JPH08174708A - ベルト抗張体の製造方法 - Google Patents

ベルト抗張体の製造方法

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JPH08174708A
JPH08174708A JP32465894A JP32465894A JPH08174708A JP H08174708 A JPH08174708 A JP H08174708A JP 32465894 A JP32465894 A JP 32465894A JP 32465894 A JP32465894 A JP 32465894A JP H08174708 A JPH08174708 A JP H08174708A
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JP
Japan
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belt
cord diameter
cord
twisting
coefficient
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JP32465894A
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English (en)
Inventor
Yuji Takeuchi
祐二 竹内
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯付ベルトの抗張体として所定のコード径D
(単位:mm)及び撚り係数K(=(撚り数/10c
m)×(総デニール数)1/2 )を備えた炭素繊維製の撚
糸コードを製造する際に、耐屈曲疲労性の余り低下しな
い範囲で高い強力を有する歯付ベルトが得られるように
する。 【構成】 コード径D及び撚り係数Kを、 a・D2 +b・K2 +c・D+d・K+e・D・K+f
≧90 (但し、a=−27.0、b=−4.00×10-6、c
=46.8、d=9.35×10-3、e=−2.02×
10-3、f=74.3)の式を満たすように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、歯付ベルト、Vベル
ト、平ベルト、変速ベルト等の伝動ベルトのベルト本体
に埋設されるベルト抗張体の製造方法に関し、特にベル
トの所要強力維持率に応じてコード径及び撚り係数を設
定する対策に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、歯付ベルト、Vベルト、平ベル
ト、変速ベルト等の各種ベルトでは、高強力、高弾性
率、高寸法安定性等の特性が要求されることから、ベル
ト本体に繊維からなる補強用コードや布状物等の抗張体
が埋設されていて、例えば自動車用タイミングベルト等
の抗張体には、噛み合い等の問題から、弾性率の大きい
ガラスコードやアラミドコードが用いられている。
【0003】ところが、上記ガラスコードは伸びてベル
ト張力低下を引き起こし易く、特に高温時に雨中等の多
湿下での走行の際に、ベルトの強力が著しく低下すると
いう難点がある。一方、上記アラミドコードは、耐水
性、屈曲疲労性は大きく改善されるが、その反面、ベル
ト張力低下がガラス繊維コードに比べて著しく大きいと
いう問題がある。
【0004】そこで、特開昭61−192943号公報
では、上記ベルト抗張体として炭素繊維からなる撚糸コ
ードを使用することが提案されている。そして、このも
のでは、複数本の単糸を集めて加撚する際に、その撚り
係数を所定範囲に収めるようにすることで、高温多湿下
においてもベルトの張力低下を引き起こさず、しかもそ
の耐屈曲疲労性を大幅に改善できるとされている。
【0005】つまり、上記撚り係数を大きくすると、引
き揃えがなされるようになって強力がある程度まで大き
くかつばらつきの少ないコードとなることは知られてい
る。だが、撚り係数が大き過ぎる場合には、コードの最
外層のフィラメントに生じる歪みが大きくなって破断に
至るようになり、反ってベルトの強力を下げることにな
るのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ベルトに付
与される抗張体の強力は、実際には、上記撚り係数の他
に、抗張体のコード径にも依存している。すなわち、一
般に、抗張体の強力はコード径の二乗に比例して大きく
なる。よって、上記コード径を大きくすれば、その分だ
け十分な強力が得られるようになる筈である。
【0007】しかしながら、抗張体が屈曲変形される場
合には、その最外層にかかる歪みもコード径に比例して
大きくなるのである。したがって、上記コード径が大き
過ぎると、屈曲疲労が速く進行するようになって耐屈曲
疲労性の低下を招くこととなり、その結果、強力の高い
ベルトが得られるようになっても、その強力維持率が大
幅に低下することとなる。
【0008】上記のような耐屈曲疲労性の低下は、例え
ば自動車エンジンのタイミングベルトや補機類駆動ベル
トのように、1本のベルトで多数の従動軸に駆動力を伝
達するサーペンタイン化や、ベルトが巻き掛けられるプ
ーリの小径化が押し進められようとしている現状に照ら
し合わせてみても、是非とも回避する必要がある。
【0009】この発明は斯かる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、炭素繊維を使用してベルト抗張
体を製造する際に、そのコード径及び撚り係数の各値を
両者の関連において設定できるようにすることで、耐屈
曲疲労性の余り低下しない範囲で高い強力を有するベル
トが得られるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、ベルトの所要強力維持率に応
じたコード径及び撚り係数の各値を重回帰分析すること
で、ベルトに所要強力維持率を付与できるコード径と撚
り係数との間の関係を明らかにし、その範囲内で上記コ
ード径及び撚り係数を設定することにより、耐屈曲疲労
性の余り低下しない範囲で高い強力を有するベルトが得
られるようにした。
【0011】具体的には、この発明では、多数本の炭素
繊維を引き揃えて加撚することにより所定のコード径及
び撚り係数を備えたベルト抗張体を製造する方法が前提
である。
【0012】そして、ベルトの強力維持率が所要値を満
たすときの上記コード径及び撚り係数の関係を重回帰分
析し、その範囲内で上記コード径及び撚り係数を設定す
るようにする。尚、上記炭素繊維としては、PAN系及
びピッチ系等の何れであってもよい。
【0013】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、コード径及び撚り係数を設定し、各々、多数
本の炭素繊維を引き揃えて上記撚り係数に応じた撚り数
だけ加撚することにより複数本の下撚り糸を得た後、こ
れら各下撚り糸を集めて上記撚り係数に応じた撚り数だ
け上撚りを加えるようにする。
【0014】請求項3の発明では、上記請求項1の発明
において、多数本の炭素繊維を引き揃えた後、RFL処
理(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス処理)を施
し、しかる後に加撚するようにする。
【0015】上記RFLは、レゾルシン及びホルマリン
の初期縮合物をラテックスと混合したものであり、その
ようなラテックスとしては、特に限定はしないが、一例
として、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共
重合ゴム、CSM(クロロスルフォン化ポリエチレンゴ
ム)、NBR(ニトリルゴム)、H−NBR(水素化ニ
トリルゴム)、CO(エピクロロヒドリンゴム)、SB
R(スチレン・ブタジエンゴム)、CR(クロロプレン
ゴム)、塩素化ブタジエンゴム、オレフィン−ビニルエ
ステル共重合ゴム、及びNR(天然ゴム)等の各ラテッ
クス、又はそれらの混合体が挙げられる。
【0016】また、その際に、ベルト本体に用いられる
ゴム材料としては、特に限定するものではないが、例え
ば、ゴム製品に一般に用いられるNR、SBR、NB
R、H−NBR、CR、CSM、ACSM(アルキル化
クロロスルフォン化ポリエチレンゴム)、EPDM(エ
チレン・プロピレン・ジエン三元共重合ゴム)、EP
(エチレン・プロピレン共重合ゴム)、BR(ブタジエ
ンゴム)、IR(イソプレンゴム)及びFKM(フッ素
ゴム)等が好ましい例として挙げられる。
【0017】請求項4の発明では、上記請求項1の発明
において、式、a×D2 +b×K2+c×D+d×K+
e×D×K+f≧ベルトの所要強力維持率(%)(但
し、コード径Dの単位:mm、K=(撚り数/10c
m)×(総デニール数)1/2 、a=−27.0、b=−
4.00×10-6、c=46.8、d=9.35×10
-3、e=−2.02×10-3、f=74.3)によりコ
ード径D及び撚り係数Kを設定することとする。
【0018】請求項5の発明では、上記請求項4の発明
において、ベルトの所要強力維持率を、90%に設定す
るようにする。
【0019】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、ベル
トの強力維持率が所要値を満たすときのコード径及び撚
り係数の関係が重回帰分析されることにより、コード径
及び撚り係数の関係における各上限値が明らかとなる。
例えば、コード径の値が予め決定されている場合には、
ベルトの強力維持率が所要値となる撚り係数の上限値が
得られる。したがって、その範囲内で撚り係数が設定さ
れることにより、耐屈曲疲労性の余り低下しない範囲で
高い強力を有するベルトが得られるようになる。
【0020】請求項2の発明では、上記抗張体が、複数
本の下撚り糸を集めて上撚りを加えることにより構成さ
れるものである場合でも、設定された撚り係数に応じた
撚り数だけ下撚り及び上撚りがそれぞれ加えられること
により、上記請求項1の発明と同じ作用が営まれる。
【0021】請求項3の発明では、加撚される前にRF
L処理されることにより、各炭素繊維の表面が十分にR
FL処理されるようになるので、繊維同士が接触して破
損するのを防止する効果のみならず、ベルト本体に埋設
される際の該ベルト本体との接着性が向上する。
【0022】請求項4の発明では、コード径及び撚り係
数の各値の範囲が演算により求められるので、上記請求
項1の発明での作用が具体的に営まれる。
【0023】請求項5の発明では、ベルトの所要強力維
持率が90%以上となるコード径及び撚り係数の各値の
範囲が得られる。
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この実施例に係る歯付ベルトを示し、
この歯付ベルトは、ベルト本体1と、該ベルト本体1に
埋設されたベルト抗張体としてのコード2とからなる。
上記ベルト本体1は、エンドレスの伸長部ゴム層1a
と、この伸長部ゴム層1aの内周側(図1の下側)に該
伸長部ゴム層1aと同一材質のゴム(例えば、CRゴ
ム)にて一体成形された複数の歯部1b,1b,…とを
備えている。一方、上記コード2は、上記伸長部ゴム層
1aの内部に該伸長ゴム部の略ベルト長さ方向に沿うよ
うに埋設されている。また、上記ベルト本体1の歯部1
b,1b,…の側の表面には、補強帆布3が一体的に装
着されている。
【0025】そして、この発明の特徴として、上記コー
ド2は、多数本の炭素繊維を引き揃えて加撚することで
構成されていて、その際に、上記歯付ベルトの強力維持
率が所要値を満たすときのコード径D及び撚り係数Kの
関係を重回帰分析し、その範囲内で上記コード径及び撚
り係数を設定するようになされている。
【0026】具体的には、上記コード2は、図2に示す
ように、多数本の炭素繊維を引き揃えてRFL処理(レ
ゾルシン−ホルマリン−ラテックス処理)した1本の繊
維束2aを一方向に加撚(図示する例ではS撚り)する
ことで構成されている。そして、上記強力維持率は90
%とされていて、上記コード径D及び撚り係数Kは、重
回帰分析により得られた次式を満たすように設定されて
いる。
【0027】a・D2 +b・K2 +c・D+d・K+e
・D・K+f≧90 (但し、コード径Dの単位:mm、K=(撚り数/10
cm)×(総デニール数)1/2 、a=−27.0、b=
−4.00×10-6、c=46.8、d=9.35×1
-3、e=−2.02×10-3、f=74.3) 尚、上記の式の左辺は、コード径D及び撚り係数Kで定
まるコード2により歯付ベルトに付与される強力維持率
を示している。
【0028】したがって、この実施例によれば、歯付ベ
ルトの強力維持率が90%以上となる範囲でそれぞれコ
ード2のコード径D及び撚り係数Kを設定することがで
きるので、耐屈曲疲労性の余り低下しない範囲で高い強
力を有する歯付ベルトが得られるようになる。
【0029】また、上記コード2がRFL処理によりベ
ルト本体1との接着性を良好になされているので、耐疲
労屈曲性及び高い強力を歯付ベルトに効率よく付与する
ことができる。その際に、加撚される前にRFL処理さ
れることにより、各炭素繊維の表面が十分にRFL処理
されるようになるので、繊維同士が接触して破損するの
を防止する効果を高めることができる。
【0030】尚、上記実施例では、所要強力維持率を9
0%としているが、ベルトの使用環境や使用目的等によ
り所要強力維持率の値を変更してもよい。
【0031】また、上記実施例では、多数本の炭素繊維
が引き揃えられてなる1本の繊維束2aを加撚すること
でコード2を構成しているが、各々、多数本の炭素繊維
を引き揃えて上記撚り係数Kに応じた撚り数だけ加撚す
ることにより複数本の下撚り糸を得た後、これら各下撚
り糸を集めて上記撚り係数Kに応じた撚り数だけ上撚り
を加えることでコードを構成するようにしてもよい。
【0032】−具体例− ここで、本発明例1〜6及び比較例1〜3の各歯付ベル
トをそれぞれ作製して行った屈曲疲労テストについての
説明を行う。尚、コード用の炭素繊維には「トレカT−
700(商品名)」(東レ〔株〕社製)を全て使用し
た。
【0033】先ず、上記発明例1及び2では、コード径
及び撚り係数が表1に示されるコードを作製した。
【0034】
【表1】
【0035】具体的には、3600de(デニール)の
炭素繊維を、レゾルシン−ホルマリン初期縮合物にスチ
レン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体ラテッ
クスが混合されてなる溶液に浸漬させた後、緊張下にお
いて1分間に亘り245℃の熱処理を施し、その後、撚
りを加えてコードを得た。その際に、S撚りコード及び
Z撚りコードの2種類を作製した。
【0036】次いで、ゴムコーティングされた補強帆布
を歯溝形状を有する金型ドラムに巻き付け、その上に、
上記S撚りコード及びZ撚りコードを金型の軸心方向に
おいて交互に並ぶようにスパイラル状に巻き付けて配列
した。さらに、CRゴムシートを密着させて加圧し、圧
入加硫した後、軸心方向において所定幅でカットするこ
とにより、上記コードがベルト本体に埋設されてなる歯
付ベルトを得た。
【0037】上記発明例3及び4では、7200deの
炭素繊維を用い、コード径及び撚り係数を上記表1に示
されるようにした他は上記発明例1及び2の場合と同様
にして歯付ベルトを作製した。
【0038】上記発明例5及び6では、上記表1に示す
コード径及び撚り係数のコードを、次のようにして作製
した。すなわち、各々、3600deの炭素繊維を引き
揃えて上記発明例1及び2の場合と同じRFL処理を施
した後に下撚りを加えて2本の下撚り糸とし、これら2
本の下撚り糸を引き揃えて上記下撚りとは逆の方向に上
撚りを加えることにより、7200deの炭素繊維から
なるコードとした。その際に、下撚りがZ撚りでかつ上
撚りがS撚りとしたものと、下撚りがS撚りでかつ上撚
りがZ撚りとした2種類のコードを作製し、上記発明例
1及び2の場合と同じく、これらS撚りコード及びZ撚
りコードを交互に並ぶように配列した。尚、上撚り係数
及び下撚り係数は、それぞれ表1の撚り係数と同じにし
た。つまり、上記発明例5では、下撚りは、総デニール
数が3600deでかつ撚り係数が800であるときの
撚り数だけ、また上撚りは、総デニール数が7200d
eでかつ撚り係数が800であるときの撚り数だけとし
た。上記発明例6では、下撚りは、総デニール数が36
00deでかつ撚り係数が1000であるときの撚り数
だけ、また上撚りは、総デニール数が7200deでか
つ撚り係数が1800であるときの撚り数だけとした。
その他の事項に関しては上記発明例1及び2の場合と同
じである。
【0039】一方、上記比較例1〜3では、それぞれコ
ード径及び撚り係数を上記表1に示すようにした他は、
比較例1では上記発明例1及び2と、比較例2では上記
発明例3及び4と、また比較例1では上記発明例5及び
6と同じである。
【0040】次に、上記屈曲疲労テストの要領について
説明する。図3に示すように、4つの大径プーリ21,
21,…と、各々、互いに隣接する大径プーリ21,2
1,間に配置された4つの小径プーリ22,22,…と
を備えたベルト屈曲試験機を用意し、この試験機の各プ
ーリ21,22間に歯付ベルト23を巻き掛け、ウエイ
ト24にて上記歯付ベルト23に所定のテンションを付
与した状態で走行させた。尚、上記各小径プーリ22の
プーリ径は30mmである。そして、上記歯付ベルト2
3が一巡して4つの小径プーリ22,22,…を通過す
ることをもって1回の屈曲走行(各小径プーリ22によ
る屈曲回数は4回)とし、走行前の強力を100とした
場合の2×108 回の屈曲走行後の強力を求めた。その
結果を、上記表1に併せて示す。
【0041】上記表1により、発明例1〜6では各強力
維持率が全て90%以上であることから、十分な耐屈曲
疲労性を備えていることが判る。一方、比較例1〜3で
は、何れも90%未満であり、耐屈曲疲労性が不十分で
あることが判る。
【0042】さらに、上記歯付ベルト23の強力維持率
と、コード径及び撚り係数との関係を、図4に示す。同
図において、P1〜P6は発明例1〜6を、またQ1〜
Q3は比較例1〜3をそれぞれ示している。この図4に
実線で示すように、強力維持率が90%以上となる閉曲
線Lが存在していて、この閉曲線Lの範囲内にコード径
と撚り係数とがあれば、歯付ベルト23の強力維持率が
90%以上になることが判る。尚、同図において上記閉
曲線Lの周りを幾重にも取り囲むように存在する破線
は、内周側から順に、ベルト23の強力維持率が80
%、70%及び60%となる各閉曲線をそれぞれ示して
いる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、多数本の炭素繊維を引き揃えて加撚することに
より所定のコード径及び撚り係数を備えたベルト抗張体
を製造する際に、ベルトの強力維持率が所要値を満たす
ときの上記コード径及び撚り係数の関係を重回帰分析
し、その範囲内で上記コード径及び撚り係数を設定する
ようにしたので、耐屈曲疲労性の余り低下しない範囲で
高い強力を有するベルトが得られるようになる。
【0044】請求項2の発明によれば、上記コード径及
び撚り係数を設定し、各々、多数本の炭素繊維を引き揃
えて上記撚り係数に応じた撚り数だけ加撚することによ
り複数本の下撚り糸を得た後、これら各下撚り糸を集め
て上記撚り係数に応じた撚り数だけ上撚りを加えること
で上記ベルト抗張体を構成するようにしたので、この場
合でも、上記請求項1の発明と同じ効果を奏することが
できる。
【0045】請求項3の発明によれば、上記多数本の炭
素繊維を引き揃えた後、RFL処理を施し、しかる後に
加撚するようにしたので、上記繊維同士が接触して破損
するのを防止する効果のみならず、ベルト本体に埋設さ
れる際の該ベルト本体との接着性を向上させることがで
き、ベルトに耐屈曲疲労性及び高い強力を効率よく付与
することができる。
【0046】請求項4の発明によれば、上記コード径D
及び撚り係数Kを、a×D2 +b×K2 +c×D+d×
K+e×D×K+f≧ベルトの所要強力維持率(%)
(但し、コード径Dの単位:mm、K=(撚り数/10
cm)×(総デニール数)1/2、a=−27.0、b=
−4.00×10-6、c=46.8、d=9.35×1
-3、e=−2.02×10-3、f=74.3)の式に
より設定するようにしたので、上記請求項1の発明によ
る効果を具体的に得ることができる。
【0047】請求項5の発明によれば、上記所要強力維
持率を90%に設定したので、ベルトの所要強力維持率
が90である場合のベルト抗張体のコード径及び撚り係
数を具体的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る歯付ベルトの一部を示
す縱断面図である。
【図2】コードの端部を拡大して示す側面図である。
【図3】ベルト屈曲試験の要領を示す概略図である。
【図4】歯付ベルトの強力維持率の分布を示すコードの
コード径−撚り係数の特性図である。
【符号の説明】
2 コード(抗張体) D コード径 K 撚り係数

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数本の炭素繊維を引き揃えて加撚する
    ことにより所定のコード径及び撚り係数を備えたベルト
    抗張体を製造する方法であって、 ベルトの強力維持率が所要値を満たすときの上記コード
    径及び撚り係数の関係を重回帰分析し、 その範囲内で上記コード径及び撚り係数を設定すること
    を特徴とするベルト抗張体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベルト抗張体の製造方法
    において、 コード径及び撚り係数を設定した後、 各々、多数本の炭素繊維を引き揃えて上記撚り係数に応
    じた撚り数だけ加撚することにより複数本の下撚り糸を
    作製し、 次いで、上記各下撚り糸を集めて上記撚り係数に応じた
    撚り数だけ上撚りを加えることを特徴とするベルト抗張
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のベルト抗張体の製造方法
    において、 多数本の炭素繊維を引き揃えた後、レゾルシン−ホルマ
    リン−ラテックス処理を施し、 しかる後に加撚することを特徴とするベルト抗張体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のベルト抗張体の製造方法
    において、 式、a×D2 +b×K2 +c×D+d×K+e×D×K
    +f≧ベルトの所要強力維持率(%) 但し、コード径Dの単位:mm K=(撚り数/10cm)×(総デニール数)1/2 a=−27.0 b=−4.00×10-6 c=46.8 d=9.35×10-3 e=−2.02×10-3 f=74.3 によりコード径D及び撚り係数Kを設定することを特徴
    とするベルト抗張体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のベルト抗張体の製造方法
    において、 ベルトの所要強力維持率を、90%に設定することを特
    徴とするベルト抗張体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7404426B2 (en) 2002-03-22 2008-07-29 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Hybrid cord for rubber reinforcement and rubber product employing the same
US7682274B2 (en) 2003-04-09 2010-03-23 Nippon Sheet Glass Company, Limited Reinforcing cord for rubber reinforcement and rubber product including the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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