JPH08175131A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH08175131A
JPH08175131A JP6323288A JP32328894A JPH08175131A JP H08175131 A JPH08175131 A JP H08175131A JP 6323288 A JP6323288 A JP 6323288A JP 32328894 A JP32328894 A JP 32328894A JP H08175131 A JPH08175131 A JP H08175131A
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JP
Japan
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cord
tire
polyester
monofilament
strength
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Application number
JP6323288A
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English (en)
Inventor
Kazuo Oshima
一男 大島
Hiroshi Morinaga
啓詩 森永
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コード縦方向の縦割れ、即ち、フィブリル化
を抑制し、接着力を向上させ、タイヤ内でも十分その耐
久性を保持できる空気入りタイヤを提供される。 【構成】 一対のビード部1及び一対のサイドウォール
部2と両サイドウォール部2間にトロイド状をなして成
るトレッド部3からなり、これら各部をラジアル配列の
モノフィラメントコードのゴム引き布からなるカーカス
プライ4により補強し、トレッド部3はベルト5により
強化してなる空気入りタイヤAにおいて、前記カーカス
プライ4とビードフィラーゴム9間に挿入されたインサ
ート部材10がポリエステル成分90%以上を含むポリ
エステル系モノフィラメントコードであり、該ポリエス
テル系モノフィラメントコードは、ループ強度指数(ル
ープ強力/引っぱり強力)が1.0以下であることを特
徴とする空気入りタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーカスプライとビー
ドフィラーゴム間にインサート部材を挿入してビード部
周辺の耐久性等を向上させた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気入りタイヤの操縦安定性の向
上を目的として、タイヤ径方向に対し30〜60°の角
度を有したスチールコードゴム引き布を幅20〜70mm
に裁断しタイヤビート部のカーカス折り返し部とビード
フィラー間に挿入した、通称ワイヤーインサート(以
後、「ワイヤーインサート」と呼ぶ)が特に高運動性能
を期待されるタイヤに使用されている。このワイヤーイ
ンサートは、ビード部の剛性を保持しているビードフィ
ラーゴムの荷重支持能力を向上するばかりでなく、タイ
ヤ回転時の横方向へのタイヤ変形を抑制する効果を有
し、タイヤに高い運動性能を付与する役割を有する。
【0003】しかしながら、タイヤビード部にビードフ
ィラーゴムを補強する目的でスチールコードを使用する
ことは、タイヤ重量アップを招き、タイヤ軽量化及び低
燃費化という点から、より軽量化が望まれていた。しか
し乍ら、スチールコードの代わりに通常の有機繊維から
なる撚コードを使用するとタイヤは軽量化するもののス
チールコード対比の剛性は大幅に低下するため、どんな
に太いデニール、若しくは高モジュラス繊維を使用して
も、または撚数を減じ、高モジュラス化してもスチール
コードより成るワイヤーインサートのもつタイヤ剛性は
確保できず、従って、タイヤ剛性の低下、ひいては操縦
安定性の低下をもたらしワイヤーインサートの代替化は
不可能であった。
【0004】そこで、ワイヤーインサートタイヤの高運
動性発現機構を詳細に検討した結果その機能としてコー
ドの柔軟性、換言すればコードの曲げ剛性が大きな寄与
となることが見い出された。一般に、タイヤの操縦安定
性確保のためには、ビード部の横変形を抑制することが
必要であり、このような観点からビード部の剛性向上が
タイヤ操縦安定性確保の最低条件となる。従って、イン
サート材質の引っぱりモジュラスをいくら高くしても、
タイヤ変形時にコードが所謂座屈変形してしまっては、
タイヤ横変形、特にタイヤビード部の横変形の抑制とは
ならないものである。
【0005】そこで本発明者らは、コード自体が座屈し
にくく、且つ、軽量化が可能なモノフィラメントコード
に着目したが、ナイロン系モノフィラメントでは、その
曲げ剛性が若干不足し、十分なタイヤ剛性が得られない
という欠点を有していた。また、ナイロン以上の曲げ剛
性を有するポリエステルモノフィラメントを鋭意検討し
たが、ポリエステル系モノフィラメントはその接着性が
ナイロン対比劣り、特に、高温時の接着力が不足するの
で、シビアなタイヤ走行条件では、該ポリエステルモノ
フィラメントコード近傍でゴムとのセパレーションを起
こしかねないという懸念があった。
【0006】このようなセパレーション部を詳細に観察
すると、コード自体のフィブリル化、及びコード〜ゴム
間の剥離がセパレーションの原因であり、特に、コード
自体のフィブリル化現象は単に接着力を向上しただけで
は改善されないものと思われた。また、ポリエステルモ
ノフィラメントコードの接着力向上のためには、特開平
3−18511号公報に記載されるように低カルボキシ
ル化してエポキシ樹脂との接着性を向上している例もあ
るが、これは単にコード〜ゴム接着界面力向上効果はあ
るものの、モノフィラメント自体のもつ欠点、即ち、コ
ード〜ゴム界面剥離時のフィブリル化を抑制する効果は
持ち得ないという課題がある。更に、特開平4−282
102号公報には、スチームジェットを用いてコードの
表面配向を低下させ耐疲労性、及び接着性を向上させる
という例もあるが、このスチーム処理は接着力を若干向
上させる効果はあるものの、コード内部は不変なため、
ループ強度は大きくなり、且つ、ゴム〜コード界面剥離
時のフィブリル化は生じてしまうという課題を有してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の課題を解決するものであり、従来のスチールコー
ドより成るワイヤーインサートの代わりに、屈曲剛性に
優れるポリエステル系モノフィラメントを用い、その欠
点であるコード縦方向の縦割れ、即ち、フィブリル化を
抑制し、接着力を向上させ、タイヤ内でも十分その耐久
性を保持できるインサート部材を備えた空気入りタイヤ
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テルモノフィラメントの利点である高モジュラス高曲げ
剛性という利点を活かしつつ、且つ、耐接着性能に優れ
た、モノフィラメントコードを鋭意検討し、ワイヤーイ
ンサート同等のタイヤ運動性能を保持でき、且つ、軽量
化が可能な耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることに
成功し、本発明を完成するに至ったのである。すなわ
ち、本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部及び一
対のサイドウォール部と、両サイドウォール部間にトロ
イド状をなして成るトレッド部からなり、これら各部を
ラジアル配列のモノフィラメントコードのゴム引き布か
らなるカーカスプライにより補強し、トレッド部はベル
トにより強化してなる空気入りタイヤにおいて、前記カ
ーカスプライとビードフィラーゴム間に挿入されたイン
サート部材がポリエステル成分90%以上を含むポリエ
ステル系モノフィラメントコードであり、該ポリエステ
ル系モノフィラメントコードは、ループ強度指数(ルー
プ強力/引っぱり強力)が1.0以下であることを特徴
とする。更に、前記モノフィラメントコードのループ強
度指数が0.7以下であることが好ましい。前記モノフ
ィラメントコードのデニールが800〜7000デニー
ルであることが好ましい。
【0009】
【作用】本発明では、カーカスプライとビードフィラー
ゴム間に挿入されたインサート部材がポリエステル成分
90%以上を含むポリエステル系モノフィラメントコー
ドであり、該ポリエステル系モノフィラメントコード
は、ループ強度指数(ループ強力/引っぱり強力)が
1.0以下としたので、コード縦方向の縦割れ、即ち、
フィブリル化を抑制し、接着力を向上させ、タイヤ内で
も十分その耐久性を保持でき、従って、ワイヤーインサ
ート同等のタイヤ運動性能を保持でき、且つ、軽量化が
可能な耐久性に優れた空気入りタイヤとなる。
【0010】以下、本発明の内容を説明する。本発明の
空気入りタイヤは、図1に示すように、一対のビード部
1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール
部2間にトロイド状をなして成るトレッド部3からな
り、これら各部をラジアル配列のモノフィラメントコー
ドのゴム引き布からなるカーカスプライ4により補強
し、トレッド部3はベルト5により強化してなる空気入
りタイヤAにおいて、前記カーカスプライ4とビードフ
ィラーゴム9間に挿入されたインサート部材10がポリ
エステル成分90%以上を含むポリエステル系モノフィ
ラメントであり、該ポリエステル系モノフィラメント
は、ループ強度指数(ループ強力/引っぱり強力)が
1.0以下であることを特徴とするものである。
【0011】前記ポリエステル系モノフィラメントコー
ドのループ強度指数は、低い程良く、ループ強度指数が
1.0以下になると、接着力試験時にコード内部のフィ
ブリル化も全く生じなくなり、剥離後の接着界面は全て
ゴム破壊となるため、接着力が大きく改善されるのでル
ープ強度指数は低い程好ましく、より好ましくはループ
強度指数0.7以下がより好ましい。
【0012】ポリエステル系モノフィラメントコードの
耐疲労性を上げるためには結節強度又はループ強度は高
い方が良いと一般に信じられているが、本発明者らの検
討によるとループ強度を高くすると接着力が一般に低下
する。これは、モノフィラメントを構成する分子間凝集
力が低下するために、ゴム〜コード界面剥離時にフィブ
リル化し易くなるためと考えられるが、それにも増し
て、耐疲労性もループ強度が低い方が良いという新事実
を発見した。
【0013】特に、タイヤ高速運転時にビード部が発熱
する場合、上記のように容易にモノフィラメントコード
がフィブリル化する欠点はタイヤセパレーションの大き
な原因となり、タイヤビード部耐久性の低下につなが
る。ループ強度が低いと何故フィブリル化しにくくなる
か(接着力向上が図れるか)という点については、その
理由は現在迄のところ明確でない。上述したように過去
ループ強度を向上すると耐疲労性も向上すると一般に信
じられており、ループ強度向上がモノフィラメント改良
につながるという趣旨の文献、公知資料は多々存在する
が、ループ強度の低いモノフィラメントの方が接着性及
び耐疲労性が優れているという知見は存在しない。一般
にモノフィラメント表面の分子鎖配向が高い程モノフィ
ラメントのループ強度は低くなるとも考えられるが、コ
ード表面配向のみならずコード内部の分子鎖配向、及び
分子間凝集力、又コード自体の剛性もループ強度に大き
な影響を及ぼすと考えられるため、そのメカニズムはこ
れらが複雑に絡み合っているものと推察される。
【0014】ポリエステルモノフィラメントコードの繊
度は、タイヤのサイズ、構造等により異なるが、800
〜7000デニール、好ましくは1000デニール以
上、さらに好ましくは1000〜4500デニールであ
る。繊度が800デニールより小さいと、十分なビード
部の剛性が得られず、タイヤ剛性が低下するので好まし
くない。また、繊度が7000デニールを越えると、コ
ード端部よりゴム亀裂が生じることがあり、好ましくな
い。
【0015】ポリエステルモノフィラメントに供する材
料としては、ポリエチレンテレフタレートがタイヤ材料
として最も好ましい。しかし、ポリエチレンテレフタレ
ート成分を90%以上含有し、これに10%以下の柔軟
剤、安定剤等の添加物を加えたもの、あるいは10%以
下の共重合成分を加えたもの、あるいは10%以下のポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等のポリマーをブレンドさせたものでも良い。
【0016】
【実施例】次に、実施例、比較例により本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0017】(実施例1〜2及び比較例1〜3)下記表
1に示される種々のコードを用いて各試作タイヤを作製
した。この各試作タイヤについて、その試験結果を下記
表2に示す。
【0018】試作タイヤの作製等は下記の方法により行
った。 (試作タイヤの作製)空気入りタイヤは、サイズが20
5/65 R15の乗用車用ラジアルタイヤであり、そ
の構造は図1に従い、カーカスプライは1000d/2
の撚コードで、撚数は47×47(上撚数/下撚数 回
/10cm)のポリエステル撚コードの2枚である。図1
のビードフィラーゴム9は、その50%伸び時の伸度が
約50kg/cm2の硬度を有し、その高さは60mmであ
る。また、プライの折り返し高さは,1プライx1が3
5mm、2プライの折り返し高さx2が65mmであ
り、該プライとビードフィラーの間にタイヤ径方向に対
して32度の角度を有する1×5×0.23mmのスチー
ルコードゴム引き布としたワイヤーインサート構造(x
3が50mm)のタイヤをコントロールとした。なお、
図1中、1はビード部、2はサイドウォール部、3はト
レッド部、5はベルト、6はビードワイヤー、7、8は
ベルト補強材である。
【0019】下記表1にコントロールのスチールコード
以外のポリエステルモノフィラメントコードの物性を示
す。コードデニールはA,B,C3種ともに3000デ
ニール(d)のポリエステルモノフィラメントコードで
あり、固有粘度(IV)0.9、カルボキシ含量26
(meq/kg)であり、各々ループ強力が異なるものであ
る。これら3種のコードを通常のポリエステル用エポキ
シ液に浸漬し、160℃でのドライゾーンで1.2kg/
本テンション下で60秒、240℃でのホットで0.7
kg/本テンション下で60秒間処理した後、再度ディッ
プ張力約200gでRFLより成るディップ液に浸漬
し、再度1.2kg/本テンション下、240℃のドライ
ゾーンで60秒間、0.7〜0.9kg/本のホットゾー
ンテンション下で60秒間、計240秒間の熱処理を施
し、接着剤を塗布したコードを作製し、接着剤−熱延伸
後コードを作製した。
【0020】なお、該コードの2.25g/d時の中間
伸度は3.0%になるようにディップ処理工程最後のホ
ットゾーンのテンションを500〜700gの間で微調
整し、2.25g/d時伸度が3%になるように調整し
た。このように作製したコードを打込数50本/5cmに
なるようにゴム引き布を作製し、タイヤ周方向に対して
32℃の角度になるように裁断したインサート用ゴム引
き布を通常のワイヤーインサートの代わりに用い、通常
のタイヤ成型、加硫を経て試作したタイヤを各種試験に
供した。
【0021】なお、コード物性測定、接着剤−熱延伸後
のコード接着力、ドラム耐久性試験、コーナリングパワ
ー試験(CP、操縦安定性試験)等は、下記の方法によ
り行った。 (1) コード強力 JIS L1017に準じ、オートグラフにより25±
2℃の室温条件下でディップ−熱処理後のコードに引っ
ぱり荷重をかけ、コード切断時の荷重(kgf)を求め
た。
【0022】(2) 2.25gr/d時伸び率(%) JIS L1017に準じ、オートグラフにより25±
2℃の室温条件下にてディップ−熱処理後のコードに引
っぱり荷重をかけ、2.25gr/d時の伸び率(%)
(中間伸度とも呼ぶ)を求めた。なおデニール数につい
ては、ディップによる延伸又は収縮及びディップ付着量
の影響を排除するためにディップ処理前の実質デニール
を用いた。
【0023】(3) ループ強力 JIS L1017に準じ、オートグラフにより25±
2℃の室温条件下にてディップ−熱処理前の生コードを
70cmに切ったコードの両端をオートグラフ上方のチャ
ックに把持し、同じく同一長さに切ったコードを前者コ
ードのループ中に通した後、該コードの両端をオートグ
ラフ下方のチャックに把持してコード強力と同一条件で
引っぱりループ近傍で切断するときの荷重(kgf)を求め
た。
【0024】(4) ループ強力指数 上記方法にて測定したループ強力を、前述のコード強力
で除した値(ループ強力/引っぱり強力)で求めた。
【0025】(5) コード〜ゴム接着力試験 コード〜ゴム接着力は、接着処理後のコードをカーカス
コーティングゴムと同一の未加硫ゴム中に埋め込み14
5℃で30分間加硫し、得られた加硫物より1本ずつコ
ードを掘り起こし、コードを加硫物より剥離させた時の
剥離抗力を測定した。また、接着面破壊形態は、上記接
着試験終了サンプルを目視により評価した。
【0026】(6) ドラム耐久性 最大空気圧2.5kgf/cm2の内圧とした各供試タイヤを
25±2℃の室内中に24時間放置後、内圧を最大内圧
に再調整し、ビード部耐久性の評価に適切な条件であ
る。最大荷重670kg×2の荷重負荷の下で周速度60
km/hで回転するドラムに押当て走行させ、故障の発生
時期及び故障内容を評価した。
【0027】(7) コーナリングパワー試験(CP、操縦
安定性試験) コーナリングパワー(タイヤ操縦安定性)は、JIS規格
の正規内圧、荷重を負荷されたタイヤが外径3000mm
のドラム上に押し付けられて速度30km/hで30分間
予備走行した後、再度内圧が規格値に調整された上で同
一速度で再走行し、この時タイヤの転動方向とドラムの
円周方向との間に正負最大14度の角度(スリップアン
グル)が連続してつけられて正負両角度に対応するコー
ナリングフォース(CF)を測定し、これより次式によ
って平均のコーナリングパウアー(CP)値を算出して
評価した。なお、比較例1のCP値を100として各タ
イヤのCP値は指数化した。指数が大きい程、操縦安定
性が良好であることを示す。
【0028】
【数1】
【0029】
【表1】
【0030】上記表1に示すように、ループ強力の高い
モノフィラメントコード(A)では接着力も低く、接着
試験後のコードは著しくフィブリル化しており、接着力
よりもコード内部の凝集力の方が低いために、フィブリ
ル化が起こり、結果として接着力も低いものとなった。
しかし、ループ強力の低いモノフィラメントコード
(B,C)ではループ強度が低い程、その接着力は向上
し、なおかつコードのフィブリル破壊もなく、ループ強
度が引っぱり強力の60%であるCのサンプルでは4.
2kg/コードの高接着力を得た。また、参考のため、通
常のポリエステル撚コード1500d/2 40×40
回/10cmの撚コード(D)を上記と同様に処理したデ
ィップコードの接着力は2.8kg/本であった。以上、
A,B,C,Dの4種のコードを前述したゴム引き布と
し、タイヤを試作し、コントロールのワイヤーインサー
トの代替とした。
【0031】
【表2】
【0032】(表2の考察)比較例1は、市場にも出て
いるワイヤーインサートタイヤであり、これをコントロ
ールとして各測定結果を100とした。比較例2は、1
500d/2 40×40回/cmの通常撚コードをワイ
ヤーインサートに用いたが、コントロール対比タイヤ操
縦性が低く、インサートとしてのビード部剛性向上が図
れないばかりでなく、ドラム耐久性もコントロールに比
べ低下した。比較例3は表1のAのコードをワイヤーイ
ンサート代替としたが、タイヤ操縦安定・軽量化に満足
したが、ドラム耐久試験は低レベルであり、そのインサ
ート部破壊部のコードはコードのフィブリル化及び、コ
ード〜ゴム間の剥離が故障原因と推定された。
【0033】これに対して実施例1は、表1のBのコー
ドをインサート代替とした。タイヤ操縦安定性もコント
ロール同等であり、軽量化目的も達成しており、コント
ロール以上のドラム耐久性を示し、且つタイヤ故障部は
インサートのコード端部からのゴム亀裂であり、コード
〜ゴム間のセパレーションは認められなかった。実施例
2は表1のCのコードをインサート代替とした。実施例
1よりも更にドラム耐久性も向上した。
【0034】
【発明の効果】本発明では、カーカスプライとビードフ
ィラーゴム間に挿入されたインサート部材がポリエステ
ル成分90%以上を含むポリエステル系モノフィラメン
トコードであり、該ポリエステル系モノフィラメントコ
ードは、ループ強度指数(ループ強力/引っぱり強力)
が1.0以下であるので、コード縦方向の縦割れ、即
ち、フィブリル化を抑制し、接着力を向上させることが
でき、ワイヤーインサート同等のタイヤ運動性能を保持
でき、且つ、軽量化が可能な耐久性に優れた空気入りタ
イヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の一例を示す断面図、
(b)はその部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部 2 サイドウォール部 3 トレッド部 4 カーカスプライ 9 ビードフィラー 10 インサート部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部及び一対のサイドウォー
    ル部と、両サイドウォール部間にトロイド状をなして成
    るトレッド部からなり、これら各部をラジアル配列のモ
    ノフィラメントコードのゴム引き布からなるカーカスプ
    ライにより補強し、トレッド部はベルトにより強化して
    なる空気入りタイヤにおいて、 前記カーカスプライとビードフィラーゴム間に挿入され
    たインサート部材がポリエステル成分90%以上を含む
    ポリエステル系モノフィラメントコードであり、該ポリ
    エステル系モノフィラメントコードは、ループ強度指数
    (ループ強力/引っぱり強力)が1.0以下であること
    を特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記モノフィラメントコードのループ強
    度指数が0.7以下である請求項1記載の空気入りタイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】 前記モノフィラメントコードのデニール
    が800〜7000デニールである請求項1又は2記載
    の空気入りタイヤ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0810107A2 (en) * 1996-05-30 1997-12-03 Bridgestone Corporation Pneumatic radial tire

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0810107A2 (en) * 1996-05-30 1997-12-03 Bridgestone Corporation Pneumatic radial tire
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