JPH08168164A - ブッフホルツ継電器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的な結合によらずに接点動作ができ、外部
からの影響受けず、誤動作も防止できるブッフホルツ継
電器用スイッチを提供する。 【構成】油入変圧器本体と絶縁油が入れられたコンサベ
ータとの間を接続する管の途中に設けられ、絶縁油の油
面の低下によって浮沈する第１のフロート１０と絶縁油
の奔流によって浮沈する第２のフロート１４とを有し、
前記第１及び第２のフロート１０，１４の浮沈運動を第
１及び第２の磁石支持軸３４，３５の回転運動に変換す
る機構を有し、前記第１及び第２の磁石支持軸３４，３
５に第１及び第２の磁石５３，５４を取り付け、前記第
１及び第２の磁石の回動による接近によって作動する第
１及び第２のリードスイッチ５６，５７を内蔵したブッ
フホルツ継電器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、油入変圧器の内部故障
を検出して外部に警報信号を発生し、必要であれば遮断
器を開放させる信号を発生するブッフホルツ継電器に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】ブッフホルツ継電器は油入変圧器の内部
故障の保護に使用されるもので、変圧器本体とコンサベ
ータの接続部に取り付けられる。変圧器の内部故障の場
合、油の分解によってガスが発生し、あるいは絶縁油が
高温になってガスが発生することを利用したもので、こ
の発生ガス量によって警報装置を動作させたり、急激な
故障の場合の噴出油またはガスの流れによって、遮断器
を開かせるなどの作用をなすものである。

【０００３】従来のブッフホルツ継電器の構造として
は、実開昭６３−１３１５３４号公報に記載されたもの
がある。これは、図５に示すように、絶縁油が入ってい
る変圧器本体１とコンサベータ３との間を接続する配管
２の途中にブッフホルツ継電器３３を設けたもので、ブ
ッフホルツ継電器３３は図６に示すように、絶縁油が満
たされたケース９内に上下動自在に設けられ発生ガスの
集積による絶縁油の油面の低下によって降下する第１の
フロート１０と、この第１のフロート１０の下方に上下
動自在に設けられ絶縁油の奔流によって降下する第２の
フロート１４と、ケース９の上面を貫通して設けられ先
端部が第２のフロート１４側に指向しているパイプ２５
と、このパイプ２５の先端部２６に設けられパイプ２５
からケース９内へのガスの流出を可能にしケース９内の
絶縁油がパイプ２５内に流入するのを防ぐ第２の逆止弁
２７と、ケース９内の上部でパイプ２５から分岐された
分岐部２８に設けられパイプ２５からケース９内へのガ
スの流出を防ぎケース９上部のガスがパイプ２５内に流
入するのを可能にする第１の逆止弁２９と、パイプ２５
に連設されコック（図示せず）が取り付けられている共
通配管３１とを備えたものである。

【０００４】そして、第１のフロート１０及び第２のフ
ロート１４の浮沈を検出するためのマイクロスイッチ１
３，１７がケース９の上部に設けられている。具体的に
は、図７に示すように、第１のフロート１０と第２のフ
ロート１４は取付アーム１１，１５の先端に取り付けら
れており、取付アーム１１，１５は固定枠２２との枢着
部を支点として回動可能に取り付けられている。取付ア
ーム１１，１５には昇降杆１２，１６の下端が枢着され
ており、その上下動をリンク機構を介して回転軸３４，
３５の回転運動に変換している。回転軸３４，３５の上
部には、マイクロスイッチ１３，１７のアクチュエータ
を作動させるための作動子３６，３７が取り付けられて
いる。

【０００５】ここで、発生ガスの集積による絶縁油の油
面の低下によって第１のフロート１０が降下すると、回
転軸３４が時計方向に回転し、作動子３６がマイクロス
イッチ１７を押して接点を作動させ、警報を発したり遮
断器を作動させる。また、絶縁油の奔流によって第２の
フロート１４が降下すると、回転軸３５が時計方向に回
転し、作動子３７がマイクロスイッチ１３を押して接点
を作動させ、警報を発したり遮断器を作動させる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のブッフホルツ継電器では、外部からの力で機
械的に作動するマイクロスイッチを使用しているため、
温度変化の大きな屋外で長期間使用することにより構成
物の変形や取付のゆるみが発生して、機械的な動作不良
となる場合がある。本発明が解決すべき課題は、機械的
な結合によらずに接点動作ができ、外部からの影響受け
ず、誤動作も防止できるブッフホルツ継電器用スイッチ
を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のブッフホルツ継電器は、油入変圧器本体と
絶縁油が入れられたコンサベータとの間を接続する管の
途中に設けられ、絶縁油の油面の低下によって浮沈する
第１のフロートと絶縁油の奔流によって浮沈する第２の
フロートとを有し、前記第１及び第２のフロートの浮沈
運動を第１及び第２の磁石支持軸の回転運動に変換する
機構を有し、前記第１及び第２の磁石支持軸に第１及び
第２の磁石を取り付け、前記第１及び第２の磁石の回動
による接近によって作動する第１及び第２のリードスイ
ッチを内蔵したものである。なお、第１及び第２のリー
ドスイッチを含む電気部品を絶縁性の充填材で充填する
こともできる。

【０００８】

【作用】油入変圧器の内部故障によって、ブッフホルツ
継電器内の絶縁油の油面の低下や絶縁油の奔流によって
第１又は第２のフロートが下降すると、第１又は第２の
磁石支持軸が回転し、第１又は第２の磁石が第１又は第
２のリードスイッチに接近する。これにより、第１又は
第２のリードスイッチが作動し、油入変圧器に異常が発
生したことを電気信号として制御盤等に出力し、警報を
発したり、遮断器を遮断させる。リードスイッチを作動
させるのは前記磁石の磁界であり、機械的な作動子は不
要であるため、誤動作が発生することはない。以下、応
用例としてリードスイッチ自体、ガラス管内に接点が封
入されているため、塵埃が侵入することはないが、リー
ドスイッチの端子や接続部を充填材により各部品を固定
して地震などの外部振動に耐えられ、しかも温度の急激
な変化に対しても断熱材としての機能を有するためリー
ドスイッチや電気部品が保護される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を実施例を参照しながら具体的
に説明する。図１は本発明の実施例を示すもので、図７
の従来例と同一ないし同様な要素については同一の符号
を付して説明を省略する。

【００１０】図１（ａ）はブッフホルツ継電器内部機構
及びスイッチ収納箱４５の概観を示し、（ｂ）はスイッ
チケース５５及び作動用磁石５３，５４の部分を示して
いる。これらの図において、第１の回転軸３４及び第２
の回転軸３５の上端には磁石取付アーム５１，５２が固
着されており、これらの磁石取付アーム５１，５２の端
部に作動用磁石５３，５４が固着されている。スイッチ
ケース５５内には第１及び第２のリードスイッチ５６，
５７が内蔵されており、第１又は第２のフロートの下降
による第１又は第２の回転軸３４，３５の回転に基づく
作動用磁石５３，５４の接近によって接点が作動する。

【００１１】図２はスイッチ部の一部分解斜視図であ
る。スイッチケース５５内には、リードスイッチ取付基
板５８，５９が収納され、基板５８，５９に形成された
配線パターン５８ａ，５９ａに端子６０の一端がハンダ
付けされ、端子６０の他端にリードスイッチ５６，５７
の端子が接続される。図中６１は基板５８，５９の配線
パターンに接触するようにナット止めされる端子金具、
６２は端子ねじ、６３は固定ねじである。

【００１２】図３はスイッチケース５５の空間部を絶縁
性の充填材６４でコンパウンドした応用例を示す斜視
図、図４は図３のＡ−Ａ平面で切った断面斜視図であ
る。

【００１３】このように、スイッチケース５５内のリー
ドスイッチ５６，５７を含む電気部品を充填材でコンパ
ウンドすることにより、外部からの塵埃の侵入がなく、
また外部振動により部品がスイッチケース５５に対して
振動することがない。

【００１４】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば下記の
効果を奏する。

【００１５】 リードスイッチを使用することによ
り、環境による劣化を防止することができる。

【００１６】 機械的な作動子が不要で、構造物の変
化などによる動作不良などが発生することがない。

【００１７】 リードスイッチ等の電気部品を充填材
でコンパウンドするようにすると、充填材は一種の断熱
材としての機能を有するため、温度の急激な変化に対し
てもリードスイッチや電気部品が保護される。

【００１８】 以上により、高信頼性と耐候性に優れ
たブッフホルツ継電器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例を示すもので、（ａ）はブッ
フホルツ継電器内部機構及びスイッチ収納箱の概観を示
す一部切欠斜視図、（ｂ）はスイッチケース及び作動用
磁石の部分を示す斜視図である。

【図２】 スイッチ部の一部分解斜視図である。

【図３】 スイッチケースの空間部を絶縁性の充填材で
コンパウンドした応用例を示す斜視図である。

【図４】 図３のＡ−Ａ平面で切った断面斜視図であ
る。

【図５】 油入変圧器とブッフホルツ継電器の関係を示
す正面図である。

【図６】 従来のブッフホルツ継電器の構造を示す断面
図である。

【図７】 従来のマイクロスイッチによるブッフホルツ
継電器のスイッチ部を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 変圧器本体、２ 配管、３ コンサベータ、９ ケ
ース、１０ 第１のフロート、１１ 取付アーム、１２
昇降杆、１４ 第２のフロート、１５ 取付アーム、
１６ 昇降杆、２５ パイプ、２７ 第２の逆止弁、２
９ 第１の逆止弁、３１ 共通配管、３４ 第１の回転
軸、３５ 第２の回転軸、４５ スイッチ収納箱、５
３，５４ 作動用磁石、５５ スイッチケース、５６
第１のリードスイッチ、５７ 第２のリードスイッチ、
５８，５９ リードスイッチ取付基板、６０ 端子、６
１ 端子金具、６２ 端子ねじ、６３ 固定ねじ、６４
充填材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 油入変圧器本体と絶縁油が入れられたコ
   ンサベータとの間を接続する管の途中に設けられ、絶縁
   油の油面の低下によって浮沈する第１のフロートと絶縁
   油の奔流によって浮沈する第２のフロートとを有し、前
   記第１及び第２のフロートの浮沈運動を第１及び第２の
   磁石支持軸の回転運動に変換する機構を有し、前記第１
   及び第２の磁石支持軸に第１及び第２の磁石を取り付
   け、前記第１及び第２の磁石の回動による接近によって
   作動する第１及び第２のリードスイッチを内蔵したこと
   を特徴とするブッフホルツ継電器。
2. 【請求項２】 第１及び第２のリードスイッチを含む電
   気部品を絶縁性の充填材で充填したことを特徴とする請
   求項１記載のブッフホルツ継電器。