JPH08166400A - 写真測量を用いた風の観測図の作成方法 - Google Patents

写真測量を用いた風の観測図の作成方法

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JPH08166400A
JPH08166400A JP33329494A JP33329494A JPH08166400A JP H08166400 A JPH08166400 A JP H08166400A JP 33329494 A JP33329494 A JP 33329494A JP 33329494 A JP33329494 A JP 33329494A JP H08166400 A JPH08166400 A JP H08166400A
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JP
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balloon
wind
trajectory
balloons
cameras
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JP33329494A
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English (en)
Inventor
Toshio Koizumi
俊雄 小泉
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YAMAYO SOKUTEIKI KK
Original Assignee
YAMAYO SOKUTEIKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 局部地域の地表付近の風の流跡線観測に限定
して、写真測量とノンリフトバルーンを用いる事によ
り、簡単にしかも立体的な面で風を一挙に観測する事が
でき、気流の細かい挙動も観測できる新規の写真測量を
用いた風の観測図の作成方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 空気と同じ比重とした風船をトレーサーとし
て風上より放流し、その動きを2方向から同時に撮影す
る立体写真撮影または直径が既知の風船を1方向から撮
影する単写真撮影し、当該撮影した写真から風船の軌跡
を3次元的に算出することにより得るようにしたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビル風の測定、局所地
での風の観測、室内風環境調査等に有用な、風船をトレ
ーサーとする写真測量を用いた風の観測図、具体的には
風船の軌跡いわゆる風船の流跡線の図を作成する新規の
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抑々、現地において地表付近の風の流れ
の様子を面的な3次元で、しかも定量的にとらえること
は、風の研究において極めて重要なことである。現地に
おける地表付近の風の観測は風向風速計を用いて行われ
ているのが一般的である。このほか発煙筒を用いて観測
するといった方法なども時に行われている。風向風速計
での観測は点における2次元観測であり、発煙筒などの
方法は概況を把持するといった事が主なものであった。
【0003】また、本発明に関する既往の研究として次
のようなものがある。すなわち、 現地にてパラシュートに吊るされたフラッシュ筒を
測量用カメラによる立体写真測量法によって撮影し、そ
れから気流を求める方法。 山頂からノンリフトバルーンを飛ばし、それをトラ
ッキングレーダにより追跡して気流を求める方法。ここ
で使用するノンリフトバルーンはレーダー電波の反射効
率を高めるためにポリエステル膜の表面にアルミニウム
コーティングした球形気球であり、トラッキングレーダ
ーは迫撃砲弾を索敵するレーダーである。 ノンリフトバルーンではないが気球を用いた風の観
測として、気象庁でのラジオゾンデの観測は一般的であ
る。パイロットバルーンによって得られた上層の風向、
風速の調査結果と、地上の大気汚染常時測定局の風向、
風速データーを基にし、沿岸の海陸風の動態を推定する
方法。尚、パイロットバルーンの位置は測風経緯度儀
(セオドライト)にて行われる。 地上における風と汚染物質濃度の観測局、パイロッ
トバルーンによる風の観測、測定機器搭載の航空機によ
る観測を組み合わせた観測システム。 湾周辺の汚染物質の移流のメカニズムを解明するた
めに、トレーサーガス(六フッ化イオウ、フロン13B
1)を放流し解析する方法。 複雑地形上における煙の拡散に影響を及ぼす気象条
件を把持すめために、パイロットバルーン、低層ゾンデ
などによる気象観測及びエアートレーサー拡散実験を実
施することにより、山谷風の発生時などの風速と気温の
鉛直分布、山風中でのトレーサーの拡散幅などを検討す
る方法。 2地点より35mmカメラを用いて、煙突から出た
煙の3次元的運動を測定し、その有効性を検討するとと
もに、煙塊の運動について検討する方法。
【0004】風の流れの場を研究するには現地観測のみ
でなく、風洞実験、数値解析といった方法があるが、現
地において立体的な気流場を観測する事は実際上の問題
として難しく、また観測が可能だとしてもかなりの労力
を要し時間もかかるので、いきおい風洞実験や数値実験
で行わざるを得ない状況にある。風洞実験は相似律の
面、数値実験は多くの仮定が入るなどの問題が多く、簡
素化された現地観測システムが必要であることが分か
る。
【0005】上記したように、既往の研究として多くの
ものがあるが、これらの研究を概観するに、かなり大が
かりな観測である事、またラジオゾンデ、パイロットバ
ルーンによる方法は風を立体的な面で一挙に観測するこ
とは難しく、トレーサーガスによる方法も気流の細かい
挙動の観測は困難である。煙による方法は手軽ではある
が、煙の濃度が観測精度に大きく影響するほか、煙が途
中で見えなくなるなどの流跡線を描くには問題が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事例に
鑑み案出したものであって、局部地域の地表付近の風の
流跡線観測に限定して、写真測量とノンリフトバルーン
を用いる事により、簡単にしかも立体的な面で風を一挙
に観測する事ができ、気流の細かい挙動も観測できる新
規の写真測量を用いた風の観測図の作成方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係わる写真測量を用いた風の観測図の作成方
法は、空気と同じ比重とした風船をトレーサーとして風
上より放流し、その動きを写真撮影し、当該撮影した写
真から風船の軌跡を3次元的に算出することにより得る
ものであり、そして、写真撮影として、2方向から同時
に撮影する立体写真撮影を採用するものであり、また、
写真撮影として、直径が既知の風船を1方向から撮影す
る単写真撮影を採用するものである。
【0008】
【実施例】図1〜図10に示す第1実施例は、35ミリ
スティルカメラ1、2を搭載した2個のカイト気球3、
4を用いて行うものであって、空中立体測量を用いた方
法である。図1に示すように、観測地域上空にモニター
用のV.T.Rカメラ5、6と、撮影用のスティルカメ
ラ1、2を姿勢制御装置7、8を介して搭載した2個の
係留気球3、4をある距離離して飛揚させる。そして、
観測地域の風上から大気と同じ比重にした風船9…を放
流し、その流れる様子を一定時間ごとに上空の2台のス
ティルカメラ1、2で同時に撮影し、ステレオ写真とし
て解析するものである。その結果、風船9…の3次元的
な流跡線図が得られる。図2に撮影から流跡線図を得る
までのフローチャートを示す。
【0009】カイト気球による空中写真撮影装置は、本
発明者が以前より測量調査の目的で開発を進めてきたも
のであるが、今回この装置を風の観測用(移動物体のス
テレオ撮影)のために次の点を重点に改良を加えた。す
なわち、(i) 2台同時にシャッターが切れること。(i
i) カメラの方向制御のしやすさ、(iii) カメラを搭載
している空中プラットホームが、強風により撮影に不利
な動きやトラブルが発生しないための強風安定性の向
上。
【0010】(i) の同時シャッターについては、図3の
送受信システム図に示すように、シャッター制御用を別
回線として独立させた。すなわち一つの送信機(ここで
は2号機操作用の送信機)のシャッター用のレバーを操
作すると、その信号が送信されて双方の受信機に同時に
受信され、シャッター用のサーボが作動して2台同時に
シャッターが切れるようにした。タイムラグの減少につ
いては、バッテリーのロスを抑えるために、シャッター
専用のバッテリーを付けた。またシャッター用サーボの
回転角度をできるだけ小さくし、しかも回転速度(作動
速度)の速いフタバ社製S9601型サーボを使用し
た。これにより、2台のシャッターのタイムラグを1/
24秒以内にすることができた。
【0011】この1/24秒のタイムラグが測定精度に
どの程度影響をおよぼすかを考察する。風速をカイト気
球の飛揚制限である6m/sとすると、放流された風船
が完全に水平移動したとして、1/24秒間に風船は水
平距離で25cm移動することになる。解析に用いた六
つ切り写真上での縮尺は約1/1000であるから、2
5cmの移動距離は写真上に0.25mmの誤差として
現れる。この0.25mmを写真座標の測定誤差として
考えて、地上写真の水平方向の位置(X、Y)と鉛直方
向の位置(Z)の誤差を次の数1の式で計算する。
【0012】
【数1】
【0013】上記数1において、fはカメラの画面距
離、Hは撮影距離、Bは撮影基線長、σX ,σY は水平
方向の誤差、σz は鉛直方向の誤差、σP は写真座標の
測定誤差である。計算の結果、σx =σY =σz =25
cmとなり十分観測に耐えうるものであることが分か
る。
【0014】どの位タイムラグがあるかについては次の
実験を行って確信した。すなわち、パソコンのモニター
上に1〜1000までの数字を順次出力するプログラム
を作成し、このモニターの前に気球に搭載するスティル
カメラを2台設置し、製作した同時シャッター制御装置
を用いて36枚連続写真撮影を行った。その結果、2台
のカメラで撮影された写真上でのモニターの数字のズレ
は、最大3であった。ここでパソコンのモニターが1を
出力してから1000を出力し終わるまでの時間を、ス
トップウオッチで計測した結果13.8秒であったので
(13.8/1000)×3で計算すると0.0414
秒(1/24.15秒)となる。このことよりシャッタ
ーのタイムラグの最大を1/24秒とした。なお本タイ
ムラグ計測の実験にあたっては、実際の使用時の電池の
消耗を考え、フィルム2本分(72枚)のシャッターを
切った後の状態の電池を使用した。
【0015】(ii)のカメラの方向制御については、ステ
ィルカメラとV.T.Rカメラの一体化およびカメラの
回転制御範囲の拡大を計り(水平回転360°以上、鉛
直回転±90°以上)、下半球全域にすばやくカメラを
向けることができるようにした。
【0016】(iii) の強風安定性については、カメラの
入っている空中プラットホームを流線型により近いもの
に変え、また、尾翼をプラットホームの重心からできる
だけ離れた位置に付けるなどの改良を行った。これによ
り気球が風により撮影中に多少移動しても問題なく撮影
が可能になった。撮影・解析装置の仕様を下記1に示
す。なお、本研究に用いた気球は地上風速が8m/s以
上になると安定性がなくなり、また係留索の破断も予想
されるため地上風速が0m/sから5〜6m/s程度ま
でが適当と考えられる。 記1 (a)カイト気球 形 状:飛行船形(流線型) 材 質:ポリウレタン 大きさ:7m2 (長さ6.6m、最大直径1.8m) 4.5m3 (長さ5.2m、最大直径1.5m) ヘリウムガス:7m3 、4.25m3 搭載重量:5.0kg、3.0kg 上昇高度:800m 支持方式:ひも(2本支持、ケルビンひも) (b)スティルカメラ 形 式:35ミリ自動巻き(オリンパスOMー1、キャ
ノンT70) 重 量:1.5kg(OMー1)、0.7kg(T7
0) シャッター:無線操作 2個のカメラのシャッタータイムラグ:0.04秒以下 焦点距離:28ミリ (c)モニターおよびV.T.Rカメラ V.T.Rカメラ:ペンタックスPCーK1200(カラー) 890g ソニーCCD(白黒) 400g レミッター:ST84U 220g 送信方式:無線(UHF) 送信距離:1000m バッテリー:800mA 320g 八木アンテナ ブースター モニターテレビおよび録画装置 (d)姿勢制御装置 制御方式:セールサーボ2個を用いた無線操作 回転範囲:水平角360度、鉛直角0〜±90度(水平
10度、鉛直5度ずつ制御可能) 制御範囲:約1000m (e)解析装置 デジタイザー:分解能 0.025mm パソコン:NEC9801VX
【0017】上記第1実施例の方法を建物を越える風の
流跡線の測定に使用する実験を行った。この実験は図4
に示すような、5号館、2号館および3号館の校舎が存
在する千葉工業大学芝園校地における建物周辺気流の流
跡線の測定を行ったものである。校内は平坦であるが、
一部に高さ3.5m程の築山がある。撮影は2個の気球
を約200m程離して上空200mほどに係留し、築山
を含めて見る形で撮影を行った。トレーサーとして放流
する風船は、写真判読に必要な大きさを有すること、判
別に有利な色が数種そろっていること、また、風船の中
につめるヘリウムガスが漏れにくい事などの条件が必要
である。今回は6mのポールに上から1mおきに4個の
風船を取り付けいっせいに放流した。風船の放流時にお
ける風向、風速を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】解析は撮影された写真六切りサイズ(1
6.5cm×24.5cm)に引き延ばし、デジタイザ
ーとパソコンを用いて風船の座標を算出した。算出には
(社)日本写真測量学会の「一般カメラによる3次元座
標計測プログラムPGMAN」を用いた。内部標定にあ
たっては、主点の位置のずれおよび画面距離のみの要素
を考慮し、レンズディストーション、フィルム平面度、
フィルムの伸縮、デジタイザーの歪、大気屈折の補正は
行わなかった。用いられた基本式は数2および数3のと
おりである。
【0020】
【数2】
【0021】上記数2において、(xP,P )は写真中
心と主点のずれ、fは画面距離、(x,y)は写真中心
を原点とする指標座標、(XO,O,O )は投影中心、
(X,Y,Z)は対称物の地上座標、{a11}は回転行
列である。
【0022】
【数3】
【0023】上記数3において、ωはX軸まわりの回
転、ΦはY軸まわりの回転、κはZ軸まわりの回転であ
る。上記数2および数3において未知変量(XO,O,
O )、(ω,φ,κ)の6つの外部標定要素のほかに、
(xP,P,f)の3つの内部標定要素である。
【0024】なお、風船の座標測定精度がどの程度であ
るかの目安とするために、地上に設置した座標値が既知
の対空標識(基準点)を写真上より計測し比較した。そ
の結果を数4に示す計算式による表2に示す。これによ
ると写真上より計測した座標値と既知の座標値(地上測
量によって定められた座標値)との差、すなわち誤差は
水平方向で±18.5cm、鉛直方向で±24.34c
mとなった。
【0025】
【数4】
【0026】上記数4において、X,Y,Zは地上測量
値、x,y,zは写真より測定した値、Nは基準点の数
である。
【0027】
【表2】
【0028】実験1について 解析の結果得られた風船の流跡線図を図5〜10に示
す。これは1秒毎に撮影し解析したものである。図5は
鉛直方向移動経路図であり、縦軸を高さ、横軸を水平距
離としている。図6は水平方向移動経路の流跡線図で
X、Y座標を表したものである。これらの図は両軸の縮
尺が異なっているので注意されたい。これによると風船
の最低移動速度は0.4m/sで、その位置は校舎の手
前地上高5.5mのところである。最高速度は6.5m
/sで、その位置は校舎(5号館)の風上側軒の上3
m、地上高16.5mのところであることが分かる。
【0029】実験2について 解析結果を図7の鉛直方向流跡線図に示す。放流地点は
風向に対して高さ12.5mの3号館の背面にあたる。
放流時の風は東北東の風3.7m/sである。放流され
た風船のうち、地上付近より放流されたものは地上付近
によどんでしまう。地上高さ3mより放流された△印の
風船は、放流後すぐに上昇するが、5号館手前で下降し
た後、再び上昇し5号館を越えて、その後は水平に流れ
る。5号館の風上側軒の上では△印の間隔が大きくなっ
ており、かつ盛り上がりを示している。このことは軒部
の剥離流によるものと考えられる。□印の風船は鉛直方
向の動きはほぼ△印の風船と同じであるが、図8の流跡
線図によると5号館手前で△印の風船とは違った方向へ
それ、その後上昇し5号館の上を抜ける。地上高4mよ
り放流された+印の風船は5号館手前で下降することな
く建物を越えるが、大きな振幅を持つ状態で建物を越え
ている。なお、図中の流跡線に於て、線で結んでいない
ところは、風船の判読が不可能であつたところである。
【0030】実験3について 解析結果を図9の鉛直方向流跡線図および図10の水平
方向流跡線図に示す。このときの風は北の風4m/s程
度と推定される。放流後5号館中庭に流下した△印の風
船が再び上昇し、建物を出たところで今度は勢いよく上
昇しているが目立つ。しかしながら、他の風船は大きく
波を打つ格好で5号館上空をぬける。◇印の風船は5号
館の風下直後でいったん下降し地表に沿って流れる。
【0031】図11〜図14に示す第2実施例は、地上
にてカメラ10を手に持って撮影する地上立体写真測量
を用いた方法である。図11に示すように、観測地域周
辺の地上に4台のスティルカメラをある距離離して設置
する。これらをインターバロメーター11につなぎ、一
定時間ごとに同時シャッターが切れるようにする。観測
地域の風上から空気と同じ比重の風船12を放流し、そ
の流れる様子を一定時間ごとに4台のスティルカメラ1
0で追跡し同時に撮影する。撮影された写真をステレオ
(立体)写真として解析し風船の3次元座標を求めるも
のである。ここで、4台のカメラを用いたのは、風船の
流れをより広い範囲で立体写真(ステレオ写真)撮影を
行うためである。撮影器材の仕様は下記2の通りであ
る。 記2 (a)写真撮影器材 カ メ ラ:35ミリ一眼レフカメラ・モータードライ
ブ内蔵型ニコンFー801 レ ン ズ:28mmf2.8(トキナー社製) シャッター:インターバロメーター使用によるレリーズ
での作動 フィルム:フジカラーS ASA100 (b)インターバロメーター 形 式:ニコン MTー2 遠隔操作:リモートコントロールコードとスイッチによ
り離れた所から電源のON/OFFが可能 (c)デジタイザー 形 式:SUMMAGRID(武藤工業株式会社製) 分解能:0.025mm (d)コンピュータ:NEC PC9801VX
【0032】上記第2実施例の方法を山間部の気流の流
跡線測定に使用する実験4を行った。この実験4を行っ
た地域は東西に延びる谷と北西に延びる谷の交差してい
るところで、特に東西方向の谷は西側に標高129mの
峠があり、風の流れに地形が大きく影響する場所と推定
される。撮影は観測地域周辺の地上に、三脚を使用せず
に手に持った4台の35mm小型スティルカメラをある
距離離して配置し風上から放流した風船を追跡し同時に
撮影した。撮影間隔は風船放流後8秒おきとした。標定
点については、観測地域が広範囲にわたるため、観測地
付近の電柱などを標定点として利用した。しかしそれだ
けでは標定点が偏ってしまうため測量用のポールを用い
て新たに標定点を設置した。トレーサーとしての風船は
すべて直径40cmの球形である。風船の色は赤、青、
ピンク、緑、オレンジの5種類である。風船は手に持っ
ていっせいに放流した。解析は撮影した写真をサービス
版(11.9cm×8.3cm)に引き伸ばし、デジタ
イザーとパソコンを用いて風船の座標を算出した。
【0033】実験4について 解析の結果得られた風船の流跡線に関して図12に水平
方向流跡線図(XーY面)を、図13に鉛直方向流跡線
図(XーZ面)を、図14に鉛直方向流跡線図(YーZ
面)を示す。
【0034】次いで、直径が既知である風船を1方向か
ら撮影する単写真撮影を採用した、風の観測図の作成方
法すなわち第3実施例について説明する。この方法は一
枚の写真から風船の3次元位置を算出するものである。
測定原理は、風船の直径が既知ならば遠い風船は小さく
写り、近くの風船は大きく写るという事実を利用して、
写真上の球形の風船の直径を測る事により求めるもので
ある。
【0035】この単写真撮影による作成方法をビル風の
流れの測定に採用して実験5を行った。この実験5は千
葉工業大学津田沼校舎4号館屋上の建物で行い、建物付
近の風の流跡線を3次元的に測定した。トレーサーとし
て空気と同じ比重にした直径40mmの風船13…を数
個放流し、その軌跡を一定時間間隔で写真撮影した。そ
して上記立体(ステレオ)写真を用いての結果と比較
し、本方法の有効性を検討した。立体(ステレオ)写真
の撮影形態は室内実験の結果を生かし、被写体が写真面
の端に偏る様な撮影方法はとらずに、それぞれのカメラ
14…が風船の多くを写真面の中央部に出来るだけ写る
ように追跡し、収束写真となるようにした。撮影は図1
5のように3箇所から行った。標定点は撮影された写真
をもとに写っている建物の角などを用いた。標定点の座
標はセオドライドを用いて交角法により求めた。撮影に
あたってはインターバロメータを用いて同時にシャッタ
ーを切った。解析の結果得られた流跡線に関して2つの
ケースを例にとり上記立体写真による結果と一緒に示
す。図16と図17に水平方向流跡線図(XーZ面)
を、図18と図19に鉛直方向流跡線図(XーY面)
を、図20と図21に鉛直方向流跡線図(XーZ面)を
示す。
【0036】また、単写真撮影による作成方法を山間部
での気流の測定に採用して実験6を行った。ここでは単
写真での解析結果のみを示す。図22に水平方向流跡線
図(XーY面)を、図23に鉛直方向流跡線図(XーZ
面)を、図24には鉛直方向流跡線図(YーZ面)示
す。
【0037】上記各流跡線図の結果を実測の建物配置図
や縮尺25000分の1の地形図等にプロットして当該
結果を評価することは任意にできる。
【0038】
【発明の効果】本発明方法によるときには現地において
気流の流跡線を従来のものに比べ簡単に、しかも立体的
な面で一挙に細かい挙動まで観測でき今まで困難であっ
た流跡線図の作成を簡素化できる。また定性的観測とと
もに、定量的に観測できる方法として有効であり、更に
空中写真による方法は視野が広く、広い範囲の観測に有
効であり、地上写真による方法は視野は狭くなるが、手
軽で装置や費用も少なく、気球による空中写真撮影の困
難な足場の悪い場所や強風時での観測には有効である。
【0039】立体写真を用いる方法に比べ単写真撮影を
用いた方法には、トレーサーの追跡が容易であり、ステ
レオマッチングの必要がなく、装置が簡単で手軽に観測
できる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す空中写真測量のシステムの概
要図である。
【図2】同じく撮影から流跡線図を得るまでのフローチ
ャートである。
【図3】同じく送受信システム図である。
【図4】同じく風船の放流ルートを示す平面図である。
【図5】実験1の鉛直方向流跡線図である。
【図6】同じく水平方向流跡線図である。
【図7】実験2の鉛直方向流跡線図である。
【図8】同じく水平方向流跡線図である。
【図9】実験3の鉛直方向流跡線図である。
【図10】同じく水平方向流跡線図である。
【図11】第2実施例を示す地上写真測量のシステムの
概要図である。
【図12】実験4の水平方向流跡線図(XーY面)であ
る。
【図13】同じく鉛直方向流跡線図(XーZ面)であ
る。
【図14】同じく鉛直方向流跡線図(YーZ面)であ
る。
【図15】第3実施例を示す撮影条件を示す平面図であ
る。
【図16】実験5の赤色風船の水平方向流跡線図(Xー
Z面)である。
【図17】同じく緑色風船の水平方向流跡線図(XーZ
面)である。
【図18】同じく赤色風船の鉛直方向流跡線図(XーY
面)である。
【図19】同じく緑色風船の鉛直方向流跡線図(XーY
面)である。
【図20】同じく赤色風船の鉛直方向流跡線図(YーZ
面)である。
【図21】同じく緑色風船の鉛直方向流跡線図(YーZ
面)である。
【図22】実験6の水平方向流跡線図(XーY面)であ
る。
【図23】同じく鉛直方向流跡線図(XーZ面)であ
る。
【図24】同じく鉛直方向流跡線図(YーZ面)であ
る。
【符号の説明】
1、2 スティルカメラ 3、4 係留気球 5、6 V.T.Rカメラ 7、8 姿勢制御装置 9 風船 10 スティルカメラ 11 インターバロメーター 12、13 風船 14 カメラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気と同じ比重とした風船をトレーサー
    として風上より放流し、その動きを写真撮影し、当該撮
    影した写真から風船の軌跡を3次元的に算出することに
    より得ることを特徴とする写真測量を用いた風の観測図
    の作成方法。
  2. 【請求項2】 写真撮影として、2方向から同時に撮影
    する立体写真撮影を採用することを特徴とする請求項1
    記載の写真測量を用いた風の観測図の作成方法。
  3. 【請求項3】 写真撮影として、直径が既知の風船を1
    方向から撮影する単写真撮影を採用することを特徴とす
    る請求項1記載の写真測量を用いた風の観測図の作成方
    法。
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