JPH08145119A - クラッチのダンパー装置 - Google Patents

クラッチのダンパー装置

Info

Publication number
JPH08145119A
JPH08145119A JP29096094A JP29096094A JPH08145119A JP H08145119 A JPH08145119 A JP H08145119A JP 29096094 A JP29096094 A JP 29096094A JP 29096094 A JP29096094 A JP 29096094A JP H08145119 A JPH08145119 A JP H08145119A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
friction
thrust
input gear
damper device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29096094A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3016696B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Kuji
泰広 久慈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP6290960A priority Critical patent/JP3016696B2/ja
Publication of JPH08145119A publication Critical patent/JPH08145119A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3016696B2 publication Critical patent/JP3016696B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クラッチのダンパー装置の耐熱性等の向上
と、スラスト荷重設定の容易化を図ることである。 【構成】 クラッチハウジング14とこれと一体的に結
合されたサイドプレート18の間に配置され、アイドリ
ング時等のギヤ音を緩衝するスラスト用のダンパーとし
て、クラッチ入力ギヤ4に形成された凹部38内に、軸
方向に圧縮可能なスラスト用スプリング34を配置する
と共に、該スラスト用スプリング34の凹部開口側に摩
擦片33を配置し、スラスト用スプリング34の弾性力
により、摩擦片34をサイドプレート18あるいはクラ
ッチハウジング端壁背面に圧接している。これにより、
ダンパーの耐熱性、対摩耗性が向上すると共に、スラス
ト力の設定荷重を、容易に精度よく設定でき、荷重のば
らつきが少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、主として、エンジン
のクランク軸と、変速装置の変速入力軸(カウンタ軸)
との間の動力を断続するクラッチにおいて、エンジンの
トルク変動を緩和してクラッチハウジングに動力伝達す
るためのダンパー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、本願発明が適用されている自動
二輪車用の多板摩擦クラッチの全体断面図であるが、ま
ずこの図を利用して、クラッチの全体構造の概略を簡単
に説明する。
【0003】クランクギヤ3に噛み合うクラッチ入力ギ
ヤ4は、変速機ケース(図示せず)の変速入力軸2に回
転自在に嵌合支持されると共に、クラッチハウジング1
4の端壁14aとサイドプレート18の間にリム4bが
配置され、クラッチハウジング14に対して一定角度相
対回転可能となっており、円周方向に圧縮自在なコイル
スプリング31及びメインダンパー30を介してクラッ
チハウジング14に動力伝達可能に連動連結している。
サイドプレート18は、クラッチハウジング14の端壁
14aに、軸方向に一定間隔をおいて一体的に結合され
ている。
【0004】上記コイルスプリング31は、エンジン停
止状態(回転トルクが0状態)において、略自由状態と
なるようにセットされており、所定のねじり角範囲でト
ルク変動を緩衝するが、アイドリング運転時などのよう
に回転変動が連続して発生する運転状態においては、ト
ルク変動を効果的に吸収することはできない。
【0005】このため、アイドリング運転時のトルク変
動を効果的に緩衝、吸収してギヤ打音を減少し、また、
クラッチハウジング14の傾きやスラスト方向変位を抑
制するために、従来より、図9に示すように、入力ギヤ
4のリム4bに円周方向に間隔をおいて複数の凹部38
を形成し、各凹部38内にゴム製のスラストダンパー6
0を軸方向圧縮可能に縮設し、サイドプレート18に一
定の軸方向圧力で圧接させている。
【0006】これにより、ねじり角範囲内においてヒス
テリシスが発生するため、アイドリング時などにおいて
入力ギヤのトルク変動を、小さいねじり角度から所定の
角度範囲にわたって効果的に緩衝、吸収して、ギヤ打音
の発生を減少させている。
【0007】なお、ゴム製のスラストダンパーを用いた
先行技術としては、実開昭60−101228号公報が
ある。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】上記従来技術では、スラストダンパー60
としてゴム製の円柱部材を用い、スラストゴムダンパー
60自体にスプリングと摩擦材の役割りを兼用させてい
るが、ゴム製では、熱及び摩擦による経時変化が避けら
れず、摩耗及び材質の劣化によるスラストダンパー機能
の低下が見られる。また、ゴム製であると、荷重の設定
をゴムの硬さと圧縮寸法に依存するため、所望の値に保
持することが難しく、ばらつきも発生しやすい。
【0009】
【発明の目的】本願発明の目的は、アイドリング運転時
等におけるトルク変動緩衝機能を維持させて、クラッチ
のギヤ打音発生を効果的に減少させると共に、耐熱性及
び耐久性を向上させ、その効果の経時劣化を防止できる
ようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願請求項1記載の発明は、クラッチハウジングの
端壁背面に、軸方向に所定間隔をおいてサイドプレート
を一体的に結合し、端壁背面とサイドプレートの間に、
これらに対して相対回転可能にクラッチ入力ギヤのリム
を配置し、入力ギヤを、エンジンのクランクギヤに噛み
合わせると共に、円周方向に圧縮自在なコイルスプリン
グ及びメインダンパーを介してクラッチハウジングに動
力伝達可能に連動連結したクラッチのダンパー装置にお
いて、入力ギヤのリムには、軸方向の一端側が開口する
凹部を複数形成し、該凹部内に、軸方向に圧縮可能なス
ラスト用スプリングを配置すると共に、該スラスト用ス
プリングの凹部開口側に摩擦片を配置し、スラスト用ス
プリングの弾性力により、摩擦片をサイドプレートある
いは端壁背面に圧接している。
【0011】請求項2記載の発明は、上記主目的に加
え、ダンパー機能をより向上させるために、請求項1記
載のクラッチのダンパー装置において、摩擦片の圧接相
手をサイドプレートとし、入力ギヤとクラッチハウジン
グ端壁背面との間には、入力ギヤと同一軸心で入力ギヤ
の外周端近傍に当接するOリングを介在させている。
【0012】請求項3記載の発明は、上記主目的に加
え、組立性の向上と、コンパクト化とスラスト荷重の安
定性の一層の向上を図るために、請求項1記載のクラッ
チのダンパー装置において、摩擦片を有底筒形とし、ス
ラスト用スプリングをコイルスプリングとし、有底筒形
の摩擦片をスラスト用コイルスプリングの先端部に被嵌
し、有底筒形摩擦片の摩擦面をサイドプレートあるいは
クラッチハウジング端壁背面に圧接している。
【0013】請求項4記載の発明は、摩擦面における摩
擦係数の設定を容易にするために、請求項1記載のクラ
ッチのダンパー装置において、摩擦片の摩擦面側に、シ
ート状の摩擦材を固着している。
【0014】
【作用】入力ギヤの回転トルクが小さい状態では、摩擦
片とサイドプレートとの間の摩擦力がねじりトルクの抵
抗となり、入力ギヤとクラッチハウジングのねじれ角は
小さいが、回転変動により入力ギヤの回転トルクが急速
に上昇した場合、コイルスプリングによる荷重に抗して
ねじれ角は増加し、この過程で摩擦によるエネルギーの
吸収とスプリングによるエネルギーの蓄積がおこなわれ
るため、回転トルクは減衰し、緩和される。回転変動
は、交番して発生するので、回転トルクが下降するとき
はねじれ方向は逆になり、同じ作用により回転変動を吸
収する。
【0015】かくしてアイドリング時等におけるクラン
ク軸のトルク変動は、摩擦片とサイドプレートの摩擦力
及びコイルスプリングの作動により、入力ギヤ側におい
て、緩衝、吸収されて緩和され、クランクギヤと入力ギ
ヤの間の噛み合い音の発生を効果的に防ぐ。
【0016】また、スラスト用スプリングの軸方向スラ
スト力及びOリングにより、クラッチハウジングと入力
ギヤとが直接接触することがなく、Oリングが音の伝達
を防ぐので、ギヤ打音がクラッチハウジングに伝達され
て拡散するのを防止することができる。
【0017】
【実施例】図1は、本願発明が適用されている自動二輪
車用多板摩擦クラッチの全体縦断面図であり、図中の右
方向を軸方向前方と仮定して、以下説明する。変速ケー
ス内には、クランク軸1と平行に変速入力軸2が配置さ
れており、両軸1,2間は、クランクギヤ3、クラッチ
入力ギヤ(ドリブンギヤ)4及び多板摩擦式のクラッチ
Cを介して、断続可能に連動連結している。
【0018】入力ギヤ4は、クランクギヤ3に噛み合う
と共に、そのボス部4aが、ブッシュ6を介して変速入
力軸2の外周に回転自在に嵌合している。ボス部4aの
軸方向はスラストワッシャ5に当接し、スラストワッシ
ャ5はクラッチCのスプラインボス9及び変速入力軸2
の軸受10を介してボルト8に、軸方向移動不能に係止
されている。入力ギヤ4のリム4bは、クラッチハウジ
ング14の端壁14aと、この背面に突起部17を介し
て固着されたサイドプレート18との間に配置されてお
り、入力ギヤ4とクラッチハウジング14とは、後述す
るコイルスプリング31等のダンパー装置を介して、一
定角度相対回転可能に連動連結されている。ボス部4a
の後部には、始動用ギヤ11が一体に形成され、始動装
置のギヤ12に噛み合っている。
【0019】クラッチCは、有底筒状の上記クラッチハ
ウジング14と、軸方向移動自在なスライドプレート1
5と、スプラインボス9に一体的に固着されたインナー
ハブ16等から構成されている。インナーハブ16の外
周筒状部には多数の環状クラッチプレート20が軸方向
移動可能にスプライン嵌合しており、クラッチハウジン
グ14の筒状部には、多数の環状フリクションプレート
21,22が軸方向移動可能にスプライン嵌合してい
る。クラッチプレート20とフリクションプレート2
1,22は交互に重ね合わされており、これらはスライ
ドプレート15と、インナーハブ16の前端つば部16
aの間で圧接される。
【0020】スライドプレート15は、その内周端縁が
前記スプラインボス9の後端嵌合面9aに軸方向スライ
ド自在に嵌合すると共に、インナーハブ16の孔23を
貫通して前方に突出する複数のガイドボス部15aを一
体に有している。ガイドボス部15aは、円周方向に等
間隔をおいて複数個形成され、その前端面には、レリー
ズ用プレート25がボルト26により固着されている。
レリーズ用プレート25とインナーハブ16のリムの間
には、各ガイドボス部15aに嵌挿されたクラッチスプ
リング27が縮設されており、該クラッチスプリング2
7の弾性力により、スライドプレート15を軸方向前方
へと付勢し、クラッチを接続している。
【0021】レリーズ用プレート25の内周部にはレリ
ーズベアリング28が嵌着されており、該レリーズベア
リング28は、レリーズ機構を介して図示しないクラッ
チレバー等のクラッチ操作機構に連動連結し、クラッチ
切り操作により、レリーズベアリング28及びレリーズ
用プレート25を介して、クラッチスプリング27の弾
性力に抗してスライドプレート15を軸方向に後退さ
せ、クラッチを切るようになっている。
【0022】クラッチハウジング14と入力ギヤ4との
間に設けられるダンパー装置は、複数の前記コイルスプ
リング31と、突起部17に嵌着されたメインダンパー
ゴム30と、本願発明の要部である摩擦片33及びスラ
スト用スプリング34等から構成されている。
【0023】突起部17は、クラッチハウジング端壁1
4aの背面から所定量hだけ後方へ突出すると共に、そ
の後端面は、変速入力軸2と直角になるように平面に形
成され、リベット29により前記サイドプレート18が
固着されている。すなわち、サイドプレート18は、ク
ラッチハウジング端壁14aの背面から所定間隔hだけ
離れた後方に、変速入力軸心と直角な姿勢で一体的に結
合されている。上記所定間隔hは、入力ギヤ4のリム4
bの厚さよりも少し大きく設定されている。また、ダン
パーゴム30の軸方向幅は、概ね所定量hに相当する。
【0024】入力ギヤ4のリム4bには、コイルスプリ
ング31が円周方向圧縮自在に収納される窓孔36と、
メインダンパーゴム収納用の窓孔37と、スラスト用ス
プリング収納凹部38が形成されている。サイドプレー
ト18とクラッチハウジング端壁14aには、上記窓孔
36に対応する位置に、窓孔36と同じ円周方向長さを
有する凹部40及び窓孔41がそれぞれ形成されてお
り、凹部40と窓孔41の円周方向端縁は、それぞれコ
イルスプリング31の円周方向端縁に当接している。コ
イルスプリング31は、略セット荷重0の自由状態で嵌
挿されている。
【0025】図2において、コイルスプリング31は、
180°対称位置に1対配置されており、メインダンパ
ーゴム30は、両コイルスプリング31の円周方向間に
2個ずつ配置されており、両ダンパーゴム間を結ぶ線に
対して、対称位置に配置されている。
【0026】スラスト用スプリング収納凹部38は、窓
孔36と窓孔37の間であって、外方寄り位置に、複数
個形成され、該実施例では、入力ギヤ4の軸芯に対し1
対が対称に配置されている。
【0027】ダンパーゴム30は、円周方向の両側に張
り出すような長円形状となっており、運転停止時のよう
にねじり角度が0の状態において、窓孔37の円周方向
各端縁37a,37bに対して所定間隔dを隔てて対向
している。上記間隔dは、エンジンのアイドリング運転
時の回転変動により生じるトルク変動の最大トルク変動
量に見合う程度の値に設定され、これにより最大ねじれ
角が規制されている。
【0028】図2のIII−III断面拡大図を示す図3にお
いて、クラッチハウジング端壁14aの背面の外周部分
には、環状段部44が形成され、該段部44にOリング
45が嵌着されており、該Oリング45は、入力ギヤ4
のリム4bの外周端部分を圧接支持している。
【0029】スラスト用スプリング収納凹部38は、軸
方向の後方に向いて開口している。摩擦片33は有底筒
形に形成されて、凹部38内に後方突出状に嵌合してい
る。スラスト用スプリング34は、コイル形のスプリン
グであって、その後端部が摩擦片33内に挿入されると
共に、凹部38の底面と摩擦片33の間で軸方向圧縮自
在に縮設されている。該スラスト用スプリング34の弾
性力により、摩擦片33の後端摩擦面46をサイドプレ
ート18に圧接している。
【0030】入力ギヤ4のリム幅は、前述のように前記
クラッチハウジング端壁とサイドプレートの間の間隔h
よりも少し薄く形成されており、したがって、入力ギヤ
4のリム4bは、その前面が前記Oリング45に当接支
持され、後面は、前記摩擦片33がサイドプレート18
に当接支持されていることにより、サイドプレート18
からはわずかに浮いている。
【0031】図4は、摩擦片33の単体の斜視図であ
り、摩擦片33の後端面に、円形シート状の摩擦材48
を接着剤により張り付け、該摩擦材48を摩擦面46と
して利用している。摩擦材48としては、摩擦クラッチ
のフェーシングに使用されているような繊維質状の摩擦
ペーパ材、フェノール樹脂材など、各種、耐熱性及び対
摩耗性に優れた材質が使用される。また、焼結合金等も
摩擦材として使用することも可能である。
【0032】図8は、本願発明を適用した場合のねじり
特性線図を示しており、縦軸はねじりトルク、横軸はね
じり角度である。角度θ1は、図2のメインダンパーゴ
ム30の円周方向後端縁と窓孔37の円周方向後端縁3
7bとの間隔dに対応するじり角度であり、θ2は、入
力ギヤに最大トルクが加わりダンパーゴム30が最大圧
縮した時のねじり角度である。
【0033】回転トルクが小さい状態では、コイルスプ
リング31は略自由状態で殆ど作用せず、摩擦片33と
サイドプレート18との間の摩擦力がねじりトルクの抵
抗になる(図8のねじりトルク0〜T1の範囲に相
当)。
【0034】回転変動等により回転トルクが増加して、
T1を越えると、たとえば、図2の入力ギヤ4がクラッ
チハウジング14に対して相対的に回転方向F側へとね
じれ、窓孔36の円周方向後端縁36bによりコイルス
プリング31を圧縮する。図8のねじり角度区間0〜θ
1の範囲である。通常のアイドリング運転中は、トルク
変動を考慮しても、ねじり角度は略この角度θ1までの
範囲に収まる。
【0035】車輛等を駆動するため大きな回転トルクが
かかった場合には、メインダンパーゴム30の円周方向
後端縁に窓孔37の後端縁37bが当接し、それ以後、
メインダンパーゴム30を圧縮する。図8のθ1〜θ2
の区間である。
【0036】回転変動の交番がマイナスに転じた時やエ
ンジンブレーキ時等のように減速時には、クラッチハウ
ジング14が入力ギヤ4に対して、図2の回転方向F側
にねじれる。
【0037】かくしてアイドリング時等におけるクラン
ク軸のトルク変動は、摩擦片とサイドプレートの摩擦力
及びコイルスプリングの作動により、入力ギヤ側におい
て、緩衝、吸収されて緩和され、クランクギヤと入力ギ
ヤの間の噛み合い音の発生を効果的に防ぐ。
【0038】また、スラスト用スプリングの軸方向スラ
スト力及びOリングにより、クラッチハウジングと入力
ギヤとが直接接触することがなく、Oリングが音の伝達
を防ぐので、ギヤ打音がクラッチハウジングに伝達され
て拡散するのを防止することができる。
【0039】
【別の実施例】
(1)図4のように、シート状摩擦部材48により摩擦
面46を形成する構造の他に、有底筒状の金属製摩擦片
33の表面を、そのまま摩擦面として利用して、サイド
プレート18に圧接させることも可能である。これによ
り加工工数を減らすことができる。
【0040】(2)図5の実施例は、摩擦片33の変形
例を示しており、大径円柱部50とこれと一体の小径円
柱部51により金属製の段付き摩擦片33を構成してお
り、小径円柱部51の外周にコイル形のスラスト用スプ
リング34を嵌合し、大径円柱部50をサイドプレート
18に当接させるようになっている。摩擦面46として
は、シート状摩擦材を張り付けてもよく、摩擦片33の
表面をそのまま利用してもよい。
【0041】(3)図6の実施例は、スラスト用スプリ
ング34として、湾曲状の板ばねを装着している。
【0042】(4)図7の実施例は、スラスト用スプリ
ング収納凹部38として、軸方向前方側、すなわち、ク
ラッチハウジング側を開口し、摩擦片33を前方に付勢
して、クラッチハウジング14の端壁14aの背面に圧
接する構造である。この場合、Oリング45は、入力ギ
ヤ4の後面とサイドプレート18の間に介在させる。
【0043】(5)図2の2個の各凹部38、摩擦片3
3及びスラスト用スプリング34は、円周方向に間隔を
おいて、3個以上形成することも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本願請求項1〜4
記載の発明によると、 (1)アイドリング時等において、入力ギヤ4とクラン
クギヤ3の噛み合い騒音の発生を防止するために、スラ
スト圧により、クラッチハウジング14とクラッチ入力
ギヤ4との間に摩擦抵抗を発生させる部材として、軸方
向に圧縮自在なスラスト用スプリング34と、該スプリ
ン34グによりサイドプレート18あるいはクラッチハ
ウジング端壁14に圧接される摩擦片33とを、入力ギ
ヤ4の凹部38内に備えているので、従来のようにダン
パーゴムを備える構造に比べ、耐熱性及び耐摩耗性が向
上し、ダンパー装置の寿命が長期化する。
【0045】(2)スラスト荷重付加用のスラスト用ス
プリング34と、サイドプレート等に圧接する摩擦片3
3とに分けているので、ダンパーゴム方式に比べて、所
望の荷重に設定することが容易であり、また、複数箇所
配置する場合において、入力ギヤ全周にわたり略均一な
荷重設定を行うことが可能となり、荷重のばらつきが少
なく、クラッチハウジングの傾き等も防止することもで
きる。
【0046】請求項2記載の発明のように、摩擦片33
の圧接相手をサイドプレート18とし、入力ギヤ4とク
ラッチハウジング端壁背面との間には、入力ギヤ4と同
一軸心で入力ギヤ4の外周端近傍に当接するOリング4
5を介在させると、Oリング45により入力ギヤ4とク
ラッチハウジング端壁間を、安定して支持することがで
き、摩擦抵抗によるダンパー機能をより向上させること
ができる。また、Oリングの緩衝作用により、ギヤの打
音がクラッチハウジングに伝達されるのを防ぎ、騒音の
発生を低減することができる。
【0047】請求項3記載の発明のように、摩擦片33
として、有底筒形の摩擦片を備え、スラスト用スプリン
グ34としてコイルスプリングを備え、有底筒形の摩擦
片33をスラスト用スプリング34の先端部に被嵌し、
有底筒形摩擦片33の底面部をサイドプレート18等に
圧接するようにすると、組立性の向上と、コンパクト化
とスラスト荷重の安定性の一層の向上を達成することが
できる。
【0048】請求項4記載の発明のように、摩擦片33
の摩擦面側に、シート状の摩擦材48を固着して摩擦面
46を形成するようにしていると、摩擦面における摩擦
係数の設定を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願請求項1〜4記載の発明を適用したクラ
ッチの縦断面図である。
【図2】 図1のII−II断面図である。
【図3】 図2のIII−III断面図である。
【図4】 図3の摩擦片の単体の斜視図である。
【図5】 摩擦片の変形例を示す部分断面図である。
【図6】 摩擦片の変形例を示す部分断面図である。
【図7】 摩擦片の変形例を示す部分断面図である。
【図8】 本願発明を適用した場合のトルク特性線図で
ある。
【図9】 従来例の断面図である。
【符号の説明】
3 クランクギヤ 4 クラッチ入力ギヤ 14 クラッチハウジング 18 サイドプレート 30 メインダンパーゴム 31 コイルスプリング 33 摩擦片 34 スラスト用スプリング 45 Oリング 46 摩擦面 48 シート状摩擦材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッチハウジングの端壁背面に、軸方
    向に所定間隔をおいてサイドプレートを一体的に結合
    し、端壁背面とサイドプレートの間に、これらに対して
    相対回転可能にクラッチ入力ギヤのリムを配置し、入力
    ギヤを、エンジンのクランクギヤに噛み合わせると共
    に、円周方向に圧縮自在な弾性部材を介してクラッチハ
    ウジングに動力伝達可能に連動連結したクラッチのダン
    パー装置において、入力ギヤのリムには、軸方向の一端
    側が開口する凹部を複数形成し、該凹部内に、軸方向に
    圧縮可能なスラスト用スプリングを配置すると共に、該
    スラスト用スプリングの凹部開口側に摩擦片を配置し、
    スラスト用スプリングの弾性力により、摩擦片をサイド
    プレートあるいは端壁背面に圧接していることを特徴と
    するクラッチのダンパー装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクラッチのダンパー装置
    において、摩擦片の圧接相手をサイドプレートとし、入
    力ギヤとクラッチハウジング端壁背面との間には、入力
    ギヤと同一軸心で入力ギヤの外周端近傍に当接するOリ
    ングを介在させていることを特徴とするクラッチのダン
    パー装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のクラッチのダンパー装置
    において、摩擦片を有底筒形とし、スラスト用スプリン
    グをコイルスプリングとし、有底筒形の摩擦片をスラス
    ト用コイルスプリングの先端部に被嵌し、有底筒形摩擦
    片の摩擦面をサイドプレートあるいはクラッチハウジン
    グ端壁背面に圧接していることを特徴とするクラッチの
    ダンパー装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のクラッチのダンパー装置
    において、摩擦片の摩擦面を、シート状の摩擦材により
    形成していることを特徴とするクラッチのダンパー装
    置。
JP6290960A 1994-11-25 1994-11-25 クラッチのダンパー装置 Expired - Fee Related JP3016696B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6290960A JP3016696B2 (ja) 1994-11-25 1994-11-25 クラッチのダンパー装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6290960A JP3016696B2 (ja) 1994-11-25 1994-11-25 クラッチのダンパー装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08145119A true JPH08145119A (ja) 1996-06-04
JP3016696B2 JP3016696B2 (ja) 2000-03-06

Family

ID=17762687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6290960A Expired - Fee Related JP3016696B2 (ja) 1994-11-25 1994-11-25 クラッチのダンパー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3016696B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105299134A (zh) * 2014-07-25 2016-02-03 舍弗勒技术股份两合公司 用于离合器和/或减振器装置的转动组件及扭矩传递装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017114468A1 (de) * 2017-06-29 2019-01-03 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Kupplungsanordnung

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6037468U (ja) * 1983-08-24 1985-03-15 株式会社 整電社 車両洗浄装置
JPS60101228U (ja) * 1983-12-16 1985-07-10 スズキ株式会社 自動2輪車用クラツチのダンパ装置
JPS6212035U (ja) * 1985-07-05 1987-01-24
JPH04228950A (ja) * 1990-12-27 1992-08-18 Mazda Motor Corp 車両のパワートレイン構造

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6037468U (ja) * 1983-08-24 1985-03-15 株式会社 整電社 車両洗浄装置
JPS60101228U (ja) * 1983-12-16 1985-07-10 スズキ株式会社 自動2輪車用クラツチのダンパ装置
JPS6212035U (ja) * 1985-07-05 1987-01-24
JPH04228950A (ja) * 1990-12-27 1992-08-18 Mazda Motor Corp 車両のパワートレイン構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105299134A (zh) * 2014-07-25 2016-02-03 舍弗勒技术股份两合公司 用于离合器和/或减振器装置的转动组件及扭矩传递装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3016696B2 (ja) 2000-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020153221A1 (en) Friction clutch
US6209701B1 (en) Damper disk assembly
US3514974A (en) Noise prevention device in torsional vibration
JP3558462B2 (ja) フライホイール組立体
GB2066415A (en) Torsional vibration damper
JPH0672642B2 (ja) フライホイ−ル組立体
JP4455858B2 (ja) トーションダンパ
JPS63259244A (ja) フライホイ−ル組立体
JPH0672641B2 (ja) フライホイ−ル組立体
US20060260898A1 (en) Flywheel assembly
US20060254875A1 (en) Flywheel assembly
JP3717091B2 (ja) 摩擦抵抗発生機構
JPH08145119A (ja) クラッチのダンパー装置
JP3714224B2 (ja) 多板クラッチ装置
JP3907372B2 (ja) クラッチ装置
JP4743391B2 (ja) トルク変動吸収ダンパ
JPH0235080Y2 (ja)
JPH0235081Y2 (ja)
EP1589245A2 (en) Cooling structure for clutch
JPH0550202U (ja) 動力伝達装置
JP4760952B2 (ja) トーションダンパ
US20070119679A1 (en) Multiplate clutch device and clutch disk assembly
JP3907371B2 (ja) クラッチ装置
JP4553758B2 (ja) 多板クラッチ装置
JP2532940Y2 (ja) クラッチ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees