JPH0816209A - 予測制御方法及びその装置 - Google Patents

予測制御方法及びその装置

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JPH0816209A
JPH0816209A JP6153540A JP15354094A JPH0816209A JP H0816209 A JPH0816209 A JP H0816209A JP 6153540 A JP6153540 A JP 6153540A JP 15354094 A JP15354094 A JP 15354094A JP H0816209 A JPH0816209 A JP H0816209A
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Kazuki Nakada
一樹 中田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ある管理項目のデータの変動を推測し、装置
及びその装置によって製造される製品に異常が発生する
のを予測する。 【構成】 制御部Aのデータ検出部10は、測定器C及
びDから管理項目の数値データをそれぞれ取り込み、二
次記憶装置Bのデータ記録ファイルaに記録する。管理
基準比較部20は、この数値データと二次記憶装置Bの
管理基準データファイルbのデータを比較し、管理基準
外の数値データが存在する場合には、その旨を示す信号
を警戒判断部40に出力する。データ変換部30は、デ
ータ記録ファイルaのデータをグラフィックデータに変
換して警戒判断部40に出力する。警戒判断部40は、
管理基準比較部20から信号を受け取ると「警戒する」
と判断し、受け取らなければ、グラフィックデータと警
戒データ履歴ファイルeのデータとを比較して、警戒す
るか否かを判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管理の対象となる装置
の状態を予測し、予測結果に基づいて装置の制御を行う
予測制御方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、装置を制御するために、制御対象
である装置の状態を示すパラメータの変動を予測して制
御する方法が用いられている。このような方法の1つと
して、例えば、特開平第4−205604号に「プロセ
スの予測制御方法及び予測制御システム」が開示されて
いる。以下、上記公報に開示されている予測制御システ
ムを説明する。
【0003】図20に、上記公報に開示されている予測
制御システムの構成を示す。この予測制御システムは、
火力発電プラントの主蒸気温度を管理する。蒸気温度予
測システム30は、蒸気温度系のモデルを使用して蒸気
温度の近い未来の値を予測する。蒸気温度系のモデル
は、質量保存の法則及びエネルギー保存の法則により導
かれる微分方程式を使用しており、モデルを用いた予測
結果に基づいて、制御対象を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図20
に示されるような従来の予測制御システムでは、制御対
象の状態を示す各パラメータの特性を解明することがで
きないためにモデルを方程式で表すことができない場合
には、高精度な予測をすることができない。特に、一つ
のパラメータの特性要因に複数のパラメータの特性が関
わる場合には、パラメータの特性を方程式で表せない場
合が多い。また、パラメータの値をリアルタイム、もし
くは定期的に抽出することができない場合には、パラメ
ータの変動を正確に把握することができないため、微小
な時間に対するパラメータの変化量を必要とする微分方
程式をモデルとして使用することができない。
【0005】本発明はこのような現状に鑑みてなされた
ものであり、パラメータの特性を方程式で表したモデル
を用いずに、パラメータの近い未来のパラメータの値を
予測可能な予測制御方法及びその装置を提供することが
本発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の予測制御方法
は、制御対象の状態を示す少なくとも1つのパラメータ
の値を不定期的に検出し、該検出された値を、記憶手段
に記憶されている該パラメータの該値の履歴に加えるデ
ータ検出工程と、該記憶手段から全ての該パラメータの
該履歴を読み出して、読み出された該履歴の1つが所定
の条件を満たすか否かを判断する工程であって、該所定
の条件を満たす該履歴を警戒データとして該記憶手段に
記憶させる予測工程と、該予測工程における判断に応じ
て警戒信号を発生する工程とを包含しており、そのこと
により上記目的を達成する。
【0007】前記予測制御方法は、前記予測工程は、前
記パラメータの前記履歴に基づいて得られる、時間を軸
の1つとするグラフをそれぞれ表示している、少なくと
も1つの第1のレイヤーを作成する第1工程と、該少な
くとも1つの第1のレイヤーから少なくとも1つの第2
のレイヤーをそれぞれ作成する第2工程であって、該第
2のレイヤーは、それぞれが1または0のデータ値を有
する複数のマス目に分割されており、該第1のレイヤー
を該第2のレイヤーに投影したときに、該マス目のうち
のグラフの一部が存在するマス目はデータ値1を、それ
以外のマス目はデータ値0を有するように該マス目のそ
れぞれのデータ値を決定する第2工程と、該少なくとも
1つの第2のレイヤーから1つの第3のレイヤーを作成
する第3工程であって、該第3レイヤーは、それぞれが
1または0のデータ値を有する複数のマス目に分割され
ており、該マス目のそれぞれのデータ値は、該第2のレ
イヤーの対応するマス目のデータ値の論理和として決定
される第3工程と、該第3レイヤーが、前記所定の条件
を満たすか否かを判断する判断工程と、該所定の条件を
満たす該第3レイヤーを前記警戒データとして前記記憶
手段に記憶する工程と、を包含してもよい。
【0008】前記予測制御方法は、前記判断工程は、そ
れぞれが0または1のデータ値を有する複数のマス目に
分割されている第4のレイヤーを、前記第3レイヤーと
前記警戒データとから作成する第4工程であって、該第
4のレイヤーの該マス目のそれぞれのデータ値は、該第
3のレイヤーの対応するマス目のデータ値と、該警戒デ
ータの対応するマス目のデータ値との論理積として決定
される第4工程と、該第4レイヤーにおける、該マス目
の個数に対する、データ値1を有するマス目の個数の割
合が所定の割合を超えたときに、該第3レイヤーが前記
所定の条件を満たすと判断する第5工程とを包含しても
よい。
【0009】前記予測制御方法は、検出された前記パラ
メータの前記値が、前記記憶手段に予め記憶されている
該パラメータの基準範囲から外れているか否かを判断
し、検出された該パラメータの該値が該基準範囲から外
れているときに、該基準範囲から外れた値を有する該パ
ラメータが存在することを示す信号を発生する工程をさ
らに包含してもよい。
【0010】本発明の他の予測制御方法は、時間経過を
示すパラメータを含む複数のパラメータの値を不定期的
に複数回検出し、検出された該複数のパラメータの該値
を1組の時系列データとして記憶手段に記憶するデータ
検出工程と、該記憶手段に記憶されている時系列データ
のうちの、最新の時系列データを含む2組の時系列デー
タの類似の度合いを、該2組の時系列データにおける該
時間経過を示すパラメータの類似の度合いを重み付けと
して用いて算出する類似度算出工程と、該最新の時系列
データとの該類似の度合いが最も高い時系列データを用
いて、該複数のパラメータのうちの、該時間経過を示す
パラメータ以外のパラメータの近い将来の値を予測する
予測工程とを包含しており、そのことにより上記目的を
達成する。 前記予測制御方法は、前記類似度算出工程
は、前記2組の時系列データにおける前記時間経過を示
すパラメータの差が大きいほど、該時間経過を示すパラ
メータの類似の度合いを小さくしてもよい。
【0011】前記予測制御方法は、前記類似度算出工程
は、前記2組の時系列データにおける前記時間経過を示
すパラメータの差と、該時間経過を示すパラメータの類
似の度合いとの関数として、三角関数または正規分布関
数を用いてもよい。
【0012】前記予測制御方法は、前記時間経過を示す
パラメータ以外のパラメータの、前記予測工程において
前回予測された値と、該パラメータの検出された値とを
比較することにより、該予測工程において前回用いられ
た時系列データが、予測に適しているか否かを判断する
評価工程をさらに包含してもよい。
【0013】前記予測制御方法は、前記評価工程は、前
記前回用いられた時系列データが予測に適していないと
判断されたときに、該前回用いられた時系列データの使
用を禁止する工程を包含している、請求項8に記載の予
測制御方法。
【0014】本発明の予測制御装置は、制御対象の状態
を示す少なくとも1つのパラメータの値を不定期的に検
出するデータ検出手段と、該パラメータの該値の履歴を
記憶するための記憶手段と、該記憶手段から該パラメー
タの履歴を読み出して、読み出された該履歴の1つが所
定の条件を満たしたときに、該パラメータの値は近い将
来、基準範囲から外れると判断する予測手段であって、
該基準範囲から外れると判断された該パラメータの該履
歴を、警戒データとして該記憶手段に記憶させる該予測
手段と、該予測手段の判断に応じて警戒信号を発生する
手段とを備えており、そのことにより上記目的を達成す
る。
【0015】前記予測制御装置は、前記予測手段は、前
記履歴をグラフィックデータに変換するデータ変換手段
と、該グラフィックデータと前記警戒データとを比較す
る警戒判断手段とを有しており、該警戒判断手段は、該
グラフィックデータと該警戒データとを比較することに
より該履歴が前記所定の条件を満たしているか否かを判
断してもよい。
【0016】前記予測制御装置は、前記データ検出手段
に接続された基準比較手段をさらに有しており、前記記
憶手段には前記パラメータの前記値の前記基準範囲を示
す基準データが記憶されており、該基準比較手段は、該
基準データと該データ検出手段によって検出された該パ
ラメータの該値とを比較し、該値が該基準データとは異
なるときには、前記警戒判断手段に対して、該基準デー
タとは異なる値を有する該パラメータが存在することを
示す信号を出力してもよい。
【0017】前記予測制御装置は、前記警戒判断手段
は、前記グラフィックデータと前記警戒データとを比較
し、一致する値の個数の、該グラフィックデータに含ま
れる値の個数に対する割合が所定の割合よりも大きいと
きに、該パラメータの該値が、近い将来、該基準範囲か
ら外れると判断してもよい。
【0018】本発明の他の予測制御装置は、時間経過を
示すパラメータを含む複数のパラメータの値を不定期的
に複数回検出するデータ検出手段と、該複数のパラメー
タの該値を記憶するための記憶手段であって、所定期間
における該値を1組の時系列データとして記憶する記憶
手段と、該記憶手段に記憶されている時系列データのう
ちの2組の時系列データの類似の度合いを、該2組の時
系列データにおける該時間経過を示すパラメータの類似
の度合いを重み付けとして用いて算出する類似度算出手
段であって、該2組の時系列データのうちの1組は最新
の時系列データである、類似度算出手段と、該最新の時
系列データとの該類似の度合いが最も高い時系列データ
を用いて、該複数のパラメータのうちの、該時間経過を
示すパラメータ以外のパラメータの近い将来の値を予測
する予測手段とを備えており、そのことにより上記目的
を達成する。
【0019】前記予測制御装置は、前記類似度算出手段
は、前記2組の時系列データにおける前記時間経過を示
すパラメータの差が大きいほど、該時間経過を示すパラ
メータの類似の度合いを小さくしてもよい。
【0020】前記予測制御装置は、前記類似度算出手段
は、前記2組の時系列データにおける前記時間経過を示
すパラメータの差と、該時間経過を示すパラメータの類
似の度合いとの関数として、三角関数または正規分布関
数を用いてもよい。
【0021】前記予測制御装置は、前記時間経過を示す
パラメータ以外のパラメータの、前記予測手段によって
前回予測された値と、該パラメータの検出された値とを
比較することにより、該予測手段によって前回用いられ
た時系列データが、予測に適しているか否かを判断する
評価手段をさらに備えていてもよい。
【0022】前記予測制御装置は、前記評価手段は、前
記前回用いられた時系列データが予測に適していないと
判断されたときに、該前回用いられた時系列データの使
用を禁止してもよい。
【0023】
【作用】本発明の予測制御方法では、制御の対象である
装置の状態を示す何種類かのパラメータの値を検出する
と、これを、二次記憶装置などの記憶手段に記憶されて
いる各パラメータの値の履歴にそれぞれ加える。続い
て、このような複数のパラメータの履歴から、全てのパ
ラメータの値の履歴を示す1枚のレイヤーを作成し、こ
のレイヤーと警戒データとを比較することにより、装置
の状態が警戒を必要とする状態であるか否かを予測す
る。警戒を必要とする状態であると判断された場合に
は、その判断に用いられたレイヤーを警戒データとして
記憶手段に記憶し、同時に、警戒信号を発生する。この
警戒信号は、例えば、モニタに、オペレータに対して警
戒を促すメッセージを表示させるような信号、あるいは
制御対象である装置に直接作用して、装置を停止させる
ような信号であり得る。
【0024】また、本発明の他の予測制御方法では、装
置の状態を示すパラメータの値を検出すると、これを記
憶手段に記憶させるが、記憶手段は、パラメータの値を
任意の期間に分割し、複数組の時系列データとして記憶
する。続いて、このような時系列データのうちの最新の
時系列データと他の全ての時系列データとの類似の度合
いをそれぞれ算出する。まず、2組の時系列データ間で
個々のパラメータの類似の度合いを求める。このとき、
時系列データ間でのパラメータの値の差と類似の度合い
の関数として、パラメータの値の差が大きいほど類似の
度合いを小さくするような関数が用いられる。次に、時
間経過を示すパラメータの類似の度合いを、その他のパ
ラメータの類似の度合いに重み付けとして乗算し、2組
の時系列データの類似の度合いを得る。最新の時系列デ
ータとの類似の度合いが得られると、類似の度合いが最
も高い時系列データを基に、パラメータの近い将来の値
を予測する。このようにして、パラメータの値が検出さ
れるたびにパラメータの近い将来の値の予測を行うが、
本発明の予測制御方法では、前回予測されたパラメータ
の値と検出されたパラメータの値とを比較することによ
り、予測値の算出に用いられた時系列データが、予測に
適したものだったか否かの評価を行う。評価の結果、前
回用いられた時系列データが予測に適していないと判断
された場合には、その時系列データの使用を禁止し、こ
れにより、偶然発生した異常な値を含む時系列データを
予測に使用しないようにする。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0026】(第1の実施例)図1は、本発明による予
測制御装置の第1の実施例の構成を示す。この予測制御
装置は、制御部A、ハードディスク等の二次記憶装置
B、及び制御部Aからの信号を受け取り、オペレータに
警戒を促すメッセージを表示するCRTあるいは液晶表
示装置等のモニタEを有している。制御部Aには、デー
タ検出部10、管理基準比較部20、データ変換部30
及び警戒判断部40が設けられている。データ検出部1
0が装置の状態を示す数値データを検出すると、管理基
準比較部20は検出された数値データと管理基準とを比
較し、管理基準から外れていればその旨を示す信号を警
戒判断部40に出力する。データ変換部30はデータ検
出部10から受け取った数値データをグラフィックデー
タに変換して警戒判断部40に送る。警戒判断部40
は、管理基準比較部20からの信号、あるいはデータ変
換部30からのグラフィックデータを用いて、モニタE
に対して警戒信号を出力する。制御部Aと接続されてい
る二次記憶装置Bは、データ記録ファイルa、管理基準
データファイルb、及び警戒データ履歴ファイルeが格
納されている。データ記録ファイルaにはデータ検出部
10によってデータが入出力され、管理基準データファ
イルbには、予め、管理基準比較部20によって用いら
れる管理基準データが記憶されている。
【0027】以下、各管理項目の数値の時間変化に応じ
て予測制御を行う場合の図1に示す予測制御装置の動作
を説明する。
【0028】測定器C及びDは制御部Aに接続されてお
り、それぞれが、装置の予測制御に用いられる項目(以
下、これを管理項目と称する)1つについての数値を測
定する。測定された数値はデータ検出部10に取り込ま
れ、その数値が測定された時間とともに二次記憶装置B
内のデータ記録ファイルaに記憶される。データ記録フ
ァイルaの一例を図2に示す。測定器C及びDによって
測定された数値は、それぞれ、データフィールドa2及
びa3に数値データとして記憶され、測定日時が日付フ
ィールドa1に記憶される。
【0029】測定された数値データは、データ記録ファ
イルaに記録されるだけではなく、データ検出部10か
ら管理基準比較部20にも送られる。管理基準比較部2
0は、数値データを受け取ると、管理基準データファイ
ルbから管理基準データを読み出し、測定器Cと測定器
Dからの数値データが管理基準から外れていないかどう
かを調べる。図3に管理基準ファイルbの構成の一例を
示す。管理基準ファイルbには、管理基準データとし
て、管理する項目を示す名前と、その管理項目について
の管理基準の最小値と最大値とが、管理項目フィールド
b1、管理基準最小値フィールドb2、及び管理基準最
大値フィールドb3にそれぞれ記憶されている。例え
ば、管理基準の最小値は管理項目の規格値より10%増
の値であり、管理基準最大値は管理項目の規格値より1
0%減の値である。こうすることにより、管理する項目
の数値データが規格外の値になる前に、そのような事態
を予測することができる。管理基準比較部20は、測定
器CあるいはDによって測定された数値データを、その
管理項目に関する管理基準の最大値及び最小値と比較し
て、数値データが管理基準から外れているか否かを決定
する。いずれかの測定器によって測定された数値データ
が管理基準から外れている場合には、管理基準から外れ
た数値データを有する管理項目が存在することを示す信
号が、管理基準比較部20から警戒判断部40に出力さ
れる。
【0030】また、データ検出部10は、データ記録フ
ァイルaから、今回の測定の直前の1週間に測定された
数値データを読み出して、測定された数値データととも
にデータ変換部30に送る。データ変換部30は、この
数値データを、2進数のデータを用いて構成されたグラ
フィックデータに変換する。変換されたグラフィックデ
ータは、警戒判断部40に送られる。
【0031】図4に、グラフィックデータである2進数
表示レイヤーを示す。図4を参照しながら、データ変換
部30の動作を以下に説明する。まず、データ変換部3
0は、今回測定された数値データを含む1週間分の数値
データを用いて、横軸を時間軸として数値データをプロ
ットして得られるトレンドグラフを表示するグラフ表示
レイヤーを作成する。図4では、測定器Dによって測定
される管理項目についてのグラフ表示レイヤーd1を示
している。続いて、このグラフ表示レイヤーd1を2進
数表示レイヤーd0に変換する。2進数表示レイヤーd
0は、グラフ表示レイヤーd1と同じサイズを有するレ
イヤーであり、細かいマス目hに区分されている。各マ
ス目は0または1のデータ値を有し得る。各マス目にど
ちらのデータ値が出力されるかは、グラフ表示レイヤー
d1を2進数表示レイヤーd0に投影したときにトレン
ドグラフの一部を含むか否かによって決まる。つまり、
トレンドグラフの一部を含むマス目は1の値を、含まな
いマス目は0の値を有するように、各マス目のデータ値
は出力される。
【0032】また、本実施例では、測定器Cの数値デー
タ及び測定器Dの数値データのそれぞれをグラフィック
データに変換することにより、2種類のグラフィックデ
ータを作り出しているが、図5に示すように、測定器C
によって測定される管理項目についてのグラフ表示レイ
ヤーc1と、測定器Dについてのグラフ表示レイヤーd
1のサイズは同じである。また、横軸である測定器Cに
ついての時間軸f1と測定器Dについての時間軸f2の
範囲も同じである。しかし、縦軸である測定器Cの測定
値の軸f3と測定器Dの測定値の軸f4の範囲は両方と
も同じである必要はない。例えば、測定器Cに関するト
レンドグラフがグラフ表示レイヤーc1の上半分に描か
れ、かつ測定器Dに関するトレンドグラフがグラフ表示
レイヤーd1の下半分に描かれるようにグラフ表示レイ
ヤーの縦軸の範囲を設定すると、データ値1を有するマ
ス目が、測定器Cに関する2進数表示レイヤーでは上半
分にのみ存在し、測定器Dに関する2進数表示レイヤー
では下半分にのみ存在することになる。これは、管理項
目の数が増えた場合でも同様である。なお、各管理項目
ごとの縦軸の範囲は常に一定である。
【0033】上述したようにして変換された各管理項目
に関するグラフィックデータを受け取ると、警戒判断部
40は、このグラフィックデータが、装置が近い未来に
警戒を必要とする状態に陥ることを示しているか否か、
すなわち管理項目のいずれかについての数値が、近い未
来に管理基準から外れることを示しているか否かの判断
を行う。この判断では、図6に示すような判断レイヤー
g0が用いられる。以下、図6を参照しながら警戒判断
部40における判断の手順を説明する。
【0034】まず最初に、データ変換部30から受け取
った測定器cに関する2進数表示レイヤーc0及び測定
器dに関する2進数表示レイヤーd0から、検査レイヤ
ーg1を作成する。検査レイヤーg1もまた、複数のマ
ス目に区分され、各マス目が0または1のデータ値を有
するレイヤーである。検査レイヤーg1の各マス目のデ
ータ値は、2枚の2進数表示レイヤーc0及びd0の対
応するマス目が有するデータ値の論理和となるように決
定される。例えば、図6に示すように、検査レイヤーg
1のマス目h3のデータ値は、2進数表示レイヤーc0
の対応するマス目h1の値1と、レイヤーd0の対応す
るマス目h2の値0から、1となる。
【0035】このようにして検査レイヤーg1が作成さ
れると、続いて、この検査レイヤーg1と、警戒データ
履歴ファイルeから読み出した警戒レイヤーg2とから
判断レイヤーg0を作成する。後で詳しく説明するが、
警戒データ履歴ファイルeには「警戒する」と判断され
た検査レイヤーが警戒レイヤーとして1枚以上記憶され
ており、予測制御装置の1回の予測動作毎に、それまで
に記憶された全ての警戒レイヤーの数と同数の判断レイ
ヤーが作成される。判断レイヤーg0の作成手順をより
詳しく述べると、判断レイヤーg0の各マス目のデータ
値は、検査レイヤーg1の、そのマス目に対応するマス
目のデータ値と、警戒レイヤーg2の対応するマス目の
データ値との論理積として与えられる。例えば、判断レ
イヤーg0のマス目h5には、検査レイヤーg1におけ
るマス目h5と同じ位置のマス目h3のデータ値1と、
警戒レイヤーg2のマス目h4のデータ値0との論理積
から0というデータ値が与えられることになる。このよ
うにして検査レイヤーg1及び警戒レイヤーg2の対応
するマス目の論理積として与えられるデータ値を有する
判断レイヤーg0が作成される。
【0036】警戒判断部40は、このようにして作成し
た判断レイヤーg0に基づいて警戒するか否かを判断す
るが、管理基準比較部20から管理基準を外れた数値デ
ータを有する管理項目の存在を示す信号を受け取った場
合に限り、判断レイヤーg0を判断の基礎とせずに、自
動的に「警戒する」という判断を下す。管理基準部20
から上述したような信号を受け取っていない場合には、
判断レイヤーg0を基礎として警戒するか否かを判断す
る。具体的には、判断レイヤーg0のマス目の総数に対
する、データ値1を有するマス目の個数の割合が予め設
定された割合以上であれば「警戒する」と判断する。こ
のような「判断」動作は、最大、作成された全ての判断
レイヤーの数と同じ回数繰り返されるが、繰り返しの途
中でいずれか1つの判断レイヤーについて「警戒する」
と判断されれば、その時点で「判断」動作の繰り返しは
終了する。
【0037】警戒判断部40が「警戒する」と判断する
と、図1に示すモニタEに対してそれを伝える信号が出
力され、モニタEに警戒のメッセージが表示される。ま
た、同時に、「警戒する」と判断されたときの検査レイ
ヤーg1が警戒データとして警戒データ履歴ファイルe
に記録される。
【0038】図7に、警戒データ履歴ファイルeの構成
の一例を示す。図7の警戒データ履歴ファイルeは2進
数表示データ領域e0と警戒目録領域e1の2つの領域
に分けられている。2進数データ領域e0は、全警戒デ
ータ領域に対してユニークな警戒データ領域番号が格納
されている警戒データ番号フィールドe2と、その領域
における2進数表示データが格納される2進数表示デー
タフィールドe3で構成されている。2進数表示データ
フィールドe3に、警戒判断部40から送られてくる
「警戒する」という判断を下された検査レイヤーg1が
記録されることになる。警戒目録領域e1は、同じく警
戒データ番号フィールドe2と、図3に示す耐電圧、耐
電流などの管理項目のうち、どの管理項目が警戒すべき
項目であるかを格納する警戒項目フィールドe4で構成
されている。このように、警戒データ履歴ファイルeに
は、予測動作を繰り返すにつれて、「警戒する」と判断
されたときの検査レイヤーが警戒を必要とする管理項目
名とともに全て記録され、蓄積されていく。このため、
ある1つの管理項目の数値データの動きから他の管理項
目の数値データの動きをも予測して、装置が警戒を必要
とする状態か否かを判断することが可能となる。
【0039】また、本実施例では、グラフ表示レイヤー
において、測定器Cに関する管理項目のトレンドグラフ
が描かれる範囲と、測定器Dに関する管理項目のトレン
ドグラフとが描かれる範囲とが重なっている場合を例と
して各レイヤーの作成手順を説明した。しかし、検査レ
イヤーを、全ての管理項目に関する2進数表示レイヤー
の論理和を計算することにより作成しているため、トレ
ンドグラフが描かれる範囲が重なっている場合には、装
置が警戒を必要とする状態ではなくても「警戒する」と
判断される可能性がある。
【0040】このような可能性を減らすためには、トレ
ンドグラフが描かれる範囲が全く重ならないようにする
ことが有効である。例えば、管理項目が2種類である場
合には、1つの管理項目のトレンドグラフを、その管理
項目のグラフ表示レイヤーの上半分に表示し、もう1つ
の管理項目のトレンドグラフを、グラフ表示レイヤーの
下半分に表示すれば、データ値1を有するマス目が上半
分にのみ存在する2進数表示レイヤーと、下半分にのみ
存在する2進数表示レイヤーとが得られることになる。
従って、これらの2進数表示レイヤーから作成される1
枚の検査レイヤーは、2つの管理項目に関するトレンド
グラフを同一の2進数表示レイヤー上に投影したのと同
じレイヤーとなる。故に、警戒データ履歴ファイルeに
は、他の管理項目の数値データの影響を受けない数値デ
ータに相当するデータがそのまま記録されることにな
り、より精度の高い予測を行うことが可能となる。
【0041】なお、本実施例では管理項目が2種類であ
る場合を例として説明したが、3種類以上の管理項目に
ついても、同様の効果を得ることができる。また、管理
データは数値データだけでなく数値データの変動値も管
理し、管理基準データファイルには変動値の管理基準デ
ータを、警戒データ履歴ファイルに変動値の警戒データ
を加えることにより、さらに高精度な予測制御装置を実
現することができる。
【0042】また、データ変換部30において、1週間
分の数値データからトレンドグラフをグラフ表示レイヤ
ーに描いたが、トレンドグラフを描く範囲は1週間には
限られず、例えば1日、一カ月でも同様の効果を得るこ
とができる。2進数表示レイヤーを作成する場合におい
て、データの変動の幅をグラフの線幅にしたトレンドグ
ラフでの2進数表示レイヤーを作成しても同様の効果を
得ることができる。さらに、警戒判断部40が「警戒す
る」と判断したときに、各測定器からの数値データ自体
も二次記憶装置Bに記録し、保存しておけば、制御対象
である装置において異常が発生する場合の原因究明の支
援となる。
【0043】さらに、本実施例では、管理基準比較部2
0によってデータ検出部10からの数値データが管理基
準から外れていると判断された場合、警戒判断部40は
管理基準比較部20からの信号に応じて自動的に「警戒
する」と判断するが、必ずしも管理基準比較部20と警
戒判断部40とを接続しなくてもよく、その場合でも、
本実施例で述べた効果と同様の効果が得られるのはもち
ろんである。
【0044】(第2の実施例)図8は、本発明による予
測制御装置の第2の実施例の構成を示す。この予測制御
装置は、データ検出手段であるパターン抽出部3と、記
憶手段である格納部7と、類似度算出手段及び予測手段
である類似度算出部4とを有している。
【0045】本発明による予測制御装置の制御対象とな
り得る半導体製造装置としては、例えば、ドライエッチ
ング装置、CVD装置、電気炉、洗浄装置がある。半導
体製造装置の状態を管理するために使用されるパラメー
タの例を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】次に、予測制御装置100の動作を説明す
る。測定器2は、予測制御装置100に接続されてい
る。以下、半導体製造装置1は、ウェハを処理する装置
であると仮定し、半導体製造装置1の状態を示すパラメ
ータは、半導体製造装置1による処理中にウェハに付着
したダストの個数であると仮定する。
【0048】半導体製造装置1による処理中にウェハに
付着したダストの個数は、例えば、以下のようにして測
定される。最初に、半導体製造装置1による処理前のウ
ェハに付着したダストの個数NBが、レーザ表面検査装
置を用いてウェハ表面を走査することにより、測定され
る。次に、半導体製造装置1による処理後のウェハに付
着したダストの個数NAが、レーザ表面検査装置を用い
てウェハ表面を走査することにより、測定される。半導
体製造装置1による処理中にウェハに付着したダストの
個数は、NAからNBを減算することにより求められる。
【0049】測定器2は、半導体製造装置1による処理
中にウェハに付着したダストの個数と、半導体製造装置
1によって処理されたウェハの枚数とを不定期に測定す
る。例えば、第1回目の測定は基準日から1日後に行わ
れ、第2回目の測定は基準日から5日後に行われ、第3
回目の測定は基準日から7日後に行われる。基準日は、
例えば、前回、半導体製造装置1のメインテナンスが行
われた日である。半導体製造装置1によって処理された
ウェハの枚数としては、基準日以降に処理されたウエハ
の枚数がカウントされる。半導体製造装置1による処理
中にウェハに付着したダストの個数と、半導体製造装置
1によって処理されたウェハの枚数とが、予測制御装置
100のパターン抽出部3に送られる。
【0050】パターン抽出部3は、半導体製造装置1に
よる処理中にウェハに付着したダストの個数と、半導体
製造装置1によって処理されたウェハの枚数とを受け取
り、そのダストの個数とそのウェハの枚数とを格納部7
に格納する。
【0051】格納部7は、図9に示すように、ダストの
個数を格納するためのフィールド91と半導体製造装置
1によって処理されたウェハの枚数を格納するためのフ
ィールド92を有している。測定器2によって測定され
たダストの個数は、逐次、フィールド92に格納され
る。測定器2によって測定されたウェハの枚数は、逐
次、フィールド91に格納される。例えば、図9の列9
3は、時刻T1に測定されたダストの数が60個であ
り、基準時T0から時刻T1までに半導体製造装置1によ
って処理されたウェハの枚数が1枚であることを示し、
図9の列94は、時刻T2に測定されたダストの数が6
2個であり、基準時T0から時刻T2までに半導体製造装
置1によって処理されたウェハの枚数が100枚である
ことをを示す。基準時T0は、半導体製造装置100の
メンテナンスが行われた日である。半導体製造装置10
0のメンテナンスもまた、不定期に行われるのが通常で
ある。
【0052】格納部7に格納されるダストの個数とウェ
ハの枚数とは、半導体製造装置100のメンテナンスが
行われた日を基準として、図9に示すように、複数のグ
ループG0〜にGnに分類される。グループG0には、前
回のメンテナンスが行われた日から現在に至るまでの期
間に測定されたダストの個数とウェハの枚数とが含まれ
る。グループG1には、前々回のメンテナンスが行われ
た日から前回のメンテナンスが行われた日までの期間に
測定されたダストの個数とウェハの枚数とが含まれる。
同様にして、グループGkには、(k+1)回前のメン
テナンスが行われた日からk回前のメンテナンスが行わ
れた日までの期間に測定されたダストの個数とウェハの
枚数とが含まれる。ここで、k=1、2、...、nで
ある。
【0053】図10(a)〜図10(c)は、グループ
0〜Gnのうち、グループG0、G1及びGnについて、
格納部7に格納されたダストの個数とウェハの枚数との
関係をトレンドグラフの形式で示したものである。以
下、グループG0〜Gnに対応するトレンドグラフをそれ
ぞれトレンドグラフA0〜Anという。トレンドグラフの
横軸(X軸)は、メンテナンスが行われた日を基準とし
て、半導体製造装置1によって処理されたウェハの枚数
を示す。半導体製造装置1によって処理されたウェハの
枚数は、メンテナンスが行われると、0にリセットされ
る。トレンドグラフの縦軸(Y軸)は、ダストの個数を
示す。
【0054】図10(a)において、N0は、前回のメ
ンテナンスが行われた日から現在に至るまでに半導体製
造装置1によって処理されたウェハの枚数を示す。図1
0(b)において、N1は、グループG1に含まれるウェ
ハの枚数のうち、N0に最も近いウェハの枚数を示す。
図10(c)において、Nnは、グループGnに含まれる
ウェハの枚数のうち、N0に最も近いウェハの枚数を示
す。同様にして、グループGkに含まれるウェハの枚数
のうち、N0に最も近いウェハの枚数をNkであると定義
する。ここで、k=1、2、...、nである。上述の
ようにNkを定義する理由は、ダストの個数とウェハの
枚数の測定は不定期に行われるので、グループG0にお
けるウェハの枚数N0と同一のウェハの枚数がグループ
1〜Gnに存在するとは限らないからである。
【0055】パターン抽出部3は、格納部7に格納され
るトレンドグラフA0〜Anを読み出し、トレンドグラフ
0〜Anのそれぞれからパターンを抽出する。
【0056】以下、図11を参照して、トレンドグラフ
0〜Anのそれぞれからパターンを抽出するための処理
を説明する。この処理は、パターン抽出部3によって実
行される。
【0057】ステップS111では、トレンドグラフA
kに対して、連続する所定数個の領域が定義される。個
々で、所定数の領域のうちの一番最後の領域はNkを含
むように定義される。各領域の長さは、半導体製造装置
100の種類とウェハの枚数Nkとに依存する。例え
ば、その領域の数は3とされ、各領域の長さは半導体製
造装置100によって10日間で処理されるウェハの平
均的な枚数とされる。以下の説明では、その領域の数は
3であると仮定し、トレンドグラフAkに対応するそれ
らの領域をRk1、Rk2及びRk3と表す。
【0058】ステップS112では、トレンドグラフA
kの領域Rk1における近似直線Lk1と、トレンドグラフ
kの領域Rk2における近似直線Lk2と、トレンドグラ
フAkの領域Rk3における近似直線Lk3とがそれぞれ計
算される。近似直線Lk1、Lk2及びLk3は、例えば、最
小自乗法を用いて計算される。ここで、近似直線Lk1
k2及びLk3のそれぞれの傾きが算出される。
【0059】ステップS113では、領域Rk1における
最大のウェハの枚数と同一のX座標を有する点であって
近似直線Lk1上にある点pk1と、領域Rk2における最大
のウェハの枚数と同一のX座標を有する点であって近似
直線Lk2上の点pk2と、領域Rk3における最大のウェハ
の枚数と同一のX座標を有する点であって近似直線L k3
上の点pk3とが得られる。同時に点pk1、pk2及びpk3
の3点のY座標も計算される。点pk1〜点pk3のX座標
は処理されたウェハの枚数を表し、点pk1〜点pk3のY
座標はダストの個数を表す。本明細書では、「パター
ン」とは、トレンドグラフAkに基づいて、上述のよう
にして計算される9つの値の組Pk(点pk1のX座標,
点pk1のY座標,近似直線Lk1の傾き,点pk2のX座
標,点pk2のY座標,近似直線Lk2の傾き,点pk3のX
座標,点pk3のY座標,近似直線Lk3の傾き)をいうと
定義する。
【0060】ステップS114では、すべてのk=0、
2、...nに対して、トレンドグラフAkからパター
ンが抽出されたか否かを判定する。すべてのk=0、
2、...nに対して、トレンドグラフAkからパター
ンが抽出されるまで、ステップS111からステップS
115までが繰り返される。
【0061】このようにして、トレンドグラフA0〜An
からパターンP0〜Pnがパターン抽出部3によってそれ
ぞれ抽出される。抽出されたパターンP0〜Pnは、類似
度算出部4に送られる。
【0062】図12(a)は、トレンドグラフA0から
パターン抽出部3によって抽出されたパターンの例を示
す。図12(b)は、トレンドグラフA1からパターン
抽出部3によって抽出されたパターンの例を示す。
【0063】類似度算出部4は、パターンP0〜Pnに基
づいて、トレンドグラフA0に対するトレンドグラフA1
〜Anの類似度S1〜Snをそれぞれ計算する。類似度と
は、2つのトレンドグラフがどの程度類似しているかを
示す度合いをいう。
【0064】以下、図13を参照して、類似度S1〜Sn
を計算するための処理を説明する。この処理は、類似度
算出部4によって実行される。この処理のポイントは、
現在のトレンドグラフA0と過去のトレンドグラフとの
類似度を計算する際に、処理されたウェハの枚数に関す
る類似度を考慮している点である。処理されたウェハの
枚数に関する類似度は、後述するように、ダストの個数
に関する類似度と近似直線の傾きに関する類似度とに対
して重みの役割を果たす。
【0065】ステップS131では、処理されたウェハ
の枚数に関する類似度(ak1,ak2,ak3)が計算され
る。類似度ak1は、トレンドグラフA0における点p01
のX座標とトレンドグラフAkにおける点pk1のX座標
との類似度を表す。類似度ak 2は、トレンドグラフA0
における点p02のX座標とトレンドグラフAkにおける
点pk2のX座標との類似度を表す。類似度ak3は、トレ
ンドグラフA0における点p03のX座標とトレンドグラ
フAkにおける点pk3のX座標との類似度を表す。
【0066】次に、類似度関数を用いて、基準パラメー
タと比較パラメータとの類似度を計算する方法を説明す
る。図14は、類似度関数の一例を示す。横軸(X軸)
はパラメータの値を表し、縦軸(Y軸)は類似度を表
す。類似度関数の値(類似度)は、基準値x0で最大と
なる。dは類似度が0.5となる比較パラメータの値の
差に相当する定数である。dは比較パラメータの種類に
応じて予め決定される。基準パラメータの値を基準値x
0に一致させた場合の比較パラメータの値xsがX軸上に
プロットされる。比較パラメータの値xsに対応する三
角関数の値sが、基準パラメータと比較パラメータとの
類似度である。
【0067】類似度関数の形状は、図14に示されるも
のには限られない。一般に、以下の要件(1)〜(2)
を満たす関数y=f(x)は、類似度関数として使用さ
れ得る。ここで、x0はf(x)が最大となるときのx
の値である。
【0068】(1)x<x0の範囲を所定の間隔で分割
することによって得られる区間をxiと表す。xが減少
するにつれて、各区間xiの最大値f(xi)は単調減少
する。
【0069】(2)x≧x0の範囲を所定の間隔で分割
することによって得られる区間をxiと表す。xが増加
するにつれて、各区間xiの最大値f(xi)は単調減少
する。
【0070】類似度関数として、特に好ましい関数y=
f(x)の形状、用途、効果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】類似度ak1は、トレンドグラフA0におけ
る点p01のX座標を基準パラメータとし、トレンドグラ
フAkにおける点pk1のX座標を比較パラメータとする
ことにより、類似度関数を用いて計算される。類似度a
k2は、トレンドグラフA0における点p02のX座標を基
準パラメータとし、トレンドグラフAkにおける点pk 2
のX座標を比較パラメータとすることにより、類似度関
数を用いて計算される。類似度ak3は、トレンドグラフ
0における点p03のX座標を基準パラメータとし、ト
レンドグラフAkにおける点pk3のX座標を比較パラメ
ータとすることにより、類似度関数を用いて計算され
る。ここで、dは、半導体製造装置1によって2日あた
りに処理されるウェハの枚数の平均値にほぼ等しくなる
ように設定される。
【0073】ステップS132では、ダストの個数に関
する類似度(ek1,ek2,ek3)が計算される。類似度
k1は、トレンドグラフA0における点p01のY座標と
トレンドグラフAkにおける点pk1のY座標との類似度
を表す。類似度ek2は、トレンドグラフA0における点
02のY座標とトレンドグラフAkにおける点pk2のY
座標との類似度を表す。類似度ek3は、トレンドグラフ
0における点p03のY座標とトレンドグラフAkにおけ
る点pk3のY座標との類似度を表す。
【0074】類似度ek1、ek2及びek3は、ステップS
131と同様にして、点p01、点p 02及び点p03のY座
標をそれぞれ基準パラメータとし、点pk1、点pk2及び
点p k3のY座標をそれぞれ比較パラメータとすることに
より、類似度関数を用いて計算される。ここで、dは、
ダストの個数の標準偏差にほぼ等しくなるように設定さ
れる。
【0075】ステップS133では、近似直線の傾きに
関する類似度(fk1,fk2,fk3)が計算される。類似
度fk1は、近似直線L01の傾きと近似直線Lk1の傾きと
の類似度を表す。類似度ek2は、近似直線L02の傾きと
近似直線Lk2の傾きとの類似度を表す。類似度ek3は、
近似直線L03の傾きと近似直線Lk3の傾きとの類似度を
表す。
【0076】類似度fk1、fk2及びfk3は、ステップS
131と同様にして、近似直線L01、近似直線L02及び
近似直線L03の傾きをそれぞれ基準パラメータとし、近
似直線Lk1、近似直線Lk2及び近似直線Lk3の傾きをそ
れぞれ比較パラメータとすることにより、類似度関数を
用いて計算される。ここで、dは、比較パラメータであ
る近似直線の傾きが基準パラメータである近似直線の傾
きに対して、−45度から+45度の範囲に対応するよ
うに設定される。
【0077】ステップS134では、処理されたウェハ
の枚数に関する類似度(ak1,ak2,ak3)と、ダスト
の個数に関する類似度(ek1,ek2,ek3)と、近似直
線の傾きに関する類似度(fk1,fk2,fk3)とに基づ
いて、トレンドグラフA0とトレンドグラフAkとの類似
度Skが(式1)に従って計算される。
【0078】 Sk=ak1・ek1・fk1+ak2・ek2・fk2+ak3・ek3・fk3 (式1) ここで、右辺第1項は領域R01と領域Rk1との類似度を
表し、右辺第2項は領域R02と領域Rk2との類似度を表
し、右辺第3項は領域R03と領域Rk3との類似度を表し
ているということもできる。また、処理されたウェハの
枚数に関する類似度(ak1,ak2,ak3)は、ダストの
個数に関する類似度(ek1,ek2,ek3)と近似直線の
傾きに関する類似度(fk1,fk2,fk3)とに対して重
みの役割を果たしていることが分かる。
【0079】ステップS135では、すべてのk=1、
2、...nに対して、類似度Skが計算されたか否か
を判定する。すべてのk=1、2、...nに対して、
類似度Skが計算されるまで、ステップS131からス
テップS134までが繰り返される。
【0080】このようにして、トレンドグラフA0に対
するトレンドグラフA1〜Anの類似度S1〜Snが類似度
算出部4によってそれぞれ計算される。計算された類似
度S 1〜Snは、評価部5に送られる。
【0081】評価部5は、類似度S1〜Snに基づいて、
ダストの個数の予測値を計算する。評価部5は、実際に
測定されたダストの個数とそのダストの個数の予測値と
に基づいて、そのダストの個数の予測値が適切であった
か否かを評価する。さらに、評価部5は、そのダストの
個数の予測値が不適切であると判断した場合には、その
ダストの個数の予測値を計算するために使用された過去
の測定データの使用を禁止する。このようにして、不適
切な予測値を生じる原因となる過去の測定データの使用
が排除される。これにより、予測値の精度を徐々に高め
ることが可能となる。
【0082】以下、評価部5によって実行される処理を
説明する。評価部5によって実行される処理は、ダスト
の個数の予測値を計算するための処理とダストの個数の
予測値を評価するための処理とを含んでいる。
【0083】図15は、ダストの個数の予測値を計算す
るための処理の手順を示す。ステップS151では、類
似度S1〜Snのうち「利用可能な」類似度において最大
の類似度Sjが選択される。類似度Sjが選択されたこと
は、「利用可能な」トレンドグラフのうち、トレンドグ
ラフA0に最も類似しているものはトレンドグラフAj
あると決定されたことを意味する。ここで、「利用可能
な」トレンドグラフとは、過去のトレンドグラフA1
nのうち、後述される図18のステップS183で使
用が禁止されていないトレンドグラフをいう。また、
「利用可能な」類似度とは、「利用可能な」トレンドグ
ラフに基づいて計算された類似度をいう。例えば、類似
度S1〜Snのうち類似度S3が最大であり、かつ、トレ
ンドグラフA3の使用が禁止されていると仮定する。こ
の場合、類似度S3は選択されない。なぜなら、類似度
3の計算の基礎となるトレンドグラフA3の使用が禁止
されているからである。類似度S3の代わりに、類似度
3の次に大きい類似度が選択される。
【0084】ステップS152では、ステップS151
で選択された類似度が格納部7に格納される。格納部7
に格納された類似度は、後述される図18のステップS
181でダストの個数の予測値を評価するために使用さ
れる。
【0085】ステップS153では、ステップS151
で選択された類似度に基づいて、予測直線L00が計算さ
れる。例えば、ステップS151で類似度S1が選択さ
れたと仮定する。この場合、図16(b)に示されるよ
うに、領域R10が領域R11に連続するように定義され、
トレンドグラフA1の領域R10における近似直線L10
計算される。トレンドグラフA1の領域R10における近
似直線L10は、図11のS112と同様にして、計算さ
れる。ただし、領域10における測定データの数が近似直
線L10を計算するのに十分ではない場合には、領域10
領域10に隣接する領域R11とが重なるように領域10の位
置がシフトされる。最小自乗法を用いて近似直線L10
計算するためには、少なくとも5個の測定データが領域
10に含まれていることが好ましい。現在のトレンドグラ
フA0に最も類似している過去のトレンドグラフに基づ
いて計算された近似直線L10は、図16(a)に示され
るように、現在のトレンドグラフA0における今後の推
移を示す予測直線L00として使用される。
【0086】ステップS154では、現在のトレンドグ
ラフA0の予測直線L00に従って、今後数日間のダスト
の個数の予測値が計算される。例えば、半導体製造装置
100によって1日あたり処理されるウェハの枚数の平
均値がHであると仮定する。この場合、現在から1日後
までに処理されるであろうと予想されるウェハの枚数は
0+Hである。同様にして、現在からk日後までに処
理されるであろうと予想されるウェハの枚数はN0+k
・Hである。k=1、2、...、7に対して、N0
k・Hに対応する予測直線L00上の7点のY座標を計算
することにより、今後7日間のダストの個数の予測値D
1、D2、D3、D4、D5、D6及びD7が得られる。ただ
し、kの最大値は7には限られない。
【0087】ステップS155では、ダストの個数の予
測値D1〜D7が格納部7に格納される。格納部7に格納
されたダストの個数の予測値D1〜D7は、後述される図
18のステップS181でダストの個数の予測値を評価
するために使用される。現在から7日後までに処理され
るであろうと予想されるウェハの枚数(N0+k・H)
とダストの個数の予測値Dk(k=1、2、...、
7)とは、制御部6に送られる。
【0088】図17は、本発明の予測制御装置100に
よる予測結果の例を示す。横軸(X軸)は、前回のメン
テナンス日からドライエッチング装置によって処理され
たウェハの枚数を示す。縦軸(Y軸)は、ドライエッチ
ング装置による処理中にウェハに付着した異物の個数を
示す。黒丸を結んだ折れ線は、現在の測定データを示
す。黒三角を結んだ折れ線は、現在の測定データに最も
類似する過去の測定データを示す。予測値は、黒四角を
結んだ直線で示される。
【0089】処理されたウェハの枚数が731枚の時点
で予測された予測値と実測値とを比較したところ、実際
に処理されたウェハの枚数が800枚の時点で予測誤差
は3%であった。また、処理されたウェハの枚数が80
0枚の時点で予測された予測値と実測値とを比較したと
ころ、実際に処理されたウェハの枚数が861枚の時点
で予測誤差は5%であった。
【0090】予測誤差は、(式2)に従って計算され
る。 予測誤差=|予測値−実測値|/(管理上限値−管理下限値) (式2) ここで、管理上限値とはドライエッチング装置のダスト
管理において許容し得る最大のダストの個数であり、管
理下限値は0個である。
【0091】図18は、ダストの個数の予測値を評価す
るための処理の手順を示す。ステップS181では、ダ
ストの個数の予測値が評価される。その評価は、(式
3)及び(式4)に従って行われる。
【0092】 Ev=|(D0−D)/D0| (式3) Eth=−loge(E/E0) (式4) ここで、D0は実際に測定されたダストの個数、Dはダ
ストの個数の予測値、E0は現在のトレンドグラフA0
過去のトレンドグラフA1〜Anのうちのいずれかとの類
似度が完全に一致した場合の類似度(定数)、EはDを
計算する際に使用した利用可能な類似度のうちの最大の
類似度をそれぞれ示す。
【0093】ステップS182では、(式3)の左辺E
Vの値が(式4)の左辺Ethの値より大きいか否かが判
定される。(式3)の左辺EVの値が(式4)の左辺E
thの値より大きい場合は、ダストの個数の予測値Dは不
適切であったと判断される。(式3)及び(式4)は、
現在のトレンドグラフA0と選択された過去のトレンド
グラフとの類似度が高いにもかかわらず、実際に測定さ
れたダストの個数D0とダストの個数の予測値Dとの差
が大きい場合には、ダストの個数の予測値Dは不適切で
あったと判断されるように設計されている。(式3)の
左辺EVの値が(式4)の左辺Ethの値より大きい場合
には、処理はステップS183に進む。(式3)の左辺
Vの値が(式4)の左辺Ethの値以下である場合に
は、処理は終了する。
【0094】ステップS183では、ダストの個数の予
測値Dの計算の基礎となった過去のトレンドグラフの使
用が禁止される。過去のトレンドグラフの使用の禁止
は、例えば、図19に示すように、各トレンドグラフの
使用の可否を示すフラグを格納するフラグ領域191を
格納部7に設け、格納部7からトレンドグラフを読み出
す前にそのフラグ領域191の内容を参照することによ
り達成される。フラグ領域191に「1」が格納されて
いる場合にはトレンドグラフの使用が禁止され、フラグ
領域191に「0」が格納されている場合にはトレンド
グラフの使用が許可される。フラグ領域191の初期値
は「0」に設定される。あるいは、ダストの個数の予測
値Dが不適切であったと判断された回数をフラグ領域1
91に格納するようにしてもよい。これにより、その回
数が所定の回数に達した場合にのみ、そのダストの個数
の予測値Dの計算の基礎となった過去のトレンドグラフ
の使用を禁止することが可能となる。
【0095】それの使用が禁止されたトレンドグラフ
(すなわち、「利用可能でない」トレンドグラフ)から
パターンを抽出する必要はない。なぜなら、「利用可能
でない」トレンドグラフから抽出されたパターンに基づ
いて、ダストの個数の予測値が計算されることはないか
らである。従って、パターン抽出部3は、パターンの抽
出に先だって格納部7に格納されているフラグ領域19
1を参照することにより、それの使用が禁止されていな
いトレンドグラフ(すなわち「利用可能な」トレンドグ
ラフ)からのみパターンを抽出するようにしてもよい。
これにより、無駄なパターンを抽出することがなくなる
ので、パターン抽出部3における処理効率が向上する。
【0096】同様に、それの使用が禁止されたトレンド
グラフ(すなわち、「利用可能でない」トレンドグラ
フ)と現在のトレンドグラフとの類似度を計算する必要
はない。なぜなら、「利用可能でない」トレンドグラフ
と現在のトレンドグラフとの類似度に基づいて、ダスト
の個数の予測値が計算されることはないからである。従
って、類似度算出部4は、類似度の計算に先だって格納
部7に格納されているフラグ領域191を参照すること
により、それの使用が禁止されていないトレンドグラフ
(すなわち「利用可能な」トレンドグラフ)のみと現在
のトレンドグラフとの類似度を計算するようにしてもよ
い。これにより、無駄な類似度を計算することがなくな
るので、類似度算出部4における処理効率が向上する。
【0097】制御部6は、ダストの個数の予測値に基づ
いて、半導体製造装置1を制御する。ダストの個数の3
日後の予測値が所定の基準値を越える場合には、制御部
6は、「半導体製造装置1の動作を2日以内に停止せ
よ」という命令を半導体製造装置1に送る。これによ
り、ダストの個数が基準値を越えることを事前に回避す
ることができる。ダストの個数の予測値が所定の基準値
を越える場合には、制御部6は、警戒情報をコンソール
に表示してもよい。これにより、ダストの個数が基準値
を越える前に、オペレータが適切な措置を講ずることが
可能となる。
【0098】半導体製造装置1には、スケジューラが接
続されている場合がある。スケジューラは、どのロット
を、いつ、どの装置を用いて処理するかを計画し、その
計画に基づいて半導体製造装置1を制御するシステムで
ある。この場合、制御部6は、半導体製造装置1に接続
されるスケジューラに予測値を送るようにしてもよい。
例えば、制御部6は、現在から7日後までに処理される
であろうと予想されるウェハの枚数とダストの個数の予
測値とをスケジューラに送る。スケジューラは、この予
測結果に基づいてロット処理の計画を立てる。例えば、
ダストの個数の3日後の予測値が所定の基準値を越える
場合には、スケジューラは、短期間に処理を完了させな
ければならないロットを優先的に処理するようにロット
処理の計画を変更し、半導体製造装置1の動作を2日以
内に停止させる。
【0099】上述したように、本発明の第2の実施例の
予測制御装置は、過去の測定データに基づいて、半導体
製造装置100の状態を示すパラメータの予測値を計算
することができる。この予測値は、そのパラメータを不
定期に測定する場合であっても計算され得る。予測値に
基づいて、半導体製造装置100を制御することによ
り、半導体製造装置100の異常な動作を事前に回避す
ることができる。また、評価部5は、予測値が適切であ
ったか否かを評価する。予測値が不適切であったと評価
された場合に、その予測値の計算の基礎となった過去の
測定データの使用を禁止することにより、予測値の精度
を高めることができる。
【0100】なお、本実施例では、時間の流れを示すデ
ータとして処理されたウェハの枚数を使用した。しか
し、処理されたウェハの枚数の代わりに、時間そのもの
をパラメータとして使用してもよい。また、時間の経過
につれて単調減少又は単調増加するパラメータであれ
ば、ウエハの枚数の代わりに使用することができる。こ
の場合でも上述した効果と同様の効果を得ることができ
る。
【0101】また、本発明は、半導体製造装置以外の装
置であって、その装置の状態を示すパラメータを不定期
に測定する装置の予測制御にも適用され得る。
【0102】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、半導体
製造装置等の装置を制御する際に必要なパラメータの予
測制御において、過去と現在のパラメータの変動パター
ンを比較し、過去と現在のパラメータの変動パターンの
類似度を特定の関数を用いて評価することにより、近い
未来のパラメータの値を予測することができる。これに
より、異常事態の発生を事前に警告したり、回避したり
することが可能となる。本発明による予測制御は、物理
的な特性が解明されていないパラメータであって、不定
期的に測定されるパラメータに対しても適用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による予測制御装置の第1の実施例の構
成を示す機能ブロック図
【図2】データ記録ファイルの構成を示す図
【図3】管理基準データファイルの構成を示す図
【図4】数値データの2進数表示データへの変換を説明
する図
【図5】グラフ表示レイヤーを示す図
【図6】検査レイヤーと警戒レイヤーと判断レイヤーと
の関係を示す図
【図7】警戒データ履歴ファイルの構成を示す図
【図8】本発明による予測制御装置の第2の実施例の構
成を示す機能ブロック図
【図9】格納部7に格納される測定データの構成を示す
【図10】トレンドグラフA0〜Anの例を示す図
【図11】トレンドグラフA0〜Anのそれぞれからパタ
ーンを抽出するための処理の流れを示すフローチャート
【図12】トレンドグラフA0から抽出されたパターン
の例を示す図、およびトレンドグラフA1から抽出され
たパターンの例を示す図
【図13】類似度S1〜Snを計算するための処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図14】類似度関数の例を示す図
【図15】ダストの個数の予測値を計算するための処理
の流れを示すフローチャート
【図16】近似直線L10を用いて予測直線L00を得る方
法を説明する図
【図17】本発明の予測制御装置による予測結果の例を
示す図
【図18】ダストの個数の予測値を評価するための処理
の流れを示すフローチャート
【図19】各トレンドグラフの使用の可否を示すフラグ
を格納するフラグ領域を示す図
【図20】従来技術の予測制御システムの構成を示す機
能ブロック図
【符号の説明】
1 半導体製造装置 2 測定器 3 パターン抽出部 4 類似度算出部 5 評価部 6 制御部 7 格納部 10 データ検出部 20 管理基準比較部 30 データ変換部 40 警戒判断部 100 予測制御装置 A 制御部 B 二次記憶装置 C、D 測定器 E モニター a データ記憶ファイル b 管理基準データファイル e 警戒データ履歴ファイル c0、d0 2進数表示レイヤー c1、d1 グラフ表示レイヤー g0 判断レイヤー g1 検査レイヤー g2 警戒レイヤー

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象の状態を示す少なくとも1つのパ
    ラメータの値を不定期的に検出し、該検出された値を、
    記憶手段に記憶されている該パラメータの該値の履歴に
    加えるデータ検出工程と、 該記憶手段から全ての該パラメータの該履歴を読み出し
    て、読み出された該履歴の1つが所定の条件を満たすか
    否かを判断する工程であって、該所定の条件を満たす該
    履歴を警戒データとして該記憶手段に記憶させる予測工
    程と、 該予測工程における判断に応じて警戒信号を発生する工
    程と、を包含する予測制御方法。
  2. 【請求項2】予測工程は、パラメータの履歴に基づいて
    得られる、時間を軸の1つとするグラフをそれぞれ表示
    している、少なくとも1つの第1のレイヤーを作成する
    第1工程と、 該少なくとも1つの第1のレイヤーから少なくとも1つ
    の第2のレイヤーをそれぞれ作成する第2工程であっ
    て、該第2のレイヤーは、それぞれが1または0のデー
    タ値を有する複数のマス目に分割されており、該第1の
    レイヤーを該第2のレイヤーに投影したときに、該マス
    目のうちのグラフの一部が存在するマス目はデータ値1
    を、それ以外のマス目はデータ値0を有するように該マ
    ス目のそれぞれのデータ値を決定する第2工程と、 該少なくとも1つの第2のレイヤーから1つの第3のレ
    イヤーを作成する第3工程であって、該第3レイヤー
    は、それぞれが1または0のデータ値を有する複数のマ
    ス目に分割されており、該マス目のそれぞれのデータ値
    は、該第2のレイヤーの対応するマス目のデータ値の論
    理和として決定される第3工程と、 該第3レイヤーが、前記所定の条件を満たすか否かを判
    断する判断工程と、 該所定の条件を満たす該第3レイヤーを前記警戒データ
    として前記記憶手段に記憶する工程と、を包含する、請
    求項1に記載の予測制御方法。
  3. 【請求項3】判断工程は、 それぞれが0または1のデータ値を有する複数のマス目
    に分割されている第4のレイヤーを、前記第3レイヤー
    と警戒データとから作成する第4工程であって、該第4
    のレイヤーの該マス目のそれぞれのデータ値は、該第3
    のレイヤーの対応するマス目のデータ値と、該警戒デー
    タの対応するマス目のデータ値との論理積として決定さ
    れる第4工程と、 該第4レイヤーにおける、該マス目の個数に対する、デ
    ータ値1を有するマス目の個数の割合が所定の割合を超
    えたときに、該第3レイヤーが前記所定の条件を満たす
    と判断する第5工程と、を包含する、請求項2に記載の
    予測制御方法。
  4. 【請求項4】検出されたパラメータの前記値が、記憶手
    段に予め記憶されている該パラメータの基準範囲から外
    れているか否かを判断し、検出された該パラメータの該
    値が該基準範囲から外れているときに、該基準範囲から
    外れた値を有する該パラメータが存在することを示す信
    号を発生する工程をさらに包含する、請求項1、2、及
    び3のいずれか1つに記載の予測制御方法。
  5. 【請求項5】時間経過を示すパラメータを含む複数のパ
    ラメータの値を不定期的に複数回検出し、検出された該
    複数のパラメータの該値を1組の時系列データとして、
    記憶手段に記憶するデータ検出工程と、 該記憶手段に記憶されている時系列データのうちの、最
    新の時系列データを含む2組の時系列データの類似の度
    合いを、該2組の時系列データにおける該時間経過を示
    すパラメータの類似の度合いを重み付けとして用いて算
    出する類似度算出工程と、 該最新の時系列データとの該類似の度合いが最も高い時
    系列データを用いて、該複数のパラメータのうちの、該
    時間経過を示すパラメータ以外のパラメータの近い将来
    の値を予測する予測工程と、を包含する予測制御方法。
  6. 【請求項6】類似度算出工程は、2組の時系列データに
    おける時間経過を示すパラメータの差が大きいほど、該
    時間経過を示すパラメータの類似の度合いを小さくす
    る、請求項5に記載の予測制御方法。
  7. 【請求項7】類似度算出工程は、2組の時系列データに
    おける時間経過を示すパラメータの差と、該時間経過を
    示すパラメータの類似の度合いとの関数として、三角関
    数または正規分布関数を用いる、請求項6に記載の予測
    制御方法。
  8. 【請求項8】予測制御方法は、時間経過を示すパラメー
    タ以外のパラメータの、予測工程において前回予測され
    た値と、該パラメータの検出された値とを比較すること
    により、該予測工程において前回用いられた時系列デー
    タが、予測に適しているか否かを判断する評価工程をさ
    らに包含する、請求項5、6及び7のいずれか1つに記
    載の予測制御方法。
  9. 【請求項9】評価工程は、前回用いられた時系列データ
    が予測に適していないと判断されたときに、該前回用い
    られた時系列データの使用を禁止する工程を包含してい
    る、請求項8に記載の予測制御方法。
  10. 【請求項10】制御対象の状態を示す少なくとも1つの
    パラメータの値を不定期的に検出するデータ検出手段
    と、 該パラメータの該値の履歴を記憶するための記憶手段
    と、 該記憶手段から該パラメータの履歴を読み出して、読み
    出された該履歴の1つが所定の条件を満たしたときに、
    該パラメータの値は近い将来、基準範囲から外れると判
    断する予測手段であって、該基準範囲から外れると判断
    された該パラメータの該履歴を、警戒データとして該記
    憶手段に記憶させる該予測手段と、 該予測手段の判断に応じて警戒信号を発生する手段と、
    を備えている予測制御装置。
  11. 【請求項11】予測手段は、履歴をグラフィックデータ
    に変換するデータ変換手段と、該グラフィックデータと
    警戒データとを比較する警戒判断手段とを有しており、
    該警戒判断手段は、該グラフィックデータと該警戒デー
    タとを比較することにより該履歴が前記所定の条件を満
    たしているか否かを判断する、請求項10に記載の予測
    制御装置。
  12. 【請求項12】予測制御装置は、データ検出手段に接続
    された基準比較手段をさらに有しており、記憶手段には
    パラメータの値の基準範囲を示す基準データが記憶され
    ており、該基準比較手段は、該基準データと該データ検
    出手段によって検出された該パラメータの該値とを比較
    し、該値が該基準データとは異なるときには、警戒判断
    手段に対して、該基準データとは異なる値を有する該パ
    ラメータが存在することを示す信号を出力する、請求項
    11に記載の予測制御装置。
  13. 【請求項13】警戒判断手段は、グラフィックデータと
    警戒データとを比較し、一致する値の個数の、該グラフ
    ィックデータに含まれる値の個数に対する割合が所定の
    割合よりも大きいときに、該パラメータの該値が、近い
    将来、該基準範囲から外れると判断する、請求項11に
    記載の予測制御装置。
  14. 【請求項14】時間経過を示すパラメータを含む複数の
    パラメータの値を不定期的に複数回検出するデータ検出
    手段と、 該複数のパラメータの該値を記憶するための記憶手段で
    あって、所定期間における該値を1組の時系列データと
    して記憶する記憶手段と、 該記憶手段に記憶されている時系列データのうちの2組
    の時系列データの類似の度合いを、該2組の時系列デー
    タにおける該時間経過を示すパラメータの類似の度合い
    を重み付けとして用いて算出する類似度算出手段であっ
    て、該2組の時系列データのうちの1組は最新の時系列
    データである、類似度算出手段と、 該最新の時系列データとの該類似の度合いが最も高い時
    系列データを用いて、該複数のパラメータのうちの、該
    時間経過を示すパラメータ以外のパラメータの近い将来
    の値を予測する予測手段と、を備えている予測制御装
    置。
  15. 【請求項15】類似度算出手段は、2組の時系列データ
    における時間経過を示すパラメータの差が大きいほど、
    該時間経過を示すパラメータの類似の度合いを小さくす
    る、請求項14に記載の予測制御装置。
  16. 【請求項16】類似度算出手段は、2組の時系列データ
    における時間経過を示すパラメータの差と、該時間経過
    を示すパラメータの類似の度合いとの関数として、三角
    関数または正規分布関数を用いる、請求項15に記載の
    予測制御装置。
  17. 【請求項17】予測制御装置は、時間経過を示すパラメ
    ータ以外のパラメータの、予測手段によって前回予測さ
    れた値と、該パラメータの検出された値とを比較するこ
    とにより、該予測手段によって前回用いられた時系列デ
    ータが、予測に適しているか否かを判断する評価手段を
    さらに備えている、請求項14、15及び16のいずれ
    か1つに記載の予測制御装置。
  18. 【請求項18】評価手段は、前回用いられた時系列デー
    タが予測に適していないと判断されたときに、該前回用
    いられた時系列データの使用を禁止する、請求項17に
    記載の予測制御装置。
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