JPH08165984A - アクチュエータ移動装置 - Google Patents

アクチュエータ移動装置

Info

Publication number
JPH08165984A
JPH08165984A JP30897494A JP30897494A JPH08165984A JP H08165984 A JPH08165984 A JP H08165984A JP 30897494 A JP30897494 A JP 30897494A JP 30897494 A JP30897494 A JP 30897494A JP H08165984 A JPH08165984 A JP H08165984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
actuator
temperature
sma
shape
shape memory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30897494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3963021B2 (ja
Inventor
Masaharu Shiotani
雅治 塩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP30897494A priority Critical patent/JP3963021B2/ja
Publication of JPH08165984A publication Critical patent/JPH08165984A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3963021B2 publication Critical patent/JP3963021B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Endoscopes (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ガイドに沿って所定経路を移動自在なアクチュ
エータ移動装置を提供する。 【構成】SMAコイル2は、その内側に固定軸1を通し
て、軸に沿って外接摺動して移動可能な一方向性SMA
の線材を巻いたコイルであり、巻き形状及び記憶させた
形状の異なる、締付部2−a、2−c、伸縮移動部2−
bからなる。締付部2−a、2−cの記憶形状は、固定
軸1を締付けて高い摩擦抵抗力を得るべく内径が小さく
なる形状である。伸縮移動部2−bの記憶形状は、その
長さが軸方向へ伸びる形状である。バイアスバネ3は、
高温時に長く伸びた伸縮移動部2−bを、低温時に元へ
縮めるための応力を加えるバネであり、スリーブ4によ
って、SMAコイル2と力学的に結合されている。電極
5、6、7、8は、外部電源に接続して、SMAコイル
2を各部位毎に通電加熱するための電極である。そし
て、外部から適宜通電制御を行い、SMAコイル2を間
欠的に移動動作させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、形状記憶材料、特にS
MA(形状記憶合金)を用いた簡単な構造のアクチュエ
ータ移動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、形状記憶合金を利用した種々
の装置が考えられている。ここで、形状記憶合金につい
て簡単に説明する。
【0003】まず、物質に外力を印加することで起因す
る塑性変形(歪み)が、温度の上昇に伴い消失して元の
形状に復帰する現象を形状記憶効果という。言い換える
と、形状記憶効果は、常温で変形させた後に高温に加熱
すると、変形前の形状(予め記憶された形状)に回復す
る現象のことである。この現象は、金属、プラスチッ
ク、及びセラミックにおいて確認されており、特に金属
についてはSMA(形状記憶合金)として約20種類の
合金が知られている。
【0004】このようなSMAは、そのほとんどが単結
晶系であり、主にコストの点から工業利用できるレベル
には至っていない。数少ない多結晶系であり、かつ実際
に工業利用されているのはTiNi系とCu系の2種類
のみである。
【0005】最も汎用されているTiNi系の場合、相
転移温度Tc(物質が異なる相または変態に状態を移す
温度)、すなわち上記元の形状に復帰する温度は、成分
比の微調整によって−80〜+100度Cの間に設定で
きる。
【0006】尚、本明細書においては、上記相転移温度
Tcを越えた温度を高温、上記相転移温度Tcより低い
温度を低温(あるいは常温)というものとして区別する
こととする。
【0007】また、上記元の形状に復帰する時に発生す
る力(形状回復力)は、非常に大きなものであり、製品
によっては400(MPa)に達するものがある。よっ
て、上記形状回復力が発生しているときは、外部から多
少の力が加わっても、影響があるものではない。
【0008】SMAの形状記憶の性質は、大別すると不
可逆型と可逆型とに分けられる。不可逆型とは、高温に
おける形状のみ記憶でき、低温(常温)の形状は記憶で
きない一方向性形状記憶合金のことである。
【0009】可逆型とは、低温、高温両方の形状を記憶
できるSMAであり、例えば二方向性形状記憶合金があ
る。一方向性形状記憶合金は、温度サイクルに対して不
可逆的に形状変化するものであるから、低温から高温に
状態を移したときは形状回復するが、高温から低温にし
た場合は、外部から応力が加えられない限り形状変化し
ない。
【0010】これに対し二方向性形状記憶合金は、温度
サイクルに対して可逆的に形状変化するものであるか
ら、低温から高温、高温から低温のいずれの温度サイク
ルであっても、低温、高温それぞれに対し予め設定され
ている形状へと形状回復する。
【0011】次に、上述のような形状記憶合金を製品に
利用したSMA応用デバイスについて説明する。現在ま
でのSMAを用いたデバイスの例としては、サーモスタ
ット、火災報知機、自動開閉温室窓などの温度制御用デ
バイスや温度監視デバイスがある。
【0012】このようなデバイスに用いるSMAは、例
えば図6のように形状変化するものである。同図の
(a)は低温時、(b)は高温時である。また、同図に
は一方向性SMAと二方向性SMAが示してある。同図
(a)に示すように、低温時では、一方向性SMA、二
方向性SMAはともに平面的な板状になっている。但
し、一方向性SMAでは、この板状の形状は記憶されて
いないが、二方向性SMAでは記憶されている。そして
加熱することでSMAの温度が相転移温度Tcを越える
と、予め記憶されている同図(b)に示すような形状へ
と形状回復する。この高温時の形状回復については、一
方向、二方向性SMAは同様である。次に、上記高温状
態から冷却(自然冷却)することで、SMAの温度が相
転移温度Tcより下がると、二方向性SMAでは予め記
憶されている同図(a)に示すような形状へと形状回復
するが、一方向性SMAは同図(b)に示す形状のまま
である。このため、一方向性SMAを同図(a)の形状
に戻すために、一方向性SMAの板の一端(変形する
側)に図示しないバイアスバネが取りつけてある。この
バイアスバネによりSMAに加わるバイアス応力は、S
MAの形状回復力が上記のように非常に大きなものであ
ることから、高温時には形状回復力に抗してSMA板を
変形させることはできない。しかし、冷却することで相
転移温度Tcより下がると、形状回復力が消失するの
で、SMA板を加圧変形させて同図(a)に示すような
形状へ戻すことができる。
【0013】このように、ある所定の温度(相転移温度
Tc)を境にして、SMAが2種類の形状を成すように
することで、SMAは上記温度制御用デバイスや温度監
視デバイス等のように、温度に応じて切り換わるスイッ
チング等に利用されている。
【0014】また、SMAを種々の形状に加工し、対応
する種々の形状を記憶させることでSMAを用いた装置
の応用範囲を拡げることが考えられている。更に、単位
体積あたりの力出力が大きい(すなわち、上記形状回復
力が非常に大きい)というSMAの長所を生かして、ア
クチュエータ分野で応用されている例がある。例えば、
感温アクチュエータ、温度差エネルギー変換エンジン、
通電加熱アクチュエータ等がある。特に通電加熱アクチ
ュエータのように、SMA自身の抵抗を利用した通電自
己発熱方式は、電気信号で直接加温制御できるので、応
答速度が高速(数ms程度)であることから、マイクロア
クチュエータを中心とした応用が検討されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、S
MAの利用法は、数多く考えられている。しかしながら
SMAの動作については、結局所定の位置における繰り
返し動作を行うという点では同一のものであった。この
ため、このようなSMAの動作を利用する装置の応用範
囲も限られたものとなっていた。
【0016】その為、上記のような所定の位置での繰り
返し動作ではなく、例えば位置を移動するようにSMA
を動作させることが要望されている。このような従来に
ないSMAの動作を利用して、SMA応用装置の範囲が
拡がることになる。
【0017】本発明の課題は、SMAを用いた小型軽量
で高速応答性に優れた簡易な構造のアクチュエータ移動
装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
アクチュエータ移動装置の構成を述べる。本発明のアク
チュエータ移動装置である第1の装置は、所定の経路を
形成するガイド手段に係合して該ガイド手段に沿ってア
クチュエータを移動制御するアクチュエータ移動装置で
あって、所定の温度を境にして前記ガイド手段に対して
係止状態と摺動可能な係合状態とを取り得る形状記憶材
料より成る第1、第2の係合部材と、該第1、第2の係
合部材を連結するようにして設けられ、所定の温度以上
で伸長あるいは短縮する形状記憶材料より成る連結部材
と、該連結部材の所定の温度以上での伸縮状態を、所定
の温度以下で逆の状態へと伸縮させる伸縮手段とから構
成される前記アクチュエータと、該アクチュエータを前
記各部材毎に適宜温度制御して移動させる移動制御手段
とから構成される。
【0019】上記第1の装置において、例えば請求項2
記載のように、前記連結部材を成す形状記憶材料は、所
定の温度以上で不可逆的に伸長あるいは短縮する一方向
性形状記憶合金であり、前記第1、第2の係合部材を成
す形状記憶材料は、所定の温度以上で不可逆的に内径が
変化する一方向性形状記憶合金である。
【0020】また、上記伸縮手段は、例えば請求項3記
載のように、前記連結部材の形状記憶材料の所定温度以
上での伸縮方向と逆方向に応力を加えるバイアスバネで
ある。
【0021】本発明のアクチュエータ移動装置である第
2の装置は、所定の経路を形成するガイド手段に係合し
て該ガイド手段に沿ってアクチュエータを移動制御する
アクチュエータ移動装置であって、所定の温度を境にし
て前記ガイド手段に対して係止状態と摺動可能な係合状
態とを取り得る形状記憶材料より成る第1、第2の係合
部材と、該第1、第2の係合部材を連結するようにして
設けられ、所定の温度を境にして伸縮する形状記憶材料
より成る連結部材とから構成される前記アクチュエータ
と、該アクチュエータを前記各部材毎に適宜温度制御し
て移動させる移動制御手段とから構成される。
【0022】上記第2の装置の連結部材を成す形状記憶
材料は、例えば請求項5記載のように、所定の温度を境
にして可逆的に形状回復する二方向性形状記憶合金、あ
るいは全方位形状記憶合金である。
【0023】また、例えば請求項6記載のように、前記
移動制御手段による温度制御は、前記形状記憶材料に通
電して自己発熱させる電気制御方式である。更に、例え
ば請求項7記載のように、上記ガイド手段は軸であり、
上記第1、第2の係合部材、及び上記連結部材はコイル
バネの形状である。
【0024】次に、本発明のアクチュエータ移動装置の
移動制御方法は、前記ガイド手段に対し摺動可能に係合
されている形状記憶材料より成る第1の係合部材、第2
の係合部材のいずれか一方を、所定の温度以上に加熱制
御して前記ガイド手段に係止させる第1工程と、該第1
工程から更に形状記憶材料より成る連結部材を所定の温
度以上に加熱制御して、前記ガイド手段に係止させた係
合部材を基点にして前記連結部材を伸長、あるいは短縮
させることに伴い、摺動可能な状態にある前記係合部材
の他方を前記ガイド手段に沿って摺動移動させる第2工
程と、該第2工程から更に前記摺動移動させた係合部材
を所定の温度以上に加熱制御して前記摺動移動させた位
置に係止させるとともに、前記第1、第2工程で加熱制
御した係合部材及び連結部材を所定の温度以下に冷却さ
せることにより、該連結部材を伸縮が逆となるように短
縮、あるいは伸長させることに伴い該冷却させた係合部
材を前記ガイド手段に沿って摺動移動させる第3工程
と、該第3工程において加熱制御した係合部材を所定の
温度以下に冷却させることにより、前記第1工程の初期
状態にする第4工程とからなる一連の工程を順次行い該
一連の工程を繰り返すことにより、少なくとも前記第
1、第2の係合部材及び連結部材を有する前記アクチュ
エータを、前記ガイド手段に沿って自在に移動させるよ
うにして行う制御方法である。
【0025】
【作用】先ず、請求項1に記載の発明は、形状記憶材料
より成る第1、第2の係合部材の何れか一方を係止状
態、他方を摺動可能な係合状態となるように移動制御手
段により温度制御する。更に連結部材を所定温度以上に
加温制御して、その記憶形状へと伸長あるいは短縮させ
る。この伸縮いずれかの変形に伴い、上記係合部材の他
方が、ガイド手段に沿って摺動移動する。次に、この係
合部材を移動先で係止状態にし、更に他の係合部材を摺
動可能な係合状態となるように温度制御するとともに、
連結部材が所定温度以下となるように温度制御する。こ
れによって、伸縮手段が連結部材を上記記憶形状と逆の
状態へ伸縮させ、これに伴い上記他の係合部材がガイド
手段に沿って摺動移動する。
【0026】以上の一連の動作により、アクチュエータ
は、連結部材が伸縮した長さだけ移動したことになる。
この一連の動作を繰り返すことで、アクチュエータは、
ガイド手段に沿って自在に移動することができる。
【0027】次に、請求項4に記載の発明は、形状記憶
材料より成る第1、第2の係合部材の何れか一方を係止
状態、他方を摺動可能な係合状態となるように移動制御
手段により温度制御する。更に、所定の温度を境にして
伸縮が逆の形状をそれぞれ記憶してある連結部材を、温
度制御して、その温度での記憶形状へと伸長あるいは短
縮させる。この伸縮いずれかの変形に伴い、上記係合部
材の他方が、ガイド手段に沿って摺動移動する。次に、
この係合部材を移動先で係止状態にし、更に他の係合部
材を摺動可能な係合状態となるように温度制御するとと
もに、連結部材を温度制御して伸縮が逆の状態へ形状変
形させる。このときの伸縮動作に伴い上記他の係合部材
がガイド手段に沿って摺動移動する。
【0028】以上の一連の動作により、アクチュエータ
は、連結部材が伸縮した長さだけ移動したことになる。
この一連の動作を繰り返すことで、アクチュエータは、
ガイド手段に沿って自在に移動することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。まず、本発明の第1の実施例について
説明する。
【0030】図1は、本発明の第1の実施例に係わるア
クチュエータ移動装置の構成を示す側断面図であり、
(a)には低温時の装置全体図、(b)には高温時のS
MAコイルの記憶形状を示してある。
【0031】同図において、固定軸1は、少なくともそ
の表面が絶縁性材料で形成される棒状の軸である。この
固定軸1の断面は、円、楕円、多角形等であるが、ここ
では外径Ddの円であるものとする。
【0032】SMAコイル2は、一方向性SMAの線材
を巻いたコイルであり、固定軸1が挿入されている。一
方向性SMAは、前述したように、昇温に伴い相転移温
度を越えた状態(高温時)のみ形状を回復させる応力を
発生するものであって、相転移温度以下の状態(低温
時)では回復応力は発生しないものである。
【0033】このSMAコイル2は、締付部2−a、伸
縮移動部2−b、締付部2−cの3つの部位から成り、
各部位はそれぞれ、コイルの巻き形状及び記憶させた形
状が異なるものである。同図(a)には低温時において
後述するバイアスバネ等による外部応力を受けてSMA
コイル2が塑性変形した形状を示しており、同図(b)
には高温時に回復応力の発生によりSMAコイル2が形
状回復した時の形状、すなわち予め記憶された記憶形状
を示している。
【0034】同図(a)において、SMAコイル2の締
付部2−a、及び締付部2−cの内径Sは、固定軸1の
外径Ddと略同一となっている。このときのSMAコイ
ル2の締付部2−a、及び締付部2−cによる固定軸1
に対する締め付け圧力は、小さいものであり、よって軸
との摩擦抵抗力も小さいものである。このため、SMA
コイル2の締付部2−a、及び締付部2−cは、固定軸
1に外接摺動して軸方向に移動可能となっている。SM
Aコイル2の伸縮移動部2−bは、その内径が少なくと
も固定軸1の外径Ddより大きく、固定軸1の軸方向に
移動自在となっている。
【0035】また、SMAコイル2の伸縮移動部2−b
の長さLは、上記のように外部応力を受けて塑性変形す
ることで、図示の長さLsまで縮められている。一方、
同図(b)に示す記憶形状は、SMAコイル2の伸縮移
動部2−bの長さLは、図示の長さLt(>Ls)とな
っている。つまり、高温時には伸縮移動部2−bの長さ
が伸びるように設定されている。
【0036】また、SMAコイル2の締付部2−a、及
び締付部2−cの内径はSnとなり、この内径Snは固
定軸1の外径Ddより小さく(Sn<Dd)なるように
設定されている。ここで、SMAコイル2が固定軸1に
組み込まれているので、実際にはSMAコイル2の内径
は外径Ddより小さくはならない。その為、このような
SMAコイル2の内径を固定軸1の外径Ddより小さく
するようにして生じるSMAの回復応力は、固定軸1を
締め付ける圧力(以下、クランプ力という)として働く
ことになる。
【0037】SMAの回復応力は、前述したように非常
に大きなものであることから、上記クランプ力も非常に
強い力として働くので、結果として軸との摩擦抵抗力は
非常に大きなものとなる。このため、SMAコイル2の
締付部2−a、及び締付部2−cは外接摺動不可能とな
る。
【0038】また、上記長さL及び内径S以外のSMA
コイル2の寸法は、同図(a)、(b)では変わらない
ものとする。バイアスバネ3は、上述したように、高温
時に長さLtに伸びたSMAコイル2の伸縮移動部2−
bを、低温時に長さLsに縮めるための応力を与えるた
めに設けられたバネである。このバイアスバネ3より加
わるバイアス力は、低温時にSMAコイル2を塑性変形
させるのに充分な力ではあるが、SMAの回復応力より
はかなり小さいものである。よって高温時には、バイア
スバネ3による影響はほとんどない。
【0039】スリーブ4は、SMAコイル2とバイアス
バネ3とを力学的に結合するために設けられた一対の結
合部材である。スリーブ4は、その中央に固定軸1を通
す為の穴が形成されている円板状の部材であり、固定軸
上を移動自在となっている。スリーブ4の円周部分は2
段形状となっており、内側の段には図のようにバイアス
バネ3が円周に沿って結合されている。また、SMAコ
イル2も、図示の接点部分でスリーブ4に係止されてい
る。(尚、締付部2−a、2−cの外径が、スリーブ4
の内径より充分大きい場合には、係止する必要はない) 電極5、電極6、電極7、及び電極8は、不図示の電源
によりSMAコイル2を通電加熱するために、SMAコ
イル2上の所定の位置に設けられた電極である。上記電
源は、所定の手段(例えば、固定軸1と所定の間隔で平
行に設けられたレール等)により、SMAコイル2の移
動に伴って移動可能となっている。
【0040】ここで、上記通電加熱は、前述したよう
に、SMA自身の抵抗を利用した通電自己発熱方式であ
り、SMAコイル2の通電した部分の温度が、相転移温
度を越えるように設定されている。
【0041】上記通電は、SMAコイル2の各部位(締
付部2−a、伸縮移動部2−b、締付部2−c)に対
し、それぞれ別々に行うことができるように配線されて
いる。例えば、電極6、7間に電圧を印加することで、
伸縮移動部2−bが通電加熱されることになる。それに
より伸縮移動部2−bの温度が相転移温度を越え、回復
応力が働いて伸縮移動部2−bの長さがLtに伸びるこ
とになる。他の部位についても同様である。また、同時
に2つ、あるいは3つの部位に通電することもできる。
【0042】次に、上記構成のアクチュエータ移動装置
の動作について説明する。図2は、本発明の第1の実施
例に係わるアクチュエータ移動装置の動作説明図であ
る。
【0043】同図においては、固定軸1とSMAコイル
2のみを図示することにして、他の構成部品は図示せず
に機能動作の説明のみを行うこととする。SMAコイル
2の移動動作は、同図(a)、(b)、(c)、(d)
で示す4工程に分かれて、間欠的に行われるものであ
る。
【0044】初期状態では、SMAコイル2の温度は、
相転移温度以下となっており、バイアスバネ3によるバ
イアス力が印加されて図1(a)に示す状態となってい
る。この状態では、SMAコイル2の伸縮移動部2−b
の長さは、Lsに縮められており、また締付部2−a、
締付部2−cは固定軸1の軸方向に沿って摺動移動可能
となっている。
【0045】この状態から、まず図2(a)に示すよう
に、電極5、6間に通電することで、SMAコイル2の
締付部2−aを通電加熱する。これによりSMAコイル
2の3つの部位のうち、締付部2−aの温度だけが相転
移温度以上となり、それにより発生するSMAの回復応
力が、前述したように固定軸1を締め付けるクランプ力
として働き、固定軸1との摩擦抵抗力が増大する。この
ため、締付部2−aは、事実上、固定軸上の図示の位置
に固定された状態になる。
【0046】次に、同図(b)に示すように、上記の状
態から更に電極6、7間にも通電することで、伸縮移動
部2−bの温度も相転移温度以上となり、それにより発
生するSMAの回復応力により、伸縮移動部2−bの長
さは上記LsからLtまで伸びる。このとき、締付部2
−aが上記固定された状態であり、締付部2−cは外接
摺動可能な状態であることから、伸縮移動部2−bは締
付部2−aを基点として図示の右方向に伸びることにな
る。これに伴い締付部2−cは、図示の右方向へ移動す
ることになる。このとき、図示しないバイアスバネ3に
よるバイアス力が逆方向(短縮方向)に加えられている
が、前述したようにSMAの回復応力に比べ非常に小さ
いものであり、影響はないものである。このときのSM
Aコイル2の状態は、同図(b)に示す通りである。
【0047】次に、同図(c)に示すように、電極7、
8間に通電することで、締付部2−cは、上記移動した
位置に固定されることになる。また、このとき電極5、
6間、及び電極6、7間に通電を行うのを止めること
で、締付部2−a、及び伸縮移動部2−bは自然冷却さ
れていく。ここで、同図(c)は、冷却途中の段階であ
り、未だ相転移温度以上であるときの状態を示してい
る。
【0048】そして、締付部2−a、及び伸縮移動部2
−bの温度が相転移温度以下となった時、SMAの回復
応力は消失する。よって、締付部2−aは固定軸上を外
接摺動可能となり、また伸縮移動部2−bはバイアスバ
ネにより長さがLsに縮まることになる。このとき、締
付部2−cが上記のように軸に固定された状態にあるこ
とから、伸縮移動部2−bは締付部2−cに向けて縮む
ことになり、これに伴って締付部2−aが固定軸上を外
接摺動していき、同図(d)に示す状態になる。以上、
図2(a)〜(d)の動作を行うことで、SMAコイル
2全体が、固定軸1に対して所定距離だけ移動したこと
になる。最後に、電極7、8間に通電を行うのを止める
ことで、SMAコイル2の状態は、上記初期状態に戻る
ことになる。
【0049】以上の動作を1サイクルとして、このサイ
クルを繰り返すことにより、連続した移動動作を行うこ
とができる。また、上記説明においては、最初に締付部
2−aに通電加熱することで右方向への移動を行うよう
に制御したが、最初に締付部2−cに通電加熱するよう
にして、左方向への移動を行うように制御することもで
きる。
【0050】このようにして、SMAコイル2は、固定
軸1に沿って任意の位置まで移動自在となる。また、本
発明の第1の実施例に係わる一方向性SMAを用いたア
クチュエータ移動装置は、上記説明した一例に限らな
い。
【0051】SMAコイル2の通常状態、記憶状態を変
え、それに応じた制御を行うことでSMAコイル2が固
定軸1上を移動動作するものであれば何でも良い。例え
ば、上記第1の実施例の変形例として、記憶状態では上
記Lsの長さに縮むように設定され、通常状態ではバイ
アスバネ33によりLtの長さに伸びるようにした伸縮
移動部32−bと、SMAコイル2の締付部2−a、2
−cと同一である締付部32−a、32−cとからなる
SMAコイル32を用いるようにしても良い。このとき
のバイアスバネ33は、例えばWの長さで両スリーブ4
を広げている。よって、このバイアスバネ33によるバ
イアス力は、SMAコイル2を伸ばす方向へと働いてい
る。このように構成した一方向性SMAを用いたアクチ
ュエータ移動装置の動作について説明する。
【0052】図3は、本発明の第1の実施例に係わる上
記変形例の構成のアクチュエータ移動装置の動作説明図
である。同図においては、固定軸1とSMAコイル32
のみを図示することにして、他の構成部品は図示せずに
機能動作の説明のみを行うこととする。
【0053】SMAコイル32の移動動作は、同図
(a)、(b)、(c)、(d)で示す4工程に分かれ
て、間欠的に行われるものである。初期状態では、SM
Aコイル32の温度は、相転移温度以下となっており、
バイアスバネ33によるバイアス力がSMAコイル32
を両側に伸ばす方向に印加されている。よって、この状
態では、SMAコイル32の伸縮移動部32−bは、バ
イアスバネ33によってLtの長さに伸ばされている。
また締付部32−a、締付部32−cは固定軸1の軸方
向に沿って摺動移動可能となっている。
【0054】この状態から、まず図3(a)に示すよう
に、電極7、8間に通電することで、SMAコイル32
の締付部32−cを通電加熱する。これによりSMAコ
イル32の3つの部位のうち、締付部32−cの温度だ
けが相転移温度以上となり、それにより発生するSMA
の回復応力が、前述したように固定軸1を締め付けるク
ランプ力として働き、固定軸1との摩擦抵抗力が増大す
る。このため、締付部32−cは、事実上、固定軸上の
図示の位置に固定された状態になる。
【0055】次に、同図(b)に示すように、上記の状
態から更に電極6、7間にも通電することで、伸縮移動
部32−bの温度も相転移温度以上となり、それにより
発生するSMAの回復応力により、伸縮移動部32−b
の長さは上記LtからLsまで縮む。このとき、締付部
32−cが上記固定された状態であり、締付部32−a
は外接摺動可能な状態であることから、伸縮移動部32
−bは締付部32−cを基点にして図示の右方向へと縮
む。これに伴い締付部32−aは、図示の右方向へ移動
することになる。このとき、図示しないバイアスバネ3
3によるバイアス力が逆方向(伸ばす方向)に加えられ
ているが、前述したようにSMAの回復応力に比べ非常
に小さいものであり、影響はないものである。このとき
の状態は、同図(b)に示す通りである。
【0056】次に、同図(c)に示すように、電極5、
6間に通電することで、締付部32−aは、上記移動し
た位置に固定されることになる。また、このとき電極
6、7間、及び電極7、8間に通電を行うのを止めるこ
とで、伸縮移動部32−b、及び締付部32−cは自然
冷却されていく。ここで、同図(c)は、冷却途中の段
階であり、未だ相転移温度以上であるときの状態を示し
ている。
【0057】そして、伸縮移動部32−b、及び締付部
32−cの温度が相転移温度以下となった時、SMAの
回復応力は消失する。よって、締付部32−cは固定軸
上を外接摺動可能となり、また伸縮移動部32−bはバ
イアスバネにより長さがLtまで伸ばされることにな
る。このとき、SMAコイル32は同図(d)に示す状
態になり、SMAコイル32全体が、固定軸1に対して
移動したことになる。最後に、電極5、6間に通電を行
うのを止めることで、SMAコイル32の状態は、上記
初期状態に戻ることになる。
【0058】以上の動作の1サイクルとして、これを繰
り返すことにより、連続した移動動作を行うことができ
る。また、上記説明では右方向への移動について説明し
たが、左方向への移動もできる。
【0059】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図4は、本発明の第2の実施例に係わるアクチュ
エータ移動装置の構成を示す側断面図である。同図
(a)において、固定軸1については、第1の実施例と
同一であり、同一符号を付して説明は省略する。
【0060】同図(a)において、SMAコイル42
は、二方向性SMAの線材を巻いたコイルであり、固定
軸1が挿入されている。二方向性SMAは、前述したよ
うに、相転移温度を越えた状態(高温時)と相転移温度
以下の状態(低温時)との両方における形状を記憶でき
るSMAである。よって、相転移温度を境にして、可逆
的に形状変化する。よって、同様の性質を有する例えば
全方位形状記憶合金の線材を巻いたコイルを用いること
もできるが、ここでは二方向性SMAを用いるものとし
て説明する。
【0061】このSMAコイル42は、締付部42−
a、伸縮移動部42−b、締付部42−cの3つの部位
から成り、各部位はそれぞれ、コイルの巻き形状及び記
憶させた形状が異なるものである。同図(b)には低温
時におけるSMAコイル42の記憶形状が示してあり、
同図(c)には高温時におけるSMAコイル42の記憶
形状が示してある。
【0062】また、同図(a)において、電極45、電
極46、電極47、及び電極48は、不図示の電源によ
りSMAコイル42の各部位を、各々通電加熱するため
に、SMAコイル42上の所定の位置に設けられた電極
である。
【0063】ここで、同図(b)に示す低温時の記憶形
状は、SMAコイル42の締付部42−a、及び締付部
42−cの内径Stが、固定軸1の外径Ddより多少大
きい程度に設定されている。よって、SMAコイル42
の締付部42−a、及び締付部42−cは、固定軸1に
外接摺動して軸方向に移動可能となっている。SMAコ
イル2の伸縮移動部2−bは、その内径が少なくとも上
記内径Stより大きく、固定軸1の軸方向に移動自在と
なっている。
【0064】また、SMAコイル2の伸縮移動部2−b
の長さLは、図示の長さLsに設定されている。一方、
同図(c)に示す高温時の記憶形状は、SMAコイル4
2の伸縮移動部42−bの長さLは、図示の長さLt
(>Ls)に設定されている。つまり、高温時には伸縮
移動部2−bの長さが伸び、低温時には縮むように設定
されている。
【0065】また、SMAコイル42の締付部42−
a、及び締付部42−cの内径はSnとなり、この内径
Snは固定軸1の外径Ddより小さく(Sn<Dd)な
るように設定されている。すなわち、(St>Dd>S
n)となるように設定されている。ここで、SMAコイ
ル42が固定軸1に組み込まれているので、実際にはS
MAコイル42の内径は外径Ddより小さくはならな
い。その為、このようなSMAコイル42の内径を固定
軸1の外径Ddより小さくするようにして生じるSMA
の回復応力は、固定軸1を締め付ける圧力(以下、クラ
ンプ力という)として働くことになる。
【0066】SMAの回復応力は、前述したように非常
に大きなものであることから、上記クランプ力も非常に
強い力として働くので、結果として固定軸との摩擦抵抗
力は非常に増大することになり、外接摺動不可能とな
る。
【0067】また、上記長さL及び内径S以外のSMA
コイル42の寸法は、同図(b)、(c)では変わらな
いものとする。以上説明したように、第2の実施例にお
いては、二方向性SMAを用いることにより、第1の実
施例のバイアスバネ、及びスリーブを必要としない構成
となっている。
【0068】次に、上記構成の第2の実施例に係わるア
クチュエータ移動装置の動作について説明する。図5
は、本発明の第2の実施例に係わるアクチュエータ移動
装置の動作説明図である。
【0069】SMAコイル42の移動動作は、同図
(a)、(b)、(c)、(d)で示す4段階に分かれ
て、間欠的に行われるものである。初期状態では、SM
Aコイル42の温度は、相転移温度以下となっており、
この状態では、SMAコイル42は図4(b)に示す、
低温時の記憶状態となっている。
【0070】この状態から、まず図5(a)に示すよう
に、電極45、46間に通電することで、SMAコイル
42の締付部42−aを通電加熱する。これによりSM
Aコイル42の3つの部位のうち、締付部42−aの温
度だけが相転移温度以上となり、締付部42−aには高
温時の記憶形状をとるような回復応力が働く。これによ
り、締付部42−aの内径をSnとする為の力が働き、
結果として固定軸1を締め付けるクランプ力が増大す
る。よって、締付部42−aは、事実上、固定軸上の図
示の位置に固定された状態になる。
【0071】次に、同図(b)に示すように、上記の状
態から更に電極46、47間にも通電することで、伸縮
移動部42−bの温度も相転移温度以上となり、伸縮移
動部42−bは高温時の記憶形状へ形状回復する。すな
わち、伸縮移動部42−bの長さは、上記LsからLt
まで伸びることになる。このとき、締付部42−aが上
記固定された状態であり、締付部42−cは外接摺動可
能な状態であることから、伸縮移動部42−bは締付部
42−aを基点として図の右方向に伸びることになる。
これに伴い締付部42−cは、図示の右方向へ摺動移動
することになる。このときの状態は、同図(b)に示す
通りである。
【0072】次に、同図(c)に示すように、電極4
7、48間に通電することで、締付部42−cは、上記
移動した位置に固定されることになる。また、このとき
電極45、46間、及び電極46、47間に通電を行う
のを止めることで、締付部42−a、及び伸縮移動部4
2−bは自然冷却されていく。ここで、同図(c)は、
冷却途中の段階であり、未だ相転移温度以上であるとき
の状態を示している。
【0073】そして、締付部42−a、及び伸縮移動部
42−bの温度が相転移温度以下となった時、両部位は
低温時の記憶形状へと形状回復する。すなわち、伸縮移
動部42−bの長さはLsに縮み、締付部42−aの内
径がStとなる。この結果、締付部42−aは軸に対し
摺動可能となり、伸縮移動部42−bの収縮動作に伴っ
て、図の右方向へ摺動移動することになる。
【0074】この結果、SMAコイル42は、同図
(d)に示す位置へと移動完了することになる。最後
に、電極47、48間に通電を行うのを止めることで、
初期状態に戻り、移動動作の1サイクルが終了する。
【0075】以上の動作の1サイクルとして、これを繰
り返すことにより、連続した移動動作を行うことができ
る。また、上記説明においては、最初に締付部42−a
に通電加熱することで右方向への移動を行うように制御
したが、最初に締付部42−cに通電加熱することで左
方向への移動を行うように制御することもできる。
【0076】このようにして、SMAコイル42は、固
定軸1に沿って任意の位置まで移動自在となる。また、
本発明の第2の実施例は、上記の方法に限らない。
【0077】第1の実施例において説明した変形例と同
様に、記憶形状を変え、それに応じて制御の方法を変え
ることで、固定軸1上を移動動作するものであれば、何
でも良い。
【0078】また、本発明の第1の実施例、及び第2の
実施例においては、コイルの巻き形状及び記憶させた形
状が異なる3つの部位からなるSMAコイルを用いた
が、本発明はこの例に限らない。
【0079】コイルの巻き形状及び記憶させた形状が異
なる、3つのSMAコイルを用いるようにしても良い。
また、SMAコイルのようなコイル形状に限らない。例
えば、実施例におけるSMAコイルの伸縮移動部を一枚
の板としても良く、更に両側の締付部を半円状の板とし
ても良い。
【0080】また、アクチュエータの移動をガイドする
ものは、固定軸(断面が円、楕円、多角形等)に限らな
い。例えば、コの字状のレールをガイド部材とし、これ
にアクチュエータを内接するようにしても良い。
【0081】また、軸、あるいはレールの形状は、実施
例のような直線状のものに限らない。アクチュエータが
外接摺動して(あるいは、そうでなくても)移動可能な
形状であれば、何でも良い。例えば、その一部あるいは
全部が湾曲状に曲がっており、曲線状の経路を形成して
いる軸、あるいはレールでもよい。あるいはドーナツ状
の形状にして、アクチュエータがその円周状を周回して
移動するようにしても良い。
【0082】更に、軸、あるいはレールによる経路を垂
直方向に設定することもできる。この場合は、重力によ
りアクチュエータが落下しないように、常にアクチュエ
ータがガイドに係止するように制御する(例えば、常に
SMAコイルの締付部の何れか一方が係止状態となるよ
うに制御する)ことが必要である。
【0083】また、実施例においては、形状記憶合金を
用いて説明したが、他の形状記憶材料(プラスチック、
セラミック)であっても、通電加熱以外の加熱方法にす
ることで用いることができる。また、例えば、形状記憶
プラスチックに導電可能な金属粉を混ぜて通電可能とな
るように形成することで、通電加熱による加熱方法であ
っても用いることができる。
【0084】以上、詳細に説明した、本発明のガイド部
材(軸、レール)にそって移動可能なアクチュエータ移
動装置を応用することで、従来にはないSMAの応用装
置が可能になる。
【0085】例えば、軸、あるいはレール上を、荷物等
を搬送する手段として用いられる。これは特に宇宙空間
や原子炉等のように、人間が作業を行えない、あるいは
作業することが危険な場所において、物資の搬送や、作
業用ロボットの移動、あるいは作業動作等に有効に利用
できる。すなわち、遠隔操作により、外部から電源スイ
ッチのON、OFFという簡単な電気制御により動作を
行わせることができるので、悪環境下での作業に最適に
利用できる。
【0086】また、各種おもちゃ等にも用いることがで
きる。
【0087】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、SMAを用いた小型軽量、簡単な構成で、かつ簡
単な制御によって、所定の経路上を自在に移動できるア
クチュエータ移動装置を提供することができる。
【0088】よって、このようなアクチュエータ移動装
置を利用することで、従来は実現できなかったSMAの
応用装置を開発することが可能となる。
【0089】
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】第1の実施例に係わるアクチュエータ移動装置
の構成を示す側断面図である。(a)は通常時(低温
時)の装置全体図、(b)は高温時のSMAコイル図で
ある。
【0091】
【図2】第1の実施例に係わるアクチュエータ移動装置
の動作説明図である。
【0092】
【図3】第1の実施例の変形例に係わるアクチュエータ
移動装置の動作説明図である。
【0093】
【図4】第2の実施例に係わるアクチュエータ移動装置
の構成を示す側断面図である。(a)は装置全体図、
(b)は低温時のSMAコイル図、(c)は高温時のS
MAコイル図である。
【0094】
【図5】第2の実施例に係わるアクチュエータ移動装置
の動作説明図である。
【0095】
【図6】従来のSMAを利用した装置での、SMAの形
状変化例を示す図である。
【0096】
【符号の説明】
1 固定軸 2 SMAコイル 2−a 締付部 2−b 伸縮移動部 2−c 締付部 3 バイアスバネ(圧縮バネ) 4 スリーブ 5、6、7、8 電極 32 SMAコイル 32−a 締付部 32−b 伸縮移動部 32−c 締付部 33 バイアスバネ(伸長バネ) 42 SMAコイル 42−a 締付部 42−b 伸縮移動部 42−c 締付部 45、46、47、48 電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の経路を形成するガイド手段に係合
    して該ガイド手段に沿ってアクチュエータを移動制御す
    るアクチュエータ移動装置であって、 所定の温度を境にして前記ガイド手段に対して係止状態
    と摺動可能な係合状態とを取り得る形状記憶材料より成
    る第1、第2の係合部材と、 該第1、第2の係合部材を連結するようにして設けら
    れ、所定の温度以上で伸長あるいは短縮する形状記憶材
    料より成る連結部材と、 該連結部材の所定の温度以上での伸縮状態を、所定の温
    度以下で逆の状態へと伸縮させる伸縮手段とから構成さ
    れる前記アクチュエータと、 該アクチュエータを前記各部材毎に適宜温度制御して移
    動させる移動制御手段とからなることを特徴とするアク
    チュエータ移動装置。
  2. 【請求項2】 前記連結部材の形状記憶材料は、所定の
    温度以上で不可逆的に伸長あるいは短縮する一方向性形
    状記憶合金であり、前記第1、第2の係合部材の形状記
    憶材料は、所定の温度以上で不可逆的に径が収縮する一
    方向性形状記憶合金であることを特徴とする請求項1記
    載のアクチュエータ移動装置。
  3. 【請求項3】 前記伸縮手段は、前記連結部材の形状記
    憶材料の所定温度以上での伸縮方向と逆方向に応力を加
    えるバイアスバネであることを特徴とする請求項2記載
    のアクチュエータ移動装置。
  4. 【請求項4】 所定の経路を形成するガイド手段に係合
    して該ガイド手段に沿ってアクチュエータを移動制御す
    るアクチュエータ移動装置であって、 所定の温度を境にして前記ガイド手段に対して係止状態
    と摺動可能な係合状態とを取り得る形状記憶材料より成
    る第1、第2の係合部材と、 該第1、第2の係合部材を連結するようにして設けら
    れ、所定の温度を境にして伸縮する形状記憶材料より成
    る連結部材とから構成される前記アクチュエータと、 該アクチュエータを前記各部材毎に適宜温度制御して移
    動させる移動制御手段とからなることを特徴とするアク
    チュエータ移動装置。
  5. 【請求項5】 前記連結部材を成す形状記憶材料は、所
    定の温度を境にして可逆的に形状回復する二方向性形状
    記憶合金、あるいは全方位形状記憶合金であることを特
    徴とする請求項4記載のアクチュエータ移動装置。
  6. 【請求項6】 前記移動制御手段による温度制御は、前
    記形状記憶材料に通電して自己発熱させる電気制御であ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5記載のア
    クチュエータ移動装置。
  7. 【請求項7】 前記ガイド手段は軸であり、前記第1、
    第2の係合部材、及び前記連結部材はコイルバネの形状
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6
    記載のアクチュエータ移動装置。
  8. 【請求項8】所定の経路を形成するガイド手段に係合し
    て該ガイド手段に沿ってアクチュエータを移動させるア
    クチュエータ移動装置の制御方法であって、 該制御方法は、 前記ガイド手段に対し摺動可能に係合されている形状記
    憶材料より成る第1の係合部材、第2の係合部材のいず
    れか一方を、所定の温度以上に加熱制御して前記ガイド
    手段に係止させる第1工程と、 該第1工程から更に形状記憶材料より成る連結部材を所
    定の温度以上に加熱制御して、前記ガイド手段に係止さ
    せた係合部材を基点にして前記連結部材を伸長、あるい
    は短縮させることに伴い、摺動可能な状態にある前記係
    合部材の他方を前記ガイド手段に沿って摺動移動させる
    第2工程と、 該第2工程から更に前記摺動移動させた係合部材を所定
    の温度以上に加熱制御して前記摺動移動させた位置に係
    止させるとともに、前記第1、第2工程で加熱制御した
    係合部材及び連結部材を所定の温度以下に冷却させるこ
    とにより、該連結部材を伸縮が逆となるように短縮、あ
    るいは伸長させることに伴い該冷却させた係合部材を前
    記ガイド手段に沿って摺動移動させる第3工程と、 該第3工程において加熱制御した係合部材を所定の温度
    以下に冷却させることにより、前記第1工程の初期状態
    にする第4工程と、 からなる一連の工程を順次行い、該一連の工程を繰り返
    すことにより、前記第1、第2の係合部材及び連結部材
    を有する前記アクチュエータを、前記ガイド手段に沿っ
    て自在に移動させることを特徴とするアクチュエータの
    制御方法。
JP30897494A 1994-12-13 1994-12-13 アクチュエータ移動装置 Expired - Fee Related JP3963021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30897494A JP3963021B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 アクチュエータ移動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30897494A JP3963021B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 アクチュエータ移動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08165984A true JPH08165984A (ja) 1996-06-25
JP3963021B2 JP3963021B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=17987460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30897494A Expired - Fee Related JP3963021B2 (ja) 1994-12-13 1994-12-13 アクチュエータ移動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3963021B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1130257A2 (en) * 2000-03-03 2001-09-05 United Technologies Corporation Shape memory alloy bundles and actuators
WO2010150962A1 (ko) * 2009-06-23 2010-12-29 한국과학기술연구원 형상기억합금 액츄에이터
CN103670982A (zh) * 2013-12-04 2014-03-26 中国航天科技集团公司第五研究院第五一三研究所 一种太空用记忆合金驱动机构
CN108343572A (zh) * 2018-05-04 2018-07-31 殷乐 一种伸缩机构
EP3378373A4 (en) * 2015-11-20 2019-07-24 Olympus Corporation VARIABLE HARDNESS ACTUATOR
WO2021153963A1 (ko) * 2020-01-31 2021-08-05 고정찬 열전소자 매립형 액츄에이터 모듈과 그 액츄에이터 구동장치

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1130257A2 (en) * 2000-03-03 2001-09-05 United Technologies Corporation Shape memory alloy bundles and actuators
EP1130257A3 (en) * 2000-03-03 2002-09-11 United Technologies Corporation Shape memory alloy bundles and actuators
WO2010150962A1 (ko) * 2009-06-23 2010-12-29 한국과학기술연구원 형상기억합금 액츄에이터
CN103670982A (zh) * 2013-12-04 2014-03-26 中国航天科技集团公司第五研究院第五一三研究所 一种太空用记忆合金驱动机构
EP3378373A4 (en) * 2015-11-20 2019-07-24 Olympus Corporation VARIABLE HARDNESS ACTUATOR
CN108343572A (zh) * 2018-05-04 2018-07-31 殷乐 一种伸缩机构
WO2021153963A1 (ko) * 2020-01-31 2021-08-05 고정찬 열전소자 매립형 액츄에이터 모듈과 그 액츄에이터 구동장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP3963021B2 (ja) 2007-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2171183B1 (en) Actuator comprising elements made of shape memory alloy with broadened range of working temperatures
US3652969A (en) Method and apparatus for stabilizing and employing temperature sensitive materials exhibiting martensitic transitions
CN102016307B (zh) 用于形状记忆合金致动器的过热保护
JPH02142627A (ja) 複合継手用器貝
ITRM980171A1 (it) Azionatore rotativo a barra in lega a memoria di forma
US6272857B1 (en) Shape memory alloy actuator
US3748197A (en) Method for stabilizing and employing temperature sensitive material exhibiting martensitic transistions
Georges et al. Characterization and design of antagonistic shape memory alloy actuators
RU2691213C2 (ru) Теплочувствительное исполнительное устройство
Hattori et al. Design of an impact drive actuator using a shape memory alloy wire
FI120111B (fi) Lukkorengas
JPH08165984A (ja) アクチュエータ移動装置
Prabu et al. Thermo-mechanical behavior of shape memory alloy spring actuated using novel scanning technique powered by ytterbium doped continuous fiber laser
Vasina et al. Shape memory alloys-unconventional actuators
US11649808B2 (en) Multi-stable actuator
Bordatchev et al. Microgripper: design, finite element analysis and laser microfabrication
JPS61171885A (ja) アクチユエ−タ
Borboni et al. Robust design of a shape memory actuator with slider and slot layout and passive cooling control
JPS5910789A (ja) 形状記憶合金を用いたアクチユエ−タ
JP2003225474A (ja) 形状記憶合金製部材を利用した駆動機構
JP6950933B2 (ja) 熱応動アクチュエータおよび熱応動アクチュエータユニット
KR101034500B1 (ko) 형상기억합금 액츄에이터
JPS6146475A (ja) 形状記憶合金装置
Asua et al. Design of a new FSMA-based actuator for nanopositioning applications
JPH051396B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070501

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070514

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110601

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees