JPH0817119B2 - 電子銃 - Google Patents

電子銃

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JPH0817119B2
JPH0817119B2 JP1104708A JP10470889A JPH0817119B2 JP H0817119 B2 JPH0817119 B2 JP H0817119B2 JP 1104708 A JP1104708 A JP 1104708A JP 10470889 A JP10470889 A JP 10470889A JP H0817119 B2 JPH0817119 B2 JP H0817119B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ライナック等の電子線加速器に用いられ
る電子銃に関するものである。
[従来の技術] 従来例の構成を第7図及び第8図を参照しながら説明
する。
第7図は、従来の電子銃本体を示す断面図である。
第7図において、従来の電子銃本体(1)は、フィラ
メント(2)と、このフィラメント(2)に近接して配
置されたカソード(3)と、このカソード(3)に対向
して配置されたアノード(4)と、カソード(3)とア
ノード(4)との間に配置されたグリッド(5)と、カ
ソード(3)を囲んで設けられた集束電極(6)と、セ
ラミック等からなる絶縁筒(7)とから構成されてい
る。
なお、アノード(4)の後段部位には加速管(8)が
配置されている。
絶縁筒(7)は、カソード(3)部分が高圧であるの
で、空気中の沿面耐圧を考慮してアース電位で絶縁され
ている。
第8図は、例えば、熊谷編実験物理学講座28「加速
器」共立出版に示された従来の電子銃を示す回路図であ
る。
第8図において、従来の電子銃のパルス発生器(9)
は、直流電源(10)と、この直流電源(10)に接続され
た充電回路(11)と、この充電回路(11)に一端が接続
されかつ直流電源(10)に他端が接続され例えばサイラ
トロンからなるスイッチ素子(12)と、充電回路(11)
に接続されたパルス成形回路(13)と、このパルス成形
回路(13)に一端が接続されかつ直流電源(10)に他端
が接続された負荷(14)とから構成されている。
なお、電子銃本体(1)と並列にマグネトロン又はク
ライストロン等のマイクロ波源(15)が接続されてい
る。
また、パルス成形回路(13)は、n個のコイルLやコ
ンデンサCを結合させた集中定数回路が用いられてい
る。
つぎに、上述した従来例の動作を説明する。
電子線加速器では、加速電圧として非常に大きな出力
を必要とするため、マイクロ波源(15)はもちろん、電
子銃もパルス運転されている。一般に大出力のパルスを
作るには、適当なパルス成形回路(PEN)(13)に電気
エネルギーを蓄えておき、大容量のスイッチ素子(12)
で放電させてパルスをつくるラインタイプパルス電源が
使われている。充電回路(11)は、パルス成形回路(1
3)を必要な電圧まで充電し、パルスが発生している間
は直流電源(10)との関係を断ち、パルスによる衝撃が
伝わるのを防ぐ役目をもっている。
パルス成形回路(13)を充電電圧をV0とすれば、負荷
(14)に発生するパルス電圧はV0/2であるから、直流電
源電圧はパルス電圧の2倍を必要とする。充電回路(1
1)は、一般に、共振充電法が用いられていて、これは
直流電源(10)とパルス成形回路(13)との間にインダ
クタンスLを入れ、このLとパルス成形回路(13)の全
容量CTの直列共振を利用して、直流電源電圧の2倍にパ
ルス成形回路(13)を充電するものである。
また、パルス電圧は、スイッチ素子(12)の容量で決
まり、マイクロ波源(15)で必要とする電圧以下である
ため、昇圧するのにトランス(16)を設けてマイクロ波
源(15)と電子銃をパルス運転している。
電子線加速器用には、立ち上がり0.2〜0.6μs、パル
ス幅2〜10μsのパルスが通常使われているので、この
トランス(16)は高圧用であるばかりでなく、0.1〜5MH
zまでの広帯域をもつ高周波トランスでもなければなら
ない。
一般に、トランスの2次側に発生する電圧VSは、 VS=NSA・dB/dt … と表される。ただし、NS:2次コイルの巻き数、A:コアの
断面積、B:磁束密度である。
パルスの頂が平坦である必要から、パルス幅TPの間で
電圧VSが一定、すなわち、dB/dtが一定でなければなら
ない。いま、dt=TPとし、この間における磁束密度Bの
変化を△Bと表すと、式は、 VS=NSA・△B/TP … と表される。
電圧VSを大きくなるために、巻き数NS、断面積Aを大
きくすることは、トランスの高周波特性を損なうので限
度があるから、△B/TPをできるだけ大きくするのが有利
である。鉄心の材質としてはμrが大きく、HCの小さい
ものが良いが、そのような材料は磁気履歴曲線が矩形で
あるため、パルスのように一方向にのみ電流が流れる場
合には、△Bが非常に小さくなる。
一般に、パルスの立ち上がりには高周波特性、平坦
度、はねかえりには低周波特性が影響している。パルス
の頂を平坦にするにはトランスのインダクタンスLPを大
きくとり、立ち上がりを速くするには、漏れインダクタ
ンスLLとコイルの分布容量CDの積LL・CDを小さくする。
つまり、コイル間の空間を小さくし、昇圧比をあまり
大きくとらないこと、及びコイルの電圧配分を均等にす
ることである。
しかしながら、パルス成形回路(13)でパルスを作る
方法においては、パルスの立ち上がりはせいぜい0.2μ
s程度が限界であり、数nsのパルス幅のパルスを作るこ
とは困難である。
通常、このような短い時間幅のパルスを得るには、グ
リッド接地型のグリッドパルサーと電子銃に制御用グリ
ッドのある三極管が利用される。
すなわち、通常グリッド電極には、カソード電極に対
して、負のバイアス電位が加えられて、ビーム出力はカ
ットオフ状態にある。パルスビームを取り出す期間の
み、正電位となるように、急激なパルス電圧が付加さ
れ、カソード・グリッド間には、ビーム電流に匹敵する
グリッド電流が流れる。したがって、グリッド電極に数
nsの時間幅で電圧が100V以上のパルスを供給すればよ
い。
従来の電子銃は、カソード(3)がフィラメント
(2)により加熱されて、カソード(3)から熱電子が
発生する。カソード(3)は負の高電圧が印加されてい
て、アース電位のアノード(4)との間に電界を生じ
る。
この電界により加速された熱電子は、アノード(4)
の孔を通って加速管(8)に入射する。
また、グリッド(5)に印加した電圧により、カソー
ド(3)から出た熱電子を制御することができる。
[発明が解決しようとする課題] 上述したような従来の電子銃では、電子線のパルス幅
が長く、繰り返しも低いという問題点があった。
この発明は、上述した問題点を解決するためになされ
たもので、連続した極短パルス列の電子線パルスを発生
することができる電子銃を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る電子銃は、集束電極に囲まれて設けら
れたカソードと、前記カソードに対向して近接配置され
たアノードと、前記カソードと前記アノードとの間であ
って前記カソードに近接配置されたグリッドと、前記ア
ノードを支持し加速管側まで延びているアノード支持筒
と、前記アノード支持筒を囲んでいる絶縁筒とを有する
電子銃本体と、数nsの微小電圧パルス列を発生するパル
ス発生器と、発生する電子線が連続したパルス列になる
ように、前記微小電圧パルス列を数十〜数百ボルトの高
電圧パルス列に増幅して前記グリッドに印加するグリッ
ド接地型板極管と、前記パルス発生器と前記グリッド接
地型板極管との間に設けられ電流増幅するパルストラン
スとを有するグリッドパルサーとを備えたものである。
また、この発明に係る電子銃は、前記電子銃本体は、
前記アノード支持筒の内周に配置され前記アノードに接
合され前記加速管側まで延びているドリフト筒と、前記
アノード支持筒の前記ドリフト筒との間に配置され前記
アノードを通過した電子線の発散を防ぐヘルムホルツコ
イルとをさらに有するものである。
また、この発明に係る電子銃は、前記電子銃本体が、
前記アノード支持筒の内周に配置され前記アノードに接
合され前記加速管側まで延びているドリフト筒と、前記
アノードの後部に配置され前記カソードから出た電子線
の位相を圧縮するプリバンチャーとをさらに有するもの
である。
さらに、この発明に係る電子銃は、集束電極に囲まれ
て設けられたカソードと、前記カソードに対向して近接
配置されたアノードと、前記カソードと前記アノードと
の間であって前記カソードに近接配置されたグリッド
と、前記集束電極を中心部に支持する絶縁円板と、前記
アノードを支持し前記絶縁円板に結合されたアノード支
持筒とを有する電子銃本体と、数nsの微小電圧パルス列
を発生するパルス発生器と、発生する電子線が連続した
パルス列になるように、前記微小電圧パルス列を数十〜
数百ボルトの高電圧パルス列に増幅して前記グリッドに
印加するグリッド接地型板極管と、前記パルス発生器と
前記グリッド接地型板極管との間に設けられ電流増幅す
るパルストランスとを有するグリッドパルサーとを備え
たものである。
[作用] この発明においては、集束電極に囲まれて設けられた
カソードと、前記カソードに対向して近接配置されたア
ノードと、前記カソードと前記アノードとの間であって
前記カソードに近接配置されたグリッドと、前記アノー
ドを支持し加速管側まで延びているアノード支持筒と、
前記アノード支持筒を囲んでいる絶縁筒とを有する電子
銃本体によって、グリッド及びカソードを外に出してグ
リッドパルサーを直結する。このグリッドパルサーは、
パルス発生器によって、数nsの微小電圧パルス列を発生
し、発生する電子線が連続したパルス列になるように、
グリッド接地型板極管によって、前記微小電圧パルス列
を数十〜数百ボルトの高電圧パルス列に増幅して前記グ
リッドに印加し、前記パルス発生器と前記グリッド接地
型板極管との間に設けられたパルストランスによって、
電流増幅する。
また、この発明においては、前記アノード支持筒の内
周に配置され前記アノードに接合され前記加速管側まで
延びているドリフト筒と、前記アノード支持筒との間に
配置されたヘルムホルツコイルによって、前記アノード
を通過した電子線の発散を防ぐ。
また、この発明においては、前記アノードの後部に配
置されたプリバンチャーによって、前記カソードから出
た電子線の位相を圧縮する。
さらに、この発明においては、集束電極に囲まれて設
けられたカソードと、前記カソードに対向して近接配置
されたアノードと、前記カソードと前記アノードとの間
であって前記カソードに近接配置されたグリッドと、前
記集束電極を中心部に支持する絶縁円板と、前記アノー
ドを支持し前記絶縁円板に結合されたアノード支持筒と
を有する電子銃本体によって、グリッド及びカソードを
外に出してグリッドパルサーを直結する。このグリット
パルサーは、パルス発生器によって、数nsの微小電圧パ
ルス列を発生し、発生する電子が連続したパルス列にな
るように、グリッド接地型板極管によって、前記微小電
圧パルス列を数十〜数百ボルトの高電圧パルス列に増幅
して前記グリットに印加し、前記パルス発生器と前記グ
リッド接地型板極管との間に設けられたパルストランス
によって、電流増幅する。
[実施例] この発明の第1の実施例の構成を第1図及び第2図を
参照しながら説明する。
第1図は、この発明の第1実施例の電子銃本体を示す
断面図である。
第1図において、この発明の第1実施例の電子銃本体
(1A)は、カソード(3)と、このカソード(3)に対
向して近接配置されたアノード(4)と、カソード
(3)とアノード(4)との間でカソード(3)に近接
配置されたグリッド(5)と、カソード(3)を囲んで
設けられた集束電極(6)と、アノード(4)を支持し
ているアノード支持筒(17)と、このアノード支持筒
(17)を囲んで設けられセラミック等からなる絶縁筒
(7)等から構成されている。
第2図は、この発明の第1実施例のグリッドパルサー
を示す回路図である。
第2図において、この発明の第1実施例のグリッドパ
ルサーは、パルス発生器(9)と、このパルス発生器
(9)に接続されたパルストランス(18)と、このパル
ストランス(18)に接続された板極管(19)とから構成
されている。
つぎに、上述した第1実施例の動作を説明する。
電子線加速器において、ピコ秒連続パルスビームを出
すためには、電子銃からの入力のパルス幅がベースで1
〜2ns以下でなければならない。そのためには、グリッ
ドパルサーの波形も十分に幅の狭いものでなければなら
ないが、電子銃のグリッド・カソード間の入力インピー
ダンスが50Ωよりも十分に低いことを考えると、グリッ
ドパルサーの出力インピーダンスを下げて、グリッド・
カソード間に直結されたグリッドパルサーが必要にな
る。
グリッド・カソード間に直結したグリッドパルサー
は、これまではアバランシェ・トランジスタを用いたも
のが利用されていて、電子銃埋め込み型のグリッドパル
サーが開発されている。しかし、これでは単パルスのみ
しか得られず、連続パルスは得られない。このため、板
極管を用いたグリッドパルサーを利用することが望まし
い。しかし、アバランシェ・トランジスタに比べて、大
きくなるので電子銃の中に埋め込むことができない。
したがって、グリッド・カソードを外に出し、グリッ
ドパルサーを直結する。また、こうすることにより、電
子銃のアノード部(4)、(17)は電子銃の中に位置す
ることになり、沿面耐圧を考慮した絶縁筒(7)の加速
管側から延ばす必要がある。
グリッドパルサーは、まず、第1に、パルス幅が1〜
2nsで電圧が数ボルト(50Ω)のパルス列を発生できる
パルス発生器(9)が必要である。次に、このパルス列
を数十〜数百ボルトに増幅するためのパルス増幅器が必
要である。このようなパルス列を増幅するためには、時
間応答のよい板極管(19)を使うのが望ましい。
第2図において、パルス発生器(9)から発生した連
続パルスは、板極管(19)のカソードに印加される。こ
の時、板極管(19)のアノードは正電圧が印加されてい
て、増幅された連続パルスが得られる。
この板極管(19)を何段か組み合わせることにより、
任意の電圧の連続パルスを得ることができる。板極管
(19)の使用方法には、カソード接地型とグリッド接地
型がある。カソード接地型では板極管(19)の入出力間
にミラー効果があり、これによって高速化に限界が生じ
る。
すなわち、カソード接地型では、ミラー効果で実効的
な入力静電容量が増加する。この静電容量が立ち上がり
時間を制限し大きくする。カソード接地型での限界は、
4〜5ns言われている。
一方、グリッド接地型では、ミラー効果を生じること
はないが、電流増幅度が1以下となるため、段間に電流
増幅するパルストランス(18)(インピーダンス変換
器)が必要になる。また、回路の低インピーダンス化で
静電容量による立ち上がりの劣化は少ないが、逆にドラ
イブ回路からカソード入力までのループ・インダクタン
スが立ち上がり影響を与える。
また、パルストランス(18)の漏れインダクタンスは
小さいことが要求される。さらに、ヒータ電源の供給方
法などの考慮も必要になる。第2図で示すように、ヒー
タ電源へのパルスの漏れを阻止するためにチョークコイ
ルが設けられている。
この発明の第2実施例、第3実施例及び第4実施例を
第3図、第4図及び第5図を参照しながら説明する。各
実施例のグリッドパルサーは第1実施例と同一である。
第3図は、この発明の第2実施例の電子銃本体を示す
断面図である。
第3図において、この発明の第2実施例の電子銃本体
(1B)は、第1実施例の構成に加えて、アノード支持筒
(17)の内周に配置されアノード(4)に結合されたド
リフト筒(20)と、このドリフト筒(20)とアノード支
持筒(17)の間に配置されたヘルムホルツコイル(21)
とから構成されている。なお、ヘルムホルツコイル(2
1)の部分は空気中にある。
ヘルムホルツコイル(21)は、アノード(4)を通過
した電子ビームの発散を防ぐために設けられている。
第4図は、この発明の第3実施例の電子銃本体を示す
断面図である。
第4図において、この発明の第3実施例の電子銃本体
(1C)は、第1実施例の構成に加えて、アノード支持筒
(17)の内周に配置されたドリフト筒(20)と、アノー
ド(4)の後部に配置されたプリバンチャー(22)とか
ら構成されている。
プリバンチャー(22)は、カソード(3)から出た電
子ビームパルスの位相を圧縮して、より時間幅の短いパ
ルスビームを発生させる。
なお、上述した第2実施例と第3実施例を組み合わせ
てもよい。すなわち、プリバンチャー(22)とヘルムホ
ルツコイル(21)を組み合わせて電子銃本体を構成して
もよい。
第5図は、この発明の第4実施例の電子銃本体を示す
断面図である。
第5図において、この発明の第4実施例の電子銃本体
(1D)は、第1実施例のカソード、グリッド部分は同一
で、このカソード、グリッド部分を支持する絶縁円板
(23)と、アノード(4)を支持しかつ絶縁円板(23)
に結合されたアノード支持筒(17)とから構成されてい
る。
ここで、電子ビームパルスの位相を圧縮するとは、つ
ぎの意味である。
電子銃から発射された電子ビームは、プリバンチャー
(22)で速度変調され、この後ドリフトスペースで密度
変調されて加速管へと導かれる。通常、プリバンチャー
(22)は、空洞ギャップにマイクロ波電界Vgsinωtが
印加される。なお、Vg:ギャップ電圧の振幅、ω:マイ
クロ波の角周波数、t:時間である。
プリバンチャー(22)のバンチング特性は、次式で表
される。
φ−φ =φ+2πD/βλ(β0/βm−1) … なお、φ=2πD/βλ Vm=V0+Vgsinφ X=πDg/βλ0V0(バンチングパラメータ) V0:電子銃電圧、 m0C2/e:511KV、 φ1:プリバンチャー(22)への入射位相、 φ−φ0:ドリフトスペースよりの出力位相、 λ0:マイクロ波の自由空間波長、 D:ドリフトスペースの長さ である。
通常、ドリフトスペースの長さは、D=2.5λ程度
がよく使用される。例えば、V0=100KV、Vg=14KV、X
=2.0とした場合、プリバンチャー(22)への入射位相
φが210度の幅のビームは、ドリフトスペースの出口
では40度の幅に圧縮され、ビームのエネルギーは100KeV
±14KeVとなる。
つづいて、この発明の応用例について第6図を参照し
ながら説明する。
第6図はこの発明の応用例である自由電子レーザの基
本構成を示す説明図である。
第6図で示すように、自由電子レーザ(FEL)は、高
速の電子ビームを発生する電子銃を含む加速器と、電子
をジグザグ運転させる周期磁場を発生するウィグラー磁
石と、レーザ発振のための光学共振器とから構成され
る。自由電子レーザは、原理的に波長が連続可変が大出
力発振が可能である長所をもち、様々な応用が期待され
ている。
加速器から発射された光速に近い電子ビームがウィグ
ラー磁場(交互に向きが変わる磁場)の中を蛇行すると
放射光を発する。放射光は本来連続波長を光であるが、
ウィグラー磁場の前後に光の反射鏡を置いて、この放射
光を閉じ込めると新しく発生した光と閉じ込められてい
た光とが干渉して強め合い、特定の波長で位相のそろっ
たレーザ光を発振するので、一方の反射鏡を半透明にし
ておくことによってレーザ光を取り出すことができる。
レーザ光の波長は、ウィグラー磁場を通過する電子の
エネルギーに比例して短くなり、レーザ光の強度は電子
ビームの電流値に比例して増加する。
したがって、原理的に自由電子レーザは波長が連続可
変で大強度のレーザ光を発生することができる。しかも
構造が単純であるため効率がよい。これらのことは、従
来の媒質を用いたレーザにはない特色である。
ところで、レーザ光発振のためには極めて質のよい電
子ビームを用いなければならない。すなわち、電子ビー
ムのエネルギー精度、ビーム平行度、電流密度のすぐれ
たものが必要である。また、レーザ発振を起こさせるた
めに電子ビームのパルス間隔は反射鏡間で光が干渉して
強め合うようにする。
電子線加速器の電子銃においては、これらの要求を満
足する短い時間幅(〜数ns)で、強度の大きいビームパ
ルスが一定時間毎に発生しなければならない。
自由電子レーザの場合、このビームパルスの時間間隔
は、反射鏡間の距離に依存している。すなわち、反射し
てきた放射光がつぎの電子線パルスによって生じた放射
光と干渉して、強め合うように前後の反射鏡の距離とを
ビームパルスの時間間隔が決まる。
また、自由電子レーザと別だが磁石を円周上に等間隔
に並べたリングの場合、リングに入射された電子パルス
が、一周回転した時に重なり合うような時間間隔を選べ
ば、リングに蓄積するビームの電流値を大きくすること
ができる。これにより電子ビームが磁石で偏向する時に
発生する放射光の強度を増加させることができる。
この発明の各実施例は、上述したように電子銃のカソ
ード・グリッドとグリッドパルサーを直結するために、
電子銃のカソード・グリッド部とアノード部を空間構造
にして、グリッドパルサーをパルス発生器と板極管で構
成したので、連続した極短パルス列の電子線パルスを発
生することができるという効果を奏する。
[発明の効果] この発明は、以上説明したとおり、集束電極に囲まれ
て設けられたカソードと、前記カソードに対向して近接
配置されたアノードと、前記カソードと前記アノードと
の間であって前記カソードに近接配置されたグリッド
と、前記アノードを支持し加速管側まで延びているアノ
ード支持筒と、前記アノード支持筒を囲んでいる絶縁筒
とを有する電子銃本体と、数nsの微小電圧パルス列を発
生するパルス発生器と、発生する電子線が連続したパル
ス列になるように、前記微小電圧パルス列を数十〜数百
ボルトの高電圧パルス列に増幅して前記グリッドに印加
するグリッド接地型板極管と、前記パルス発生器と前記
グリッド接地型板極管との間に設けられ電流増幅するパ
ルストランスとを有するグリッドパルサーとを備えたの
で、連続した極短パルス列の電子線パルスを発生するこ
とができるという効果を奏する。
また、この発明は、以上説明したとおリ、前記電子銃
本体は、前記アノード支持筒の内周に配置され前記アノ
ードに接合され前記加速管側まで延びているドリフト筒
と、前記アノード支持筒の前記ドリフト筒との間に配置
され前記アノードを通過した電子線の発散を防ぐヘルム
ホルツコイルとをさらに有するので、連続した極短パル
ス列の電子線パルスを発生することができるという効果
を奏する。
また、この発明は、以上説明したとおり、前記電子銃
本体は、前記アノード支持筒の内周に配置され前記アノ
ードに接合され前記加速管側まで延びているドリフト筒
と、前記アノードの後部に配置され前記カソードから出
た電子線の位相を圧縮するプリバンチャーとをさらに有
するので、連続した極短パルス列の電子線パルスを発生
することができるという効果を奏する。
さらに、この発明は、以上説明したとおり、集束電極
に囲まれて設けられたカソードと、前記カソードに対向
して近接配置されたアノードと、前記カソードと前記ア
ノードとの間であって前記カソードに近接配置されたグ
リッドと、前記集束電極を中心部に支持する絶縁円板
と、前記アノードを支持し前記絶縁円板に結合されたア
ノード支持筒とを有する電子銃本体と、数nsの微小電圧
パルス列を発生するパルス発生器と、発生する電子線が
連続したパルス列になるように、前記微小電圧パルス列
を数十〜数百ボルトの高電圧パルス列に増幅して前記グ
リッドに印加するグリッド接地型板極管と、前記パルス
発生器と前記グリッド接地型板極管との間に設けられ電
流増幅するパルストランスとを有するグリッドパルサー
とを備えたので、連続した極短パルス列の電子線パルス
を発生することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例の電子銃本体を示す断面
図、第2図はこの発明の第1実施例のグリッドパルサー
を示す回路図、第3図はこの発明の第2実施例の電子銃
本体を示す断面図、第4図はこの発明の第3実施例の電
子銃本体を示す断面図、第5図はこの発明の第4実施例
の電子銃本体を示す断面図、第6図はこの発明の応用例
である自由電子レーザの基本構成を示す説明図、第7図
は従来の電子銃本体を示す断面図、第8図は従来の電子
銃を示す回路図である。 図において、 (1A)、(1B)、(1C)、(1D)……電子銃本体、 (3)……カソード、 (4)……アノード、 (5)……グリッド、 (6)……集束電極、 (7)……絶縁筒、 (9)……パルス発生器、 (17)……アノード支持筒、 (18)……パルストランス、 (19)……板極管、 (21)……ヘルムホルツコイル、 (22)……プリバンチャーである。 なお、各図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】集束電極に囲まれて設けられたカソード
    と、前記カソードに対向して近接配置されたアノード
    と、前記カソードと前記アノードとの間であって前記カ
    ソードに近接配置されたグリッドと、前記アノードを支
    持し加速管側まで延びているアノード支持筒と、前記ア
    ノード支持筒を囲んでいる絶縁筒とを有する電子銃本
    体、 及び 数nsの微小電圧パルス列を発生するパルス発生器と、発
    生する電子線が連続したパルス列になるように、前記微
    小電圧パルス列を数十〜数百ボルトの高電圧パルス列に
    増幅して前記グリッドに印加するグリッド接地型板極管
    と、前記パルス発生器と前記グリッド接地型板極管との
    間に設けられ電流増幅するパルストランスとを有するグ
    リッドパルサー を備えたことを特徴とする電子銃。
  2. 【請求項2】前記電子銃本体は、前記アノード支持筒の
    内周に配置され前記アノードに結合され前記加速管側ま
    で延びているドリフト筒と、前記アノード支持筒と前記
    ドリフト筒との間に配置され前記アノードを通過した電
    子線の発散を防ぐヘルムホルツコイルとをさらに有する
    ことを特徴とする請求項1記載の電子銃。
  3. 【請求項3】前記電子銃本体は、前記アノード支持筒の
    内周に配置され前記アノードに結合され前記加速管側ま
    で延びているドリフト筒と、前記アノードの後部に配置
    され前記カソードから出た電子線の位相を圧縮するプリ
    バンチャーとをさらに有することを特徴とする請求項1
    記載の電子銃。
  4. 【請求項4】集束電極に囲まれて設けられたカソード
    と、前記カソードに対向して近接配置されたアノード
    と、前記カソードと前記アノードとの間であって前記カ
    ソードに近接配置されたグリッドと、前記集束電極を中
    心部に支持する絶縁円板と、前記アノードを支持し前記
    絶縁円板に結合されたアノード支持筒とを有する電子銃
    本体、 及び 数nsの微小電圧パルス列を発生するパルス発生器と、発
    生する電子線が連続したパルス列になるように、前記微
    小電圧パルス列を数十〜数百ボルトの高電圧パルス列に
    増幅して前記グリッドに印加するグリッド接地型板極管
    と、前記パルス発生器と前記グリッド接地型板極管との
    間に設けられ電流増幅するパルストランスとを有するグ
    リッドパルサー を備えたことを特徴とする電子銃。
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