JPH08165693A - 厨芥処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】台所排水を汚濁させない衛生的かつ迅速な生ご
み処理を可能にする。 【構成】シンクの底面開口を複数に分割して形成した各
々独立する通路を、濾過体で被覆し、補集した厨芥を濾
過体で包んで厨芥処理槽に投入する。 【効果】台所排水を汚濁させない衛生的かつ迅速な生ご
み処理装置を既設の流し台にも設置可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は台所用厨芥処理装置に係
り、特に厨芥の処理をシンク内で迅速かつ衛生にでき、
厨芥による台所排水の汚濁を防止する厨芥処理装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の流し台は、シンクの底面に排水口
を備え、この排水口の下方に調理中に発生した厨芥を補
集する円筒網形の水切り篭を収納し、この水切り篭の下
部に排水管を連結したものが一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の流し台では、調
理中に発生した食物の破片などをシンク底面の排水口に
水と一緒に流し込み、排水口内に設置した網状の水切り
篭で食物屑などを補集する方式が一般的であり、厨芥は
使用者が取り出して廃棄するまでの間（一般に１〜２日
間が多いとされる）は、そのまま水切り篭内に放置され
ている。

【０００４】このため、水切り篭内の食物屑は、手洗い
時などその後に流入する台所排水に常時さらされるた
め、肉汁などの養分が次第に通過水に溶け込んで、生物
化学的酸素要求量（ＢＯＤ）の高い排水となりやすい。
このため、排水に含まれる油脂分が排水管の詰りの原因
となったり、河川の汚濁や下水処理場の処理能力の負担
増の一因となっているのが現状である。

【０００５】また、水切り篭内に長時間放置された厨芥
は、時間の経過とともに腐敗して悪臭を放ったり、厨芥
を取り出すときに手を汚すなどの不快感や不衛生感を伴
うものであった。

【０００６】本発明は従来技術の欠点を解決し、特に、
厨芥の廃棄を迅速かつ衛生的に行え、台所排水の汚濁を
顕著に低減するとともに、既設の流し台にも容易に具備
できる厨芥処理装置を志向するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】これら従来技術の課題を
解決するため、本発明による厨芥処理装置は、シンクに
設けた開口を複数に分割して各々独立した通路を形成
し、この連通路の一方を厨芥の投入用の開口として、こ
の開口を開閉する栓体を設け、排水路につながる他の開
口を易分解性の濾過体で被冠するものである。

【０００８】本発明による厨芥処理装置は、例えば、一
方の通路を厨芥処理装置に連通する生ごみ投入用とし、
他方の通路を排水路に連結すれば、予めシンク内で分別
処理できる厨芥処理装置を構成することができる。

【０００９】

【作用】本発明によれば、シンク内で調理中に発生した
食物屑は、排水口の開口を覆う濾過体で迅速に常時補集
でき、かつ随時、この濾過体に包んで生ごみ投入口に投
棄でき、食物屑や残飯が下水管への排水に長時間さらさ
れることが避けられ、台所排水の汚濁が顕著に低減でき
るとともに、食物屑や残飯はシンク内において腐敗する
前に衛生的に処理できる。

【００１０】

【実施例】本発明の一実施例を図面を用いて説明する。

【００１１】図１は、本発明による厨芥処理装置を設置
した流し台２の構造を示す部分断面図で、前面に扉３を
有する箱形筐体４の上面に、有底箱形のステンレス製シ
ンク６が取り付けられ、このシンク６の底面部に円形の
開口６Ａが設けられている。従来の流し台においては、
この開口６Ａの下面に排水管が直結され、排水口として
使用されているものである。

【００１２】この実施例では、図２ないし図３に詳細を
示すように、鍔付き円筒形の合成樹脂製の筒体８が環状
の密封体１０とともに、シンク６の開口６Ａに上方から
装着される。

【００１３】この筒体８にシンク６の下方から環状の合
成樹脂製の保持体１２を係合し、シンク６の底面を密封
体１０を介して、筒体８と保持体１２とで水密的に挾持
してある。

【００１４】この例では、筒体８の外周に形成したおね
じ８Ａに、相対する保持体１２のめねじ１２Ａ部を螺合
させるようになっている。

【００１５】また、筒体８には、内側に開口８Ｂと、そ
の外周に開口８Ｃを設け、それぞれに連通する開口８
Ｄ，通路８Ｅが独立して設けられている。

【００１６】ここで、開口８Ｃに、ステンレス網などの
耐食性材料で環状に形成された濾過体１４が着脱自在に
取り付けられている。

【００１７】また、前記開口８Ｂには、合成樹脂または
ゴムなどの可撓性材料よりなる栓体２０が着脱自在かつ
水密的に取り付けられる。

【００１８】さらに、和紙または生物分解性の合成樹脂
などで形成された濾過体２２が、筒体８の上方から前記
濾過体１４を被冠するように敷設される。

【００１９】また、環状の吸盤を有する保持体２４で、
この濾過体２２を上方から筒体８に取り付ける。

【００２０】さらに、この保持体２４の上面に、ゴムな
どの可撓性材料よりなる蓋体２６が着脱自在かつ水密的
に載置される。

【００２１】一方、前記筒体８の下部には、合成樹脂製
の筐体３０が環状の密封体３２，３４を介してねじ３６
により水密的に取り付けられる。

【００２２】この筐体３０は、内筒部３０Ａと外筒部３
０Ｂとで２重管状に形成され、この外筒部３０Ｂに、封
水トラップとなる室３０Ｃが一体に併設されている。

【００２３】前記筒体８の開口８Ｄは、筐体３０の内筒
部３０Ａの内側に形成される通路３０Ｄと連通してい
る。

【００２４】また、筒体８の通路８Ｅは、筐体３０の内
筒部３０Ａと外筒部３０Ｂとの間に形成される通路３０
Ｅに連通する。

【００２５】この通路３０Ｅの底面３０Ｆは、前記室３
０Ｃの開口３０Ｇに向かって、下り勾配になるように傾
斜している。

【００２６】また、室３０Ｃの下面開口には、開口３０
Ｇよりも上方で開口する排水路４２が密封体４４を介し
て水密的に被冠されている。

【００２７】これら、通路３０Ｅと室３０Ｃと排水路４
２がＳ字形の流水路を形成することにより、封水トラッ
プ機能を具備する。

【００２８】一方、前記通路３０Ｄは、食物屑などの固
形物や残飯など廃棄物の処理を行う厨芥処理槽４６に連
通している。

【００２９】この厨芥処理槽４６は、例えば、内部に破
砕機構と保温装置とかくはん装置および換気装置とを備
え、投入された食物屑などを適切な大きさに破砕した
後、好気性微生物の働きにより、発酵分解処理するもの
である。

【００３０】ここで、前記換気装置４８の吐出側は、排
水路４２の封水部よりも下流側に連通することで、排気
を排水路４２を通じて室外に排出できる。

【００３１】このように、封水トラップ機能を有する排
水路と厨芥処理機能とが一体化した、構造が簡単で、合
成樹脂化も可能で耐食性を有する、厨芥処理機能付きの
流し台を構成できる。

【００３２】次に、この実施例による厨芥処理装置の使
用例を説明する。

【００３３】野菜や魚などを洗浄する場合には、蓋体２
６が保持体２４の上面を覆うため、シンク６に水を溜め
ることができる。

【００３４】次に、蓋体２６を取り外すと、貯水は濾過
体２２と濾過体１４を透過した後、通路８Ｅから通路３
０Ｅを降下して、開口３０Ｇから室３０Ｃに入り、排水
路４２から排出される。

【００３５】ここで、洗浄中に発生する食物屑や、調理
中に発生する厨芥は、濾過体２２と濾過体１４とで補集
され、排水路４２には流れない。

【００３６】また、調理中に発生した厨芥などは、保持
体２４を取り外して、濾過体２２で包めば、栓体２０を
取り外して、開口８Ｄから厨介処理槽４６内にまとめて
投入できる。

【００３７】この時点で投入する食物屑などは、未だ腐
敗してない新鮮な破砕片であるため、シンク内において
衛生的かつ迅速なごみ処理が行える。

【００３８】また、食後に生じた残飯は、同様に開口８
Ｄから厨芥処理槽４６内に投入できる。

【００３９】また、ごみ投入用の開口８Ｂを、排水路に
つながる開口８Ｃよりも、下方に設ければ、シンク６内
に落下した厨芥を容易に開口８Ｂに導くことができる。

【００４０】このように、シンク６内に落下した細かい
ごみなども、随時、濾過体２２で補集して包み、まとめ
て開口８Ｄ内に投入することができる。

【００４１】濾過体２２を和紙や生分解性合成樹脂など
の分解が容易な材料で形成すれば、破砕機構で微細化し
た後に、好気性微生物などを利用した発酵分解作用で、
迅速に厨芥処理することができる。

【００４２】従って、従来のように、排水管途中に設置
した水切り篭の中で、長時間にわたって多量の生ごみが
排水に常時さらされるというような状態は防げる。

【００４３】このため、生ごみから溶け出した油分など
で排水管の詰りや、台所排水の生物化学的酸素要求量
（ＢＯＤ）の上昇による河川の汚濁や下水処理場の負荷
増加が避けられ、従来技術の欠点を顕著に改善できるこ
とになる。

【００４４】また、従来は、水切り篭内に長時間放置さ
れた生ごみが腐敗して悪臭を放ったり、水切り篭から腐
敗した生ごみを取り出すときに手を汚すなどの不快感が
あったが、本実施例においては、食物屑が新鮮なうちに
シンク６内で厨芥処理槽４６内に投入できるため、上述
の従来技術の欠点も解消され、生ごみの処理を迅速かつ
衛生的に行えるようになる。

【００４５】シンク６内で手洗いをする場合には、栓体
２０を筒体８に装着すれば、厨芥処理槽４６への通路３
０Ｄが閉鎖され、水は濾過体１４を通過して通路３０Ｅ
から排水路４２に排水される。

【００４６】また、濾過体２２と保持体２４とを使用し
ない場合でも、蓋体２６を筒体８に直接被冠すること
で、シンク６内に水を溜めることもできる。

【００４７】上述の実施例によれば、シンク６の底面に
開設されてあった既設の排水口をそのまま利用して、シ
ンク６の下方空間に厨芥処理槽４６をビルトインするこ
とができ、簡単な施工で、既設の流し台に厨芥処理機能
を設けることができる。

【００４８】

【発明の効果】以上の実施例で説明したように、本発明
の実施により、従来技術の欠点を解決し、台所排水の汚
濁を防止するとともに、迅速で衛生的な厨芥処理が行
え、既設の流し台にも厨芥処理機能を簡単に具備できる
という、顕著な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す流し台の部分断面図。

【図２】図１の部分拡大断面図。

【図３】図２の構成部品の斜視図。

【符号の説明】

２…流し台、６…シンク、８…筒体、１２，２４…保持
体、１４，２２…濾過体、２０…栓体、４６…厨芥処理
槽。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｆ 1/00 １０２ Ｃ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シンク内面に設けた開口をシンク底面の近
   くで複数に分割して各々独立する通路を形成し、一方の
   通路を厨芥の投入路とし、他方の通路を排水路とし、こ
   の排水路の開口を厨芥補集用の濾過体でシンク底面側か
   ら被冠することを特徴とする厨芥処理装置。
2. 【請求項２】シンクの底面に設けた開口内を複数に分割
   して各々独立する通路を形成し、分割した開口の一方を
   濾過体を介して排水路に連結し、他の開口を着脱自在の
   蓋で水密的に被冠し、これらの開口を厨芥補集用の濾過
   体でシンク底面側から同時に被冠することを特徴とする
   厨芥処理装置。
3. 【請求項３】特許請求の範囲の第１項ないし第２項にお
   いて、 シンク底面側から被冠する厨芥補集用の濾過体を、和紙
   または生物分解性樹脂などの分解性が良好な材料で形成
   したことを特徴とする厨芥処理装置。
4. 【請求項４】特許請求の範囲の第１項ないし第３項にお
   いて、 濾過体で補集した厨芥を濾過体とともに厨芥の投入口に
   投入することを特徴とする厨芥処理装置。
5. 【請求項５】特許請求の範囲の第１項ないし第４項にお
   いて、 前記厨芥補集用の濾過体を保持体でシンク底面側に保持
   することを特徴とする厨芥処理装置。
6. 【請求項６】特許請求の範囲の第１項ないし第５項にお
   いて、 シンクの底面に設けた開口内を複数に分割して各々独立
   する通路を２重に形成し、内側の開口を厨芥の投入口と
   し、この開口の周囲に排水路につながる開口を設け、こ
   の開口を厨芥補集用の濾過体で覆い、この濾過体を環状
   の保持体でシンク底面側に保持することを特徴とする厨
   芥処理装置。
7. 【請求項７】特許請求の範囲の第５項において、 ごみ投入用の開口を、排水路につながる開口よりも下方
   に設けたことを特徴とする厨芥処理装置。
8. 【請求項８】特許請求の範囲の第１項ないし第７項にお
   いて、 ごみ投入用の開口と排水路の開口とを蓋体で被冠するこ
   とを特徴とする厨芥処理装置。