JPH08157976A - 収容容器の製造装置及び製造方法 - Google Patents

収容容器の製造装置及び製造方法

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JPH08157976A
JPH08157976A JP6300640A JP30064094A JPH08157976A JP H08157976 A JPH08157976 A JP H08157976A JP 6300640 A JP6300640 A JP 6300640A JP 30064094 A JP30064094 A JP 30064094A JP H08157976 A JPH08157976 A JP H08157976A
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cooling crucible
cooling
container
crucible
lower opening
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JP6300640A
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Inventor
Tsutomu Tanaka
努 田中
Yoshiaki Ikenaga
慶章 池永
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固化体材料を用いて収容容器を製造する際
に、製造過程における該材料による環境汚染を最小に
し、かつ製造過程の保守を容易に行える装置を提供す
る。 【構成】 少なくとも上部開口1a及び下部開口1b
と、ほぼ重力の作用する方向に沿って電気的絶縁機能を
発現するスリット1dと、重力の作用する方向に沿って
横断面縮小部分1cが存在する冷却坩堝1の下部開口1
bを開閉可能に栓体2を設ける。前記上部開口1a付近
に固化体材料5と潤滑剤7の供給装置4,6を配置す
る。冷却坩堝1の外周部所定位置に誘導コイル3を設置
する。冷却坩堝1の下部開口1bの下方に冷却壁を有す
る回転容器8を設置する。これら各構成要素のうち少な
くとも材料を扱う構成要素をチャンバーで密閉する。こ
のチャンバー内の脱気装置,雰囲気調整装置,不活性ガ
ス供給装置を具備する。汚染した材料を環境から遮蔽
し、かつ二次廃棄物の発生を最小限に抑えて収容容器を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形・加工過程におい
て汚染された金属固化体を材料として、収容容器を製造
する装置及びその装置を用いて製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、汚染された金属固化体を材料とし
て、収容容器を連続的に製造する装置としては、米国リ
テック(Retech)社が開発した回転炉床式プラズマ溶融
炉(以下、「PACT」という)がある(Journal of t
he RANDEC No.9(December 1993)p65)。
【0003】PACTは、回転する溶融炉に処理対象物
を供給し、プラズマアークによって溶融するもので、以
下の特徴を有している。 遠心力により均一な攪拌が可能であるから、溶融固
化体は均質で安定な性状がえられる。 材料の形態に対する自由度が大きい。 回転数の調整によって出湯を行うので、特殊な弁や
炉の傾動等の複雑な装置を必要としない。
【0004】しかしながら、処理の対象が本発明が対象
とするような成形・加工過程において汚染された材料の
場合には、以下の欠点が顕在化してくる。 1) 溶融炉の内張りには高温壁炉の耐火物を使用してい
るので、定期的な交換が必要になる。特に、対象が前記
汚染された材料の場合には、保守過程に於いて発生した
耐火物は二次廃棄物となるので、別のプロセスで処理す
る必要が生じる。
【0005】2) プラズマ・アークを発生させるために
Ar等のキャリヤー・ガスをトーチに供給する必要がある
が、キャリヤー・ガスを必要とするために排ガス処理設
備を大型化する必要があると共に、ガスの顕熱として失
われるエネルギーが大きい。 3) プラズマ・トーチは消耗品なので定期的に交換する
必要がある。特に汚染された材料を対象とする場合は交
換操作を遠隔で行う必要があるので、装置が複雑にな
る。
【0006】以上の欠点を解消するためには、以下の公
知の技術を用いれば良いとの考えも存在する。その公知
の技術とは、溶解材料より低い融点を持つ材料からなる
冷却坩堝内で溶解材料を溶融する一連の技術であり、こ
の時、溶解材料は坩堝材料に汚染されることはない。こ
の基本技術は、既に1931年にドイツで特許公告されてい
る(ドイツ特許第518499号)。そして、これ以後、冷却
坩堝に関する特許は多数出願されており、例えば仏国特
許第2609655 号では、連続的に処理するための坩堝の形
状が提案されている。
【0007】これらの技術は、装置が簡単なので保守
が容易である。溶解炉の壁としては冷却された低温壁
を用いているので、溶解材料が炉壁材料に汚染された
り、あるいは炉壁材料の消耗に起因する定期交換を必要
としない。等の有利な点をもつ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た技術には一般に成形条件に制約が存在するので、これ
らの技術の多くは中実体にしか適用できない。特に、中
空の収容容器を製造するための方法は過去に提案されて
おらず、冷却壁を持つ炉では中空容器の製造は不可能と
考えられていた。
【0009】本発明の目的は、主に金属の固化体を材料
として成形加工により収容容器を製造する際に、製造過
程における該材料による環境汚染を最小にすると共に、
製造過程の保守を容易に行える装置及びこの装置を用い
た製造方法を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の収容容器の製造
装置は、少なくとも上部開口と下部開口を有するととも
に、ほぼ重力の作用する方向に沿って電気的絶縁機能を
発現するスリットを所定長さ設け、かつ重力の作用する
方向に沿ってその横断面が小さくなるように変化する部
分が存在する冷却坩堝と、この冷却坩堝の下部開口を開
閉可能なように設けられた栓体と、前記冷却坩堝の上部
開口より固化体材料と潤滑剤をそれぞれ装入すべく、上
部開口付近に配置されたそれぞれの供給装置と、これら
供給装置によって冷却坩堝内に装入された固化体材料と
潤滑剤を溶解すべく、冷却坩堝の外周部所定位置に設置
された誘導コイルと、前記冷却坩堝の下部開口の下方に
設置された冷却壁を有する回転容器と、これら各構成要
素のうち少なくとも材料を扱う構成要素を密閉するチャ
ンバーと、このチャンバー内の脱気装置及び雰囲気調整
装置並びに不活性ガス供給装置を具備したことを要旨と
する。
【0011】また、本発明の収容容器の製造方法は、前
記した構成の本発明の製造装置を使用し、その冷却坩堝
内に装入した固化体材料を誘導加熱してその溶融温度以
上に高めた後、栓体を開操作して冷却坩堝の下部開口か
ら溶融状態にある材料を重力の作用によって回転容器内
に供給し、この材料を回転容器の内面形状にほぼ等しい
外面形状に冷却・固化させることを要旨とする。
【0012】
【作用】以下、本発明の装置と方法を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。図1は本発明の収容容器の製造装置
の概念を正面から見た図、図2は図1の中心軸を通る縦
断面図、図3は冷却坩堝の主要部における横断面図であ
る。
【0013】これらの図面において、1は少なくとも上
部開口1aと下部開口1bを有し、かつ重力の作用する
方向に沿ってその横断面が小さくなるように変化する部
分(以下、「横断面縮小部分」という)1cが存在する
冷却坩堝であり、その内部が冷却可能な構造で高温に耐
えられるようになっている。その素材は一般に、熱伝導
と電気伝導に優れた金属材料が使用されるが、本発明で
は必ずしも金属に限定されるものではない。そして、こ
の冷却坩堝1には電気の流れに対して絶縁機能を有する
複数のスリット1dが、ほぼ重力の作用する方向に沿っ
て設けられている。このスリット1dの設けられる範囲
は、冷却坩堝1の全高さではなく、その一部のみである
が、本発明ではその位置を限定するものではない。
【0014】2は前記した冷却坩堝1の下部開口1bを
例えば上下揺動によって開閉可能なように設けられた栓
体である。この栓体2は後述する溶融状態の材料と接触
するので、溶融体が接触しても固化が発生しない、例え
ば耐火物等で形成することが好ましいが、本発明ではそ
の素材を特に耐火物に限定するものではない。
【0015】3は冷却坩堝1の外周部所定位置におい
て、螺旋状に多重に巻く態様に配置された誘導コイルで
あり、高周波発振器(図示せず)に接続される。なお、
この誘導コイル3はその内部を冷却体が流通可能な構成
となされている。また、冷却坩堝1の外周部所定位置に
は、図示省略したが、冷却坩堝1に所定の振動を付与す
るための例えば振動装置が配設されている。
【0016】4は冷却坩堝1の上部開口1a付近に配置
され、図示しない貯留装置内の固化体材料5を上部開口
1aから冷却坩堝1内に装入する供給装置、6は同じく
冷却坩堝1の上部開口1a付近に配置され、図示しない
貯留装置内の潤滑剤7を上部開口1aから冷却坩堝1内
に装入する供給装置である。また、8は冷却坩堝1の下
部開口1bの下方に設置された回転容器であり、前記冷
却坩堝1内に装入され、誘導コイル3の作用により誘導
加熱されて溶融状態と成された固化体材料(以下、「溶
融体5a」という)と潤滑剤7を冷却して固化するため
の冷却壁を有している。なお、9は回転容器8を回転さ
せるためのモータである。
【0017】図示省略したが、上記した一連の装置群の
全て、あるいはその一部はチャンバー内に収納され、脱
気装置,雰囲気調整装置及び不活性ガス供給装置によっ
てチャンバー内の雰囲気ガスを脱気し,置換したり、ま
た不活性ガスを供給したりして所定の加圧あるいは減圧
の圧力条件に置けるようになされている。
【0018】本発明の収容容器の製造装置は上記したよ
うな構成であり、次にこの本発明装置を用いて金属固化
体の材料から収容容器を製造する過程の一例を挙げて、
各装置が固化体材料に対して発現する作用について説明
する。ここで、材料の素材を金属としたのは、説明を容
易にするためであり、僅かであっても電気伝導度を有す
る素材は全て本発明による収容容器製造の対象に成りえ
ることは言うまでも無い。
【0019】収容容器の製造に際しては、先ず、装置に
冷却水を供給した後チャンバー内の雰囲気ガスを脱気,
置換して、また場合によっては不活性ガスを常に供給し
て所定の処理雰囲気を造る。一般に、雰囲気調整の対象
は材料を扱う装置の近傍であり、例えば高周波発振器は
その対象外になることが多いが、本発明では雰囲気調整
の対象を特に限定するものではない。
【0020】雰囲気調整後、冷却坩堝1の底部に設けら
れた下部開口1bを栓体2で閉じた後、重力の作用を利
用して固化体材料5の供給装置4を介して固化体材料5
を所定量冷却坩堝1に装入する。
【0021】続いて、高周波発振器の出力を増加させ
る。これにより誘導コイル3によって生じる冷却坩堝1
の外壁面を流れる誘導電流は、絶縁機能を持つスリット
1dによって冷却坩堝1の内壁に導かれ、冷却坩堝1内
に電磁場を発生させる。すなわち、一般には電磁場を透
過しない金属材質からなる冷却坩堝1は、スリット1d
の存在によってその内側に電磁場を透過させる作用を発
現する。
【0022】高周波発振器の出力の増加と共に、固化体
材料5の主に表面近傍を流れる誘導電流の値が増加し、
固化体材料5は誘導加熱の作用を受けて溶解する。この
時、溶融体5aには概ね表皮深さの範囲内でその表面に
垂直に電磁力が発生する。一般に、溶融体5aの自由表
面の形状は、電磁力と重力,表面張力,溶融体5aの運
動量等の間の力の平衡関係を満足する条件から定まるの
で、適正な運転条件を選択することにより溶融体5aの
自由表面の形状を冷却坩堝1から離反させ、卵型に隆起
させることも可能である。溶融体5aが冷却坩堝1から
離反することにより、冷却坩堝1による熱エネルギーの
損失が顕著に減少する作用が現れる。また、この溶融体
5aの内部には不均一な電磁力の発生に起因して電磁攪
拌の作用が現れ、装入された固化体材料5の溶解が促進
される。
【0023】この時、少なくとも、以下の条件を満足す
る潤滑剤7を冷却坩堝1に供給することは一層望まし
い。 a. 溶融温度は固化体材料5のそれよりも100〜20
0℃低い。 b. 溶融過程で分解せず、かつ気化しない。 c. 溶融体5aと反応しない。 d. 電気伝導度と熱伝導度が固化体材料5よりも小さ
い。
【0024】当然、選択すべき潤滑剤7の素材は、対象
とする固化体材料5の素材によって異なる。最適な潤滑
剤7を選択すると、冷却坩堝1内では溶融体5aと冷却
坩堝1の間に潤滑剤7が存在することになり、しかも溶
融体5aに接触する側の潤滑剤7は溶融しており、反対
に冷却坩堝1に接触する側の潤滑剤7は固化した状態が
実現できる。潤滑剤7の存在により一般にエネルギー損
失の減少を促進する効果が発現され、固化体材料5の加
熱効率を高める作用が現れる。
【0025】添加する潤滑剤7は量的にはできるだけ少
なく、かつ抜熱量の減少効果が現れることが一層望まし
い。なぜなら、潤滑剤7は固化体材料5によって汚染さ
れるので、必要とする潤滑剤7の量が多い場合には、こ
れを処理するためにさらに別のプロセスが必要になるこ
とも考えられるからである。
【0026】所定重量の固化体材料5が冷却坩堝1内で
完全に溶解したことを確認してから前記栓体2を短時間
に開く。これによって栓体2に隣接する溶融体5aの部
分は栓体2から離反する。栓体2を開く速度を重力加速
度に起因して発生する落下速度より大きな値とすること
で、溶融体5aと栓体2を離反する作用が促進される
が、本発明では栓体2を開く速度を特に限定するもので
はない。
【0027】下部開口1bから栓体2を取り除くことに
より、溶融体5aは重力の作用を受けて下部開口1bの
下方に設置された冷却壁を有する回転容器8内に落下す
る。冷却坩堝1の内面には熱伝導度の低い潤滑剤7の層
が存在するので、多くの場合、溶融体5aは冷却作用を
受けて固化することなく回転容器8内に落下する。この
時、振動装置を駆動して冷却坩堝1を振動させれば冷却
壁と溶融体5aの摩擦力が緩和されると共に、電磁場の
分布が攪乱されて流動が乱れるので、回転容器8内への
溶融体5aの排出は一層容易になる。但し、この振動装
置は本発明においては必ずしも必須ではない。
【0028】回転容器8内に排出された溶融体5aは遠
心力の作用を受けて、先ず回転容器8の周囲に位置する
とともに、冷却壁による抜熱のために凝固が進行する。
凝固が完全に完了する以前にモータ9を停止させて回転
容器8の回転を停止する。すると、未凝固の溶融体5a
は重力の作用を受けて回転容器8の底に集積する。この
ようにして、底と外周を持つ収容容器10が製造され
る。その際、溶融体5aとともに回転容器8に流入した
潤滑剤7は通常は比重分離されて、最終的に収容容器1
0の底の表面に集積して固化した潤滑剤7aを形成す
る。
【0029】なお、上記した一連の処理工程において発
生した潤滑剤7や栓体2等の二次廃棄物は必要に応じて
収容容器10内に収納することで処分の合理化を図るこ
とができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明する。本発明の適用例として、加圧水型原子炉の
使用済み核燃料の再処理工程において発生する核燃料被
覆管の素材であるジルカロイを固化体材料として収容容
器の製造を行った。製造試験の安全性を高めるために、
使用済みの核燃料被覆管を対象に処理する代わりに原子
炉における使用前の模擬核燃料被覆管を用いた。同時に
核燃料被覆管に付着しているであろうと考えられる238P
u,239Pu,240Pu,241Pu, 242Pu,241Am,243Am,242Cm,244Cm
等のアクチニド系元素からなる核分裂生成物の模擬元素
として下記表1に示すランタニド系酸化物を固化体材料
の約1Mass%添加した。ジルカロイの組成はSn:1.5、F
e:0.1、Cr:0.1 Mass%で、残りの大部分はZrである。溶
融温度は1800〜1850℃、密度は6.55g/cm3 である。ま
た、潤滑剤としてはCaF2:75 、MgF2:25 Mass% の混合体
を固化体材料の約5Mass% 添加した。
【0031】
【表1】
【0032】本発明による製造装置の実施例を図1〜図
3に示す。冷却坩堝1の材質は銅であり、その中間高さ
より下方の横断面縮小部分1cの形状は半径1cmの円形
の開口部を有する内半径15cmの半球である。また、中
間高さより上方は半径15cm、高さ35cmの円筒形状で
あり、冷却坩堝1の壁の厚さは30mmである。そして、
重力の作用する方向に沿って、幅0.01cm、長さ54
cmのスリット1dが円周に沿って約29mmの間隔で32
本配置されている。なお、この実施例では、スリット1
dの存在しない部分が冷却坩堝1の上端に設けられてい
るが、この位置は冷却坩堝1の下端だけ、あるいは上下
端に設けてもよいし、あるいは存在しなくてもよい。冷
却坩堝1の底部における下部開口1bと相対する部分に
は外形1〜1.5cm、厚さ2cmの黒鉛製の栓体2が配設
されている。
【0033】冷却坩堝1の底部における下部開口1bの
下方位置には、半径1m、高さ1m、壁の厚さ5cmの冷
却可能な回転容器8がモータ9によって最高角回転速度
10rad/s で回転できるように配置されている。
【0034】また、高周波発振器(図示せず)の最大出
力は500kw、周波数は30kHz である。銅製の誘導コ
イル3の巻数は6、巻高さは40cmで、その内部は水冷
可能な構造になっている。
【0035】収容容器10を製造するに当たって、冷却
坩堝1の下部開口1bを栓体2で塞いだ後、約300kg
の固化体材料5とともに、所定量の潤滑剤7を上部開口
1aから冷却坩堝1内に装入した。次に、冷却坩堝1及
び誘導コイル3に冷却水をそれぞれ50、250l/min
供給した後、高周波発振器の部分を除く装置部分をチャ
ンバー(図示せず)で密閉した。続いて、チャンバー内
を脱気装置である真空ポンプで約20分排気し、雰囲気
調整装置を駆動させて雰囲気圧力を0.1Pa以下に5分
維持した。この後、不活性ガス供給装置を駆動させて
0.1%以下の不純物を含むArガスを100l/min の供
給速度で大気圧より50hPa を越えない圧力でチャンバ
ー内に供給した。
【0036】続いて、高周波発振器の出力を徐々に増加
し、最終的に実効値10kA、周波数30kHz の高周波電
流を誘導コイル3に流した。およそ1分の通電で固化体
材料5の一部が溶解し始め、12分で大部分が溶解し
た。この後、供給装置4を介して塊状の固化体材料5と
ともに、供給装置6を介して潤滑剤7の追加装入を開始
した。この時、溶融液滴が冷却坩堝1外に飛散しないよ
うに15分の時間をかけて固化体材料300kgを少量づ
つ冷却坩堝1内に追加装入した。装入とともに、固化体
材料5は直ちに溶解し、溶融体5aは冷却壁から離反し
て卵状に隆起し、かつ電磁攪拌を受けている様子が確認
できた。また、溶融体5aの周囲には潤滑剤7が分布し
ている様子が認められた。
【0037】この後、回転容器8を5rad/s の角回転速
度で回転させた。固化体材料5の供給開始から30分運
転した後(固化体材料5の合計装入量約600kg)、冷
却坩堝1の下部開口1bを塞いでいる栓体2を、立ち上
がり時間1秒、飽和速度2m/s の速度で一点を支点とし
て半径50cmの円弧に沿って下方に移動させると同時
に、冷却坩堝1を振幅1mm、振動数10Hzで上下に振動
させた。栓体2を取り除いてから約68秒で溶融体5a
は全て回転容器8内に排出された。この排出の大部分の
過程において、溶融体5aは冷却壁を持つ回転容器8の
側壁に分布し、回転容器8の底部には存在しなかった。
【0038】回転容器8への排出が完了すると同時に回
転容器8の回転を停止した。回転の停止と同時に遠心力
が消失して回転容器8の側壁に存在していた未凝固の溶
融体5aは重力の作用で側壁に沿って下がり回転容器8
の底部に集積した。このようにして得られた固化体は、
直径1m,高さ1m,平均肉厚1cmで、底を有する円筒
形状の収容容器10であった。このようにして得られた
収容容器10の底の表層には非金属の固化体が認められ
たが、これを分析したところ、大部分は潤滑剤7の組成
と同じで、他にランタニド系の酸化物が若干含まれてい
ただけであった。
【0039】このようにして得られた収容容器10内に
保管すべき材料を入れて、上蓋を閉じれば収容容器10
として機能することが確認できた。
【0040】冷却坩堝1の素材は製造した収容容器10
から検出されず、1800〜1850℃程度の温度においても冷
却坩堝1の定期交換等の保守を必要とせず、高温運転に
長時間耐えられる見通しを得た。このように交換部品が
少なくて済むということは、環境に対する汚染を最小に
できることを意味するので、汚染された金属の固化体を
処理するプロセスとして極めて優れていることが実証で
きた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な構成の保守が容易な装置を用いて、汚染した材料
を環境から遮蔽し、かつ二次廃棄物の発生を最小限に抑
えて収容容器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の収容容器の製造装置の概念を正面から
見た図である。
【図2】図1の中心軸を通る縦断面図である。
【図3】冷却坩堝の主要部における横断面図である。
【符号の説明】
1 冷却坩堝 1a 上部開口 1b 下部開口 1c 横断面縮小部分 1d スリット 2 栓体 3 誘導コイル 4 供給装置 5 固化体材料 5a 溶融体 6 供給装置 7 潤滑剤 8 回転容器 10 収容容器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも上部開口と下部開口を有する
    とともに、ほぼ重力の作用する方向に沿って電気的絶縁
    機能を発現するスリットを所定長さ設け、かつ重力の作
    用する方向に沿ってその横断面が小さくなるように変化
    する部分が存在する冷却坩堝と、この冷却坩堝の下部開
    口を開閉可能なように設けられた栓体と、前記冷却坩堝
    の上部開口より固化体材料と潤滑剤をそれぞれ装入すべ
    く、上部開口付近に配置されたそれぞれの供給装置と、
    これら供給装置によって冷却坩堝内に装入された固化体
    材料と潤滑剤を溶解すべく、冷却坩堝の外周部所定位置
    に設置された誘導コイルと、前記冷却坩堝の下部開口の
    下方に設置された冷却壁を有する回転容器と、これら各
    構成要素のうち少なくとも材料を扱う構成要素を密閉す
    るチャンバーと、このチャンバー内の脱気装置及び雰囲
    気調整装置並びに不活性ガス供給装置を具備したことを
    特徴とする収容容器の製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置を使用し、その冷却
    坩堝内に装入した固化体材料を誘導加熱してその溶融温
    度以上に高めた後、栓体を開操作して冷却坩堝の下部開
    口から溶融状態にある材料を重力の作用によって回転容
    器内に供給し、この材料を回転容器の内面形状にほぼ等
    しい外面形状に冷却・固化させることを特徴とする収容
    容器の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8850715B2 (en) * 2006-09-07 2014-10-07 Eisenmann Ag Process and installation for drying articles

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