JPH08144851A - ジェットエンジン用アフタバーナのフラップ取付構造 - Google Patents

ジェットエンジン用アフタバーナのフラップ取付構造

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JPH08144851A
JPH08144851A JP28507894A JP28507894A JPH08144851A JP H08144851 A JPH08144851 A JP H08144851A JP 28507894 A JP28507894 A JP 28507894A JP 28507894 A JP28507894 A JP 28507894A JP H08144851 A JPH08144851 A JP H08144851A
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flap
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化セラミックス製のフラップ板を支障
なく取付け得るようにする。 【構成】 アフタバーナ付きジェットエンジンにおける
アフタバーナ部の出側にヒンジ部を介して多数のフラッ
プ板を開閉可能に取付ける場合に、金属製のヒンジ部の
取付板25と、繊維強化セラミックス製のシールフラッ
プ26との間を、テーパ状の頭部29を有する皿ネジ3
0とセルフロックナット32を用いて締結するように
し、この際、シールフラップ26側のネジ通孔27に、
前記皿ネジ30の頭部29が隠れる大きさのテーパ状を
した座繰部33を形成し、更に、前記取付板25と皿ネ
ジ30に螺着されたセルフロックナット32との間に皿
バネ35を介装するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジェットエンジン用ア
フタバーナのフラップ取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5〜図7は航空機エンジンとしてのア
フタバーナ付きジェットエンジン(ターボファンエンジ
ン)の一例を示すものであり、空気を取入れるファン1
と、取入れた空気を圧縮する圧縮機2と、圧縮した空気
に燃料を混合して燃焼させる燃焼器3と、燃焼器3の燃
焼ガスによりファン1及び圧縮機2を駆動するタービン
4と、新たに付加した燃料の燃焼を行うアフタバーナ部
5とを備えている。
【0003】そして、アフタバーナ部5には、下流側に
乱流域6を形成するための保炎器7と、燃料を噴出させ
るための燃料ノズル8と、点火トーチ9とが配され、ア
フタバーナ部5による燃焼ガスをエンジン外筒10の内
側に設けられたライナ11から噴出させることにより、
推力の増加を図るようにしている。
【0004】又、ファン1から分岐されたファン流12
と、圧縮機2、燃焼器3、及びタービン4から排出され
るコア流13とは、混合器14を経由させることによ
り、混合促進が図られるようになっている。
【0005】そしてエンジン外筒10後端のアフタバー
ナ部5には、図5に示すように、開度調整可能な排気ノ
ズル部15が設けられ、該排気ノズル部15は、図6・
図7に示すように、前記エンジン外筒10の後端部周方
向に対し、マスターフラップ16とシールフラップ17
とをシールフラップ17が内側に位置するよう一部重ね
合わせて交互に配設し、これらをエンジン外筒10の後
端部に取付けられた耐熱合金製のヒンジ部18に、エン
ジン外筒10の接線方向へ延びるピン19を中心として
開閉可能に枢支すると共に、マスターフラップ16の外
面側に凹凸状のカム面20を形成し、該カム面20に案
内される倣ローラ21をマスターフラップ16の外周側
に配置された駆動リング22に取付けて、該駆動リング
22を前記エンジン外筒10の軸線方向へ伸縮動可能な
シリンダなどの駆動装置23で操作し得るようにしたも
のである。
【0006】尚、24はライナ11と各フラップ16,
17との間に設けられた遮熱シールである。
【0007】又、シールフラップ17は、ヒンジ部18
の取付板25に溶接固定されている。
【0008】そして、航空機が急上昇を行う時など、よ
り大きな推力を必要とする場合には、アフタバーナ部5
の燃料ノズル8から混合ガス流中に燃料を噴霧し、燃料
を燃焼させる。
【0009】すると、燃料が爆発的に燃焼されて保炎器
7の後面側に火炎が形成され、エンジン外部へ噴出され
る混合ガス流の温度が上昇する。
【0010】このように混合ガス流の温度が上昇する
と、該混合ガス流の体積が大きくなるため、エンジン外
部へ噴出される混合ガス流の流速が上昇してエンジンの
推力が増加される。
【0011】この際、シリンダなどの駆動装置23を伸
縮動して、駆動リング22、倣ローラ21、カム面20
を介してマスターフラップ16及びシールフラップ17
を開閉させることにより、排気ノズル部15の流路断面
積が変化されるので、推力を調整することが可能とな
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のジェットエンジン用アフタバーナのフラップ取付構
造には、以下のような問題があった。
【0013】即ち、アフタバーナ部5の軽量化や耐熱性
の向上を図るため、繊維強化セラミックス製のシールフ
ラップ17などのフラップ板を使用することが検討され
ているが、繊維強化セラミックス製のシールフラップ1
7は、耐熱合金製のヒンジ部18に直接溶接固定するこ
とができないので、取付上、困難が生じる。
【0014】ここで、一般的には、繊維強化セラミック
ス製のシールフラップ17の取付けに、リベットを使用
することが考えられるが、リベットを使用した場合、リ
ベットの頭部が燃焼ガス側へ突出して局部的に高温化
し、材質的に耐えられなくなるという問題があり、又、
金属製のヒンジ部18やリベットと熱膨張率の小さい繊
維強化セラミックス製のシールフラップ17との間に熱
膨張差による隙間ができるという問題がある。
【0015】本発明は、上述の実情に鑑み、繊維強化セ
ラミックス製のフラップ板を支障なく取付け得るように
したジェットエンジン用アフタバーナのフラップ取付構
造を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジェットエン
ジンに取付けられるアフタバーナ部の出側にヒンジ部を
介して多数のフラップ板を開閉可能に取付けたジェット
エンジン用アフタバーナのフラップ取付構造において、
金属製のヒンジ部の取付板と、繊維強化セラミックス製
のフラップ板との間を、テーパ状の頭部を有する皿ネジ
とセルフロックナットを用いて締結すると共に、フラッ
プ板側のネジ通孔に、前記皿ネジの頭部が隠れる大きさ
のテーパ状をした座繰部を形成し、前記取付板と皿ネジ
に螺着されたセルフロックナットとの間に締結力調節用
弾性体を介装したことを特徴とするジェットエンジン用
アフタバーナのフラップ取付構造にかかるものである。
【0017】
【作用】本発明の作用は以下の通りである。
【0018】繊維強化セラミックス製のフラップ板のネ
ジ通孔に皿ネジの頭部よりも大きい座繰部を形成し、冷
間時に皿ネジの頭部が座繰部の内部に隠れ、皿ネジの頭
部が径方向へ熱膨張した時に、皿ネジの頭部がシールフ
ラップの内表面から突出しないようにしたことにより、
皿ネジの頭部が燃焼ガス中に突出して局部的に高温化す
るのが防止され、よって、皿ネジを、耐熱性に優れた材
料としなくとも、一般的な耐熱金属材料で充分もたせる
ことが可能となる。
【0019】又、上記により皿ネジの頭部が局部的に高
温化するのが防止されるので、皿ネジの軸線方向の伸び
量が小さくなって、皿ネジとシールフラップとの伸び差
が小さく抑えられるようになり、よって、ヒンジ部の取
付板と、繊維強化セラミックス製のシールフラップとの
間の熱膨張差による隙間が小さくなる。
【0020】更に、取付板と皿ネジに螺着されたセルフ
ロックナットとの間に皿バネなどの締結力調節用弾性体
を介装したことにより、皿ネジが軸線方向に伸びた場合
でも、皿バネが弾性変形して、ヒンジ部の取付板と、繊
維強化セラミックス製のシールフラップとの間の間隙が
吸収され、確実に取付板にシールフラップが保持され
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。
【0022】図1〜図4は、本発明の一実施例である。
【0023】尚、ジェットエンジン自体の構造は、図5
〜図7のものとほぼ同じであるため、必要に応じて図5
〜図7を参照する。
【0024】又、図中、18はエンジン外筒10の後端
部に取付けられた金属製(耐熱合金製)のヒンジ部、1
9はヒンジ部18のピン、25はヒンジ部18の取付板
である。
【0025】そして、アフタバーナ部5の排気ノズル部
15に繊維強化セラミックス製のシールフラップ26な
どのフラップ板を使用する場合に、ヒンジ部18の取付
板25と、繊維強化セラミックス製のシールフラップ2
6との対応する部分にネジ通孔27,28を形成し、該
ネジ通孔27,28に、ネジ通孔27側からテーパ状の
頭部29を有する皿ネジ30のネジ部31を挿通し、該
ネジ部31にセルフロックナット32を締結する。
【0026】尚、皿ネジ30のネジ部31及び胴部は、
径方向の熱膨張を考慮して、ネジ通孔27,28よりも
小径とする。
【0027】そして、シールフラップ26における、皿
ネジ30の頭部29と対応するネジ通孔27の部分に、
頭部29が隠れる大きさのテーパ状の座繰部33を形成
する。
【0028】好ましくは、皿ネジ30が長手方向及び径
方向に熱膨張した場合に、その頭部29がシールフラッ
プ26の内表面と同一レベル以下となり、シールフラッ
プ26の内表面から突出しない大きさとする。
【0029】又、前記セルフロックナット32は、図4
に示すように、非円形の(円形よりも多少楕円形や三角
形ぎみに変形した)ネジ孔34を備えたものであり、皿
ネジ30に螺着することによって、ネジ孔34を強制的
に円形に変形させ、変形力によって締付力を発生させ、
緩みを防止し得るようにしたものである。
【0030】更に、前記取付板25と皿ネジ30に螺着
されたセルフロックナット32との間に、皿バネ35な
どの締結力調節用弾性体と平座金36,36を介装す
る。
【0031】次に、作動について説明する。
【0032】ジェットエンジン及びアフタバーナの作動
については図5〜図7と同様なので説明を省略する。
【0033】本発明では、繊維強化セラミックス製のシ
ールフラップ26などのフラップ板を、金属製(耐熱合
金製)のヒンジ部18の取付板25に対し、皿ネジ30
と非円形のネジ孔34を備えて緩まないようにしたセル
フロックナット32を用いて締結するようにしている。
【0034】そのため、皿ネジ30は、アフタバーナ部
5から噴出される高温の燃焼ガスによって加熱され、軸
線方向及び径方向に熱膨張することとなる。
【0035】この際、繊維強化セラミックス製のシール
フラップ26のネジ通孔27に、皿ネジ30の頭部29
よりも大きい座繰部33を形成し、冷間時に皿ネジ30
の頭部29が座繰部33の内部に隠れ、皿ネジ30の頭
部29が径方向へ熱膨張した時に、皿ネジ30の頭部2
9がシールフラップ26の内表面と同一レベル以下とな
って表面から突出しないようにしたことにより、皿ネジ
30の頭部29が燃焼ガス中に突出して局部的に高温化
するのが防止される。これによって、皿ネジ30を、耐
熱性に優れた材料としなくとも、一般的な耐熱金属材料
で充分もたせることが可能となる。
【0036】又、上記により皿ネジ30の頭部29が局
部的に高温化するのを防止できるので、皿ネジ30の軸
線方向の伸び量が小さくなって、皿ネジ30とシールフ
ラップ26との伸び差を小さく抑えることができるよう
になる。これによって、ヒンジ部18の取付板25と、
繊維強化セラミックス製のシールフラップ26との間の
熱膨張差による隙間が小さくなる。
【0037】更に、取付板25と皿ネジ30に螺着され
たセルフロックナット32との間に皿バネ35などの締
結力調節用弾性体を介装しているので、皿ネジ30が軸
線方向に伸びた場合でも、皿バネ35が弾性変形して、
ヒンジ部18の取付板25と、繊維強化セラミックス製
のシールフラップ26との間の間隙を吸収し、確実に取
付板25にシールフラップ26を保持させることができ
る。
【0038】ここで、締結力調節用弾性体として、特に
皿バネ35を用いたのは、コイルバネに比べて、狭い間
隔への介装が容易であること、及び、皿ネジ30の熱膨
張の前後における締付力の変化が比較的容易に把握し得
ることなどによるが、締結力調節用弾性体はコイルバネ
その他の弾性体としても良い。
【0039】尚、本発明は、上述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、マスターフラップにも適用可能であ
ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のジェット
エンジン用アフタバーナのフラップ取付構造によれば、
以下のような優れた効果を奏し得る。
【0041】繊維強化セラミックス製のフラップ板のネ
ジ通孔に皿ネジの頭部よりも大きい座繰部を形成し、冷
間時に皿ネジの頭部が座繰部の内部に隠れ、皿ネジの頭
部が径方向へ熱膨張した時に、皿ネジの頭部がシールフ
ラップの内表面から突出しないようにしたので、皿ネジ
の頭部が燃焼ガス中に突出して局部的に高温化するのを
防止でき、よって、皿ネジを、耐熱性に優れた材料とし
なくとも、一般的な耐熱金属材料で充分もたせることが
可能となる。
【0042】又、上記により皿ネジの頭部が局部的に高
温化するのを防止できるので、皿ネジの軸線方向の伸び
量が小さくなって、皿ネジとシールフラップとの伸び差
を小さく抑えることができるようになり、よって、ヒン
ジ部の取付板と、繊維強化セラミックス製のシールフラ
ップとの間の熱膨張差による隙間を小さくすることがで
きる。
【0043】更に、取付板と皿ネジに螺着されたセルフ
ロックナットとの間に皿バネなどの締結力調節用弾性体
を介装したので、皿ネジが軸線方向に伸びた場合でも、
皿バネが弾性変形して、ヒンジ部の取付板と、繊維強化
セラミックス製のシールフラップとの間の間隙を吸収
し、確実に取付板にシールフラップを保持させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の部分拡大断面図である。
【図4】図1のセルフロックナットの拡大平面図であ
る。
【図5】一般的なアフタバーナ付きターボファンエンジ
ンの概略側方断面図である。
【図6】従来のアフタバーナ部の部分拡大図であり、図
7をVI−VI方向から破断した図である。
【図7】図6のVII−VII矢視図である。
【符号の説明】
5 アフタバーナ部 16 マスターフラップ(フラップ板) 18 ヒンジ部 25 取付板 26 シールフラップ(フラップ板) 27 ネジ通孔 29 頭部 30 皿ネジ 32 セルフロックナット 33 座繰部 35 皿バネ(締結力調節用弾性体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジェットエンジンに取付けられるアフタ
    バーナ部の出側にヒンジ部を介して多数のフラップ板を
    開閉可能に取付けたジェットエンジン用アフタバーナの
    フラップ取付構造において、金属製のヒンジ部の取付板
    と、繊維強化セラミックス製のフラップ板との間を、テ
    ーパ状の頭部を有する皿ネジとセルフロックナットを用
    いて締結すると共に、フラップ板側のネジ通孔に、前記
    皿ネジの頭部が隠れる大きさのテーパ状をした座繰部を
    形成し、前記取付板と皿ネジに螺着されたセルフロック
    ナットとの間に締結力調節用弾性体を介装したことを特
    徴とするジェットエンジン用アフタバーナのフラップ取
    付構造。
JP28507894A 1994-11-18 1994-11-18 ジェットエンジン用アフタバーナのフラップ取付構造 Expired - Lifetime JP3493764B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255892A (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Kawasaki Heavy Ind Ltd 車両の排気装置
WO2014021973A2 (en) * 2012-05-30 2014-02-06 United Technologies Corporation Liner assembly
JP2021500507A (ja) * 2017-10-27 2021-01-07 サフラン・エアクラフト・エンジンズ ターボ機械ケーシング用冷却管の保持装置

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