JPH08144812A - 過給機付内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents

過給機付内燃機関の燃料供給制御装置

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JPH08144812A
JPH08144812A JP6285455A JP28545594A JPH08144812A JP H08144812 A JPH08144812 A JP H08144812A JP 6285455 A JP6285455 A JP 6285455A JP 28545594 A JP28545594 A JP 28545594A JP H08144812 A JPH08144812 A JP H08144812A
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JP
Japan
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internal combustion
combustion engine
amount
fuel supply
supercharger
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JP6285455A
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Sakae Kikuta
栄 菊田
Susumu Takiguchi
進 瀧口
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Supercharger (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 減速時におけるエアフローセンサの過大計測
に起因する加速増量等を禁止し、もってドライバビリテ
ィの向上や有害排出ガス成分の低減を図った過給機付内
燃機関の燃料供給制御装置を提供する。 【構成】 ECU50は、冷却水温TW が所定値TWAよ
り高い状態で、スロットルバルブ9が全閉してバイパス
バルブ42が開放されるような減速運転に突入した場
合、アイドルスイッチがOFFからONに切り換わって
から所定時間TS2に亘り、加速増量を行わないで燃料噴
射時間TINJ を算出し、燃料噴射弁3を駆動する。一
方、アイドルスイッチがONからOFFに切り換わった
り、ONのままでも所定時間TS2が経過した場合には加
速増量を許可し、吸気量の時間変化率ΔA/Nに基づき
マップから加速増量値Tacc を検索した後、燃料噴射時
間TINJを算出して燃料噴射弁3を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過給機付内燃機関の燃
料供給制御装置に係り、詳しくは減速時における有害排
出ガス成分の低減やドライバビリティの向上を図る技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガソリンエンジンで主流となって
いる電子制御燃料噴射方式では、エアクリーナの下流に
エアフローセンサを設けると共に、クランクシャフトや
カムシャフト等にクランク角センサを取付け、これらの
センサにより計測した吸気流量とエンジン回転速度とか
ら、制御装置が燃料噴射量すなわち燃料噴射弁の開弁時
間を決定している。そして、エアフローセンサの形式と
しては、旧来のベーン式より吸気抵抗の小さいカルマン
渦式や熱線式が用いられることが多くなっている。カル
マン渦式エアフローセンサでは、エアクリーナ下流の吸
気管路にカルマン渦を発生させる渦発生体(三角柱等)
を配置し、発生したカルマン渦の個数(周波数)を超音
波センサ等より検出することにより吸気量を計測してい
る。
【0003】一方、自動車用のエンジンでは、ターボチ
ャージャやルーツ型ブロワー等の過給機を用いて、比較
的小排気量でありながら大出力を得るものが多くなって
きた。周知のように、過給機は排気ガスやクランク出力
を動力源としてコンプレッサを駆動して吸入気の加圧を
行う装置であり、この過給機をエンジンに装着すること
により燃焼室への混合気の充填効率が高まり、大排気量
エンジンと同等の出力を得ることが可能となる。そし
て、自動車用エンジンに装着される過給機としては、比
較的簡便で駆動損失や騒音の少ないターボチャージャが
最も多く用いられている。
【0004】一般に、ターボチャージャ付エンジンで
は、エンジンの回転速度が高くなると、過給圧がこれに
伴って上昇し、ノッキングやブローアップが生じる虞が
ある。したがって、このような事態を防止するため、過
給圧が所定の値より高くなった場合には、ウエイストゲ
ート等を用いて排気ガスをタービンに送らずに排気系に
逃がしている。また、高速運転中に運転者がスロットル
バルブを全閉にした場合、コンプレッサの慣性等による
応答遅れに起因して過給が瞬時には停止せず、コンプレ
ッサとスロットルバルブとの間に加圧された吸入気が滞
留する。そのため、吸気管路に平行してコンプレッサの
下流と上流とを連通するバイパス通路を設けると共に、
このバイパス通路内にバイパスバルブを設け、これをマ
ニホールド負圧により作動させて、加圧された吸入気を
コンプレッサの上流側に還流させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにバ
イパス通路により吸入気をコンプレッサの上流側に還流
させる方式では、以下に述べる不具合が発生する問題が
あった。通常、バイパス通路から吸気管路に還流した吸
入気は、下流に流れてコンプレッサに流入した後、再び
バイパス通路を介して吸気管路に還流して循環する。と
ころが、吸気系のレイアウトやエンジンの運転状態等に
よっては、還流した吸入気が上流側に流れて、エアフロ
ーセンサを逆流することがあった。この場合、カルマン
渦式のエアフローセンサでは、吸気流と伴に一旦下流に
流れたカルマン渦が再び超音波センサを通過し、吸気量
が過大に計測されてしまうこととなる。その結果、制御
装置が充填効率が急増したと判断し、減速運転時にも拘
わらず、燃料噴射制御において加速増量を行う虞があっ
た。この場合、基本空燃比がリッチ気味になることも相
俟って、燃料噴射量が著しく過大となり、オーバリッチ
によるドライバビリティの悪化やCOおよびHCの増加
がもたらされてしまうのである。
【0006】ターボチャージャ付エンジンの減速時にお
ける吸気量の過大計測を防止する装置としては、例え
ば、特開平2−267345号公報や特開平4−191
451号公報等に記載されたものがある。ところが、こ
れらの装置は、過給圧の変動に応じてエアフローセンサ
の計測値を逐次補正するものであるため、制御が非常に
複雑になる等の問題がある。また、特開平1−1909
43号公報等には、ローパスフィルタを介して、過給圧
の変動によるカルマン渦式エアフローセンサの計測ノイ
ズを除去する装置が記載されている。しかし、この装置
は単にエアフローセンサで計測された周波数の波形上に
現れるノイズを除去するものであり、逆流によるエアフ
ローセンサの過大計測を防止することは不可能である。
【0007】本発明は上記状況に鑑みなされたもので、
減速時におけるエアフローセンサの過大計測に起因する
加速増量を禁止し、もってドライバビリティの向上や有
害排出ガス成分の低減を図った過給機付内燃機関の燃料
供給制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1の燃料供給制御装置は、内燃機関の吸気系に設けら
れ、吸入気を加圧して当該内燃機関の燃焼室に供給する
過給機と、前記吸気系における当該過給機の上流側に設
けられ、前記内燃機関の吸気量情報を検出するエアフロ
ーセンサと、このエアフローセンサにより検出された吸
気量情報に基づき前記内燃機関の基本燃料供給量を設定
する基本燃料供給量設定手段と、前記内燃機関の過渡運
転状態を検出して過渡時補正燃料量を決定する過渡時補
正量設定手段と、前記基本燃料供給量設定手段により設
定された前記基本燃料供給量と前記過渡時補正量設定手
段により設定された前記過渡時補正燃料量とに基づき前
記内燃機関への燃料供給量を設定する燃料供給量設定手
段と、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出
手段と、この運転状態検出手段により当該内燃機関が減
速運転状態または所定負荷より低い低負荷運転状態であ
ると検出されたときに、前記過渡時補正燃料量を制限す
る過渡時補正量制限手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】また、請求項2の燃料供給制御装置は、請
求項1記載の燃料供給制御装置において、前記過渡時補
正量設定手段は、前記内燃機関の加速運転状態を検出し
て加速時付加燃料量を前記過渡時補正燃料量として決定
するものであって、前記過渡時補正量制限手段は、前記
運転状態検出手段により前記内燃機関が前記減速運転状
態または低負荷運転状態であると検出されたときに、前
記過渡時補正燃料量を所定値以下に制限することを特徴
とする。
【0010】また、請求項3の燃料供給制御装置は、請
求項1または2に記載の燃料供給制御装置において、前
記吸気系に設けられ、前記過給機の下流側と上流側とを
連通するバイパス通路と、このバイパス通路に設けら
れ、前記内燃機関の減速運転時または低負荷運転時に当
該バイパス通路を開放するバイパス弁とを備えたことを
特徴とする。
【0011】また、請求項4の燃料供給制御装置は、請
求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給制御装置に
おいて、前記制限手段による前記過渡時付加燃料量の制
限は、減速運転または低負荷運転開始後に所定時間が経
過すると解除されることを特徴とする。また、請求項5
の燃料供給制御装置は、請求項1〜4のいずれか1項に
記載の燃料供給制御装置において、前記運転状態検出手
段は、前記吸気系における前記過給機の下流側に設けら
れ、人為的操作に応じて前記内燃機関の吸気量を調整す
るスロットル手段が所定開度以下であることをもって、
前記減速運転状態または低負荷運転状態であると検出す
ることを特徴とする。
【0012】また、請求項6の燃料供給制御装置は、請
求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料供給制御装置に
おいて、前記運転状態検出手段により前記内燃機関が前
記減速運転状態または低負荷運転状態であると検出され
たときに前記吸気量情報を所定の制限範囲に制限する吸
気量情報制限手段を更に備えたことを特徴とする。ま
た、請求項7の燃料供給制御装置は、請求項6記載の燃
料供給制御装置において、前記制限範囲は所定の下限値
以上かつ所定の上限値以下の範囲であることを特徴とす
る。
【0013】また、請求項8の燃料供給制御装置は、請
求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料供給制御装置に
おいて、前記過渡時補正量制限手段は前記過渡時補正燃
料量を0に制限するものであることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の請求項1の燃料供給制御装置では、運
転状態検出手段により内燃機関が減速または低負荷運転
状態であると検出されると、過渡時補正制限手段が過渡
時補正燃料量を制限する。その結果、吸気系内の加圧さ
れた吸入気がエアフローセンサ側に逆流して充填効率が
過大あるいは過少に計測された場合等にも、混合気のオ
ーバリッチ化やオーバリーン化が防止される。
【0015】また、請求項2の燃料供給制御装置では、
運転状態検出手段により内燃機関が減速または低負荷運
転状態であると検出されると、過渡時補正制限手段が加
速時付加燃料量を制限する。その結果、減速または低負
荷運転時には、エアフローセンサの計測によらず加速増
量が禁止されることになり、混合気のオーバリッチ化が
防止される。
【0016】また、請求項3の燃料供給制御装置では、
例えば、スロットル手段を急閉することによりバイパス
弁が開き、バイパス通路から過給機の上流側に還流した
吸入気がエアフローセンサ側に逆流した場合にも、加速
増量や減速減量が行われず、混合気のオーバリッチ化や
オーバリーン化が防止される。また、請求項4の燃料供
給制御装置では、減速運転あるいは低負荷突入後に所定
時間が経過して、吸入気の逆流に起因するエアフローセ
ンサの過大あるいは過少計測の虞がなくなった時点で、
制限手段による加速増量や減速減量の制限を解除し、通
常の燃料供給制御に復帰する。
【0017】また、請求項5の燃料供給制御装置では、
例えば、スロットルセンサやアイドルスイッチによりス
ロットル手段の開閉状況を検出し、これが全閉あるいは
殆ど全閉である場合に、運転状態検出手段は車両が減速
または低負荷運転状態であると検出する。また、請求項
6の燃料供給制御装置では、例えば、運転状態検出手段
により内燃機関が減速または低負荷運転状態であると検
出されると、制限手段が吸気量情報を制限範囲に制限す
る。その結果、吸気系内の加圧された吸入気がエアフロ
ーセンサ側に逆流して吸気流量が過大あるいは過少に計
測された場合にも、吸気量情報や燃料供給量はある制限
範囲外の値にはならず、混合気のオーバリッチやオーバ
リーン化が防止される。
【0018】また、請求項7の燃料供給制御装置では、
例えば、制限手段は、エアフローセンサの出力周波数等
に応じて上限値と下限値とを設定し、これらをもって制
限範囲を設定する。また、請求項8の燃料供給制御装置
では、例えば、運転状態検出手段により内燃機関が減速
または低負荷運転状態であると検出されると、制限手段
は、加速増量を全く行わないようにする。
【0019】
【実施例】以下、図面1参照して、本発明の一実施例を
詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃料供給制御装
置を適用したエンジン制御系の概略構成図である。同図
において、1は自動車用の直列4気筒ガソリンエンジン
(以下、単にエンジンと記す)であり、その吸気ポート
2には、各気筒毎に燃料噴射弁3が取り付けられた吸気
マニホールド4を介し、エアクリーナ5,大気圧センサ
が一体化されたカルマン渦式のエアフローセンサ6,吸
気温センサ7等を具えた吸気管8と、スロットルバルブ
9,アイドルスイッチが一体化されたスロットルセンサ
10,バイパス式ステップモータ型のISC(アイドル
スピードコントローラ)11等を具えたスロットルボデ
ィ12とが接続している。また、排気ポート13には、
2 センサ14を備えた排気マニホールド15を介し
て、三元触媒16や図示しないマフラー等を具えた排気
管17が接続している。更に、エンジン1には、燃焼室
18の上部に点火コイル19に接続した点火プラグ20
が配置されている。図1中、21はスロットルボディ1
2に設けられたワックス式のFIAV(ファストアイド
ルエアバルブ)、22は冷却水温TW を検出する水温セ
ンサ,23はエンジン回転速度Ne 等を検出するクラン
ク角センサである。
【0020】排気マニホールド14と吸気管8との間に
は、それぞれのハウジング30,31に収納されたター
ビン32とコンプレッサ33とからなる、ターボチャー
ジャ34が設置されている。そして、排気マニホールド
15を通過する排気ガスによりタービン32が回転する
と、これと同軸のコンプレッサ33も回転し、吸気管8
内の吸入気が圧縮されて燃焼室18に送り込まれるよう
になっている。タービンハウジング30には、排気ガス
をバイパスさせるスイング式のウエストゲート35が設
けられており、過給圧作動式のウエストゲートアクチュ
エータ36により開閉駆動される。図中、37,38
は、それぞれ過給気と大気とをウエストゲートアクチュ
エータ36に導入するエアパイプであり、39はエアパ
イプ36からの大気の導入量を制御する電磁弁である。
また、40は過給により高温となった吸入気を冷却する
インタクーラである。
【0021】吸気管8には、ターボチャージャ34の下
流側と上流側とを連通するバイパスパイプ41が接続し
ている。このバイパスパイプ41は、下流側がインタク
ーラ40とスロットルバルブ9との間に開口し、上流側
がエアフローセンサ6とコンプレッサ33との間に開口
している。バイパスパイプ41の上流側には、差圧作動
式のバイパスバルブ42が配設されており、バイパスパ
イプ41の通路を開放あるいは遮断する。バイパスバル
ブ42は、バルブボディ43内に弁体44,ダイヤフラ
ム45,調圧スプリング46等を有すると共に、バルブ
ボディ43に吸気マニホールド4に連通するエアパイプ
47が接続しており、スロットルバルブ9の前後の圧力
差が調圧スプリング46のばね力に打ち勝った時点で通
路を開放する。
【0022】一方、車室内には、図示しない入出力装
置,多数の制御プログラムを内蔵した記憶装置(RO
M,RAM,BURAM等),中央処理装置(CP
U),タイマカウンタ等を具えた、ECU(エンジン制
御ユニット)50が設置されており、エンジン1の総合
的な制御を行う。ECU50の入力側には、上述した各
種センサ類や図示しない変速機に取付けられた車速セン
サ等からの検出情報が入力し、ECU50は、これらの
検出情報と制御マップ等から燃料噴射量や点火時期等の
最適値を算出し、燃料噴射弁3や点火コイル19等の駆
動制御を行う。
【0023】以下、図2〜図6の制御フローチャートお
よび図7〜図12のグラフ類を用いて、本実施例におけ
る制御の具体的手順を説明するが、これに先立って制御
の概要を簡単に述べる。所定速度で走行しているとき
に、運転者がスロットルペダルの踏み込みを止めると、
その時点から車両は減速運転に移行する。この場合、ス
ロットルバルブ9が全閉し、ISC11やFIAV21
からのみ吸入気がエンジン1の燃焼室18に供給される
ようになる。一方、スロットルバルブ9が全閉すると、
排気ガス量は急減するが、前述したようにターボチャー
ジャ34の応答遅れに起因して過給が瞬時には停止せ
ず、スロットルバルブ9前後の差圧が大きくなる。する
と、バイパスパイプ41を閉鎖していたバイパスバルブ
42が開放し、吸入気がコンプレッサ33の上流側に還
流し始め、コンプレッサ33とスロットルバルブ9との
間の圧力が次第に低下する。そのため、エンジン1の1
吸気行程あたりの実際の吸気量(以下、実吸気量)A/
Nrealは、図7のグラフに実線で示したように、減速運
転突入時から急激な勾配をとって低下する。
【0024】ところが、この際に、還流した吸入気のエ
アフローセンサ6への逆流が起きると、前述したように
エアフローセンサ6の過大あるいは過少計測が生じる。
その結果、エアフローセンサ6の出力値とエンジン回転
速度Ne とから算出されるエンジン1の1吸気行程あた
りの吸気量演算値(以下、吸気量情報)A/Nが、図7
のグラフに一点鎖線で示したように、実吸気量A/Nre
alよりも大きな値あるいは小さな値となる事態が生じ、
実吸気量に対して燃料噴射量が多くなってオーバリッチ
による不具合が生じるのである。そこで、本実施例で
は、図7のグラフに破線で示したように、吸気量クリッ
プ値A/Nclipを設定し、吸気量情報A/Nがこれを上
回った場合(ハッチングで示した領域)やあるいは下回
った場合には、吸気量クリップ値A/Nclipをもって燃
料噴射量を算出する。これにより、エアフローセンサ6
の出力値に基づいた高精度の燃料噴射制御を行いなが
ら、逆流による明らかな過大あるいは過少計測を防止す
る。
【0025】また、通常時においては、充填効率が急増
すると加速増量が行われるが、本実施例では、アイドル
スイッチがOFFからONに切り換わって所定時間が経
過するまでは加速増量を禁止する。したがって、スロッ
トルバルブ9が全閉となるような減速時においては、吸
入気のエアフローセンサ6への逆流による過大あるいは
過少計測が生じても、加速増量は行われず、これによる
混合気のオーバリッチ化も防止される。
【0026】さて、運転者がイグニッションキーをON
にしてエンジン1がスタートすると、ECU50は、所
定の制御インターバルTCI(例えば、10ms)で、図2
のフローチャートに示した燃料噴射制御メインルーチン
を繰り返し実行する。このメインルーチンを開始する
と、ECU50は先ずステップS1で、上述した各種セ
ンサからの運転情報をRAMに読み込み、次にステップ
S3で、エアフローセンサ6とクランク角センサ23と
の出力値に基づき吸気量情報A/Nを算出する。次に、
ECU50は、ステップS5で減速運転中であるか否か
を判定し、この判定がNo(否定)であればステップS
6で第1カウントダウンタイマTCD1 の値を所定時間T
S1(本実施例では、1秒)にリセットした後、図3のス
テップS13に進んでステップS3で算出した吸気量情
報A/Nに基づいて燃料噴射を行う。尚、減速運転は次
の諸条件、すなわち、アイドルスイッチがONであるこ
と,体積効率EV が所定値(本実施例では、20%)以
上であること,車速Vが所定値(本実施例では、90km
/H)以下であること,エンジンストールあるいは始動時
以外であること,水温センサ22の出力値が正常である
ことが全て満たされたときにYes(肯定)となる。
【0027】上述した全ての条件が満たされてステップ
S5の判定がYesとなると、ECU50は、ステップS
7で第1カウントダウンタイマTCD1の値が0か否かを
判定し、この判定がYesであればステップS13に進
む。そして、減速運転突入直後にはステップS7の判定
は当然にNoとなるため、ECU50は、ステップS8
で第1カウントダウンタイマTCD1から制御インターバ
ルTCI分の値を減算した後、図3のステップS9に進ん
で図4のA/Nclip演算サブルーチンを実行し、吸気量
クリップ値A/Nclipを算出する。
【0028】このサブルーチンを開始すると、ECU5
0は先ず、ステップS21で、現時点におけるISC1
1の開度により定まるISC周波数FISC を図8のマッ
プから検索する。ISC周波数FISC は、ISC11を
通過する吸気量に応じたエアフローセンサ6の出力周波
数であり、図8のマップに破線で示したように、ISC
11の開度(ステップ数)に応じて増加する。次に、E
CU50は、ステップS23で現時点における水温セン
サ22の出力値により定まるFIAV周波数FFIAVを図
9のマップから検索する。FIAV周波数FFIAVは、F
IAV21を通過する吸気量に応じたエアフローセンサ
6の出力周波数であり、水温WT が上昇するに従い減少
し、暖機が終了した時点で0となる。
【0029】ISC周波数FISC とFIAV周波数FFI
AVとの検索を終えると、ECU50は、ステップS25
で現時点での理論周波数Flog を下式により算出する。
尚、図8のマップにおいて、理論周波数Flog は一点鎖
線で示されている。 Flog =FISC +FFIAV+ΔFlog ここで、ΔFlog は全閉時周波数補正値であり、後述す
るΔFlog 学習サブルーチンにより算出される。
【0030】理論周波数Flog を算出した後、ECU5
0は、ステップS27で下式により、上限クリップ周波
数FHclip および下限クリップ周波数FLclip を経て、
第1上限クリップ値A/NHclip 1および下限クリップ
値A/NLclip を算出する。 FHclip =(FISC +ΔFlog )・KCH+FFIAV FLclip =(FISC +ΔFlog )・KCL+FFIAV A/NHclip 1=FHclip /Ne A/NLclip =FLclip /Ne ここで、KCH,KCLは上限および下限クリップ補正係数
であり、本実施例ではオーバリッチによる失火等を防止
するために、上限クリップ補正係数KCHは1.2程度、
また、下限クリップ補正係数KCLは0.8程度の値に設
定されている。尚、図8のマップにおいて、上限および
下限クリップ周波数FHclip , FLclipは実線で示され
ている。
【0031】第1上限クリップ値A/NHclip 1および
下限クリップ値A/NLclip の算出を終えると、ECU
50は、ステップS29で、下式により第2上限クリッ
プ値A/NHclip 2を算出する。 A/NHclip 2=A/NDC−ΔA/Ntail・n ここで、A/NDCは減速状態突入時の吸気量、ΔA/N
tailは所定のテーリング定数、nは制御回数であり、図
10に示したように、第2上限クリップ値A/NHclip
2は制御が繰り返される毎にΔA/Ntailずつ減少して
ゆく。
【0032】第1上限クリップ値A/NHclip 1と第2
上限クリップ値A/NHclip 2との算出を終えると、E
CU50は、ステップS31で両者のうちから大きい方
の値をもって、上限クリップ値A/NHclip とする。 A/NHclip = max[A/NHclip 1,A/NHclip 2] これにより、上限クリップ値A/NHclip は、図11の
グラフに実線で示したように、減速状態突入時から所定
の勾配で暫減した後、一定の値に収斂することになる。
尚、図11中の一点鎖線は第1上限クリップ値A/NHc
lip 1を示し、破線は下限クリップ値A/NLclip を示
し、二点鎖線は第2上限クリップ値A/NHclip 2を示
している。
【0033】A/Nclip演算サブルーチンでの上限クリ
ップ値A/NHclip および下限クリップ値A/NLclip
の算出を終えると、ECU50は、図2のステップS9
でエアフローセンサ6の検出結果から求めた前述の吸気
量情報A/Nが上限クリップ値A/NHclip と下限クリ
ップ値A/NLclip との間にあるか否かを判定する。そ
して、この判定がYesであればそのままステップS13
に進むが、Noであった場合にはステップS11に進
み、上限クリップ値A/NHclip より大きい場合には上
限クリップ値A/NHclip を、下限クリップ値A/NLc
lip より小さい場合には下限クリップ値A/NLclip
を、それぞれ吸気量情報A/Nに代入する。尚、制御中
に第1カウントダウンタイマTCD1の値が0となり、ス
テップS7の判定がYesになると、ECU50は吸気量
クリップを中止してステップS13に進む。これは、減
速運転突入後に所定時間TS1が経過すると、逆流による
エアフローセンサ6の過大計測が時間的に無視できるた
めである。ECU50は、このようにして吸気量情報A
/Nを得ると、ECU50は、ステップS13で、図5
のフローチャートと図12のタイムチャートとに示し
た、TINJ 算出サブルーチンを実行する。
【0034】さて、TINJ 算出サブルーチンを開始する
と、ECU50は、先ずステップS41で、エンジン1
の冷却水温TW が所定値TWA(本実施例では、20℃)
より高いか否かを判定する。そして、この判定がNoの
場合には後述するステップS55に進み、加速増量を許
可して燃料噴射時間TINJ の算出を行う。これは、冷間
時においては、ISC11やFIAV21の開度が大き
いため、還流した吸入気がエアフローセンサ6へ逆流す
る虞がないことによる。
【0035】冷却水温TW が上昇し、ステップS41の
判定がYesとなると、ECU50は、ステップS43で
後述する第2カウントダウンタイマTCD2から制御イン
ターバルTCI分の値を減算する。尚、第2カウントダウ
ンタイマTCD2は、エンジン始動時における値が0であ
り、かつ0以下の値にはならないように設定されてい
る。次に、ECU50は、ステップS45でアイドルス
イッチがONであるか否か、すなわち、スロットルバル
ブ9が全閉であるか否かを判定する。そして、この判定
がNoの場合は後述するステップS55に進むが、Yes
である場合には、ECU50は、ステップS47でアイ
ドルスイッチがOFFからONに切り換わったか否かを
判定する。尚、この判定は、アイドルスイッチの出力の
前回値がOFFで、今回値がONである場合にYesとな
る。
【0036】そして、運転者がアクセルペダルの踏み込
みを止め、アイドルスイッチがOFFからONに切り換
わった場合(図12中のa,b,c点)には、ステップ
S47の判定はYesとなり、ECU50は、ステップS
49で第2カウントダウンタイマTCD2の値を所定時間
TS2(本実施例では、4秒)にリセットした後、ステッ
プS51で下式により燃料噴射量(燃料噴射時間)TIN
J を算出する。尚、下式中における記号は、Cが変換定
数,KT が空燃比や水温等による補正係数,TD が無効
噴射時間である。すなわち、アイドルスイッチがONに
切り換わった直後においては、ECU50は、図12の
タイムチャートに示したように、燃料噴射時間TINJ に
対して加速増量を禁止する。
【0037】TINJ =C・A/N・KT +TD そして、次回の制御時にもアイドルスイッチがONの状
態が続き、ステップS47の判定がNoとなった場合、
ECU50は、ステップS53に進んで第2カウントダ
ウンタイマTCD2の値が0になったか否かを判定する。
所定時間TS2が経過するまでは、この判定はYesとなる
ため、ECU50は、ステップS51で加速増量を禁止
して燃料噴射時間TINJ を算出する。
【0038】一方、アイドルスイッチがONからOFF
に切り換わってステップS45の判定がNoとなった場
合(図12中のd,e点)、あるいは、所定時間TS2が
経過してステップS47の判定がYesとなった場合(図
12中のf,g点)、ECU50は、加速増量を許可
し、ステップS55で吸気量の時間変化率ΔA/Nに基
づき図13のマップから加速増量値Tacc を検索した
後、ステップS57で下式により燃料噴射時間TINJ を
算出する。
【0039】TINJ =C・A/N・KT +Tacc +TD ここで、アイドルスイッチがONからOFFに切り換わ
ったり、ONのままでも所定時間TS2が経過した場合に
加速増量を許可する理由は、前者は運転者がアクセルペ
ダルを踏み込んで加速を要求しているためであり、後者
は逆流によるエアフローセンサ6の過大計測が時間的に
無視できるためである。尚、アイドルスイッチがONの
状態で加速増量が行われる状況としては、自動変速機に
おけるNレンジからDレンジへの切換時や、手動変速機
におけるクラッチの接続時等、負荷の急増する場合が挙
げられる。また、加速増量が禁止されている期間に加速
増量要求があり、その後に加速増量が許可されても、そ
の加速増量要求による加速増量(図12中のe点とc点
との間)は行わない。
【0040】燃料噴射時間算出サブルーチンでの燃料噴
射時間TINJ の算出を終えると、ECU50は、図3の
ステップS15で燃料噴射弁3を駆動し、スタートに戻
って制御を繰り返す。次に、前述した全閉時周波数補正
値ΔFlog とΔFlog 学習サブルーチンについて説明す
る。
【0041】全閉時周波数補正値ΔFlog は、ISC1
1の経年変化等を補償するための補正値で、初期値は0
に設定されている。また、イグニッションキーをOFF
にした場合にも、学習値が消去されないように、車載の
バッテリによりバックアップされている。そして、EC
U50は、所定の学習インターバル(本実施例では、
6.4秒)で、図6のフローチャートに示したΔFlog
学習サブルーチンを繰り返し実行する。
【0042】このサブルーチンを開始すると、ECU5
0は先ずステップS61で、前述した各種センサからの
運転情報をRAMに読み込み、次にステップS63で、
学習が可能であるか否かを判定し、この判定がNo(否
定)であれば学習を行わずにスタートに戻る。尚、学習
は次の諸条件、すなわち、水温WT が所定値(本実施例
では、83℃)以上であること,ISC11の回転数フ
ィードバック制御を実行中,エアコンスイッチがOFF
であること,スロットルセンサ10の出力電圧Vが全閉
と見なされる所定の範囲(本実施例では、0.2V〜
1.5V)内にあること,スロットルセンサ10の出力
電圧Vの変化率が所定値(本実施例では、0.04V/
10msec)以下であること,目標回転数NeOと実回転数
NeRとの偏差が所定値(本実施例では、50rpm )以下
であることが全て満たされたときにYes(肯定)とな
る。
【0043】上述した全ての条件が満たされてステップ
S63の判定がYesとなると、ECU50は、ステップ
S65で現時点でのエアフローセンサ6の出力周波数F
realと下式により算出した理論周波数Flog とが等しい
か否かを判定する。そして、この判定がYesであれば、
全閉時周波数補正値ΔFlog の更新は行わずにスタート
に戻る。尚、ステップS63の判定がYesとなるのは暖
機運転完了時であるため、FIAV21は全閉状態であ
るため、下式においてはFIAV周波数FFIAVの加算は
行われない。
【0044】Flog =FISC +ΔFlog 一方、ステップS65の判定がNoの場合、ECU50
は、ステップS67で出力周波数Frealが理論周波数F
log より大きいか否かを判定する。そして、この判定が
Yesであれば、ステップS69で全閉時周波数補正値Δ
Flog に所定値α(本実施例では、1.56Hz)を加
え、Noであれば、ステップS71で全閉時周波数補正
値ΔFlog から所定値αを逆に減じる。これにより、全
閉時周波数補正値ΔFlog は常に学習補正され、理論周
波数Flog の精度が維持されることになる。したがっ
て、スロットルボディ12の目詰まり等に起因して、I
SC11の開度に見合うISC周波数FISC が得られな
くなっても、A/Nclip演算サブルーチンが正しく行え
るようになるのである。
【0045】本実施例では、上述したような燃料噴射制
御を行うことにより、比較的簡単な処理手順を採りなが
ら、減速運転時における過渡的なドライバビリティの悪
化や有害排出ガス成分の増加を効果的に抑制することが
できた。以上で、具体的実施例の説明を終えるが、本発
明の態様はこの実施例に限るものではない。例えば、上
記実施例は本発明をターボチャージャを搭載した燃料噴
射式の内燃機関に適用したものであるが、ルーツブロワ
ー等、他の過給機を搭載したものに適用してもよいし、
気化器を備えたものに適用してもよい。また、本発明
は、過給機の下流側と上流側とを連通するバイパス通路
やバイパス弁を備えない内燃機関や、熱線式等、他種の
エアフローセンサを備えた内燃機関等にも適用可能であ
る。また、上記実施例では、減速運転状態を検出したと
きに加速増量を制限するようにしたが、高負荷運転状態
から低負荷運転状態に移行したときに制限を行ってもよ
い。また、内燃機関の減速時に燃料供給量に対して減速
減量補正を行う場合、加速増量と同様に、減速増量に対
しても制限を行うようにしてもよい。尚、上述した制御
に用いられる各種の判定値や係数等は、エアフローセン
サや過給機等の特性等に応じて適宜設定されることが望
ましい。更に、具体的な制御手順については、当然のこ
とながら、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更するこ
とが可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明の請求項1の燃料供給制御装置に
よれば、内燃機関の吸気系に設けられ、吸入気を加圧し
て当該内燃機関の燃焼室に供給する過給機と、前記吸気
系における当該過給機の上流側に設けられ、前記内燃機
関の吸気量情報を検出するエアフローセンサと、このエ
アフローセンサにより検出された吸気量情報に基づき前
記内燃機関の基本燃料供給量を設定する基本燃料供給量
設定手段と、前記内燃機関の過渡運転状態を検出して過
渡時補正燃料量を決定する過渡時補正量設定手段と、前
記基本燃料供給量設定手段により設定された前記基本燃
料供給量と前記過渡時補正量設定手段により設定された
前記過渡時補正燃料量とに基づき前記内燃機関への燃料
供給量を設定する燃料供給量設定手段と、前記内燃機関
の運転状態を検出する運転状態検出手段と、この運転状
態検出手段により当該内燃機関が減速運転状態または所
定負荷より低い低負荷運転状態であると検出されたとき
に、前記過渡時補正燃料量を制限する過渡時補正量制限
手段とを備えるようにしたため、吸気系内の加圧された
吸入気がエアフローセンサ側に逆流して吸気流量が過大
あるいは過少に計測されるような場合には、加速増量や
減速減量が制限され、混合気のオーバリッチ化やオーバ
リーン化に起因するドライバビリティの悪化や有害排出
ガス成分の増加を抑えることができる。
【0047】また、請求項2の燃料供給制御装置によれ
ば、請求項1記載の燃料供給制御装置において、前記過
渡時補正量設定手段は、前記内燃機関の加速運転状態を
検出して加速時付加燃料量を前記過渡時補正燃料量とし
て決定するものであって、前記過渡時補正量制限手段
は、前記運転状態検出手段により前記内燃機関が前記減
速運転状態または低負荷運転状態であると検出されたと
きに、前記過渡時補正燃料量を所定値以下に制限するよ
うにしたため、減速または低負荷運転時には、エアフロ
ーセンサの計測によらず加速増量が禁止されることにな
り、混合気のオーバリッチ化が防止される。
【0048】また、請求項3の燃料供給制御装置によれ
ば、請求項1または2に記載の燃料供給制御装置におい
て、前記吸気系に設けられ、前記過給機の下流側と上流
側とを連通するバイパス通路と、このバイパス通路に設
けられ、前記内燃機関の減速運転時または低負荷運転時
に当該バイパス通路を開放するバイパス弁とを備えるよ
うにしたため、スロットル手段を急閉することによりバ
イパス弁が開き、バイパス通路から過給機の上流側に還
流した吸入気がエアフローセンサ側に逆流した場合等に
も、加速増量や減速減量が制限され、混合気のオーバリ
ッチ化やオーバリーン化に起因するドライバビリティの
悪化や有害排出ガス成分の増加を抑えることができる。
【0049】また、請求項4の燃料供給制御装置によれ
ば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給制御
装置において、前記制限手段による前記過渡時付加燃料
量の制限は、減速運転または低負荷運転開始後に所定時
間が経過すると解除されるようにしたため、吸入気の逆
流に起因するエアフローセンサの過大あるいは過少計測
の虞がなくなった時点で、通常の燃料供給制御に速やか
に復帰して加速増量や減速減量の不要な禁止によるドラ
イバビリティの悪化が防止される。
【0050】また、請求項5の燃料供給制御装置によれ
ば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料供給制御
装置において、前記運転状態検出手段は、前記吸気系に
おける前記過給機の下流側に設けられ、人為的操作に応
じて前記内燃機関の吸気量を調整するスロットル手段が
所定開度以下であることをもって、前記減速運転状態ま
たは低負荷運転状態であると検出するようにしたため、
減速または低負荷運転が確実に検出され、加速増量や減
速減量の不必要な禁止が行われなくなる。
【0051】また、請求項6の燃料供給制御装置によれ
ば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料供給制御
装置において、前記運転状態検出手段により前記内燃機
関が前記減速運転状態または低負荷運転状態であると検
出されたときに前記吸気量情報を所定の制限範囲に制限
する吸気量情報制限手段を更に備えるようにしたため、
吸気系内の加圧された吸入気がエアフローセンサ側に逆
流して吸気流量が過大あるいは過少に計測された場合に
も、吸気量情報や燃料供給量はある制限範囲外の値には
ならず、混合気のオーバリッチ化やオーバリーン化に起
因するドライバビリティの悪化や有害排出ガス成分の増
加を抑えることができる。
【0052】また、請求項7の燃料供給制御装置によれ
ば、請求項6記載の燃料供給制御装置において、前記制
限範囲を所定の下限値以上かつ所定の上限値以下の範囲
としたため、混合気のオーバリッチ化やオーバリーン化
がより確実に防止される。また、請求項8の燃料供給制
御装置によれば、請求項1〜7のいずれか1項に記載の
燃料供給制御装置において、前記過渡時補正量制限手段
は前記過渡時補正燃料量を0に制限するものとしたた
め、減速または低負荷運転状態であると検出されると、
加速増量が全く行われなくなり、混合気のオーバリッチ
化が確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料噴射装置を適用したエンジン
制御系を示した概略構成図である。
【図2】燃料噴射制御メインルーチンの処理手順を示し
たフローチャートである。
【図3】燃料噴射制御メインルーチンの処理手順を示し
たフローチャートである。
【図4】A/Nclip演算サブルーチンの処理手順を示し
たフローチャートである。
【図5】TINJ 演算サブルーチンの処理手順を示したフ
ローチャートである。
【図6】ΔFlog 学習サブルーチンの処理手順を示した
フローチャートである。
【図7】実施例における制御の概要を示したグラフであ
る。
【図8】ISC開度とISC出力周波数との関係を示し
たマップである。
【図9】冷却水温とFIAV周波数との関係を示したマ
ップである。
【図10】減速運転突入後の経過時間と第2上限クリッ
プ値A/NHclip 2との関係を示したグラフである。
【図11】減速運転突入後の経過時間と上限クリップ値
A/NHclip との関係を示したグラフである。
【図12】アイドルスイッチのON・OFFと加速増量
との関係を示したタイムチャートである。
【図13】吸気量の時間変化率と加速増量値との関係を
示したマップである。
【符号の説明】
1 エンジン 3 燃料噴射弁 4 吸気マニホールド 6 エアフローセンサ 8 吸気管 9 スロットルバルブ 10 スロットルセンサ 11 ISC 12 スロットルボディ 15 排気マニホールド 21 FIAV 22 水温センサ 23 クランク角センサ 34 ターボチャージャ 41 バイパスパイプ 42 バイパスバルブ 47 エアパイプ 50 ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/10 330 A 41/18 C 45/00 312 F J 366 H C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気系に設けられ、吸入気を
    加圧して当該内燃機関の燃焼室に供給する過給機と、 前記吸気系における当該過給機の上流側に設けられ、前
    記内燃機関の吸気量情報を検出するエアフローセンサ
    と、 このエアフローセンサにより検出された吸気量情報に基
    づき前記内燃機関の基本燃料供給量を設定する基本燃料
    供給量設定手段と、 前記内燃機関の過渡運転状態を検出して過渡時補正燃料
    量を決定する過渡時補正量設定手段と、 前記基本燃料供給量設定手段により設定された前記基本
    燃料供給量と前記過渡時補正量設定手段により設定され
    た前記過渡時補正燃料量とに基づき前記内燃機関への燃
    料供給量を設定する燃料供給量設定手段と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 この運転状態検出手段により当該内燃機関が減速運転状
    態または所定負荷より低い低負荷運転状態であると検出
    されたときに、前記過渡時補正燃料量を制限する過渡時
    補正量制限手段とを備えたことを特徴とする過給機付内
    燃機関の燃料供給制御装置。
  2. 【請求項2】 前記過渡時補正量設定手段は、前記内燃
    機関の加速運転状態を検出して加速時付加燃料量を前記
    過渡時補正燃料量として決定するものであって、 前記過渡時補正量制限手段は、前記運転状態検出手段に
    より前記内燃機関が前記減速運転状態または低負荷運転
    状態であると検出されたときに、前記過渡時補正燃料量
    を所定値以下に制限することを特徴とする、請求項1記
    載の過給機付内燃機関の燃料供給制御装置。
  3. 【請求項3】 前記吸気系に設けられ、前記過給機の下
    流側と上流側とを連通するバイパス通路と、 このバイパス通路に設けられ、前記内燃機関の減速運転
    時または低負荷運転時に当該バイパス通路を開放するバ
    イパス弁とを備えたことを特徴とする、請求項1または
    2に記載の過給機付内燃機関の燃料供給制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制限手段による前記過渡時付加燃料
    量の制限は、減速運転または前記低負荷運転開始後に所
    定時間が経過すると解除されることを特徴とする、請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の過給機付内燃機関の燃
    料供給制御装置。
  5. 【請求項5】 前記運転状態検出手段は、前記吸気系に
    おける前記過給機の下流側に設けられ、人為的操作に応
    じて前記内燃機関の吸気量を調整するスロットル手段が
    所定開度以下であることをもって、前記減速運転状態ま
    たは低負荷運転状態であると検出することを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の過給機付内燃
    機関の燃料供給制御装置。
  6. 【請求項6】 前記運転状態検出手段により前記内燃機
    関が前記減速運転状態または低負荷運転状態であると検
    出されたときに前記吸気量情報を所定の制限範囲に制限
    する吸気量情報制限手段を更に備えたことを特徴とす
    る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の過給機付内燃
    機関の燃料供給制御装置。
  7. 【請求項7】 前記制限範囲は所定の下限値以上かつ所
    定の上限値以下の範囲であることを特徴とする、請求項
    6記載の過給機付内燃機関の燃料供給制御装置。
  8. 【請求項8】 前記過渡時補正量制限手段は前記過渡時
    補正燃料量を0に制限するものであることを特徴とす
    る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の過給機付内燃
    機関の燃料供給制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149293A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Hitachi Automotive Systems Ltd 過給機付きエンジンの制御装置
EP2957751A1 (en) 2014-06-12 2015-12-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Throttle control device of engine with supercharger

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JP2011149293A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Hitachi Automotive Systems Ltd 過給機付きエンジンの制御装置
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