JPH08159962A - 雪の含水率の測定方法 - Google Patents

雪の含水率の測定方法

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JPH08159962A
JPH08159962A JP30109294A JP30109294A JPH08159962A JP H08159962 A JPH08159962 A JP H08159962A JP 30109294 A JP30109294 A JP 30109294A JP 30109294 A JP30109294 A JP 30109294A JP H08159962 A JPH08159962 A JP H08159962A
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ice
snow
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light
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JP30109294A
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Misao Kamidokoro
操 上所
Shiyuuji Tatsuzaki
修二 立崎
Atsushi Fukushi
厚 福士
Yusuke Nakano
裕介 中野
Katsuyoshi Abe
勝義 安部
Hiroshi Kubokawa
弘 窪川
Hiroshi Kogure
博 木榑
Masahiko Toyoshima
正彦 豊島
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Tohoku Electric Power Co Inc
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Tohoku Electric Power Co Inc
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒径や圧縮度に依存せず、簡易に測定ができ
る雪の含水率の測定方法を提供する。 【構成】 積雪、降雪等の雪の含水率を測定する方法に
おいて、氷と水とで吸収係数の等しい波長の光を雪に透
過させて第1の透過率を測定し、氷と水とで吸収係数の
異なる波長の光を雪に透過させて第2の透過率を測定
し、第1の透過率と第2の透過率とから雪中の氷対水の
存在比を推定し、この存在比から含水率を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雪の含水率を光学的に
測定する方法に係り、特に、粒径や圧縮度に依存せず、
簡易に測定ができる雪の含水率の測定方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】雪は氷と水との混合物である。氷は水の
一形態であるが、ここでは氷と水との区別が重要である
ので、単に水、水分と記す場合は液体のみを示す。雪に
含まれる水の比率(含水率)を知ることは、例えば、送
電線等の着雪を監視する際に利用できる。
【0003】雪の含水率を測定する従来の方法を説明す
る。この従来技術は、主に、下記の文献によるものであ
る。
【0004】題名;「雪の含水率と粒径の赤外線測定」 著者;ラマスニエミ・ヒバリネン、フィンランド技術研
究センター電気研究所 記載誌;オプティカルエンジニアリング vol26
(4).1987.4 従来の方法は、赤外線を照射してその反射光を測定する
ことに特徴があり、非接触かつ迅速に測定できることを
利点としている。使用される赤外線の波長λは1000
nm≦λ≦1400nmである。この理由は第1に、こ
の範囲の波長の光は雪での反射率が高く測定に十分な光
量が得られること、第2に氷と水との吸収係数の差及び
波長に対する氷の変化が反射率に明確に効いてくること
である。
【0005】まず、含水率測定の基礎として、雪に光を
照射したときの反射率Rに対し次のような数学モデルを
考える。放射伝搬方程式のデルタ−エディントン近似解
から、半無限積雪層の半球状に積分した反射率Rは、式
(1)で与えられる。
【0006】 R=4・(B−P・A)/3・{1+(2/3)P} (1) ここで、係数B,P,Aの各値は、各々、W;単一の雪
粒子のアルベド(散乱効率)、G;単一の雪粒子の非対
称係数、のみで決まる係数値である。また、アルベド
W,非対称係数Gの各値は、Mie散乱理論による近似
式から、式(2)及び(3)で表される。
【0007】 W=0.5+0.5・exp(−0.84・Ke・D) (2) G=0.87・exp(−Ke・D) +0.97・{1−exp(−Ke・D)} (3) ただし、Keは湿雪での有効吸収係数、Dは雪粒子の粒
径である。さらにこの有効吸収係数Keは式(4)で定
義されている。
【0008】 Ke=(1−Ww)・Ki+Ww・Kw (4) ここで、Ki;氷の吸収係数 Kw;水の吸収係数 Ww;体積含水率 である。
【0009】次に、含水率算定アルゴリズムを説明す
る。
【0010】ここでは、2つの光の波長をペアとし、2
組のペアを使用する。それぞれのペアのうち1つの波長
は共通である。各光は赤外線であり、第1のペアは氷に
よる吸収係数が互いに等しく、かつ水による吸収係数が
互いに異なる。第2のペアは氷による吸収係数が互いに
等しく、かつ水による吸収係数も互いに等しい。
【0011】第1のペアとして、P1(1260nm,
1370nm)を用い、それぞれの光を雪に照射したと
きの反射率R(1260),R(1370)の比S2
求める。
【0012】 S2 =R(1260)/R(1370) (5) 式(5)に式(1)を代入して展開すると、比S2 は体
積含水率Ww及び粒径Dに依存することがわかる。
【0013】一方、第2のペアとして、P2(1030
nm,1260nm)を用い、それぞれの光を雪に照射
したときの反射率R(1030),R(1260)の比
1 を求める。
【0014】 S1 =R(1030)/R(1260) (6) 式(6)に式(1)を代入して展開すると、比S1 は体
積含水率Wwに対しては独立しており、粒径D及び圧縮
度C(後述する)に依存していることがわかる。
【0015】そこで、圧縮度Cは既知若しくは一定とし
て比S1 の測定値より粒径Dを求め、この粒径Dと比S
2 の測定値とより体積含水率Wwを求めることが可能に
なる。
【0016】実際には、上記数学モデルによる計算結果
から比S2 と体積含水率Wwとの間には式(7)の近似
式が成立する。
【0017】 S2 =k2 ・Ww+1 (7) ここで、k2 =f2 (S1 ) S1 =f1 (D,C) (8) また、関数f2 は同じく数学モデルによる計算結果から
式(9)で近似できる。
【0018】 k2 =f2 (S1 )=A+B・ln(S1 ) (9) 式(7),(9)より、体積含水率Wwは式(10)で
求められる。
【0019】 Ww=(S2 −1)/{A+B・ln(S1 )} (10)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には、以
下の欠点がある。
【0021】(1)反射率の比S1 に対する圧縮度Cの
影響について明確な数式が存在しないため、圧縮度Cの
影響を考慮した計測ができない。
【0022】(2)サンプルに使用する湿雪がほぼ同粒
径、同密度(粒径D=1mm、密度0.4g/cm3
に限られており、関数f2 の実験的裏付けに乏しい。
【0023】(3)含水率の計算方法が複雑である。
【0024】(4)数学モデルでは説明しなかったが、
実際に測定を行うには、光源光を雪のサンプルに照射
し、反射光を測定ヘッドで受光することになる。このと
き、光路の距離が変化すると、測定感度が変化しやす
く、測定が困難である。
【0025】このように従来技術で含水率を実際に測定
しようとすると、反射率比を測定するだけでは不十分
で、粒径、圧縮度、密度を測定して補正を行う必要があ
る。
【0026】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、粒径や圧縮度に依存せず、簡易に測定ができる雪の
含水率の測定方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、積雪、降雪等の雪の含水率を測定する方法
において、氷と水とで吸収係数の等しい波長の光を雪に
透過させて第1の透過率を測定し、氷と水とで吸収係数
の異なる波長の光を雪に透過させて第2の透過率を測定
し、第1の透過率と第2の透過率とから雪中の氷対水の
存在比を推定し、この存在比から含水率を求めるもので
ある。
【0028】また、積雪から採取した所定大の積雪サン
プルを透明容器に載せ、この透明容器の一側より氷と水
とで吸収係数の等しい第1の単色光と、氷と水とで吸収
係数の異なる第2の単色光とを切り替えてそれぞれ所定
強度で照射し、透明容器の反対側の光検出器でそれぞれ
の透過光の強度を検出し、第1の単色光による第1の透
過率T1 と第2の単色光による第2の透過率T2 とを計
算し、第1の透過率T1 から積雪サンプル中の氷及び水
の全質量を求め、この全質量が氷のみで占められると仮
定した場合の第2の単色光による推定透過率Tiと水の
みで占められると仮定した場合の第2の単色光による推
定透過率Twとを計算し、これら推定透過率Ti,Tw
と上記実際の第2の透過率T2 とから積雪サンプル中の
氷対水の存在比を求め、積雪サンプル中の氷及び水の全
質量と氷対水の存在比とから積雪サンプル中の水の質量
を計算すると共に積雪の含水率を求めるものである。
【0029】また、上部を開口させ起立させた測定筒に
降雪を通過させ、測定筒内に氷と水とで吸収係数の等し
い所定強度の第1の単色光を照射し、対応する光検出器
で透過光の強度を検出して第1の透過率を求めると共に
氷と水とで吸収係数の異なる第2の単色光を照射し、対
応する光検出器で透過光の強度を検出して第2の透過率
を求め、第1の透過率から降雪強度を計算し、第1の透
過率と第2の透過率とから氷対水の存在比を推定し、こ
の存在比から降雪の含水率を求めるものである。
【0030】
【作用】本発明の要点は、 1)氷と水とで吸収係数の等しい波長の光を雪に透過さ
せて第1の透過率を測定すること、 2)氷と水とで吸収係数の異なる波長の光を雪に透過さ
せて第2の透過率を測定すること、 3)第1の透過率と第2の透過率とから雪中の氷対水の
存在比を推定し、この存在比から含水率を求めること、 である。
【0031】これらを順に説明すると、まず、氷や水は
各々特定波長の光、特に近赤外線を吸収するそれぞれ固
有の吸収スペクトルを持っている。氷や水の単位量当た
りの吸収量、即ち吸収係数は波長毎に固有の値であるか
ら、ある量の氷や水に特定波長の光を一定量照射したと
きに吸収される光の量は決まっている。逆に、未知の量
の氷や水に特定波長の光を一定量照射したとき、その吸
収量から氷や水の量を知ることができる。即ち、吸収率
から氷や水の量を知ることができる。このとき吸収され
る以外の光が全て透過するとすれば、吸収量と透過量と
は相補的な関係にあり、透過率からも氷や水の量を知る
ことができる。氷又は水が単体で存在するときは、透過
率から一意的にそれぞれの量を知ることができる。
【0032】本発明の測定対象である雪は氷と水との混
合物であるから、光の吸収は氷と水との双方で起きる。
氷と水とで吸収係数の等しい波長の光の場合、氷と水と
は同一物と見なし、透過率から氷と水との全量(分子
量)を知ることができる。
【0033】氷と水との全量がわかっているとき、仮に
全量が氷のみからなると仮定すると、任意の波長におけ
る透過率を吸収係数から求めることができる。また、仮
に全量が水のみからなると仮定すると、任意の波長にお
ける透過率を吸収係数から求めることができる。実際に
は氷と水との混合物であるから、透過率は上記2つの透
過率の中間的な値になると考えられる。
【0034】氷と水とで吸収係数の異なる波長の光を雪
に透過させて第2の透過率を測定すると、その波長にお
ける氷のみの透過率と水のみの透過率との中間的な値に
なり、氷の比率が多ければ氷のみの透過率に、水の比率
が多ければ水のみの透過率に近い値となる。即ち、第2
の透過率が上記2つの透過率の中間のどの値になるか
は、氷対水の存在比に依存する。従って、第2の透過率
から氷対水の存在比が求められる。
【0035】このようにして第1の透過率と第2の透過
率とから雪中の氷対水の存在比を推定することができ
る。この存在比は分子量の比であり、氷と水とは同一分
子であるから重量比でもある。従って、存在比から直ち
に重量含水率が求まる。体積含水率は、全量と存在比と
からそれぞれの重量を計算し、それぞれの比重を用いて
それぞれの体積を計算し、全体積と水の体積との比より
求まる。
【0036】積雪の含水率を測定する場合、積雪から採
取した所定大の積雪サンプルを用いる。透過光を測定す
るために積雪サンプルは透明容器に収容される。氷と水
とで吸収係数の等しい波長の光と、氷と水とで吸収係数
の異なる波長の光とは、それぞれ単色光で与える。そし
て、同一積雪サンプルに等条件で照射するために、第
1、第2の単色光を透明容器の一側より切り替えて照射
し、透明容器の反対側の光検出器も同じとする。それぞ
れの透過光の強度を検出し、照射強度を基に第1の単色
光による第1の透過率T1 と第2の単色光による第2の
透過率T2 とを計算する。第1の透過率T1 から積雪サ
ンプル中の氷及び水の全質量を求め、この全質量が氷の
みで占められると仮定した場合の第2の単色光による推
定透過率Tiと水のみで占められると仮定した場合の第
2の単色光による推定透過率Twとを計算し、これら推
定透過率Ti,Twと上記実際の第2の透過率T2 とか
ら積雪サンプル中の氷対水の存在比を求める。積雪サン
プル中の氷及び水の全質量と氷対水の存在比とから積雪
サンプル中の水の質量を計算すると共に積雪の含水率を
求めることができる。
【0037】降雪の含水率を測定する場合、多数の降雪
片が空中を落下しているので、上部を開口させ起立させ
た測定筒を用い、この測定筒に降雪を通過させる。測定
筒に降雪を通過させると、測定筒内では降雪強度が一様
になる。この降雪強度はもちろん測定場所での普遍的な
降雪強度を表している。測定筒内に氷と水とで吸収係数
の等しい所定強度の第1の単色光を照射し、対応する光
検出器で透過光の強度を検出して第1の透過率を求め
る。また、氷と水とで吸収係数の異なる第2の単色光を
照射し、対応する光検出器で透過光の強度を検出して第
2の透過率を求める。第1の透過率からは、光路中に存
在した瞬時の雪(氷及び水)の量、即ち、降雪強度を計
算することができる。第1の透過率と第2の透過率とか
らは、氷対水の存在比を推定し、この存在比から降雪の
含水率を求めることができる。
【0038】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0039】図1に示されるように、本発明に係る測定
装置は、赤外線光源1、第1の単色フィルタ2、第2の
単色フィルタ3、フィルタ切替手段4、レンズ5、受皿
6、赤外線検出器9、増幅器10、演算部11及び含水
率表示部12からなる。赤外線光源1は波長が赤外領域
に広く分布する光源であり、後述する各波長はこの光源
に含まれている。第1の単色フィルタ2は、氷と水とで
吸収係数の等しい波長のみを選択透過させる光学的なバ
ンドパスフィルタである。第2の単色フィルタ3は、氷
と水とで吸収係数の異なる波長のみを選択透過させる光
学的なバンドパスフィルタである。フィルタ切替手段4
は両フィルタを回転自在に支持し、必要に応じていずれ
かのフィルタを赤外線光源1の直下に切り替えて出現さ
せるものである。レンズ5はフィルタを透過した光をコ
リメートし測定用光とするものである。受皿6は、レン
ズ5と赤外線検出器9との間に挿入・取り出し自在にな
っており、透明ガラス面7を底部とする適当な深さ及び
面積の凹みを有し、この凹みへ積雪から採取した積雪サ
ンプル8を収容することができる。ただし、この積雪サ
ンプル8は、上記コリメートされた測定用光の照射域に
含まれる部分だけが測定に関係する。赤外線検出器9
は、積雪サンプル8及び透明ガラス面7を透過した透過
光の強度を検出するものである。
【0040】測定の順序は、まず、赤外線光源1からの
光を第1のフィルタ2を通して氷と水とで吸収係数の等
しい第1の単色光とし、レンズ5で平行にして積雪サン
プル8に照射する。積雪サンプル8を透過した光は受皿
6の透明ガラス面7を透過して赤外線検出器9で受光さ
れる。増幅器10で増幅したものを演算部11で演算処
理する。演算部11は第1及び第2の単色光の強度を予
め設定されているか、又は図示されない参照光測定系に
より得ており、赤外線検出器9で受光した透過光の強度
から第1の透過率T1 を計算する。また、この透過率T
1 から照射域内の積雪サンプル8の全質量を計算する。
さらに、この全質量が氷のみで占められると仮定した場
合の第2の単色光による推定透過率Tiと、水のみで占
められると仮定した場合の第2の単色光による推定透過
率Twとを計算する。
【0041】次に、フィルタ切替手段4によってフィル
タを切り替え、赤外線光源1からの光を第2の単色フィ
ルタ3を通して氷と水とで吸収係数の異なる第2の単色
光とする。第2の単色光による透過光を赤外線検出器9
で受光する。演算部11は第2の単色光による第2の透
過率T2 を計算する。そして、推定透過率Ti,Twと
実際の第2の透過率T2 とから積雪サンプル中の氷対水
の存在比を求める。積雪サンプル中の氷及び水の全質量
と氷対水の存在比とから積雪サンプル中の水の質量を計
算すると共に積雪の含水率を求めることができる。その
結果を含水率表示部12に表示する。
【0042】ここで、第1及び第2の光の波長の選び方
とその根拠を説明する。
【0043】図2は、氷から水或いは水から氷への相変
化に対応して生じるスペクトル変化を示したものであ
る。横軸は波長、縦軸は透過率である。図示されるよう
に、氷のみ存在するときのスペクトル分布21と、水の
み存在するときのスペクトル分布22とはそれぞれ固有
のパターンになっている。また、氷と水とが存在してい
る相変化の途中では中間的なパターンとなる。スペクト
ル分布のパターンが交差しているλS1,λS2,λS3等の
点に注目すると、この波長では氷の吸収係数と水の吸収
係数とが等しく、氷と水とが混在していても変わらない
ことがわかる。反対に、これら交点以外の波長ではどこ
でも氷の吸収係数と水の吸収係数とが異なるが、その中
でもλd1,λd2,λd3等の点では差が顕著であり、従っ
て、氷対水の存在比の検出に有用であることがわかる。
【0044】第1の光の波長には、λS1,λS2,λS3
が適当であり、第2の光の波長にはλd1,λd2,λd3
が適当である。具体例として、第1の光の波長λS2=1
770nm、第2の光の波長λd2=1600nmとす
る。
【0045】次に他の実施例を説明する。
【0046】図3の装置は、降雪中の降雪片を採取しな
いで直接、含水率を測定する装置である。測定筒13
は、上部を開口させ起立させた筒状体である。なお、こ
の例では開口部が拡大され、広い面積で降雪を受け、測
定筒内に集約して測定にかけることができる。測定筒1
3の途中には、2つの測定系が設けられている。上段の
測定系は、赤外線光源1、第1の単色フィルタ2、レン
ズ5、赤外線検出器9及び増幅器10からなり、下段の
測定系は、赤外線光源1、第2の単色フィルタ3、レン
ズ5、赤外線検出器9及び増幅器10からなる。いずれ
の測定系も水平な光路を有し、光路長は等しい。図1と
符号の同じものは説明を省略する。両測定系の出力が常
時、演算部11に入力され、その演算結果が含水率表示
部12に表示される構成である。
【0047】測定筒13に降雪を通過させると、測定筒
内では降雪強度が一様になる。この降雪強度はもちろん
測定場所での普遍的な降雪強度を表している。降雪強度
が一様な空間を選ぶことができれば、測定筒13はなく
てもよい。測定筒内に第1の単色光を照射し、対応する
赤外線検出器9で透過光の強度を検出して第1の透過率
を求める。また、第2の単色光を照射し、対応する赤外
線検出器9で透過光の強度を検出して第2の透過率を求
める。第1の透過率からは、光路中に存在した瞬時の雪
(氷及び水)の量、即ち、降雪強度を計算することがで
きる。第1の透過率と第2の透過率とからは、氷対水の
存在比を推定し、この存在比から降雪の含水率を求める
ことができる。
【0048】図4の例は、図3の測定系の変形例であ
り、符号の同じものは説明を省略する。この例では、2
つの測定系はいずれも赤外線光源1と赤外線検出器9と
が同じ側にあり、反対側に反射鏡15が設けられてい
る。反射鏡15を設けたことにより、光路長を長くでき
る利点がある。また、電気を必要とする部品を一側にま
とめて配置できる利点がある。
【0049】本発明の雪の含水率の測定方法(装置)を
送電線監視システムに組み込むことにより、現地の雪質
のリアルタイム測定が可能となり、送電線への着雪に対
して有害な積雪・降雪であるかどうかの予測が適確にで
きるようになる。また、着雪警報や落雪装置の作動発令
センサに利用し、着雪防止システムを構築することがで
きる。
【0050】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0051】(1)測定に使用する波長が2波長であ
り、従来に比べて少ない。このため測定装置の構造が簡
素化される。
【0052】(2)粒径や圧縮度に依存しないので、補
正の必要がなく、測定手順が簡単である。
【0053】(3)雪の含水率のほかに質量(又は降雪
強度)を同時に測定できる。
【0054】(4)降雪中の降雪片を採取しないで直
接、含水率を測定することができるので、自動化等の実
用的利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す雪の含水率の測定装置
の構成図である。
【図2】氷から水或いは水から氷への相変化に対応して
生じるスペクトル変化を示す透過率スペクトル分布図で
ある。
【図3】本発明の他の実施例を示す雪の含水率の測定装
置の構成図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す雪の含水率の測定装
置の構成図である。
【符号の説明】
1 赤外線光源 2 第1の単色フィルタ 3 第2の単色フィルタ 4 フィルタ切替手段 8 積雪サンプル 9 赤外線検出器
フロントページの続き (72)発明者 福士 厚 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 中野 裕介 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 安部 勝義 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 窪川 弘 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 木榑 博 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 豊島 正彦 茨城県日立市日高町5丁目9番15号 日立 電線エンジニアリング株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積雪、降雪等の雪の含水率を測定する方
    法において、氷と水とで吸収係数の等しい波長の光を雪
    に透過させて第1の透過率を測定し、氷と水とで吸収係
    数の異なる波長の光を雪に透過させて第2の透過率を測
    定し、第1の透過率と第2の透過率とから雪中の氷対水
    の存在比を推定し、この存在比から含水率を求めること
    を特徴とする雪の含水率の測定方法。
  2. 【請求項2】 積雪から採取した所定大の積雪サンプル
    を透明容器に載せ、この透明容器の一側より氷と水とで
    吸収係数の等しい第1の単色光と、氷と水とで吸収係数
    の異なる第2の単色光とを切り替えてそれぞれ所定強度
    で照射し、透明容器の反対側の光検出器でそれぞれの透
    過光の強度を検出し、第1の単色光による第1の透過率
    1 と第2の単色光による第2の透過率T2 とを計算
    し、第1の透過率T1 から積雪サンプル中の氷及び水の
    全質量を求め、この全質量が氷のみで占められると仮定
    した場合の第2の単色光による推定透過率Tiと水のみ
    で占められると仮定した場合の第2の単色光による推定
    透過率Twとを計算し、これら推定透過率Ti,Twと
    上記実際の第2の透過率T2 とから積雪サンプル中の氷
    対水の存在比を求め、積雪サンプル中の氷及び水の全質
    量と氷対水の存在比とから積雪サンプル中の水の質量を
    計算すると共に積雪の含水率を求めることを特徴とする
    雪の含水率の測定方法。
  3. 【請求項3】 上部を開口させ起立させた測定筒に降雪
    を通過させ、測定筒内に氷と水とで吸収係数の等しい所
    定強度の第1の単色光を照射し、対応する光検出器で透
    過光の強度を検出して第1の透過率を求めると共に氷と
    水とで吸収係数の異なる第2の単色光を照射し、対応す
    る光検出器で透過光の強度を検出して第2の透過率を求
    め、第1の透過率から降雪強度を計算し、第1の透過率
    と第2の透過率とから氷対水の存在比を推定し、この存
    在比から降雪の含水率を求めることを特徴とする雪の含
    水率の測定方法。
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