JPH08145309A - 窒素酸化物低発生燃焼方法及び装置 - Google Patents

窒素酸化物低発生燃焼方法及び装置

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JPH08145309A
JPH08145309A JP6285464A JP28546494A JPH08145309A JP H08145309 A JPH08145309 A JP H08145309A JP 6285464 A JP6285464 A JP 6285464A JP 28546494 A JP28546494 A JP 28546494A JP H08145309 A JPH08145309 A JP H08145309A
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air
combustion
pipe
ejection
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Toru Mogi
徹 茂木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】窒素酸化物低発生燃焼方法及び装置の提供。 【構成】長孔状空気噴出部3から噴出する空気流に対し
て基部燃料噴出部6から噴出する燃料を噴出混合燃焼さ
せながら、中心軸方向燃料噴出孔14から全燃料の10
〜20%の補助燃料を中心軸方向に噴出して、その噴出
エネルギーにより炉内燃焼ガスを伴流し燃焼させ、長孔
状空気噴出部3での空気流速と基部燃料噴出部6での燃
料流速の比を0.2以上に調整しNOxの低減をはか
る。又長孔状空気噴出部3から噴出する空気流の中に直
角方向から燃料を噴出して空気が燃料をつつむように拡
散炎が形成されるが、その拡散炎を空気噴射部或は燃料
噴射部に定着させないで燃焼させることにより、燃焼ガ
スの一部が、補助燃料流、空気流並びに燃料流に巻き込
まれるようにして、自己排ガス再循環を効果的に実現
し、NOxの低減をはかるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒素酸化物低発生燃焼方
法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】燃焼によって生じるNOxに対する排出規
制は年々厳しくなっており、NOx低減のための技術開
発が盛んである。燃焼時に発生するNOxとしては、フ
ューエルNOx,プロンプトNOx及びサーマルNOx
があると言われ、これらの中で、サーマルNOxは、燃
焼空気中の窒素分子成分が、高温雰囲気中で酸化される
ことによって生成するものであり、温度依存性が高く、
燃焼温度が高くなるにつれて生成量は急激に増大する。
サーマルNOxは、燃焼ガス中に窒素分子成分が存在す
る場合には必ず生成し、特に燃料が炭化水素系気体燃料
である場合には、排出されるNOxのほとんどがサーマ
ルNOxといわれ、数多くの低減方法が考案されてい
る。サーマルNOx低減の目的で、多段燃焼法、排気ガ
ス再循環法、希薄燃焼法などの燃焼方法が考案され、い
くつかの方法を組み合わせた燃焼方法も数多く考案され
ている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】多段燃焼法は、燃料あるい
は、燃焼空気を2段もしくは多段に分割して燃焼させる
ことを特徴とするもので、火炎温度の低下あるいは、酸
素濃度の低下によって低NOx燃焼を実現させるもので
ある。かかる燃焼方式においては、多段に燃焼させるた
めに、燃焼器が複雑になるという課題があった。排気ガ
ス再循環法は、燃焼ガスの一部を燃焼空気または燃料に
混合させ、火炎温度の低下、酸素濃度の低下を目的とし
たもので、強制排気ガス再循環法と自己排気ガス再循環
法に大別される。強制排気ガス再循環法は、燃焼ガスの
一部を、再循環用ダクトとブロアーを用いて強制的に燃
焼空気または燃料に混合させたものでもっとも一般的な
方法である。自己排ガス再循環法は燃焼器に工夫を加
え、噴流に周囲の気体が吸引される現象を用いて、燃焼
空気流、燃料流に燃焼ガスを混合させて排ガス再循環の
効果を持たせることを特徴としており、強制的に燃焼ガ
スを再循環させる事なく、排気ガス再循環の効果を得ら
れるメリットがある。また多段燃焼法のように燃料もし
くは燃焼空気を複数の系統に分割する複雑さもない。自
己排ガス再循環を利用した事を特徴とする燃焼器として
はたとえば特開昭62−17506公報があって、その
ほかにも数多くの燃焼器が自己排ガス再循環法を利用し
ているが、NOx低減には限度があって、昨今の厳しい
NOx規制に対応するには更なる技術開発が必要になっ
ている。そこで、自己排ガス再循環法のメリットを最大
限に利用した燃焼方法として、特開平1−30010
3、特開平3−91601、実開昭52−61545が
ある。これらの燃焼方法においては、自己排ガス再循環
の効果を最大限に利用するため、バーナには保炎機構を
有せず、燃焼空気流と、燃料流を分離して独立に炉内に
噴射することを特徴としている。これによって、火炎は
バーナに定着することなくリフトして形成され、炉内の
燃焼ガスの一部を、燃料流、燃焼空気流に充分に吸引し
てから燃焼が開始する。かかる燃焼方法においては、火
炎は緩慢な拡散炎となるが、保炎機構を持たないため
に、安定な着火を得るためには燃焼域の温度が高くない
と使用できない場合があり、加熱炉、溶解炉などの高温
炉には向いているが、ボイラや低温の加熱炉に利用する
場合、未燃分の排出が増加したり、完全燃焼のために炉
体を大きくしなければならないと言う課題があった。サ
ーマルNOxの低減方法として予混合炎を用いる方法も
ある。予混合燃焼で、空気比を高くして燃焼させると大
幅なNOx低減が可能であるが、高空気比燃焼では過剰
空気が増えるために燃焼、伝熱効率の低下が大きくまた
予混合炎の安定性に劣るという問題点があった。そこ
で、予混合燃焼に自己排気ガス再循環の効果を与えてサ
ーマルNOxを低減させる方法として、特開平3−17
5211がある。かかる燃焼方法においては、保炎器に
工夫を加えることによって、予混合気が燃焼する前に、
低温の燃焼ガスの一部を予混合気に混合し火炎温度を低
下する、または酸素濃度を小さくすることで、NOxを
低減することを特徴としている。かかる燃焼方法および
燃焼装置においては、予混合燃焼を利用しているために
予混合気をつくるための混合器が必要なこと、可燃限界
内の予混合気体を用いるため、火炎がバーナ内あるいは
混合器内に戻るいわゆるバックの危険があることなどの
予混合燃焼器共通の課題がある。また可燃予混合気に燃
焼ガスの一部を混合させるため、混合させる燃焼ガスが
高温である場合には、予混合気が燃焼ガスと混合すると
すぐに着火してしまい自己排ガス再循環の効果を充分に
利用できず、そこで予混合気と燃焼ガスの一部を、予混
合気が着火しないように混合させるために、保炎器に特
別な工夫が必要であるなどの課題があった。自己排気ガ
ス再循環法は、上述したように、多段燃焼法、希薄予混
合燃焼法などの他の低NOx燃焼法に比べて、燃焼装置
が簡便で、低NOx燃焼が可能になるなどのメリットを
有している。自己排気ガス再循環を利用してサーマルN
Oxの低減をはかる燃焼方法にあっては、拡散炎に自己
排気ガス再循環を最大限に利用するものでは、使用でき
る炉内温度範囲に制限があり利用できる燃焼設備が限ら
れているという問題点があった。また予混合炎に自己排
気ガス再循環を応用するものにあっては、バック燃焼な
どの予混合燃焼器特有の火炎安定性の問題がありさらに
保炎器に特別な工夫が必要であるという課題があった。
燃焼器の年々厳しくなるNOx規制に対応し、さらなる
低NOx燃焼を実現するには、自己排ガス再循環法をさ
らに効果的に利用する燃焼技術が望まれている。 本発
明の目的は、このような点に着目して為されたものであ
って、拡散燃焼を用いつつ、燃焼が開始する前に自己排
気ガス再循環が効果的におこなわれ、低温雰囲気におい
ても火炎安定性に優れた窒素酸化物低発生燃焼方法及び
燃焼装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決する手段】前記課題を解決するために、本
発明は、燃料管先端部の外周に、空気管の内周面に接
し、且つ複数の長孔状空気噴出部を設けた遮へい板を設
置し、前記複数の長孔状空気噴出部の基部には、前記燃
料管と連通した基部燃料噴出管を設置し、その基部燃料
噴出管の先端には、空気管に対して放射方向に燃料を噴
出する基部燃料噴出部を設け、前記燃料管の先端部を前
記遮へい板より突出させ、その燃料管の先端部に、その
燃料管の中心軸方向に補助燃料を噴出する中心軸方向燃
料噴出孔を設け、その中心軸方向燃料噴出孔の上流側に
前記燃料管より大きい円盤プレ−トを設置し、前記長孔
状空気噴出部から噴出する空気流に対して前記基部燃料
噴出部から噴出する燃料を直角方向に噴出させ混合燃焼
させながら、前記中心軸方向燃料噴出孔から全燃料の1
0〜20%を補助燃料として中心軸方向に噴出して、そ
の噴出エネルギ−によって炉内燃焼ガスを伴流しつつ燃
焼させ、前記長孔状空気噴出部での空気流速と前記基部
燃料噴出部での燃料流速の比が0.2以上であることを
特徴とする窒素酸化物低発生燃焼方法を提供するもので
ある。
【0005】また、前記課題を解決するために、本発明
は、燃料管先端部の外周に、空気管の内周面に接し、且
つ複数の長孔状空気噴出部を設けた遮へい板を設置し、
前記複数の長孔状空気噴出部の基部には、前記燃料管と
連通した基部燃料噴出管を設置し、その基部燃料噴出管
の先端には、空気管に対して放射方向に燃料を噴出する
基部燃料噴出部を設け、前記燃料管の先端部を前記遮へ
い板より突出させ、その燃料管の先端部に、その燃料管
の中心軸方向に補助燃料を噴出する中心軸方向燃料噴出
孔を設け、その中心軸方向燃料噴出孔の上流側に前記燃
料管より大きい円盤プレ−トを設置したことを特徴とす
る窒素酸化物低発生燃焼装置を提供するものである。
【0006】また、前記課題を解決するために、本発明
は、前記中心軸方向燃料噴出孔の形状をスリット円孔に
構成して、その中心軸方向燃料噴出孔からリング状の燃
料を噴出して、炉内ガスを伴流しながら混合燃焼させる
ことを特徴とする窒素酸化物低発生燃焼方法を提供する
ものである。
【0007】また、前記課題を解決するために、本発明
は、前記中心軸方向燃料噴出孔の形状をスリット円孔に
構成たことを特徴とする窒素酸化物低発生燃焼装置を提
供するものである。
【0008】また、前記課題を解決するために、本発明
は、前記スリット円孔内に旋回羽根を装置し、前記スリ
ット円孔から旋回リング状の燃料を噴出して、炉内ガス
を伴流しながら混合燃焼させることを特徴とする窒素酸
化物低発生燃焼方法を提供するものである。
【0009】また、前記課題を解決するために、本発明
は、前記スリット円孔内に旋回羽根を装置したことを特
徴とする窒素酸化物低発生燃焼装置を提供するものであ
る。
【0010】また、前記課題を解決するために、本発明
は、前記空気管に導入する燃焼用空気を酸素の体積濃度
21%以上の酸素富化空気を使用することを特徴とする
窒素酸化物低発生燃焼方法を提供するものである。
【0011】
【作用】長孔状空気噴出部から噴出する空気流の中に直
角方向から燃料を噴出して空気が燃料をつつむようにし
て形成される拡散炎について、燃料の一部を分離し、補
助燃料として噴出させ、且つ、その拡散炎を空気噴出部
或は燃料噴出部に定着させないで燃焼させることによ
り、そして、その拡散炎を形成する前に、燃焼ガスの一
部が、補助燃料流、空気流並びに燃料流に巻き込まれる
ようにして、自己排ガス再循環を頗る効果的に実現し、
NOxの大幅な低減を図かるものである。
【0012】
【実施例】先ず、図1に於いて、符号1は燃料管であっ
て、この燃料管の先端部の外周に、空気管2の内周面に
接し、且つ複数の長孔状空気噴出部3を設けた遮へい板
4を設置し、前記複数の長孔状空気噴出部3の基部に
は、前記燃料管1と連通した基部燃料噴出管5を設置
し、その基部燃料噴出管5の先端には、放射方向に燃料
を噴出する基部燃料噴出部6を設ける構成とする。前記
燃料管1の先端部には、前記燃料管1の中心軸方向に補
助燃料を噴出する中心軸方向燃料噴出孔14を設ける構
成とし、その中心軸方向燃料噴出孔14の上流側には燃
料管1より大きい円盤プレート7を設ける構成とする。
前記中心軸方向燃料噴出孔14の形状は、図に示す如
く、スリット円孔15としてもよい。17はスリット円
孔15内に装置した旋回羽根である。
【0013】長孔状空気噴出部3から空気が噴出し、そ
の空気流中に、基部燃料噴出部6からは、燃料ガスを前
記空気流に対して直角方向から噴出させる。この際、長
孔状空気噴出部3に於ける空気流速及び基部燃料噴出部
6に於ける燃料ガス流速の比を0.2以上、実操業上
は、0.2〜5程度に設定する。前記比を0.2以下に
設定すると、燃料ガスが、空気流を貫通して空気管2の
内壁に衝突して拡散し空気管2に定着した火炎が形成さ
れてしまうので、前記比は0.2以下とすることはでき
ない。しかしながら、前記比を前記のように設定する
と、長孔状空気噴出部3に定着した拡散炎を発生しない
だけでなく、直角方向から噴出した燃料ガス流9は、図
2に示すように空気流10中につつみ込まれた状態の流
れとなる。この時、中心軸方向燃料噴出孔14から、補
助燃料16を、燃料ガス流9、空気流10、炉内燃焼ガ
ス流11及び内部再循環領域12等に向かって噴出する
と、補助燃料16は、燃焼する前に、大量に燃焼ガスを
巻き込むため、内部再循環領域12に於ける自己排ガス
再循環が、更に促進されて、内部再循環促進領域8が形
成されて一層の低NOx化が実現できる。即ち、中心部
に燃料ガス流9、その周囲にドーナツ状に空気流10、
そしてその外周に矢印で示す伴流が行われ、炉内ガス流
11及び炉内ガス流11を巻き込んだ補助燃料流16が
形成される。しかして、空気流10は、その外側から
は、高温の炉内ガス流11が、同時にその内側からは、
燃料ガス流9が拡散混合して行く。通常の拡散炎では空
気噴出孔或は燃料ガス噴出孔に定着した火炎が形成され
るために、燃焼は空気流が周囲炉内ガスを伴流する前に
燃焼を開始してしまうが、本発明は、前記した流速比を
持つので、長孔状空気噴出部3及び基部燃料噴出部6に
は火炎は附着しない。即ち、本発明に於いては、空気流
10は、その周囲の炉内燃焼ガス流11と混合しながら
温度を上昇して行くと同時に、その内側にある燃料ガス
流9及び補助燃料流16と徐々に混合状態を形成して行
く。そして、前記四者が良好な混合状態を発展させて行
き、温度、燃料濃度、酸素濃度の諸点に於いて、着火条
件を満たした時点で燃焼が開始し、拡散火炎が形成され
る。かかる拡散火炎に於いては、燃焼が開始する前に燃
焼ガスの一部が充分に燃焼空気、強いては補助燃料流に
混合するため、自己排ガス再循環の効果が最大限得ら
れ、火炎温度の低下、酸素濃度の低下によりNOxが著
しく低下する。以上に於いて、内部再循環領域12及び
外部再循環領域13は、炉内燃焼ガス流11を多量に伴
流する上で、多大の貢献をするものである。
【0014】以上の燃焼に際して、円盤プレート7を装
置した実施例の場合には、円盤プレート7の下流側に、
内部再循環促進領域8が形成され、内部再循環領域12
が拡大されて、排ガスの再循環量が格段に増大し、NO
xの低減に一層の効果を生じさせる。即ち円盤プレート
7の存在によって、空気流10の、高温の内部再循環領
域12側への拡大が阻止され、自己排ガス再循環量が増
大する。かかる伴流量の増大はNOxの低減効果を著し
く助長する。
【0015】更に、空気管2内に設けた燃料管1の先端
外周と、前記空気管2の内壁に接して設けた遮へい板4
には、長孔状空気噴出部3が設けてあり、この長孔状空
気噴出部3から燃焼用空気を噴出するので、噴流の表面
積を大きくすることができ、周囲の燃焼ガスを効率よく
伴流することができる。また、長孔状空気噴出部3は、
複数個形成されているので、空気流10は、分割されて
噴出され、夫々の噴流が炉内ガス流11を伴流するた
め、単一の空気噴流を持った燃焼器に比べてより効率的
に周囲の燃焼ガスを伴流でき、自己排ガス再循環の効果
を高めることができる。複数の燃焼空気噴流で囲まれた
部分には内部再循環領域12が形成され、また周囲には
外部再循環領域13が形成されて、どちらの再循環領域
にも燃焼ガスの一部が再循環して燃焼空気噴流に伴流さ
れる。特に、内部再循環領域12には高温の燃焼ガスが
循環するので、定着部を持たない拡散炎を安定的に着火
させ、火炎を形成する。
【0016】空気流に対して、直角に燃料を噴出させる
と同時に、空気流速と燃料流速の比を前記したように調
整することによって、燃料噴流を燃焼空気噴流の中心部
に噴出させることができる。この場合、図3及び図4に
示すように、燃料噴流はいわゆる双子状の渦を形成す
る。この渦は、燃料と空気が混合するにつれ、基部燃料
噴出部6、長孔状空気噴出部3から離れるに従って発達
していく。この渦には、燃料と空気が混合してゆくだけ
ではなく、さらには空気に伴流された燃焼ガスの一部が
徐々に巻き込まれ、燃料が着火するのに充分な量の燃焼
ガスが巻き込まれると燃料は燃焼を開始する。この渦に
よって火炎は長孔状空気噴出部3、基部燃料噴出部6に
定着することなく安定に着火する。なお、長孔状空気噴
出部3を通る空気流10の方向に対して、直角方向に燃
料を噴出させる場合には、燃焼空気噴流と燃料噴流の流
速の比を0.2以上とすると、火炎は噴出孔に定着しな
いで形成され、著しい低NOx火炎になることは、前記
した通りである。
【0017】以上の燃焼に際して、前記燃料管1の中心
軸方向に中心軸方向燃料噴出孔14から、補助燃料を噴
出するので、前記した如く、補助燃料と炉内ガスとの混
合が、燃焼前に良好に促進されて、前記した燃焼に相乗
してNOx低減効果を一層助長するものである。
【0018】以上の燃焼に際しては、前記中心軸方向燃
料噴出孔14の形状をスリット円孔15に構成すると、
補助燃料がリング状に噴出されるので、炉内ガスの接触
面積が増大して、前記伴流効果を著しく向上させてNO
x低減効果を助長する。
【0019】更に、前記スリット円孔15に旋回羽根1
7を装置すると、燃料が旋回しながらリング状に噴出す
るので、炉内ガスの巻き込みが増大し、伴流効果を更に
向上させてNOx低減効果を助長する。
【0020】以上の燃焼に際して、空気管2に導入する
燃焼用空気を、酸素の体積濃度21%以上の酸素富化空
気を使用することによっても、低NOxの燃焼を持続さ
せると共に、燃焼量の増大を図かることができる。
【0021】図5は、本発明によるNOx低減効果を示
したものである。図5及び従来例と比較した図6によっ
て、空気/燃料の流速比が0.2以上で、且つ全燃料の
10〜20%を補助燃料として噴出すれば、NOxが格
段に低減していることが理解できる。
【0022】
【発明の効果】本発明は以上の通りの低NOx燃焼法と
その装置を使用することによって、従来の課題を一挙に
解決し、NOxの発生を格段に抑制することができる優
れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例を示す説明図である。
【図2】図2は、流体の流れと伴流状態を示す模式図で
ある。
【図3】図3は、空気流の中で燃料の流れを示す模式図
である。
【図4】図4は、空気流の中で燃料の流れを示す模式図
である。
【図5】図5は、本発明における補助燃料噴出効果示し
たNOx性能図である。
【図6】図6は、本発明と従来方法を比較したNOx性
能図である。
【符号の説明】
1 燃料管 2 空気管 3 長孔状空気噴出部 4 遮へい板 5 基部燃料噴出管 6 基部燃料噴出部 7 円盤プレート 8 内部再循環促進領域 9 燃料ガス流 10 空気流 11 炉内ガス流 12 内部再循環領域 13 外部再循環領域 14 中心軸方向燃料噴出孔 15 スリット円孔 16 補助燃料流 17 旋回羽根

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料管先端部の外周に、空気管の内周面
    に接し、且つ複数の長孔状空気噴出部を設けた遮へい板
    を設置し、前記複数の長孔状空気噴出部の基部には、前
    記燃料管と連通した基部燃料噴出管を設置し、その基部
    燃料噴出管の先端には、空気管に対して放射方向に燃料
    を噴出する基部燃料噴出部を設け、前記燃料管の先端部
    を前記遮へい板より突出させ、その燃料管の先端部に、
    その燃料管の中心軸方向に補助燃料を噴出する中心軸方
    向燃料噴出孔を設け、その中心軸方向燃料噴出孔の上流
    側に前記燃料管より大きい円盤プレ−トを設置し、前記
    長孔状空気噴出部から噴出する空気流に対して前記基部
    燃料噴出部から噴出する燃料を直角方向に噴出させ混合
    燃焼させながら、前記中心軸方向燃料噴出孔から全燃料
    の10〜20%を補助燃料として中心軸方向に噴出し
    て、その噴出エネルギ−によって炉内燃焼ガスを伴流し
    つつ燃焼させ、前記長孔状空気噴出部での空気流速と前
    記基部燃料噴出部での燃料流速の比が0.2以上である
    ことを特徴とする窒素酸化物低発生燃焼方法。
  2. 【請求項2】 燃料管先端部の外周に、空気管の内周面
    に接し、且つ複数の長孔状空気噴出部を設けた遮へい板
    を設置し、前記複数の長孔状空気噴出部の基部には、前
    記燃料管と連通した基部燃料噴出管を設置し、その基部
    燃料噴出管の先端には、空気管に対して放射方向に燃料
    を噴出する基部燃料噴出部を設け、前記燃料管の先端部
    を前記遮へい板より突出させ、その燃料管の先端部に、
    その燃料管の中心軸方向に補助燃料を噴出する中心軸方
    向燃料噴出孔を設け、その中心軸方向燃料噴出孔の上流
    側に前記燃料管より大きい円盤プレ−トを設置したこと
    を特徴とする窒素酸化物低発生燃焼装置。
  3. 【請求項3】 中心軸方向燃料噴出孔の形状をスリット
    円孔に構成して、その中心軸方向燃料噴出孔からリング
    状に燃料を噴出して、炉内ガスを伴流しながら混合燃焼
    させることを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物低発
    生燃焼方法。
  4. 【請求項4】 中心軸方向燃料噴出孔の形状をスリット
    円孔に構成たことを特徴とする請求項2記載の窒素酸化
    物低発生燃焼装置。
  5. 【請求項5】 スリット円孔内に旋回羽根を装置し、前
    記スリット円孔から旋回リング状に燃料を噴出して、炉
    内ガスを伴流しながら混合燃焼させることを特徴とする
    請求項3記載の窒素酸化物低発生燃焼方法。
  6. 【請求項6】 スリット円孔内に旋回羽根を装置したこ
    とを特徴とする請求項4記載の窒素酸化物低発生燃焼装
    置。
  7. 【請求項7】 空気管に導入する燃焼用空気を酸素の体
    積濃度21%以上の酸素富化空気を使用することを特徴
    とする請求項1記載の窒素酸化物低発生燃焼方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109058992A (zh) * 2018-08-29 2018-12-21 北京水木星源环保科技有限公司 一种微通道分布超低氮燃烧器

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CN109058992A (zh) * 2018-08-29 2018-12-21 北京水木星源环保科技有限公司 一种微通道分布超低氮燃烧器

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