JPH08145931A - ニオイモニタ - Google Patents

ニオイモニタ

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JPH08145931A
JPH08145931A JP28827094A JP28827094A JPH08145931A JP H08145931 A JPH08145931 A JP H08145931A JP 28827094 A JP28827094 A JP 28827094A JP 28827094 A JP28827094 A JP 28827094A JP H08145931 A JPH08145931 A JP H08145931A
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odor
heater
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resistance value
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JP28827094A
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Hiromi Miyashita
洋巳 宮下
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Nohmi Bosai Ltd
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Nohmi Bosai Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用されるニオイセンサのヒータの劣化を検
出し、ヒータの温度変化に基づくニオイ検出の異常を監
視できる信頼性の高いニオイモニタを得る。 【構成】 環境中の雰囲気を検出するニオイセンサ2
と、このニオイセンサ2の素子2aを加熱するヒータ2
bの劣化に関する情報を検出し、その検出出力に基づい
てニオイセンサ2のヒータ2bの劣化を判別するMPU
4(演算部41)と、その判別結果に基づいてニオイセ
ンサ2の異常を警報するブザー9とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、環境中の雰囲気(ニ
オイ)を検出して表示するニオイモニタに関し、特にニ
オイセンサの素子を加熱するヒータの劣化を監視する機
能を有するポータブル型のニオイモニタに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】通常、ニオイモニタで使用されているニ
オイを検出するためのニオイセンサは、本来のニオイを
検出する素子の部分と、この素子を加熱するヒータの部
分とより構成されている。このようなニオイモニタで
は、一般に使用されているニオイセンサの素子を所定の
温度に加熱するためのヒータに、直接或は延長コードを
介して定電圧回路から一定の電圧を供給するようにして
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のニオイモニタを長期間使用する場合には、ニオイ
センサのヒータが劣化し、その抵抗値が変化して、所定
の温度に加熱できず、正常にニオイを検出することがで
きなくなるという問題点があった。
【0004】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、使用されるニオイセンサのヒータ
の劣化を検出し、ヒータの温度変化に基づくニオイ検出
の異常を監視できる信頼性の高いニオイモニタを得るこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係るニオイモ
ニタは、環境中の雰囲気を検出するニオイセンサと、こ
のニオイセンサの素子を加熱するヒータの劣化に関する
情報を検出する検出手段と、この検出手段の検出出力に
基づいてニオイセンサのヒータの劣化を判別する判別手
段とを備えたものである。
【0006】また、検出手段は、ヒータの劣化に関する
情報としてこのヒータへ供給される電源電圧を検出し、
判別手段は、この検出された電源電圧が所定範囲にある
か否かによりニオイセンサのヒータの劣化を判別するも
のであり、或は、検出手段は、ヒータの劣化に関する情
報としてこのヒータへ供給される電源電圧の分割電圧を
検出し、判別手段はこの検出された分割電圧が所定範囲
にあるか否かによりニオイセンサのヒータの劣化を判別
するものである。
【0007】また、判別手段の判別結果に基づいてニオ
イセンサの異常を警報する警報手段をさらに備えたもの
である。
【0008】
【作用】この発明においては、ニオイセンサの素子を加
熱するヒータの劣化に関する情報を検出し、その検出出
力に基づいてニオイセンサのヒータの劣化を判別する。
これにより、常に、ニオイセンサのヒータの劣化状態を
監視することができ、長期間に亙る使用に対しても信頼
性が向上する。また、ニオイセンサの異常を警報する警
報手段を備えているので、さらに信頼性が向上する。
【0009】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例を示す構成図である。
図において、1はポータブル型のニオイモニタ、2は環
境中の雰囲気例えば還元性の雰囲気(ガス)や酸化性の
雰囲気(ガス)を検出する例えばSnO2半導体薄膜から
なるニオイセンサである。このニオイセンサ2は、還元
性の雰囲気に対して抵抗値が変化し、酸化性の雰囲気に
対して還元性の雰囲気と反対方向に抵抗値が変化し、例
えばTMA,ニコチン等の悪臭やリボグルコサン等の焦
げニオイ、すなわち、還元性のガス等に高感度で抵抗値
は減少し、一方、オゾン,NO2等の酸化性のガス等に
対しても高感度で例えば0.03ppm程度を検出し、その抵
抗値は増加する。また、ニオイセンサ2は、その出力を
基準化して基準となるガス等を決めて較正し、例えば、
ニコチン10ppm中でのニオイセンサ2の出力を+1.0
V、オゾン1ppm中でのニオイセンサ2の出力を−1.0V
とされている。3はニオイセンサ2に接続されたセンサ
インターフェース、4はこのセンサインターフェース3
を介してニオイセンサ2の検出出力が供給され、後述の
種々の演算処理を行うマイクロプロセッサユニット(以
下、MPUという)である。
【0010】MPU4は、演算処理を行う検出手段およ
び判別手段としての演算部41と、センサインターフェ
ース3を介してニオイセンサ2から供給されてくる検出
出力をA/D変換するA/D変換部42と、演算部41
に接続され、後述の図3〜図5に示すようなフローチャ
ートのプログラム等が予め格納されているROM43
と、演算部41に接続されたタイマ44と、演算部41
と相互接続され、演算処理の際に使用されるRAM45
とを有する。
【0011】このRAM45は、例えば、図2に示すよ
うに、作業領域45aと、表示や警報等の内容を格納す
る表示領域45bと、キー操作等によりニオイモニタの
設定状態についての内容を格納する設定領域45cと、
ニオイ指数の換算に使用される固定データ等を格納する
データ領域45dとを有する。一例として、表示領域4
5bには、後述されるニオイ指数N,環境中の補正抵抗
値Znc,ピークホールド下限値PHNL,ピークホール
ド上限値PHNH,STANDBY等のモニタへの使用状態の表
示,バーグラフ内容,ブザーON/OFF/断続の制御,エラ
ー内容およびAB CAL等のニオイ指数の算出方式の表示等
が格納され、また、設定領域45cには、アブソリュー
ト切り替え機能のOFF/ON状態,オートキャリブレーショ
ン設定機能の0N/0FF状態,ピークホールド値表示機能の
0FF/ON状態およびレンジ切替機能のOFF/ON状態等各種の
設定状態が格納され、さらに、データ領域45dには、
後述のEEPROM7と同様のデータが記憶されてい
る。
【0012】また、MPU4は、後述の可変型電圧調整
器の状態を監視するための情報をA/D変換して演算部
41へ供給するA/D変換部46と、演算部41からの
出力をD/A変換して外部に出力するD/A変換部47
と、外部の機器例えばパソコン(図示せず)へ演算部4
1からのデータを直列ー並列変換して送出したり、逆
に、パソコンからのデータを並列ー直列変換して演算部
41へ入力する、いわゆる汎用非同期式レシーバトラン
スミッタ(UART:universal asynchronous receive
r/transmitter)である直列ー並列および並列ー直列変
換部48とをさらに有する。
【0013】5は演算部41に接続された液晶表示装置
(以下、LCDという)駆動器、6はこのLCD駆動器
5により駆動されて各種の情報の表示を行うLCDであ
る。7は演算部41と相互接続されたEEPROMであ
って、このEEPROM7には、例えばニオイ指数の計
算に必要な固定データとしてニオイセンサ2の飽和抵抗
値Zm,ニオイの全くない状態であるいわゆる清浄空気
中(標準状態)のニオイセンサ2の抵抗値Zns0,基準
ニオイ中のニオイセンサ2の抵抗値Zns,負荷抵抗値R
および測定電源電圧V等が格納され、また、それ以外の
数値データとして例えばアラームレベル値ARM等が格
納されている。
【0014】8は演算部41に接続された複数の各機能
に対応したキーを有する操作部であって、この操作部8
には、少なくとも例えば電源のON/OFFを行うON/OFFキ
ー,オートキャリブレーション設定機能のON/OFFを行う
AUTO CALキー,ピークホールド値表示機能のON/OFFを行
うP/V HOLDキー,データ設定機能で、データ選択(値が
大きくなるようにローテーション)を行う△キー,デー
タ設定機能で、データ選択(値が小さくなるようにロー
テーション)を行う▽キー,データ設定機能のON/OFFを
行うALARM SETキー,アブソリュート切り替え機能のON/
OFFを行うAB CALキーおよびレンジ切り替え機能のON/OF
Fを行うRANGEキー等が設けられている。なお、AUTO CAL
キーは、データ設定機能中はP/V HOLDキーとの併用によ
り固定データの入力機能を起動するようになされてい
る。
【0015】9は演算部41に接続され、ニオイ指数が
所定値を越えた場合や電源電圧が所定値を下回った場合
等に警報を発するブザー、10はD/A変換部47に接
続され、ニオイ指数に関する情報を外部に出力する出力
バッフア、11は電源回路、12は電源回路11に接続
され、内部の各回路やニオイセンサ2の素子2a(図1
4,図15参照)に安定化された電源電圧を供給する電
圧調整器であって、その出力側がセンサインターフェー
ス3に接続される。13は電源回路11に接続され、ニ
オイセンサ2のヒータ2b(図14,図15参照)に安
定化された電圧を供給する可変型電圧調整器であって、
その出力側がセンサインターフェース3に接続されると
共に、A/D変換部46に接続される。
【0016】14は直列ー並列および並列ー直列変換器
48に接続された出力端子であって、この出力端子14
には例えば図示せずもRS232Cレベル変換器を介し
てパソコン(図示せず)が接続される。15,16は共
に出力バッフア10に接続された出力端子であって、出
力端子15,16にはそれぞれ+側(還元性の雰囲気)
と−側(酸化性の雰囲気)のニオイ指数が例えば0〜5
Vの間の電圧により出力される。このときのニオイ指数
は1つであるので、いずれかの電圧により出力されるこ
とになる。17はセンサインターフェース3の出力側に
接続された出力端子であって、この出力端子17にはセ
ンサインターフェース3を介してニオイセンサ2から直
接生のデータが供給される。なお、これらの出力端子1
5〜17には例えば図示せずもデータロガーやレコーダ
等が接続されるようになされている。18は電源回路1
1がACアダプタとして作動するとき外部の商用電源
(図示せず)に接続される電源端子である。そして、出
力端子15,16は、清浄空気中のニオイ指数を基準と
して、出力端子15は還元性の雰囲気を例えば0〜5V
で、また、出力端子16は酸化性の雰囲気を例えば0〜
5Vで出力するものであって、それぞれニオイ指数の絶
対値を電圧出力するようになされている。従って、出力
端子15の出力中は出力端子16が0V、出力端子16
が出力中は出力端子15が0Vとなる。
【0017】次に、動作について説明する。まず、全体
の動作を図3を参照して概略的に説明する。なお、以下
の説明で判定動作は演算部41で全て制御される。電源
投入時、まずステップS1において、後述されるように
EEPROM7からデータを読み出してRAM45に格
納する等の初期設定を行う。次いで、ステップS2にお
いて、ウォームアップとして、ニオイセンサ2が安定す
るまで所定時間例えば3分間待機する。この3分間の待
機中にも操作部8のキー操作によるRAM45に対する
データ設定が可能である。すなわち、この3分間のスタ
ンバイ(STANDBY)モードで、ステップS3において、
設定入力が有るか否かを判定し、無ければステップS2
に戻って3分間待機し、有ればステップS4において、
後述されるようなRAM45に対する設定処理を行う。
このスタンバイモード中、LCD6には表示画面の所定
領域例えば上部左側の領域に、「STANDBY」なる文字が
表示される。
【0018】一方、ステップS2で3分間経過するとレ
ディ(READY)モードに入り、ニオイの測定に入る。す
なわち、まずステップS5において、後述されるように
RAM45よりピークホールド値表示機能、キャブレー
ション設定機能、アブソリュート切り替え機能等のオン
オフの設定状態に関するデータを読み込む。そして、ス
テップS6において、A/D変換部42およびセンサイ
ンターフェース3を介してニオイセンサ2の出力を読み
込んでサンプリングし、必要な固定データをEEPRO
M7より読み出して、後述されるように、ステップS7
において、ニオイ指数を算出する。なお、このレディモ
ード中、LCD6には表示画面の所定領域例えば同じく
上部左側の領域に、「READY」なる文字が表示されると
共に、表示画面の所定領域例えば中央部に表示されるニ
オイ指数に関するバーグラフ表示やディジタル表示は0
とされる。
【0019】このニオイ指数は基準となるニオイの強度
における基準抵抗を用いて、検知対象の状態例えばニオ
イ圧によって変化する抵抗を基準化するもので、EEP
ROM7に格納されている上述の固定データとニオイセ
ンサ2で検出された出力値(測定電圧)を用いて次のよ
うにして算出される。まず、基準抵抗rrefは固定デー
タを用い、次式によって算出される。
【0020】 rref=(Zns−Zm)(Zns0−Zm)/(Zns0−Zns) (1)
【0021】そして、ニオイセンサ2で検出された測定
電圧Eを次式によって抵抗値に換算し、これを測定抵抗
値Znとする。
【0022】 Zn=R(VーE)/E (2)
【0023】そして、この測定抵抗値Znを次式によっ
てニオイ指数Nに換算する。
【0024】 N=rref/rn=rref(Z0−Zn)/(Zn−Zm)(Z0−Zm) (3)
【0025】なお、上記(3)において、rnはニオイ
圧によって変化する抵抗、Z0はニオイセンサ2の初期
抵抗値で、このZ0としては、後述されるように、ニオ
イの全くない状態としての清浄空気中の抵抗値を基準と
してニオイ指数を算出する場合には清浄空気中の抵抗値
ns0が用いられ、測定環境の雰囲気の抵抗値を基準と
してニオイ指数を算出する場合には、環境中の補正抵抗
値Zncが用いられる。
【0026】このようにして、ニオイ指数の算出が終了
すると、ステップS8において、算出されたニオイ指数
を判別して必要な表示や警報、外部への出力等を行う。
そして、タイマ44に設定された値に従って待ち時間を
経て、上述の動作を繰り返す。つまり、ステップS9に
おいて、再度設定入力が有るか否かを判定し、有れば、
ステップS10において、上述のステップS4と同様の
設定処理を行い、ステップS9に戻って上述と同様の動
作を繰り返し、無ければステップS11において、サン
プリング動作に入るべきか否かを判別し、入るべきでな
ければ、ステップS9に戻って待機し、入る必要が有れ
ば、ステップS5に戻って上述の動作を繰り返す。この
サンプリング動作は、例えば1秒間に1回行われる。こ
れで、全体の動作が完了する。このように、本実施例
は、環境中のニオイ強度をニオイ指数として、上述のよ
うな式を用いて算出しているが、一般的な素子の初期抵
抗からの抵抗変化に基づくニオイ強度を算出する方式を
用いるようにしてもよい。
【0027】次に、図3の各ステップ(ルーチン)を詳
細に説明する。まず、図4を参照して、ステップS1の
「初期設定」の動作について説明する。電源投入後、ス
テップS21において、MPU4の動作に必要な各部の
確認を行った後、ステップS22において、EEPRO
M7からこれに予め設定されているデータを読み込む。
そして、ステップS23において、正常にデータが読み
出されたか否かを判別し、正常にデータが読み出せれ
ば、ステップS24において、それらのデータをRAM
45のデータ領域45dに書き込み、以後、動作中は、
データをRAM45から読み出すことになる。このステ
ップS23でのデータの判別は、データの数値が所定範
囲にあるか否かを調べており、その数値が所定範囲外で
あれば、誤ったデータと判別する。
【0028】一方、ステップS23で正常にデータが読
み出されない場合、ステップS25に進む。この正常に
データが読み出されない場合として、例えば、元々EE
PROM7に間違って異常なデータを格納されていた
り、または、データの読み込みの際に異常が起きて、デ
ータを読み取れない場合等がある。あるいはまた、EE
PROM7からのデータの読み出しの際に、データがそ
もそもEEPROM7に設定されていない場合もある。
特に、製造直後の立ち上げ時には、当然データは設定さ
れていない。このような場合には、ステップS23で正
常なデータが読み出せないので、ステップS25におい
て、LCD駆動器5によりLCD6を駆動して、これに
エラーを表示させる。これらのデータの確認は、例えば
読み出す対象のデータの合計値をEEPROM7に格納
しておき、読み出したデータの合計値とEEPROM7
内の合計値とを比較することにより、データの異常を判
別してもよい。
【0029】そして、ステップS26において、ROM
43よりいわゆるデフォルトデータを読み出し、この読
み出したデフォルトデータを、ステップS27におい
て、EEPROM7に格納し、ステップS28におい
て、RAM45に格納し、以後、ニオイモニタの動作と
して、このデフォルトデータを用いた動作を行う。な
お、このデフォルトデータの読み出しは、図4のフロー
チャートでは、一括して読み出すようになされている
が、個々のデータ毎に設定の有無を確認して、無いもの
についてのみデフォルトデータを読み出すようにしても
よい。また、このデフォルトデータとしては、EEPR
OM7に格納されているデータに相当するものが、デフ
ォルトデータとして予め、ROM43に格納されている
ものである。このデフォルトデータは、また、ソフトウ
ェア的に生成するようにしてもよい。
【0030】電源オン時の処理としてこのような初期設
定の動作を行うことにより、次のような利点がある。す
なわち、EEPROM7に間違って異常なデータを格納
させたりした場合、このようなデータでセンサ特性を較
正したり、表示されるニオイ指数を計算で正しい値にす
るところで異常な値となり、ニオイモニタの信頼性が損
なわれ、また、EEPROM7よりデータを読み込み時
に異常が起きて正常なデータを入手できない場合にも同
様にニオイモニタが機能しなくなるが、このような場合
に、上述のごとくニオイモニタの代表的な特性データを
予めROM43に設定しておき、異常時にこれらのデー
タをデフォルトデータとして用いて処理を行うことによ
り、ニオイモニタを正常に作動させることができ、装置
の信頼性を向上できる。
【0031】また、EEPROM7に上述の特性データ
が設定されていない場合にも、ある程度信頼性のあるR
OM43からのデータによりニオイ指数を表示すること
が可能となる。そして、このような、デフォルトデータ
をROM43から読み出してEEPROM7やRAM4
5にも格納しておくことにより、次のサイクルでは、R
OM43からこのデフォルトデータを読み出す手順を省
略することができる。
【0032】次に、図5〜図7を参照して、ステップS
4(S10)の「設定処理」の動作について説明する。
まず、オールキャリブレーション設定機能につい説明す
る。このオールキャリブレーション設定機能は、ニオイ
指数の初期抵抗値Z0を補正する機能である。ステップ
S31において、操作部8のオートキャリブレーション
設定機能のON/OFFを行うAUTO CALキーが押圧されたか否
かを判定し、押圧されていれば、ステップS32におい
て、RAM45の設定領域45cを参照してオートキャ
リブレーション設定機能がON状態かOFF状態かを判
定し、OFF状態であれば、ステップS33において、
RAM45の設定領域45cにONを設定する。
【0033】そして、ステップS34において、測定抵
抗値Znの値を補正し,環境中の補正抵抗値Zncとして
RAM45の表示領域45bに設定し、ステップS35
において、タイマ44の時間tを0に設定する。この補
正を所定時間例えば30分毎に行う。また、ステップS
32でRAM45の設定領域45cを参照してオートキ
ャリブレーション設定機能がON状態であれば、ステッ
プS36において、RAM45の設定領域45cにOF
Fを設定し、測定抵抗値Znの補正は行わない。このと
きの現在の状態は、LCD6の表示画面の所定領域例え
ば最上部右上に表示され、ON状態は「AUTO CAL」、O
FF状態は「AUTO OFF」と表示される。
【0034】一方、ステップS31でAUTO CALキーが押
圧されてなければ、ステップS37において、操作部8
のアブソリュート切り替え機能のON/OFFを行うAB CALキ
ーが押圧されたか否かを判定し、押圧されていれば、ス
テップS38において、RAM45の設定領域45cを
参照してアブソリュート切り替え機能がON状態かOF
F状態かを判定し、OFF状態であれば、ステップS3
9において、RAM45の設定領域45cにONを設定
し、ON状態であれば、ステップS40において、RA
M45の設定領域45cにOFFを設定する。
【0035】このアブソリュート切り替え機能は、後述
されるように、初期抵抗値Z0をZn s0としてニオイ指数
を計算し、LCD6の表示画面のバーグラフの表示範囲
とピークホールドの表示形式を切り替える機能で、起動
時はOFF状態とされる。そして、上述のごとくこのア
ブソリュート切り替え機能がOFF状態からON状態と
された場合は、オートキャリブレーション設定機能状態
を保存し、アブソリュート切り替え機能をOFF状態と
する。
【0036】そして、アブソリュート切り替え機能がO
N状態からOFF状態とされた場合は、オートキャリブ
レーション設定機能状態を保存しておいた状態に戻すよ
うになされている。つまり、オートキャリブレーション
設定機能は、アブソリュート切り替え機能とリンクして
おり、アブソリュート切り替え機能をON状態とした場
合には、オートキャリブレーション設定機能より優先さ
れる。従って、この設定処理のルーチンにおいて、何ら
かの入力動作がある場合に、この設定処理動作に入り、
その入力がAB CALキーの押圧であれば、アブソリュート
切り替え機能のON/OFF状態を切り替えるが、それ以外の
入力があれば、その他の設定処理を行う。ここでは、一
例として、オートキャリブレーション設定機能の設定処
理を行う場合を示している。
【0037】一方、ステップS37でAB CALキーが押圧
されてなければ、その他の設定処理に入る。ここでは、
例えば、ニオイ指数の上下限値を表示する機能であるピ
ークホールド値表示機能に入る場合について説明する。
ステップS41において、操作部8のピークホールド値
表示機能のON/OFFを行うP/V HOLDキーが押圧されたか否
かを判定し、押圧されていれば、ステップS42におい
て、RAM45の設定領域45cを参照してピークホー
ル値表示機能がON状態かOFF状態かを判定し、OF
F状態であれば、ステップS43において、RAM45
の設定領域45cにONを設定する。
【0038】そして、ステップS44において、現在検
出しているニオイ指数Nをピークホールド上限値PHN
HとしてRAM45の表示領域45bに格納し、ステッ
プS45において、同じく現在検出しているニオイ指数
Nをピークホールド下限値PHNLとしてRAM45の
表示領域45bに格納する。また、ステップS42でR
AM45の設定領域45cを参照してピークホールド値
表示機能がON状態であれば、ステップS46におい
て、RAM45の設定領域45cにOFFを設定する。
【0039】このピークホールド値は、後述されるよう
に、OFF状態からON状態に変化した次の回に取得し
たニオイ指数を初期値とし、以後OFF状態になるまで
の間、ニオイ指数の計算が行われる毎に比較更新され
る。なお、このピークホールド値表示機能は、起動時は
OFF状態とされる。また、このピークホールド値の表
示は、ピークホールド値表示機能がON状態なら、LC
D6の表示画面の所定領域例えば下部に表示され、OF
F状態なら何も表示されない。その際に、ピークホール
ド値が負の場合は数値の前に−の符号が付けられ、正の
場合は何も付けずに表示される。
【0040】一方、ステップS41でP/V HOLDキーが押
圧されてなければ、その他の設定処理例えばレンジ切り
替え機能に入る。このレンジ切り替え機能は、LCD6
の表示画面に表示されるバーグラフのフルスケール値を
切り替える機能である。ステップS47において、操作
部8のレンジ切り替え機能のON/OFFを行うRANGEキーが
押圧されたか否かを判定し、押圧されていれば、ステッ
プS48において、RAM45の設定領域45cを参照
してレンジ切り替え機能がON状態かOFF状態かを判
定し、ON状態であれば、ステップS49において、R
AM45の設定領域45cにOFFを設定し、OFF状
態であれば、ステップS50において、RAM45の設
定領域45cにONを設定する。その際に、レンジ切り
替え機能がON状態ならば、LCD6の表示画面におけ
るバーグラフのスケール値は例えば0〜0.6を表示し、O
FF状態ならば、0〜3を表示するようになされている。
そして、このレンジ切り替え機能は、起動時はON状態
とされる。
【0041】ステップS47において、RANGEキーが押
圧されてなければ、データセット機能に入る。このデー
タセット機能はニオイモニタに必要な各種のデータの設
定を行う機能である。このデータセット機能には、アラ
ーム設定モードと固定データ設定モードの2種類あり、
アラーム設定モードでは、アラームレベル警報機能のア
ラームレベル値を設定し、固定データ設定モードでは、
ニオイ指数の計算で使用する固定データの設定を行う。
【0042】まず、アラームレベル警報機能のアラーム
レベル値を変更設定する場合を図6を参照して説明す
る。ステップS51において、操作部8のデータ設定機
能のON/OFFを行うALARM SETキーが押圧されたか否かを
判定し、押圧されていれば、ステップS52において、
EEPROM7に格納されている固定データの内のアラ
ームレベル値ARMをLCD6の表示画面の所定領域例
えば下部にアラームレベル値の入力を示す「ARM」と
現在値がディジタル表示される。また、現在の入力位置
を示す入力カーソル(_)が、ディジタル表示されてい
る現在値の整数部最上位を指すようになされている。
【0043】そして、ステップS53において、操作部
8のAUTO CALキーとP/V HOLDキーの両方が押圧されてい
るか否かを判別し、押圧されてなければ、ステップS5
4に進む。すなわち、ここでは、単純にALARM SETキー
の押圧直後はアラームレベル値の変更のみを可能にして
いる。そして、表示されるアラームレベル値ARMの数
値を変更について、LCD6に表示された数値の内、ま
ず最大桁部分にカーソル(_)が表示され、数値変更
は、そのカーソルの位置の数字のみ変更できる。この数
値の変更には、操作部8のデータ選択を行う△キーおよ
び▽キーを使用する。
【0044】すなわち、ステップS54において、P/V
HOLDキーが押圧されてなければ、ステップS55におけ
る△キーの押圧により、ステップS55でLCD6に表
示されているアラームレベル値の表示数を1だけインク
リメントし、同様に、ステップS57における▽キーの
押圧により、ステップS58でLCD6に表示されてい
るアラームレベル値の表示数を1だけデクリメントす
る。この結果、カーソルのある桁の数字が0〜9の間で
スクロールし、その桁部分のみの変更が可能になる。
【0045】そして、数値の桁の移動には、P/V HOLDキ
ーを使用する。従って、各桁の数字を変更する場合は、
最大桁の数字を上述のごとく△キー,▽キーを使用して
変更した後、P/V HOLDキーの押圧によりカーソルが一桁
移動する。すなわち、ステップS54において、P/V HO
LDキーを押圧し、ステップS59において、最終桁でな
いことが確認されると、ステップS60において、入力
桁の移動を行う。そして、同様にして、次の桁の数値の
変更する。
【0046】これを繰り返して、最終桁まで変更してP/
V HOLDキーを押圧した場合、当然カーソルは最大桁に戻
るが、そのときに、つまり、ステップS59で最終桁で
あることが確認されると、ステップS61において、変
更されたデータであるアラームレベル値ARMをEEP
ROM7の所定領域に格納(書き込み)する。なお、こ
のデータのEEPROM7への格納は、同時にRAM4
5のデータ領域45dにも行うが、RAM45への格納
は、設定処理全体の終了時であってもよい。そして、ス
テップS62におけるALARM SETキーの押圧によって、
設定処理ルーチンを終了するが、この操作は、処理状態
に拘わらず、データの書き込みも行われない。また、ス
テップS51において、ALARM SETキーが押圧されなけ
れば、ステップS63において、その他の設定処理を行
う。
【0047】そして、EEPROM7内の固定データを
変更する場合には、ALARM SETキーの押圧後、アラーム
レベル値ARMの数値を表示している状態において、AU
TO CALキーを押圧しながら、P/V HOLDキーの押圧を行う
と、全ての固定データの表示変更が可能となる。次に、
この固定データを変更設定する場合を図7を参照して説
明する。ステップS53(図6)で操作部8のAUTO CAL
キーとP/V HOLDキーの両方が押圧されていることが確認
されると、ステップS64において、EEPROM7に
格納されている固定データの内最初の固定データを読み
出し、LCD6に表示する。
【0048】EEPROM7に格納されている固定デー
タは、上述のごとく、飽和抵抗値Zm,乾燥空気中(標
準状態)の抵抗値Zns0,基準ニオイ中の抵抗値Zns
負荷抵抗値Rおよび測定電源電圧V等であり、また、そ
れ以外の数値データとしてアラームレベル値ARM等も
格納されている。そして、最初は、例えば飽和抵抗値Z
mが表示され、以下、乾燥空気中(標準状態)の抵抗値
ns0,基準ニオイ中の抵抗値Zns,負荷抵抗値Rおよ
び測定電源電圧Vの順に表示される。その場合、一例と
して例えば飽和抵抗値Zmは次のように表示される。m □□□□□ 0 1 2 3 そのときに、カーソルは、表示中の初めの文字である
「Z」の位置に表示され、P/V HOLDキーの押圧を行う
と、カーソルは、その1文字づつずれていく。そして、
数字の部分が来ると、上述のアラームレベル値の変更の
場合と同様に△キーおよび▽キーによって0〜9の間で
スクロールし、その桁部分の変更が可能になっている。
【0049】すなわち、ステップS65において、P/V
HOLDキーが押圧されてなければ、ステップS66におけ
る△キーの押圧の確認後、ステップS67において、桁
内容が文字か数字かを判別し、数字であれば、ステップ
S68でLCD6に表示されている例えば飽和抵抗値Z
mの表示数を1だけインクリメントし、文字であれば、
ステップS69において、EEPROM7に格納されて
いる前の固定データを読み出し、LCD6に表示する。
同様に、ステップS70における▽キーの押圧の確認
後、ステップS71において、桁内容が文字か数字かを
判別し、数字であれば、ステップS72でLCD6に表
示されている飽和抵抗値Zmの表示数を1だけデクリメ
ントし、文字であれば、ステップS73において、EE
PROM7に格納されている次の固定データを読み出
し、LCD6に表示する。この結果、カーソルのある桁
の数字が0〜9の間でスクロールし、その桁部分のみの
変更が可能になる。
【0050】そして、数値の桁の移動には、この場合も
P/V HOLDキーを使用する。従って、各桁の数字を変更す
る場合は、最大桁の数字を上述のごとく△キー,▽キー
を使用して変更した後、P/V HOLDキーの押圧によりカー
ソルが一桁移動する。すなわち、ステップS65におい
て、P/V HOLDキーを押圧し、ステップS74において、
最終桁でないことが確認されると、ステップS75にお
いて、入力桁の移動を行う。そして、同様にして、次の
桁の数値の変更する。
【0051】これを繰り返して、最終桁まで変更してP/
V HOLDキーを押圧した場合、当然カーソルは最大桁に戻
るが、そのときに、つまり、ステップS74で最終桁で
あることが確認されると、ステップS76において、変
更されたデータである飽和抵抗値ZmをEEPROM7
の所定領域に格納(書き込み)する。なお、この場合
も、データのEEPROMへの格納は、同時にRAM4
5のデータ領域45dにも行っている。そして、ステッ
プS77におけるALARM SETキーの押圧によって、設定
処理ルーチンを終了するが、この操作は、処理状態に拘
わらず、データの書き込みも行われない。
【0052】なお、個々での△キーおよび▽キーの機能
として、上述の表示状態において、両方のキーを操作す
ると、表示内容の変更が行われる。すなわち、上述のよ
うに、表示内容の文字部分において▽キーを押圧する
と、表示している内容が飽和抵抗値Zmから次の乾燥空
気中(標準状態)の抵抗値Zns0に変わる。そして、上
述と同様にP/V HOLDキー、△キーおよび▽キーによって
数値を変更し、その数値をEEPROM7に格納させる
ことができる。
【0053】このようなデータ設定機能を有することに
より、次のような利点がある。すなわち、現在EEPR
OM7に格納されているデータの表示が可能であると共
に、上下キーすなわち△キーおよび▽キーと、桁送りキ
ーすなわちP/V HOLDキーによるEEPROM7に格納さ
れているデータの数値の更新が可能であり、さらに、文
字部分で上下キーを操作することにより表示するデータ
をスクロールすることも可能であるので、現場で装置を
正常に作動させることができる。
【0054】つまり、実質的に、データ付きのニオイセ
ンサがあれば、そのデータをこのニオイモニタに直接入
力することができ、しかも現在入力しているニオイセン
サのデータを読み出せることができる。従って、従来の
ごとく、ニオイセンサの交換をするのに、一々工場等に
持ち帰って較正する必要がなくなり、あるいは、ニオイ
センサを回路的に較正するために、抵抗等を回路基板に
ニオイセンサと同時に取り付けて行う必要がなくなり、
較正等に関する作業が簡便で、効率よくモニタを行うこ
とができる。
【0055】次に、図8を参照して、ステップS5の
「データ読み込み」の動作について説明する。全体のフ
ローにおいて、ニオイセンサ2の出力のサンプリングの
前に、ニオイモニタの設定状態としてのニオイ指数を算
出する設定に付いて、このデータ読み込みのルーチンで
RAM45から判別して設定を行う。すなわち、ニオイ
センサ2の出力をサンプリングしてニオイ指数を算出す
る前に、上記(3)式で使用される初期抵抗値Z0の値
に乾燥空気中の抵抗値Zns0を使用するのか、環境中の
補正抵抗値Zncを使用するのかを判別する。
【0056】そこで、まず、ステップS81において、
RAM45の設定領域45cを参照する。そして、ステ
ップS82において、操作部8のアブソリュート切り替
え機能のON/OFFを行うAB CALキーが押圧されたか否かを
判定し、押圧されていれば、ステップS83において、
RAM45のデータ領域45dに格納されている初期抵
抗値Z0に清浄空気中の抵抗値Zns0を設定する。この清
浄空気中の抵抗値Zns0を用いる場合は、その数値は、
ニオイの全くない状態としての乾燥空気中の抵抗値を基
準として、ニオイ指数が算出されることになる。従っ
て、測定環境の雰囲気が酸化性か還元性かを判別する場
合や、測定環境の絶対的なニオイ指数を求める場合に有
効である。
【0057】一方、ステップS82において、操作部8
のアブソリュート切り替え機能のON/OFFを行うAB CALキ
ーが押圧されてなければ、ステップS84において、R
AM45の表示領域45bに格納されている初期抵抗値
Z0に環境中の補正抵抗値Zn cを設定する。この環境中
の補正抵抗値の抵抗値Zncを用いる場合は、その数値
は、測定環境の雰囲気の抵抗値を基準として、ニオイ指
数が算出されることになる。この環境中の補正抵抗値Z
ncは、オートキャリブレーション設定機能によって雰囲
気による抵抗値が設定され、オートキャリブレーション
設定機能をON状態に設定することにより、所定期間、
例えば30分毎に更新される。
【0058】なお、このデータ読み込みルーチンにおい
て、オートキャリブレーション設定機能のON,OFF
状態が参照されないのは、アブソリュート切り替え機能
がオートキャリブレーション設定機能より優先されるた
めであって、オートキャリブレーション設定機能につい
ては、後述の判定処理のルーチンで環境中の補正抵抗値
ncを更新されれば足りるものである。
【0059】このようなアブソリュート切り替え機能を
有することにより、次のような利点がある。すなわち、
計測対象以外の環境ガスも含めた環境変化を捕えること
ができ、清浄空気中(標準状態)の雰囲気内におけるニ
オイセンサの出力を基準値として、それ以外の全ての環
境ガスによる影響を計測できる。また、ニオイセンサで
使用されているセンサ素子は、一般的にニオイ等の還元
性雰囲気では+出力、酸化性雰囲気内では−出力となる
が、ここでは、単一のニオイモニタで清浄空気を基準と
して±表示を行うことができ、環境雰囲気の絶対状況を
表示可能となり、安価で、汎用性のあるニオイモニタが
得られる。
【0060】次に、図9を参照して、ステップS7の
「ニオイ指数換算」の動作について説明する。このニオ
イ指数の換算は、上記(1)〜(3)式を使用する。上
記(1)は、固定データによる算出値になるので、上記
初期設定のルーチンにおいて算出され、RAM45のデ
ータ領域45dの所定の位置に格納されている。そこ
で、ステップS91において、上記(2)式に従って、
ニオイセンサ2の出力として取り込んだ電圧Eを測定抵
抗値Znに変換する。そして、ステップS92におい
て、上記(3)式に従って、測定抵抗値Znをニオイ指
数Nに換算する。なお、上述のデータ読み込みルーチン
において、(3)式の初期抵抗値Z0に使う数値を清浄
空気中の抵抗値Zns0を使用するのか、環境中の補正抵
抗値Zncを使用するのかの判別しているが、その数値設
定をステップS7のニオイ指数換算時に行ってもよい。
【0061】次に、図10を参照して、ステップS8の
「判別処理」の動作について説明する。この判別処理の
ルーチンは、ニオイセンサ2の出力をサンプリングして
ニオイ指数を算出する処理を完了したときに、そのニオ
イ指数を用いた処理を行い、表示、警報、出力等を行う
部分である。まず、ステップS101おいて、ステップ
S7で算出されたニオイ指数Nの数値をRAM45の表
示領域45bに格納し、ステップS102において、ニ
オイ指数Nの数値に関するバー内容を同じくRAM45
の表示領域45bに格納し、ステップS103におい
て、RAM45の設定領域45cを参照する。そして、
ステップS104において、操作部8のピークホールド
値表示機能のON/OFFを行うP/V HOLDキーが押圧されたか
否かを判定し、押圧されていれば、ステップS105に
おいて、RAM45の表示領域45bに格納されている
ピークホールド値PHN(ピークホールド下限値PHN
L,ピークホールド上限値PHNH)を読み出す。
【0062】そして、ステップS106において、ニオ
イ指数Nとピークホールド上限値PHNHを比較し、ニ
オイ指数Nがピークホールド上限値PHNHを下回ると
きには、さらに、ステップS107において、ニオイ指
数Nとピークホールド下限値PHNHを比較し、ニオイ
指数Nがピークホールド下限値PHNLを上回るときに
は、つまり、ニオイ指数Nがピークホールド上限値PH
Hとピークホールド下限値PHNLの範囲内にあるとき
は、何も更新することなく、そのときのピークホールド
値PHNをRAM45の表示領域45bに格納する。
【0063】一方、ステップS106でニオイ指数Nが
ピークホールド上限値PHNHを上回るときには、ま
た、ステップS107でニオイ指数Nがピークホールド
下限値PHNLを下回るときには、つまり、ニオイ指数
Nがピークホールド上限値PHNHとピークホールド下
限値PHNLの範囲外にあるときは、それぞれ、ステッ
プS109およびS110において、ピークホールド値
を更新し、その更新されたピークホールド値PHNをR
AM45の表示領域45bに格納する。
【0064】このピークホールド上限値PHNH,ピー
クホールド下限値PHNLでは、ニオイ指数Nがプラス
方向のみでなく、マイナス方向についても検出されるの
で、このピークホールド値PHNとしては、マイナスの
数値も比較して保持されることになる。従って、環境中
の還元性の雰囲気のみならず、酸化性の雰囲気までもそ
の最大値を保持することができる。そして、設定状態に
応じてその他の処理を行った後、RAM45の表示領域
45bの内容に従って、LCD6による表示や、ブザー
9による警報等を行う。
【0065】ここで、その他の処理としては、例えばス
テップS111において、アラーム処理としてアラーム
レベル警報機能を行う。これは、ニオイ指数Nが設定さ
れているアラームレベルを越えた場合、ブザー9により
警報を発報する機能である。この際に、発報時は、ブザ
ー9が連続的に鳴動する。ニオイ指数Nがアラームレベ
ル以下に復旧したら、ブザー9の鳴動を停止する。ま
た、発報中に特定のキー例えば▽キーを押圧することに
より、ブザー9の鳴動を停止し、以後ニオイ指数Nがア
ラームレベルを越えている状態が継続中ならブザー9の
鳴動を行わない。また、一旦ニオイ指数Nがアラームレ
ベル以下に復旧後、再びニオイ指数Nがアラームレベル
を越えた場合、ブザー9を鳴動する。
【0066】また、ステップS112において、データ
ロギングが可能であるか否かを判別し、つまり、出力端
子14に接続されている直列ー並列および並列ー直列変
換器48に外部の例えばパソコンよりデータロギングの
要求を表すフラグが伝送されて来ているか否かを判別
し、データロギングの要求があれば、ステップS113
において、データロギング処理、つまり、データロギン
グの機能を実行する。このデータロギング機能は、デー
タのロギングに必要な各種設定を行う機能であるが、こ
の各種設定としては、例えば、パソコン側にロギングす
るファイル名を設定するデータファイル名設定、ニオイ
モニタにデータの要求を行う周期を設定するサンプリン
グ周期設定、このサンプリング周期設定で設定された周
期毎に、ニオイモニタにデータの要求を行うRS232
C入力、あるいは、このRS232C入力によって入力
されたニオイ指数を、所定の形式例えばCV形式でファ
イル書き込みを行うデータファイル等がある。
【0067】また、ステップS114において、バッテ
リチェック処理、つまり、バッテリ警報機能を実行す
る。このバッテリ警報機能は、A/D変換器46を介し
て電源回路11の出力、例えばバッテリ電圧を監視し、
その値が規定値を下回った場合は警報を発報する機能で
ある。この機能は、スタンバイモード,レディモードの
いずれでも機能するようになされている。発報時は、L
CD6の表示画面の所定領域、例えば左上に「LAW BA
T.」の表示を行い、ブザー9を断続的に鳴動させる。A
Cアダプタによってバッテリ電圧が規定値に復旧した
ら、LCD6の表示画面上の「LAW BAT.」の表示を消去
し、ブザー9の鳴動を停止する。また、発報中に特定の
キー例えば▽キーを押圧することにより、ブザー9の鳴
動を停止し、以後バッテリ電圧が規定値より低下してい
る状態が継続中ならブザー9の鳴動を行わない。また、
一旦バッテリ電圧が規定値に復旧後、再びバッテリ電圧
が低下状態となった場合、ブザー9を鳴動する。さら
に、ステップS130において、後述されるように、ニ
オイセンサ2のヒ−タ2bの劣化検出を行う。
【0068】次に、ステップS115において、RAM
45の設定領域45cを参照してオートキャリブレーシ
ョン設定機能がON状態かOFF状態かを判定し、ON
状態であれば、ステップS116において、オートキャ
リブレーションに関連する係数tを1だけインクリメン
トする。この係数tは、そのフロー上の位置からニオイ
指数Nを算出毎に1インクリメントされ、基本的には1
秒毎の算出になるので、1秒置きにアップされることに
なる。そして、ステップS117において、係数tと所
定数Tを比較する。この所定数Tは、例えば30分を計
測するための数値であり、係数tが1秒毎であるので、
T=1800としておけば30分を計測することにな
る。従って、ステップS117で係数tが所定数Tと等
しくない場合、つまり、30分経過していない場合は、
ステップS118において、RAM45の表示領域45
bの内容、つまり、30分前に測定した抵抗値ZnをL
CD6に表示する。
【0069】そして、ステップS117で係数tが所定
数Tと等しくなった場合、つまり、30分になった場合
は、ステップS119において、ニオイ指数Nが所定値
例えば0.3を越えたか否かを判別し、ニオイ指数Nが0.3
を越える場合は、ステップS121において、係数tを
0にして、ステップS118に進んで、上述と同様の動
作を行う。つまり、ニオイを検出している場合には、抵
抗値Znの更新を行わなわず、30分前に測定した抵抗
値ZnをLCD6に表示する。
【0070】一方、ステップS119において、ニオイ
指数Nが所定値例えば0.3を越えない場合、つまり、ニ
オイを検出していない場合は、ステップS120におい
て、そのときの測定した抵抗値Znを環境中の補正抵抗
値ZncとしてRAM45の表示領域45bに格納する。
そして、ステップS121において、係数tを0にし、
ステップS118に進んで、RAM45の表示領域45
bの内容、つまり、いま、格納した抵抗値ZnをLCD
6に表示する。なお、ステップS115でRAM45の
設定領域45cを参照してオートキャリブレーション設
定機能がOFF状態であれば、即座にステップS118
に進んで、RAM45の表示領域45bの内容をLCD
6に表示する。
【0071】このオートキャリブレーション設定機能に
おいて、従来のガスセンサ等では、抵抗値Znの変化方
向が低下側に固定されているので、基準値の補正の場
合、最初の基準値から低下側に限られていたが、本実施
例では、酸化性と還元性の両方の雰囲気を測定するよう
にしているので、当初の基準値およびその変化方向に拘
わらず、基準値の補正を行うことになる。このオートキ
ャリブレーション設定機能では、基準値を所定期間の区
切り時点の値で補正するようにしているが、例えば30
分毎であれば、30分のデータを代表する値、例えば平
均値や中央値、或は、その中の最低値等を用いてもよ
く、さらには、その更新する値についての加工値、代表
値のプラスアルファや8割の値を使用してもよい。
【0072】このようなピークホールド値表示機能を有
することにより、次のような利点がある。すなわち、ピ
ークホールド値の表示を、正の最大値,最小値だけでな
く、負の最大値,最小値も表示でき、特に、負側に変化
するような、例えば酸化性の雰囲気が存在するような環
境においても、そのピークホールド値を容易にかつ正確
に表示できる。
【0073】また、オートキャリブレーション設定機能
を有することにより、次のような利点がある。すなわ
ち、自動的にニオイ指数の補正が可能となり、従来のご
とく、ニオイセンサを補正するのにボリュームでゼロ点
調整をしたり、クリーンエアーと標準ガスを試験箱中に
入れて構成する等の必要性がなくなり、簡便で効率よく
かつ迅速に補正を行うことができ、装置を常に正常に作
動させることができる。
【0074】図11および図12は、環境中の補正抵抗
値Zncを更新するそれぞれ他の実施例を示すフローチャ
ートで、図11は所定期間の平均値を取る場合、図12
は最近値を取る場合である。まず、図11では、ステッ
プS115において、RAM45の設定領域45cを参
照してオートキャリブレーション設定機能がON状態か
OFF状態かを判定し、ON状態であれば、ステップS
116において、オートキャリブレーションに関連する
係数tを1だけインクリメントする。そして、ステップ
S122において、ニオイ指数Nの算出毎に測定抵抗値
nの合計値ΣZnを求めてRAM45の作業領域45a
に格納する。次いで、ステップS117において、係数
tと所定数Tを比較し、係数tが所定数Tと等しくない
場合、つまり、30分経過していない場合は、ステップ
S118において、RAM45の表示領域45bの内
容、つまり、30分前に測定した抵抗値ZnをLCD6
に表示する。
【0075】一方、ステップS117で係数tが所定数
Tと等しくなった場合、つまり、30分になった場合
は、ステップS119において、ニオイ指数Nが所定値
例えば0.3を越えたか否かを判別し、ニオイ指数Nが0.3
を越える場合は、ステップS121において、係数tを
0にして、ステップS118に進んで、上述と同様の動
作を行う。つまり、ニオイを検出している場合には、抵
抗値Znの更新を行わなわず、30分前に測定した抵抗
値ZnをLCD6に表示する。
【0076】また、ステップS119において、ニオイ
指数Nが所定値例えば0.3を越えない場合、つまり、ニ
オイを検出していない場合は、ステップS123におい
て、更新するタイミングのときに、測定抵抗値Znの平
均値ΣZn/tを算出し、その値を環境中の補正抵抗値
ncと置き換え、その値をRAM45の表示領域45b
に格納する。なお、平均値を出す場合、各測定抵抗値Z
nをRAM45の作業領域45aに格納して更新時に合
計して個数で割り、平均値を算出してもよいが、そのた
めには、RAM45の容量が必要になるので、合計値の
みを格納するとその容量が簡素化される。
【0077】そして、ステップS123の処理が終了す
ると、ステップS121において、係数tを0にし、ス
テップS118に進んで、RAM45の表示領域45b
の内容、つまり、いま、格納した抵抗値ZnをLCD6
に表示する。なお、ステップS115でRAM45の設
定領域45cを参照してオートキャリブレーション設定
機能がOFF状態であれば、即座にステップS118に
進んで、RAM45の表示領域45bの内容をLCD6
に表示する。
【0078】次に、図12では、ステップS115にお
いて、RAM45の設定領域45cを参照してオートキ
ャリブレーション設定機能がON状態かOFF状態かを
判定し、ON状態であれば、ステップS116におい
て、オートキャリブレーションに関連する係数tを1だ
けインクリメントする。そして、ステップS124にお
いて、ニオイ指数Nの算出毎に測定抵抗値Znと環境中
の補正抵抗値Zncとの差分値ΔZ(絶対値)を算出し、
ステップS125において、この差分値ΔZと所定値Δ
Pとを比較する。この所定値ΔZPは元の測定抵抗値Z
nに一番近い値Znpから環境中の補正抵抗値Zncを差し
引いた値である。
【0079】ステップS125でΔZがΔZPを上回る
場合には、そのままステップS117へ進み、下回る場
合には、ステップS126において、ZnをZnpとし
て、また、ΔZをΔZPとしてRAM45の表示領域に
格納した後ステップS117へ進む。そして、ステップ
S117において、係数tと所定数Tを比較し、係数t
が所定数Tと等しくない場合、つまり、30分経過して
いない場合は、ステップS118において、RAM45
の表示領域45bの内容、つまり、30分前に測定した
抵抗値Znp等をLCD6に表示する。
【0080】一方、ステップS117で係数tが所定数
Tと等しくなった場合、つまり、30分になった場合
は、ステップS119において、ニオイ指数Nが所定値
例えば0.3を越えたか否かを判別し、ニオイ指数Nが0.3
を越える場合は、ステップS121において、係数tを
0にして、ステップS118に進んで、上述と同様の動
作を行う。つまり、ニオイを検出している場合には、抵
抗値Znの更新を行わなわず、30分前に測定した抵抗
値Znp等をLCD6に表示する。
【0081】また、ステップS119において、ニオイ
指数Nが所定値例えば0.3を越えない場合、つまり、ニ
オイを検出していない場合は、ステップS127におい
て、更新するタイミングのときに、ZnpをZncと置き換
え、また、ΔZPを計算上最も大きな値(最大値)例え
ば9.9に置き換え、その値をRAM45の表示領域45
bに格納する。なお、この場合も平均値を取る場合と同
様、各測定抵抗値ZnをRAM45の作業領域45aに
格納して更新時に各値を比較して最近値を求めてもよい
が、そのためには、RAM45の容量が必要になるの
で、検出毎に差分値を比較して最も近い値のみを格納す
るとその容量が簡素化される。
【0082】そして、ステップS127の処理が終了す
ると、ステップS121において、係数tを0にし、ス
テップS118に進んで、RAM45の表示領域45b
の内容、つまり、いま、格納した抵抗値Znc等をLCD
6に表示する。なお、ステップS115でRAM45の
設定領域45cを参照してオートキャリブレーション設
定機能がOFF状態であれば、即座にステップS118
に進んで、RAM45の表示領域45bの内容をLCD
6に表示する。なお、上記実施例では、ニオイモニタと
してポータブル型の場合に付いて説明したが、これに限
定されることなく、例えばこのニオイモニタを建物の各
部屋に設けて、図3と同様の動作を行ってニオイ指数を
個別に算出し、各部屋のニオイ指数を個別に収集し、図
3の判別処理(ステップS8)の動作を行う受信部を有
するシステムとする据え置き型の場合にも同様に適用で
き、同様の効果を奏する。
【0083】次に、図13を参照して、ステップS13
0の「ヒータ劣化検出」の動作について説明する。ま
ず、ステップS131において、係数kは、そのフロー
上の位置からニオイ指数Nの算出毎に1だけインクリメ
ントされ、基本的には1秒毎の算出になるので1秒置き
にアップすることになる。次いで、ステップS132に
おいて、1秒毎にニオイセンサ2のヒータ2bの抵抗値
に依存したヒータ電圧VHをA/D変換部46を介して
MPU4の演算部41に取り込む。
【0084】次いで、ステップS133において、係数
kと所定数Kを比較する。この所定数Kは、例えば30
分を計測するための数値であり、係数kが1秒毎にイン
クリメントされるので、K=1800としておけば、3
0分を計測することになる。ここで、係数kが所定数K
と等しくない場合、つまり、係数kが所定数Kより小さ
く30分経過していない場合は、ヒータ電圧VHの取り
込み動作を繰り返し、係数kが所定数Kと等しくなった
場合、つまり、30分経過したらステップS134に進
む。
【0085】そして、ステップS134において、その
ときのヒータ電圧VHと、劣化判別値VSとを比較する。
比較の結果、ヒータ電圧VHが劣化判別値vSより小さけ
れば、ニオイセンサ2のヒータ2bが劣化し、異常であ
ると判別する。ここで、ヒータ電圧VHに低下側に劣化
判別値VSを設定しているのは、使用しているヒータ2
bの材質による特性のよるものである。すなわち、ヒー
タ2bの材質が白金のペーストによるものなので、その
抵抗値が経年変化により上昇し、ヒータ2bの電圧値は
低下する。そして、定電流供給されている場合のヒータ
2bの電源電圧によるヒータ電圧VHは低下することに
なる。ヒータ2bの材質を酸化ルテニウムとすると、抵
抗変化は一旦大きく下降するので、ヒータ電圧VHha
上昇側で判別することができる。この劣化判別値V
Hは、所定の一定値でもよいし、初期値の場合による
値、或は、所定の範囲の値に設定してよく、そして、こ
のようにして設定された劣化判別値VSをヒータ電圧VH
越えるときに異常とする。ステップS134でヒータ2
bの異常が判別されると、ステップS135において、
RAM45の表示領域45bにニオイセンサ2のヒータ
の劣化(異常)を表すSEN ERR表示およびブザー
9の断続鳴動を格納し、ステップS136において、係
数kおよびヒータ電圧VHをクリアして次の処理に入っ
て行く。
【0086】また、ステップS134でヒータ電圧VH
が劣化判別値VSより大きいとき、つまり、正常な場合
には、そのまま、ステップS136に進んで、上述同様
に、係数kおよびヒータ電圧VHをクリアして次の処理
に入って行く。
【0087】図14は、ニオイを検出するセンサ部とし
てのニオイセンサ2と、このセンサ部からの信号を処理
する信号処理部としてのMPU4やその結果等を表示す
る表示部としてのLCD6等を含むモニタ本体とを延長
コードを介して分離可能な構造とした一例を示す構成図
である。図において、MBはモニタ本体であって、この
モニタ本体MBは図1に示されている構成要素の内ニオ
イセンサ2以外のその他の構成要素を全て含むが、ここ
では、説明の都合上、MPU4、電源回路11、電圧調
整器12および可変型電圧調整器13のみを示してい
る。また、ECは、素子2aとこの素子2aを加熱する
ヒータ2bとからなるニオイセンサ2と、モニタ本体M
Bとの間を電気的に接続する延長コードである。
【0088】電圧調整器12は、電源回路11に接続さ
れた定電圧回路12aと、この定電圧回路12aにそれ
ぞれ接続された定電流回路12bと、定電流回路12b
の出力端と素子2aの一端およびA/D変換部42の入
力端の接続点との接続された分圧抵抗器12cとからな
る。また、ニオイセンサ2の素子2aの他端は接地され
ている。また、可変型電圧調整器13は、電源回路11
に接続された定電圧回路13aと、この定電圧回路13
aに接続された定電流回路13bと、この定電流回路1
3bの出力端およびヒータ2bの一端の接続点とA/D
変換部46の入力端との間に接続された保護回路13c
とからなる。また、ニオイセンサ2のヒータ2bの他端
は接地されている。
【0089】かかる構成において、定電流回路13bか
らは、常に一定の電流が延長コードECを介してヒータ
2bに供給され、また、ヒータ2bの両端の電圧、つま
り、ヒータ2bの抵抗値の変化状態が、延長コードEC
および保護回路13を介してMPU4により監視されて
いる。一方、定電流回路12bからは、分圧抵抗器12
cおよび延長コードECを介して常に一定の電流が素子
2aに供給され、この素子2aの抵抗値が環境の雰囲気
に応じて変化する状態およびヒータ2bの劣化状態が、
ニオイセンサ2の検出出力として延長コードECを介し
てMCU4に供給される。
【0090】ここで、延長コードECの長さ(線路長)
が変わっても、ヒータ2bおよび素子2aには常に一定
の電流がながれているので、線路長の変化に応じてヒー
タ2bの温度変化が起きず、常に安定した温度を素子2
aに供給することができ、素子2aの安定した動作を確
保できる。また、ヒータ2bの両端の電圧は、常にMP
U4で監視されているので、ヒータ2bの両端の電圧が
所定値或は所定範囲を越えたときにヒータ2bが劣化し
ていることをLCD6またはブザー9を用いて外部に劣
化警報として知らせることができる。因に、ヒータ2b
の抵抗値と、ヒータ2bの温度の関係は、抵抗値が低く
なると、温度も低くなる。従って、ヒータ2bの抵抗値
の変化に対応するヒータ2bの両端の電圧を取り込んで
ヒータ2bの劣化状態を検出すれば、ヒータ2bの温度
の変化に基づくニオイの検出機能の異常を検出すること
ができる。
【0091】このようにして、ニオイセンサを含むセン
サ部とモニタ本体とを延長コードを介して分離可能な構
造とした場合でも、延長コードの有無やその線路長に関
係なく一定のヒータ温度および素子の安定動作を確保で
き、延長コードの線路長による補正も不要となり、しか
も、ニオイセンサのヒータの温度が変化して正常なニオ
イ指数を検出できなるときに、異常警報を行うことがで
きる。
【0092】図15は、図14と同様に、ニオイを検出
するセンサ部としてのニオイセンサ2と、このセンサ部
からの信号を処理する信号処理部としてのMPU4やそ
の結果等を表示する表示部としてのLCD6等を含むモ
ニタ本体とを延長コードを介して分離可能な構造とした
他の例を示す構成図である。図において、モニタ本体M
Bは図1に示されている構成要素の内ニオイセンサ2以
外のその他の構成要素を全て含むが、ここでは、説明の
都合上、MPU4、電源回路11、電圧調整器12およ
び可変型電圧調整器13のみを示している。また、21
は可変型電圧調整器13の出力側とヒータ2bおよびA
/D変換部46の入力端の接続点との間に接続された分
圧抵抗器、22は電圧調整器12の出力側と素子2aお
よびA/D変換部42の入力端の接続点との間に接続さ
れた分圧抵抗器である。
【0093】かかる構成において、モニタ本体MB側で
抵抗分割した電圧値すなわち分圧抵抗器21の両端に発
生する電圧の値をA/D変換器46AでA/D変換して
MPU4に取り込む。そして、取り込んだ電圧が所定値
或は所定範囲を越えたときにヒータ2bが劣化している
と判定し、その判定結果をLCD6またはブザー9を用
いて外部に劣化警報として知らせることができる。従っ
て、この場合も、ヒータ2bの抵抗値の変化に対応する
分圧抵抗器21の両端の電圧を取り込んでヒータ2bの
劣化状態を検出すれば、ヒータ2bの温度の変化に基づ
くニオイの検出機能の異常を検出することができる。
【0094】このようにして、この場合も、延長コード
の有無やその線路長に適合する所定電圧を可変型電圧調
整器13から定電圧供給することにより一定のヒータ温
度および素子の安定動作を確保でき、しかも、ニオイセ
ンサのヒータの温度が変化して正常なニオイ指数を検出
できなるときに、異常警報を行うことができる。
【0095】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、環境中
の雰囲気を検出するニオイセンサと、このニオイセンサ
の素子を加熱するヒータの劣化に関する情報を検出する
検出手段と、この検出手段の検出出力に基づいてニオイ
センサのヒータの劣化を判別する判別手段とを備えたの
で、常に、ニオイセンサのヒータの劣化状態を監視する
ことができ、信頼性を向上することができるという効果
がある。
【0096】また、検出手段は、ヒータの劣化に関する
情報としてこのヒータへ供給される電源電圧を検出し、
判別手段は、この検出された電源電圧が所定範囲にある
か否かによりニオイセンサのヒータの劣化を判別するも
のであり、或は、検出手段は、ヒータの劣化に関する情
報としてこのヒータへ供給される電源電圧の分割電圧を
検出し、判別手段はこの検出された分割電圧が所定範囲
にあるか否かによりニオイセンサのヒータの劣化を判別
するので、常に、ニオイセンサのヒータの劣化状態を監
視することができ、より信頼性を向上することができる
という効果がある。
【0097】また、判別手段の判別結果に基づいてニオ
イセンサの異常を警報する警報手段をさらに備えたの
で、さらに信頼性を向上することができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るニオイモニタの一実施例を示す
構成図である。
【図2】この発明に係るニオイモニタの一実施例の要部
を示すブロック図である。
【図3】図1の全体の動作の説明に供するためのフロー
チャートである。
【図4】図3における初期設定の動作の詳細な説明に供
するためのフローチャートである。
【図5】図3における設定処理の動作の詳細な説明に供
するためのフローチャートである。
【図6】図3における設定処理の動作の詳細な説明に供
するためのフローチャートである。
【図7】図3における設定処理の動作の詳細な説明に供
するためのフローチャートである。
【図8】図3におけるデータ読み込みの動作の詳細な説
明に供するためのフローチャートである。
【図9】図3におけるニオイ指数換算の動作の詳細な説
明に供するためのフローチャートである。
【図10】図3における判別処理の動作の詳細な説明に
供するためのフローチャートである。
【図11】図10におけるオートキャリブレーションの
他の例の動作の詳細な説明に供するためのフローチャー
トである。
【図12】図10におけるオートキャリブレーションの
さらに他の例の動作の詳細な説明に供するためのフロー
チャートである。
【図13】図10におけるヒータ劣化検出の動作の詳細
な説明に供するためのフローチャートである。
【図14】分離した構造のニオイセンサとモニタ本体を
延長コードで接続した状態を示す構成図である。
【図15】分離した構造のニオイセンサとモニタ本体を
延長コードで接続した状態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ニオイモニタ 2 ニオイセンサ 4 マイクロプロセッサユニット(MPU) 41 演算部 6 液晶表示装置 7 EEPROM 8 操作部 9 ブザー 13 可変型電圧調整器 MB モニタ本体 EC 延長コード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環境中の雰囲気を検出するニオイセンサ
    と、 このニオイセンサの素子を加熱するヒータの劣化に関す
    る情報を検出する検出手段と、 この検出手段の検出出力に基づいて上記ニオイセンサの
    ヒータの劣化を判別する判別手段とを備えたことを特徴
    とするニオイモニタ。
  2. 【請求項2】 上記検出手段は、上記ヒータの劣化に関
    する情報として該ヒータへ供給される電源電圧を検出
    し、上記判別手段は、該検出された電源電圧が所定範囲
    にあるか否かにより上記ニオイセンサのヒータの劣化を
    判別する請求項1記載のニオイモニタ。
  3. 【請求項3】 上記検出手段は、上記ヒータの劣化に関
    する情報として該ヒータへ供給される電源電圧の分割電
    圧を検出し、上記判別手段は該検出された分割電圧が所
    定範囲にあるか否かにより上記ニオイセンサのヒータの
    劣化を判別する請求項1記載のニオイモニタ。
  4. 【請求項4】 上記判別手段の判別結果に基づいて上記
    ニオイセンサの異常を警報する警報手段を備えた請求項
    1〜3のいずれかに記載のニオイモニタ。
JP28827094A 1994-11-22 1994-11-22 ニオイモニタ Pending JPH08145931A (ja)

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