、などが用いられる。そして、こ
の基体1を必要に応じて研磨し、テクスチャーなどによ
り凹凸を形成する場合もある。この非磁性の基体1を約
200°Cに加熱しながらAr雰囲気下のスパッタリン
グにより層厚約200nmのCrからなる非磁性金属下地層
2、層厚約30nmのCo−Cr−Taなどからなる磁性層
3、および層厚約15nmのアモルファスカーボンからなる
保護層4を順次スパッタ法により積層成形する。そし
て、保護層4上に、フロロカーボン系の液体潤滑剤を塗
布して層厚約2nmの潤滑層5を形成し、磁気ディスクを
製造する。
【0004】このような磁気ディスクがハードディスク
装置などに実装されると、装置の記録ヘッドとの接触動
作を繰り返すこととなる。これは、一般に、ハードディ
スク装置などにおいて、停止時にヘッドと磁気ディスク
表面が接触する状態であり、この状態から稼動時のみに
ヘッドが磁気ディスク表面から僅かに浮上して、情報の
読み取り動作または書込み動作が行われるCSS(コン
タクト・スタート・ストップ)方式が採用されているた
めである。従って、電源のオン・オフ、およびヘッドの
シーク動作に伴いヘッドと磁気ディスク表面の突起等の
間には、瞬間的にエネルギーの高いヘッドタッチが発生
する。このような物理的な衝撃などから磁性層を保護す
るために磁性層の表面に保護層を形成しており、また、
場合によっては、液体潤滑膜も形成する。一般的に、5
インチ以下の少口径のディスクの場合は、保護層の材料
としてカーボンが用いられ、Ar雰囲気中でのスパッタ
リングにより層を形成することが多いが、この他にも酸
化物系、例えば、酸化ジルコニアなどが使用されること
もある。保護層としてカーボンが採用される理由の一つ
として、スパッタリングにより形成されるアモルファス
カーボン(a−C)層は、比較的グラファイト性が強い
ため、グラファイト特有の水を含んだ大気下において低
い摩擦係数を示すという特徴を有する点がある。
【0005】しかしながら、このようなカーボン保護層
は、従来のMn−Znフェライトヘッド(ビッカース硬
度約650)に対しては十分な耐磨耗性を有し、良好な
耐CSS特性を示すが、最近になり固定磁気ディスク装
置に採用される薄膜ヘッドやMIGヘッドのスライダー
材料であるAl2 3 ・TiCやCaTiO3 といった
硬質のセラミック材料(ビッカース硬度約2000)と
比較すると硬度が低いため、これら硬質スライダーに対
しては磨耗を引き起こし易く、場合によっては、ヘッド
がクラッシュするという問題がある。これに対し、硬度
の高い酸化物系の保護層を用いた場合は、磨耗は起こし
難いが、その硬すぎる性質と、摩擦係数が高い点が問題
となる。すなわち、シーク動作に伴う浮上動作中、ある
いはCSS動作中にディスク表面の異物や突起物によっ
て起きる瞬間的なエネルギーの高い状態でのヘッドタッ
チにより、瞬時にヘッドがクラッシュしてしまうのであ
る。
【0006】このような問題を解決するために、近年で
はカーボン保護層の性質のうち、硬度の高いダイアモン
ド的な性質を増長させ、ダイアモンド結合状態の比率が
グラファイト結合状態の比率に比して高いダイアモンド
状カーボン(DLC)を磁性層上に保護層として形成す
る方法が示されている。このダイアモンド状カーボン膜
は、炭素の優れた摺動特性に加えて、ダイアモンド構造
を取るため硬度が高く、高硬度のAl2 3 ・TiCス
ライダーやCaTiO3 スライダーに対しての耐磨耗特
性を改善することができ、既に様々な提案がなされてい
る。例えば、特開昭61−126627には不活性ガス
と炭化水素ガスとの混合雰囲気中でのスパッタリング法
またはCVD法で形成した硬質カーボン層と含フッ素潤
滑層との複合層が示されている。また、特開平2−71
422には膜中結合水素とラマンスペクトルから規定さ
れた膜質のカーボン層が示され、特開平2−29919
にはラマンスペクトルにより規定されたカーボン層の例
がある。また、特開平2−87322には水素を含む炭
素膜とその上に潤滑剤が塗布された磁気記録媒体の例が
あり、特開平1−258220では高硬度スライダー用
保護層として、水素含有量2〜7×1022原子個数/c
cのダイアモンド状炭素膜が高硬度スライダーと同程度
の硬度を有し、耐CSS特性に優れることが示されてい
る。さらに、特開平2−282470では、炭化水素ガ
ス中でスパッタして形成し、カーボンをArのみでスパ
ッタリング成膜した従来のグラファイト保護膜と同程度
の硬度を持つこととその表面が疎水性を持つことを規定
したカーボン保護膜が提案されている。更にまた、特開
平6−195691では、グラファイト的なカーボンの
摩擦係数が低いという性質を残しながら、硬度の高いA
2 3 ・TiCスライダーやCaTiO3 スライダー
に対応するために、スパッタリングにより形成されるカ
ーボン保護層の性質のうち、硬度の高いダイアモンド的
な性質を増長させながら、一方で、ポリマー的な結合を
導入し、硬度を低下させたカーボン保護層が示されてい
る。成膜法はArに水素や炭化水素を混合した雰囲気中
でスパッタ形成するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Ar雰囲気
中や(Ar+水素又は炭化水素)の雰囲気中で成膜され
たカーボン保護層にはダングリングボンドと呼ばれる不
対電子が存在する。このダングリングボンドは潤滑剤の
主要な吸着サイトであり、カーボン保護層のダングリン
グボンド密度が大きい程、カーボン保護層は活性で潤滑
剤との結合性が高まり、CSS耐久性を向上させる一つ
の要因となる。しかし、カーボン保護層表面は微視的に
は潤滑剤の分子に覆われていない部位(露出部位)が存
在している。即ち、カーポン保護層の上に塗布されるフ
ロロカーボン系の液体潤滑剤は、一般式 A−CF2 O−(C2 4 O)n (CF2 O)m −CF
2 −A で表されるような長い紐状分子であり、末端基A(例え
ばCH2 OHなど)以外は不活性であるため、末端基A
と結合したカーボン保護層表面のダングリングボンド部
位については不活性となるものの、その余のダングリン
グボンド部位は未結合領域で、この部位が空気中に存在
する各種ガス等の汚染物質を吸着する吸着サイトとな
る。このため、過剰にダングリングボンド部位が存在す
ると、ガス吸着により媒体又はそれに接するヘッドの腐
食や媒体とヘッドとの吸着が生じ易くなり、カーボン保
護層表面の安定性が劣化し、耐環境特性の悪化要因とな
っている。実際問題として、磁気記録媒体が組み込まれ
る固定型磁気記録装置では、媒体駆動回転用のモータの
発熱に伴いシール材等から汚染ガスが発生し、この汚染
ガスが媒体表面に吸着されることが認められている。媒
体回転の開始時と停止時にヘッドと媒体が摺動状態とな
るため、上記のようなガス吸着が生じていると、ヘッド
の吸着による駆動負荷の増大や耐CSS特性の劣化を招
くことがある。
【0008】このような対策として、ダングリングボン
ド密度を低減させてガス吸着を減らすために、Arに混
合する水素量や炭化水素量を増やすと、ダングリングボ
ンドと水素との結合度が高くなり、ダングリングボンド
密度の低減が見られる。しかし、前述したように、水素
や炭化水素の雰囲気中で成膜されたカーボン保護層は、
ポリマー的な結合が高くなるので、硬度の低下や摩擦係
数の低下に結び付き、CSS耐久性に損なうことがあ
る。水素や炭化水素の混合率はCSS耐久性に敏感に影
響するため、その混合率はある狭い範囲に限定され、歩
留まりの低下を招く。
【0009】そこで上記問題点に鑑み、本発明の第1の
課題は、成膜雰囲気中の水素量や炭化水素量を従前通り
の値に保ちながらも、ダングリングボンド密度が低減し
たカーボン保護層を実現し、良好なCSS耐久性や表面
品質の安定した磁気記録媒体を提供することにあり、本
発明の第2の課題は、カーボン保護層のダングリングボ
ンド密度が低減させる磁気記録媒体の製造方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は、カーボン保護層の酸素含有率がダング
リングボンド密度を関係しており、カーボン保護層の表
面酸素含有率が高くなるにつれ、活性さの目安であるダ
ングリングボンド密度が減少することを見出した。即
ち、本発明は、非磁性基体の上に積層された磁性層を保
護するカーボン保護層と、このカーボン保護層の上に塗
布された液体潤滑層とを備えた磁気記録媒体において、
前記カーボン保護層の少なくとも表層が3at%〜15
at%の酸素を含有することを特徴とする。
【0011】このような磁気記録媒体を製造方法として
は、酸素原子を含む雰囲気下でスパッタ成膜して上記酸
素を含有するカーボン保護層を形成するものである。こ
こで、酸素原子を含む雰囲気は、酸素,一酸化炭素,二
酸化炭素,水,酸素原子を含む炭化水素化合物からなる
群より選ばれた少なくとも1種類を含有しているもので
ある。
【0012】そしてまた、潤滑層を形成した後において
は、紫外線照射処理又は加熱処理を施すことが好まし
い。
【0013】
【作用】カーボン保護層のスパッタリング成膜を行う
際、プラズマ中に原子状態又はプラズマ状態の酸素が存
在すると、薄膜形成過程においてカーボン層中のダング
リングボンドと酸素との結合が生じ、ダングリングボン
ド密度が低減する。実験の結果、カーボン保護層の少な
くとも表層の酸素含有比が3%at〜15at%である
と、CSS耐久性が損なわれずにダングリングボンド密
度が低減し、ガス吸着を無くし表面品質の安定した磁気
記録媒体を得ることができる。
【0014】酸素の供給源としては、酸素ガスが考えら
れるが、水素や炭化水素のガスを同時に使用する場合に
は爆発の危険性が伴う。このような場合には、酸素供給
源として一酸化炭素,二酸化炭素,水,酸素を含む炭化
水素のいずれかを選択することが望ましい。これらの分
子はプラズマ中で解離することによって原子状態又はプ
ラズマ状態の酸素供給源となり、酸素ガスを使用する場
合と同等になる。
【0015】このようなカーボン保護層のダングリング
ボンド密度の低減に伴い、潤滑層とカーボン保護層との
結合性が減少するおそれがあるが、潤滑層の形成後、紫
外線照射処理又は加熱処理を施すと、潤滑層の被覆性が
向上し、またダングリングボンドと潤滑剤との結合が増
加する。
【0016】
【実施例】以下に添付図面を参照して、本発明の実施例
を説明する。
【0017】図1は、本発明の実施例に係る磁気記録媒
体の構成を模式的に示す断面図である。本例の磁気記録
媒体は、Al等の非磁性基板11とこの上に形成したN
i−Pメッキの非磁性金属層12からなる非磁性基体1
の表面に、Cr等の非磁性金属下地層2、Co−Cr−
Taなどからなる強磁性合金体の磁性層3、及びカーボ
ン保護層4が順次積層形成されており、保護層4の表面
には液体潤滑剤の潤滑層5が形成されている。カーボン
保護層4の少なくとも表層は3at%〜15at%の酸
素を含有している。このカーボン保護層4の成膜方法は
後に詳述する。
【0018】本発明者は、酸素含有率とダングリングボ
ンド密度との相関性を調べるため、図2に示すように、
成膜ガスとして(Ar+30mol %のCH4 )混合ガス
及び(Ar+30mol %のCH4 +30mol %のC
2 )混合ガスを用いて成膜されたカーボン層の中のダ
ングリングボンド密度を測定した。成膜用の基板には2
5mm×25mm×厚さ1.2mmの石英板を用い、DCマグ
ネトロンスパッタ法により約1000Åの膜厚に成膜し
た。ダングリングボンド密度の測定はESR(電子スピ
ン共鳴)法により行った。成膜時のガス圧は5mTorr、
成膜速度は約80Å/分であった。図2の横軸は成膜時
のガス流量、縦軸はESR法により測定されたダングリ
ングボンド密度である。
【0019】図2からすれば、2つのサンプルともにガ
ス流量の増加に伴い、ダングリングボンド密度は減少し
ている。これは、成膜中に解離した水素原子がダングリ
ングボンドと結合することに起因している。また、全て
のガス流量の範囲において、CO2 を混入させた成膜ガ
スの方がCO2 を混入させない成膜ガスの場合に比べて
ダングリングボンド密度は減少しており、1桁低い値を
示している。これはスパッタ成膜中にCO2 が解離して
原子状態又はプラズマ状態の酸素が生成し、この酸素が
ダングリングボンドと結合したことによってダングリン
グボンド密度が減少したものである。
【0020】図3には、図2に示す成膜法を適用して図
1に示すカーボン保護層を形成した磁気記録媒体のCS
S耐久テストの結果を示してある。基本的な成膜条件は
図2の場合と同様である。カーボン保護層の膜厚は15
0Å、カーボン保護層の上の潤滑剤はパーフロロポリエ
ーテルを用いた。このCSS耐久テストの方法は、Al
2 3 ・TiCをスライダ材料とする磁気ヘッドにより
20000回までCSS動作を行い、その間の摩擦係数
の変化を測定した。図3から明らかなように、CO2
混入した成膜ガスで成膜されたカーボン保護層を有する
磁気記録媒体とCO2 非混入の成膜ガスで成膜されたカ
ーボン保護層を有する磁気記録媒体とは共に同等のCS
S耐久性を示す。従って、CO2 を混入して成膜したカ
ーボン保護層を有する磁気記録媒体では、ダングリング
ボンド密度が減少していると共に、CSS耐久性も遜色
がない。CO2 を混入せずガス流量が大なる雰囲気中で
成膜されたカーボン保護層を有する磁気記録媒体は、ダ
ングリングボンド密度が低減するものの、図3に示す如
く、水素含有量が過剰でポリマー結合性が強まり過ぎ
て、摩擦係数が増大し(硬度が低下し)、CSS耐久性
の劣化を招く。
【0021】図4には、カーボン保護層の膜中酸素含有
比に対する摩擦係数の変化を示してある。酸素の供給源
としてはCO2 を使用した。酸素含有比を増やすとこと
により、摩擦係数は上昇する傾向がある。これは、酸素
におはカーボンに対するエッチングの作用があるため、
過剰な酸素の存在下ではカーボン保護層の密度が減少
し、摩擦係数が減少してしまうからである。本例では、
カーボン保護層の膜中の酸素含有比が約15at%を超
えると摩擦係数の上昇が認められる。逆に、酸素含有比
が少な過ぎると(約3at%以下)、ダングリングボン
ド密度の低減効果が認められなくなる。そこで、本例で
は、膜中の酸素含有比が3at%〜15at%の範囲に
あると、ダングリングボンド密度の低減効果と高CSS
耐久性の双方を満足することが判明した。
【0022】なお、ダングリングボンド密度の低減に伴
い、潤滑剤とカーボン保護層との結合性が減少すること
も考えられる。このような場合には、潤滑剤の塗布後の
磁気記録媒体に対して紫外線の照射処理や加熱処理を施
すことが好ましい。この後処理により潤滑剤のカーボン
層表面の被覆性が向上し、またダングリングボンドと潤
滑剤との結合が増加するため、潤滑剤とカーボン保護層
との結合性を増加させることが可能である。
【0023】なお、上記実施例では、酸素の供給源とし
てCO2 を使用してあるが、スパッタ過程で原子状又は
プラズマ状の酸素に解離するものが好ましく、酸素,一
酸化炭素,二酸化炭素,水及び酸素原子を含む炭化水素
化合物を用いることもできる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁気
記録媒体におけるカーボン保護層は、酸素含有比が3%
at〜15at%であることを特徴としている。従っ
て、次の効果を奏する。
【0025】 水素や炭化水素の含有量を変えずに、
カーボン保護層の表層のダングリングボンド密度が低減
している。従って、耐CSS特性を劣化させずに、ガス
吸着性を無くすことができ、耐環境性に優れた磁気記録
媒体を実現できる。
【0026】 酸素原子を含む雰囲気下でスパッタ成
膜すると上記酸素を含有するカーボン保護層は得ること
ができる。
【0027】 潤滑層の形成後、紫外線照射処理又は
加熱処理を施した場合には、潤滑層の被覆性が向上し、
またダングリングボンドと潤滑剤との結合が増加するの
で、ダングリングボンド密度の低減による耐CSS特性
の劣化は問題とならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る磁気記録媒体の構成を模
式的に示す断面図である。
【図2】本実施例において、成膜ガスとして(Ar+3
0mol %のCH4 )混合ガス及び(Ar+30mol %の
CH4 +30mol %のCO2 )混合ガスを用いてカーボ
ン保護層を成膜する際、カーボン保護層の膜中のダング
リングボンド密度のガス流量に対する依存性を示すグラ
フである。
【図3】本実施例において、カーボン保護層を形成した
磁気記録媒体のCSS耐久テストの結果を示すグラフで
ある。
【図4】本実施例において、カーボン保護層の膜中酸素
含有比に対する摩擦係数の変化を示すグラフである。
【図5】一般的な磁気記録媒体の層構造を示す模式的斜
視図である。
【符号の説明】
1…基体 2…金属下地層 3…磁性層 4…保護層 5…潤滑層 11…非磁性基板 12…非磁性金属層
フロントページの続き (72)発明者 山岸 稔 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体の上に積層された磁性層を保
    護するカーボン保護層と、このカーボン保護層の上に塗
    布された液体潤滑層とを備えた磁気記録媒体において、
    前記カーボン保護層の少なくとも表層が3at%〜15
    at%の酸素を含有することを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1に規定する磁気記録媒体の製造
    方法において、前記酸素を含有する前記カーボン保護層
    は酸素原子を含む雰囲気下でスパッタ成膜して得ること
    を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方
    法において、前記酸素原子を含む雰囲気は、酸素,一酸
    化炭素,二酸化炭素,水,酸素原子を含む炭化水素化合
    物からなる群より選ばれた少なくとも1種類を含有して
    いることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の磁気記録
    媒体の製造方法において、前記カーボン保護層を成膜し
    て前記潤滑層を形成した後、紫外線照射処理又は加熱処
    理を施す工程を有して成ることを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
JP32431694A 1994-12-27 1994-12-27 磁気記録媒体及びその製造方法 Pending JPH08180383A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6949301B2 (en) 2000-09-28 2005-09-27 Hitachi Global Storage Technologies Japan, Ltd. Magnetic recording medium, the manufacturing method and magnetic recording apparatus using the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6949301B2 (en) 2000-09-28 2005-09-27 Hitachi Global Storage Technologies Japan, Ltd. Magnetic recording medium, the manufacturing method and magnetic recording apparatus using the same

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