JPH08141108A - 脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法 - Google Patents

脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法

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JPH08141108A
JPH08141108A JP6308346A JP30834694A JPH08141108A JP H08141108 A JPH08141108 A JP H08141108A JP 6308346 A JP6308346 A JP 6308346A JP 30834694 A JP30834694 A JP 30834694A JP H08141108 A JPH08141108 A JP H08141108A
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reaction
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JP6308346A
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Komio Nishijima
小巳雄 西嶋
Kiyonori Shinoda
清徳 篠田
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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    • A62LIFE-SAVING; FIRE-FIGHTING
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    • A62D3/00Processes for making harmful chemical substances harmless or less harmful, by effecting a chemical change in the substances
    • A62D3/40Processes for making harmful chemical substances harmless or less harmful, by effecting a chemical change in the substances by heating to effect chemical change, e.g. pyrolysis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
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    • B01D53/74General processes for purification of waste gases; Apparatus or devices specially adapted therefor
    • B01D53/86Catalytic processes
    • B01D53/8659Removing halogens or halogen compounds
    • B01D53/8662Organic halogen compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A62LIFE-SAVING; FIRE-FIGHTING
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    • A62D2101/00Harmful chemical substances made harmless, or less harmful, by effecting chemical change
    • A62D2101/20Organic substances
    • A62D2101/22Organic substances containing halogen

Abstract

(57)【要約】 【目的】 公害対策上問題となっているクロロフルオロ
カーボンなどの脂肪族ハロゲン化物を、高活性かつ高持
続の触媒を使用し、極めて温和な条件で無害化、分解処
理する新規な方法を提供する。 【構成】 脂肪族ハロゲン化物の分解方法において、脂
肪族ハロゲン化物を、 (1).低級アルコール及び/又はエーテルの存在下に、か
つ、 (2).三元触媒であって、(2)-(i).2b族、6a族、7a
族及び8族の金属ハロゲン化物から選ばれた第一成分、
(2)-(ii). 1b族(銅族)の金属ハロゲン化物から選ば
れた第二成分、(2)-(iii).1a族及び2a族の金属ハロ
ゲン化物から選ばれた第三成分、からなる三元触媒の存
在下に、加熱処理することを特徴とする脂肪族ハロゲン
化物の触媒分解法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪族ハロゲン化物を
無害化するための分解方法に関する。更に詳しくは、本
発明は公害対策上問題となっているクロロフルオロカー
ボンなどの脂肪族ハロゲン化物をアルコール及び/また
はエーテルの存在下、特定の高活性触媒系を使用して工
業的かつ経済的に無害化、分解する新規な方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】最近、四塩化炭素やクロロフルオロカー
ボン(以下、CFCと略記する)などの脂肪族ハロゲン
化物は、地球的規模での環境汚染対策上、無害化が要請
されている。特に後者のCFCはオゾン層を破壊する元
凶物質であり、これら脂肪族ハロゲン化物を温和な条件
下で、簡便に、効率的かつ経済的に無害化、分解するこ
とのできる技術の開発が強く要請されている。
【0003】従来、脂肪族ハロゲン化物の分解方法とし
て、(1) 熱分解・焼却法、(2) プラズマ放電法、(3) 触
媒分解法、(4) 化学反応法、(5) 超臨界水分解法、など
が提案されて試みられている。しかしながら、前記した
各種の分解方法は、実用化するための分解条件が厳しい
ため反応操作や反応装置の材質面などに問題が多く、必
ずしも有望な方法とはいえない。
【0004】前記した分解方法のうち、触媒分解法は
(i)比較的低温下で分解できること、(ii)分解装置を小
型化できること、 (iii)連続処理が行なえること、など
からみて最も実用化の可能性の高い方法である。
【0005】そのため、脂肪族ハロゲン化物の触媒分解
法については多くの研究がなされているところである。
この点、脂肪族ハロゲン化物として、ジクロロジフルオ
ロメタンの分解方法を以下にみてみる。分解の反応形式
として、以下のものが考えられる; 分解反応(1) :CCl2 2 =C+Cl2 +F2 分解反応(2) :CCl2 2 +O2 =CO2 +Cl2
2 分解反応(3) :CCl2 2 +2H2 O=CO2 +2H
Cl2 +2HF 分解反応(4) :CCl2 2 +2CH3 OH=CO2
2CH3 Cl+2HF 前記した分解反応 (1)〜(4) の反応熱(△H)と自由エ
ネルギー(△G)を、下記の表1に示す。
【0006】
【表1】
【0007】表1から明らかのように、ジクロロジフル
オロメタン単独の分解反応は大きな吸熱反応であるた
め、反応には極めて高い温度が必要である。これに対し
て、酸素、水(H2 O)あるいはアルコールを添加した
分解反応系においては発熱反応であるため、これらの化
合物を添加する分解方法が試みられている。例えば、
(i) 酸素を加える分解方法としては、触媒としてPO4
/ZrO2 を使用したり(第2回フロン関連触媒発表
会、1992.10.30)あるいはBPO4を使用す
るもの(日本化学会誌、645、1991年)、(ii)
水(H2 O)を加える分解方法としては、触媒としてF
2 3 /C(Chem,Lett.,1901、19
89年)を用いるもの、などが知られている。しかしな
がら、これらの反応系はいずれも500℃程度の高温を
必要とし、かつ触媒活性の持続性も十分なものでなく、
実用化には問題が多い。
【0008】これに対して、本発明者らは、先にアルコ
ールの存在下、活性炭に担持した金属ハロゲン化物(例
えば塩化第二鉄)触媒系において、脂肪族ハロゲン化物
の種類にもよるが、例えば1、1、2、2−テトラクロ
ロジフルオロエタン(以下、CRC−112とい
う。)、1、1、2−トリクロロトリフルオロエタン
(以下、CFC−113という。)などは200〜30
0℃の温和な条件でCO及びCO2 に分解し、塩素は塩
化アルキル、フッ素はフッ化水素として回収できる方法
を見い出している。また、この方法はこれら化合物の回
収が容易なうえ、無公害化のための後処理も極めて安価
に実施できるという利点を有しているものである(Ch
em.Lett.,795,1992年;特願平3−3
48642号)。
【0009】しかしながら、前記した本発明者らの先に
提案した脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法は、前記した
脂肪族ハロゲン化物(CFC−112、CFC−11
3)を200〜300℃という温和な条件で分解できる
という利点を有するが、他の触媒分解法と同様に、反応
時間の経過とともに触媒活性が低下するため、工業的実
用化のためには改善の余地を残すものである。
【0010】このため、本発明者は、前記した触媒分解
法(特願平3−348642号)を改善すべく鋭意検討
した。その結果、 ・触媒を主/助触媒の複合系とするとともに、 ・主触媒の金属ハロゲン化物が反応時間の経過とともに
酸化物になり低活性となるが、これを助触媒によりハロ
ゲン化物に復元させるという考え方で触媒系をデザイン
した場合、触媒活性を高持続性のものにすることができ
るという知見を見い出し、これについても先に提案した
(特願平5−141273号)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記したように脂肪族
ハロゲン化物の触媒分解法において、触媒活性の持続の
点についてはかなりの改善が図られて来た。しかしなが
ら、脂肪族ハロゲン化物の分解温度の低減化という要求
の観点からみると、改善の余地を残すものである。例え
ば、脂肪族ハロゲン化物としてジクロロジフルオロメタ
ン(以下、CFC−12という。)の場合、本発明者ら
の先に提案した二元(主/助)触媒、より具体的にはF
eX3 /CuX2 /C(担体)触媒系において、100
%の転化率を得るためには約330℃の分解温度が必要
であり、これを極力、低減化させようとする強いニーズ
がある。
【0012】一般に、脂肪族ハロゲン化物のうち、フッ
素原子数が増加すると分解が困難となり、より高い分解
温度が必要となる。このため、フッ素原子数の多い脂肪
族ハロゲン化物を含めた数多くの化合物をできるだけ低
温で分解できる高活性の触媒の開発が強く望まれてい
る。
【0013】本発明者らは、脂肪族ハロゲン化物の触媒
分解法において、分解温度の低減化について鋭意、検討
を加えた。その結果、本発明者らの先に提案した二元
(主/助)触媒系に対して、第三成分として1a族及び
2a族の金属ハロゲン化物を適用した場合、脂肪族ハロ
ゲン化物の分解温度を著しく低下させることが出来ると
いう知見を見い出した。本発明は前記知見をベースとす
るものであり、本発明により工業的かつ経済的な脂肪族
ハロゲン化物を無害化する新規な分解法が提供される。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、脂肪族ハロゲン化物の分解方法において、脂肪
族ハロゲン化物を、 (1).低級アルコール及び/又はエーテルの存在下に、か
つ、 (2).三元触媒であって、(2)-(i).2b族、6a族、7a
族及び8族の金属ハロゲン化物から選ばれた第一成分、
(2)-(ii). 1b族(銅族)の金属ハロゲン化物から選ば
れた第二成分、(2)-(iii).1a族及び2a族の金属ハロ
ゲン化物から選ばれた第三成分、からなる三元触媒の存
在下に、加熱処理することを特徴とする脂肪族ハロゲン
化物の触媒分解法に関するものである。以下、本発明の
技術的構成を詳しく説明する。
【0015】本発明において、分解の対象となる脂肪族
ハロゲン化物は、ハロゲン化された脂肪族アルカン又は
アルケンであって、塩素、臭素、またはフッ素の一種又
は二種以上のハロゲンで置換されたものである。本発明
においては、とりわけ分子中の水素が全てハロゲンで置
換された高度にハロゲン化された脂肪族アルカン又はア
ルケンをあげることができる。そのような化合物とし
て、四塩化炭素、パークロロエチレン、ヘキサクロロエ
タン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロ
メタン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン、
1,1,2,2−テトラクロロジフルオロエタン、トリ
フルオロブロモメタン、等が例示される。これらは、単
一化合物でもそれらの混合物の状態でも使用でき、また
実用上、脂肪族ハロゲン化物としては炭素数が1〜4の
パーハロアルカン又はアルケンが有利に利用される。
【0016】本発明において、低級アルコールは、次に
示す観点から使用されるものである。一般に、ハロゲン
化炭化水素の脱ハロゲン化反応が、アルミナの存在下に
アルコール類により生起されることが知られている。例
えば、L.Andrussow等は、アルミナ上で1,
1,2,2−テトラクロロエタンとメタノールを反応さ
せると、トリクロロエチレンと塩化メチルが生成するこ
とを報告している[Chem,Proc,Eng.,V
ol48,41(1967)]。また、篠田等は、1,
1,2−トリクロロエタンその他の塩素化アルカンとメ
タノールの共熱分解について、一連の研究を報告してい
る[Chem,Lett.,877(1973):日
化,316,661,1637(1975)]。
【0017】本発明において、低級アルコールは前記し
た観点、即ちハロゲンの受け皿剤として使用するもので
ある。低級アルコールとしては、炭素数が6程度までの
アルコールをあげることができ、実用上は副生物等の利
用を考慮して選択され、炭素数1〜4のアルコールが有
利に使用される。これらのアルコールとして、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、ター
シャリープチルアルコール等が例示できる。反応に供す
る低級アルコールは、必ずしも単一のものである必要は
なく、混合物も使用することができる。
【0018】本発明の脂肪族ハロゲン化物の分解機構は
必ずしも明らかではないが、低級アルコールの水酸基一
つが脂肪族ハロゲン化物のハロゲンの一つと反応するこ
とにより分解が進行し、低級アルコールは、水酸基部分
がハロゲンで置換された低級モノハロアルキルに変化
し、脂肪族ハロゲン化物の炭素は、二酸化炭素または一
酸化炭素になるものと考えられる。なお、分解反応によ
りハロゲン化水素が生成し、これが後述する触媒の担体
上に吸着されていることも確かめられた。したがって、
一度に全部の脂肪族ハロゲン化物を分解するためには、
脂肪族ハロゲン化物1モルに対し、少なくともその分子
が有しているハロゲンの数に相当するモル量の低級アル
コールが必要であると考えられる。しかしながら、一回
の反応で全ての脂肪族ハロゲン化物を分解する必要がな
い場合には、期待する分解率に見合う量よりもやや過剰
に低級アルコールを供給すればよく、もちろん大過剰で
あっても差し支えはない。実験結果でも、低級アルコー
ル量が少ない場合は、中間物や塩化水素などのハロゲン
化水素の生成が認められ、分解率の向上、有用な低級ハ
ロアルキルの回収の観点から低級アルコールは過剰であ
ることが好ましい。
【0019】本発明において、エーテルは前記低級アル
コールと同じ観点で使用するものである。即ち、エーテ
ルも前記アルコールと同様に触媒上でアルコキシアニオ
ンの供与体となり、ハロゲンの受け皿としての働きをす
る。この種のエーテルとしては、炭素数が12程度のも
のまでが有利に使用されるが、2〜8のものが経済的に
は価値がある。なお、本発明において、CFCと前記ア
ルコールとの接触分解反応において副生するエーテルを
循環使用することは、本発明のプロセスを合理的に運転
するために必要なことである。以上のことから、本発明
においてエーテルを単独あるいはアルコールと混合して
使用することは極めて重要な点である。本発明におい
て、前記したエーテルとしては、メチルエーテル、エチ
ルエーテル、プロピルエーテルあるいはブチルエーテル
などがアルコールに準じて使用される。
【0020】前記エーテルを使用した脂肪族ハロゲン化
物の触媒分解法において、一般にエーテルのアルキル基
の増加により、酸素原子の電子密度が増大し、アルコー
ル類と比較して求核性が向上して分解率が増加する傾向
にある。しかしながら、アルキル基が大きくなると、そ
の立体障害のために逆に分解率(反応率)が減少する傾
向にある。この傾向は、C2 5 OC2 5 、n−C3
7 OC3 7 、及びn−C4 9 OC4 9 のエーテ
ル間にみられる。
【0021】本発明の脂肪族ハロゲン化物の分解方法
は、前記したように触媒として三元(三成分)触媒を採
用するものである。まず、本発明の三元(三成分)触媒
の第一成分について説明する。本発明の三元(三成分)
触媒の第一成分は、周期律表の2b族、6a族、7a
族、8族金属のハロゲン化物から成るものである。本発
明に使用する前記第一成分は、2b族、6a族、7a族
または8族金属ハロゲン化物から成るものであって、金
属ハロゲン化物としては、例えば、Zn、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、またはPdのハロゲン化物、または
それらの混合物があげられ、そのハロゲンとしては、塩
素および/またはフッ素があげられる。
【0022】本発明において、前記した金属ハロゲン化
物は、三塩化クロムや三フッ化クロムのような複数種の
ハロゲンを含む化合物であってもよい。因みに、三塩化
クロム触媒でクロロフルオロカーボンを処理すると、処
理中に塩素の一部がフッ素で置換されることが起こる。
但しこの場合でも反応活性が低下することはない。本発
明において、前記した第一成分の金属ハロゲン化物は、
一種であっても二種以上であってもよいことはいうまで
もないことである。本発明の第一成分としては、活性と
その持続性の観点からみて、特に塩化第二鉄及び/又は
フッ化第二鉄が優れたものである。
【0023】次に、本発明の三元(三成分)触媒の第二
成分について説明する。本発明の三元(三成分)触媒系
において、前記第一成分である金属ハロゲン化物は、分
解時間の経過とともに低活性の酸化物となる。このた
め、本発明は、第一成分の低活性化種である酸化物を触
媒活性を有するのハロゲン化物に復元させるために第二
成分を使用するものである。
【0024】前記した点を、第一成分として塩化第二鉄
やフッ化第二鉄を使用した触媒系について考察する。即
ち、脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法において、反応時
間の経過とともに第一成分である塩化第二鉄やフッ化第
二鉄がアルコールと反応し、下記反応式 (1)〜(2) で示
されるように酸化第二鉄を生成する。そして、この酸化
第二鉄は当初の塩化第二鉄やフッ化第二鉄と比較して触
媒活性が低いものである。 (1) 2FeCl3 +6CH3 OH=Fe2 3 +6CH
3 Cl+3H2 O (2) 2FeF3 +6CH3 OH=Fe2 3 +6HF+
3CH3 OCH3
【0025】本発明において、第二成分として、例えば
塩化第二銅を使用すると、著しい触媒の高活性と持続性
を得ることができる。これは下記反応式(3) により酸化
第二鉄とハロゲン化第二銅が反応して、主触媒(例えば
フッ化第二鉄)が生成されるからである。 (3) Fe2 3 +3CuF2 =2FeF3 +3CuO
【0026】引き続いて、反応式(3) により生成した酸
化第二銅は、脂肪族ハロゲン化の触媒分解により生成す
るハロゲン化水素と反応し、下式 (4)〜(5) に示される
ようにハロゲン化第二銅(第二成分)を生成する。 (4) CuO+2HF=CuF2 +H2 O (5) CuO+2HCl=CuCl2 +H2
【0027】以上の結果、前記した反応の間にはサイク
ルする一連の反応が成立し、触媒系の反応活性の持続性
が維持される。
【0028】前記したように、本発明の第二成分は極め
て重要な役割を果すものである。本発明において、前記
した第二成分としては、1b族(銅族)の金属ハロゲン
化物が好ましい。前記した第二成分としての1b族の金
属ハロゲン化物は、ハロゲンと酸素の交換反応、例えば
ハロゲン化第二銅と酸化第二銅との間の可逆反応を円滑
に進行する特性を有する。本発明において、第二成分と
して、特に塩化第二銅が好ましいものである。
【0029】しかしながら、前記した第一〜第二成分か
らなる二元触媒系のもとで脂肪族ハロゲン化物を長期に
亘り分解すると、触媒活性の低下が認められる。これ
は、還元性雰囲気下にある脂肪族ハロゲン化物の分解反
応素において、例えば第一成分のハロゲン化族(三価)
が低次のハロゲン化物(二価)または金属鉄に還元させ
て低活性となること、及び第二成分の銅ハロゲン化物の
不安定化に起因するものと考えられる。
【0030】本発明は、特に第二成分の機能を十分に発
揮させる意味で、例えば銅ハロゲン化物を錯塩化合物と
して安定域にとどめる方式を採用するものである。そし
て、このことが、触媒系の安定化と高活性化を導き、従
来より低い分解温度で脂肪族ハロゲン化物の分解が可能
となるものと考えている。前記第二成分として1a族及
び2a族の金属ハロゲン化物が有用である。
【0031】本発明において、第二成分、例えば銅ハロ
ゲン化物は、第三成分と錯塩をつくり安定化する。より
具体的には、CuCl2 はKClやCsClと反応し、
KCuCl3 やKCl・CuCl2 、あるいはCs2
uCl4 やCsCuCl3 などの錯塩を生成するもので
ある。なお、前記した錯塩の形成は、J・W・Mello
r,「A Comprehensive Treatise On Inorganic and The
oretical Chemistry 」第3巻、pp187 〜188 (1961)
より知られているところである。
【0032】また、前記第三成分の使用により触媒系が
安定化かつ高活性化する点は、 ・ディーコン反応(これは塩化水素と酸素により塩素,
Cl2 を抽出する反応である。)、または ・オキシ塩素化反応(これはエチレンに塩化水素と酸素
を反応させて1,2−ジクロロエタンを合成する反応で
ある。)、に対して使用されるディーコン触媒におい
て、多孔質担体にCuCl/KCl共触媒を担持させた
触媒が優れているということからも支持される(東京科
学同人編、科学大辞典、p1455 、1989年)。
【0033】本発明において三元触媒を構成する各成分
の使用割は、適宜に決定すればよい。例えば、第二成分
に対する第三成分の使用割は、第二成分の化学的量論量
から0.5〜2.0の範囲で使用すればよい。
【0034】本発明で使用する前記三元(三成分)触媒
は、所望の担体に担持されて使用できることはいうまで
もないことである。前記した担体としては、活性炭、ア
ルミナ、活性アルミナ、シリカゲルなどが使用される
が、特に活性炭が好ましい。前記担体としての活性炭
は、例えば木材、オガクズ、ヤシガラ等の植物性材料、
獣の肉、骨等の動物性材料、亜炭、泥炭、石炭、石油、
されにはこれらを処理して得られるピッチ等の鉱物性材
料より製造される活性炭が使用できる。活性炭の形状と
しては、分解反応を気相流通式で行うので、粒状、例え
ば、破砕篩分し、粒度分布範囲を整えたもの、製造時に
予め成形し、または粉状炭をバインダーを加えて成形し
た球状、円筒状の粒状活性炭が好ましい。粒子の大きさ
は、反応様式を流動床式とするか固定床式とするか等に
より、適宜選択される。
【0035】本発明の三元(三成分)触媒の担体への担
持方法は、例えば、第一成分の金属ハロゲン化物の水溶
液に活性炭を入れてよく混合含浸させた後、乾燥する、
いわゆる含浸法で調製することができる。また、金属ハ
ロゲン化物の活性炭への担持量は、特に制限されない
が、0.02〜0.2 mol/100g 活性炭程度が好ま
しい。その外、触媒の調製に当たり、第二〜第三成分は
もとより触媒成分の揮散防止や融点調整等のために、他
の成分を加えることができることはいうまでもないこと
である。
【0036】本発明の脂肪族ハロゲン化物の分解反応に
おける反応温度は、一般に100℃〜400℃、好まし
くは120℃〜350℃である。反応温度が低すぎる
と、生成物、特に水が凝縮して触媒の金属ハロゲン化物
を溶解したり、反応装置を腐食させたりするので好まし
くない。反応温度の上限は、分解対象の脂肪族ハロゲン
化物の種類の差による反応の難易度により決められる。
一般に、脂肪族ハロゲン化物中に塩素の多いものは、比
較的低温で反応するが、フッ素が多くなると反応が難し
くなり、高温にする必要がある。いずれにせよ、反応温
度が400℃を越えると、低級アルコール類やエーテル
類に由来する部分も分解するようになり、有用物の回収
には適さない反応が生じるようになる。しかしながら、
実際の使用に際して、対象物質について予め実験的に確
かめておくことにより、上記の問題に十分対処すること
ができる。例えば、四塩化炭素をエタノールで分解する
場合は、約200℃でほぼ完全に反応するが、1,1,
2−トリクロロトリフルオロエタンとエタノールの場合
には、効率的に分解するには300℃以上が必要であ
る。なお、塩化第二鉄を担持した触媒を使用する場合
は、塩化第二鉄が比較的低温で昇華するので、比較的低
い反応温度が採用される。
【0037】分解反応は、通常の気相流通式の反応装置
で行なえばよい。すなわち、反応装置として、固定床流
通式反応装置、流動床式反応装置等が適用可能である。
反応の均一性という点では、後者が好ましいが、その場
合、触媒の耐摩耗性、粒度分布等が問題となるので、触
媒調製には十分配慮する必要がある。反応圧力には特に
制限はなく、反応中に気相が保持される圧力であれば十
分である。しかしながら、加圧状態での反応は、装置を
縮小化できるため好ましいものである。反応に際して
は、反応に不活性な希釈剤も適宜使用することができ
る。
【0038】本発明によれば、極めて低温で脂肪族ハロ
ゲン化物を分解することが可能であり、脂肪族ハロゲン
化物の炭素は二酸化炭素又は一酸化炭素に転化され、一
方、ハロゲンはハロゲン化水素となるばかりでなく、反
応条件を選ぶことによりアルコール類やエーテル類と反
応して、脂肪族モノハロゲン化物として回収することが
できるという利点もある。また、本発明は、メタンまた
はメタノールを原料として、塩化メチレンやクロロホル
ムを製造する際、不可避的に副生する四塩化炭素の処理
の為にも使用することができる。この場合、四塩化炭素
の分解にメタノールが利用され、メタノールが塩化メチ
ルに変化するので、実質的に四塩化炭素の副生を伴うこ
となく塩化メチレンやクロロホルムを製造することが可
能になる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例のものに限定されるものでは
ない。
【0040】実施例1 (1) 三元触媒の調製 0.025mol のフッ化第二鉄(触媒第一成分)、0.
025mol の塩化第二銅(触媒第二成分)を希塩酸20
0mlに溶解した。次いで、平均長さ7mm、粒径4mm,比
表面積1280 m2 /g の円柱状活性炭(和光純薬社
製)20g を室温で浸漬した後、加熱して水を蒸発さ
せ、前記第一成分と第二成分を活性炭に担持した。更
に、0.025mol のフッ化セシウム(触媒第三成分)
を200mlの水に溶解した後、これに前記活性炭を室温
で浸漬処理し、三元触媒を調製した。
【0041】(2) 脂肪族ハロゲン化物の分解反応 前記三元触媒の全量を全長40cm、内径25mmのステン
レス管の中央部に充填して堅型反応管を形成し、300
℃の温度に加熱した。次に、ジクロロジフルオロメタン
(以下、CFC−12と略記する。)を、毎時0.06
5mol の速さでガス状で反応管に送り込み、別にメタノ
ールを毎時10mol の速さで反応管に送り込み、CFC
−12を接触分解した。なお、CFC−12とメタノー
ルの分解ゾーンへの供給割合は、1mol 対4mol であ
る。
【0042】(3) 分解反応による生成ガスの分析結果 生成ガスを一定時間間隔に採取して、その組成を活性炭
を充填剤とするガスクロマトグラフィーで分析した。反
応開始5時間後のCFC−12の転化率は95%を示し
た。
【0043】比較例1 前記実施例1において、フッ化セシウム(触媒第三成
分)を使用しない二元触媒のもとで、同様の実験を行な
った。この場合、実施例1と同様のCFC−12の転化
率(95%)を達成するためには、分解温度として約3
50℃が必要であった。このことから、本発明の三元触
媒が高活性のものであり、かつ極めて温和な条件で脂肪
族ハロゲン化物を分解できることがわかる。
【0044】実施例2 実施例1のフッ化セシウム(触媒第三成分)にかえて、
フッ化カリウムを使用して実験した。CFC−12の転
化率は85%にとどまったが、従来の二元触媒より高性
能であることがわかった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、公害対策上問題となって
いるクロロフルオロカーボンなどの脂肪族ハロゲン化物
を、アルコール及び/又はエーテルの存在下、特定の高
活性かつ持続性の触媒系のもとで、従来に比較して極め
て温和な温度条件下で無害化、解することが出来る。
【0046】また、本発明の脂肪族ハロゲン化物の無害
化、触媒分解法は、脂肪族ハロゲン化物の大規模、大量
処理はもとより、小規模、少量処理に適した分解装置を
構築することにより実施することが出来るため、極めて
汎用性の高い触媒分解法である。
【0047】更に、反応条件を選択することにより、脂
肪族ハロゲン化物から脂肪族モノハロゲン化物などの有
用化合物を回収することが可能である。従って、オゾン
層破壊の問題などで対応が急がれているクロロフルオロ
カーボンなどの脂肪族ハロゲン化物に対する本発明の触
媒分解法は、大気汚染防止技術として極めて有用なもの
である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法におい
    て、脂肪族ハロゲン化物を、 (1).低級アルコール及び/又はエーテルの存在下に、か
    つ、 (2).三元触媒であって、(2)-(i).2b族、6a族、7a
    族及び8族の金属ハロゲン化物から選ばれた第一成分、
    (2)-(ii). 1b族(銅族)の金属ハロゲン化物から選ば
    れた第二成分、(2)-(iii).1a族及び2a族の金属ハロ
    ゲン化物から選ばれた第三成分、からなる三元触媒の存
    在下に、加熱処理することを特徴とする脂肪族ハロゲン
    化物の触媒分解法。
  2. 【請求項2】 第一成分が、鉄(Fe)ハロゲン化物で
    ある請求項1に記載の脂肪族ハロゲン化物の触媒分解
    法。
  3. 【請求項3】 鉄(Fe)ハロゲン化物が、塩化第二鉄
    及び/又はフッ化第二鉄である請求項2に記載の脂肪族
    ハロゲン化物の触媒分解法。
  4. 【請求項4】 第二成分が、銅(Cu)ハロゲン化物で
    ある請求項1に記載の脂肪族ハロゲン化物の触媒分解
    法。
  5. 【請求項5】 銅(Cu)ハロゲン化物が、塩化第二銅
    である請求項4に記載の脂肪族ハロゲン化物の触媒分解
    法。
  6. 【請求項6】 第三成分が、1a族の金属フッ化物であ
    る請求項1に記載の脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法。
  7. 【請求項7】 金属フッ化物が、フッ化セシウム(Cs
    F)である請求項6に記載の脂肪族ハロゲン化物の触媒
    分解法。
  8. 【請求項8】 加熱処理の条件が、100〜400℃で
    ある請求項1に記載の脂肪族ハロゲン化物の触媒分解
    法。
  9. 【請求項9】 第一成分〜第三成分が、担体に技持され
    たものである請求項1に記載の脂肪族ハロゲン化物の触
    媒分解法。
  10. 【請求項10】 担体が、活性炭である請求項9に記載
    の脂肪族ハロゲン化物の触媒分解法。
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