JPH08176011A - 無菌性骨壊死症候群治療剤 - Google Patents

無菌性骨壊死症候群治療剤

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JPH08176011A
JPH08176011A JP6335105A JP33510594A JPH08176011A JP H08176011 A JPH08176011 A JP H08176011A JP 6335105 A JP6335105 A JP 6335105A JP 33510594 A JP33510594 A JP 33510594A JP H08176011 A JPH08176011 A JP H08176011A
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JP
Japan
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calcitonin
therapeutic agent
aseptic
syndrome
necrosis
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JP6335105A
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Akira Yanagawa
明 柳川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難治性疾患である、無菌壊死、無腐壊死等の
無菌性骨壊死症候群の治療剤を提供する。 【構成】 カルシトニンを有効成分として含有する無菌
性骨壊死症候群の治療剤を提供する。また、カルシトニ
ンの有効量を、平均粒子経250μm以下である生理学
的に許容される多価金属キャリヤであるヒドロキシアパ
タイトまたはステアリン酸マグネシウムに、均一に分
散、付着結合させた無菌性骨壊死症候群治療剤を提供す
る。かかる治療剤は、経鼻投与製剤の形態にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難治性疾患の一種であ
る、無菌性骨壊死症候群の治療剤に係り、詳細には生理
活性ペプチドであるカルシトニンを有効成分とする無菌
性骨壊死症候群の治療剤に関する。また本発明は、有効
成分であるカルシトニンを特定のキャリヤに均一に分
散、付着結合させて、経鼻投与製剤の形態にした、無菌
性骨壊死症候群の治療剤にも関する。
【0002】
【従来の技術】無菌性骨壊死症候群(aseptic
epiphyscnecroticsyndrome)
は、骨の栄養供給血行が何らかの原因で遮断阻害された
場合に、骨が壊死に陥ることにより発症するものであ
り、無菌壊死(asepticepiphysical
necrosis)あるいは無腐性壊死(asept
ic necrosis)とも称されている。この無菌
性骨壊死症候群は、小児にあっては、先天性骨股関節脱
臼の整復の際に起こる大腿骨骨頭壊死や、原因不明の大
腿骨骨頭血行障害疾患であり、大人ではステロイドホル
モンの長期使用後や、アルコール中毒、潜凾病、全身性
エリテマトーデス(SLE:systemic lup
us erythematosus)、腎移植などに伴
って発症する症候性の骨壊死と、原因の判明しない突発
性骨壊死とがあり、そのいずれも難治性の骨疾患である
といわれている。その発症部位は、通常大腿骨骨頭にみ
られるが、一部大腿骨顆部や上腕骨骨頭にもみられるも
のである。この症候群の治療に関しては、保存的治療は
効果が少ないことから、外科的治療が主として行なわれ
ており、壊死骨頭に対しては以前は骨移植が行なわれて
いたが、近年においては非壊死部の後方部分を頚軸に対
して回転する回転骨切り術が行なわれ、骨頭の著しい破
壊や変形に対しては、人工骨頭の置換術が行なわれてい
るのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、これ
ら外科的治療は、患者に対しての手術、ならびに手術後
のリハビリテーションを必要とし、長期にわたり患者を
入院拘束するため、高額の医療費がかかる等の負担が生
じる。したがって、この難治性の無菌性骨壊死症候群
を、外科的に治療するのではなく、適当な薬物により治
療ができ得る治療方法の開発が望まれていた。かかる状
況に鑑み、本発明者は外科的治療に代わる薬物療法につ
いて鋭意検討した結果、生理活性ペプチドの一種である
カルシトニンが、この難治性疾患に有効であることを新
規に見いだし、本発明を完成したのである。これまでカ
ルシトニンは、いわゆる骨粗鬆症における疼痛治療のた
めに臨床的に使用されてはいるが、難治性の疾患である
無菌性骨壊死症候群の治療に使われた例はなく、全く新
規な治療剤であるといえる。すなわち、カルシトニン
は、骨からのカルシウムの放出を減少させ、骨吸収を抑
制し、持続的な血清カルシウム低下作用を有するが、大
腿骨骨頭あるいは上腕骨骨頭に直接的に作用し、無菌壊
死あるいは無腐壊死等の無菌性骨壊死症候群の治療に有
効であることはなんら知られていなかったものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、カル
シトニンを有効成分とする無菌性骨壊死症候群治療剤を
提供する。本発明は、その具体的治療剤の一態様におい
て、無菌性骨壊死症候群が、大腿骨骨頭における無菌壊
死または無腐壊死である治療剤を提供し、また他の一態
様において、無菌性骨壊死症候群が、上腕骨骨頭におけ
る無菌壊死または無腐壊死である治療剤を提供する。そ
のいずれにおいても、本発明の治療剤はカルシトニンを
有効成分とする治療剤である。
【0005】ところで、本発明の有効成分であるカルシ
トニンは、生理活性ペプチドの一種であり、このカルシ
トニンは消化管内のプロテアーゼにより分解を受けた
り、高分子量で極性が高いため、そのままでは腸管粘膜
からはほとんど吸収されず、したがって経口投与が困難
である。したがって従来臨床的に応用されているカルシ
トニンの投与方法にあっては、注射投与に限られてい
る。したがって、本発明が提供する無菌性骨壊死症候群
の治療剤にあっても、その製剤形態は、有効成分である
カルシトニンを注射投与の製剤形態にした治療剤でもあ
る。一方、このような投与方法は、患者にとって注射部
位での疼痛を与え、ある一面においては好ましいもので
はなく、また通常の間隔で投与を行なう場合には患者に
著しい苦痛を与える。したがって、安全、かつ頻回に投
与するためには簡便であり、自己投与可能な非注射的投
与方法の開発も望まれている。本発明者は、かかる点を
鑑み、この無菌性骨壊死症候群に有効であるカルシトニ
ンについて、注射投与に代わる製剤の検討を行ない、そ
の結果、経口投与が困難であったカルシトニンについ
て、特定のキャリヤである生理学的に許容される多価金
属化合物キャリヤに均一に分散、付着結合させた製剤
が、生体内吸収性(バイオアベイラビリティー)が良
く、また刺激性のない経鼻投与製剤となり得ることを新
規に見いだし、このカルシトニン含有製剤が、難治性の
疾患である無菌性骨壊死症候群の治療に極めて有効であ
ることを新規に見いだし、本発明を完成させたのであ
る。
【0006】したがって、本発明の第2の目的は、経鼻
吸収投与製剤の形態にある無菌性骨壊死症候群治療剤の
提供にあり、詳細には、カルシトニンの有効投与量を、
平均粒子径250μm以下である生理学的に許容される
多価金属化合物キャリヤに均一に分散、付着結合させた
経鼻吸収投与製剤の形態にある治療剤を提供する。この
場合の生理学的に許容される多価金属化合物キャリヤと
しては、後記する種々のキャリヤがあげられるが、その
中でもカルシウム化合物であるヒドロキシアパタイト
(水酸化カルシウム)、あるいはマグネシウム化合物で
あるステアリン酸マグネシウムが特に好適であることが
判明した。
【0007】しかして、本発明の第2の目的における好
ましい態様としては、経鼻吸収投与製剤の形態にある無
菌性骨壊死症候群治療剤の提供にあり、詳細には、カル
シトニンの有効投与量を、平均粒子径250μm以下で
あるヒドロキシアパタイトからなるキャリヤに均一に分
散、付着結合させた経鼻吸収投与製剤の形態にある治療
剤を提供する。更に本発明の第2の目的における別の好
ましい態様としては、カルシトニンの有効投与量を、平
均粒子径250μm以下であるステアリン酸マグネシウ
ムからなるキャリヤに均一に分散、付着結合させた経鼻
吸収投与製剤の形態にある治療剤を提供する。
【0008】
【作用】本発明の治療剤の有効成分であるカルシトニン
としては、サケカルシトニン、ヒトカルシトニン、サケ
ヒトキメラカルシトニン、ブタカルシトニン、ニワトリ
カルシトニン、ウシカルシトニン、エル(ウナギ)カル
シトニン等があげられ、これらのカルシトニンはいずれ
も天然に存在する、抽出可能なものであり、市販されて
いる。また合成カルシトニン、たとえば合成サケカルシ
トニンであっても良い。
【0009】本発明の治療剤に含有される有効投与量と
してのカルシトニンの使用量は、その相対活性力価、処
置すべき対象疾患である無菌性骨壊死症候群の症状、所
望の投与回数、必要とする個々の治療効果等によって異
なる。たとえば、本発明の治療剤を注射剤とする場合に
は、その投与量として目的とする無菌性骨壊死症候群の
治療に必要な治療単位を用いればよい。従来カルシトニ
ンによる骨粗鬆症における疼痛治療には、たとえばサケ
カルシトニンによる治療の場合には、約50ないし10
0MRC(IU)単位の個別用量が約1回×日ないし約
3回×週の割合で筋肉内注射で適用されている。しかし
ながら、本発明による難治性疾患である無菌性骨壊死症
候群の治療にあっては、この用量よりいくぶん多めの単
位、すなわち50〜200MRC(IU)単位の用量を
もって投与することも可能である。
【0010】また、本発明の治療剤を鼻腔内投与により
使用する場合には、注射剤とのバイオアベイラビリティ
との比較において、目的とする無菌性骨壊死症候群の治
療に必要な治療単位を用いればよい。前記した如く、従
来カルシトニンによる治療は、たとえばサケカルシトニ
ンによる治療を、筋肉内注射により行なう場合は、約5
0ないし100MRC(IU)単位の個別用量が約1回
×日ないし約3回×週の割合で適用されている。しかし
ながら、本発明による経鼻吸収による治療にあっては、
バイオアベイラビリティとの相関より、この用量よりい
くぶん多めの単位、すなわち200MRC(IU)単位
の前後をもって投与するのがより効果的であることが判
明した。
【0011】本発明は、かかるカルシトニンの有効量を
特定のキャリヤである多価金属化合物キャリヤに均一に
分散、付着結合させた経鼻投与製剤にも関するが、かか
る多価金属化合物キャリヤとしては、2価以上の金属化
合物であり、具体的には、アルミニウム化合物、カルシ
ウム化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物等の金
属化合物があげられる。そのなかでも、カルシウム化合
物である、ヒドロキシアパタイト(水酸化カルシウム)
あるいはマグネシウム化合物であるステアリン酸マグネ
シウムが特にキャリヤとして好適であることが判明し
た。
【0012】本発明における、カルシトニンを均一に分
散、付着結合させるキャリヤとしてのヒドロキシアパタ
イトは、動物の骨や歯の無機質の主成分であり、これま
で医療用用途としてはセラミック素材の人口骨の表面コ
ーチング成分等として使用されていはいるものの、経鼻
投与製剤のキャリヤとしての適用はこれまでなんら検討
されていなかったものである。今回、本発明者らによっ
てはじめてカルシトニンの経鼻ルートでの製剤投与キャ
リヤとなり得ることが見いだされた。すなわち、ヒドロ
キシアパタイトの多孔質性を利用し、その平均粒子径が
250μm以下のものは、キャリヤとしてそこにカルシ
トニンを封じ込めることにより経鼻製剤とし、鼻腔内に
投与すれば、鼻粘膜よりこれらカルシトニンが効率よく
吸収されて、無菌性骨壊死症候群の治療に有効であるこ
とが判明したのである。
【0013】かかるヒドロキシアパタイトとしては、乾
式合成法あるいは湿式合成法で得た合成ヒドロキシアパ
タイトおよび生体の骨や歯から有機物を除いた生体ヒド
ロキシアパタイトのいずれもが使用できる。
【0014】また、ステアリン酸マグネシウムも製剤学
的には、賦形剤、安定剤、光沢剤、分散剤、コーティン
グ剤として使用されてはいるが、このステアリン酸マグ
ネシウムにあっても、平均粒子径が250μm以下以下
のものは、キャリヤとしてそこにカルシトニンが分散、
付着結合され、経鼻吸収製剤として、鼻腔内に投与すれ
ば、鼻粘膜よりこれらカルシトニンが効率よく吸収され
て、無菌性骨壊死症候群の治療に有効であることが判明
したのである。
【0015】したがって、本発明の治療剤を製造させる
場合において、カルシトニンの含有量は、たとえば製剤
重量100%あたり0.005〜30%、好ましくは
0.01〜20%、より好ましくは0.1〜5.0%配
合させるのが良い。また、本発明の治療剤を構成するキ
ャリヤであるヒドロキシアパタイトあるいはステアリン
酸マグネシウムの配合量は、たとえば製剤重量100%
あたり70〜99.995%、好ましくは80〜99.
99%、より好ましくは95〜99.9%配合させるこ
とにより、良好な経鼻吸収が得られることが判明した。
【0016】本発明の無菌性骨壊死症候群の治療剤であ
る経鼻投与製剤を得るには、キャリヤであるヒドロキシ
アパタイトあるいはステアリン酸マグネシウムとカルシ
トニンとを混合することにより得ることができる。例え
ばこの混合は、乳鉢による混合のように、圧力や剪断力
を加えながら行なう。本発明の組成物の製造において使
用するキャリヤの平均粒子径250μm以下、すなわち
20〜250μm、好ましくは、30〜60μmである
のがよい。一方、カルシトニンはできるだけ微粉末であ
ることが好ましく、その平均粒子径は、通常20μm以
下、好ましくは10μm以下である。
【0017】本発明の無菌性骨壊死症候群治療剤は具体
的には、例えば以下のようにして製造することができ
る。すなわち、カルシトニンとしてサケカルシトニンあ
るいはエルカルシトニンを使用した場合、カルシトニン
の有効量を、カルシトニンの安定化剤としてゼラチンを
例えば1%およびアスパラギン酸を例えば0.1〜0.
5%,好ましくは0.38%程度含有するpH4.5〜
5.5の水溶液と混合しこの混合液を凍結乾燥する。次
いで、この凍結乾燥粉末を、本発明のキャリヤであるヒ
ドロキシアパタイトとを順次2ないし3回程度に分け
て、練合湿度55%程度にて練合し、目的とするキャリ
ヤにカルシトニンが均質に付着結合した微粉末(鼻腔内
投与組成物)を得る。かくして得られた鼻腔内投与組成
物は、使用前(例えば、鼻腔内への投与前)の活性物質
の損失を防止するため、low−greaseタイプの
カプセルに充填をした後、適当な包装、好ましくは密閉
包装とする。かかる密閉包装としては、ブリスター包装
−アルミニウム包装を組み合わせるのが良い。この場合
の全工程の湿度は、60%以下が望ましい。なお、他の
キャリヤ(例えばステアリン酸マグネシウム)について
も同様の処理を行なうことによりそれぞれ目的とする組
成物とすることができる。
【0018】以下に、本発明の無菌性骨壊死症候群の治
療剤の特異的効果を具体的臨床例によって示す。
【試験例】
【0019】治療剤の調製:カルシトニンとしてサケカ
ルシトニンを選び、その含有量としては200MRC
(IU)/25mgの組成物となるように本発明の鼻腔
内投与製剤である治療剤を調製した。なお、キャリヤと
してのヒドロキシアパタイトは、その粒子径が40〜4
5μmのものを使用した。
【0020】治療剤の臨床適用: 1.対象患者:年齢42才の女性。外来X線診断におい
て右大腿骨骨頭に充血変化をきたした無血性骨壊死が認
められ、大腿骨骨頭の無腐性壊死(aseptic n
ecrosis)と診断された。診断時の骨量評価をD
EXA(Dual energy X−ray abs
orptiometry:二重エネルギーX線骨塩分析
法)を用い、全身骨ならびに大腿骨骨頭の骨密度(BM
D:bone mineral density)を測
定した。その結果は以下のとおりであった。 全身骨のBMD :1.215±0.01 大腿骨骨頭のBMD:0.748±0.02 また、その時の大腿骨骨頭部のMRI(magneti
c resonance imaging:磁気共鳴断
層映像)写真の結果を第1図として示す。該当年齢にお
ける健常日本人女性の骨密度との比較ならびにMRI写
真(第1図)の大腿骨骨頭部における映像から見て、大
腿骨骨頭の無腐性壊死(aseptic necros
is)と診断された。
【0021】2.治療剤の投与:上記患者に対して、本
発明の前記治療剤(200MRC(IU)/25mg)
を週2回(月/金の外来診断時)に経鼻投与した。その
週2回投与を5か月間連続行なった。
【0022】3.5か月間治療後の診断結果:5か月間
治療後における骨量評価を、同様DEXAにより、全身
骨ならびに大腿骨骨頭の骨密度(BMD)を測定するこ
とにより診断した。その結果は以下のとおりであった。 全身骨のBMD :1.226±0.01 大腿骨骨頭のBMD:0.892±0.02 また、その時の大腿骨骨頭部のMRI写真の結果を第2
図として示す。その結果、大腿骨骨頭のBMDは、当該
年齢における健常日本人女性の骨密度の値に回復してあ
り、またX線CT写真(第2図)の映像からも大腿骨骨
頭の無腐性壊死が改善されていることが判明する。
【0023】以上から本発明の治療剤は、無菌性骨壊死
症候群、いわゆる大腿骨骨頭における無菌壊死または無
腐壊死に有効であることが判明する。
【0024】以下に本発明の治療剤の具体的製造例を示
す。 粉末組成物1:サケカルシトニン(エルカルシトニンも
同様に製造される)3mg/3,000〜3,500M
RCを1%ゼラチンおよび安定化剤として0.38%の
アスパラギン酸を含有するpH4.5〜5.5の水溶液
に溶解し、凍結乾燥する。ついで、得られた凍結乾燥粉
末品を、メノウ乳鉢を用いて、ヒドロキシアパタイト2
00mgと10分間混合する。この混合物にヒドロキシ
アパタイト300mgを加え、湿度55%にて20分間
混合し、さらにヒドロキシアパタイト497mgを加
え、湿度55%にて30分間混合し、本発明の粉末組成
物1,000mgを得た。なお、ヒドロキシアパタイト
の平均粒子径は、50μmであった。
【0025】粉末組成物2:サケカルシトニン(エルカ
ルシトニンも同様に製造される)3mg/3,000〜
3,500MRCを1%ゼラチンおよび安定化剤として
0.38%のアスパラギン酸を含有するpH4.5〜
5.5の水溶液に溶解し、凍結乾燥する。ついで、得ら
れた凍結乾燥粉末品を、メノウ乳鉢を用いて、ステアリ
ン酸マグネシウム200mgと10分間混合する。この
混合物にステアリン酸マグネシウム300mgを加え、
湿度55%にて20分間混合し、さらにステアリン酸マ
グネシウム497mgを加え、湿度55%にて30分間
混合し、本発明の粉末組成物1,000mgを得た。な
お、ステアリン酸マグネシウムの平均粒子径は、50μ
mであった。
【0026】注射製剤:サケカルシトニンの100MR
C(IU)および添加剤としてD−マンニトールを加
え、通常の製剤技術により、水性の注射剤を得た。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明によればカルシト
ニンを有効成分とする無菌性骨壊死症候群治療剤が提供
されるが、これまでに外科的な治療法しかなかった難治
性の無菌性骨壊死症候群、すなわち、特に大腿骨骨頭部
の無菌壊死あるいは無腐性壊死が、薬物療法により治療
される点で画期的なものである。また、本発明の治療剤
は、外来による治療ができる点で、患者に対しての手
術、ならびに手術後のリハビリテーションが必要なく、
長期にわたり患者を入院拘束による高額の医療費の負担
が少なくなり、かかる難治性疾患患者に多大な光明を与
えるものである。さらに、本発明の治療剤は、従来注射
投与しかでき得なかったカルシトニンについて経鼻吸収
製剤をも与えるものであり、カルシトニンの生体内への
吸収性が良く、有効な治療効果が認められる点で、その
医療効果は多大なものであるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の治療剤投与前の患者の大腿骨骨頭部の
MRI写真である。
【図2】本発明の治療剤投与による5か月間治療後の患
者の大腿骨骨頭部のMRI写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の治療剤投与前の患者の大腿骨骨頭部
のMRIによるX線写真である。
【図2】 本発明の治療剤投与による5か月間治療後の
患者の大腿骨骨頭部のMRIによるX線写真である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシトニンを有効成分とする無菌性骨
    壊死症候群治療剤。
  2. 【請求項2】 無菌性骨壊死症候群が、大腿骨骨頭にお
    ける無菌壊死または無腐壊死である請求項1記載の治療
    剤。
  3. 【請求項3】 無菌性骨壊死症候群が、上腕骨骨頭にお
    ける無菌壊死または無腐壊死である請求項1記載の治療
    剤。
  4. 【請求項4】 経鼻吸収投与製剤の形態にある請求項1
    記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 カルシトニンの有効投与量を、平均粒子
    径250μm以下である生理学的に許容される多価金属
    化合物キャリヤに均一に分散、付着結合させた経鼻吸収
    投与製剤の形態にある請求項1記載の治療剤。
  6. 【請求項6】 生理学的に許容される多価金属化合物キ
    ャリヤがヒドロキシアパタイトまたはステアリン酸マグ
    ネシウムである請求項5記載の治療剤。
  7. 【請求項7】 カルシトニンの有効投与量を、平均粒子
    径250μm以下であるヒドロキシアパタイトからなる
    キャリヤに均一に分散、付着結合させた経鼻吸収投与製
    剤の形態にある請求項1記載の治療剤。
  8. 【請求項8】 カルシトニンの有効投与量を、平均粒子
    径250μm以下であるステアリン酸マグネシウムから
    なるキャリヤに均一に分散、付着結合させた経鼻吸収投
    与製剤の形態にある請求項1記載の治療剤。
  9. 【請求項9】 カルシトニンが、サケカルシトニン、ヒ
    トカルシトニン、サケヒトキメラカルシトニン、ブタカ
    ルシトニン、ニワトリカルシトニン、ウシカルシトニ
    ン、エル(ウナギ)カルシトニンのいずれかである請求
    項1記載の治療剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007035455A3 (en) * 2005-09-16 2007-07-26 Merial Ltd Stabilizers for freeze-dried vaccines

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WO2007035455A3 (en) * 2005-09-16 2007-07-26 Merial Ltd Stabilizers for freeze-dried vaccines

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