JPH0816665B2 - 酵素センサー - Google Patents
酵素センサーInfo
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- JPH0816665B2 JPH0816665B2 JP2099654A JP9965490A JPH0816665B2 JP H0816665 B2 JPH0816665 B2 JP H0816665B2 JP 2099654 A JP2099654 A JP 2099654A JP 9965490 A JP9965490 A JP 9965490A JP H0816665 B2 JPH0816665 B2 JP H0816665B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酵素センサーに関し、さらに詳しくは、酸素
(O2)が欠乏状態にあっても被測定検体中の生化学物
質、たとえばグルコースの濃度を測定することのできる
酵素センサーに関する。
(O2)が欠乏状態にあっても被測定検体中の生化学物
質、たとえばグルコースの濃度を測定することのできる
酵素センサーに関する。
[従来の技術および発明が解決すべき課題] 試料溶液中のグルコース濃度を測定する従来の酵素セ
ンサー(過酸化水素電極方式)は、基本的に、グルコー
スに作用する酵素を固定した高分子膜を備えた作用電極
と、この作用電極とは絶縁体を介して設けられた対照電
極とを備えてなり、前記酵素としてはグルコースオキシ
ダーゼが用いられる。
ンサー(過酸化水素電極方式)は、基本的に、グルコー
スに作用する酵素を固定した高分子膜を備えた作用電極
と、この作用電極とは絶縁体を介して設けられた対照電
極とを備えてなり、前記酵素としてはグルコースオキシ
ダーゼが用いられる。
このような酵素センサーによる測定では、まず、試料
溶液中に前記作用電極と対照電極とを浸漬すると、試料
溶液中のグルコースが前記高分子膜中の酸化型グルコー
スオキシダーゼにより酵素反応を受け、グルコノラクト
ンと水素イオンに変化する。これにより酸化型グルコー
スオキシダーゼは還元型グルコースオキシダーゼに変わ
る。次に、この還元型グルコースオキシダーゼは酸素に
より酸化型グルコースオキシダーゼに変わり、この酸素
は先に生成された水素イオンとと反応して過酸化水素を
生成する。
溶液中に前記作用電極と対照電極とを浸漬すると、試料
溶液中のグルコースが前記高分子膜中の酸化型グルコー
スオキシダーゼにより酵素反応を受け、グルコノラクト
ンと水素イオンに変化する。これにより酸化型グルコー
スオキシダーゼは還元型グルコースオキシダーゼに変わ
る。次に、この還元型グルコースオキシダーゼは酸素に
より酸化型グルコースオキシダーゼに変わり、この酸素
は先に生成された水素イオンとと反応して過酸化水素を
生成する。
その結果、作用電極と対照電極との間に過酸化水素濃
度に比例した電流が流れ、この電流値によって間接的に
グルコース濃度が決定される。
度に比例した電流が流れ、この電流値によって間接的に
グルコース濃度が決定される。
しかしながら、上述した酵素センサーでは、グルコー
ス濃度の測定をするために、酸素を必要とする。
ス濃度の測定をするために、酸素を必要とする。
言い換えれば、酸素が欠乏状態にあるときは、グルコ
ース濃度を測定することが難しいか、あるいはそれが不
可能である。
ース濃度を測定することが難しいか、あるいはそれが不
可能である。
一方、特開昭62−235557号公報には、高分子膜中にグ
ルコースに作用する酵素とこの酵素反応に伴い酸化もし
くは還元される酸化還元物質とを固定した作用電極と、
この作用電極とは絶縁材を介して設けられ、作用電極と
ともに試料溶液中に浸漬される対照電極とを備えた酵素
センサー(メディエータ方式)が開示されている。
ルコースに作用する酵素とこの酵素反応に伴い酸化もし
くは還元される酸化還元物質とを固定した作用電極と、
この作用電極とは絶縁材を介して設けられ、作用電極と
ともに試料溶液中に浸漬される対照電極とを備えた酵素
センサー(メディエータ方式)が開示されている。
しかし、この公報の酵素センサーの作用電極において
は、酵素と酸化還元物質とが単に高分子膜中に分散して
いるだけなので、測定中にそれらの一部が試料溶液中に
溶出する。このため、性能が経時的に変化するので、安
定性に欠ける問題がある。
は、酵素と酸化還元物質とが単に高分子膜中に分散して
いるだけなので、測定中にそれらの一部が試料溶液中に
溶出する。このため、性能が経時的に変化するので、安
定性に欠ける問題がある。
またこれらの溶出成分のうち、酵素は微生物由来の高
分子量の有機触媒であるから、人体に悪影響を及ぼす抗
原性を示す可能性があり、人体にとって好ましくない。
分子量の有機触媒であるから、人体に悪影響を及ぼす抗
原性を示す可能性があり、人体にとって好ましくない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。
本発明の目的は、酸素が欠乏状態にあっても被測定検
体中の生化学物質、たとえばグルコースの濃度を正確に
測定することができ、同時に酵素および酸化還元物質の
溶出による抗原性や安定性等の問題も解決した酵素セン
サーを提供することにある。
体中の生化学物質、たとえばグルコースの濃度を正確に
測定することができ、同時に酵素および酸化還元物質の
溶出による抗原性や安定性等の問題も解決した酵素セン
サーを提供することにある。
[前記課題を解決するための手段] 前記目的を達成するための本発明は、対照電極と作用
電極とを備えた酵素センサーにおいて、前記作用電極の
表面に、粒子担体に酵素および酸化還元物質を共有結合
してなる固定粒子または粒子担体に酵素を共有結合して
なる固定粒子と粒子担体に酸化還元物質を共有結合して
なる固定粒子とを高分子マトリックス中に有する導電性
膜状物を被覆してなることを特徴とする酵素センサーで
あり、 請求項2に記載の発明は、前記酵素がグルコースオキ
シダーゼである前記請求項1に記載の酵素センサーであ
り、 請求項3に記載の発明は、前記酸化還元物質がフェロ
センまたはその誘導体である請求項1に記載の酵素セン
サーであり、 請求項4に記載の発明は、前記導電性膜状物が導電性
物質を含む請求項1に記載の酵素センサーである。
電極とを備えた酵素センサーにおいて、前記作用電極の
表面に、粒子担体に酵素および酸化還元物質を共有結合
してなる固定粒子または粒子担体に酵素を共有結合して
なる固定粒子と粒子担体に酸化還元物質を共有結合して
なる固定粒子とを高分子マトリックス中に有する導電性
膜状物を被覆してなることを特徴とする酵素センサーで
あり、 請求項2に記載の発明は、前記酵素がグルコースオキ
シダーゼである前記請求項1に記載の酵素センサーであ
り、 請求項3に記載の発明は、前記酸化還元物質がフェロ
センまたはその誘導体である請求項1に記載の酵素セン
サーであり、 請求項4に記載の発明は、前記導電性膜状物が導電性
物質を含む請求項1に記載の酵素センサーである。
[作用] 本発明の酵素センサーとしては、対照電極とこれとは
絶縁体を介して設けられる作用電極とを備えてなるメデ
ィエータ方式を採用することができる。
絶縁体を介して設けられる作用電極とを備えてなるメデ
ィエータ方式を採用することができる。
そして、この作用電極には、粒子担体に酵素および酸
化還元物質を結合してなる固定粒子、あるいは粒子担体
に酵素を共有結合してなる固定粒子と粒子担体に酸化還
元物質を共有結合してなる固定粒子とを高分子マトリッ
クス中に有する導電性膜状物が被覆されている。
化還元物質を結合してなる固定粒子、あるいは粒子担体
に酵素を共有結合してなる固定粒子と粒子担体に酸化還
元物質を共有結合してなる固定粒子とを高分子マトリッ
クス中に有する導電性膜状物が被覆されている。
かかる酵素センサーによる測定では、まず、被測定検
体中の生化学物質、たとえば試料溶液中のグルコースが
前記高分子膜中の酸化型の酵素(たとえばグルコースオ
キシダーゼ)により酵素反応を受け、グルコノラクトン
と水素イオンに変化する。これにより酵素は還元型酵素
に変わる。
体中の生化学物質、たとえば試料溶液中のグルコースが
前記高分子膜中の酸化型の酵素(たとえばグルコースオ
キシダーゼ)により酵素反応を受け、グルコノラクトン
と水素イオンに変化する。これにより酵素は還元型酵素
に変わる。
次に、この還元型酵素は酸化型の酸化還元物資と反応
して、再び酸化型酵素に変化する一方、酸化型の酸化還
元物質は還元型に変化するこの還元型の酸化還元物質は
作用電極に電子を放出し、ふたたび酸化型に変化する。
して、再び酸化型酵素に変化する一方、酸化型の酸化還
元物質は還元型に変化するこの還元型の酸化還元物質は
作用電極に電子を放出し、ふたたび酸化型に変化する。
その結果、作用電極と対照電極との間にグルコース濃
度に比例した電流が流れ、この電流値によって間接的に
グルコース濃度が決定される。
度に比例した電流が流れ、この電流値によって間接的に
グルコース濃度が決定される。
以上で明らかな如く、本発明の酵素センサーはグルコ
ース濃度等の測定時に酸素を必要としない。
ース濃度等の測定時に酸素を必要としない。
[実施例] 次に実施例に基いて本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
第1図は、本発明の酵素センサーの基本構造を示すも
ので、表面を導電性膜状物4で被覆した作用電極1と、
これとは絶縁体2を介して設けられる対照電極3とを備
える。
ので、表面を導電性膜状物4で被覆した作用電極1と、
これとは絶縁体2を介して設けられる対照電極3とを備
える。
導電性膜状物4は、粒子担体にに酵素および酸化還元
物質を共有結合してなる固定粒子を高分子マトリックス
中に有している。
物質を共有結合してなる固定粒子を高分子マトリックス
中に有している。
この導電性膜状物は、このような構成の外に、粒子担
体にに酵素を共有結合した固定粒子と粒子担体にに酸化
還元物質を共有結合した固定粒子とを高分子マトリック
ス中に有する構成であっても良い。また、この導電性膜
状物は、粒子担体に酵素および酸化還元物質を共有結合
してなる固定粒子と、粒子担体にに酵素を共有結合した
固定粒子と、粒子担体に酸化還元物質を共有結合した固
定粒子とを高分子マトリックス中に有する構成であって
も良い。
体にに酵素を共有結合した固定粒子と粒子担体にに酸化
還元物質を共有結合した固定粒子とを高分子マトリック
ス中に有する構成であっても良い。また、この導電性膜
状物は、粒子担体に酵素および酸化還元物質を共有結合
してなる固定粒子と、粒子担体にに酵素を共有結合した
固定粒子と、粒子担体に酸化還元物質を共有結合した固
定粒子とを高分子マトリックス中に有する構成であって
も良い。
いずれにせよ、粒子担体にと酵素および/または酸化
還元物質との結合は共有結合であるので、粒子担体にか
らの酵素および/または酸化還元物質の分離は皆無と言
っても良い。
還元物質との結合は共有結合であるので、粒子担体にか
らの酵素および/または酸化還元物質の分離は皆無と言
っても良い。
前記粒子担体としては、多孔質ガラス、アパタイト、
ベントナイト、酸化ジルコニウム−多孔性ガラス等を挙
げることができる。これらの中でも好ましいのは、多孔
質ガラスである。
ベントナイト、酸化ジルコニウム−多孔性ガラス等を挙
げることができる。これらの中でも好ましいのは、多孔
質ガラスである。
上記多孔質ガラスとしては、多数の細孔を有するガラ
ス粒子であれば良いが、その細孔径が余り大きくなる
と、粒子の表面積が小さくなるし、余り小さくなると、
酵素が細孔内に入り込むことができなくなって、酵素の
固定化が可能な有効表面積が著しく減少するので、通常
は、500〜800Åの範囲内から選定することが好ましい。
ス粒子であれば良いが、その細孔径が余り大きくなる
と、粒子の表面積が小さくなるし、余り小さくなると、
酵素が細孔内に入り込むことができなくなって、酵素の
固定化が可能な有効表面積が著しく減少するので、通常
は、500〜800Åの範囲内から選定することが好ましい。
粒子担体として多孔質ガラスを用いると、ほかの担体
を用いる場合に比べて、より多量の酸化還元物質を固定
することができる。
を用いる場合に比べて、より多量の酸化還元物質を固定
することができる。
上記酵素としては、たとえばグルコースオキシダー
ゼ、ガラクトースオキシダーゼ、アルコールオキシダー
ゼ、ウリカーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、コレステ
ロールエステラーゼ、ホスホリパーゼ、ラクテートオキ
シダーゼなどの種々の酵素の中から、目的に応じて適宜
に選択することができる。
ゼ、ガラクトースオキシダーゼ、アルコールオキシダー
ゼ、ウリカーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、コレステ
ロールエステラーゼ、ホスホリパーゼ、ラクテートオキ
シダーゼなどの種々の酵素の中から、目的に応じて適宜
に選択することができる。
たとえばグルコース濃度の測定には、グルコースオキ
シダーゼが好適に用いられる。
シダーゼが好適に用いられる。
上記酸化還元物質としては、フェロセン、あるいはフ
ェロセンカルボキシアルデヒド、クロロフェロセン、メ
チル−トリメチルアミノフェロセン、1,1−ジメチルフ
ェロセン、1,1′−ジカルボキシフェロセン、カルボキ
シフェロセン、ビニルフェロセン、トリメチルアミノフ
ェロセン、トリメチルアミノフェロセン、1,1′−ジメ
チルフェロセン、ポリビニルフェロセン、フェロセンモ
ノカルボン酸、ヒドロキシエチルフェロセン、アセトフ
ェロセン、1,1′−ビスヒドロキシメチルフェロセンな
どが含まれるフェロセン誘導体等を挙げることができ
る。
ェロセンカルボキシアルデヒド、クロロフェロセン、メ
チル−トリメチルアミノフェロセン、1,1−ジメチルフ
ェロセン、1,1′−ジカルボキシフェロセン、カルボキ
シフェロセン、ビニルフェロセン、トリメチルアミノフ
ェロセン、トリメチルアミノフェロセン、1,1′−ジメ
チルフェロセン、ポリビニルフェロセン、フェロセンモ
ノカルボン酸、ヒドロキシエチルフェロセン、アセトフ
ェロセン、1,1′−ビスヒドロキシメチルフェロセンな
どが含まれるフェロセン誘導体等を挙げることができ
る。
粒子担体に前記酵素および/または酸化還元物質を固
定する方法としては、公知の共有結合法を採用すること
ができる。共有結合法として、例えば、ジアゾ法、ペプ
チド法、アルキル化法、架橋試薬による担体結合法等を
挙げることができる。
定する方法としては、公知の共有結合法を採用すること
ができる。共有結合法として、例えば、ジアゾ法、ペプ
チド法、アルキル化法、架橋試薬による担体結合法等を
挙げることができる。
共有結合法により酵素を粒子担体に結合する方法の一
具体例を挙げると、たとえば、多孔性ガラスにアミノプ
ロピルシランをトルエン中で反応させてアミノアルキル
基を導入し、さらにp−ニトロベンゾイルクロリドを結
合した後、還元してp−アミノベンゾイル化合物にし、
これをジアゾニウム塩にして酵素、あるいは酸化還元物
質を結合する所謂ジアゾ法等を挙げることができ、ま
た、たとえば、多孔質ガラスを20%のγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランのトルエン溶液と混合して6〜12
時間還流させ、充分に乾燥したのち、5%のグルタルア
ルデヒド溶液で1時間反応させ、しかるのちこの溶液
と、酵素をリン酸緩衝液に溶解した酵素溶液とを、0℃
で2時間反応させる方法を挙げることができる。
具体例を挙げると、たとえば、多孔性ガラスにアミノプ
ロピルシランをトルエン中で反応させてアミノアルキル
基を導入し、さらにp−ニトロベンゾイルクロリドを結
合した後、還元してp−アミノベンゾイル化合物にし、
これをジアゾニウム塩にして酵素、あるいは酸化還元物
質を結合する所謂ジアゾ法等を挙げることができ、ま
た、たとえば、多孔質ガラスを20%のγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランのトルエン溶液と混合して6〜12
時間還流させ、充分に乾燥したのち、5%のグルタルア
ルデヒド溶液で1時間反応させ、しかるのちこの溶液
と、酵素をリン酸緩衝液に溶解した酵素溶液とを、0℃
で2時間反応させる方法を挙げることができる。
前記酸化還元物質を粒子担体に結合する一具体例とし
ては、多孔質ガラスを20%γ−アミノプロピルトリエト
キシシランのトルエン溶液と混合して12時間還流させた
のち、充分に乾燥させたものをフェロセンカルボキンア
ルデヒド水溶液中に入れて24時間反応させ、この溶液に
水素化ホウ素ナトリウムを添加して還元させる方法を挙
げることができる。
ては、多孔質ガラスを20%γ−アミノプロピルトリエト
キシシランのトルエン溶液と混合して12時間還流させた
のち、充分に乾燥させたものをフェロセンカルボキンア
ルデヒド水溶液中に入れて24時間反応させ、この溶液に
水素化ホウ素ナトリウムを添加して還元させる方法を挙
げることができる。
また、粒子担体に酵素と酸化還元物質とを結合する一
具体例としては、多孔質ガラスを20%γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランのトルエン溶液と混合して12時間
還流させたのち、充分に乾燥させたものをフェロセンカ
ルボキシアルデヒド水溶液中に入れて24時間反応させ、
この溶液に水素化ホウ素ナトリウムを添加して還元させ
たのち、さらにこれに5%グルタルアルデヒド水溶液を
添加して4時間反応させ、この溶液とグルコースオキシ
ダーゼをリン酸緩衝溶液に溶解させた酵素溶液とを混合
し、0℃で2時間反応させる方法を挙げることができ
る。
具体例としては、多孔質ガラスを20%γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランのトルエン溶液と混合して12時間
還流させたのち、充分に乾燥させたものをフェロセンカ
ルボキシアルデヒド水溶液中に入れて24時間反応させ、
この溶液に水素化ホウ素ナトリウムを添加して還元させ
たのち、さらにこれに5%グルタルアルデヒド水溶液を
添加して4時間反応させ、この溶液とグルコースオキシ
ダーゼをリン酸緩衝溶液に溶解させた酵素溶液とを混合
し、0℃で2時間反応させる方法を挙げることができ
る。
前記粒子担体に結合する酵素と酸化還元物質との相対
量比は、通常、モル比で酵素1:酸化還元物質5〜100
で、好ましくは酵素1:酸化還元物質10〜50である。
量比は、通常、モル比で酵素1:酸化還元物質5〜100
で、好ましくは酵素1:酸化還元物質10〜50である。
酸化還元物質が45より多くなると、酵素の粒子担体に
結合する量が少なくなるので好ましくない。
結合する量が少なくなるので好ましくない。
次に、前記高分子マトリックスであるが、これは導電
性高分子そのものであっても良いし、非導電性高分子と
導電性物質との混合物であっても良い。
性高分子そのものであっても良いし、非導電性高分子と
導電性物質との混合物であっても良い。
導電性高分子としては、成膜性と導電性を有するもの
であれば特に制限はなく、たとえば、リチウムやナトリ
ウム等のアルカリ金属を電子供与体としてドーピング
し、あるいはI2やAsF5を電子受容体としてドーピングし
たポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、ポリアニリン等を挙げることがで
きる。また、側鎖にカルバゾール基を有するポリマーで
あって前記ドーピングをしてなるものも導電性高分子と
して挙げることができる。
であれば特に制限はなく、たとえば、リチウムやナトリ
ウム等のアルカリ金属を電子供与体としてドーピング
し、あるいはI2やAsF5を電子受容体としてドーピングし
たポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、ポリアニリン等を挙げることがで
きる。また、側鎖にカルバゾール基を有するポリマーで
あって前記ドーピングをしてなるものも導電性高分子と
して挙げることができる。
非導電性高分子としては、成膜性と非導電性を有する
ものであれば特に制限はなく、たとえば酢酸セルロー
ス、ポリウレタン、ポリビニルアルコールなど公知の熱
可塑性樹脂を挙げることができる。
ものであれば特に制限はなく、たとえば酢酸セルロー
ス、ポリウレタン、ポリビニルアルコールなど公知の熱
可塑性樹脂を挙げることができる。
前記非導電性高分子に配合する導電性物質としては、
たとえば金、銀、銅、ニッケル等の金属粒子あるいはこ
れらの金属繊維、カーボンブラック、炭素繊維、グラフ
ァイトなどが挙げられる。
たとえば金、銀、銅、ニッケル等の金属粒子あるいはこ
れらの金属繊維、カーボンブラック、炭素繊維、グラフ
ァイトなどが挙げられる。
これらは一種単独で用いて良いし、二種以上を併用し
ても良い。
ても良い。
この導電性物質と非導電性高分子物質とから高分子マ
トリックスを調製する場合、導電性物質の高分子マトリ
ックスに占める割合は、通常10〜50体積%であり、好ま
しくは20〜30体積%である。
トリックスを調製する場合、導電性物質の高分子マトリ
ックスに占める割合は、通常10〜50体積%であり、好ま
しくは20〜30体積%である。
導電性物質の割合が10体積%未満であると、導電性膜
状物の導電性が不十分になり、また導電性物質の割合が
50体積%を超えると、成膜性が悪くなる。
状物の導電性が不十分になり、また導電性物質の割合が
50体積%を超えると、成膜性が悪くなる。
前記導電性膜状物は、前記高分子マトリックスと前記
固定粒子とで形成することができ、たとえば次のように
して成膜することができる。
固定粒子とで形成することができ、たとえば次のように
して成膜することができる。
先ず、前記固定粒子の高分子マトリックスに対する配
合割合は、前記酵素および酸化還元性物質の相対量比が
前述の通りであるとすると、重量比で通常高分子マトリ
ックス100:固定粒子1〜50、好ましくは高分子マトリッ
クス100:固定粒子5〜20である。
合割合は、前記酵素および酸化還元性物質の相対量比が
前述の通りであるとすると、重量比で通常高分子マトリ
ックス100:固定粒子1〜50、好ましくは高分子マトリッ
クス100:固定粒子5〜20である。
そして、前記高分子マトリックスを適宜の溶媒に溶解
し、得られる高分子溶液に固定粒子を添加し、撹拌混合
し、その混合物に作用電極の先端を浸し、あるいは作用
電極の先端に前記混合物を塗布するかし、その後乾燥す
ることにより、作用電極の表面に導電性膜状物を形成す
ることができる。
し、得られる高分子溶液に固定粒子を添加し、撹拌混合
し、その混合物に作用電極の先端を浸し、あるいは作用
電極の先端に前記混合物を塗布するかし、その後乾燥す
ることにより、作用電極の表面に導電性膜状物を形成す
ることができる。
このようにして得られる導電性膜状物の厚みは、通常
100〜1000μm、好ましくは400〜800μmである。
100〜1000μm、好ましくは400〜800μmである。
本発明では、被測定検体たとえば試料溶液中のたとえ
ばグルコース濃度を測定するに際し、それを酸素の欠乏
条件下に行なうことができる。
ばグルコース濃度を測定するに際し、それを酸素の欠乏
条件下に行なうことができる。
そして酵素も酸化還元物質も粒子担体に共有結合して
いるので、被測定検体中に経時的に溶出することがな
い。
いるので、被測定検体中に経時的に溶出することがな
い。
(実施例1) 第2図はグルコースセンサーをグルコース濃度200mg/
dlのリン酸緩衝溶液に浸漬し、溶液中の酸素分圧を140
〜150mmHgから0mmHg付近まで低下させた時の出力電流値
の変化を比較したものである。
dlのリン酸緩衝溶液に浸漬し、溶液中の酸素分圧を140
〜150mmHgから0mmHg付近まで低下させた時の出力電流値
の変化を比較したものである。
従来の方式によるグルコースセンサーは酸素分圧20mm
Hg以下では出力電流値が低下するのに対し、本発明によ
るグルコースセンサーにおいては低酸素分圧下でも出力
電流値の低下が認められず、安定である。
Hg以下では出力電流値が低下するのに対し、本発明によ
るグルコースセンサーにおいては低酸素分圧下でも出力
電流値の低下が認められず、安定である。
第3図はグルコースセンサーをグルコース濃度200mg/
dlのリン酸緩衝溶液に浸漬し、出力電流値の経時変化を
示したものである。
dlのリン酸緩衝溶液に浸漬し、出力電流値の経時変化を
示したものである。
従来の方式によるグルコースセンサーは経時的に出力
電流値が上昇する傾向を示しているのに対し、本発明に
よるグルコースセンサーは常に安定した出力電流値を示
す。
電流値が上昇する傾向を示しているのに対し、本発明に
よるグルコースセンサーは常に安定した出力電流値を示
す。
[発明の効果] 本発明によると、酸素が欠乏状態にあっても被測定検
体中の生化学物質の濃度を測定することができ、そして
酸素も酸化還元物質も被測定検体中に経時的に溶出する
ことがなく、したがって被測定検体中の生化学物質の濃
度を測定する際に、高い安全性と安定性と信頼性とを発
揮することができる酵素センサーを提供することができ
る。
体中の生化学物質の濃度を測定することができ、そして
酸素も酸化還元物質も被測定検体中に経時的に溶出する
ことがなく、したがって被測定検体中の生化学物質の濃
度を測定する際に、高い安全性と安定性と信頼性とを発
揮することができる酵素センサーを提供することができ
る。
第1図は本発明の酵素センサーの概略的構成図、第2図
はグルコースセンサーにおける出力電流と酸素分圧との
関係を示す特性図、および第3図はグルコースセンサー
における出力電流と時間との関係を示す特性図である。 1……作用電極、2……絶縁体、3……対照電極、4…
…導電性膜状物。
はグルコースセンサーにおける出力電流と酸素分圧との
関係を示す特性図、および第3図はグルコースセンサー
における出力電流と時間との関係を示す特性図である。 1……作用電極、2……絶縁体、3……対照電極、4…
…導電性膜状物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−51595(JP,A) 特開 平3−68855(JP,A) 特開 平3−158750(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】対照電極と作用電極とを備えた酵素センサ
ーにおいて、前記作用電極の表面に、粒子担体に酵素お
よび酸化還元物質を共有結合してなる固定粒子または粒
子担体に酵素を共有結合してなる固定粒子と粒子担体に
酸化還元物質を共有結合してなる固定粒子とを高分子マ
トリックス中に有する導電性膜状物を被覆してなること
を特徴とする酵素センサー。 - 【請求項2】前記酵素がグルコースオキシダーゼである
前記請求項1に記載の酵素センサー。 - 【請求項3】前記酸化還元物質がフェロセンまたはその
誘導体である請求項1に記載の酵素センサー。 - 【請求項4】前記導電性膜状物が導電性物質を含む請求
項1に記載の酵素センサー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2099654A JPH0816665B2 (ja) | 1990-04-16 | 1990-04-16 | 酵素センサー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2099654A JPH0816665B2 (ja) | 1990-04-16 | 1990-04-16 | 酵素センサー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03296655A JPH03296655A (ja) | 1991-12-27 |
JPH0816665B2 true JPH0816665B2 (ja) | 1996-02-21 |
Family
ID=14253043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2099654A Expired - Fee Related JPH0816665B2 (ja) | 1990-04-16 | 1990-04-16 | 酵素センサー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0816665B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5022657B2 (ja) * | 2005-09-30 | 2012-09-12 | キヤノン株式会社 | 酵素電極及びその製造方法 |
UY29918A1 (es) | 2005-11-14 | 2007-06-29 | Bayer Healthcare Llc | Reactivo para sensores de prueba que contiene polimeros de celulosa |
-
1990
- 1990-04-16 JP JP2099654A patent/JPH0816665B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03296655A (ja) | 1991-12-27 |
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