JPH08145959A - 軸対称回転形状体の曲線部表層探傷方法及び装置 - Google Patents

軸対称回転形状体の曲線部表層探傷方法及び装置

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JPH08145959A
JPH08145959A JP6291260A JP29126094A JPH08145959A JP H08145959 A JPH08145959 A JP H08145959A JP 6291260 A JP6291260 A JP 6291260A JP 29126094 A JP29126094 A JP 29126094A JP H08145959 A JPH08145959 A JP H08145959A
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surface layer
ultrasonic
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echo
angle
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JP6291260A
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English (en)
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Tadataka Hattori
資孝 服部
Ookazu Asai
鉅和 浅井
Akihiro Takeuchi
昭博 竹内
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 曲率半径の小さなR部曲面表層の微小欠陥を
検出する。 【構成】 ロータの軸R部1dの表層に存在する微小欠
陥を超音波プローブ3、4から送信された超音波パルス
により生ずる表面波のエコーにより検出する。超音波プ
ローブ3はロータの半径方向に表面波を発生させ、超音
波プローブ4は円周方向に表面波を発生させる。ロータ
を軸回転させると共に、超音波プローブ3、4の超音波
ビームを走査し、得られたエコーを円周角と半径方向の
マップ上に表示する。受信エコーに含まれるノイズは、
隣接信号との相関処理により除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軸対称回転形状体の曲線
部表層探傷方法及び装置、特に超音波による表面波を用
いた探傷方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられるターボチャージャロー
タ等の高速回転部品では、部品に高い信頼性が要求され
るため精密な検査による品質の保証が必要である。特
に、機械的に高い応力が加わる部位、温度勾配に起因す
る熱応力が作用する部位では微細な欠陥も排除する必要
がある。近年、セラミックスの微小欠陥の検出には、マ
イクロフォーカスX線装置、超音波顕微鏡、又は高周波
超音波の映像装置等が用いられている。例えば、特開昭
61−137059号公報の表面傷検査装置では、探触
子ホルダに転動可能に保持されるタイヤ型超音波探触子
により被検体の表面に表面波を伝播させ、被検体の表面
傷を検査する装置において、被検体の検査方向に被検体
に対して相対移動可能な支持体とこの支持体に配設され
るエアシリンダ装置とこのエアシリンダ装置のピストン
ロッド先端部と探触子ホルダとの間にスプリングを設け
た構成が開示されている。これによれば、支持体と被検
体との相対移動に伴う支持体もしくは被検体の振動、す
なわち振幅は小さい高速の振動をスプリングの伸縮によ
って吸収し、被検体の曲部による支持体の振動、すなわ
ち振幅の大きい低速の振動をエアシリンダ装置の伸縮に
よって吸収し、タイヤ型探触子を被検体の表面に良好に
追従させ、安定して被検体の表面傷の検査を行うことが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来装置においては、被検査体が略平板状の場合には微
小欠陥を鮮明に検出できるものの、ターボチャージャロ
ータの軸R部等の複雑な形状の部品検査に適用する場合
には、形状や寸法の制約を受け、微小欠陥を鮮明に検出
することが困難となる。すなわち、複雑な形状部位の微
小欠陥の検出に際しては、いかに正確に超音波探触子を
被検査体表面の形状に沿って走査できるか、および微小
欠陥からの微小信号をいかにノイズと区別して抽出でき
るかが重要となり、従来技術はこれら技術的課題に対し
十分な回答を与えるに至っていない。
【0004】本発明は上記従来持術の課題に鑑みなされ
たものであり、その目的はターボチャージャ用セラミッ
クロータ等の軸対称回転形状体の曲線部表層に存在する
微小欠陥を鮮明に検出できる探傷方法及び装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するために手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の軸対称回転形状体の曲線部表層探傷
方法は、軸対称回転形状体の曲線部表層を超音波で探傷
する方法であって、前記曲線部表層に互いに直交する2
方向に表面波を発生させるべく一対の超音波プローブを
前記曲線部表層に対して所定角度で配置する配置ステッ
プと、前記軸対称回転形状体を所定速度で回転させ、前
記一対の超音波プローブから超音波を発生させてそのエ
コーを受信するとともに、前記一対の超音波プローブを
前記角度を維持しつつ前記曲線部の表面形状に沿って走
査する走査ステップと、走査して得られた受信エコー信
号を相関処理することにより、前記受信エコー信号から
曲線部表層に存在する微小欠陥に起因するエコー信号を
抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより互い
に直交する2方向で得られたエコー信号に基づき、前記
曲線部表層内に存在する微小欠陥を軸対称回転形状の回
転角と半径距離のマップ上に表示する表示ステップとを
有することを特徴とする。
【0006】また、上記目的を達成するために、請求項
2記載の軸対称回転形状体の曲線部表層探傷装置は、軸
対称回転形状体の曲線部表層を探傷する装置であって、
一対の超音波プローブと、前記一対の超音波プローブの
超音波送受信を制御する探傷器と、前記曲線部表層に互
いに直交する2方向に表面波を発生させるべく前記一対
の超音波プローブを前記曲線部表層に対して所定角度で
保持するプローブ保持手段と、前記軸対称回転形状体を
保持する非検査物保持手段と、前記プローブ保持手段を
駆動して前記一対の超音波プローブを前記角度を維持し
つつ前記曲線部の表面形状に沿って走査するとともに、
前記被検査物保持手段を駆動して前記軸対称回転形状体
を回転する走査制御手段と、前記探傷器からの受信エコ
ー信号を相関処理することにより、前記受信エコー信号
から曲線部表層に存在する微小欠陥に起因するエコー信
号を抽出する信号処理手段と、前記信号処理手段で互い
に直交する2方向で得られたエコー信号に基づき、前記
曲線部表層内に存在する微小欠陥を軸対称回転形状の回
転角と半径距離のマップ上に表示する表示手段とを有す
ることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明では、一対の超音波プローブで被検査物
体である軸対称回転部材の曲線部表層に表面波を発生さ
せ、そのエコーを受信して微小欠陥を検出する。この
時、表面波は直交する2方向に発生させ、例えば回転体
の半径方向と円周方向に発生させる。そして、表面波を
発生させるための励起角を維持しつつ、超音波プローブ
を駆動して曲線部に沿って走査する。
【0008】走査して得られた受信エコーには、ノイズ
が含まれているため、隣接エコーデータとの相関処理を
行うことによりノイズを除去する。すなわち、真の欠陥
からのエコーの場合には隣接データにも存在するが、ノ
イズの場合には重複はない。従って、隣接データとの相
関をとることにより、相関のないエコーはノイズである
として除去される。ノイズが除去された真の欠陥による
エコーは、直交する2方向それぞれについて回転部材の
曲線部を展開したマップ上にエコー像として表示され
る。
【0009】このように、直交する2方向に表面波を発
生させるとともに、相関処理でノイズを除去することに
より、従来検出困難であった回転部材の曲線部に存在す
る微小欠陥を鮮明に画面上に表示でき、欠陥を容易に発
見できる。
【0010】なお、一対の超音波プローブの走査方法及
び走査メカニズムの詳細については、以下の実施例を参
照することにより、明らかとなるであろう。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例について
説明する。
【0012】図1には本実施例における検査対象である
窒化硅素製ターボチャージャロータが示されている。こ
のターボチャージャロータ1はブレード1a、ハブ1b
およびシャフト1cが一体的に成形されており、シャフ
ト1cの円柱側面からハブ1bの底面の平坦面に接する
軸R部1dが存在する。ターボチャージャロータ1は、
エンジンのエキゾーストガスによる高速回転時には熱応
力と遠心力による合成応力の極大点がシャフト1cとハ
ブ1bの結合部の表層に存在することが知られている。
本実施例においては、この軸R部1dに存在する微小欠
陥を本実施例の特徴の一つであるスキャナを用いて走査
し、表層を探傷する。
【0013】図2には本実施例における表層微小欠陥検
出の原理が示されている。超音波プローブ3及び被検査
体100は水中に保持される。超音波プローブ3から1
5MHzの集束超音波ビームを送信しビームの焦点を被
検査体100の表面に結ぶ。そして、ビーム中心の入射
角を表面波の励起角15.3°に保持し超音波のパルス
を入射する。入射面では、一部のエネルギが表面波に代
わり、表面を伝播する。被検査体100に欠陥が存在す
ると、その部分で表面波は反射され、再び縦波に変換さ
れた波が同じ超音波プローブ3に受信される。なお、表
面波はその振動エネルギの大部分が表面から一波長まで
の深さに集中しており、本実施例においては約200μ
m程度である。このように、超音波プローブ3には被検
体100の表層に存在する微小欠陥からの反射波が受信
されるが、同時に入射面の散乱波も混入することにな
る。この散乱波は表面のわずかな凹凸により生じるもの
である。従って、被検査体100の表層微小欠陥を検出
するためには、これら2つの波を伝播時間差により分離
する必要がある。そのため、本実施例においてはビーム
入射点の前方に位置する微小欠陥のエコーのみが受信さ
れるように信号を受信するゲートのディレイ時間を調整
している。なお、超音波ビームのスキャンは、後述する
ように被検査体100の回転により行い、入射角及び超
音波プローブからビーム入射点までの距離は常に一定に
保持される。
【0014】図3には本実施例のシステム構成図が示さ
れている。本システムは、超音波探傷器2、一対のスキ
ャナアーム9、10により一対のプローブ3、4を水中
で走査するとともに、被検査体であるターボチャージャ
ロータ1の回転を制御するスキャナコントローラ5、及
びミニコンピュータ6を含んで構成され、検査結果であ
る微小欠陥の位置や分布、大きさを表示するディスプレ
イモニタ7と記録用としてのハードコピー8を含んで構
成される。超音波探傷器2は多チャンネルのパルスレシ
ーバを有し、各チャンネル毎の受信モジュールの周波数
を及びゲイン、エコーの受信位置を決めるゲートディレ
イ等探傷に必要なパラメータがミニコンピュータ6によ
り設定される。なお、15は後述するスキャナ水槽内の
水平軸ターンテーブルである。
【0015】図5には一対の超音波プローブ3、4の直
線動作及び水平回転と被検査体であるターボチャージャ
ロータの回転を制御するスキャナ本体の平面図(A)及
び側面図(B)が示されている。スキャナはパルスモー
タ12a〜12c,13a〜13cによりX、Y、Z軸
方向に移動する2組のキャリア12、13を備え、これ
らのキャリア12、13のアーム固定部12d、13d
に一対のスキャナアーム9、10が固定される。また、
スキャナ水槽14の側面には、水平回転軸を有するター
ンテーブル15が装備され、サーボモータ16により駆
動される。
【0016】図6には超音波プローブ3、4を保持する
スキャナアーム9、10の構成が示されている。スキャ
ナアーム9、10は回転ロッド9a、10aを備え、超
音波プローブ3、4を±90°の範囲で水平回転する。
この回転により、超音波プローブ3、4の集束ビームの
焦点が、図7に示されるように水平面内(XY平面)で
円弧を描く。この円弧の半径rは超音波プローブ3、4
を固定するスライドバー9b、10bのスクリューダイ
アル9c、10cにより任意に設定可能である。また、
超音波プローブ3、4の仰角、俯角は上下角調整ダイア
ル9d、10dで設定可能である。一方、被検査体のタ
ーボチャージャロータ1は、その回転軸がスキャナアー
ム9、10の回転軸方向と直交するようにスキャナ中央
の水平軸ターンテーブル15に固定される。なおスキャ
ナ各軸の移動スピード、移動量の設定及びターンテーブ
ルの回転を含む5軸動作と超音波パルスの発振タイミン
グの同期制御はミニコンピュータ6のプログラムで制御
される。
【0017】図8及び図9には超音波プローブ3、4の
配置位置が示されている。超音波プローブ3はスキャナ
アーム9に固定される。プローブ3のビーム中心軸をX
Y面(水平面)に一致させ、かつ、焦点をプローブ3の
水平回転中心に一致させる。集束ビームの焦点は、スキ
ャナアーム9の動作に伴ってXY面内を移動すると共
に、ビーム中心軸がその焦点を中心としてXY面内で回
転する。一方、超音波プローブ4はスキャナアーム10
に固定される。集束ビームの中心軸はXZ面に平行な面
内にあり、X軸に対して図9に示すように15.3°の
角度に設定されている。また、ビームの焦点とプローブ
水平回転軸の距離rは2.5mmに設定されており、超
音波プローブ4の水平回転によりビーム焦点がXY面内
(水平面)で半径2.5mmの弧を描く。また、ビーム
焦点はX面内を移動する。なお、被検査体であるターボ
チャージャロータ1は、スキャナのY軸上に両センタで
固定され、スキャナアーム9、10の動きに同期して定
速回転する。
【0018】図10には超音波プローブ3、4のビーム
走査状況が模式的に示されている。図10の下半分が超
音波プローブ3の走査方法であり、表面波をロータの半
径方向に走らせて微小欠陥を検出するビーム走査法「半
径方向検出」である。ロータの軸R部曲面の母線は、曲
率の異なる曲線で滑らかに連結された形状である。図に
おいて、Sはビーム走査開始時点のビーム中心の姿勢を
示す。ビーム焦点はロータ1のハブの背面に一致してお
り、入射角は上述したように表面波を発生させる15.
3°である。この場合、表面波は図示のように曲面に沿
ってロータの中心方向に進む。ビーム走査は以下の3段
階の工程で行っている。
【0019】(1)第1の工程 ビーム焦点を母線に沿って中心方向に2mm移動させ
る。焦点の移動速度は、ロータ1回転当たり0.125
mm進む速度に設定される。この走査は、ロータの回転
速度に同期させてビーム焦点のX軸位置、Y軸位置を一
定速度で変化させ、同時にビーム中心の角度を一定速度
で変化させることにより行う。
【0020】(2)第2の工程 母線に沿って更に2mmの円弧が走査される。
【0021】(3)第3の工程 続く1mmが走査される。
【0022】各工程において変化させるべきX軸位置の
変化量DX1、DX2、DX3、Y軸位置の変化量DY
1、DY2、DY3及びビームの中心角の変化量DR
1、DR2、DR3は、曲線の円弧近似による幾何学的
な計算で求められプログラムに入力される。これらの走
査過程において、ビーム焦点の移動軌跡は直線近似であ
る。ただし、ビーム中心軸は焦点の移動に伴って水平回
転を行うため、入射角は表面波を発生させるために常に
15.3°に保持される。ここで、各工程(1)〜
(3)におけるビーム中心の姿勢は、図示のごとくSか
らスタートしてS1、S2、S3のように変化する。
【0023】一方、図10の上半分には超音波プローブ
4の走査方法が示されており、超音波プローブ4は表面
波をロータの回転接線方向に走らせて微小欠陥を検出す
る(「円周方向検出」)。この回転接線方向(円周方
向)は超音波プローブ3による半径方向の表面波に直交
方向である。図において、sは走査開始地点のビーム中
心の姿勢であり、XY面への投影で示されている。この
ビームは、焦点と水平回転軸間の距離が2.5mmに設
定され、かつ、ビーム中心軸の水平面(XY面)とのな
す角度が表面波を発生させるために15.3°に固定さ
れている。走査開始時に、ビーム焦点をロータのハブの
背面に一致させる。このビーム姿勢により、表面波はビ
ーム入射点からZ軸の負の方向に進む。ビーム走査は、
ロータの回転とビームの水平回転及び回転軸のXY移動
を同期させながら以下の5段階の工程で行われる。
【0024】(1)第1の工程、(2)第2の工程 ビーム焦点を母線に沿ってそれぞれ2mm移動させる。
【0025】(3)第3の工程 更に1.11mm移動させる。
【0026】(4)第4の工程 更に1.19mm移動させる。
【0027】(5)第5の工程 ビームの水平回転のみで半径2.5mmの円弧長をロー
タの軸R部の終点まで移動させる。
【0028】各工程(1)〜(5)におけるビーム焦点
の移動は、直線近似で行われ、ビーム中心軸のXY面へ
の投影の姿勢は、母線と直交する関係が常に保持され
る。各工程でのビーム回転軸のX軸位置の変化量dx
n、Y軸位置の変化量dyn及びビーム中心角の変化量
drnは幾何学的に求められ、同様にプログラムに入力
される。ビーム中心のXY面への投影の修正は、図示の
ごとくsからスタートしてs1、s2、s3、s4と進
み、s5で終了する。なお、欠陥検出の領域は、スター
ト点からロータ軸R部全域にわたる曲面である。
【0029】以上のようにして半径方向及び円周方向の
微小欠陥検出を行い、データの収集はロータの回転と同
期して行い、回転各1°毎に1点を収集する。超音波プ
ローブ3、4からの超音波パルスの繰り返し送信周波数
は2.334kHzであり、ロータ1回転で360点の
データを得るためロータの回転スピードは6.48rp
mに制御される。この回転スピードを基準に、各スキャ
ナ軸の移動スピードが制御され、ピッチ0.125mm
間隔の螺旋上位置のエコーが受信され、上述した各工程
毎にエコー高さのデジタル値がミニコンピュータ6のメ
モリに記憶される。
【0030】ここで、本実施例のような微小欠陥の検出
においては、超音波探傷器2のゲインを高く設定するた
め、欠陥信号以外のノイズエコーが混入されやすい。そ
こで、以下に述べるデータの相関処理を行ってソフトウ
エアによるノイズ除去を行っている。すなわち、走査ビ
ームの焦点径は0.5mm(−6dB範囲)であり、デ
ータの受信ピッチ0.125mmより大きいため、エコ
ー受信の領域がオーバーラップする。そのため、欠陥は
常に複数回繰り返して検出されることになる。このこと
を利用して、受信されたエコー信号の1つ1つについ
て、その信号の受信位置前後及び隣接する走査ラインの
同一回転角位置近傍に同じ信号が受信されているか否か
を判断し、互いに位置的に隣接して受信される信号を真
の欠陥エコーとして処理している。この相関処理によ
り、単発的に発生するノイズやスキャナ水槽内の小さな
浮遊物に起因する信号は、すべてノイズとして効果的に
除去され、真の欠陥エコーのみを抽出することができ
る。
【0031】図11には、このようにして得られた欠陥
エコーをモニタ画面上に表示した一例が示されている。
図において、(A)は超音波プローブ3による半径方向
の検出結果であり、(B)は超音波プローブ4による円
周方向の検出結果である。両図において、横軸はロータ
の円周角位置を示し、縦軸は軸R部の展開位置を示して
いる。画像は、横軸1°、縦軸0.125mmのサイズ
の画素で形成され、各画素はエコー高さを3dB間隔毎
にドット密度を変えて階調表示される。縦軸メモリ0の
位置は、ビーム走査の開始点を示し、10mmの位置は
ロータ軸R部曲線の終了点を示す。記号ア、イは半径方
向で検出された欠陥のエコー像であり、ア´、イ´は円
周方向で検出された欠陥エコー像である。また、両図に
おける縦軸メモリ3における実線は応力集中部位を示し
ている。これらのエコー像は、欠陥の近傍を通過する走
査ビームのパルスにより、繰り返し検出されたエコーパ
ルスの多数のデータで形成される。アとア´及びイとイ
´はそれぞれほぼ同じR部展開位置及び円周角位置に表
示されており、同一の欠陥が直交する2方向(半径方
向、円周方向)の超音波ビームで検出されたことを示し
ている。この欠陥は、表層内に存在するポアであり、ロ
ータの表面では観察できないものである。
【0032】このように、回転角と展開位置(半径距
離)のマップ上にエコー像を表示することにより、どの
位置にどの位の大きさの微小欠陥が存在するかを容易に
確認することが可能であるが、本実施例においては、更
に最大エコー像の検索を以下のように行っている。すな
わち、図11に示されたマップにおいて、幅1.25m
m、角度範囲20°からなる窓を仮想し、この窓の中に
入るエコー像のパルス数を計数する。この窓を10°ず
つ移動しながらパルス数を数え、パルス数の最大値及び
その角度位置を算出する。図12にはこのようにして得
られたパルス数が示されており、同時にその最大値及び
角度が示されている。なお、(A)が半径方向検出にお
けるパルス数であり、(B)が円周方向検出におけるパ
ルス数である。最大エコー像の検索は、軸R部展開位置
の0.5mm間隔毎に行い、大きさと位置が出力される
ようにしている。また、窓の大きさと移動ステップの量
は、判定の基準とする大きさの欠陥のエコー像が正しく
入るように設定される。
【0033】図4には、以上の処理がフローチャート
(S101〜S121)で示されている。S105にお
ける試料番号は、検査すべき回転部材の番号であり、S
121の合否判定は、あらかじめ定められたしきい値と
最大エコー像の大きさとの大小比較を意味している。
【0034】このように、本実施例においてはロータ軸
R部表層の開口ポア、表層内部ポアを鮮明に検出するこ
とができ、また検出結果は軸R部の展開図(円周角と半
径距離のマップ)上にエコー像で表示されるため、欠陥
の位置やエコー像の大きさ、形態等を容易に評価するこ
とができる。また、最大エコー像の検索及び数量化を行
うことにより、探傷範囲内における最大欠陥を容易に検
索することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
軸対称回転形状体の曲率半径の小さなR部曲面表層の微
小欠陥を迅速に検出することができ、再現性に優れ信頼
性の高い検査データが得られ、品質管理等を効率的に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において検査対象であるターボ
チャージャロータの説明図である。
【図2】同実施例における表層欠陥検出の原理説明図で
ある。
【図3】同実施例におけるシステム構成図である。
【図4】同実施例の処理フローチャートである。
【図5】同実施例におけるスキャナ本体の構成図であ
る。
【図6】同実施例におけるスキャナアームの構成図であ
る。
【図7】同実施例における集束ビームの水平面内におけ
る回転の様子を示す説明図である。
【図8】同実施例における超音波プローブの配置説明図
である。
【図9】同実施例における超音波プローブの配置説明図
である。
【図10】同実施例におけるビーム走査の状況を示す説
明図である。
【図11】同実施例におけるエコー像の表示例を示す図
である。
【図12】同実施例における最大エコーレベルの検索と
数量化を示す図である。
【符号の説明】
1 ターボチャージャロータ 1d ターボチャージャロータの軸R部 2 探傷器 3、4 超音波プローブ 5 スキャナコントローラ 6 ミニコンピュータ 7 ディスプレイ 8 ハードコピー 9、10 スキャナアーム 15 水平軸ターンテーブル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸対称回転形状体の曲線部表層を超音波
    で探傷する方法であって、 前記曲線部表層に互いに直交する2方向に表面波を発生
    させるべく一対の超音波ブローブを前記曲線部表層に対
    して所定角度で配置する配置ステップと、 前記軸対称回転形状体を所定速度で回転させ、前記一対
    の超音波プローブから超音波を発生させてそのエコーを
    受信するとともに、前記一対の超音波プローブを前記角
    度を維持しつつ前記曲線部の表面形状に沿って走査する
    走査ステップと、 走査して得られた受信エコー信号を相関処理することに
    より、前記受信エコー信号から曲線部表層に存在する微
    小欠陥に起因するエコー信号を抽出する抽出ステップ
    と、 前記抽出ステップにより互いに直交する2方向で得られ
    たエコー信号に基づき、前記曲線部表層内に存在する微
    小欠陥を軸対称回転形状の回転角と半径距離のマップ上
    に表示する表示ステップと、 を有することを特徴とする軸対称回転形状体の曲線部表
    層探傷方法。
  2. 【請求項2】 軸対称回転形状体の曲線部表層を探傷す
    る装置であって、 一対の超音波プローブと、 前記一対の超音波プローブの超音波送受信を制御する探
    傷器と、 前記曲線部表層に互いに直交する2方向に表面波を発生
    させるべく前記一対の超音波プローブを前記曲線部表層
    に対して所定角度で保持するプローブ保持手段と、 前記軸対称回転形状体を保持する被検査物保持手段と、 前記プローブ保持手段を駆動して前記一対の超音波プロ
    ーブを前記角度を維持しつつ前記曲線部の表面形状に沿
    って走査するとともに、前記被検査物保持手段を駆動し
    て前記軸対称回転形状体を回転する走査制御手段と、 前記探傷器からの受信エコー信号を相関処理することに
    より、前記受信エコー信号から曲線部表層に存在する微
    小欠陥に起因するエコー信号を抽出する信号処理手段
    と、 前記信号処理手段で互いに直交する2方向で得られたエ
    コー信号に基づき、前記曲線部表層内に存在する微小欠
    陥を軸対称回転形状の回転角と半径距離のマップ上に表
    示する表示手段と、 を有することを特徴とする軸対称回転形状体の曲線部表
    層探傷装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101390615B1 (ko) * 2006-03-06 2014-05-26 더 보잉 컴파니 만곡된 선형 검사센서를 이용한 비파괴 검사장치와 방법
CN106556645A (zh) * 2016-11-25 2017-04-05 长沙理工大学 一种实心轴的超声合成孔径聚焦检测装置及成像方法
CN113219059A (zh) * 2021-05-18 2021-08-06 内蒙古电力(集团)有限责任公司内蒙古电力科学研究院分公司 一种电站汽轮机厚壁隔板相控阵检测工艺方法
CN115128857A (zh) * 2022-09-01 2022-09-30 深圳市共赢晶显技术有限公司 液晶屏表面缺陷检测方法及系统

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