JPH08157962A - 異方性の小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
異方性の小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法Info
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- JPH08157962A JPH08157962A JP31937594A JP31937594A JPH08157962A JP H08157962 A JPH08157962 A JP H08157962A JP 31937594 A JP31937594 A JP 31937594A JP 31937594 A JP31937594 A JP 31937594A JP H08157962 A JPH08157962 A JP H08157962A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、フェライトの結晶粒度番号が6.
5番以上、全伸びが55%以上、AIが15MPa以
下、平均r値が1以上、Δrが0.1以下の深絞り用非
時効熱延鋼板を経済性よく製造する方法を提供する。 【構成】 重量でC≦0.0025%、P≦0.005
%、N≦0.003%、S≦0.004%、Mn:0.
05〜0.20%、Al:0.02〜0.07%、Si
≦0.03%その他不可避的元素を含み、40ppm≦
C+N+P+S≦110ppmを満足した750℃以下
のAlキルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上1000℃
以下に加熱し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延後、冷
却速度20℃/sec以上で冷却し500〜600℃で
巻き取り、少なくとも60分保定する。
5番以上、全伸びが55%以上、AIが15MPa以
下、平均r値が1以上、Δrが0.1以下の深絞り用非
時効熱延鋼板を経済性よく製造する方法を提供する。 【構成】 重量でC≦0.0025%、P≦0.005
%、N≦0.003%、S≦0.004%、Mn:0.
05〜0.20%、Al:0.02〜0.07%、Si
≦0.03%その他不可避的元素を含み、40ppm≦
C+N+P+S≦110ppmを満足した750℃以下
のAlキルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上1000℃
以下に加熱し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延後、冷
却速度20℃/sec以上で冷却し500〜600℃で
巻き取り、少なくとも60分保定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷間圧延薄鋼板に代わる
異方性が小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法に関
するものである。
異方性が小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年鉄鋼界においては一部の用途につい
て冷間圧延薄鋼板に代わり得る熱間圧延鋼板の提供が鋭
意検討されている。この理由の一つは熱間圧延技術が高
度な域に達し、優れた形状と材質を有する鋼材を容易に
製造し得るようになったことにより、冷間圧延薄鋼板が
使用されている一部の用途に求められている形状、材質
が熱間圧延で充分提供できるまでになったことであり、
他の一つは所要材質を有する鋼材の提供価格が低減でき
ることにある。
て冷間圧延薄鋼板に代わり得る熱間圧延鋼板の提供が鋭
意検討されている。この理由の一つは熱間圧延技術が高
度な域に達し、優れた形状と材質を有する鋼材を容易に
製造し得るようになったことにより、冷間圧延薄鋼板が
使用されている一部の用途に求められている形状、材質
が熱間圧延で充分提供できるまでになったことであり、
他の一つは所要材質を有する鋼材の提供価格が低減でき
ることにある。
【0003】このため種々検討が進められ、高平均r
値熱間圧延鋼板の提案(鉄と鋼73(1987)S13
29、鉄と鋼73(1987)S1421、材料とプロ
セスVol.1(1988)874を始め875、88
0)等材質に関する提案が多数見られる。また加工用熱
延鋼板の非時効化については、昭和55年5月15日
丸善(株)発行の鉄鋼便覧第3巻463頁〜465頁に
0.030:Al鋼及び0.060:Al鋼を対象に6
40℃〜650℃で巻き取るとAlNとしてNの75%
〜80%が固定され非時効性が確保できることが示され
ている。
値熱間圧延鋼板の提案(鉄と鋼73(1987)S13
29、鉄と鋼73(1987)S1421、材料とプロ
セスVol.1(1988)874を始め875、88
0)等材質に関する提案が多数見られる。また加工用熱
延鋼板の非時効化については、昭和55年5月15日
丸善(株)発行の鉄鋼便覧第3巻463頁〜465頁に
0.030:Al鋼及び0.060:Al鋼を対象に6
40℃〜650℃で巻き取るとAlNとしてNの75%
〜80%が固定され非時効性が確保できることが示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の提
案が示す材質は、現在の熱間圧延鋼板が有する時効性の
下では、ユーザーの使用時におよんでその所要材質を維
持して提供することは困難である。またの提案が示す
製法は巻き取り温度が高く、この製法から得られる熱間
圧延鋼板は、スケールが厚く、脱スケール性が悪く、α
粒が大きいためプレス後に肌割れ、腰折れが発生する等
の種々の問題がある。
案が示す材質は、現在の熱間圧延鋼板が有する時効性の
下では、ユーザーの使用時におよんでその所要材質を維
持して提供することは困難である。またの提案が示す
製法は巻き取り温度が高く、この製法から得られる熱間
圧延鋼板は、スケールが厚く、脱スケール性が悪く、α
粒が大きいためプレス後に肌割れ、腰折れが発生する等
の種々の問題がある。
【0005】そこで、本発明者らは先にこれらの問題の
解決を図った非時効性熱延鋼板の製造方法として特開平
2−19424号を提案した。この発明は、0.05重
量%以下の炭素を含有し、温度が750℃以下のAlキ
ルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上1000℃以下に昇
熱させた後、Ar3 変態点温度以上で熱間圧延を終了さ
せ、ついで冷却速度60℃/sec以上で250〜45
0℃の温度範囲で冷却を完了させ、少なくとも60分保
定する。これにより時効指数AIが3kgf/mm2
(約30MPa)以下の非時効熱延鋼板を製造できるも
ので、この発明により非時効熱延鋼板の製造は、その製
造技術については一応の確立をみるに到った。
解決を図った非時効性熱延鋼板の製造方法として特開平
2−19424号を提案した。この発明は、0.05重
量%以下の炭素を含有し、温度が750℃以下のAlキ
ルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上1000℃以下に昇
熱させた後、Ar3 変態点温度以上で熱間圧延を終了さ
せ、ついで冷却速度60℃/sec以上で250〜45
0℃の温度範囲で冷却を完了させ、少なくとも60分保
定する。これにより時効指数AIが3kgf/mm2
(約30MPa)以下の非時効熱延鋼板を製造できるも
ので、この発明により非時効熱延鋼板の製造は、その製
造技術については一応の確立をみるに到った。
【0006】しかし、現在要求されているのは、所要の
材質を有し、かつ使用時におよんで該材質を維持し、か
つ良好な加工性を有する非時効性熱延鋼板であり、その
製造方法である。本発明はこれらの従来技術における問
題点を解消し、安定した非時効性を有し、かつ良加工性
を加味された優れた材質の熱延鋼板を製造する方法を提
供することを課題とするものである。
材質を有し、かつ使用時におよんで該材質を維持し、か
つ良好な加工性を有する非時効性熱延鋼板であり、その
製造方法である。本発明はこれらの従来技術における問
題点を解消し、安定した非時効性を有し、かつ良加工性
を加味された優れた材質の熱延鋼板を製造する方法を提
供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するためになされたものでその要旨とするところは、 (1)重量でC≦0.0025%、P≦0.005%、
N≦0.003%、S≦0.004%、Mn:0.05
〜0.20%、Al:0.02〜0.07%、Si≦
0.03%その他不可避的元素を含み、40ppm≦C
+N+P+S≦110ppmを満足した750℃以下の
Alキルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上1000℃以
下に加熱し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延後、冷却
速度20℃/sec以上で冷却し500〜600℃で巻
き取ることを特徴とする異方性の小さい深絞り用非時効
熱延鋼板の製造方法。
するためになされたものでその要旨とするところは、 (1)重量でC≦0.0025%、P≦0.005%、
N≦0.003%、S≦0.004%、Mn:0.05
〜0.20%、Al:0.02〜0.07%、Si≦
0.03%その他不可避的元素を含み、40ppm≦C
+N+P+S≦110ppmを満足した750℃以下の
Alキルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上1000℃以
下に加熱し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延後、冷却
速度20℃/sec以上で冷却し500〜600℃で巻
き取ることを特徴とする異方性の小さい深絞り用非時効
熱延鋼板の製造方法。
【0008】(2)重量でC≦0.0025%、P≦
0.005%、N≦0.003%、S≦0.004%、
Mn:0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.0
7%、Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、4
0ppm≦C+N+P+S≦110ppmを満足した7
50℃以下のAlキルド鋼片を、600〜750℃で圧
延し次いでAr3 変態点温度以上1000℃以下に加熱
し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延後、冷却速度20
℃/sec以上で冷却し500〜600℃で巻き取り少
なくとも60分保定することを特徴とする異方性の小さ
い深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法。
0.005%、N≦0.003%、S≦0.004%、
Mn:0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.0
7%、Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、4
0ppm≦C+N+P+S≦110ppmを満足した7
50℃以下のAlキルド鋼片を、600〜750℃で圧
延し次いでAr3 変態点温度以上1000℃以下に加熱
し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延後、冷却速度20
℃/sec以上で冷却し500〜600℃で巻き取り少
なくとも60分保定することを特徴とする異方性の小さ
い深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法。
【0009】(3)重量でC≦0.0025%、P≦
0.005%、N≦0.003%、S≦0.004%、
Mn:0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.0
7%、Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、4
0ppm≦C+N+P+S≦110ppmを満足した7
50℃以下のAlキルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上
1000℃以下に加熱し、仕上げ温度≧910℃で熱間
圧延し、圧延終了後1秒以内に冷却を開始し冷却速度2
0℃/sec以上で冷却し、500〜600℃で巻き取
り少なくとも60分保定することを特徴とする異方性の
小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法。
0.005%、N≦0.003%、S≦0.004%、
Mn:0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.0
7%、Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、4
0ppm≦C+N+P+S≦110ppmを満足した7
50℃以下のAlキルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上
1000℃以下に加熱し、仕上げ温度≧910℃で熱間
圧延し、圧延終了後1秒以内に冷却を開始し冷却速度2
0℃/sec以上で冷却し、500〜600℃で巻き取
り少なくとも60分保定することを特徴とする異方性の
小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法。
【0010】(4)重量でC≦0.0025%、P≦
0.005%、N≦0.003%、S≦0.004%、
Mn:0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.0
7%、Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、4
0ppm≦C+N+P+S≦110ppmを満足した7
50℃以下のAlキルド鋼片を、600〜750℃で圧
延し次いでAr3 変態点温度以上1000℃以下に加熱
し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延し、圧延終了後1
秒以内に冷却を開始し冷却速度20℃/sec以上で冷
却し、500〜600℃で巻き取り少なくとも60分保
定することを特徴とする異方性の小さい深絞り用非時効
熱延鋼板の製造方法にある。
0.005%、N≦0.003%、S≦0.004%、
Mn:0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.0
7%、Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、4
0ppm≦C+N+P+S≦110ppmを満足した7
50℃以下のAlキルド鋼片を、600〜750℃で圧
延し次いでAr3 変態点温度以上1000℃以下に加熱
し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延し、圧延終了後1
秒以内に冷却を開始し冷却速度20℃/sec以上で冷
却し、500〜600℃で巻き取り少なくとも60分保
定することを特徴とする異方性の小さい深絞り用非時効
熱延鋼板の製造方法にある。
【0011】本発明はこれらの手段をとることにより、
フェライトの結晶粒度番号が6.5番以上、全伸びが5
5%以上、AIが15MPa以下、平均r値が1.00
以上、Δrが0.10以下の特性を有する異方性の小さ
い深絞り用非時効性熱延鋼板を得ることができるもので
ある。(但し、平均r値とは圧延方向のr値をVL 、圧
延方向に対して90度方向のr値をVC 、圧延方向に対
して45度方向のr値をVD とすると、(VL +VC +
2VD )/4と表せ、またΔr値は|(rL +rC −2
rD )/2|と表せる値である。)
フェライトの結晶粒度番号が6.5番以上、全伸びが5
5%以上、AIが15MPa以下、平均r値が1.00
以上、Δrが0.10以下の特性を有する異方性の小さ
い深絞り用非時効性熱延鋼板を得ることができるもので
ある。(但し、平均r値とは圧延方向のr値をVL 、圧
延方向に対して90度方向のr値をVC 、圧延方向に対
して45度方向のr値をVD とすると、(VL +VC +
2VD )/4と表せ、またΔr値は|(rL +rC −2
rD )/2|と表せる値である。)
【0012】
【作用】本発明者らは上記課題の解決を目的に、通常冷
間圧延薄鋼板に用いられるAlキルド鋼を使用して製造
した熱間圧延鋼板に非時効性および良加工性を付与する
各種条件を想定してそれらを順次実験・検討した。ま
ず、非時効性を有する鋼板を得るためには、一般に良く
知られているように鋼中に固溶している炭素、窒素を無
害化するため固定させる必要がある。具体的には固溶炭
素、固溶窒素を炭化物、窒化物の形で析出させ固溶炭
素、固溶窒素を減少させることになる。
間圧延薄鋼板に用いられるAlキルド鋼を使用して製造
した熱間圧延鋼板に非時効性および良加工性を付与する
各種条件を想定してそれらを順次実験・検討した。ま
ず、非時効性を有する鋼板を得るためには、一般に良く
知られているように鋼中に固溶している炭素、窒素を無
害化するため固定させる必要がある。具体的には固溶炭
素、固溶窒素を炭化物、窒化物の形で析出させ固溶炭
素、固溶窒素を減少させることになる。
【0013】このように固溶炭素、固溶窒素を炭化物、
窒化物の形で析出させるには、一般にはTi,Nb等の
元素を添加する方法が採られる。しかしこれは製造コス
トの上昇を伴い望ましくない。そのため上記元素類を使
用しないで目的を達成する方法はAlによる窒素の固定
とセメンタイト析出による炭素の固定を活用することに
なる。そこで本発明者らはAlを用いて効果的に固溶窒
素を固定する方法について上記実験・検討を重ねた。そ
の結果、本発明のごとき鋼片製造時の熱処理条件を設定
するに到った。
窒化物の形で析出させるには、一般にはTi,Nb等の
元素を添加する方法が採られる。しかしこれは製造コス
トの上昇を伴い望ましくない。そのため上記元素類を使
用しないで目的を達成する方法はAlによる窒素の固定
とセメンタイト析出による炭素の固定を活用することに
なる。そこで本発明者らはAlを用いて効果的に固溶窒
素を固定する方法について上記実験・検討を重ねた。そ
の結果、本発明のごとき鋼片製造時の熱処理条件を設定
するに到った。
【0014】また、非時効性を損なわず深絞り性を付与
する条件についても同様の実験・検討を重ねた。高加工
性を得るため特性値として、全伸び55%以上を、平均
r値1.0以上、Δr値が0.1以下であり、肌荒れを
発生させないためのフェライトの結晶粒度番号としての
GSNOを6.5番以上とし、かつ2次加工割れを発生
させないことを目標として実験を開始した。
する条件についても同様の実験・検討を重ねた。高加工
性を得るため特性値として、全伸び55%以上を、平均
r値1.0以上、Δr値が0.1以下であり、肌荒れを
発生させないためのフェライトの結晶粒度番号としての
GSNOを6.5番以上とし、かつ2次加工割れを発生
させないことを目標として実験を開始した。
【0015】実験として、高延性を得るために様々な実
験を繰り返して、それぞれの元素の影響について調査を
行った。それによると、何れの元素も低減するほど延性
が向上することが判明した。この中でも特にC,N,
P,Sの影響が大きく、同時に結晶粒径への影響が大き
いことが判明した。図1は鋼中のC+N+S+P含有量
と全伸びとの関係を示したもので、これらの元素が少な
い程全伸びが良好になることが判る。しかし、含まれる
成分が極めて低い鋼材では、通常の熱延条件下では全伸
びが55%以上でフェライトのGSNOが6.5番以上
を共に満足することはできないことが判明した。
験を繰り返して、それぞれの元素の影響について調査を
行った。それによると、何れの元素も低減するほど延性
が向上することが判明した。この中でも特にC,N,
P,Sの影響が大きく、同時に結晶粒径への影響が大き
いことが判明した。図1は鋼中のC+N+S+P含有量
と全伸びとの関係を示したもので、これらの元素が少な
い程全伸びが良好になることが判る。しかし、含まれる
成分が極めて低い鋼材では、通常の熱延条件下では全伸
びが55%以上でフェライトのGSNOが6.5番以上
を共に満足することはできないことが判明した。
【0016】さらに、高純鋼になると、固溶するC,N
の量が少なくなり、粒界強化の役割を果たさなくなるた
め、2次加工割れが発生し易くなる。しかし、多くの実
験結果を整理し直してみると、Pを低下させた鋼材は、
2次加工割れの発生が少ないことが判明した。
の量が少なくなり、粒界強化の役割を果たさなくなるた
め、2次加工割れが発生し易くなる。しかし、多くの実
験結果を整理し直してみると、Pを低下させた鋼材は、
2次加工割れの発生が少ないことが判明した。
【0017】また、異方性への影響は、Sの影響が大き
く、高純鋼をベースとして0.1以下のΔr値を得るた
めには、鋼中のS量を規制する必要があることがわかっ
た。以上の実験結果をもとに、本発明の構成範囲を決定
した。その詳細な構成条件は、次の通りである。
く、高純鋼をベースとして0.1以下のΔr値を得るた
めには、鋼中のS量を規制する必要があることがわかっ
た。以上の実験結果をもとに、本発明の構成範囲を決定
した。その詳細な構成条件は、次の通りである。
【0018】Cは、延性に大きな影響をおよぼす。生成
する、セメンタイト、フェライト結晶粒中の固溶Cな
ど、何れも延性を低下させる。従って本発明において、
C量は、25ppm以下とした。これは、できる限り延
性を向上させるためで、これ以上のC量では目標とした
高い伸び、55%以上が安定に得られないためである。
Nも延性への影響は大きく、Cと同様に生成する窒化
物、固溶Nなどは延性を劣化させる。そこでN量は30
ppm以下に規制した。
する、セメンタイト、フェライト結晶粒中の固溶Cな
ど、何れも延性を低下させる。従って本発明において、
C量は、25ppm以下とした。これは、できる限り延
性を向上させるためで、これ以上のC量では目標とした
高い伸び、55%以上が安定に得られないためである。
Nも延性への影響は大きく、Cと同様に生成する窒化
物、固溶Nなどは延性を劣化させる。そこでN量は30
ppm以下に規制した。
【0019】Pについては、延性の向上と、2次加工割
れ発生の低減の理由がある。特に、2次加工割れ防止の
ためには、50ppm以下にする必要がある。Sについ
ては、本発明において最も重要な要件の1つであり、図
2で示すように上記範囲内の極低C,N,P中において
は、S量が高いと、異方性が高くなり、Δr値0.1以
下にするためには、40ppm以下にする必要がある。
れ発生の低減の理由がある。特に、2次加工割れ防止の
ためには、50ppm以下にする必要がある。Sについ
ては、本発明において最も重要な要件の1つであり、図
2で示すように上記範囲内の極低C,N,P中において
は、S量が高いと、異方性が高くなり、Δr値0.1以
下にするためには、40ppm以下にする必要がある。
【0020】また、本発明においてもう1つ重要な成分
は、Mnである。本発明者らは、C,N,Pが材質にお
よぼす影響を詳細に調査した結果、これらの元素が上記
に示した範囲内にあるとき、ある特定のMn添加範囲内
で、平均r値が高くなることを発見した。その範囲は、
Mn:0.05〜0.20%である。本発明の大きな特
徴はこの点にある。すなわち、C,N,Pを極微量成分
としたときに、あるMn範囲内において、平均r値が向
上し、熱延鋼板でも平均r値1.0以上が得られるよう
になる点である。
は、Mnである。本発明者らは、C,N,Pが材質にお
よぼす影響を詳細に調査した結果、これらの元素が上記
に示した範囲内にあるとき、ある特定のMn添加範囲内
で、平均r値が高くなることを発見した。その範囲は、
Mn:0.05〜0.20%である。本発明の大きな特
徴はこの点にある。すなわち、C,N,Pを極微量成分
としたときに、あるMn範囲内において、平均r値が向
上し、熱延鋼板でも平均r値1.0以上が得られるよう
になる点である。
【0021】Siは、多量に加えると延性を劣化させる
ばかりでなく、Si−Mn系の介在物の起因となり、有
害になる。このため、本発明では、延性への影響がな
く、有害介在物を生成しない条件としてSi≦0.03
%とした。
ばかりでなく、Si−Mn系の介在物の起因となり、有
害になる。このため、本発明では、延性への影響がな
く、有害介在物を生成しない条件としてSi≦0.03
%とした。
【0022】また、Alは脱酸元素として重要であり、
鋼中の介在物を減少させるために必要である。特に、
0.020%以下では不十分な脱酸のために介在物が多
量に発生する。しかし、投入しすぎると、コストアップ
さらに圧延工程で生成する析出物の悪影響が心配され
る。従って、その範囲はAl:0.020〜0.07%
とした。
鋼中の介在物を減少させるために必要である。特に、
0.020%以下では不十分な脱酸のために介在物が多
量に発生する。しかし、投入しすぎると、コストアップ
さらに圧延工程で生成する析出物の悪影響が心配され
る。従って、その範囲はAl:0.020〜0.07%
とした。
【0023】本発明のように、高い延性を得る材料を造
り込むためには、微量で影響の大きい元素を総合的に規
制する必要がある。本発明では、微量4元素の規制で延
性に大きな効果をおよぼすことを確認した。すなわち、
延性向上のための条件として、40ppm≦C+N+P
+S≦110ppmが必要である。このとき、40pp
m以上としたのは、これ未満では、GSNOで6.5番
以上の粒径が得られないためであり、また製鋼コストが
高くなるためである。上限を110ppm以下としたの
は、これ以上では、目標とする全伸び55%以上が得ら
れないためである。
り込むためには、微量で影響の大きい元素を総合的に規
制する必要がある。本発明では、微量4元素の規制で延
性に大きな効果をおよぼすことを確認した。すなわち、
延性向上のための条件として、40ppm≦C+N+P
+S≦110ppmが必要である。このとき、40pp
m以上としたのは、これ未満では、GSNOで6.5番
以上の粒径が得られないためであり、また製鋼コストが
高くなるためである。上限を110ppm以下としたの
は、これ以上では、目標とする全伸び55%以上が得ら
れないためである。
【0024】本発明における成分系で平均r値が向上す
るメカニズムについては不明であるが、本発見において
は、粒界に存在すると影響が大きいC,N,Pを共に低
減した状態で起こっている現象である。集合組織を形成
する結晶粒は、変態の場合も、再結晶の場合も結晶粒界
の状態の影響が大きい。本発明の構成要因になっている
C,N,Pの粒界への影響については、次のことがよく
知られている。
るメカニズムについては不明であるが、本発見において
は、粒界に存在すると影響が大きいC,N,Pを共に低
減した状態で起こっている現象である。集合組織を形成
する結晶粒は、変態の場合も、再結晶の場合も結晶粒界
の状態の影響が大きい。本発明の構成要因になっている
C,N,Pの粒界への影響については、次のことがよく
知られている。
【0025】まず、C,Nについて、α域の圧延では、
高純鋼の粒界から生成する再結晶フェライトは絞り性に
良好な集合組織を有していることが知られており、固溶
C,Nの存在は、集合組織に悪影響をおよぼすとされて
いる。また、Pについての2次加工割れへの影響につい
ては、Pは粒界に偏析しやすく、加工割れの一因になる
ことが知られている。これらのことから、純化された結
晶粒界の中に、存在する析出物等が、従来考えられなか
ったような結晶の方位制御を行って、平均r値の向上に
寄与した可能性がある。
高純鋼の粒界から生成する再結晶フェライトは絞り性に
良好な集合組織を有していることが知られており、固溶
C,Nの存在は、集合組織に悪影響をおよぼすとされて
いる。また、Pについての2次加工割れへの影響につい
ては、Pは粒界に偏析しやすく、加工割れの一因になる
ことが知られている。これらのことから、純化された結
晶粒界の中に、存在する析出物等が、従来考えられなか
ったような結晶の方位制御を行って、平均r値の向上に
寄与した可能性がある。
【0026】仕上げ圧延における仕上げ温度は910℃
以上、好ましくはAr3 変態点以上で同変態点+150
℃の範囲内とするのがよく、その理由はAr3 変態点以
上で圧延を終了させ、その後生成する変態フェライト粒
を整粒の状態に保つためである。また、巻き取り温度を
500〜600℃に規制したのは、結晶粒を細粒に保つ
ためである。
以上、好ましくはAr3 変態点以上で同変態点+150
℃の範囲内とするのがよく、その理由はAr3 変態点以
上で圧延を終了させ、その後生成する変態フェライト粒
を整粒の状態に保つためである。また、巻き取り温度を
500〜600℃に規制したのは、結晶粒を細粒に保つ
ためである。
【0027】しかし、本発明のように、高純鋼に近い成
分系においては、変態点は非常に高く、結晶粒の成長も
非常に早い。これでは巻き取り条件の規制だけでは安定
してGSNOで6.5番以上の微細粒を得ることはでき
ない場合がある。そのような場合には、冷却を利用する
ことによって粗大化を防止することが好ましい。その条
件は、圧延直後1秒以内の冷却開始、冷速20℃/se
c以上で600℃以下まで冷却することが効果的であ
る。
分系においては、変態点は非常に高く、結晶粒の成長も
非常に早い。これでは巻き取り条件の規制だけでは安定
してGSNOで6.5番以上の微細粒を得ることはでき
ない場合がある。そのような場合には、冷却を利用する
ことによって粗大化を防止することが好ましい。その条
件は、圧延直後1秒以内の冷却開始、冷速20℃/se
c以上で600℃以下まで冷却することが効果的であ
る。
【0028】本発明はAlNの析出が早いα域からの昇
熱あるいは圧延(歪み加工)後の昇熱により効率的な析
出を行うため昇熱前の鋼片温度を750℃に限定してい
る。また析出の為の昇熱は、析出を促進すると共に析出
したAlNの再固溶を避けるために、Ar3 変態点温度
以上の温度域で、約0.03重量%のAlと30ppm
程度のNを含有する通常のAlキルド鋼が、内蔵するA
lNを溶解しないとされている1000℃を上限として
いる。
熱あるいは圧延(歪み加工)後の昇熱により効率的な析
出を行うため昇熱前の鋼片温度を750℃に限定してい
る。また析出の為の昇熱は、析出を促進すると共に析出
したAlNの再固溶を避けるために、Ar3 変態点温度
以上の温度域で、約0.03重量%のAlと30ppm
程度のNを含有する通常のAlキルド鋼が、内蔵するA
lNを溶解しないとされている1000℃を上限として
いる。
【0029】また固溶炭素の固定はセメンタイトの析出
を利用する。そのため炭素の過飽和状態を急速冷却によ
り形成して500〜600℃で冷却を停止し、この温度
域で60分以上保定し、AlN,Fe3 C、格子欠陥等
を析出サイトとして微細なセメンタイトを多量に析出さ
せ固溶炭素を低減させるものである。この時の冷却速度
は重要で、遅いと主に粒界にFe3 Cが冷却中に多量に
析出し、過飽和炭素が減少して却って最終の固溶炭素量
が多くなり目的を達しなくなる。
を利用する。そのため炭素の過飽和状態を急速冷却によ
り形成して500〜600℃で冷却を停止し、この温度
域で60分以上保定し、AlN,Fe3 C、格子欠陥等
を析出サイトとして微細なセメンタイトを多量に析出さ
せ固溶炭素を低減させるものである。この時の冷却速度
は重要で、遅いと主に粒界にFe3 Cが冷却中に多量に
析出し、過飽和炭素が減少して却って最終の固溶炭素量
が多くなり目的を達しなくなる。
【0030】そこで冷却速度は20℃/sec以上に限
定しているが、100℃/secを超えると効果が飽和
すると共に設備費が増大するので、この点を考慮して1
00℃/sec以下とすることが好ましい。
定しているが、100℃/secを超えると効果が飽和
すると共に設備費が増大するので、この点を考慮して1
00℃/sec以下とすることが好ましい。
【0031】また冷却停止温度はそれに続く保定上重要
で、温度が低いと過飽和炭素量は増加するが、他方この
温度が高ければ高い程拡散が速くなるのでこの兼ね合い
により最もFe3 Cが析出する500〜600℃に限定
している。
で、温度が低いと過飽和炭素量は増加するが、他方この
温度が高ければ高い程拡散が速くなるのでこの兼ね合い
により最もFe3 Cが析出する500〜600℃に限定
している。
【0032】また保定時間は60分未満ではセメンタイ
トの析出は少なく、本発明で言う良加工性非時効熱延鋼
板に必要な固溶炭素の固定が達成できないので、本発明
では60分以上の保定時間をとっている。ただし熱延鋼
板は通常巻き取り後室温になるまでの長時間放冷してい
るので該巻き取り時に上記した500〜600℃の範囲
で60分間保定することが望ましい。
トの析出は少なく、本発明で言う良加工性非時効熱延鋼
板に必要な固溶炭素の固定が達成できないので、本発明
では60分以上の保定時間をとっている。ただし熱延鋼
板は通常巻き取り後室温になるまでの長時間放冷してい
るので該巻き取り時に上記した500〜600℃の範囲
で60分間保定することが望ましい。
【0033】さらにまた、本発明ではAr3 変態点温度
以上の昇熱に先立って、600〜750℃の温度範囲内
での圧延(歪み加工)を付加することによってAlNの
析出を増長させることができる。
以上の昇熱に先立って、600〜750℃の温度範囲内
での圧延(歪み加工)を付加することによってAlNの
析出を増長させることができる。
【0034】この結果時効指数AIは30MPaは勿論
のこと、時効指数AIがさらに15MPaに達する熱間
圧延鋼板の製造も可能である。本発明では優れた非時効
性を有した上に深絞り性をも有する鋼板を得ることがで
きるもので、実施例の結果からも明らかなように、良好
な深絞り性、非時効性共に備えた熱延鋼板が製造でき
る。
のこと、時効指数AIがさらに15MPaに達する熱間
圧延鋼板の製造も可能である。本発明では優れた非時効
性を有した上に深絞り性をも有する鋼板を得ることがで
きるもので、実施例の結果からも明らかなように、良好
な深絞り性、非時効性共に備えた熱延鋼板が製造でき
る。
【0035】
【実施例】以下本発明の代表的な実施例を説明する。供
試鋼の化学成分を表1に示し、圧延・熱処理条件を表2
に、物理的性質を表3に、本発明と比較例を共に示し
た。本実施例と比較例は、250mm厚の鋳片から板厚
1.2〜2mmの熱延鋼板を製造した。得られた各鋼板
の強度および時効指数は表3の通りである。
試鋼の化学成分を表1に示し、圧延・熱処理条件を表2
に、物理的性質を表3に、本発明と比較例を共に示し
た。本実施例と比較例は、250mm厚の鋳片から板厚
1.2〜2mmの熱延鋼板を製造した。得られた各鋼板
の強度および時効指数は表3の通りである。
【0036】表2中No.1〜8は本発明条件によるも
ので、No.1〜2は請求項1に対応し、No.3〜4
は請求項2に対応し、No.5〜6は請求項3に対応
し、No.7〜8は請求項4に対応する。またNo.9
〜16は比較例であり、No.9〜12は鋼成分が本発
明範囲からはずれるもの、No.13〜16は圧延・熱
処理条件の何れかが本発明範囲からはずれている。
ので、No.1〜2は請求項1に対応し、No.3〜4
は請求項2に対応し、No.5〜6は請求項3に対応
し、No.7〜8は請求項4に対応する。またNo.9
〜16は比較例であり、No.9〜12は鋼成分が本発
明範囲からはずれるもの、No.13〜16は圧延・熱
処理条件の何れかが本発明範囲からはずれている。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】表3に明らかなごとく本発明例は何れの鋼
板も深絞り性が良好で平均r値が1.00を超え、異方
性を示すΔr値が0.10以下で、かつ全伸びが55%
以上を保持している。本発明例に対して比較例は非時効
性は得られても深絞り性は得られなかった。
板も深絞り性が良好で平均r値が1.00を超え、異方
性を示すΔr値が0.10以下で、かつ全伸びが55%
以上を保持している。本発明例に対して比較例は非時効
性は得られても深絞り性は得られなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、非時効性を確保した上
で異方性の小さい良好な深絞り性を有する熱延鋼板が製
造でき、これによって冷間圧延鋼板に代えて熱間圧延鋼
板の使用を現実に可能とすることができ、鋼板加工分野
にもたらす効果は大きい。
で異方性の小さい良好な深絞り性を有する熱延鋼板が製
造でき、これによって冷間圧延鋼板に代えて熱間圧延鋼
板の使用を現実に可能とすることができ、鋼板加工分野
にもたらす効果は大きい。
【図1】鋼中C+N+S+P含有量と全伸びとの関係を
示す図
示す図
【図2】鋼中S含有量とΔr値との関係を示す図
Claims (4)
- 【請求項1】 重量でC≦0.0025%、P≦0.0
05%、N≦0.003%、S≦0.004%、Mn:
0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.07%、
Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、40pp
m≦C+N+P+S≦110ppmを満足した750℃
以下のAlキルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上100
0℃以下に加熱し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延
後、冷却速度20℃/sec以上で冷却し500〜60
0℃で巻き取り少なくとも60分保定することにより、
フェライトの結晶粒度番号が6.5番以上、全伸びが5
5%以上、AIが15MPa以下、平均r値が1.00
以上、Δrが0.10以下の特性を付与することを特徴
とする異方性の小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方
法。 - 【請求項2】 重量でC≦0.0025%、P≦0.0
05%、N≦0.003%、S≦0.004%、Mn:
0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.07%、
Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、40pp
m≦C+N+P+S≦110ppmを満足した750℃
以下のAlキルド鋼片を、600〜750℃で圧延し次
いでAr3 変態点温度以上1000℃以下に加熱し、仕
上げ温度≧910℃で熱間圧延後、冷却速度20℃/s
ec以上で冷却し500〜600℃で巻き取り少なくと
も60分保定することにより、フェライトの結晶粒度番
号が6.5番以上、全伸びが55%以上、AIが15M
Pa以下、平均r値が1.00以上、Δrが0.10以
下の特性を付与することを特徴とする異方性の小さい深
絞り用非時効熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 重量でC≦0.0025%、P≦0.0
05%、N≦0.003%、S≦0.004%、Mn:
0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.07%、
Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、40pp
m≦C+N+P+S≦110ppmを満足した750℃
以下のAlキルド鋼片を、Ar3 変態点温度以上100
0℃以下に加熱し、仕上げ温度≧910℃で熱間圧延
し、圧延終了後1秒以内に冷却を開始し冷却速度20℃
/sec以上で冷却し、500〜600℃で巻き取り少
なくとも60分保定することにより、フェライトの結晶
粒度番号が6.5番以上、全伸びが55%以上、AIが
15MPa以下、平均r値が1.00以上、Δrが0.
10以下の特性を付与することを特徴とする異方性の小
さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 重量でC≦0.0025%、P≦0.0
05%、N≦0.003%、S≦0.004%、Mn:
0.05〜0.20%、Al:0.02〜0.07%、
Si≦0.03%その他不可避的元素を含み、40pp
m≦C+N+P+S≦110ppmを満足した750℃
以下のAlキルド鋼片を、600〜750℃で圧延し次
いでAr3 変態点温度以上1000℃以下に加熱し、仕
上げ温度≧910℃で熱間圧延し、圧延終了後1秒以内
に冷却を開始し冷却速度20℃/sec以上で冷却し、
500〜600℃で巻き取り少なくとも60分保定する
ことにより、フェライトの結晶粒度番号が6.5番以
上、全伸びが55%以上、AIが15MPa以下、平均
r値が1.00以上、Δrが0.10以下の特性を付与
することを特徴とする異方性の小さい深絞り用非時効熱
延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31937594A JPH08157962A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 異方性の小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31937594A JPH08157962A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 異方性の小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08157962A true JPH08157962A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=18109454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31937594A Withdrawn JPH08157962A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 異方性の小さい深絞り用非時効熱延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08157962A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013133509A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Jfe Steel Corp | 形状凍結性と耐時効性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
-
1994
- 1994-11-30 JP JP31937594A patent/JPH08157962A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013133509A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Jfe Steel Corp | 形状凍結性と耐時効性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020205 |