JPH08155732A - 金属用チップソー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目 的】 金属、非鉄金属、合成樹脂等の切断
時に発生する切削熱によるチップの破損、折損、磨耗を
防止するチップを設置した鋸を提供する。 【構 成】 鋸刃のデスクの外周部に、先端を円
弧状に形成した、数拾個の切り刃チップをデスクに熔着
したもの。

Description

【発明の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野：本発明は非鉄金属、金属、合
成樹脂等の工業製品の切断加工を行う丸鋸に関するもの
である。

（２）従来の技術：現在、金属用チップソーの切り刃の
最尖端近くは殆どのものが鋭角に形成されており、これ
が為に切削時に発生する高熱に依ってチップが劣化、磨
耗するので長時間の使用は出来なかった。特にステンレ
スの切断は至難を極め未だに未解決である。本発明は、
この現実を打破するためのもので、切り刃に鋭角をもた
せず、切り刃チップの両側縁又は中央先端を円弧状にす
る事によって、切削時に発生する部分的な熱の発生を阻
止し、高温を発散しやすくして、焼結物であるチップの
切り刃の劣化を防止しようとするものである。

（３）発明が解決しようとする課題：第１図は基本的な
鋸刃の部分正面図を示しており、第２図の図（Ａ１）は
切り刃の尖端に円弧の切り刃部（３）を形成した超鋼チ
ップ（２）を鋸刃デスク（１）の外周部に熔着し、チッ
プ（２）の切り刃部（３）を左右交互に適当数熔着し配
設した鋸刃の平面図である。図（Ａ２）の（ａ−ａ’）
はチップ（２）の一方の側面がデスク（１）と同一面を
もち一方向のみの拡がり角をもったチップ（２）を示
し、図（Ｂ）の（Ｒ）、（ｂ−ｂ’）と（Ｌ）、（ｃ−
ｃ’）は両側縁に拡がりを持った切り刃チップ（２）を
図示したものである。以上の如く構成された鋸刃は従来
の金属用鋸刃に較べて切り刃のチップ（２）の尖端が円
弧で形成されており、切削時に円弧でもって平均的に削
るのて発生する高熱も平均に分布する。故に従来の切り
刃のチップの様に切り刃の鋭角の部分が高熱に依って劣
化損傷することが非常に少ない。本発明は難削材のステ
ンレス銅の切断を主目的としているが、これさえ難なく
切断出来れば他の金属及び非鉄金属、合成樹脂等の切断
作業は容易である。

（４）課題を解決しようとする手段：強度の粘性をもつ
ステンレス銅の切断時には切り刃にかかる切削時の荷重
は非常に大きくそればかりか切削時に発生する高熱の為
その切り粉が切り刃の尖端に熔着して損傷、磨耗し、切
り刃の切削能力を著しく低下せしめ逐には切り刃を切削
不能に至らしめるのが現状である。本発明は切り刃の切
刃部とは部分的な凸部も鋭角の部分もなく切断時に発生
する熱量を平均に分布させる為チップ（２）の尖端を円
弧状に形成しそればかりか第３図（ＩＩＩ）、（ＩＶ）
に示すように、デスクの回転面の外周部に尖端を大きな
円弧状に形成したチップ（２Ｃ）をチップ（２）の間に
設置する事により細分割の切削が可能になる。これは粘
性の大きい物質の切削は同じ体積を削り取るにしても数
少なく削るよりも数多くの回数で削り取る方が１つの切
り刃に作用する力は後者の方がはるかに少ないからであ
る。換言すれば鋸刃による切断時には切断時に排出され
る切り粉は大きいものより小さいものの方が鋸刃の耐久
性は大である。本発明は以上の技術思想に依って難削材
の切断時の耐久力を確保せしめるものである。

（５）作 用：円弧状の尖端（３）、（３Ｃ）、
（３Ｃ’）を持った切り刃チップ（２）、（２Ｃ）、
（２Ｃ’）は、切削の度合いは鋭角の尖端をもった従来
の鋸刃よりやや劣るにしても熱に対しては強靭で、刃先
の磨耗も少なく硬度や粘性の高い材料の切断には最適で
ある。

（６）実 施 例：第４図（ｂ）は第３図（Ｉ）のみを
一連に設置した鋸刃の平面図であり比較的軟質材の切断
に適し、硬質材や高い粘性の材料に対しては、第３図
（ＩＩ）と第３図（ＩＩＩ）に示したチップ（２）、
（２Ｃ）を第４図（ｃ）の如（２種類の異なったチップ
（２）、（２Ｃ）或いは、（２）、（２Ｃ’）を交互に
設置したものが効果的である。これ等は切断時に細分割
の切断を行うので硬質材や、高粘性の材料の切断に適し
ている。特に硬度の低い非鉄金属や合成樹脂などの切断
には本発明の円弧状のチップと第３図（Ｉ）に類似し、
尖端が通常の鋭角を持った切り刃と混合して設置すれば
飛躍的に切れ味は向上する。

（７）発明の効果：本発明の鋸刃は切り刃のチップの最
尖端が円弧状である為に切削熱に基因するチップ（２）
の欠損や磨耗が少なく切断面がきれいで、長時間にわた
って切れ味の変化はなく、又被切断物の材質に応じて２
種類か３種類の切り刃のチップを混合し、これらを適宜
に配設すれば如何なる材質の切断も効率よく実施できる
長所を有する鋸刃である。

【図面の簡単な説明】

【図 １】切り刃のチップを熔着設置した鋸刃の正面図
である。

【図 ２】（Ａ１） 切り刃チップとデスクの平面図で
ある。 （Ａ２） 切り刃チップとデスクの断面図である。 （Ｂ） 切り刃チップとデスクの断面図である。

【図 ３】（Ｉ） 切り刃チップとデスクの断面図であ
る。 （ＩＩ） 切り刃チップとデスクの断面図である。 （ＩＩＩ） 切り刃チップとデスクの断面図である。 （ＩＶ） 切り刃チップとデスクの断面図である。

【図 ４】（ａ） 中心よりの法線ＣＬと切り刃チップ
とデスクの一部拡大の正面図である。 （ｂ） 切り刃チップとデスクの一部拡大した平面図で
ある。 （ｃ） 切り刃チップとデスクの一部拡大した平面図で
ある。

【符号の説明】

（１） ………デスク（刃体） （２）、（２Ｃ）、（２Ｃ’）………切り刃チップ （３）、（３Ｃ）、（３Ｃ’）………切り刃の円弧部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】銅板よりなる適宜厚さのデスク（１）の外
   周部に切り刃チップ（２）、（２Ｃ）、（２Ｃ’）を熔
   着する適当な形状を設け、これに両側縁の尖端又は中央
   先端に円弧状の切り刃の円弧部（３）、（３Ｃ）、（３
   Ｃ’）を有する切り刃チップ（２）（２Ｃ）（２Ｃ’）
   の適当数を適宜の間隔に配設し、熔着したことを特徴と
   する金属用チップソー。
2. 【請求項２】異種の切り刃チップ（２）と切り刃チップ
   （２Ｃ）とを適当な間隔で適当数をデスク（１）の外周
   部に設置したことを特徴とする請求項１記載の金属用チ
   ップソー。
3. 【請求項３】異種の切り刃チップ（２）及び切り刃チッ
   プ（２Ｃ）、（２Ｃ’）の適当数を適当な順位でデスク
   （１）の外周部に熔着設置したことを特徴とする請求項
   １記載の金属用チップソー。